JP4483515B2 - 製品面形状設計システムおよび金型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の工程を経て完成する製品の金型の製品面形状を設計する製品面形状設計システム、および、金型の製造方法に関する。
近年、射出成形やプレス成形に用いられる金型の設計にコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)解析手法が利用されている。例えば、特許文献1には射出成形用の金型の設計にCAEを利用した技術が開示されている。これは、その金型によって製作される樹脂成形品の外形形状の変形量などをシミュレーション(CAE解析)によって計算し、その変形量などが所望の値以内となる条件を有限要素法により求めている。これによれば、実際の金型製造前に、成形不具合を予測し、その不具合対策を設計段階で講じることができる。そのため、実際の樹脂成形品の不良発生を未然に防止でき得る。
特開平10−138310号公報
しかしながら、上述の技術では、射出成形以降の工程で生じる不具合については考慮されていない。すなわち、射出成形により得られた製品は、通常、塗装や組み付けといった複数の工程を経て完成する。製品は、この塗装や組み付け工程において熱的、機械的負荷を受け、形状変形を生じる。したがって、射出成形時の不具合についてのみ対策を講じた特許文献1の技術では、最終的に必要な寸法精度の樹脂成形品を得られない。
もちろん、塗装や組み付け時に生じる伸縮量を予測するCAE解析手法も提案されており、これらの技術を利用することで塗装や組み付け工程での形状変形量を得ることができる。しかしながら、従来提案されている技術はいずれも単独の工程の形状変形量を予測しているにすぎず、製品の製造工程全体を通しての形状変形量を予測することはできなかった。
そこで、本発明は、製品の最終的な寸法精度を向上し得る製品面形状設計システム、および、金型の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の製品面形状設計システムは、複数の工程を経て完成する製品の金型の製品面形状を設計する製品面形状設計システムであって、入力手段と記憶手段と処理手段とを有する製品面形状設計システムにおいて、処理手段は、入力手段を介して入力された製品の目標形状のCADデータに基づいてCAE解析で用いるメッシュデータを算出し、メッシュデータを入力とするCAE解析により算出された、各工程で生じる製品の変位量と、全工程を経た後の製品形状である解析結果形状と、を記憶手段に記憶させ、記憶手段に記憶された各工程ごとの変位量と、予め記憶手段に記憶された各工程の変位量の重みを示す補正係数と、の積和に応じてCAE解析で用いるメッシュデータを再算出し、目標形状と解析結果形状との差異量が所定の許容値未満か否かを判断し、差異量が所定の許容値未満となるまでCAE解析と再算出とを繰り返し、差異量が所定の許容値未満となった際のメッシュデータに基づいて金型の製品面形状を算出することを特徴とする。
他の好適な態様では、製品が、射出成形品の場合、変位量として、射出成形工程で生じる射出成形変位量と、塗装工程で生じる塗装熱変位量と、製品を上位製品ユニットに組み付ける組み付け工程で生じる組付変位量と、をCAE解析により算出する。
他の本発明である金型製造方法は、複数の工程を経て完成する製品の金型を製造する金型製造方法であって、入力手段と記憶手段と処理手段とを有する製品面形状設計システムの処理手段が、入力手段を介して入力された目標形状のCADデータに基づいてCAE解析で用いるメッシュデータを算出する初期算出ステップと、メッシュデータを入力とするCAE解析により算出された、各工程で生じる製品の変位量と、全工程を経た後の製品形状である解析結果形状と、を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、記憶手段に記憶された各工程ごとの変位量と、予め記憶手段に記憶された各工程の変位量の重みを示す補正係数と、の積和に応じてCAE解析で用いるメッシュデータを再算出する再算出ステップと、目標形状と解析結果形状との差異量が所定の許容値未満か否かを判断する判断ステップと、差異量が所定の許容値未満となるまで記憶ステップと再算出ステップとを繰り返す繰返ステップと、差異量が所定の許容値未満となれば、その際のメッシュデータに基づいて金型の製品面形状を算出する製品面形状算出ステップと、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、全工程を経た後の製品形状をCAEで求め、このCAEの解析結果に基づき、寸法精度を向上できる金型の製品面形状を算出している。したがって、製品の最終的な寸法精度を向上できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。はじめに本発明の実施の形態である金型設計システムを利用して製造される樹脂成形品の製造の流れについて簡単に説明する。図1は、樹脂成形品の製造の流れを示すフローチャートである。本実施の形態で対象としている樹脂成形品は、車両や電子機器などの種々のアセンブリ製品の一部品として用いられ、複数の工程を経て完成されるものである。
一般に樹脂成形品を製造する場合、最初に樹脂成形品の完成形状、すなわち、目標形状の設計がなされる(S10)。これはCADなどを利用して行なわれる。最終的に得たい樹脂成形品の形状、目標形状は、意匠性や機能性、製造容易性などを考慮して設計される。
目標形状が設計されれば、この目標形状の樹脂成形品を得るための金型を、金型設計システムを用いて設計する(S12)。このとき、金型の製品面形状は、樹脂成形品の目標形状に基づいて設計される。次に、金型が設計できれば、その設計結果に基づいて実際の金型を製造する(S14)。そして、製造された金型に熱可塑性樹脂を射出し、樹脂成形品を成形する(S16)。ここで得られる樹脂成形品は、樹脂凝固時に収縮や反りなどが生じるため金型の製品面形状と若干異なる形状となる。
射出成形により得られた樹脂成形品は、塗装が施される(S18)。この塗装は高温の状態でなされるため、樹脂成形品には熱的負荷による形状変形が生じる。塗装が施された樹脂成形品は、上位製品ユニットに組みつけられ完成となる(S20)。組み付けは、樹脂成形品の取付部位を上位製品ユニットの取付部位に接続することによりなされる。樹脂成形品および上位製品ユニットの取付部位は、いずれも、設計段階において予め決定されている。製造工程を経て樹脂成形品が目標形状と異なる形状(設計段階で予想した形状と異なる形状)に変形していた場合には、樹脂成形品側の取付部位と、上位製品ユニット側の取付部位の位置がずれてしまう場合がある。その場合は、樹脂成形品に力を加えて変形させ、強制的に上位製品ユニット側の取付部位に接続する。このとき加えられた力は、取付部位周辺だけでなく、樹脂成形品全体を変形させる。
以上の説明から分かるように、樹脂成形品は、上位製品ユニットに組み付けられて完成するまでの間に複数の工程を経る。この各工程において熱的、機械的負荷により形状変形が生じる。金型の製品面形状は、この形状変形を考慮し、あらかじめ、各製造工程で生じる形状変形量を吸収できる形状に設計されるのが望ましい。すなわち、複数の工程を経て樹脂成形品が収縮する場合、金型の製品面形状は、目標形状に比べ収縮相当量分だけ大きくしておくことが必要である。しかしながら、従来の技術では、全工程を通じて生じる形状変形を考慮するという考えはなく、組み付け後(完成後)に樹脂成形品が目標形状となる製品面形状を設計する技術はなかった。その結果、組み付け後(完成後)における樹脂成形品の寸法精度が低いという問題があった。
そこで、本実施の形態では以下で説明する金型設計システム10を用いて、より寸法精度の高い樹脂成形品を得られる金型を設計している。図2は、本実施の形態である金型設計システム10のハードウェア構成を示す図である。金型設計システム10は、各部を制御する機能を有する中央処理装置(以下、「CPU」という)12、ROMやRAM等で構成されたメモリ14、各種データを記憶するハードディスク16、キーボードやマウス等で構成される入力部20、CRTまたは液晶ディスプレイ等で構成され形状データを表示する表示部22、フレキシブルディスクに対するデータの読み書きを行なうフレキシブルディスクドライブ(FDD)24、CD−ROMからデータの読み出しを行なうCD−ROMドライブ26、他のコンピュータ等と信号及びデータを遣り取りするための通信部18等をそれぞれバスによって接続して構成されている。
図3は、金型設計システム10の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態において、金型設計システム10は、複数のCAE28,30,32に接続されている。CAE28,30,32は、コンピュータ上で仮想的に解析対象物を構成し、シミュレーションにより解析対象物の形状変形や熱伝導性等の解析を行うものである。本実施形態の金型設計システム10は、射出成形時に生じる射出成形変位量を解析する射出成形用CAE28、塗装時に生じる塗装熱変位量を解析する塗装用CAE30、組み付け時に生じる組付変位量を解析する組付用CAE32の3種類のCAEに接続されている。また、各CAE28,30,32同士も、実際の製造工程の順番、すなわち、射出成形用CAE28、塗装用CAE30、組付用CAE32の順に直列に接続されており、データの遣り取りが可能となっている。
金型設計システム10には入力部34を介して目標形状のCADデータが入力される。このCADデータは、データ変換部36によりメッシュデータに変換される。変換されたメッシュデータは、CAE28,30,32に渡され、各工程で生じる変位量、および、全工程を経た後の樹脂成形品の形状である解析結果形状とが算出される。金型設計システム10の判断部38は、目標形状と解析結果形状との差異量が許容値未満か否かを判断する。判断部38は、許容値以上の場合は再作成部44にその旨を通知する。再作成部44は、各工程で生じる変位量に基づいて、解析結果形状と目標形状との差異量が許容値未満となるような新たなメッシュデータを再作成する。再作成されたメッシュデータは、再度、CAE28,30,32に入力される。そして、差異量が許容値未満となるまで、CAE28,30,32での解析と、メッシュデータの再作成と、が繰り返される。差異量が許容値未満となれば、その時点でのメッシュデータをCADデータ変換部46に渡す。CADデータ変換部46は、メッシュデータをCADデータに変換し、金型設計部48に渡す。金型設計部48は、変換されたCADデータに基づく金型設計機能をオペレータに提供する。以下、この金型設計システム10について詳説する。
入力部34は、キーボードやマウスなどから構成され、他のCADシステムなどで設計された目標形状のCADデータや、オペレータからの各種指示の入力を受け付ける。入力されたCADデータはデータ変換部36に渡される。
データ変換部36では、渡されたCADデータをシェルメッシュのメッシュデータに変換する。シェルメッシュは、メッシュデータを構成する個々のメッシュ形状の種類であり、二次元状のメッシュ形状を指す。これに対し、三次元状のメッシュ形状は、ソリッドメッシュと呼ばれる。本実施の形態では、計算資源(メモリや計算時間、CPU能力など)を節約できるシェルメッシュを用いている。もちろん、計算資源や利用するCAEの能力、目標形状などに応じてソリッドメッシュを用いてもよい。ここで、通常、目標形状のCADデータは三次元ソリッドモデルである。したがって、三次元ソリッドモデルの目標形状を二次元のシェルメッシュのメッシュデータに変換する場合は、ソリッドモデルの中立面や表面などを抽出し、抽出された面をシェルメッシュに分割する。
変換されたメッシュデータの各節点の座標値は、目標形状の座標値および解析対象形状の座標値として記憶部40に記憶される。ここで、目標形状の座標値は、金型の設計が終了するまで変更されることなく、その値が保持される。一方、解析対象形状の座標値は、後述する再作成部44で新たな解析対象形状が再作成される度にその値が更新される。3つのCAE28,30,32は、この解析対象形状を、樹脂成形品の形状と仮定して、各製造工程で生じる変位量を算出する。
変換されたメッシュデータ、すなわち、解析対象形状のメッシュデータは、図示しないディスプレイなどの表示部に表示される。金型設計システム10のオペレータは、表示されたメッシュデータを参考に、このメッシュデータに対して板厚分布情報を設定する。これにより、二次元形状のシェルメッシュから構成されるメッシュデータに厚み情報が付加される。設定された板厚分布情報は、解析対象形状のメッシュデータとともに射出成形用CAE28に出力される。
射出成形用CAE28では、入力された解析対象形状のメッシュデータに基づいて、射出成形における金型内の溶湯の流れや凝固状態のシミュレーションを行う。そして、射出成形時に樹脂成形品に生じる変位量、射出成形変位量UFをメッシュデータの各節点ごとに算出する。これは、周知のCAE技術を利用することにより実現できる。変位量は、方向と大きさを持つベクトルとして算出される。算出された各節点ごとの射出成形変位量UFは、金型設計システム10に出力される。金型設計システム10は、入力された射出成形変位量UFを記憶部40に記憶する。
また、射出成形用CAE28は、解析対象形状のメッシュデータに射出成形変位量UFを反映した新たなメッシュデータを作成する。この新たなメッシュデータは、射出成形後の樹脂成形品の形状を示すものである。以下では、この射出成形変位量UFで算出された新たなメッシュデータを第一中間解析形状のメッシュデータという。作成された第一中間解析形状のメッシュデータは、塗装用CAE30に入力される。
塗装用CAE30では、入力された第一中間解析形状のメッシュデータに基づいて、塗装時に樹脂成形品に生じる変位量を算出する。ここで算出される変位量もベクトルとして出力され、塗装熱変位量UTとして金型設計システム10に入力される。金型設計システム10は、これを記憶部40に記憶する。また、塗装用CAE30に入力されたメッシュデータ(第一中間解析形状のメッシュデータ)に塗装熱変位量UTを反映した新たなメッシュデータ、すなわち、射出成形工程と塗装工程とを経た後の樹脂成形品の形状を示すメッシュデータを作成する。以下では、この塗装用CAE30で作成されたメッシュデータを、第二中間解析形状のメッシュデータと呼ぶ。第二中間解析形状のメッシュデータは、組付用CAE32に入力される。
組付用CAE32でも射出成形用CAE28、塗装用CAE30と同様に、組み付け時に生じる変位量を算出し、これを金型設計システム10に出力する。金型設計システム10は、これを組付変位量UAとして記憶部40に記憶する。また、入力されたメッシュデータ(第二中間解析形状のメッシュデータ)に対して組付変位量UAを反映したメッシュデータ、すなわち、射出成形工程と塗装工程と組み付け工程とを経た後の樹脂成形品の形状を示すメッシュデータを作成する。このメッシュデータは、換言すれば、樹脂成形品の完成形状を示すメッシュデータである。このメッシュデータは、金型設計システム10に入力され、解析結果形状として記憶部40に記憶される。
金型設計システム10の判断部38は、現在の解析対象形状の良否を判断する。この判断は、現在の解析対象形状が金型の製品面形状として適切か否かを判断するもので、目標形状と解析結果形状との差異量に基づいて判断する。具体的には、次の式(1)で求められる平均差異量Sが許容値以内かを判断する。
S={Σ|(X−X0)|}/N (1)
ここで、Xは目標形状の各節点の座標値、X0は解析結果形状の各節点の座標値、Nは節点の総数である。平均差異量Sが許容値未満であれば解析対象形状を良好と判断し、CADデータ変換部46に当該解析対象形状を渡す。一方、差異量が許容値以上の場合は、解析対象形状を不良と判断し、その旨を再作成部44に出力する。なお、平均差異量Sの許容値は、経験的に求められた値である。これは、固定値であってもよいし、樹脂成形品の材料や種類、目標形状などに応じて適宜変えてもよい。また、本実施形態では、樹脂成形品全体での平均差異量Sに基づいて判断しているが、樹脂成形品の部位ごとに判断してもよい。例えば、上位製品への取付部位周辺のみの平均差異量を算出し、この一部分だけは許容値を厳しくするようにしてもよい。また、平均差異量Sに限らず、差異量の最大値や総和などに基づいて判断してもよい。
再作成部44は、判断部38から「解析対象形状が不良」という結果を受ければ、解析対象形状のメッシュデータを再作成する。再作成部44は、解析結果形状(全工程を経た樹脂成形品形状)が目標形状となるような新たな解析対象形状を再作成する。これは、目標形状から変位量を相殺することにより再作成できる。具体的には、新たな解析対象形状の各節点の座標値Xを式(2)で算出する。
=X−(α・UT+β・UF+γ・UA) (2)
ここで、Xは新たな解析対象形状のメッシュデータの座標値、UF,UT,UAは各CAE28,30,32で算出された変位量、α,β,γは係数DBに記憶された補正係数である。補正係数は、各変位量UF,UT,UAの重みを示す係数であり、予め、経験により決められている。式(2)から明らかなように、新たな解析対象形状は、変位量UF,UT,UAを相殺できるように、目標形状から変位量UF,UT,UAを引いた形状である。逆にいえば、解析対象形状の樹脂成形品に、CAEで算出された変位量UF,UT,UAと同じ大きさの変位が生じれば、完成後の樹脂成形品は目標形状となる。
ただし、本実施の形態では、各変位量UF,UT,UAに補正係数α,γ,βを乗算した値を目標形状から引いている。これは次の理由による。当然のことながら、変位量UF,UT,UAの算出に用いた解析対象形状と、再作成された新たな解析対象形状とは、異なる形状である。形状が異なれば、生じる変位量も異なってくる。つまり、新たな解析対象形状の樹脂成形品で生じる変位量は、式(2)で用いた変位量とは異なるのである。そこで、この新たな解析対象形状の樹脂成形品で生じる変位量と、式(2)で用いた変位量との差を補正すべく、補正係数を乗算している。そして、各変位量UF,UT,UAに補正係数α,γ,βを乗算することにより、より適切な解析対象形状、すなわち、解析結果形状と目標形状との差異量がより小さくなる解析対象形状を得ることができる。なお、本実施の形態では、各補正係数α,β,γは1以下の値であり、1>α>β>γ>0という関係になっている。なお、当然ながら、これ以外の値であってもよい。また、各補正係数α,β,γの値は、対象となる樹脂成形品の形状や材質等に応じて適宜変更してもよい。また、各補正係数の値は、一つの樹脂成形品であっても部位ごとに異なる値を用いてもよい。
式(2)で求められた各節点の座標値Xは、新たな解析対象形状の座標値として、記憶部40に記憶される。また、新たな解析対象形状のメッシュデータは、射出成形用CAE28に入力され、再度、各工程で生じる変位量UF,UT,UAの算出がなされる。各CAE28,30,32で算出された変位量UF,UT,UA、および、組付用CAE32から出力された解析結果形状のメッシュデータは、金型設計システム10に出力され、記憶部40に記憶される。全CAE28,30,32による解析が終了すれば、判断部38は、再度、解析対象形状の良否を判断する。そして、解析対象形状が良好と判断されるまで、再作成部44による解析対象形状の再作成、各CAE28,30,32による解析を繰り返す。
CADデータ変換部46では、判断部38から「解析対象形状が良好」との判断を受ければ、記憶部40に記憶された解析対象形状のメッシュデータをCADデータに変換する。このCADデータへの変換は、周知の種々の方法、例えば、特開平2002−342390号公報に記載の技術等を用いることにより実現できる。変換されたCADデータは、金型設計部48に出力される。
金型設計部48は、通常の金型設計システムの機能を備えており、オペレータの指示に応じて金型が設計できる。オペレータは、この設計部の機能を用いて金型を設計する。この際、金型の製品面形状は、解析対象形状のCADデータに基づいて設計される。解析対象形状は、複数の工程を経た完成後に目標形状となる形状である。したがって、この解析対象形状に基づいて設計された金型を用いれば、完成時に目標形状となる樹脂成形品を得ることができる。
次に、この金型設計システム10を用いて金型を設計する流れについて図4を用いて説明する。金型を設計する場合は、まず最初に、目標形状のCADデータを入力部34を介してデータ変換部36に入力し、メッシュデータに変換する(S22)。変換されたメッシュデータの各節点の座標値は、目標形状の座標値、および、解析対象形状の座標値として記憶部40に記憶される。記憶された目標形状の座標値は、金型の設計終了まで、その値が保持される。一方、解析対象の座標値は、再作成部44で新たな解析形状が再作成される度に、その値が更新される。
解析対象形状のメッシュデータはディスプレイなどの表示部に表示される。オペレータは、表示されたメッシュデータを参考に、板厚分布の設定を行なう(S24)。設定された板厚分布情報は、解析形状のメッシュデータとともに射出成形用CAE28に入力される。
射出成形用CAE28は、入力された解析形状のメッシュデータおよび板厚分布情報に基づいて、射出成形時における金型内の溶湯の流れや凝固状態をシミュレーションする(S26)。そして、射出成形時に樹脂成形品に生じる変位量および変位後の樹脂成形品の形状を算出する。算出された変位量は、金型設計システム10の記憶部40に射出成形変位量UFとして記憶される。また、変位後の樹脂成形品の形状は、第一中間解析形状として塗装用CAE30に出力される。
塗装用CAE30は、第一中間解析形状のメッシュデータに基づいて、塗装時に樹脂成形品に生じる変位量および変位後の樹脂成形品の形状を算出する(S28)。算出された変位量は、塗装熱変位量UTとして金型設計システム10の記憶部40に記憶され、変位後の樹脂成形品の形状は第二中間解析形状として組付用CAE32に出力される。
組付用CAE32では、第二中間解析形状のメッシュデータに基づいて、組み付け時に樹脂成形品に生じる変位量および変位後の樹脂成形品の形状を算出する(S30)。算出された変位量は組付変位量UAとして、変位後の樹脂成形品の形状は解析結果形状として、金型設計システム10の記憶部40に記憶される。
全てのCAE28,30,32での解析が終了すれば、金型設計システム10の判断部38により解析対象形状の良否が判定される(S32)。これは、既述したように、目標形状と解析結果形状との差異量に基づいて行なわれる。そして、式(1)で求められた平均差異量Sが許容値以上の場合は、「解析対象形状は不良」と判断し、その旨を再作成部44に通知する。
再作成部44は、記憶部に記憶された目標形状の座標値、および、各CAE28,30,32で算出された変位量UF,UT,UAに基づいて新たな解析対象形状を再作成する(S36)。これは、各節点の座標値を式(2)に基づいて算出することによりできる。再作成された解析対象形状の座標値は、記憶部40に記憶される。また、再作成された解析対象形状のメッシュデータを用いて、再度、CAE28,30,32での解析がなされる。このCAE28,30,32による変位量算出(S26〜S30)と、再作成部44による解析対象形状の再作成(S36)と、は平均差異量Sが許容値未満となるまで繰り返される。
平均差異量Sが許容値未満、すなわち、「解析対象形状が良」と判断されれば、CADデータ変換部46によりメッシュデータをCADデータに変換する(S34)。変換されたCADデータは金型設計部48に渡される。オペレータは、金型設計部48の機能、および、解析対象形状のCADデータに基づいて金型を設計する(S38)。このとき、金型の製品面形状は、解析対象形状に基づいて設計される。金型の設計結果は、CADデータとして出力される。以上で金型の設計は終了となる。
CAEでの解析と、再作成と、を繰り返して得られた解析対象形状は、複数の工程を経た後の目標形状となる。したがって、この解析対象形状に基づいて設計された金型を用いれば、複数の工程を経た後に目標形状となる樹脂成形品を得ることができる。
なお、実際の金型を得る場合は、設計結果である金型のCADデータを用いることにより容易に得られる。例えば、CAMに金型のCADデータを入力して加工機の駆動プログラムを作成し、その駆動プログラムに基づいて加工を行なうことにより実際の金型が得られる。この金型を用いて樹脂成形品を製造すれば、樹脂成形品の最終的な寸法精度を向上できる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態によれば、樹脂成形品の最終的な寸法精度を向上できる。なお、本実施の形態では、CAEと金型設計システムとを別個の装置として説明したが、金型設計システムにCAEを組み込んでもよい。また、本実施形態では樹脂成形品の金型設計を例に挙げたが、当然、他の製品の金型設計にも適用できる。例えば、射出成形用CAE28に代えてプレス成形時の変位量を算出するプレス成形用CAEを用いることでプレス成形品にも適用できる。
樹脂成形品の製造の流れを示すフローチャートである。 本実施の形態である金型設計システム10のハードウェア構成を示す図である。 金型設計システム10の機能構成を示すブロック図である。 金型を設計する流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 金型設計システム、14 メモリ、16 ハードディスク、18 通信部、20 入力部、22 表示部、26 ドライブ、28,30,32 CAE、34 入力部、36 データ変換部、38 判断部、40 記憶部、44 再作成部、46 データ変換部、48 金型設計部。

Claims (3)

  1. 複数の工程を経て完成する製品の金型の製品面形状を設計する製品面形状設計システムであって、入力手段と記憶手段と処理手段とを有する製品面形状設計システムにおいて、
    処理手段は、
    入力手段を介して入力された製品の目標形状のCADデータに基づいてCAE解析で用いるメッシュデータを算出し、
    メッシュデータを入力とするCAE解析により算出された、各工程で生じる製品の変位量と、全工程を経た後の製品形状である解析結果形状と、を記憶手段に記憶させ、
    記憶手段に記憶された各工程ごとの変位量と、予め記憶手段に記憶された各工程の変位量の重みを示す補正係数と、の積和に応じてCAE解析で用いるメッシュデータを再算出し、
    目標形状と解析結果形状との差異量が所定の許容値未満か否かを判断し、
    差異量が所定の許容値未満となるまでCAE解析と再算出とを繰り返し、
    差異量が所定の許容値未満となった際のメッシュデータに基づいて金型の製品面形状を算出することを特徴とする製品面形状設計システム
  2. 請求項1に記載の製品面形状設計システムであって、
    製品が、射出成形品の場合、
    変位量として、射出成形工程で生じる射出成形変位量と、塗装工程で生じる塗装熱変位量と、製品を上位製品ユニットに組み付ける組み付け工程で生じる組付変位量と、をCAE解析により算出することを特徴とする製品面形状設計システム。
  3. 複数の工程を経て完成する製品の金型を製造する金型製造方法であって、
    入力手段と記憶手段と処理手段とを有する製品面形状設計システムの処理手段が、
    入力手段を介して入力された目標形状のCADデータに基づいてCAE解析で用いるメッシュデータを算出する初期算出ステップと、
    メッシュデータを入力とするCAE解析により算出された、各工程で生じる製品の変位量と、全工程を経た後の製品形状である解析結果形状と、を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
    記憶手段に記憶された各工程ごとの変位量と、予め記憶手段に記憶された各工程の変位量の重みを示す補正係数と、の積和に応じてCAE解析で用いるメッシュデータを再算出する再算出ステップと、
    目標形状と解析結果形状との差異量が所定の許容値未満か否かを判断する判断ステップと、
    差異量が所定の許容値未満となるまで記憶ステップと再算出ステップとを繰り返す繰返ステップと、
    差異量が所定の許容値未満となれば、その際のメッシュデータに基づいて金型の製品面形状を算出する製品面形状算出ステップと、
    実行することを特徴とする金型製造方法。
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