JP4483487B2 - 積層体および包装体 - Google Patents

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本発明は、アルミニウム箔に対する密着性に優れ、かつリチウム電池用包装材や浴用剤や発布剤などの様に、従来の包材構成では内容物により包材が劣化するようなケースでも、包材展開が可能な耐内容物に優れる積層体および包装体に関する。
近年、パソコン、携帯電話などの携帯端末装置、ビデオカメラ、衛星などに用いられる電池として、超薄型化、小型化の可能なリチウム電池が盛んに開発されている。このリチウム電池用の外装材としては、従来電池包材として用いられていた金属製缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルム(例えば、最外層/バリア層/シーラント層のような構成)を袋状にしたものが用いられるようになってきた。
リチウム電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性溶媒にリチウム塩を溶解した電解液、もしくはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような強浸透性の溶媒がシーラント層を通過すると、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させ、最終的には電解液が漏れ出すといった問題があり、アルミニウム箔層とシーラント層との層間密着強度を強め、内容物耐性を持たせることは必須である。
また、電池の電解質であるリチウム塩としてはLiPF6、LiBF4などの物質が用いられているが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ化水素酸を発生し、このことは金属面の腐食、多層フィルムの各層間のラミネート強度低下を引き起こす。アルミニウム箔をバリア層に用いることで、包材の表面からの水分侵入はほぼ遮断される。しかし、リチウム電池用の外装材は多層フィルムをヒートシールによって貼り合わせた構造をしており、最内層であるシーラント層のシール部端面からの水分の侵入を完全に遮断することはできず、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度をさらに強固にし、発生したフッ化水素酸によってそれらのラミネート強度が低下しないようにする必要がある。
また、リチウム電池は携帯型のモバイルに使用されることが多く、その使用環境が真夏の車内などの60〜70℃という高温下になる場合もあり、このような状況下においても十分なシール強度を保持できるような耐熱性を兼ね備えていることも重要である。
多層フィルムを作製する方法として最も一般的なものはドライラミネーションである。しかしながら、このラミネート用の接着剤にはポリエステル系、ポリエステルポリウレタン系、あるいはポリエーテルポリウレタン系などを用いており、これらは強浸透性内容物に対する耐性が低く、ラミネート強度の低下を引き起こすという欠点がある。
以下に特許文献を記す。
特開2001−172779号公報 特開2003−123707号公報。
このように、強浸透性内容物に対する耐性付与のため、特にアルミニウム箔の表面処理
について検討が行われてきた。その中で、特許文献1に記載されるように、アルミニウム箔の表面処理としてクロム酸クロメートやリン酸クロメートなどのクロメート処理が有効な手段と挙げられている。しかしながら、クロメート処理に用いられる処理液は、環境や人体において悪影響を及ぼし、現在では脱クロメートという形で、その代替技術が叫ばれている。その一方で、特許文献2に記載される方法は、アルミニウム箔の処理手法として熱水変成処理(ベーマイト処理)を用い、熱可塑性樹脂層を積層させたリチウム電池用包材についてすでに出願済みである。しかしながらこの方法は、処理能力も低く、生産性や処理コストの問題点が挙げられている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、強浸透性物質からなる内容物を包装しても、アルミニウム箔層と熱可塑性樹脂層間のラミネート強度が低下することなく密着強度に優れた積層体および包装体を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、
請求項1記載の発明は、少なくとも、外側より熱可塑性樹脂層(1)/接着剤層/アルミ箔層/プライマー層/熱可塑性樹脂層(2)から構成される積層体において、
上記プライマー層が、下記の一般式で表される化学式においてR1、R2、R3、R4の少なくとも一つが反応性官能基(A)であり、その他の置換基が水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシル基、(メタ)アクリロキシル基、アリル基、ビニル基、あるいはこれらの誘導体から選ばれる置換基からなる化合物から形成された層であって、かつ、熱可塑性樹脂層(2)が、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂の酸変成物、エポキシ変成物、シラン変成物、もしくはこれらの2種以上の混合物から形成された層からなることを特徴とする積層体である。
Figure 0004483487
請求項2記載の発明は、前記プライマー層と熱可塑性樹脂層(2)の間に、ポリエチレンイミンとカルボキシル基を有する多糖類からなる高分子錯体、あるいはポリエチレンイミンおよびエチレンとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体からなる高分子錯体のどちらか1種、あるいはこれらの混合物から形成された層からなるアンカーコート層(1)を設けたことを特徴とする請求項1記載の積層体である。
請求項3記載の発明は、前記プライマー層とアンカーコート層(1)の間に、ジルコニウム化合物を含む高分子イオン架橋体から形成された層からなるアンカーコート層(2)を設け設けたことを特徴とする請求項2記載の積層体である。
請求項4記載の発明は、前記プライマー層中の反応性官能基(A)が、アンカーコート層(1)、アンカーコート層(2)、熱可塑性樹脂層(2)の少なくとも一種と反応性を有することを特徴とする請求項2または3記載の積層体である。
請求項5記載の発明は、前記アンカーコート層(1)が、熱可塑性樹脂層(2)と反応性を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の積層体である。
請求項6記載の発明は、前記反応性官能基(A)が、エポキシ基、アミノ基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体である。
請求項7記載の発明は、前記アンカーコート層(2)が、ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋された高分子イオン架橋体であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の積層体である。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体からなることを特徴とする包装体である。
請求項9記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体をリチウム電池用外装材として用いたことを特徴とする包装体である。
本発明の積層体は、アルミニウム箔に、プライマー層としてエポキシ系やアミノ系のシランカップリング剤を設け、かつ、さらに密着性向上という点で、アンカーコート層(1)に「ポリエチレンイミン系高分子錯体」、アンカーコート(2)に「ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋された高分子イオン架橋体」を用い、さらには熱可塑性樹脂(2)として無水マレイン酸などの反応性官能基で変成させたポリオレフィン系樹脂を用いる構成とすることで、電解液耐性に優れる積層体を得ることができる。
また、プライマー層、アンカーコート層(1)、アンカーコート層(2)、熱可塑性樹脂(2)それぞれの層に含まれる官能基の組み合わせ効果を奏することから電解液耐性に優れる積層体を得ることができる。
以上のことから、本発明の積層体は、リチウム電池用包材として必要とされる電解液耐性を付与することが可能であり、従来のクロメート処理に比べ環境や人体に対して安全であること、さらには、熱水変成処理と比較し処理工程が簡素であることから、リチウム電池用外装材だけでなく各種包装体への応用も可能である。
以下に、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の積層体の一例を示す断面模式図である。図1に示すように、本発明の積層体として、熱可塑性樹脂層(1)a、アルミニウム箔層b、プライマー層c、アンカーコート層(1)d、アンカーコート(2)e、熱可塑性樹脂層(2)fから構成される。このうち、必須となる層は、熱可塑性樹脂層(1)a、アルミニウム箔層b、プライマー層c、熱可塑性樹脂層(2)fであり、アルミニウム箔層bと熱可塑性樹脂層(2)fとの接着性を向上させるべく、アンカーコート層(1)d、アンカーコート層(2)eを必要に応じて設ける。
本発明における熱可塑性樹脂層(1)aは、積層体や包装体でいう最外層に相当する。こちらで用いられる材料としては、ポリプロピレンからなるフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂から形成されたフィルム、あるいは脂肪族ポリアミドや芳香族ポリアミドなどのポリアミド樹脂から形成されたフィルムなどが好適に用いられるが、後述するリチウム電池包材の成形性を考慮するとポリアミド樹脂からなるフィルムが好ましく、厚みも6〜40μm、より好ましくは15〜25μmのものが用いられる。
本発明におけるアルミニウム箔bとしては、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮して5〜200μm、好ましくは7〜100μmの厚みのものが使用できる。また、その材質は一般の軟質アルミニウム箔を用いることができるが、特にリチウム電池用包装材料用途では、さらなる耐ピンホール性、および成形時の延展性を付与させる目的で、鉄含有
率が0.1〜9.0wt%、好ましくは0.5〜2.0wt%の範囲のアルミニウム箔を用いるのがよい。鉄含有率が0.1wt%より少ないと耐ピンホール性、延展性を十分に付与させることができず、9.0wt%より多いと柔軟性が損なわれる。さらに、アルミニウム箔のプライマー層を設ける側はアルミニウム箔の圧延時に用いる油などの汚染物質の影響を極力避けるべく、焼鈍直後のアルミニウム箔にプライマー処理を施す、あるいは汚染されたアルミ箔でも、強酸や強アルカリな度で表面を脱脂処理することで、表面の汚染を洗浄してから後にプライマー層を施した方が好ましい。また、装置仕様にもよるが、コロナ放電処理も表面汚染を洗浄する手法として有効である。
上述した表面汚染の少ないアルミニウム箔bに設けるプライマー層cは、下記の一般式で表される化合物におけるR1、R2、R3、R4の少なくとも一つが反応性官能基(A)であり、その他の置換基は水素、ハロゲン化合物、アルキル基、アルコキシル基、(メタ)アクリロキシル基、アリル基、ビニル基、あるいはこれらの誘導体から選ばれる置換基からなり、ハンドリングや反応性の制御という点からは、アルコキシル基が最も汎用的である。また、反応性官能基は、後述するアンカーコート層や熱可塑性樹脂(2)との反応性を考慮するとエポキシ基かアミノ基が好ましい。
この時、下記の一般式で表される化合物は、アルコキシル基の加水分解によって形成されたシラノール基同士の縮合反応および、吸着水により形成されたアルミニウム箔上に存在する最表面の水酸基と相互作用を形成することで、アルミニウム箔bの表面にゾルゲル反応により反応性官能基を有するシリカ層を形成することが可能である。この時、下記の一般式で表される化合物単独で用いても構わないが、必要に応じてはテトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどの反応性官能基を持たないシラン化合物を配合したり、シリカ以外の無機化合物、例えばアルミニウムやチタニウムなどのアルコキシドも用いても構わなく、さらには加水分解速度や縮合反応速度をコントロールするという点でも、シリカ/アルミナ混合系の化合物を用いても構わない。下記の一般式で表される化合物は、通常、水や各種アルコールなどの単体あるいは混合溶媒中に固形分0.01〜10.00wt%になるように調整した溶液を用い、必要に応じて酢酸や塩酸やアンモニアや水酸化ナトリウムなどでpHを2〜13の範囲、より好ましくはpH3〜9の範囲でpH調整を行うことで、溶液を調整する。このようにして得られた水溶液を各種コーティング方式、例えばグラビアコートやリバースコートやスピンコートやバーコートなどにより、乾燥時の塗工膜厚として好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下で塗工し、必要に応じては100℃以上の温度で数分〜数時間の熱硬化工程を施しても構わない。しかしながら、本発明の積層体においては、例えばグラビア塗工において1μm以下の塗工厚で下記の一般式で表される化合物からなる層を形成させた場合は、溶剤が除去できる最低レベルの温度範囲でも、アルミニウム箔と下記の一般式で表される化合物の密着性が良好であることは確認されている。
Figure 0004483487
本発明における下記に示すアンカーコート層(1)d、アンカーコート層(2)eは、アルミニウム箔と熱可塑性樹脂(2)との密着性を向上させるために必要に応じて設けられるが、特にアンカーコート層(1)は設けた方が好ましい。アンカーコート(1)層には、大きく二つのタイプが挙げられ、一つはポリエチレンイミンを主成分とし、カルボキシル基を有する多糖類を配合することで形成された高分子キレート錯体である。この時の多糖類としてはデンプン、セルロース、キチン、ペクチン、植物ゴム(例えばアラビアゴム)などが挙げられるがそれらに限られない。それら多糖類をカルボキシル基に誘導体化したものが用いられる。もう一つは、同様にポリエチレンイミンを主成分とし、エチレンとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体とのキレート錯体である。カルボキシル
基を有するモノマーとしてはα、β−不飽和カルボン酸などのアクリル酸、メタクリル酸が代表的で、それらをエチレンなどと共重合させイオン架橋したアイオノマーもキレート錯体を形成できる。さらにはフマル酸やマレイン酸などもエチレンやα−オレフィンなどと共重合して用いることも可能である。これらのアンカーコート層(1)はポリエチレンイミンをベースとし、カルボキシル基を有する化合物とのキレート錯体を形成させたものであり、ポリエチレンイミン単独と比較すると耐湿性、耐熱性、および耐内容物特性に優れる。さらには、プライマー層中のエポキシ基やアミノ基と、アンカーコート層(1)のポリエチレンイミン中の末端アミンおよびカルボキシル基との反応が期待され、より密着性という点では有利に働く。これらの塗工方法も上述した各種コーティング方法を用いることが可能であり、塗工厚としては5μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の範囲で設けられる。塗工厚が5μmより厚いと、アンカーコート層(1)が内容物に劣化する恐れがある。
本発明におけるアンカーコート層(2)eは、少なくとも「水溶性ジルコニウム化合物」、「水溶性または水分散性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリウレタン樹脂もしくはそれらの混合物」を双方含有したものであり、乾燥重量として水溶性ジルコニウム化合物をジルコニウムとして0.8〜35mg/m2、水溶性または水分散性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリウレタン樹脂もしくはそれらの混合物を固形分として1〜60mg/m2含有する皮膜を形成させたものである。より好ましい成分としては、ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋された高分子イオン架橋体が挙げられる。このアンカーコートそう(2)を設ける目的は、プライマー層とアンカーコート層(1)の密着性アップという点であり、プライマー層中の反応性官能基(A)とアンカーコート層(2)との反応性、そしてアンカーコート層(1)とアンカーコート層(2)との反応性やイオンを介した分子間相互作用により、密着性を向上させることが可能である。
本発明における熱可塑性樹脂層(2)fは、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン系共重合体の酸変成物、エポキシ変成物、シラン変成物、あるいは上述してきた樹脂の2種以上の混合物から形成された層が用いられる。酸変成物の定義としては、エチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体あるいはそのイオン架橋物のような共重合体ポリマーや、無水マレイン酸やアクリル酸などをグラフト反応により導入した酸変成ポリオレフィンも含まれる。また、エポキシ変成物やシラン変成物などはグリシジル(メタ)アクリレートや、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの化合物を同様にグラフト反応によりポリオレフィンやエチレン系共重合体に導入することで得られたものも含まれる。これらの樹脂は、必要に応じて未変成のポリオレフィン樹脂、エチレン系共重合体を配合しても良い。これらの樹脂の積層には、押出ラミネート方式が好ましく用いられる。
上記で得られる本発明の積層体は、必要に応じては、さらに各層間の密着性を向上させるという目的で熱ラミネートなどの熱処理を行うことがより好ましい。熱ラミネート方法は公知のラミネート技術を用いることができ、上記積層体を作製した後に、加熱ロールとプレスロール間に通すことによって加熱加圧処理を行う方法などが用いられる。しかしながらこれらの熱処理という方法は、熱を加えてより各相関の密着性を向上させるということが目的なので、これら以外の方法でも制約は無い。この熱処理によりアルミニウム箔と熱可塑性樹脂層間の密着がより向上し、リチウム電池の電解液のような強浸透性内容物に対する耐性も著しく向上する。
本発明の積層体は、リチウム電池用外装材だけでなく各種用途の包装体へ展開すること
が可能である。
以下に本発明の具体的な実施例を示すが、それに限定されるものではない。
[使用材料]
以下の材料を用いた。
−プライマー層−
(P−1):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(P−2):γアミノプロピルトリメトキシシラン
−アンカーコート層(1)−
AC(1):ポリエチレンイミン系キレート錯体
−アンカーコート層(2)−
AC(2):ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋させた高分子イオン架橋物
−熱可塑性樹脂(2)−
R−1:無水マレイン酸変成ランダムPP(MFR=23)
R−2:ランダムPP(MFR=23)
[溶液の調整]
プライマー層を形成する溶液としては、水/メタノール混合溶媒中(酢酸によりpH=4に調整)に固形分3wt%になるように調整した溶液を室温下で6h攪拌したものを用いた。アンカーコート層(1)として用いる溶液は、水/メタノール混合溶媒中に固形分0.5wt%になるように調整したものを用いた。アンカーコート層(2)として用いる溶液は、ジルコニウム化合物中のジルコニウムとして8mg/m2、ポリアクリル酸を主成分とする樹脂分として30mg/m2を含有するように、水/メタノール混合溶媒中に固形分0.5wt%になるように調整したものを用いた。
[積層体の製造方法]
<基材−1の作成>
熱可塑性樹脂(1)として厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルムを用いた。アルミニウム箔として厚さ40μmの軟質アルミニウム箔(脱脂処理済)を用いた。
事前に脱脂処理を施したアルミニウム箔上に上記プライマー層をグラビアコートにより乾燥塗膜の厚さとして0.5μmになるように塗布した後、120℃のオーブンで乾燥させた。この時はインラインで加工を行ない、加工速度は20m/min.で行った。このプライマー層を設けたアルミニウム箔の反対側に熱可塑性樹脂(1)をウレタン系接着剤を用いて、ドライラミネート手法により積層させた。この時に形成された基材−1は下記の通りである。なお、プライマー層を設けていない基材は基材−0とする。
熱可塑性樹脂層(1)/ウレタン系接着剤/アルミニウム箔層/プライマー層
<基材−2の作成>
上記基材−1を用いて、さらにプライマー処理層上にアンカーコート層(2)をグラビアコートにより設けた。この時も塗工と乾燥はインラインで行い、120℃のオーブンで乾燥させた。加工速度は20m/min.である。この時に形成された基材−2は下記の通りである。
熱可塑性樹脂層(1)/ウレタン系接着剤/アルミニウム箔層/プライマー層/アンカーコート層(2)
<積層体の作成>
上記基材−1および基材−2を押出ラミネート機の巻き出し部にセットした。押出ラミネート機のアンカーコート塗工ユニット部にアンカーコート層(1)の溶液をセットした。熱可塑性樹脂(2)を280〜290℃の温度で、加工速度80m/min.厚み40μmになるように、押出し条件を設定し、基材−1および基材−2にアンカーコート(1
)の有り無しになるように熱可塑性樹脂(2)を押出した。その後、50℃で4日エージングを行った積層体を、さらに200℃に加温したドラムを抱きこます用にインラインで通過させることで熱処理を施したサンプルを以下の評価に用いた。
[評価方法]
評価用サンプルのアルミニウム箔と熱可塑性樹脂層間の初期ラミネート強度および電解液どぶ付け後のラミネート強度を測定した。その際には、試料幅15mm、T型剥離、剥離速度300mm/min.で行った。電解液どぶ付け評価には、炭酸エチレン/炭酸エチルメチル=1/1溶液にLiPF6を1.5Nとなるように調製したリチウム電池用電解液中に、15mm幅にカットした評価用サンプルを浸漬して、85℃で2週間保存した後に、アルミニウム箔と熱可塑性樹脂層間のラミネート強度を測定した。
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−1、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて本発明の積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−2、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて本発明の積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−1、アンカーコート層(1)として上記AC(1)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて本発明の積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−2、アンカーコート層(1)として上記AC(1)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて本発明の積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−2、プライマー層として上記P−1、アンカーコート層(1)として上記AC(1)、アンカーコート層(2)として上記AC(2)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて本発明の積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−1、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−2からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−1、アンカーコート層(1)と
して上記AC(1)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−2からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
基材として上記基材−2、プライマー層として上記P−1、アンカーコート層(2)として上記AC(2)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
基材として上記基材−0、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
本発明の積層体と性能を比較するための比較例として、
基材として上記基材−0、アンカーコート層(1)として上記AC(1)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004483487
表1より、実施例1〜5で得られた本発明の積層体は、本発明の積層体との性能を比較するための比較例としての実施例6〜10で得られた積層体に比較して、ラミネート強度の点から電解液耐性に優れるものである。このことは、アルミニウム箔に、プライマー層としてエポキシ系やアミノ系のシランカップリング剤を設け、かつ、さらに密着性向上という点で、アンカーコート層(1)に「ポリエチレンイミン系高分子錯体」、アンカーコート(2)に「ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋された高分子イオン架橋体」を用い、さらには熱可塑性樹脂(2)として無水マレイン酸などの反応性官能基で変成させたポリオレフィン系樹脂を用いる構成とし、プライマー層、アンカーコート層(1)、アンカーコート層(2)、熱可塑性樹脂(2)それぞれの層に含まれる官能基の組み合わせ効果を奏することから電解液耐性に優れる積層体を得ることができる。したがって、本発明の積層体は、リチウム電池用包材として必要とされる電解液耐性を付与することが可能であり、従来のクロメート処理に比べ環境や人体に対して安全であること、さらには、熱水変成処理と比較し処理工程が簡素であることから、リチウム電池用外装材だけでなく各種包装体への応用も可能である。
本発明の積層体の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
a:熱可塑性樹脂層(1)
b:アルミニウム箔
c:プライマー層
d:アンカーコート層(1)
e:アンカーコート層(2)
f:熱可塑性樹脂層(2)
g:接着剤層

Claims (7)

  1. 少なくとも、外側より熱可塑性樹脂層(1)/接着剤層/アルミ箔層/プライマー層/熱可塑性樹脂層(2)から構成される積層体において、
    上記プライマー層が、下記の一般式で表される化学式においてR1、R2、R3、R4の少なくとも一つが反応性官能基(A)であり、その他の置換基が水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシル基、(メタ)アクリロキシル基、アリル基、ビニル基、あるいはこれらの誘導体から選ばれる置換基からなる化合物から形成された層であって、かつ、熱可塑性樹脂層(2)が、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂の酸変成物、エポキシ変成物、シラン変成物、もしくはこれらの2種以上の混合物から形成された層からなり、
    前記プライマー層と熱可塑性樹脂層(2)の間に、ポリエチレンイミンとカルボキシル基を有する多糖類からなる高分子錯体、あるいはポリエチレンイミンおよびエチレンとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体からなる高分子錯体のどちらか1種、あるいはこれらの混合物から形成された層からなるアンカーコート層(1)を設け、
    前記プライマー層とアンカーコート層(1)の間に、ジルコニウム化合物を含む高分子イオン架橋体から形成された層からなるアンカーコート層(2)を設けたことを特徴とする積層体。
    Figure 0004483487
  2. 前記プライマー層中の反応性官能基(A)が、アンカーコート層(1)、アンカーコート層(2)、熱可塑性樹脂層(2)の少なくとも一種と反応性を有することを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 前記アンカーコート層(1)が、熱可塑性樹脂層(2)と反応性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
  4. 前記反応性官能基(A)が、エポキシ基、アミノ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記アンカーコート層(2)が、ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋された高分子イオン架橋体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体からなることを特徴とする包装体。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体をリチウム電池用外装材として用いたことを特徴とする包装体。
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