JP4483487B2 - 積層体および包装体 - Google Patents
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について検討が行われてきた。その中で、特許文献1に記載されるように、アルミニウム箔の表面処理としてクロム酸クロメートやリン酸クロメートなどのクロメート処理が有効な手段と挙げられている。しかしながら、クロメート処理に用いられる処理液は、環境や人体において悪影響を及ぼし、現在では脱クロメートという形で、その代替技術が叫ばれている。その一方で、特許文献2に記載される方法は、アルミニウム箔の処理手法として熱水変成処理(ベーマイト処理)を用い、熱可塑性樹脂層を積層させたリチウム電池用包材についてすでに出願済みである。しかしながらこの方法は、処理能力も低く、生産性や処理コストの問題点が挙げられている。
請求項1記載の発明は、少なくとも、外側より熱可塑性樹脂層(1)/接着剤層/アルミ箔層/プライマー層/熱可塑性樹脂層(2)から構成される積層体において、
上記プライマー層が、下記の一般式で表される化学式においてR1、R2、R3、R4の少なくとも一つが反応性官能基(A)であり、その他の置換基が水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシル基、(メタ)アクリロキシル基、アリル基、ビニル基、あるいはこれらの誘導体から選ばれる置換基からなる化合物から形成された層であって、かつ、熱可塑性樹脂層(2)が、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂の酸変成物、エポキシ変成物、シラン変成物、もしくはこれらの2種以上の混合物から形成された層からなることを特徴とする積層体である。
率が0.1〜9.0wt%、好ましくは0.5〜2.0wt%の範囲のアルミニウム箔を用いるのがよい。鉄含有率が0.1wt%より少ないと耐ピンホール性、延展性を十分に付与させることができず、9.0wt%より多いと柔軟性が損なわれる。さらに、アルミニウム箔のプライマー層を設ける側はアルミニウム箔の圧延時に用いる油などの汚染物質の影響を極力避けるべく、焼鈍直後のアルミニウム箔にプライマー処理を施す、あるいは汚染されたアルミ箔でも、強酸や強アルカリな度で表面を脱脂処理することで、表面の汚染を洗浄してから後にプライマー層を施した方が好ましい。また、装置仕様にもよるが、コロナ放電処理も表面汚染を洗浄する手法として有効である。
基を有するモノマーとしてはα、β−不飽和カルボン酸などのアクリル酸、メタクリル酸が代表的で、それらをエチレンなどと共重合させイオン架橋したアイオノマーもキレート錯体を形成できる。さらにはフマル酸やマレイン酸などもエチレンやα−オレフィンなどと共重合して用いることも可能である。これらのアンカーコート層(1)はポリエチレンイミンをベースとし、カルボキシル基を有する化合物とのキレート錯体を形成させたものであり、ポリエチレンイミン単独と比較すると耐湿性、耐熱性、および耐内容物特性に優れる。さらには、プライマー層中のエポキシ基やアミノ基と、アンカーコート層(1)のポリエチレンイミン中の末端アミンおよびカルボキシル基との反応が期待され、より密着性という点では有利に働く。これらの塗工方法も上述した各種コーティング方法を用いることが可能であり、塗工厚としては5μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の範囲で設けられる。塗工厚が5μmより厚いと、アンカーコート層(1)が内容物に劣化する恐れがある。
が可能である。
以下の材料を用いた。
−プライマー層−
(P−1):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(P−2):γアミノプロピルトリメトキシシラン
−アンカーコート層(1)−
AC(1):ポリエチレンイミン系キレート錯体
−アンカーコート層(2)−
AC(2):ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋させた高分子イオン架橋物
−熱可塑性樹脂(2)−
R−1:無水マレイン酸変成ランダムPP(MFR=23)
R−2:ランダムPP(MFR=23)
[溶液の調整]
プライマー層を形成する溶液としては、水/メタノール混合溶媒中(酢酸によりpH=4に調整)に固形分3wt%になるように調整した溶液を室温下で6h攪拌したものを用いた。アンカーコート層(1)として用いる溶液は、水/メタノール混合溶媒中に固形分0.5wt%になるように調整したものを用いた。アンカーコート層(2)として用いる溶液は、ジルコニウム化合物中のジルコニウムとして8mg/m2、ポリアクリル酸を主成分とする樹脂分として30mg/m2を含有するように、水/メタノール混合溶媒中に固形分0.5wt%になるように調整したものを用いた。
<基材−1の作成>
熱可塑性樹脂(1)として厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルムを用いた。アルミニウム箔として厚さ40μmの軟質アルミニウム箔(脱脂処理済)を用いた。
熱可塑性樹脂層(1)/ウレタン系接着剤/アルミニウム箔層/プライマー層
<基材−2の作成>
上記基材−1を用いて、さらにプライマー処理層上にアンカーコート層(2)をグラビアコートにより設けた。この時も塗工と乾燥はインラインで行い、120℃のオーブンで乾燥させた。加工速度は20m/min.である。この時に形成された基材−2は下記の通りである。
熱可塑性樹脂層(1)/ウレタン系接着剤/アルミニウム箔層/プライマー層/アンカーコート層(2)
<積層体の作成>
上記基材−1および基材−2を押出ラミネート機の巻き出し部にセットした。押出ラミネート機のアンカーコート塗工ユニット部にアンカーコート層(1)の溶液をセットした。熱可塑性樹脂(2)を280〜290℃の温度で、加工速度80m/min.厚み40μmになるように、押出し条件を設定し、基材−1および基材−2にアンカーコート(1
)の有り無しになるように熱可塑性樹脂(2)を押出した。その後、50℃で4日エージングを行った積層体を、さらに200℃に加温したドラムを抱きこます用にインラインで通過させることで熱処理を施したサンプルを以下の評価に用いた。
評価用サンプルのアルミニウム箔と熱可塑性樹脂層間の初期ラミネート強度および電解液どぶ付け後のラミネート強度を測定した。その際には、試料幅15mm、T型剥離、剥離速度300mm/min.で行った。電解液どぶ付け評価には、炭酸エチレン/炭酸エチルメチル=1/1溶液にLiPF6を1.5Nとなるように調製したリチウム電池用電解液中に、15mm幅にカットした評価用サンプルを浸漬して、85℃で2週間保存した後に、アルミニウム箔と熱可塑性樹脂層間のラミネート強度を測定した。
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−1、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−2からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−1、プライマー層として上記P−1、アンカーコート層(1)と
して上記AC(1)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−2からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−2、プライマー層として上記P−1、アンカーコート層(2)として上記AC(2)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−0、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
基材として上記基材−0、アンカーコート層(1)として上記AC(1)、熱可塑性樹脂層(2)として上記R−1からなる材料を用いて上記の積層体の製造方法に基づいて積層体を作成し、上記の評価方法に基づいてラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
b:アルミニウム箔
c:プライマー層
d:アンカーコート層(1)
e:アンカーコート層(2)
f:熱可塑性樹脂層(2)
g:接着剤層
Claims (7)
- 少なくとも、外側より熱可塑性樹脂層(1)/接着剤層/アルミ箔層/プライマー層/熱可塑性樹脂層(2)から構成される積層体において、
上記プライマー層が、下記の一般式で表される化学式においてR1、R2、R3、R4の少なくとも一つが反応性官能基(A)であり、その他の置換基が水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシル基、(メタ)アクリロキシル基、アリル基、ビニル基、あるいはこれらの誘導体から選ばれる置換基からなる化合物から形成された層であって、かつ、熱可塑性樹脂層(2)が、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂の酸変成物、エポキシ変成物、シラン変成物、もしくはこれらの2種以上の混合物から形成された層からなり、
前記プライマー層と熱可塑性樹脂層(2)の間に、ポリエチレンイミンとカルボキシル基を有する多糖類からなる高分子錯体、あるいはポリエチレンイミンおよびエチレンとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体からなる高分子錯体のどちらか1種、あるいはこれらの混合物から形成された層からなるアンカーコート層(1)を設け、
前記プライマー層とアンカーコート層(1)の間に、ジルコニウム化合物を含む高分子イオン架橋体から形成された層からなるアンカーコート層(2)を設けたことを特徴とする積層体。
- 前記プライマー層中の反応性官能基(A)が、アンカーコート層(1)、アンカーコート層(2)、熱可塑性樹脂層(2)の少なくとも一種と反応性を有することを特徴とする請求項1記載の積層体。
- 前記アンカーコート層(1)が、熱可塑性樹脂層(2)と反応性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
- 前記反応性官能基(A)が、エポキシ基、アミノ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記アンカーコート層(2)が、ポリアクリル酸を主成分とし、ジルコニウム化合物によりイオン架橋された高分子イオン架橋体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体からなることを特徴とする包装体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体をリチウム電池用外装材として用いたことを特徴とする包装体。
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