JP4481164B2 - 軸方向電場及びガスのカウンターフローを備えるイオンガイドを利用してイオンの移動度分離を実施するための装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明はイオンをガス中のイオン移動度に基づいて分離するための方法及び装置に関する。さらに詳しくは、本発明は軸方向電場による力及びガスフローの抵抗力の対向作用に基づく。本発明は移動度分離の分解能の向上及び移動度分離段の質量分析計への結合の容易化を目的とする。
イオン移動度分離としても知られる移動度分離は、それ自体で、または質量分析法と組み合わせることによって有用な方法となり得る。移動度分離は今日広く用いられているが、いくつかの欠点がある。第1に、移動度分離は比較的低分解能の技法であり、一般的な分解能は10から300の範囲にある。別の重大な欠点は効率の低さである。イオンビームの拡散広がりによるだけでなく、サンプリングの低デューティサイクルによっても、イオン輸送が低下し得る。移動度分離段が質量分析計に結合される必要がある場合には、拡散広がりが重大な問題になり得る。イオンパケットがイオン移動度スペクトロメータのドリフトチューブに導入されると、第1のイオンパケットがドリフトチューブから完全に掃き出されるまでは次のイオンを導入することができないから、低デューティサイクル効率が生じる。
多くのイオン移動度スペクトロメータにおいては、滞留時間が比較的短く(例えば1〜10ミリ秒)、よって拡散広がりは重大ではない。大径ビームを受け入れるための適当に大きな捕獲面積をもつ検出器を備えることにより、拡散広がりを許容することができる。
拡散広がりを克服するための方法の1つが特許文献1に説明され、本発明の譲受人に譲渡されている。特許文献1は、軸方向電場構成または配置をもち、イオンガイド内で径方向閉込めが達成され、軸方向電場の効果により移動度分離が軸に沿っておこり得るイオンガイドを説明している。それでも、上記の構成または配置にはかなりのピーク広がり、したがって低分解能を生じる、軸に沿う拡散の問題があり、実用パラメータを用いて得られる分解能は約10である。イオンガイドを長くしたり、動作圧力を高くしたりすることによって、得られる分解能を高くすることができるものの、イオンガイドの長さ及び動作圧力には実用限界がある。上記構成の場合、低デューティサイクルによる損失は、イオン蓄積を上流の専用トラップまたはトラップとしてはたらくイオンガイドの一部に用いることによって解消できる。
米国特許第5487386号明細書
本発明の課題は、軸方向電場構成における移動度分離の分解能及び効率を向上させる手段を提供することである。
本発明は、移動度分離を実行するために軸方向電場をもつイオンガイドをガスのカウンターフローと組み合わせると、かなりの改善を得ることができるという認識に裏付けられたものである。さらに詳しくは、本発明は、このとき、ガスで満たされたイオンガイドの軸に沿ってイオンを駆動するために利用できる2つの力、軸方向電場及びガスフローの抵抗、が存在するという所見に基づく。これらの力が等しく、対向する方向でイオンに作用すれば、イオンの位置は事実上動かない。径方向運動はRFの力により局限され、したがって、イオンを有意な損失なしにイオンガイド内部に長時間にわたり滞留させる、すなわちトラップすることができる。次いで、軸方向の力の内の1つの小さな変化により、イオンを一方向または別の方向に移動させることができる。
別の重要な考察は、極限において互いに釣り合い得る、対向して作用する力を印加することにより、イオン滞留時間がかなり長くなることである。実際上、滞留時間は化学反応によるイオン数減少により制限され、化学反応は不純物の存在の抑制に依存する。滞留時間は数秒程度のものになり得る。
それぞれの力の絶対値はイオンの各タイプ固有のものであるから、この対向する力の作用の効果を分離に用いることができる。移動度特性は広範に変化し、したがってイオン分離の機会を増加させることができる。本発明では、少なくともある程度はイオンの移動度係数に基づいてイオンを選択する。実際、2つの力が互いに釣り合う時、これは、電場により生じるガスを軸方向に通過させるイオンの速度がガスフローの速度に一致することを意味する。イオンガイドの出口から入口に向かう方向に流れるガスフローの速度が一定の場合、イオン移動度係数が印加電場の下で同じイオン速度を生じるに十分である点より若干大きいところでイオンが引き出されるであろう。
本発明の発明者は、基本原理から無数の実用的配置または構成を発展させ得ることも認識した。様々な配置を弁別する1つの特徴はガスフローの方向である。ガスフローがイオンガイドの入口を後にして出口に向けられる場合の配置は“前進型”と称され、対応して、ガスフローがイオンガイドの出口から入口に向けられる場合の配置は“後進型”と称される。分離を達成するために、電場力またはガス抵抗力の絶対値が変えられる。それぞれの力は一般に、分離を最適化するため、軸に沿う非線形のプロファイルを有し得る。
本発明の第1の態様にしたがえば、イオンの分離方法が提供され、この方法は、
(a) 無線周波数イオンガイドにイオンを供給する段階、
(b) イオンガイドの軸に沿う一方向に力を加えるために軸方向電場を印加する段階、及び
(c) 電場により加えられる力に対向する抵抗力をイオンに加えるためにイオンガイドに沿ったガスフローを提供する段階、
を含む。
無線周波数イオンガイドを用いることが好ましいが、目的によっては、別のイオンガイドを用いて本発明を実施できることが好ましいこともある。したがって、本発明の別の態様はイオンの分離方法を提供し、本方法は、
(a) イオンガイドにイオンを供給する段階、
(b) イオンガイドの軸に沿った一方向に力を加えるために軸方向電場を印加する段階、
(c) 電場により加えられる力に対向する抵抗力をイオンに加えるためにイオンガイドに沿うガスフローを提供する段階、及び
(d) イオンガイド内に少なくともいくつかのイオンを保持するために、該少なくともいくつかのイオンについて電場力とガスフローにより加えられる抵抗力が互いに釣り合うように、電場及びガスフローを初期設定し、引き続いて、所望のイオンをイオンガイドから抽出するために電場及びガスフローの少なくとも一方を調節する段階、
を含む。
本発明の別の態様はイオンを分離するための装置を提供し、本装置は、
イオンガイド、
イオンガイドの長さに沿った電場を発生させる手段、及び
イオンガイドに沿う所望のガス速度プロファイルをつくるために、イオンガイドの少なくとも1つの場所に対してガスを供給及び排出する手段であって、このガスの供給及び排出によって、使用時、イオンガイドに沿ったイオンの運動がイオンに加えられる電場力及び抵抗力の両方に依存する、手段を備える。
本発明のよりよい理解のため及び本発明がどのように実行され得るかをより明確に示すため、例として、本発明の実施形態を示す添付図面をここで参照する。
初めに図1を参照すれば、本図は抵抗力及び電場力の絶対値を縦軸に示す。横軸は、x=0におけるイオンガイドの入口から出口に向かう、イオンガイドの軸に沿った距離を示す。
軸方向電場を発生させるために様々な手法を用いることができ、それらの多くは上述した特許文献1に開示されている。多重極子イオンガイドの場合は、個々のロッドをセグメントに分割して、異なるセグメントに異なるDC電位を印加することにより軸方向電場を発生させることができる。あるいは、軸方向電場を発生させる目的のためだけに、多重極子ロッドセットのロッドの周り及びロッドの間に補助素子を設けることができる。多重極子イオンガイドの代わりに、特許文献1に開示されているように、軸方向電場の発生を容易にするリングガイドを用いることができる。別の既知のイオンガイドは二重らせん構造であり、そのようなイオンガイドの長さに沿う軸方向電場を発生させるためには、多重極子ロッドセットについて提案された手法と同様の手法、すなわち軸方向電場を発生させるためのいくつかのセグメントに分割されたロッド構造または独立電極が必要となるであろう。
抵抗力の発生及び図1及び2に示されるように抵抗力プロファイルを変化させることに関しては、様々な方法で達成することができる。多重極子ロッドセットに対しては、ロッドを位置合せして保持し且つ中心アパーチャを定める、ある種のホルダーを設けるのが通常である。ガスの速度にしたがって抵抗力を変えるため、多くの上記ホルダーをロッドセットに沿って間隔をおいて設けることができ、それぞれのホルダーには断面積の異なるアパーチャが設けられる。これにより、所望に応じて、イオンガイドの軸に沿うガス速度が必然的に変えられるであろう。
図1は、また図2も、多くの観点において概略的である。第1に、抵抗力及び電場力に対する線はいずれも理想化されて示されている。実際上、そのような理想化された完全なプロファイルが得られるとは考えられない。
両図において、前進方向電場は破線で示され、後進方向抵抗力は実線で示されている。
単線10はある特定のイオンに対する抵抗力についてのプロファイルを表している。このプロファイルは様々なイオンについて同様であるが、その絶対値はイオン毎に異なり、必ずしもイオンの電荷に関係しないことが理解されるであろう。しかし、本発明の重要な態様は電場力及びガス抵抗力により加えられる力の相対的大きさである。
図1は、イオンガイドの出口からイオンガイドの入口に向かうガスフローにより確立される軸方向抵抗力を参照数字10で示す。この抵抗力プロファイル10は、イオンガイドの入口近くでの小さな値から出発して10bで示される一定値に到達するまで定率で大きくなる初期領域10aを含む。実際上、このプロファイルは、10aで示されるように、実際のガス速度が急激に定率で低下するように、入口近くにある種のガスベントを設けることにより達成できる。
参照数字12で示される軸方向電場を受けているイオンについては、イオンをイオンガイド出口に向けて駆動している軸方向電場が、イオンガイドのいかなる領域においても参照数字10で示される抵抗力を上回るであろう。したがって、イオンは領域10aにおいてかなり加速され、イオンが一様な領域10bに到達すると、そこにはイオンを加速しようとする一定の力が存在する。この表現が別の観点においても理想化されており、概略的であることは認められるであろう。すなわち、抵抗力はおそらく特定のイオンの特徴に依存するだけでなく、イオンの速度にも依存する。言い換えれば、イオンが加速されるにつれて、イオンが受ける抵抗力は大きくなり、ついには抵抗力が電場により加えられる力と釣り合うであろう。言い換えれば、参照数字10bで示される区画においてイオンは一定の軸方向速度に達するはずである。
ガスにより加えられる抵抗力及び電場により加えられる力はイオン毎に異なるであろう。一般に、電場により加えられる力は単に電場強度とイオン電荷の倍数である。別のイオンの特徴が参照数字14,16で示される。すなわち、抵抗力14は、勾配の異なる第1の領域14a及び一定のすなわち一様な抵抗力を示す第2の領域14bをやはり有する。参照数字16で示される力を加えるように電場が設定されれば、イオンはイオンガイドを通して駆動され、イオンガイドを出て計測器の次段に向かうであろう。
別の特徴が線18,20で示される。これは、第1の領域18a及び第2の領域18bをやはり示し、領域18aが異なる勾配を示し、領域18bが基本的に一様である、比較的高い抵抗力18を有するイオンを示す。このイオンの場合、イオンガイドを通してイオンを移動させるためには、電場は参照数字20で示される電場力が発生するように設定される必要があろう。
このタイプの装置をさらに理解するために、別の電場力の線が参照数字24,26で示される。線24で示される電場力を発生するように電場が印加された場合、この電場力はイオンガイドの前部領域で抵抗力に打ち勝つに十分であるに過ぎない。したがって、イオンは、電場力が抵抗力18aと釣り合うまで移動するであろう。この結果、参照数字25でおおよそ示される場所にイオンがトラップされることになるであろう。
参照数字26で示される値まで電場がさらに強められると、イオンは、やはり電場力が参照数字18aで示される抵抗力に釣り合うまで、入口から離れる方向に若干移動するであろう。イオンは次いで、参照数字27でおおよそ示される場所にトラップすなわち保持されるであろう。すなわち、電場力が参照数字18bで示される抵抗力値より小さい間は、矢印22で示されるように電場が漸次強められるにつれて、イオンがイオンガイドの入口から漸次移動していくことが理解されるであろう。電場力が参照数字20で示されるレベルに到達し、参照数字18bで示される抵抗量を上回ると、イオンはイオンガイドの出口に向けて連続的に移動するであろう。
すなわち、この配置により、イオンの異なる電荷及び移動度特性に依存して、事実上、イオンの異なる場所でのトラップすなわち保持が可能になることが理解されるであろう。これにより、イオンガイド内でのイオンの分離及び異なる時点におけるイオンガイドからのイオンの抽出が可能になる。これは、電場を漸次強めることにより達成でき、電場の漸次増強は矢印22により模式的に示される。電場の増強は電場力プロファイル20,24及び26の相対比を同じままにするであろうが、抵抗力プロファイル18に対してはやはり絶対値を大きくする。すなわち、それぞれの電場力プロファイルが抵抗力18bを上回るにつれて、イオンはイオンガイドの全長に沿って駆動され、イオンガイドから抽出されるであろう。これにより、イオンの制御された分離が可能になる。電場力の変化率は変更可能であるが、イオンガイドに既にトラップされたイオンを保持するために、随時、状態維持とすることができる。
図2は概ね同様の配置を示すが、本図では異なる領域30a,30bをもつ抵抗力プロファイルが参照数字30で示される。本図では、抵抗力プロファイルの下流領域30bが一様ではなく、漸次大きくなる絶対値を示す。図1に対応して、電場力が参照数字32で示される。電場力が抵抗力30の最大値を上回ると、イオンが駆動されてイオンガイドから外に出される。
図1と同様に、図2も異なる特徴をもつイオンに対するプロファイルを示す。すなわち、より大きな抵抗をもつイオンに対する抵抗力プロファイルが参照数字34で示されている。そのようなイオンに対しては、イオンガイドを通してそのようなイオンを駆動するために、参照数字36で示される電場力が必要である。
同様に、さらに大きな抵抗をもつイオンが抵抗力プロファイル38で示される(抵抗力プロファイル34,38はいずれも、やはり、抵抗力プロファイル30に対応する、領域34a,34b及び38a,38bをもって示される)。この抵抗力プロファイル38の場合、抵抗力の最大値を克服し、イオンガイドからイオンが取り出されることを保証するためには、参照数字40で示される電場力が必要である。
図1に対応して、最上位の抵抗力プロファイル38は、やはり、より小さい電場の効果を示している別の電場力の線42,44とともに示される。電場力42に対しては、これが抵抗力38と釣り合うときに、イオンはトラップされる傾向をもつ。このことが場所43に示される。同様に、参照数字44で示される値まで電場力がさらに強められると、電場力と抵抗力が再び釣り合うまで、イオンは出口に向けてさらに右に移動する傾向をもつであろう。これは、イオンが保持すなわちトラップされる傾向をもつであろう場所を示す参照数字45で示される。電場力が参照数字40の値までさらに強められると、イオンはついには最大抵抗力に打ち勝ち、駆動されてイオンガイドから外に出るであろう。
図2においては、抵抗力プロファイル30bが一様ではなく、傾いているが、このことは、イオンガイドの長さ全体にわたって、全てのイオンがある場所にトラップすなわち保持される傾向をもつであろうことを意味する。
図1及び2の両図において、電場力が抵抗力を上回ると、イオンが駆動されてイオンガイドから外に出る。図1において、分離の質は拡散に左右される。電場力が参照数字10bで示される抵抗力に一致すると、イオンは拡散の影響を受けるであろう。すなわち、イオンは軸方向に拡散する傾向をもち、これによりイオンパケットの幅が拡大するであろう。すなわち、図1の配置は分離の質の、スキャン速度へのある程度の依存性を示す。
他方で、図2の配置は拡散の影響を同程度には受けないはずである。イオンガイドの長さに沿って変化する抵抗力プロファイルを提供することにより、拡散の問題は大きく避けられるはずである。図2の配置では、分離の質がスキャン速度に依存せず、それぞれのイオンパケットの幅が抵抗力30bの勾配により決定されるモードでの動作が可能である。
次に図3a,4a及び5aに移れば、これらの図はMALDI四重極子TOF計測器を備える装置で実行された試験結果を示す。この計測器は、MALDIイオン源、四重極子イオンガイド及びTOF分析区画を有する。
四重極子イオンガイドは、軸方向電場の生成を可能にするために、セグメント分割型四重極子イオンガイドとした。抵抗力はイオンに対向する方向のガスフローにより加えた。図1の、特に参照数字10bで示されるガスフロープロファイルに、正確にではないが、対応するガスフロープロファイルは、計測器の機械的制約により若干不均等であり、したがって分解能は理論予測値より低くなった。
図3aは質量スペクトルを示し、3つのピークを726.394 m/z,1347.736 m/z及び2845.762 m/zに示す。図4aは引出時間プロファイルを示し、図からわかるように、比較的初期の2つのピーク及び以降のかなり多くの拡散ピークが存在する。
図5aは、図3aのピークに対応する別々の3つのピークを示すために分割された、図4aのプロファイルを示す。さらに、図5aでは3つのピークが規格化されている。当然のように、大きなm/zをもつピークは、移動度がより小さく、後になって現れる。
図3a,4a及び5aと同様に、混合物、この場合はペプチドの混合物、の試験結果を示す図3b,4b及び5bを次に参照する。様々なピークが図3bに1,2,3及び4で示され、図3bは、図3aと同様に、混合物の質量スペクトルを示している。図4bは混合物全体に対する引出時間プロファイルを示し、図からわかるように、異なるピークがぼけて重なり、広がる傾向がある。
図5bは、図3bで同定された4つの有意なイオン1,2,3及び4の4つの個々のピークを示すために分割された、図4bのプロファイルを示す。図5aと同様に、図5bのピークは規格化されている。やはり、大きなm/zをもつピークは、移動度が小さく、後になって現れる。
図4a,5a及び4b,5bのグラフはTOF計測器を用いて作成可能であることが分かるであろう。イオン移動度区画で決定され、図4a,4bに示されるような、総輸送時間を測定することができる。同時に、TOF計測器は数分の1秒程度の短いサイクルタイムを有するから、図5a,5bのグラフを与えるために、イオン移動度区画からイオンを抽出しながら、イオンを同定し、質量を分析することができる。
本発明の範囲内で無数の変形及び改変が可能であることを理解すべきである。したがって、図1及び2は電場力について不変プロファイルを示すが、実際は、電場力を変化させることができる。電場を発生させるために様々な装置を用いることができ、これらの装置はイオンガイドの長さに沿って変化する電場を与えるために配置することができる。それにもかかわらず、それぞれのイオンに対するプロファイルは同様であろうし、電場力の絶対値は電場及びそれぞれのイオンの電荷の絶対値により決定されるであろう。
図1及び2は、抵抗力がただ2つの異なる領域を有する簡素なプロファイルを示すが、様々なプロファイルを与えることができ、これらのプロファイルには異なる特徴を有する3つまたはそれより多くの領域があり得ることは当然である。同様に、電場力プロファイルは、それぞれが異なる特徴を示す、3つまたはそれより多くの異なる領域を有することができよう。
図7を参照すれば、本発明のまた別の実施形態が示される。この実施形態は直交TOF(飛行時間)区画122が後続するIMS区画100を基本的に有する。IMS区画100はチャンバ102を画定し、チャンバ102内にはMALDIターゲット104がある。参照数字106で示されるように、MALDIターゲットは照射されてイオンパルスを形成する。これらのイオンパルスは、参照数字110で示される、セグメント分割された四重極子ロッドセット内に集められる。図6の実施形態の場合と同様に、セグメント分割されたロッドセット110には、リングガイド特性を与えるためのRF電圧及び軸方向DC電場を発生させるためのDC電圧(おそらくDC分解電圧は用いられないであろう)を供給するのに適した電源が接続される。四重極子ロッドセット110を囲むハウジングまたはケーシング108が備えられ、ガス入口112に接続される。したがって、図6の実施形態と同様に、ガスが供給され、矢印で示されるように、イオン流の方向に対向して流れるであろう。図6の実施形態と同様に、様々なガスまたはガスの混合気を供給するための配置を備えることができる。したがって、イオンは前進軸方向電場及びガスフローによる阻止または後進抵抗力を受けながら、ロッドセット110を通って進む。
既知の態様において、チャンバ102にはターボ真空ポンプへ接続するための接続口114が設けられる。
イオンはIMS区画100を出て中間チャンバ118に入り、中間チャンバ118には中間チャンバ自体のターボ真空ポンプへの接続口120が設けられている。この中間チャンバ118は既知の態様でイオン光学系を有する。
イオンは次いで直交TOF区画122に送られる。TOF区画もターボ真空ポンプへの標準接続口124を有する。
TOF区画122内には、イオンをゲーティングし、イオンパルスを形成するための、標準的配置のグリッド126がある。図7の実施形態において、TOF区画はイオンミラー128及び検出器130を備える。
したがって、図7の実施形態において、イオンは、概ね、図1及び2に関して上述したような、イオン移動度分離をIMS区画100で受ける。すなわち、イオンはイオンを分離するための電場力及びガスによる抵抗力の両方を受け、同時に、四重極子ロッドセットの案内効果により軸上に維持される。RFイオンガイドを備えることにより、有意な径方向拡散の問題を生じずに、イオンが長い滞留時間を有することが可能になる。続いて、長い滞留時間により、様々なタイプのイオンの所望の分離が可能になる。次いで、移動度特性に基づいて分離されたイオンは、TOF区画122において個々の分析を受けることができる。
以上の実施形態はイオンを前進方向に駆動するために配置された電場力を阻止力として作用する抵抗力とともに有するが、これらを逆転させることもできよう。すなわち、電場が阻止力を加え、ガスフローがイオンを出口に向けて駆動する力を加えることもできよう。
さらに、電場及びガスフローのいずれもが、イオンガイドの長さに沿う前進力及び阻止力を合せて加えることが可能である。例えば、電場について、イオンガイドの一領域に前進電場を与え、イオンガイドの別の領域に後進または阻止電場を与えることができる。同様に、ガスフローがイオンガイドの第1の領域において後進力または阻止力を与え、イオンガイドの出口に近い領域において前進力を与えるように、イオンガイドの中間のどこかの点においてガスフローが入ることができる配置が考えられる。
本発明は数多くの利点を提供する。本発明により提供される移動度分離により、異なる前駆体イオンは異なる時点に抽出されるから、図6の実施形態に示されるように、MS/MS複合化が可能となり得る。すなわち、イオンの一グループまたはパケットが抽出されると、フラグメンテーションセルにおいて通常のフラグメンテーションを受けることができ、次いでフラグメントイオンについて第2の質量分析段階を受けることができる。これが行われている間、他のイオンをイオンガイドに保持することができる。したがって、1つまたはそれより多くの前駆体が分析される必要があるときに、イオンは浪費されない。これは、3連四重極子構成またはQqTOFあるいはその他のいずれかの適する構成に適用可能とすることができる。個別に分析され得る注目するピークの数にほぼ比例して感度が高まると考えられる。
2001年12月7日に出願された、本願発明者の以前の米国特許出願第10/004800号の明細書も参照する。この明細書の内容は本明細書に参照として含まれる。上記の出願明細書においては、2つの異なるタイプの分離、すなわちイオン移動度分離及び質量対電荷比に基づく通常の質量分析を有する計測器が提案されている。しかし、上記の以前の出願明細書では、イオン移動度分離が基本的に、既知の態様で停滞ガスにより実施される。上記の以前の出願明細書は、そのような配置が“直交”と見なされ得る2次元の分離を実現すると注記している。すなわち、多くの検体について、移動度特性と質量対電荷特性は互いに無関係である、すなわち直交しているとすることができる。このことは、通常の質量分析計では十分な分離を妨げる、同じかまたは非常に近い質量対電荷比を有する2つのイオンを分離することが望まれる場合に、特に有利である。これらのイオンが極めて異なる移動度特性を有し、イオン移動度スペクトロメータでこれらのイオンを初めに分離することが可能となり、分離に続いて、2つのイオンを個別に質量分析段階にかけることができることがあり得る。
同時に、上記の以前の出願明細書は、これらの特性は直交及び独立であるが、何らかの関係も示し得ることをさらに注記している。すなわち、多くのイオンについて、より大きな質量対電荷比をもつより大きなイオンは普通、より低いドリフト速度またはより長いドリフト時間を示す。この特徴は計測器の性能を最適化するために用いることができる。
移動度係数と質量対電荷比の間のある相関により、広い質量範囲にわたり直交TOFのパルサーモード動作を利用することが可能となり、現行の測定器の少なくとも4倍に、高められた感度が得られる可能性がある。パルサーモード動作において、イオンは貯蔵され、次いで直交注入TOF計測器にパルスとして注入される。これにより100%に近いが狭いm/z範囲に対してのみイオン輸送が可能になり、この範囲の外側のイオンは失われる。
初めに移動度分離段階を実行することにより、注目するイオンを、タイミングを合せて、順次TOF計測器に送ることができ、それぞれの特定の時点で抽出されるイオンの輸送を最適化するためにパルサーモードのパラメータを動的に調整することができる。ここで、通常のTOF計測器の100マイクロ秒オーダーのサイクルタイムが一般に移動度区画からイオンを抽出するためにかかる時間よりかなり短く、よって注目するイオンの全範囲を捕捉するには数多くのTOFサイクルが必要となることは理解されるであろう。
同時に、それぞれのイオンは異なる時点でTOF区画に到着するであろうから、TOFの特性をそれぞれのイオンに対して設定することができる。すなわち、前述したように、m/z比と移動度特性の間には何らかの関係があることが多い。TOFに対するサイクルタイムは、やはり試料の使用を最適化するため、期待されるm/z比に基づいて設定することができる。
移動度分離を利用する別の方法は、MS/MS実験に対して質量分離の代わりに移動度分離を利用することによる方法であり得る。すなわち、MS/MS実験に対して質量分離の代わりの第1段階を用いることができる。すなわち、第1段階を質量ではなく移動度に基づくイオンの分離とすることができよう。すなわち、移動度に基づくイオンの分離を、ある形式の“貧者”MS/MS構成を実施するために用いることができる。これは、後続の何らかの分析段階に先立ち、簡単なまたは性能の劣る分解MS段階を実施するためにイオン移動度区画を初めに用い得ることを意味する。これは、やはり、m/z比が移動度特性にリンクしていることが多く、同時に移動度分離が通常は比較的低い分解能を示すことを認めるものである。目的によっては、少なくとも初段において低い分解能であることが適している。これには、TOF区画に対するエレクトロニクスは比較的に単純であるから、第1MS区画に対する複雑で高価なエレクトロニクス回路を排除できるという利点がある。
移動度分離により、少なくともある程度は、ある種の混合物の分析を簡素化できる。これは、イオンの移動度特性が質量対電荷比から完全に独立しているという事実による。すなわち、移動度分離により、質量対電荷比だけでは十分に分離することができないイオンの分離が可能になり得る。したがって、分析の簡素化が可能になる。
次に、全体として参照数字60で示される、本発明を組み込んでいる質量分析計の一実施形態を示す図6を参照する。この質量分析計は、質量選択区画、続いてフラグメンテーションセル、次いで別の質量分解区画を有する、縦連質量分析計として一般に識別される構成を有する。この別の質量分解区画は、フラグメンテーションセルからのフラグメントを分析するための、四重極子ロッドセット及び検出器あるいは飛行時間(TOF)区画を含む、いずれかの適する分析計とすることができる。直交TOF区画が終段質量分析区画に可能な配置の1つである。さらに、本発明にしたがい、第1の質量選択区画の上流にIMS区画がある。
イオン源62がイオンを生成し、イオンは、参照数字64で示される、移動度分離(IMS)区画に通される。
IMS区画64は、特許文献1にあるような、複数のロッドセグメント66a,66b等からなるロッドセット66を有する。ロッドセグメントの数は変えることができ、図6には簡単のために数個しか示されていない。ロッドセグメントの数は、10,20,60またはそれより多くさえすることができると予想される。IMS区画64の長さは所望に応じて変えることができる。現在、発明者は12インチ(約30cm)長のIMS区画64を提唱しているが、より長い、例えば24インチ(約60cm)長のIMS区画により、IMS法でさらによい分離が得られるであろう。
図2にある程度示されるような電位勾配を発生させるため、DC電源68がロッドセット66の様々なロッドセグメントに接続される。イオン移動度区画64を通してイオンを案内し、収束させるため、RF電源70もロッドセット66の様々なセグメントに接続される。
参照数字72,73で示される、2つのガス源が設けられ、これらは、2つのガスの均衡及び総ガスフローの調節のいずれをも可能にする混合弁74に接続される。IMS区画64は1mTorr(0.13 Pa)〜10Torr(1.3×10 Pa)の範囲の圧力に維持される。より低い圧力は移動度分離には実用的ではなく、より高い圧力では衝突収束効果が低下する。ガス源は簡略に示され、必要なガスフローの確立のためにIMS区画64を囲むハウジング67の一端においてガスが導入され、ハウジング67には、所望のガス速度プロファイルを確立するため、IMS区画64の長さに沿って1つまたはそれより多くの排気口またはベントがある。既に述べたように、ガス速度を所望に応じて変えるために、ロッドセグメントのための支持体の側面に可変の内部アパーチャを設けることができる。
IMS区画64は適するガス、例えば、窒素、水素、アルゴン、ヘリウムで満たすことができる(ただし、現今の真空ポンプのあるポンピング限界により水素及びヘリウムは実用に向かないであろう)。酸素及び二酸化炭素を用いることもでき、一般には、希ガスのいずれをも用いることができると考えられる。SFは使用可能な別のガスであり、ある用途によっては、電子に対して強い親和性を示すという利点を呈する。
2種類のガスを供給するのは、注目するイオンについての移動度特性が様々なガスの間で変わり得るからである。例えば、注目する2つまたはそれより多くの相異なるイオンについて、一方のガス中では全てのイオンが同様の移動度を有するが、他方のガス中ではまったく違う移動度を有するということがあり得る。したがって、ガスを別のガスに切り換えることにより、分離を達成することができる。2つまたはそれより多くのガスの混合気を用いることが望ましい場合もあり得る。
IMS区画64から、図6では四重極子ロッドセット78を備えて示される、質量選択区画76にイオンが送られる。電源80がロッドセット78に接続されて示される。電源80は、注目するm/z比をもつイオンを選択するため、ロッドセットに信号を供給するための通常のRF及びDC電源とすることができる。既知の態様で、ロッドセット78に所望の分解能を設定することができる。質量選択区画76はIMS区画64における移動度分離により選択されたイオンの掃出しに役立つ。IMS区画64における分解能は通常20〜100の範囲にあるであろうが、1000程度の分解能は真のMS区画において日常のことである。
質量選択区画76の下流にはフラグメンテーションセル82がある。既知の態様において、フラグメンテーションセル82はロッドセット78と同じチャンバ内におかれる。やはり通常の、ターボ真空ポンプへの接続口が参照数字65,77で示される。フラグメンテーションセルはガス源83を備え、フラグメンテーションセル82内の圧力は既知の態様で制御できる。フラグメンテーションセル82は、やはり複数のロッドセグメント84a,84b等を備える、それ自体のセグメント分割型ロッドセット84を有する。この態様におけるセグメント分割型ロッドセットの使用は、上述した特許文献1にしたがうようにすることもできる。さらに、本発明にしたがえば、フラグメンテーションセル82に静的衝突ガスを供給するだけでなく、IMS区画64についてと同様に、選ばれた方向の速度をもつガスを供給する手段を備えることができる。この速度の絶対値をフラグメンテーションセルの長さに沿って変えることもでき、ガスフローの方向をフラグメンテーションセル82の異なる領域間で変えることもできる。この目的のため、ガスのための入口及び出口が必要な場所に設けられるであろう。フラグメンテーションセル82ではフラフメンテーションをおこすために衝突誘起解離(CID)を用いることができる。あるいは衝突誘起解離(CID)とは異なるフラグメンテーション方法をフラグメンテーションセル82で実施することができる。そのような方法には、表面誘起解離(SID)、赤外多光子解離(IRMPD)またはその他の適するイオンフラグメンテーション方法を含めることができる。
ロッドセット84にわたる電位勾配を確立するためのDC信号及びRF電場のそれぞれのため、やはり、それぞれの電源86及び88が設けられている。電源88はさらに、国際公開第98/00526号パンフレットに説明されるように、帯域通過モードでフラグメンテーションセルを動作させることが望ましければ、ある程度の分解DC成分を供給することができる。
最後にフラグメンテーションセル82は、通常の質量分析計であり、詳細は示されない、終段質量分析計90に接続される。
図6の配置はMS/MSスキャン等に高められた性能を与えると考えられる。事実上、質量選択区画76で実施される第1のMS(質量選択)段階に加えて、イオンはIMS区画64でIMS分離をあらかじめ受ける。第2の質量選択(MS)段階は区画90でおこる。
これは親イオンピークの選別という利点を有することができる。質量選択区画76で選択された親イオンピークの場合、同様の、または同じでさえある、m/z比を有する様々なイオンの妨害ピークが存在することが多いであろう。これらのイオンは質量選択だけでは弁別することができない。したがって、IMS区画64は、様々な妨害イオンの異なる移動度特性による分離を可能にするという利点を有する。したがって、親イオンのm/z比及び移動度特性のいずれをも知っていれば、適切な時点で親イオンをIMS区画64から取り出すことができ、より小さい移動度及びより大きい移動度をもつイオンは排除される。次いで、これらの親イオンは区画76でさらに質量選択を受け、この質量選択により、主として、偶発的に引き込まれたいかなるイオンの排除も、同様のIMS特性を有するが極めて異なるm/z比を有するいかなるイオンの排除も、保証される。
次いで、通常通り、選択された親イオンはフラグメンテーションのためにフラグメンテーションセル82に送られるであろう。特許文献1に詳述されているように、親フラグメントイオンが妥当な時間内にフラグメンテーションセル82を通って進み、フラグメンテーションセル82からのいかなる“テール”の掃出しも可能にするために長い時間は必要ではないことを、ロッドセット84にわたって維持されている電位勾配が保証するであろう。さらに、電位勾配は親イオンの速度を維持して、良好なフラグメンテーション効率を保証する。すなわち、親イオンの運動エネルギーをイオンのフラグメンテーションをおこさせずに低下させる傾向をもつ、斜め衝突をいずれかの親イオンが受けたとしても、そのイオンはフラグメンテーションがおこるまでさらに加速される。
フラグメントイオン及びいかなる未フラグメント化親イオンも、次いで、やはり既知の態様で、フラグメントの分析のため、終段質量分析計90に送られる。
図6の配置または装置は、在来の縦連質量分析計、例えば四重極子−飛行時間(QqTOF)質量分析計に類似している。そのような計測器は、[エイチ・モーリス(H. Morris),ティー・パクストン(T. Paxton),エイ・デル(A. Dell),ジェイ・ラングホーン(J. Langhorne),エム・バーグ(M. Berg),アール・ボードリ(R. Bordoli),ジェイ・ホイエス(J. Hoyes),アール・ベイトマン(R. Bateman),Rapid Commun. Mass. Spectrom.,1996年,第10巻,p.889及びエイ・シェフチェンコ(A. Shevchenko),アイ・チェルヌシェヴィッチ(I. Chernushevich),ヴィー・スパイサー(V. Spicer),ダブリュー・エンス(W. Ens),ケイ・スタンディング(K. Standing),ビー・トムソン(B. Thomson),エム・ウィルム(M. Wilm),エム・マン(M. Mann),Rapid Commun. Mass. Spectrom.,1997年,第11巻,p.1015−1025]に記載されているような、いくつかの動作モードを有する。別の特徴は、移動度分離により様々な動作モードにおいてそのような計測器の感度を高めることが可能になることである。単一MSモード(全スペクトル分析)では、可変周波数スキャン及び/または集群を用いることにより感度を向上させることができる。
MS/MSモード(選択された前駆体のフラグメントイオンスペクトル)では、親イオン多重化により、図6の構成の感度をさらに向上させることができる。在来のQqTOF質量分析計は一度に1つの前駆体イオンしか選択できず、このことは、1つより多くの注目する前駆体イオンを含んでいる混合物を分析する際にかなりの感度低下があることを表す。区画64における移動度分離の使用により、移動度段から“抽出される”順次する様々な前駆体イオンがつくられるであろう。四重極子質量選択器76はその時点で“抽出される”注目する前駆体イオンに合せて調節することができる。すなわち、1つの実験中に、多くの前駆体イオンを四重極子76で選択し、フラグメンテーションセル82でフラグメント化し、TOF90で分析することができる。これにより、試料のよりよい使用が得られ、別の注目する前駆体が分析されている間に他の前駆体が排除される必要がなくなる。
上で詳述した“貧者”構成の場合は、MS選択区画76が取り除かれるであろう。したがって、これはIMS区画64とフラグメンテーションセル82を組み合わせる可能性を提供する。事実上、両区画を通して延びる1つの連続ロッドセットを備えることができよう。
本発明の第1の実施形態におけるイオンガイドの軸に沿う電場力及びガス抵抗力の変化を示すグラフである 本発明の第2の実施形態の軸に沿う電場力及び抵抗力の変化を示すグラフである 本発明を用いて得られた質量スペクトルを示す 図3aに対応する、ペプチド混合物に対する質量スペクトルを示す 引出時間の変化を示すグラフである 図4aに対応する、引出時間の変化を示すグラフである 図3aの3つの主要ピークに対する引出時間の変化を示す図4aと同様のグラフである 図5aに対応する、4つの主要ピークに対する引出時間を示す 本発明を組み込み、IMS区画、フラグメンテーションセル及び質量分析区画を備える、質量分析計の略図である IMS区画に続いて直交TOF(飛行時間)区画を備える、質量分析計の略図である
符号の説明
62 イオン源
64 IMS区画
65,77 ターボ真空ポンプ接続口
66,84 セグメント分割型四重極子ロッドセット
67 ハウジング
68,86 DC電源
70,88 RF電源
72,73,83 ガス供給源
74 混合弁
76 質量選択区画
78 四重極子ロッドセット
80 RF+DC電源
82 フラグメンテーションセル
90 終段質量分析計

Claims (27)

  1. イオンを分離する方法において、
    (a) 無線周波数イオンガイドにイオンを供給する段階、
    (b) 前記イオンガイドの軸に沿う一方向に力を加えるために軸方向RF電場を印加する段階、
    (c) 前記電場によって加えられる前記力に対向する抵抗力をイオンに加えるために前記イオンガイドに沿ったガスフローを提供する段階、及び
    (d) 少なくともいくつかのイオンを前記イオンガイド内に保持するために、前記少なくともいくつかのイオンについて、前記電場の前記力と前記ガスフローによって加えられる前記抵抗力が互いに釣り合うように前記電場及び前記ガスフローを初期設定し、引き続いて、所望のイオンを前記イオンガイドから抽出するために前記電場及び前記ガスフローの少なくとも一方を調節する段階、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. イオン移動度及び電荷特性に基づいて異なるイオンを分離するように前記電場及び前記ガスフローを設定する段階を含み、前記段階(d)において、異なる所望イオンパケットを前記イオンガイドから順次抽出するために前記電場及び前記ガスフローの内の少なくとも1つを漸次変える段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記イオンガイドの少なくとも1つの領域において、前記イオンガイドの出口に向かう方向にイオンを駆動する力を加えるように前記電場を設定する段階及び前記イオンガイドの出口から離れる方向にイオンを駆動する後進抵抗力を加えるように前記ガスフローを設定する段階を含み、前記段階(d)が前記電場の絶対値を漸次増大させる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記イオンガイドの出口から離れる方法にイオンを駆動する後進力を加えるように前記電場を設定する段階及び前記イオンガイドの出口に向かう方向にイオンを駆動する抵抗力を加えるように前記ガスフローを設定する段階を含み、前記段階(d)が、所望のイオンのパケットを前記イオンガイドから順次抽出するために、前記ガスフローの絶対値を漸次増大させる段階及び前記電場の絶対値を漸次減少させる段階の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 前記イオンガイドの長さに沿った一定の電場を印加する段階並びに、前記イオンガイドの入口から絶対値が漸次増大する抵抗力を加える前記イオンガイドの入口に隣接する第1の領域及び前記第1の領域の前記抵抗力の絶対値に少なくとも等しい抵抗力を加える第2の領域を有するガスフローを提供する段階を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記第2の領域において前記ガスフローによって加えられる前記抵抗力が前記イオンガイドの出口に向かう方向に漸次増大し、前記第1の領域における前記抵抗力の前記増大より低い速度で増大することを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. (e) 生成イオンを生じさせるために、前記イオンガイドから抽出されたイオンをフラグメンテーションセルに送り、前記イオンの反応及びフラグメンテーションの少なくとも一方を実施する段階、
    をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  8. (f) 前記生成イオンを質量分析のために質量分析計に送る段階、
    をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 前記生成イオンを質量分析のために飛行時間区画に送る段階を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 前記段階(e)に先立ち、所望の親イオンを選択するために、前記イオンガイドからのイオンに質量選択区画を通過させる段階を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 前記フラグメンテーションセルにおいて、前記フラグメンテーションセルに沿ったガスフロー及び前記フラグメンテーションセルに沿った電場を提供する段階、前記フラグメンテーションセルにイオンをトラップするため及び前記フラグメンテーションセルから前記飛行時間型質量分析器へのイオンの抽出を制御するために前記電場及び前記ガスフローを制御する段階、及び前記TOF(飛行時間)区画における分析サイクルにしたがって前記フラグメンテーションセルからのイオンの抽出のタイミングをとり、よって感度を高める段階を含むことを特徴とする請求項または10に記載の方法。
  12. 前記イオンガイドとして四重極子ロッドセットを提供する段階及び前記四重極子ロッドセットに沿って軸方向電場を提供する段階を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  13. セグメント分割型ロッドセットとして前記四重極子ロッドセットを提供する段階及び、それぞれのロッドのセグメントに異なるDC電圧を印加し、よって前記イオンガイドの長さに沿う軸方向電場を発生させる段階を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記軸方向電場を発生させるための補助電極を提供する段階及び前記軸方向電場を発生させるために前記補助電極に電圧を供給する段階を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  15. 前記イオンガイドとして第1の四重極子ロッドセットを提供する段階、前記フラグメンテーションセルに第2の四重極子ロッドセットを備える段階、及び前記第1及び第2の四重極子ロッドセットのそれぞれの軸に沿う軸方向電場を形成する段階を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  16. 前記軸方向電場を発生させるために、前記第1及び第2の四重極子ロッドセットの両方をセグメント分割型ロッドセットとして提供する段階及び、前記第1の四重極子ロッドセットのセグメントに異なるDC電圧を供給し、前記第2の四重極子ロッドセットのセグメントに異なるDC電圧を供給する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記軸方向電場を発生させるために、前記第1の四重極子ロッドセットに対して第1の補助電極を設け、前記第2の四重極子ロッドセットに対して第2の補助電極を設ける段階及び前記第1及び第2の補助電極に電圧を印加する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 衝突誘起解離(CID)、表面誘起解離(SID)及び赤外多光子解離(IRMPD)の内の1つによりフラグメンテーションを実施する段階を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  19. イオンを分離するための装置において、
    無線周波数イオンガイド、
    前記イオンガイドの長さに沿った軸方向RF電場を発生させる手段、
    前記イオンガイドの少なくとも1つの場所に対してガスを供給及び排出する手段であって、このガスの供給及び排出によって、使用時、前記イオンガイドに沿ったイオンの運動が前記電場の力及び前記イオンに加えられる前記ガスによる抵抗力の両方に依存する、手段、及び
    少なくともいくつかのイオンを前記イオンガイド内に保持するために、前記少なくともいくつかのイオンについて、前記電場の前記力と前記ガスのフローによる前記抵抗力が互いに釣り合うように前記電場及び前記ガスのフローを初期設定し、引き続いて、所望のイオンを前記イオンガイドから抽出するために前記電場及び前記ガスフローの少なくとも一方を調節する手段
    を備えることを特徴とする装置。
  20. 前記イオンガイドが多重極子イオンガイドを形成する複数本のロッドを備え、前記複数本のロッドのそれぞれがセグメントに分割され、電場を発生させるための前記手段が、前記ロッドセグメントに様々な電位を印加するための、前記セグメントに分割されたロッドに接続された電源を含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
  21. 前記イオンガイドがイオン移動度区画を形成し、前記装置が、生成イオンをつくるためにイオンの反応及びフラグメンテーションの少なくとも一方を実施するための前記イオン移動度区画に接続されたイオンフラグメンテーションセル及び前記生成イオンを分析するための前記フラグメンテーションセルに接続された終段質量分析計をさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の装置。
  22. 前記イオン移動度区画と前記フラグメンテーションセルの間に配置される別の質量分析計をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の装置。
  23. 前記無線周波数イオンガイドが第1の四重極子ロッドセット及び少なくともRF電圧を前記第1の四重極子ロッドセットに印加するための第1の電源を備えることを特徴とする請求項21または22に記載の装置。
  24. 前記フラグメンテーションセルが複数本のロッドを有する多重極子ロッドセットを備え、前記多重極子ロッドセットの前記ロッドがセグメントに分割され、前記フラグメンテーションセルが前記フラグメンテーションセルに沿う電場を発生させるために前記セグメントに分割されたロッドに様々な電位を印加するための前記セグメントに分割されたロッドに接続された電源を備え、前記フラグメンテーションセルが、前記フラグメンテーションセルの長さに沿う所望のガス速度プロファイルをつくるために、前記フラグメンテーションセルのさまざまな場所に対してガスを供給及び排出する手段を備えることを特徴とする請求項21または22に記載の装置。
  25. 前記イオンガイドの長さに沿う電場を発生させるための前記手段が、複数のセグメントに分割された前記第1の多重極子ロッドセットと、前記第1の多重極子ロッドセットの長さに沿って様々なDC電圧を印加することによって前記電場を発生させるために、前記第1の多重極子ロッドセットの前記セグメントに接続されたDC電源とを含み、前記第2の多重極子ロッドセットが、セグメントに分割されたロッドセットと、前記第2の四重極子ロッドセットの長さに沿った軸方向電場を発生させるために、前記第2の多重極子ロッドセットの前記セグメントに接続された第2のDC電源とを備えることを特徴とする請求項24に記載の装置。
  26. 前記イオンガイドの長さに沿う電場を発生させる前記手段が、前記第1の多重極子ロッドセットの周りに配置された一組の第1の補助電極と、前記第1の補助電極に接続され、前記電場を発生させるための第1の補助電源とを含み、前記フラグメンテーションセルに対して、複数の第2の補助電極が前記第2の多重極子ロッドセットの周りに配置され、前記フラグメンテーションセルの長さに沿った軸方向電場を発生させるために、第2の補助電源が前記第2の補助電極に接続されていることを特徴とする請求項24に記載の装置。
  27. 前記終段質量分析計が飛行時間区画を備えることを特徴とする請求項24に記載の装置。
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