JP4480904B2 - 時空間計測による電波測定方法及びシステム - Google Patents
時空間計測による電波測定方法及びシステム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4480904B2 JP4480904B2 JP2001030225A JP2001030225A JP4480904B2 JP 4480904 B2 JP4480904 B2 JP 4480904B2 JP 2001030225 A JP2001030225 A JP 2001030225A JP 2001030225 A JP2001030225 A JP 2001030225A JP 4480904 B2 JP4480904 B2 JP 4480904B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- radio wave
- transmission
- measurement
- wave
- reflected wave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Devices For Checking Fares Or Tickets At Control Points (AREA)
- Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時空間計測による電波測定方法及びシステムにかかり、特に、電波の反射経路を特定するための時空間計測による電波測定方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
本人確認や利用確認などの確認作業を行う場合、作業員により行われており、自動化が望まれている。例えば、有料施設では、作業員による手作業によって利用料金を収受しており、この有料施設の利用料金を自動的に収受するものとして、有料道路の入口ゲートや出口ゲートで料金を徴収することを電波通信によって自動的に行う通信装置が知られている。この通信装置では、該当車両に対して情報を問い合わせるために道路側に電波を送受信する通信装置(以下、質問機という。)を配設し、この質問機からの問い合わせに対する返答を車両側から行う通信装置(以下、応答機という。)を車両に設置して、質問機と応答機との間で電波通信により情報を授受する。
【0003】
ところで、周知のように電波通信では、送信された電波を受信するのは、送信された電波を直接受信したり建造物などによって反射された電波を受信したりする。直接受信した電波と共に、反射された電波を受信すると、その反射された電波がノイズとして作用し、本来受信すべき電波による信号の妨げになる。すなわち、不要な反射波によるEMI(電波干渉)として問題が顕在化してきている。このため、送信側すなわち質問機において指向性を有するアンテナを用いて電波を送信し、受信できる領域を制限して、応答機による応答の確実性を図っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、指向性を有するアンテナで電波を送信しても、全ての電波を応答機のみで受信することが困難であるため、送信した電波のうち直接受信された電波以外は、その経路上を伝搬して建造物などで反射波となり、他の応答機へ影響を与える場合がある。また、指向性を有するアンテナを用いた電波送信であっても、指向性の範囲外の微弱な電波の送出を避けることはできないので、反射波をなくすことは困難であった。特に、車両のように移動する対象に対して情報授受を要求する、ETC料金所システムなどにおいては、路面、料金所屋根、および料金所敷設物による反射障害が生じている。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、電波の反射波による障害を抑制することができる時空間計測による電波測定方法及びシステムを得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の時空間計測による電波測定方法は、発信源からの電波の受信レベルを計測し、予め定めた受信レベルを越えた受信レベルの計測位置で、前記電波の受信レベルと受信遅延時間の対応を表す時間特性を測定し、前記時間特性に基づいて、発信源からの電波のうちの反射波に該当する成分を推定しかつ推定した成分の電波を仮反射波として特定し、前記発信源から前記計測位置までの周辺に設置されている物品の予め定めた構造情報に基づいて、前記発信源から前記計測位置に至る電波の伝送経路及び伝送時間を複数求め、前記複数の伝送経路のなかから前記特定した仮反射波の時間特性の受信遅延時間に対応する前記伝送時間の前記伝送経路を前記発信源からの反射波の伝送経路として決定する。
【0007】
反射障害に対する処置としては、反射個所に電波吸収体を設置して反射波のエネルギを減衰させることが効果的である。そこで、本発明者は、反射波を特定するのに有効な、電波の伝搬経路を特定して、その伝搬経路上に電波吸収体を設置することを勘案した。電波の伝搬経路は、幾何学的に推定したり、実測により推定したりすることが考えられる。
【0008】
幾何学的に推定する方法には、レイトレース法がある(「電波伝搬ハンドブック」監修:細矢良雄・北見工業大学)。レイトレース法では、電波を反射することが予測される物品の構造データを予め用意してデータとして入力してそのデータを用いて反射波を推定している。しかし、電波を反射することが予測される伝搬経路周辺に存在する全ての建造物をデータとして保持することが困難であるため、少ないデータにより推定を行うと、実際に伝搬している電波を含む多数の推定結果が得られる場合があり、特定することが困難である。実測により推定する方法には、タイムドメイン法がある(「Chapter 11 Time-Domain Reflectmetry」G. H. Bryant, Principle of Microwave Measurements (IEE Electrical Measurement Series 5), Peter Perigrinus, 1993.)。タイムドメイン法は、電波を受信するときの遅延時間を計測することで反射波を推定している。しかし、遅延時間から推定される反射波は、その存在のみであり、伝搬方位を特定できない。
【0009】
そこで、発信源からの電波の受信レベルを計測し、予め定めた受信レベルを越えた受信レベルの計測位置で、電波の受信レベルと受信遅延時間の対応を表す時間特性を測定する。この予め定めた受信レベルは、実際に応答機で電波を受信するときのSNを境界として実験的に求めた値を設定することができる。この時間特性に基づいて、発信源からの電波のうちの反射波に該当する成分を推定しかつ推定した成分の電波を仮反射波として特定する。この特定には、タイムドメイン法を利用することができる。反射波に該当する成分は、前記予め定めた受信レベルを越えた信号成分全てでも良く、さらに反射波検出用に受信レベルを定め、その反射波検出用受信レベル越えた信号成分でもよい。次に、発信源から計測位置までの周辺に設置されている物品の予め定めた構造情報に基づいて、発信源から計測位置に至る電波の伝送経路及び伝送時間を複数求める。構造情報は、予め地形などから求めておいても良く、計測した結果を用いても良い。この電波の伝送経路及び伝送時間を求めるには、レイトレース法を利用することができる。そして、複数の伝送経路のなかから特定した仮反射波の時間特性の受信遅延時間に対応する伝送時間の伝送経路を発信源からの反射波の伝送経路として決定する。このように、理論的(幾何学的)に求めた電波の伝搬経路から実際の計測結果に該当する経路を特定するので、より短時間でかつ確実な伝搬経路を決定することができる。
【0010】
なお、反射波の伝送経路の簡易的に特定するには、その実測値の変動から導出することが可能である。すなわち、受信電力レベルの分布(コンター)からレベルの変動方向を把握する。例えば、任意のポイントを中心として右側(または上側)より左側(または下側)の方がレベルが高ければ、左方(または下側)から反射波が到来していると想定される。従って、時間により経路を決定することに代えて受信電力レベルの分布から電波の到来方位を把握することもできる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の時空間計測による電波測定方法であって、前記仮反射波は、最初に到達した応答波形以外の応答波形の電波を仮反射波として特定することを特徴とする。アンテナに指向性を有させた場合であっても、直接波は飛来し、その直接波は最初の応答波形になる。そこで、最初に到達した応答波形以外の応答波形の電波を仮反射波として特定することにより、反射波である可能性が高い電波を特定することができる。この場合、応答波形で受信レベルの大きい順に対応する電波を特定すれば、強度が大きい反射波から順に特定することができる。
【0012】
前記電波測定方法は、次の電波測定システムにより用意に実現可能である。詳細には、請求項3に記載の発明の電波測定システムは、発信源からの電波の受信レベルを計測する計測手段と、予め定めた受信レベルを越えた受信レベルの計測位置で、前記電波の受信レベルと受信遅延時間の対応を表す時間特性を測定する測定手段と、前記時間特性に基づいて、発信源からの電波のうちの反射波に該当する成分を推定しかつ推定した成分の電波を仮反射波として特定する特定手段と、前記発信源から前記計測位置までの周辺に設置されている物品の予め定めた構造情報に基づいて、前記発信源から前記計測位置に至る電波の伝送経路及び伝送時間を複数求める演算手段と、前記求めた複数の伝送経路のなかから前記特定した仮反射波の時間特性の受信遅延時間に対応する前記伝送時間の前記伝送経路を前記発信源からの反射波の伝送経路として決定する決定手段と、を備えている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電波測定システムにおいて、前記演算手段は、前記発信源から前記計測位置までの周辺構造を調査する調査手段を含み、前記調査手段で調査した構造情報に基づいて前記電波の伝送経路及び伝送時間を複数求めることを特徴とする。この調査手段は、スケールなどによる計測、レーザ光を用いた3次元計測、カメラ等の撮像画像を用いた3次元計測などによる計測装置が一例としてあり、この計測結果により発信源から計測位置までの周辺構造を調査すなわち構造情報を得ることができる。これによって、変動が多い構造情報の更新が容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は道路に設置された質問機と車両に設置された応答機との間で情報授受する情報授受システムの電波状態を最適にするための測定システムに本発明を適用したものである。
【0015】
なお、本実施の形態で適用可能な情報授受システムは、車両に搭載された応答機と、地上側に設置されたアンテナを有する質問機との間で電波通信をすることにより、車両が停止することなく通行料金等を決済するためのシステムである。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態に適用可能な、質問機10は、有料道路のゲートなどに設置されている。この質問機10は、道路80上に設置されたアーチ82に取り付けられたアンテナ12と、アンテナ12に接続されかつゲートボックス84内に設置された制御装置14とから構成されている。この制御装置14は、制御装置14によりアンテナ12を介して、有料道路の料金情報などを車両86に搭載された応答機30との間で電波通信によって交信するためのものである。なお、アンテナ12は、図示を省略した無線装置を含むものである。この無線装置によりアンテナと制御装置14との間で授受可能な信号に整えられる。
【0017】
なお、この応答機30は、後述するシステム上の電波状態を最適にするための測定システム50と置き換えが可能である。また、応答機30のみの置き換えに限定されるものではなく、質問機10についても測定システム50を含めて考えたときには測定用に置き換えが可能である。
【0018】
アンテナ12は、応答機30と交信(送受信)するための所定の指向性を有したアンテナであり、所定方位の通信領域Arが設定されている。この通信領域Arは、アンテナ12を道路80から上方へ離間しかつ指向性の方向が所定角度で道路80へ向くように設置されることで形成される。これにより、通信領域Arを通過中の車両86に対して交信が可能になる。
【0019】
図2に示すように、質問機10は、アンテナ12、及び制御装置14から構成されている。制御装置14は、CPU16,ROM18,RAM20,メモリ22及び入出力ポート(I/O)24からなるコンピュータで構成され、各々はコマンドやデータの授受が可能なようにバス26によって接続されている。なお、ROM18には、応答機30に対する質問処理のための処理ルーチンが記憶されている。入出力ポート24には、制御装置14を介してアンテナ12が接続されている。なお、入出力ポート24には、記録媒体に情報の読み書き可能な読書装置が接続可能とされ、データやコマンド等を読み書き可能な構成とすることができる。
【0020】
また、質問機10と交信するための応答機30は、上記と同様に、アンテナ32、及び制御装置34から構成されている。制御装置34は、各々コマンド等を授受するバス46に接続されたCPU36,ROM38,RAM40,メモリ42及び入出力ポート(I/O)44からなるコンピュータで構成される。なお、ROM38には、質問機10に対する応答処理のための処理ルーチンが記憶されている。また、アンテナ32は、図示を省略した無線装置を含むものである。この無線装置によりアンテナと制御装置34との間で授受可能な信号に整えられる。
【0021】
上記構成によって、応答機と質問機との間では、通信処理により課金処理、すなわち、車両86に取り付けられた応答機30と、質問機10との間で交信を行い課金処理を行う。
【0022】
次に、上記システムの電波状態を最適にするための本実施の形態にかかる測定システム50を説明する。本実施の形態の測定システム50は、質問機10からの電波について、不要な反射波として応答機30へ入力されることを抑制するための支援を行うものである。
【0023】
図3に示すように、測定システム50は、電波状態を測定する測定部52、反射波の方位を指示する方位指示駆動部54、キーボードなどの入力部62、測定結果などを表示する表示部64及び制御装置66から構成されている。
【0024】
測定部52は、質問機10のアンテナ21から送信される電波を受信するためのアンテナを備えており、その電波伝搬特性を時間領域で計測するための装置であり、制御装置66に接続されている。この測定部には、ネットワークアナライザなどの測定機器を含むことができる。この測定部では、電波の受信電力レベルの測定と、受信した電波の直接波及び反射波の時間領域応答を計測する。詳細は後述するが、測定部52は、質問機10のアンテナ21から送信される電波と同期をとるため、質問機10に接続することが好ましい。
【0025】
方位指示駆動部54は、測定システム50のアンテナすなわち測定部52のアンテナに反射波が到達するときの方位を指示するための装置であり、光源56,仰角駆動装置58及び旋回角駆動装置から構成され、制御装置66に接続されている。
【0026】
制御装置66は、各々コマンド等を授受するバス78に接続されたCPU68,ROM70,RAM72,メモリ74及び入出力ポート(I/O)76からなるコンピュータで構成される。なお、ROM70には、電波状態を測定する処理のための処理ルーチンが記憶されている。
【0027】
図4に示すように、方位指示駆動部54は、ビームの広がりが低いレーザ光Lを射出するレーザ装置などの光源56を備えている。本実施の形態では、ビームの広がりが低いレーザ光を光源56から射出される構成とするが、レーザ光に限定されるものではない。すなわち、本実施の形態における方位指示は、特定された電波の反射部位を照明するためのものであるため、少なくとも対象となる反射部分の一部を照明できればよい。
【0028】
光源56は、仰角駆動装置58に取り付けられている。この仰角駆動装置58は、光源56から射出されるレーザ光の、水平に対する仰角を変更駆動するために、光源56の向きを変更するためのものである。この仰角駆動装置58は、旋回角駆動装置60に取り付けられている。旋回角駆動装置60は、光源56から射出されるレーザ光の、水平方向の旋回角を変更駆動するために、光源56の向きを変更するためのものである。
【0029】
図5に示すように、方位指示駆動部54で指示するための方位は、水平方向に直交するX軸とY軸のX軸(例えば道路の走行方向)を基準として、レーザ光LのXY平面の正射影の線分に対するX軸までの角度を旋回角φと定める。また、XY平面と直交する方向(鉛直方向)のZ軸(例えば道路に直交する方向)を基準として、レーザ光LのXY平面の正射影の線分に対するレーザ光Lまでの角度を仰角θと定める。
【0030】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態では、測定システム50の少なくとも測定部52に含まれる電波受信部分を車両86に搭載して測定する場合を説明する。
【0031】
図6に示すように、測定処理が開始されると、測定システム50では、ステップ100において、測定システム50の移動処理を開始する。この移動処理は、対象となる道路80上の範囲を移動しながら該当個所(不要な反射波を受信する箇所)を探索するための処理である。本実施の形態では、水平方向には測定範囲V、垂直方向には測定範囲Hが予め定めてある(図1参照)。この場合、測定範囲の何れか一方の端点を始点とし、他方を終点として、その間を移動処理する。
【0032】
次のステップ102では、測定部52において質問機10からの電波の受信レベルを測定し、測定した受信レベルが予め定めた許容範囲内か否かをステップ104において判断する。この予め定めた許容範囲は、受信レベルとして、実際に応答機で電波を受信するときのSNの境界値を実験的に求め、その値を設定する。
【0033】
ステップ104で肯定された場合には、受信した電波による障害はないため、ステップ106へ進み、測定システム50が移動範囲内(測定範囲Vと測定範囲Hの内部)であるか否かを判断する。ステップ106で肯定された場合には、ステップ102に戻り、否定されると、全ての測定が終了したため、ステップ122へ進み、移動処理を終了した後に本ルーチンを終了する。
【0034】
一方、ステップ104で否定されると、ステップ108へ進み、タイムドメイン測定を行った後に、ステップ110において反射波を抽出する。ステップ108の測定処理は、タイムドメインによる測定であり、電波を受信するときの遅延時間を計測することで反射波を推定する処理である。
【0035】
図7にはタイムドメインによる測定結果の一例として、遅延時間と受信信号レベルとの関係を表す特性を示した。図7の例では、受信信号レベルが際だって大きくなる遅延時間(成分TD1,TD2)の電波が測定されたことを表している。一番最初に来ている成分TD1に相当する電波は、直接波であることが想定される。これは、直接波は伝搬距離が一番短く、最初に到達すると考えられるからである。従って、成分TD1以外で、レベルの大きい成分に相当する電波が反射波であると推定できる。本実施の形態では、説明を簡単にするため、遅延時間t1の成分TD2に相当する電波を反射波として抽出する。なお、複数の反射波を抽出してもよい。
【0036】
次のステップ112では、伝搬経路解析を行う。ステップ112の解析処理は、レイトレーシング処理であり、質問機10から送信された電波について測定部52に至るまでの伝搬経路を、幾何学的に解析するものである。このステップ112では、解析結果として、複数の伝搬経路と共に、各伝搬経路の方位、及び遅延時間についても求める。
【0037】
次のステップ114では、対象反射波を決定する。ステップ114は、ステップ108で測定しステップ110で抽出した反射波が複数あるときに、何れか1つの反射波を対象反射波と決定する処理である。ここでは、遅延時間t1の成分TD2に相当する電波を反射波として決定する。
【0038】
次のステップ116では、伝搬経路を特定する。ステップ116では、上記ステップ112の解析結果の複数求めた伝搬経路のうち、ステップ114で決定した対象反射波すなわちステップ108で測定しステップ110で抽出した反射波に対応する電波の何れか1つの遅延時間に対応する、遅延時間の上記伝搬経路を導出し、その導出した伝搬経路を求めることによって特定する。
【0039】
次のステップ118では、上記ステップ116で特定した伝搬経路上において、測定部52に到達するまでの反射部位を指示する。すなわちステップ118では、ステップ116で特定した伝送経路上の反射部位へ向けてレーザ光を照射する(詳細は後述)。
【0040】
次のステップ120では、上記ステップ110で抽出した全ての反射波について上記処理が終了したか否かを判断し、否定されるとステップ114へ戻り、肯定されると、ステップ122において移動処理を終了した後に、本ルーチンを終了する。
【0041】
次に、上記図6のステップ118の処理の詳細を説明する。ステップ118が開始されると、図8の処理ルーチンが実行される。先ずステップ130では、上記ステップ116で特定した伝搬経路のデータを読み取る。この場合、伝搬経路上における反射点のデータ(例えば、位置座標x、y、z)を読み取ることで可能となる。次のステップ132では、方位指示駆動部54の現在位置及びレーザ光の射出方位を把握する。次のステップ134では、方位指示駆動部54の角度変更処理を行う。まず、反射点の位置座標x、y、zと、方位指示駆動部54とを結ぶ直線の方位を求め、ステップ132で把握したレーザ光の射出方位との差分について、仰角と旋回角を求める。次に、求めた仰角と旋回角だけ、仰角駆動装置58と旋回角駆動装置60が駆動するようにデータを送出する。
【0042】
なお、ステップ134の変更処理は、上記の仰角と旋回角を、上述の仰角θと旋回角φ(図5)に変換した後に変更してもよい。すなわち、反射点の位置座標x、y、zと、方位指示駆動部54とを結ぶ直線の方位を仰角θと旋回角φに変換すればよい。
【0043】
次のステップ136では、光源56を点灯する。これによって、反射部位付近が照明される。従って、作業員が目視によって反射部位を確認することが可能となる。これにより反射吸収部材の設置が容易となる。次のステップ138では、作業員や操作者の入力による反射吸収部材の設置や確認処理の終了確認指示がなされたか否かを判断し、肯定されると、ステップ140へ進み、光源56を消灯した後に、本ルーチンを終了する。
【0044】
このように、本実施の形態では、電波の受信状態を実測すると共に、送信電波の伝搬経路を幾何学的な解析によって求めている。そして、実測による受信状態で反射波でああることが推定される電波の経路を、解析結果から選択している。従って、幾何学的な解析によって求めた方位を含む伝搬経路の中で、実際に反射波であることが予測される実測結果を対応させて決定するので、より反射波を確実に決定することができる。
【0045】
また、決定した反射波の経路上の部位をレーザ光によって指示することができるので、反射を抑制するための材料の設置部位を作業員が容易に把握することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、発信源からの電波の受信レベルを計測した計測結果と、発信源から計測位置までの周辺に設置されている物品の予め定めた構造情報に基づき求めた演算結果とから発信源からの反射波の伝送経路を決定するので、より短時間でかつ確実な伝搬経路を決定することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる測定システムで測定する電波の経路を示すイメージ図である。
【図2】質問機と応答機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる測定システムの概略構成を示すブロック図である。
【図4】反射波の方位を指示する方位指示駆動部の構成を示す概要図である。
【図5】方位指示駆動部の方位を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる測定システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】タイムドメインによる測定結果の一例を示す線図である。
【図8】伝搬経路上の反射部位を指示する処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 質問機
30 応答機
50 測定システム
52 測定部
54 方位指示駆動部
56 光源
58 仰角駆動装置
60 旋回角駆動装置
66 制御装置
80 道路
82 アーチ
84 ゲートボックス
86 車両
Claims (4)
- 発信源からの電波の受信レベルを計測し、
予め定めた受信レベルを越えた受信レベルの計測位置で、前記電波の受信レベルと受信遅延時間の対応を表す時間特性を測定し、
前記時間特性に基づいて、発信源からの電波のうちの反射波に該当する成分を推定しかつ推定した成分の電波を仮反射波として特定し、
前記発信源から前記計測位置までの周辺に設置されている物品の予め定めた構造情報に基づいて、前記発信源から前記計測位置に至る電波の伝送経路及び伝送時間を複数求め、
前記複数の伝送経路のなかから前記特定した仮反射波の時間特性の受信遅延時間に対応する前記伝送時間の前記伝送経路を前記発信源からの反射波の伝送経路として決定する
時空間計測による電波測定方法。 - 前記仮反射波は、最初に到達した応答波形以外の応答波形の電波を仮反射波として特定することを特徴とする請求項1に記載の時空間計測による電波測定方法。
- 発信源からの電波の受信レベルを計測する計測手段と、
予め定めた受信レベルを越えた受信レベルの計測位置で、前記電波の受信レベルと受信遅延時間の対応を表す時間特性を測定する測定手段と、
前記時間特性に基づいて、発信源からの電波のうちの反射波に該当する成分を推定しかつ推定した成分の電波を仮反射波として特定する特定手段と、
前記発信源から前記計測位置までの周辺に設置されている物品の予め定めた構造情報に基づいて、前記発信源から前記計測位置に至る電波の伝送経路及び伝送時間を複数求める演算手段と、
前記求めた複数の伝送経路のなかから前記特定した仮反射波の時間特性の受信遅延時間に対応する前記伝送時間の前記伝送経路を前記発信源からの反射波の伝送経路として決定する決定手段と、
を備えた電波測定システム。 - 前記演算手段は、前記発信源から前記計測位置までの周辺構造を調査する調査手段を含み、前記調査手段で調査した構造情報に基づいて前記電波の伝送経路及び伝送時間を複数求めることを特徴とする請求項3に記載の電波測定システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001030225A JP4480904B2 (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 時空間計測による電波測定方法及びシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001030225A JP4480904B2 (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 時空間計測による電波測定方法及びシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002236173A JP2002236173A (ja) | 2002-08-23 |
JP4480904B2 true JP4480904B2 (ja) | 2010-06-16 |
Family
ID=18894469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001030225A Expired - Lifetime JP4480904B2 (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 時空間計測による電波測定方法及びシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4480904B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3527979B2 (ja) * | 2001-10-19 | 2004-05-17 | オプテックス株式会社 | マイクロウエーブセンサ |
AT521621B1 (de) * | 2018-11-06 | 2020-03-15 | Efkon Gmbh | Verfahren zur Messung von Kommunikationslöchern |
-
2001
- 2001-02-06 JP JP2001030225A patent/JP4480904B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002236173A (ja) | 2002-08-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9148867B2 (en) | Wireless communication apparatus and wireless positioning system | |
CN106052676B (zh) | 一种机器人导航定位方法、装置及机器人 | |
CN110225534B (zh) | 路侧单元测试方法、装置、设备、系统及可读存储介质 | |
CN109870705A (zh) | 基于激光雷达的边界目标标识方法及装置 | |
US20060259213A1 (en) | Tracking system and autonomous mobile unit | |
KR100784296B1 (ko) | 교량 결함 위치 확인 방법 | |
CN110823592A (zh) | 一种自动化测试系统和方法 | |
US20110170374A1 (en) | Method of determining position where work is done in space surrounded by surfaces and work result management device | |
JP6369824B2 (ja) | 車両検出装置、車線制御システム、車両検出方法、及びプログラム | |
JP4480904B2 (ja) | 時空間計測による電波測定方法及びシステム | |
JP4381617B2 (ja) | 電波方位指示装置 | |
JP4381616B2 (ja) | 複数アンテナによる電波測定方法及びシステム | |
JP2005114601A (ja) | ナビゲーション装置及び現在位置算出方法 | |
JP5428443B2 (ja) | 路車間通信システム | |
JP2019067036A (ja) | 車線制御装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム | |
JP2915896B1 (ja) | 屋内位置決めシステム | |
KR101025424B1 (ko) | 긴급구조 시스템의 비콘 위치 검출 방법 | |
CN209979832U (zh) | 无线充电车辆的位置引导系统 | |
CN209888859U (zh) | 列车定位系统静态测试装置 | |
JP4098253B2 (ja) | 検知装置及び検知方法 | |
JP2005526970A (ja) | 過渡的な渦電流を誘導しかつ測定することによって、媒体に埋込まれた物体の位置を特定するための時間領域誘導方法および装置 | |
JPH11287651A (ja) | 屋内位置決め装置 | |
US20150330054A1 (en) | Optical Sensing a Distance from a Range Sensing Apparatus and Method | |
JP2020077384A (ja) | 車両のための周囲検出システム | |
WO2023209778A1 (ja) | 伝搬環境推定方法、伝搬環境推定システムおよび伝搬環境推定装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20051215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20051215 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080110 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20080221 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100223 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100317 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |