JP4480614B2 - ターボチャージャの異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に搭載されるターボチャージャの異常判定装置に関するものである。
従来、吸入空気を強制的に燃焼室内に送り込むことにより充填効率を高める過給システムとして、排気圧を利用したターボチャージャが広く知られている。こうしたターボチャージャにあっては、その過給圧を内燃機関の運転状態に応じて適宜調整することが望ましい。そこで、タービンホイールに排気を供給する通路にその通路断面積を変更する可変ノズルを設け、同可変ノズルの開度調節を通じてタービンホイールに吹き付けられる排気ガスの流量・流速等を調整し、過給圧を変更するようにしたターボチャージャが実用されるに至っている。
こうしたターボチャージャでは、機関運転状態に基づいて設定される目標過給圧と実過給圧とが一致するように可変ノズルの開度が変更される。その結果、ターボチャージャの実過給圧を機関運転状態に見合った圧力に変更することができる。
ところで、こうした過給圧変更機構を備えたターボチャージャでは、例えば可変ノズルが固着する等してその過給圧変更機能が低下すると機関運転状態に応じて過給圧を適切に制御することができなくなる。そこで、目標過給圧と実過給圧との乖離度合を監視し、その乖離が大きくなった場合にはターボチャージャの過給圧変更機構に異常がある旨判定し、その異常に対処するようにしている。またその他、特許文献1にも、こうしたターボチャージャの異常を判定する方法が提案されている。
特開平10−196381号公報
ところで、単に目標過給圧と実過給圧との乖離度に基づいて異常を判定するようにした場合には、以下のような不都合が生じ得る。即ち、機関運転状態の変化に伴って目標過給圧が大きく変化した場合、過給圧変更機構の応答遅れ等に起因して目標過給圧の変化に対して実過給圧が速やかに追従することができないことがある。このため、仮に過給圧変更機構に異常が発生しておらず、その後、実過給圧が目標過給圧に収束するような場合であっても、そうした一時的な乖離が生じているためターボチャージャに異常がある旨誤判定されてしまうことがある。また、こうした誤判定を避けるため、例えば、実過給圧と目標過給圧との間に乖離が生じた状態が所定期間継続したことをもって異常判定を行うようにすることが考えられる。但し、実過給圧が目標過給圧に収束するまでの時間は、目標過給圧の変化量や過給圧変更機構の応答性にかかる経年変化等々によって異なるものとなるため、上記方法ではこれを見込んで、上記所定期間を長めに設定せざるを得ない。従って、過給圧変更機構に実際に異常が生じている場合に、その異常判定が遅れてしまうことがある。特に、過給圧変更機構の異常によって実過給圧が目標過給圧を大きく上回る状況が発生している場合には、機関圧縮比が過大になることによるノッキングや、排気圧の上昇に伴う排気系部材の損傷等を招くこととなる。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、過給圧変更機構の異常を精度良く判定することのできるターボチャージャの異常判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、機関運転状態に応じて過給圧を変更可能な過給圧変更機構を備えるターボチャージャについてその目標過給圧と実過給圧との乖離度が大きいことに基づき異常である旨の異常判定をする異常判定装置において、前記目標過給圧及び実過給圧の少なくとも一方の変化速度が相対的に大きいときには、異常である旨の判定がなされ難いように前記異常判定の態様を変更するようにしている。
目標過給圧と実過給圧との乖離度に基づいてターボチャージャの異常を判定するようにした場合、機関運転状態に応じて目標過給圧が変化し、過給圧変更機構の応答遅れ等に起因して実過給圧が目標過給圧に対し遅れて変化することにより目標過給圧と実過給圧との乖離が一時的に増大することがあると、これが異常である旨誤判定される懸念がある。
この点、請求項1記載の構成によれば、目標過給圧及び実過給圧の少なくとも一方の変化速度が相対的に大きいときに、異常である旨の判定がなされ難いように異常判定の態様を変更するようにしているため、こうした過渡的に生じる目標過給圧と実過給圧との一時的な乖離に起因して誤判定がなされるのを極力抑制することができる。
なお、上記構成において、目標過給圧及び実過給圧のいずれか一方のみを監視し、その変化速度が相対的に大きいときに異常である旨の判定がなされ難いようにその判定態様を変更するようにしてもよいが、上記誤判定を好適に抑制する上では、上記各過給圧の双方を監視し、それらの変化速度の一方若しくは双方について考慮するようにするのが望ましい。またこの場合、目標過給圧及び実過給圧のいずれか一方の変化速度が相対的に小さいときに異常である旨の判定がなされ易いようにその判定態様を変更することもできる。
また、異常である旨の判定がなされ難いように異常判定の態様を設定する際の具体例として、例えば、目標過給圧と実過給圧との偏差が所定の判定値以上である場合に異常である旨判定するようにした場合には、目標過給圧及び実過給圧の少なくとも一方の変化速度が相対的に大きいときにはその判定値を相対的に大きな値に設定する一方、上記変化速度が相対的に小さいときには上記判定値を相対的に小さな値に設定するといった構成を採用することができる。また、このように判定値を上記変化速度に応じて変更する構成の他、請求項2に記載の発明によるように、目標過給圧及び実過給圧の少なくとも一方の変化速度が所定値以上であるときには、異常判定そのものを禁止するといった構成を採用することもできる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のターボチャージャの異常判定装置において、前記目標過給圧が低下する際にその低下速度が所定値以上であるときに、前記異常判定の態様を変更するようにしている。同構成によれば、目標過給圧が急速に低下し同目標過給圧と実過給圧との乖離が一時的に増大したことをもって、ターボチャージャに異常がある旨誤判定されてしまうのを極力抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボチャージャの異常判定装置において、前記実過給圧が低下する際にその低下速度が所定値以上であるときに、前記異常判定の態様を変更するようにしている。
同構成によれば、実過給圧が目標過給圧に収束しつつある状況下であっても、実過給圧と目標過給圧との間に乖離が生じているために、ターボチャージャに異常がある旨誤判定されてしまうのを極力抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のターボチャージャの異常判定装置において、前記実過給圧が前記目標過給圧を上回っていることを条件に異常である旨判定するようにしている。
同構成によれば、目標過給圧が低下し、実過給圧がこれに追従して低下している状況下で両者の間に一時的な乖離が生じた場合には、異常である旨の判定がなされ難くなるのに対し、過給圧変更機構に異常が生じているときに目標過給圧が上昇し、実過給圧がその目標過給圧を超えて上昇する場合には、これを速やかに異常と判定することができるようになる。従って、過剰な過給によって機関圧縮比が過大になることによるノッキングや、排気圧の上昇に伴う排気系部材の損傷等を招く等の悪影響の発生を抑制することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のターボチャージャの異常判定装置において、前記目標過給圧と前記実過給圧とが乖離した状態が所定時間継続したことを条件に異常である旨判定するようにしている。
同構成では、目標過給圧と実過給圧とが乖離した状態が所定時間継続したことを条件に異常である旨判定するようにしているため、その異常判定結果の信頼性を高めることができるようになる。尚、同構成では、目標過給圧及び実過給圧の少なくとも一方の変化速度が所定値以上であるときに異常である旨の判定がなされ難くなるよう異常判定の態様を変更するようにしているため、上記所定期間を不必要に長く設定する必要が無く、過給圧変更機構の異常を速やかに判定することができる。
以下、本発明を具体化したターボチャージャの異常判定装置の実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に、ターボチャージャが搭載されたディーゼルエンジンの構成を示す。ディーゼルエンジン11のシリンダブロック11aには、ピストン12が往復移動可能に設けられる。このピストン12は、コンロッド13を介してディーゼルエンジン11の下部に設けられたクランクシャフト14に連結されている。そして、ピストン12の往復運動は、そのコンロッド13によりクランクシャフト14の回転運動へと変換される。シリンダブロック11aには、クランクポジションセンサ16が設けられ、クランクシャフト14の回転角度を検出する。
シリンダブロック11aの上部には、シリンダヘッド17が設けられる。シリンダヘッド17の底面とピストン12の上端面とによって囲まれた空間により燃焼室18が形成される。シリンダヘッド17には、燃焼室18内に燃料を噴射するための燃料噴射ノズル18aが設けられる。さらに、このシリンダヘッド17には、吸気ポート19及び排気ポート20が燃焼室18と連通するよう形成される。吸気ポート19及び排気ポート20には、それぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられている。
シリンダヘッド17上部には、吸気バルブ21及び排気バルブ22を開閉駆動させるための吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が設けられる。吸気・排気カムシャフト23,24は、図示しないタイミングベルトによってクランクシャフト14に駆動連結される。吸気・排気カムシャフト23,24の回転により、吸気・排気バルブ21,22が開閉駆動されることで、吸気・排気ポート19,20と燃焼室18とが連通・遮断される。
吸気ポート19と吸気管30からなる吸気通路32の上流部、及び排気ポート20と排気管31からなる排気通路33の下流部は、それぞれターボチャージャ35に接続されている。ターボチャージャ35には、吸気通路32の下流側へと空気を加圧吐出するためのコンプレッサホイール36と、排気通路33を通過する排気ガスの吹き付けにより回転するタービンホイール37とが備えられている。これらコンプレッサホイール36及びタービンホイール37は、ロータシャフト38により連結されており、コンプレッサホイール36とタービンホイール37とが一体回転するよう構成されている。タービンホイール37の上流部には、過給圧変更機構としてのノズルベーン41が設けられる。ノズルベーン41は、アクチュエータ42により開閉駆動され、排気通路33からタービンホイール37に至る通路の有効面積を可変にできる構成となっている。そして、ノズルベーン41の開閉動作によりタービンホイール37へ吹き付けられる排気ガスの流量・流速を調整する。
燃焼室18から排出された排気ガスは、排気通路33を通じてターボチャージャ35のタービンホイール37に吹き付けられる。排気ガスの吹き付けによりタービンホイール37は回転し、この回転はロータシャフト38を介してコンプレッサホイール36に伝達される。コンプレッサホイール36が回転すると、空気が加圧され、吸気通路32の下流に向かって強制的に送り出され、燃焼室18内に吸入される空気の量が増加する。このとき、ノズルベーン41の開閉駆動制御によりタービンホイール37に吹き付けられる排気ガスの流量・流速を調整し、燃焼室18内に吸入される空気の過給量を調整することができる。
燃料噴射ポンプ61のドライブシャフト61aは、ディーゼルエンジン11のクランクシャフト14に連結されており、それによって駆動される。この燃料噴射ポンプ61は、燃料ライン62を介して燃料噴射ノズル18aに接続される。燃料噴射ポンプ61は、図示しない燃料タンクより燃料を吸引し、この燃料を燃料噴射ノズル18aに向けて加圧吐出する。燃料噴射ノズル18aは、燃料噴射ポンプ61から送り込まれた燃料の圧力により作動し、その燃料を燃焼室18内に噴射する。燃料の噴射量は電磁スピル弁63により調整され、燃料の吐出開始時期はタイマ装置64により調整される。なお、上記燃料噴射はコモンレール式の燃料噴射装置を通じて行ってもよい。
吸気通路32には、圧力センサ71が設けられている。この圧力センサ71は、吸気通路32内の空気の圧力、すなわち過給圧を検出し、その検出した圧力に対応する検出信号をECU91に対して出力する。
アクセルペダル81には、その踏み込み量を検出するアクセルセンサ81aが設けられている。アクセルセンサ81aは、検出したアクセルペダル81の踏み込み量に対応する検出信号をECU91に出力する。
警告灯92は、運転席に設けられており、ターボチャージャ35に異常がある旨判定された場合に、ECU91の出力によって点灯し、運転者に異常の発生を通知する。
次に、ECU91の制御について説明する。ECU91は、クランクポジションセンサ16及び図示しないカムポジションセンサからの検出信号に基づき機関回転数NEやクランク角度を求め、その機関回転数NEやクランク角度から噴射時期目標値を算出する。ECU91はアクセルセンサ81aからの検出信号に基づきアクセルペダル81の踏み込み量を把握し、この踏み込み量と機関回転数NEより燃料噴射量Qの指令値を算出する。そして、ECU91は、算出された燃料噴射量Qの指令値及び噴射時期目標値に基づき電磁スピル弁63及びタイマ装置64を駆動制御する。また、ECU91は、機関運転状態に応じてターボチャージャ35による過給圧の目標値を算出する。そして、ECU91は、この目標過給圧PINTと圧力センサ71により検出される実過給圧PINとを比較し、目標過給圧PINTと実過給圧PINが一致するようにアクチュエータ42を駆動してノズルベーン41の開閉制御をする。
次に、ターボチャージャ35の異常判定装置の制御について説明する。図2に異常判定装置による異常判定ルーチンのフローチャートを示す。この異常判定ルーチンは、実過給圧PINが目標過給圧PINTに対して過剰に上昇する場合の異常を判定するものであり、実過給圧PINが目標過給圧PINTに収束しつつある過渡的状態における誤判定を抑制したものである。なお、フローチャートに表されるα,β,γ,δは、0以上の値である。ECU91は、異常判定ルーチンを所定タイミングごとに繰り返し行う。異常判定ルーチンが開始されると、ECU91は、目標過給圧PINTと1ルーチン前の目標過給圧PINT0との差が所定値「−γ」より大きいか否かを判定する(ステップS100)。このステップでは、1ルーチン当たりの目標過給圧PINTの変化量、すなわち目標過給圧PINTの低下速度が、所定値以上であるか否かを判定している。そして、上記差が所定値「−γ」以下のときは、そのままこのルーチンを終了する。目標過給圧PINTの低下速度が所定値以上である場合は、目標過給圧PINTと実過給圧PINとの乖離が一時的に増大したことをもって異常がある旨誤判定されるおそれがあるため、異常判定を行わない。
上記差が所定値「−γ」より大きいときは、実過給圧PINと1ルーチン前の実過給圧PIN0との差が所定値「−δ」より大きいか否かを判定する(ステップS110)。このステップでは、1ルーチン当たりの実過給圧PINの変化量、すなわち実過給圧PINの低下速度が、所定値以上であるか否かを判定している。そして、上記差が所定値「−δ」以下のときは、そのままこのルーチンを終了する。実過給圧PINの低下速度が所定値以上である場合は、実過給圧PINと目標過給圧PINTとの間に乖離が生じていても実過給圧PINが目標過給圧PINTに収束しつつある状況であると判断できる。このため、実過給圧PINと目標過給圧PINTとの間に乖離が生じていることをもって異常がある旨誤判定されるおそれがあるため、異常判定を行わない。
上記差が所定値「−δ」より大きいときは、目標過給圧PINTと実過給圧PINとの差が所定値「−α」より小さいか否かが判定される(ステップS120)。このステップでは、実過給圧PINと目標過給圧PINTとの間に乖離が生じていること、具体的には実過給圧PINが目標過給圧PINTと比べて所定値より大きいか否かを判定している。そして、上記差が所定値「−α」以上であるときは、ターボチャージャ35が正常に作動しているとみなされ、そのままこのルーチンを終了する。実過給圧PINと目標過給圧PINTとの差が所定値以下の場合は、過剰な過給に起因する排気系部材の損傷等、悪影響の発生するおそれが少ないからである。
上記差が所定値「−α」より小さいときは、異常判定ルーチンのカウンタが1ルーチン分インクリメントされる(ステップS130)。そして、カウンタが所定値βを超えるか否かが判定される(ステップS140)。このステップは、目標過給圧PINTと実過給圧PINとが乖離した状態が所定時間継続したことを条件に異常である旨判定し、異常判定結果の信頼性を高めるためのものである。カウンタが所定値β以下の場合はステップS100に戻り、異常判定ルーチンが繰り返される。カウンタが所定値βを超えるときは、ターボチャージャ35の異常判定を行い、警告灯92を点灯する(ステップS150)。このようにして、ノズルベーン41等に異常が生じているときに目標過給圧PINTが上昇し、実過給圧PINがその目標過給圧PINTを超えて上昇する状態を異常と判定することができる。
次に、実過給圧PINが目標過給圧PINTを超えて上昇し異常判定がなされる場合の異常判定ルーチンの制御を、図3に示すタイムチャートを用いて説明する。図3(a)は目標過給圧PINTと実過給圧PINとの時間変化を、図3(b)は目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力変化速度との時間変化を、図3(c)は目標過給圧PINTと実過給圧PINとの乖離度、具体的には両者の圧力差の時間変化を示す。ここで、図3(b)に示す目標過給圧変化速度VPINTと実過給圧変化速度VPINとは、目標過給圧PINTと実過給圧PINとをそれぞれ異常判定ルーチンの1ルーチン時間rtで微分したものである。
図3(a)に示すように時間t0において目標過給圧PINTが上昇する方向に設定されると実過給圧PINも上昇し、図3(b)に示すように目標過給圧変化速度VPINTと実過給圧変化速度VPINとは正の値になる。そして、この状態が時間t1まで継続する。t0からt1までの間は、目標過給圧変化速度VPINTと実過給圧変化速度VPINとは正の値であるため、図2に示すフローチャートのステップS100、ステップS110において肯定と判定されステップS120に進む。そして、ステップS120で目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力差が判定されるが、図3(c)に示すようにその差がほとんどないため、ステップS120で否定と判定され異常判定ルーチンが終了する。
図3(a)に示すように時間t1において目標過給圧PINTが定常状態になると、図3(b)に示すように目標過給圧変化速度VPINTは0に漸近する。本来であれば、実過給圧PINは目標過給圧PINTに一致するように制御されるため、実過給圧PINも定常状態となり実過給圧変化速度VPINも0に漸近するが、ここではノズルベーン41の異常等の理由から、図3(a)に示すように実過給圧PINが上昇を続ける。実過給圧PINが上昇を続けると、図3(c)に示すように目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力差が拡大し、時間t2でその圧力差が所定値「−α」に達する。t1からt2までの間は、t0からt1までの間と同様にステップS120で否定と判定され異常判定ルーチンが終了するが、時間t2を過ぎると、図3(c)に示すように目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力差が所定値「−α」より小さくなる。このため、時間t2以降の異常判定ルーチンにおいては、ステップS130、ステップS140と進み、カウンタがインクリメントされて所定値βより大きくなった時点、つまり時間t3においてステップS150に移行して異常判定表示がなされる。
次に、目標過給圧PINTが低下したときに、ノズルベーン41の応答遅れ等に起因して実過給圧PINが収束に向かう過渡的状況下にあって、目標過給圧PINTと実過給圧PINとの間に乖離が生じた場合の異常判定ルーチンの制御を、図4に示すタイムチャートを用いて説明する。図4(a)は目標過給圧PINTと実過給圧PINとの時間変化を、図4(b)は目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力変化速度の時間変化を、図4(c)は目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力差の時間変化を示す。ここで、図4(b)に示す目標過給圧変化速度VPINTと実過給圧変化速度VPINとは、目標過給圧PINTと実過給圧PINとをそれぞれ異常判定ルーチンの1ルーチン時間rtで微分したものである。
図4(a)に示すように時間t0において目標過給圧PINTが低下する方向に設定されると実過給圧PINも低下を開始し、図4(b)に示すように目標過給圧変化速度VPINTと実過給圧変化速度VPINとは負の値になる。実過給圧変化速度VPINの変化は、ノズルベーン41の応答遅れ等に起因して目標過給圧変化速度VPINTの変化に対して小さいものとなる。t0からt2までの間は、目標過給圧変化速度VPINTは所定値「−γ」より小さい値であるため、図2に示すフローチャートのステップS100において否定と判定され異常判定ルーチンが終了する。時間t1において、目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力差が所定値「−α」より小さくなるが、ステップS100において異常判定ルーチンが終了するため、異常判定がなされることはない。
図4(a)に示すように時間t2において目標過給圧PINTが定常状態になると、図4(b)に示すように目標過給圧変化速度VPINTは0に漸近する。一方、実過給圧PINは目標過給圧PINTに収束する方向に向かうので、時間t2においても低下状態を継続し、同様に実過給圧変化速度VPINも低下を続ける。t2からt3までの間は、目標過給圧変化速度VPINTは所定値「−γ」より大きい値となるため、図2に示すフローチャートのステップS100において肯定と判定されステップS110に進むが、実過給圧変化速度VPINが所定値「−δ」より小さい値となるため、ステップS110において否定と判定されて異常判定ルーチンが終了する。このようにして、目標過給圧PINTが低下して実過給圧PINが収束に向かう過渡的状況下においては、目標過給圧PINTと実過給圧PINとの間に乖離が生じても異常判定がなされないように制御される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、目標過給圧PINTと実過給圧PINとの圧力差が所定値「−α」より小さい場合であっても、目標過給圧PINTの低下速度に相当する目標過給圧変化速度VPINTが所定値「−γ」より小さいときは異常判定を行わない。これによって、目標過給圧PINTが急激に低下した場合、実過給圧PINが収束に向かう過渡的状況下において、実過給圧PINと目標過給圧PINTとの圧力差が所定値「−α」より小さくなっても異常判定がされないため誤判定を抑制することができる。
(2)上記実施形態では、目標過給圧PINTと実過給圧PINとの差が所定値「−α」より小さい場合であっても、実過給圧PINの低下速度に相当する実過給圧変化速度VPINが所定値「−δ」より小さいときは実過給圧PINが目標過給圧PINTに対して収束する方向に向かっていると判断できるため異常判定を行わない。これによって、実過給圧PINが収束に向かう過渡的状況下において、実過給圧PINと目標過給圧PINTとの差が所定値「−α」より小さくなっても異常判定がされないため誤判定を抑制することができる。
(3)上記実施形態では、実過給圧PINが目標過給圧PINTと比べて所定圧より上回っていることを条件に異常である旨判定するようにしている。これによって、ノズルベーン41の固着等により、過給圧変更機構の過給効率が過大になるといった異常が生じており、目標過給圧PINTが上昇して実過給圧PINがその目標過給圧PINTを超えて上昇する場合に、速やかに異常判定することができる。従って、過剰な過給によって機関圧縮比が過大になり、ノッキングや排気圧の上昇に伴う排気系部材の損傷等を招く等の悪影響の発生を抑制することができる。
(4)上記実施形態では、目標過給圧PINTと実過給圧PINとが乖離した状態が所定時間継続したことを条件に異常である旨判定するようにしている。これによって、異常判定精度を向上させ、異常判定結果の信頼性を高めることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ステップS140においてカウンタが所定値βを超えることをもって異常判定を行うようにしているが、所定値βは過給圧の値に応じて可変に設定してもよい。一般に過給圧が高い高負荷・高回転領域では追従特性が悪化することが多いので、例えば、異常判定ルーチン開始時の目標過給圧PINTが高くなる程所定値βの値を大きくする等の設定方法が考えられる。またこの他に、過給圧の相関値である機関回転数NEや燃料噴射量Qの値に応じて所定値βを設定してもよい。このように機関運転状態に適合するように所定値βを設定することにより、異常判定に要する時間を不必要に長く設定する必要がなくなり、速やかに異常判定を行うことができる。
・上記実施形態では、図4に示すような実過給圧PINが収束に向かう過渡的状況下において異常判定を禁止したが、例えば、所定値「−α」を相対的に小さな値に設定する又は所定値「−γ」又は「−δ」を相対的に大きな値に設定する等によって、異常である旨の判定がなされ難いように異常判定の態様を変更してもよい。このように異常判定の態様を変更しても、誤判定がなされる状況を極力抑えることができる。
・上記実施形態では、目標過給圧PINTや実過給圧PINの低下速度と所定値とを比べて異常判定を禁止するようにしたが、例えばこうした比較を行わず、目標過給圧PINTや実過給圧PINの低下速度が大きいときほど所定値「−α」を相対的に小さく設定することによって、異常である旨の判定がなされ難いように異常判定の態様を変更してもよい。
・上記実施形態では、実過給圧PINと目標過給圧PINTとの圧力差に基づいて実過給圧PINと目標過給圧PINTとの乖離度を判断しているが、例えばこの判断を実過給圧PINと目標過給圧PINTとの比(PIN/PINT)に基づいて行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、図2に示すフローチャートのステップS100及びステップS110において、現在の圧力と1ルーチン前の圧力との差に基づいて圧力変化速度を判断しているが、例えばこの判断を現在の圧力と1ルーチン前の圧力との比に基づいて行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、図2に示すフローチャートにおいて、目標過給圧PINT及び実過給圧PINの低下速度が所定値以上であるか否かの判定をしているが、目標過給圧PINT及び実過給圧PINの一方のみの判定としてもよい。
・上記実施形態では、実過給圧PINがその目標過給圧PINTを超えて上昇する状態について異常判定を行っているが、実過給圧PINが目標過給圧PINTを超えて低下する状態についても同様の技術的思想を用いて異常判定を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、所定値として「−α」、「−γ」、「−δ」を設定しているが、これらを機関回転数NEや燃料噴射量Q等の機関運転状態のパラメータにより可変設定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、図2に示すフローチャートにより異常判定を行っているが、実過給圧PINの絶対値が所定圧以上であることを異常判定の判断要素として追加してもよい。
・上記実施形態では、目標過給圧PINT及び実過給圧PINが低下する際、その低下速度が所定値以上であるときに異常判定を禁止したが、目標過給圧PINT及び実過給圧PINの少なくとも一方が上昇する際、その上昇速度が所定値以上であるときに異常判定を禁止する又は異常判定の態様を変更するようにしてもよい。
・上記実施形態では、ディーゼルエンジン11のターボチャージャ35を用いているが、ガソリンエンジンのターボチャージャに適用してもよい。
・上記実施形態では、1段のターボチャージャ35を用いているが、多段のターボチャージャに適用してもよいし、並列式のターボチャージャに適用してもよい。
ターボチャージャが搭載されたディーゼルエンジンの構成図。 異常判定ルーチンのフローチャート。 (a)、(b)、(c)は目標過給圧が上昇したときのタイムチャート。 (a)、(b)、(c)は目標過給圧が低下したときのタイムチャート。
符号の説明
11…ディーゼルエンジン、16…クランクポジションセンサ、35…ターボチャージャ、37…タービンホイール、41…ノズルベーン、71…圧力センサ、91…ECU、92…警告灯。

Claims (6)

  1. 機関運転状態に応じて過給圧を変更可能な過給圧変更機構を備えるターボチャージャについてその目標過給圧と実過給圧との乖離度が大きいことに基づき異常である旨の異常判定をする異常判定装置において、
    前記目標過給圧及び実過給圧の少なくとも一方の変化速度が相対的に大きいときには、異常である旨の判定がなされ難いように前記異常判定の態様を変更するターボチャージャの異常判定装置。
  2. 請求項1に記載のターボチャージャの異常判定装置において、
    前記目標過給圧及び実過給圧の少なくとも一方の変化速度が所定値以上であるときには、前記異常判定を禁止するターボチャージャの異常判定装置。
  3. 請求項1又は2に記載のターボチャージャの異常判定装置において、
    前記目標過給圧が低下する際にその低下速度が所定値以上であるときに、前記異常判定の態様を変更するターボチャージャの異常判定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボチャージャの異常判定装置において、
    前記実過給圧が低下する際にその低下速度が所定値以上であるときに、前記異常判定の態様を変更するターボチャージャの異常判定装置。
  5. 請求項3又は4に記載のターボチャージャの異常判定装置において、
    前記実過給圧が前記目標過給圧を上回っていることを条件に異常である旨判定するターボチャージャの異常判定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のターボチャージャの異常判定装置において、前記目標過給圧と前記実過給圧とが乖離した状態が所定時間継続したことを条件に異常である旨判定するターボチャージャの異常判定装置。
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