JP4476519B2 - 燃料集合体の上部ノズル取付用ガイドピンユニット及びこれを用いた燃料集合体の上部ノズル取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料集合体の組立方法に関するものであり、特に制御棒案内管にスリーブを介して上部ノズルを取り付けるために用いられる上部ノズル取付用ガイドピンユニット及びこれを用いた上部ノズル取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の燃料集合体として、例えば特開平6−308267号公報に記載のものがある。この燃料集合体10は、図5に示すように、上部ノズル1及び下部ノズル2が所定間隔離間して配置され、これらノズル1,2の間に所定間隔をおいて複数の支持格子3が配設され、上部ノズル1にはスリーブ4が、支持格子3にはスリーブ5が、そして最下部の支持格子3にはインサート6がそれぞれ予め固定されている。
【0003】
そして、各支持格子3の格子空間には多数の燃料棒7が挿通支持されている。また、制御棒案内管8は上部ノズル1及び下部ノズル2に結合されているとともに、支持格子3の格子空間内に挿通されかつ支持格子3に結合されている。例えば、制御棒案内管8は、上部ノズル1のスリーブ4と支持格子3のスリーブ5とに嵌合されて、拡管(バルジ)操作によって固定され、拡管部A,Bが設けられる。
【0004】
ところで、制御棒案内管8を固定するための、上部ノズル1のスリーブ4と支持格子3のスリーブ5は、組み立てられた燃料集合体10が反応炉の中で高温(約290〜320℃)状態に保持された際、これらスリーブ4,5に固定された制御棒案内管8がまっすぐになるように設計され、形成されている。
【0005】
他方、燃料集合体10の長手方向に直交する断面の中心を通過する中心線を中心軸Oとすると、常温下、例えば燃料集合体10の組立時等において、上部ノズル1が制御棒案内管8に結合される前の状態、すなわち燃料棒7が挿入されたスケルトンアセンブリの状態では、支持格子3のスリーブ5と制御棒案内管8は、それぞれ中心軸Oと平行な方向に延在するように固定されている。また、上部ノズル1のスリーブ4は中心軸Oの周囲に所定間隔で上部ノズル1に配列されて固定されており、これに対応して制御棒案内管8も中心軸Oの周囲に所定間隔で支持格子3に配列されて固定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、支持格子3よりも上部ノズル1の方が熱膨張率が大きいために、常温では、上部ノズル1における中心軸Oの周囲の各スリーブ4は、中心軸Oからの距離が支持格子3における中心軸Oの周囲の対応する各制御棒案内管8までの距離よりも若干小さいように、互いにズレた位置に設定されている。しかもこの位置ズレの距離は中心軸Oから離れるに従って漸次増大するようになっている。
【0007】
したがって、上部ノズル1のスリーブ4を制御棒案内管8に嵌合させて組み立てる際、スリーブ4と制御棒案内管8との間に位置ズレがあるために、この嵌合作業を確実かつスムーズに行うことができず、作業者が手作業で上部ノズル1のスリーブ4を制御棒案内管8に導く必要が生じてしまい、組立作業に時間がかかってしまっていた。
しかも、このスリーブ4を制御棒案内管8に嵌合させる作業は、燃料棒7に近接した作業となるため、被爆線量の点から考えても、より確実かつスムーズなスリーブ4の嵌合作業を行うことが望まれており、ひいては、この嵌合作業を機械的作業によって自動化することが熱望されている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、制御棒案内管に上部ノズルに固定されたスリーブを確実かつスムーズに嵌合させることができる燃料集合体の上部ノズル取付用ガイドピンユニット及びこれを用いた燃料集合体の上部ノズル取付方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の上部ノズル取付用ガイドピンユニットは、下部ノズル及び支持格子に制御棒案内管が挿通されたスケルトンアセンブリに対して、燃料棒を挿入した後、上部ノズルに予め固定されたスリーブを前記制御棒案内管の先端部と嵌合してなる燃料集合体の組立に際して、前記スリーブを前記制御棒案内管の先端部に案内するために用いられるガイドピンユニットであって、前記制御棒案内管の内部に挿入可能な先端部分と、この先端部分の基端側に位置して一段拡径するストッパ部分とが形成されていて、これら先端部分及びストッパ部分がスリットによって分割されて、それらの外径が収縮可能とされたガイドピンを備えており、前記ガイドピンをその軸線方向の先端側に付勢する弾性機構を備えたことを特徴とする。
また、本発明による上部ノズル取付方法は、本発明の上部ノズル取付用ガイドピンユニットを用いた上部ノズル取付方法であって、前記燃料棒が挿入されたスケルトンアセンブリに対して前記上部ノズルを位置決めした後、この上部ノズルに予め固定されたスリーブの内部に、前記ガイドピンを挿入してゆき、該ガイドピンの先端部分が前記制御棒案内管の内部に挿入されているとともに、前記ストッパ部分が前記制御棒案内管の先端に当接して該ガイドピンが係止した状態とし、その後、前記上部ノズル及びスリーブを、前記ガイドピンに沿って相対移動させることにより、前記スリーブと前記制御棒案内管の先端部とを嵌合することを特徴とする。
【0010】
このような本発明によれば、たとえ、上部ノズルのスリーブと制御棒案内管との位置ズレが生じていた場合であっても、ガイドピンの先端部分の外径が収縮するような弾性変形が可能となっているため、上部ノズルのスリーブと制御棒案内管との嵌合作業を確実かつスムーズに行うことが可能となる。
また、スリーブの内部には、このスリーブの上部ノズルに対する溶接部分が存在して内径が局所的に小さくなっている箇所があるが、本発明においては、ガイドピンのストッパ部分の外径も収縮可能となっていることにより、無理な力を加えることなく、ガイドピンのストッパ部分がスリーブの溶接部分を通過することが可能となる。
また、ガイドピンをその軸線方向の先端側に付勢する弾性機構を備えているから、複数の制御棒案内管のそれぞれの先端同士の間に、中心軸方向のズレが生じていた場合であっても、ガイドピンの先端部分を確実に制御棒案内管の内部に挿入できるとともに、ストッパ部分によって係止することが可能となり、上部ノズルのスリーブと制御棒案内管との嵌合作業をより確実に行うことができる。
【0011】
また、本発明のガイドピンユニットは、前記ガイドピンの先端部分及びストッパ部分には、その軸線に沿う貫通孔が形成されているとともに、この貫通孔に嵌合可能なセンターピンを備えていることを特徴とする。
このような本発明によれば、ガイドピンの先端部分が制御棒案内管の内部に挿入され、ストッパ部分によってガイドピンが係止している状態で、センターピンをガイドピンの貫通孔に沿って挿入させていくことにより、ガイドピンのストッパ部分の外径をスリーブの内径と一致させるとともに、先端部分の外径を制御棒案内管の内径に一致させることが可能となり、これにより、上部ノズル及びスリーブを制御棒案内管に向けて移動させる工程をより確実かつスムーズに行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明するが、上述の先行技術と同一または同様の部分には同一の符号を用いてその説明を省略する。
図1(a)は本実施形態による上部ノズル取付用ガイドピンユニットのガイドピンを示す要部拡大斜視図、(b)は同ガイドピンの要部拡大側面図である。
【0014】
本実施形態による上部ノズル取付用ガイドピンユニットのガイドピン20は、図1に示すように、軸線Pを中心とした略多段円筒状を呈するものであり、その軸線Pに沿って、ガイドピン20の先端から基端まで(後述する先端部分22及びストッパ部分25を含んで)貫通する貫通孔21が形成されている。
ガイドピン20の先端部分22は、制御棒案内管8の内径と一致するような外径dをもつ略円筒状に形成されており、この先端部分22の先端面23には面取りが施されて面取り部分24が形成されている。
【0015】
また、先端部分22のすぐ基端側には、先端部分22の外径dよりも一段拡径していて、上部ノズル1のスリーブ4の内径と一致するとともに、制御棒案内管8の外径と一致するような外径Dをもつストッパ部分25が、ガイドピン20の軸線P側に一段凹んだ凹溝を介して形成されている。このストッパ部分25と先端部分22との接続部分は滑らかに接続されておらず、ストッパ部分25には、ガイドピン20の軸線P方向の先端側を向く係止壁26が形成されている。
【0016】
そして、ストッパ部分25のすぐ基端側には、ガイドピン20の基端側に向かうにしたがい滑らかに縮径していくテーパ部分27が形成されており、このテーパ部分27によって、ストッパ部分25とガイドピン20の基端側部分29とが接続されている。なお、ガイドピン20の基端側部分29の外径d1は、先端部分22の外径dよりも僅かに小さくなるように設計されている。
【0017】
さらに、ガイドピン20は、その先端面23(先端部分21の先端面23)から基端側に向けて2つのスリット28,28が切り欠かれており、これら2つのスリット28,28は、先端部分22からストッパ部分25を越えてテーパ部分27の基端側まで延びるように形成されているとともに、軸線Pで互いに直交するように交差している。それゆえ、2つのスリット28,28は、ガイドピン20の貫通孔21と連通している。
2つのスリット28,28によって、ガイドピン20の先端部分22及びストッパ部分25が4等分割され、これら先端部分22及びストッパ部分25の外径d,Dが収縮可能となっている。
【0018】
次に、以上のような構成とされたガイドピン20を備えるガイドピンユニットを用いた上部ノズル取付方法を説明する。図2及び図3は本実施形態による上部ノズル取付用ガイドピンユニットを用いた上部ノズルの取り付けの様子を工程順に示す要部説明図である。
【0019】
まず、下部ノズル1及び支持格子3に制御棒案内管8が挿通されたスケルトンアセンブリに燃料棒7を挿入した後の状態において、図2(a)に示すように、制御棒案内管8に対して、上部ノズル1に溶接で固定されたスリーブ4が対向するように上部ノズル1を位置決めする。
この上部ノズル1は、その厚み方向を貫通する孔にそれぞれスリーブ4が嵌挿され、スリーブ4の端部が溶接されて固定されているものであるが、スリーブ4の上部ノズル1に対する溶接部分4Aは、スリーブ4の内部側に丸みを帯びて突出するようになっているため、スリーブ4の入り口部分の内径が、スリーブ4の内径に比べて小さくなっている。
【0020】
次に、ガイドピン20の先端部分22が、上部ノズル1及びスリーブ4を間に挟んで、制御棒案内管8の先端部に対向するようにガイドピンユニットを位置決めして、上部ノズル1の後方側(図2及び図3における左側)に配置した後、ガイドピンユニットに備えられた後述する押し出し機構40によって、ガイドピン20を制御棒案内管8側に向かって近接するように前進させていく。
そして、ガイドピン20の先端部分22が、上部ノズル1のスリーブ4の内部に挿入させられ、続いて、その基端側に位置するストッパ部分25が上部ノズル1のスリーブ4の内部に挿入させられていく。
【0021】
ここで、ガイドピン20のストッパ部分25の外径Dは、スリーブ4の内径に一致するような大きさに設定されているため、溶接部分4Aが形成されて内径が小さくなっているスリーブ4の入り口部分よりも、ストッパ部分25の外径Dが大きいことになる。
【0022】
しかしながら、ガイドピン20におけるストッパ部分25及び先端部分22が、スリット28,28によって4等分割されて、ストッパ部分25及び先端部分22を構成するそれぞれ4つの部材が、それぞれガイドピン20の軸線Pに近づく方向に弾性変形することが可能、すなわち、ストッパ部分25及び先端部分22の外径D,dが収縮可能となっており、これに加えて、スリーブ4の溶接部分4Aが丸みを帯びて形成されているために、図2(b)に示すように、この溶接部分4Aがストッパ部分25を構成する4つの部材を軸線P側に押圧し、ストッパ部分25の外径Dが収縮するので、ガイドピン20において一番外径の大きいストッパ部分25が、無理な力を加えずともスリーブ4の内部を通過させられることが可能になる。
【0023】
そして、ストッパ部分25がスリーブ4の溶接部分4Aを通過し、この溶接部分4Aが、ストッパ部分25のすぐ基端側に位置するテーパ部分27にまで至った際には、図2(c)に示すように、溶接部分4Aによるストッパ部分25への押圧が解除され、これにより、ストッパ部分25及び先端部分22が、自身の復元力によって溶接部分4Aで押圧される以前に近い状態にまで戻ることになる。このとき、溶接部分4Aによって押圧されて変形していたガイドピン20の先端部分22及びストッパ部分25は、完全に元の状態まで戻らず、それら先端部分22及びストッパ部分25の外径d,Dが、多少収縮して小さくなっている状態に維持される。
【0024】
さらに、押し出し機構40によって、ガイドピン20を前進させることにより、図2(d)に示すように、ガイドピン20の先端部分22が、制御棒案内管8の内部に挿入させられ、その後、ストッパ部分25の係止壁26が、制御棒案内管8の先端に当接することによって、ガイドピン20が制御棒案内管8に係止した状態となる。
【0025】
ここで、本実施形態によるガイドピンユニットのガイドピン20は、その先端部分22の外径dが、上述したように多少収縮して小さくなっているのに加えて、先端部分22の外径dが収縮するような弾性変形が可能となっていることから、燃料集合体10の中心軸Oから上部ノズル1と制御棒案内管8までの距離が互いにズレるように配置させられていても、確実かつスムーズにガイドピン20の先端部分22を制御棒案内管8の内部に挿入させることが可能となる。
【0026】
このとき、図2(d)に示す状態においては、ガイドピン20の先端部分22は、その外径dが多少収縮して小さくなっているため、制御棒案内管8の内周と一致することはなく多少隙間が形成されている。また、同じくガイドピン20のストッパ部分25も、その外径Dが多少収縮して小さくなっているため、制御棒案内管8の外径よりも小さくなり、ストッパ部分25の外周面と制御棒案内管8の外周面とが滑らかに連続せずに段差が形成されることとなり、後の工程における上部ノズル1のスリーブ4のスムーズな嵌合が阻害されるおそれが生じる。
そこで、本実施形態におけるガイドピンユニットでは、ガイドピン20の貫通孔21に、その基端側から先端側に向けてセンターピン30を挿入していくことになる。
【0027】
このセンターピン30は、略多段円柱状を呈するものであり、その先端部分31が一段拡径していて、ガイドピン20の貫通孔21の内径に一致する外径をもち、貫通孔21に嵌合するように形成されている。
そのため、図2(e)に示すように、センターピン30の先端部分31が、ガイドピン20の先端部分22の内部まで達したときには、このセンターピン30の先端部分31が、多少収縮してしまったガイドピン20の先端部分22を、径方向外側に押し出すことにより、ガイドピン20の先端部分22の外径dが、溶接部分4Aによって押圧され収縮させられる以前の状態にまで拡径される。また、ストッパ部分25も同じく、その外径Dが収縮させられる以前の状態にまで拡径される。
【0028】
それゆえ、制御棒案内管8の内部に挿入させられているガイドピン20の先端部分22が制御棒案内管8の内周に一致して嵌合するとともに、制御棒案内管8の先端に当接しているストッパ部分25の外径Dが、制御棒案内管8の外径と一致して、ストッパ部分25の外周面と制御棒案内管8の外周面とが段差を形成することなく滑らかに接続され、これにより、スリーブ4の滑らかな嵌合作業を促すことができる。
【0029】
そこで、上部ノズル1及びスリーブ4を、ガイドピン20に沿って移動させ、制御棒案内管8に近接させていくことにより、図3(f)に示すように、上部ノズル1に固定されたスリーブ4の先端が制御棒案内管8の先端部に嵌合させられる。
この状態において、図3(g)に示すように、ガイドピン20の貫通孔21に挿入されているセンターピン30を後退させることにより、ガイドピン20の先端部分22及びストッパ部分25が再び収縮可能となり、先端部分22の制御棒案内管8の内径に対する嵌合及びストッパ部分25のスリーブ4に対する嵌合が解除される。
【0030】
そして、図3(h)に示すように、ガイドピン20を後退させて取り外すと、上部ノズル1のスリーブ4と制御棒案内管8の先端同士が僅かに嵌合している状態となる。
その後、図3(i)に示すように、上部ノズル1及びスリーブ4を、制御棒案内管8側に向けて押し出し、スリーブ4と制御棒案内管8の先端部とを完全に嵌合させる。
最後に、拡管(バルジ)操作を行うことにより、上部ノズル1のスリーブ4と制御棒案内管8の先端部とが結合して固定され、燃料集合体10が完成する。
【0031】
ところで、制御棒案内管8は、通常4m程度の長さをもって形成されているため、支持格子3のスリーブ5に固定された複数の制御棒案内管8において、燃料集合体10の中心軸O方向の長さに、互いにバラつきが生じているおそれがあり、この制御棒案内管8の数に対応した複数のガイドピン20を有するガイドピンユニットを用いて上部ノズル1の各スリーブ4の嵌合作業を同時に行うと、各ガイドピン20の先端部分22が、各制御棒案内管8の内部に完全に挿入されず、上部ノズル1の各スリーブ4の円滑な嵌合作業を行うことができないおそれがある。例えば、2つの制御棒案内管8について考慮した場合には、制御棒案内管8の先端が、図4に示すように、中心軸O方向で距離aのズレを生じている場合がある。
そこで、本実施形態におけるガイドピンユニットでは、図4に示すように、ガイドピン20の押し出し機構40に、ガイドピン20を軸線P方向の先端側へ付勢する弾性機構50を備えていることを特徴とする。
【0032】
ガイドピン20の押し出し機構40は、2枚の板状部材が組み合わされて構成されたものであり、この押し出し機構40にガイドピン20の基端側部分29が接続されることにより、ガイドピン20を制御棒案内管8側に近接する方向に前進させることが可能となっている。
そして、この押し出し機構40には、ガイドピン20をその軸線P方向の先端側へ付勢する弾性機構50が備えられている。弾性機構50は、例えばバネ51からなる弾性体が、押し出し機構40に接続されたガイドピン20の基端を押圧するように配置したものであり、ガイドピン20をその軸線P方向の先端側に付勢している。なお、ガイドピン20の基端側部分29の最基端には、止め板29Aが装着されていて、ガイドピン20の押し出し機構40からの抜け止め防止の働きをなしている。
【0033】
これにより、たとえ、複数の制御棒案内管8の先端同士の位置に、中心軸O方向のズレが生じていた場合であっても、ガイドピン20を軸線P方向の先端側に付勢する弾性機構50によって、その位置ズレを吸収でき、ガイドピン20の先端部分22を制御棒案内管8に対して確実に挿入することが可能となる。
【0034】
以上、説明したように、本実施形態によれば、上部ノズル1のスリーブ4を制御棒案内管8に嵌合させる作業を確実かつスムーズに行うことが可能となり、作業者が手作業で上部ノズル1のスリーブ4を制御棒案内管8に導く必要がなくなり、それゆえ、この上部ノズルの取付作業を機械的作業によって自動化したとしても不具合を生じることがなく、組立時間の短縮を図ることができるとともに、被爆のおそれをなくすことができる。
【0035】
なお、本実施形態によるガイドピンユニットは、スリーブ4の溶接部分4Aによって収縮させられたガイドピン20の先端部分22及びストッパ部分25を拡径するのに、センターピン30を用いたが、これに限定されることなく、ガイドピン20の先端部分22及びストッパ部分25を分割するスリット28に、例えばゴムなどの弾性体を充填することも可能である。
また、スリーブ4の溶接部分4Aによる収縮を回避するために、予め先端部分22及びストッパ部分25を絞ったガイドピン20を用いておき、ストッパ部分25の係止壁26が制御棒案内管8の先端に当接した後に、センターピン30で拡径する方法でもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、上部ノズルのスリーブを制御棒案内管に嵌合させる作業をより確実かつスムーズに行うことが可能となるため、従来のように作業者が手作業で上部ノズルのスリーブを制御棒案内管に導くことが不要となり、したがって、この上部ノズルの取付作業を機械的作業によって自動化したとしても何ら不具合を生じることがなく、組立時間の短縮を図ることができるとともに、被爆のおそれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本実施形態による上部ノズル取付用ガイドピンユニットのガイドピンを示す要部拡大斜視図、(b)は同ガイドピンの要部拡大側面図である。
【図2】 本実施形態による上部ノズル取付用ガイドピンユニットを用いた上部ノズルの取り付けの様子を工程順に示す要部説明図である。
【図3】 本実施形態による上部ノズル取付用ガイドピンユニットを用いた上部ノズルの取り付けの様子を工程順に示す要部説明図である。
【図4】 本実施形態による上部ノズル取付用ガイドピンユニットの側面図である。
【図5】 一般的な燃料集合体の要部構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 上部ノズル
4 スリーブ
4A 溶接部分
8 制御棒案内管
10 燃料集合体
20 ガイドピン
21 貫通孔
22 先端部分
25 ストッパ部分
28 スリット
30 センターピン
50 弾性機構
O 燃料集合体の中心軸
P ガイドピンの軸線
Claims (3)
- 下部ノズル及び支持格子に制御棒案内管が挿通されたスケルトンアセンブリに対して、燃料棒を挿入した後、上部ノズルに予め固定されたスリーブを前記制御棒案内管の先端部と嵌合してなる燃料集合体の組立に際して、前記スリーブを前記制御棒案内管の先端部に案内するために用いられるガイドピンユニットであって、
前記制御棒案内管の内部に挿入可能な先端部分と、この先端部分の基端側に位置して一段拡径するストッパ部分とが形成されていて、これら先端部分及びストッパ部分がスリットによって分割されて、それらの外径が収縮可能とされたガイドピンを備えており、
前記ガイドピンをその軸線方向の先端側に付勢する弾性機構を備えたことを特徴とする燃料集合体の上部ノズル取付用ガイドピンユニット。 - 請求項1に記載の上部ノズル取付用ガイドピンユニットにおいて、
前記ガイドピンの先端部分及びストッパ部分には、その軸線に沿う貫通孔が形成されているとともに、
この貫通孔に嵌合可能なセンターピンを備えていることを特徴とする燃料集合体の上部ノズル取付用ガイドピンユニット。 - 請求項1または2に記載の上部ノズル取付用ガイドピンユニットを用いた燃料集合体の上部ノズル取付方法であって、
前記燃料棒が挿入されたスケルトンアセンブリに対して前記上部ノズルを位置決めした後、この上部ノズルに予め固定されたスリーブの内部に、前記ガイドピンを挿入してゆき、
該ガイドピンの先端部分が前記制御棒案内管の内部に挿入されているとともに、前記ストッパ部分が前記制御棒案内管の先端に当接して該ガイドピンが係止した状態とし、
その後、前記上部ノズル及びスリーブを、前記ガイドピンに沿って相対移動させることにより、前記スリーブと前記制御棒案内管の先端部とを嵌合することを特徴とする燃料集合体の上部ノズル取付方法。
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