JP4476184B2 - 受信アンテナ選択方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線伝送技術に関し、特に、複数の送信アンテナから出力された信号を複数の受信アンテナで受信するMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)技術に関する。
送信アンテナと受信アンテナを複数用いて、同一周波数で複数の情報を送受信するMIMO技術が注目を集めている。MIMOシステムでは、各送信アンテナと各受信アンテナとの間の応答を行列で表した伝搬路行列Hを推定し、この伝搬路行列Hを用いて、受信信号ベクトルYから送信信号ベクトルXを復調する(Y=HXを解く)。MIMOシステムでは、受信アンテナ数が多くなるほど、ダイバーシティ効果が高くなり誤りが減少することが知られているが、その場合、大きな伝搬路行列を取り扱わなければならないので、計算量が膨大になってしまう。この問題を解決するため、予め復調に用いる受信アンテナを選択し、計算量を削減する方法が提案されている。
MIMOシステムにおいて、伝送可能な独立したチャンネル数は、送信アンテナ数と受信アンテナ数のうちの少ない方に等しく、最大伝送容量は、伝搬路行列の相関行列の固有値に比例することが知られている。また、最大伝送容量は、各受信アンテナの空間相関特性によっても左右され、相関係数が小さいほど伝送容量が増大することが知られている。
これらの性質について、送信アンテナ数を2、受信アンテナ数を2としたMIMOシステムを例に詳しく説明する。受信信号ベクトルをY=[Y、送信信号ベクトルをX=[X、2行2列の伝搬路行列をH、受信信号の雑音成分を雑音ベクトルN=[Nで表すと、MIMOシステムは、以下の式により表現することができる。
Figure 0004476184

但し、演算子は転置を表す。Nの各要素は、複素ガウス雑音の独立同分布として取り扱うことができる。ここで、伝搬路行列Hを、
Figure 0004476184

のように特異値分解する。但し、演算子は複素共役転置を表す。Dは、Hの相関行列であるHHの固有値λ,λの平方根を対角要素とし、他の要素はゼロとした特異値行列を表す。すなわち、以下の式により表現することができる。
Figure 0004476184
また、VはHHの国有ベクトルを列の要素とした行列、UはHHの固有ベクトルを列の要素とした行列である。UとVはユニタリ行列であり、U−1=U、V−1=Vである。式(1)に式(2)を代入し、両辺に左からUをかけると、式(4)のようになる。
Figure 0004476184

式(4)に対して、式(5−1)〜(5−3)のような変数変換を行うと、式(6)となる。
Figure 0004476184

Figure 0004476184

nは、Nを正規直交系の固有ベクトルによって変換したものであるため、その統計的な性質はNと同じ独立同分布の複素ガウス雑音である。
Figure 0004476184
式(6)より、各等価チャンネルの信号電力対雑音電力の比(SNR)は、振幅利得の2乗すなわち固有値に比例することがわかる。そして、これにシャノンの理論を適用すると、MIMOシステムの最大伝送容量は、固有値に比例することを導くことができる。
特許文献1及び非特許文献1は、基本的にこれらの性質を利用したものであり、予め複数の受信アンテナの中から固有値の大きな組み合わせ、または結果的に固有値が大きくなる相関係数の小さな組み合わせを選択し、送信アンテナ数と同程度の受信アンテナを用いることにより、復調の計算量を削減している。
特開2004−312381号公報 村上豊、小林聖峰、折橋雅之、松岡剛史、"MIMOシステムにおける受信アンテナ選択パラメータに関する検討"、信学技報、2003年8月、RCS2003−110、pp.1−5
従来技術では、直接的には等価チャンネルの伝送容量が大きくなるように、固有値または相関係数を用いて受信アンテナを選択している。従来技術において、固有値は、等価チャンネルの入力信号(式(5−2)の変換を受けたx,x)が通過するチャンネルの伝送容量に比例するものであり、実際に伝送される信号(式(5−2)の変換を受ける前のX,X)が独立して通過するチャンネルの伝送容量と直接的な関係はない。すなわち、Xの伝送容量がλに比例し、Xの伝送容量がλに比例するというわけではない。従来の受信アンテナ選択方法は、全ての送信信号を同等に扱う(同程度の品質で受信することを前提とした)MIMOシステムのアプリケーションでは有効な手段であるが、送信信号毎に優先度を持たせるアプリケーション、例えば、他の送信信号は途切れてもよいが送信信号1は確実に受信したいというような場合や、送信信号1を確実に受信して次に送信信号2も誤りを少なく受信したいというような場合は、受信アンテナを選択するための従来の判定基準では対処が不可能である。
そこで、本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、MIMOシステムにおいて、距離減衰が大きく、1つの受信アンテナのカバーエリアが比較的狭いミリ波帯を用いたときのように、受信アンテナの数nが送信アンテナの数nよりも多い場合に、復調の計算量がn=nの場合と同程度となり、かつ、復調したい送信信号の優先度に応じて受信アンテナを選択する方法及びその装置を提供することにある。本発明は、複数の送信機のうち、特定の送信機の送信信号(1つ以上)を確実に復調したい場合に効果を発揮する。
上記のように、従来技術では送信信号の優先度に応じて復調に用いる受信アンテナを選択することが不可能であった。本発明では、以下の原理により上記課題を解決する。説明を簡単にするため、従来技術で述べた送信2系統、受信2系統のMIMOシステムを例に説明する。
式(1)の伝搬路行列Hの逆行列H−1を、ここでは式(7)のように表す。
Figure 0004476184

式(1)の両辺にH−1を左から掛けると、式(8)を得ることができる。
Figure 0004476184

式(8)の右辺を要素で表すと、式(9)のようになる。
Figure 0004476184

式(9)は逆行列による復調信号を表しており、第一項が信号成分、第二項が雑音成分である。
これにより、送信信号1及び送信信号2の受信SNR(信号電力対雑音電力比)は、式(10−1)及び式(10−2)のように表すことができる。
送信信号1について:
Figure 0004476184

送信信号2について:
Figure 0004476184

ここで、E[x]はxの期待値、演算子は複素共役を表す。送信側で伝搬路の情報を知らない通常の場合を考えると、各送信信号を同一の送信電力にするので、E[X・X ]=E[X・X ]である。したがって、各送信信号の受信SNRは、式(10−1)及び式(10−2)の分母に依存することになる。また、N及びNは、独立同分布の複素ガウス雑音であり、平均0、分散σの分布に従う。したがって、式(10−1)、式(10−2)の分母は、それぞれ式(11−1)、式(11−2)になる。
送信信号1について:
Figure 0004476184

送信信号2について:
Figure 0004476184

式(11−1)及び式(11−2)においてσは共通項であるので、結局、各送信信号のSNRは式(12−1)及び式(12−2)に依存し、これが小さいほど受信SNRが大きくなる。
送信信号1について:
Figure 0004476184

送信信号2について:
Figure 0004476184

各送信信号の伝送容量は、その送信信号の受信SNRに比例している。従って、式(12−1)及び式(12−2)の値が小さいほど、その送信信号の受信SNRが大きく、伝送容量が大きいことになる。
以上説明した原理を踏まえ、本発明では、伝搬路行列の逆行列を求め、各行の要素の絶対値の2乗和を評価関数(以下、「本発明における評価関数」という。)とし、この評価関数を判定基準として、復調に用いる受信アンテナの選択を行う。送信n系統、受信m系統の伝搬路行列の逆行列を式(13)のように一般化して表した場合、本発明における評価関数CFは式(14)となる。
Figure 0004476184

送信信号iについて:
Figure 0004476184
このような本発明における評価関数を判定基準として設け、ある送信信号に対する評価関数CFが最も小さくなる受信アンテナの組み合わせを選択することにより、複数の送信信号のうち、その送信信号について確実に復調することができる。すなわち、確実に受信し復調したい送信信号の優先度に応じて、受信アンテナを選択することが可能になる。
そこで、本発明による請求項1の受信アンテナ選択方法は、送信アンテナ及び受信アンテナを複数用いるMIMOシステムにおける受信アンテナ選択装置により、前記複数の受信アンテナから所定数の受信アンテナを選択する方法において、前記受信アンテナ選択装置が、伝搬路行列の逆行列を計算し、該計算した逆行列の要素から評価関数を計算し、該計算した評価関数と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、復調に用いる受信アンテナの組み合わせを選択することを特徴とする。
また、本発明による請求項2の受信アンテナ選択装置は、送信アンテナ及び受信アンテナを複数用いるMIMOシステムにおける受信アンテナ選択装置であって、送信アンテナと受信アンテナとの間のチャンネル応答ベクトルを推定するチャンネル推定回路と、前記推定されたチャンネル応答ベクトルから伝搬路行列を生成し、該生成した伝搬路行列の逆行列を計算する逆行列計算回路と、前記計算された逆行列の要素から評価関数を計算し、該評価関数と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、前記複数の受信アンテナのうちの所定数の受信アンテナの組み合わせを判定する判定回路と、前記判定された組み合わせにより、所定数の受信アンテナを選択する選択回路とを備えたことを特徴とする。これにより、確実に受信したい送信信号の優先度に応じて、受信アンテナを選択することができる。
また、本発明による請求項3の受信アンテナ選択装置は、請求項2に記載の受信アンテナ選択装置において、前記判定回路が、伝搬路行列の逆行列の要素のうち、送信信号に対応する行の要素から評価関数を計算し、該評価関数と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、前記複数の受信アンテナのうちの所定数の受信アンテナの組み合わせを判定することを特徴とする。
また、本発明による請求項4の受信アンテナ選択装置は、請求項2または3に記載の受信アンテナ選択装置において、送信アンテナと受信アンテナとの間の伝搬環境が変化する場合に、前記選択回路が、当該変化に応じて、所定数の受信アンテナの選択を更新することを特徴とする。これにより、常に最適な受信アンテナを選択することができる。
また、本発明は、変調方式がOFDMのMIMOシステムにも適用することができる。本発明による請求項5の受信アンテナ選択装置は、請求項2から4までのいずれか一項に記載の受信アンテナ選択装置において、変調方式がOFDMのMIMOシステムの場合に、前記チャンネル推定回路が、周波数特性により定められた周波数範囲毎に、該周波数範囲から選択された一つのパイロットキャリアについて、チャンネル応答ベクトルを推定することを特徴とする。
また、本発明による請求項6の受信アンテナ選択装置は、請求項5に記載の受信アンテナ選択装置において、前記逆行列計算回路が、チャンネル推定回路により推定された前記パイロットキャリアについてのチャンネル応答ベクトルから伝搬路行列を生成し、該生成した伝搬路行列の逆行列を計算することを特徴とする。
また、本発明による請求項7の受信アンテナ選択装置は、請求項6に記載の受信アンテナ選択装置において、前記判定回路が、逆行列計算回路により1つの受信信号の組み合わせについて計算された複数のサブキャリアの逆行列に対して、評価関数を全て計算し、該評価関数の平均値と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、前記複数の受信アンテナのうちの所定数の受信アンテナの組み合わせを判定することを特徴とする。
本発明によれば、受信アンテナの数が送信アンテナの数よりも多い場合に、復調の計算量を受信アンテナ数が送信アンテナ数に等しいときと同程度に削減することが可能となる。また、本発明によれば、送信信号の優先度に応じて受信アンテナを効率的に選択することが可能となる。本発明のこのような効果は、特定の情報(ユーザー)に重みを持たせ、その情報の信号品質を確保する必要があるシステムにおいて絶大である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。実施例1は、本発明をシングルキャリアのMIMOシステムに適用した受信アンテナ選択装置の例である。また、実施例2は、本発明を変調方式がOFDMのMIMOシステムに適用した受信アンテナ選択装置の例である。以下、実施例1及び2について詳細に説明する。
〔全体構成〕
図1は、本発明を送信アンテナ数n、受信アンテナ数mのシングルキャリアのMIMOシステムに適用した実施例1の受信アンテナ選択装置の全体構成図である。この受信アンテナ選択装置1は、受信信号1〜mに対応したm個のチャンネル推定回路2−1〜2−m、逆行列計算回路3、判定回路4、及び選択回路5を備えている。受信アンテナ選択装置1は、各受信アンテナの受信信号1〜mと復調する送信信号の優先度情報を入力し、これらの受信信号1〜mのうちからk個の受信信号を選択し、選択出力1〜kを出力する。選択出力1〜kは、後段のMIMO復調器(図示せず)に入力され、送信信号1〜nが復調される。ここで、m>k≧nである。
〔チャンネル推定回路〕
図2は、図1に示したチャンネル推定回路2−1〜2−mの構成を示すブロック図である。以下、各チャンネル推定回路2−1〜2−mをチャンネル推定回路2−iと表す。このチャンネル推定回路2−iは、送信アンテナ1〜nに対応したn個のチャンネル推定部6−1〜6−nを備えており、受信信号iを入力し、各送信アンテナ1〜nについてのチャンネル推定を行い、その結果をチャンネル応答ベクトルhとして出力する。チャンネル推定は、各送信アンテナが伝送している固有の既知信号を用いて実現する。MIMOシステムの場合、この各送信アンテナの既知信号は、時分割多重または符号分割多重されることが通常行われるので、チャンネル推定部6−1〜6−nは、多重を解くことにより、各送信アンテナの既知信号に対する受信信号を分離することができる。送信アンテナjの既知信号をv、受信アンテナiで受信した送信アンテナjの既知信号をuijとすると、この組み合わせによるチャンネル応答hijは、
Figure 0004476184

で求めることができる。受信信号iについてのチャンネル応答ベクトルhは、
Figure 0004476184

となる。
〔逆行列計算回路〕
図3は、図1に示した逆行列計算回路3の構成を示すブロック図である。この逆行列計算回路3は、伝搬路行列生成部7と、復調に用いる受信信号を選択する組み合わせの数である個の逆行列計算部8−1〜8−とを備えている。逆行列計算回路3は、チャンネル応答ベクトルh〜hを入力し、復調に用いる受信信号を選択する組み合わせ毎に伝搬路行列H(i=1〜)を生成し、その逆行列H −1及び組み合わせ情報を出力する。
逆行列計算回路3の伝搬路行列生成部7は、チャンネル推定回路2−1〜2−mからチャンネル応答ベクトルh〜hを入力し、このm個のチャンネル応答ベクトルh〜hからMIMO復調に用いる受信信号k個を選ぶ全ての組み合わせ通りに対し、チャンネル応答ベクトルを縦に並べた伝搬路行列Hを生成し、逆行列計算部8−1〜8−に出力する。例えば、n=k=4、m=5の場合、以下のように、組み合わせは5通りである。
Figure 0004476184

また、伝搬路行列生成部7は、各伝搬路行列Hがどの受信信号のチャンネル応答ベクトルを組み合わせたものであるかを示す組み合わせ情報を判定回路4に出力する。
逆行列計算部8−1〜8−は、伝搬路行列生成部7からそれぞれ伝搬路行列Hを入力すると、その逆行列H −1を計算し、判定回路4に出力する。逆行列の計算法としては、一般に、ガウス−ジョルダン(Gauss−Jordan)法、LU分解法、特異値分解法等があるが、N×N行列でNが小さい場合には所定の公式を用いることができる。例えば、2×2行列の逆行列の公式は、
Figure 0004476184

について、行列式
Figure 0004476184

がゼロでない場合、Aの逆行列A−1は、
Figure 0004476184

である。また、3×3行列の逆行列の公式は、
Figure 0004476184

について、行列式
Figure 0004476184

がゼロでない場合、Bの逆行列B−1は、
Figure 0004476184

である。
〔判定回路〕
図4は、図1に示した判定回路4の構成を示すブロック図である。この判定回路4は、復調に用いる受信信号を選択する組み合わせの数である個の評価関数計算部9−1〜9−と、判定部10とを備えている。判定回路4は、逆行列計算回路3から伝搬路行列の逆行列H −1及び組み合わせ情報を、外部から優先度情報をそれぞれ入力し、逆行列H −1毎に評価関数を計算し、好適な受信アンテナの組み合わせを選択するための制御信号を選択回路5に出力する。
評価関数計算部9−1〜9−は、伝搬路行列の逆行列H −1及び送信信号の優先度情報を入力し、優先度情報に応じて、式(14)に示した本発明における評価関数CFを各逆行列H −1について計算し、計算結果である評価関数CFを判定部10に出力する。また、判定部10は、各逆行列H −1について計算された評価関数CF、組み合わせ情報、及び送信信号の優先度情報を入力し、優先度情報を満たす評価関数CFを求め、その評価関数CFと組み合わせ情報とに基づいて、受信信号の組み合わせを選択するための制御信号を出力する。
例えば、他の送信信号は途切れてもよいが送信信号Zだけは確実に受信したい場合には、評価関数計算部9−1〜9−は、各逆行列H −1について式(14)に示した評価関数CFを計算し、計算結果をそれぞれ判定部10に出力する。この場合、判定部10は、各逆行列H −1の評価関数CFと組み合わせ情報とに基づいて、評価関数CFが最も小さい受信信号の組み合わせを選択するための制御信号を出力する。
具体的に説明すると、前記のn=k=4、m=5の例において、送信信号3だけは確実に受信したい場合に、評価関数計算部9−1〜9−は、式(17−1)〜(17−5)の伝搬路行列H〜Hに対して得られた逆行列H −1〜H −1の評価関数CFを計算し、判定部10は、評価関数CFが最も小さくなる伝搬路行列に対する受信信号の組み合わせを選択し、その制御信号を出力する。
この選択方法を一般化して説明すると、送信信号の優先度情報を、優先度が大きい順に送信信号Z≧送信信号Z≧・・・≧送信信号Z(但しs≦n)とした場合、評価関数計算部9−1〜9−は、各逆行列H −1について式(14)により、それぞれ評価関数CFz1,CFz2,・・・,CFZSを計算する。この場合、判定部10は、逆行列H −1の評価関数CFz1,CFz2,・・・,CFZSと、逆行列H −1の評価関数CFz1,CFz2,・・・,CFZSと、・・・と、逆行列HmCk −1の評価関数CFz1,CFz2,・・・,CFZSとを入力し、評価関数CFz1≦CFz2≦・・・≦CFZSの関係を満たす逆行列を判定し、その逆行列に対する受信信号の組み合わせを選択し、その制御信号を選択回路5に出力する。なお、そのような関係を満たす組み合わせが複数ある場合は、評価関数の絶対値が小さい組み合わせを採用することにより、送信信号の受信SNRを高くすることができる。
また、優先度情報として、全ての送信信号に同じ優先度を持たせた場合についても、評価関数計算部9−1〜9−が、各送信信号に対応する評価関数を計算し、判定部10が、その計算値が同程度に小さい受信信号の組み合わせを選択し、その制御信号を出力することにより対応できる。また、別の選択方法として、各送信信号に対する優先度を数値(優先度が高いほど数値が大きい)で与えておき、優先度と評価関数の積を足した値、すなわち、(送信信号1の優先度)×(送信信号1の評価関数)+(送信信号2の優先度)×(送信信号2の評価関数)+・・・+(送信信号nの優先度)×(送信信号nの評価関数)が最も小さくなる受信信号の組み合わせを選択することによっても、送信信号の優先度情報により重み付けした受信信号の選択が可能になる。
〔選択回路〕
図1を参照して、選択回路5は、受信信号1〜m、及び判定回路4から制御信号を入力し、当該制御信号に従って受信信号1〜mのうちから必要な受信信号を選択し、選択出力1〜kとして出力する。なお、切り替えるタイミングについては、復調に支障をきたさないタイミングとする。
以上のように、実施例1の受信アンテナ選択装置1によれば、判定回路4が、伝搬路行列の逆行列H −1、受信信号の組み合わせ情報、及び、復調対象となる送信信号の優先度情報を入力し、送信信号の優先度情報により、その送信信号が伝搬する伝搬路要素が考慮された評価関数を計算し、その評価関数を用いて受信信号の組み合わせを判定するようにした。つまり、受信アンテナの数が送信アンテナの数よりも多い場合に、送信信号の優先度に応じて受信アンテナを選択するようにした。これにより、受信アンテナの数が送信アンテナの数よりも多い場合に、MIMO復調器による計算量を受信アンテナ数が送信アンテナ数に等しいときと同程度に削減することが可能となる。例えば、受信アンテナ数10、送信アンテナ数4の場合、全ての受信アンテナを復調のために用いると、復調(逆行列による方法)の計算量は、m行n列の伝搬路行列の擬似逆行列を求める処理だけ考えても、(2m×n+n)=2×10×4+4=384のオーダーになる。これに対し、受信アンテナ選択装置1が、復調の前段で受信アンテナを選択することにより、復調の計算量をn行n列の伝搬路行列の逆行列を求める処理のn=4=64のオーダーまで削減することができる。また、受信アンテナ選択装置1によれば、送信信号の優先度に応じて受信アンテナを効率的に選択することが可能となる。
なお、送信機及び受信機が固定されていて伝搬環境が変化しない場合は、前述した動作をはじめに一度行うことで十分であるが、送信機または受信機が移動したり、周囲の人や物体が移動して伝搬環境が変化する場合には、選択回路5が、その変化のスピードに応じて、選択出力1〜kを更新することにより、常に最適な受信アンテナの選択が可能となる。例えば、伝搬環境の変化のスピードが速い場合、選択回路5は、選択出力1〜kを短周期で更新する。これに対し、伝搬環境の変化のスピードが遅い場合、選択回路5は、選択出力1〜kを長周期で更新する。
次に、本発明を変調方式がOFDMのMIMOシステムに適用した実施例2の受信アンテナ選択装置について説明する。送信アンテナ数n、受信アンテナ数mは、実施例1と同様とする。実施例2の受信アンテナ選択装置の全体構成、チャンネル推定回路の構成、逆行列計算回路の構成、及び判定回路の構成は、ぞれぞれ図1〜4に示した実施例1の構成と同様である。ここでは、チャンネル推定回路2−1〜2−m、逆行列計算回路3、及び判定回路4における各機能ブロックの動作の違いについてのみ述べる。
図5は、変調方式がOFDMの場合におけるサブキャリア配置及びチャンネル推定を説明する図である。図5に示すように、OFDMでは、特定のサブキャリア(パイロットキャリア)で既知信号を伝送することが通常行われる。したがって、チャンネル推定回路2−1〜2−mは、パイロットキャリアの受信信号と既知信号との間の比から、パイロットキャリアについてのチャンネル応答を推定し、それを補間する。これにより、全サブキャリアのチャンネル応答を推定することができる。具体的には、チャンネル推定回路2−1〜2−mは、まず受信信号に対してフーリエ変換を行い、周波数領域の情報に変換して解析する。ここで、各送信アンテナの既知信号は、パイロットキャリアに時分割多重または符号分割多重されることが通常行われる。したがって、チャンネル推定回路2−1〜2−mは、多重を解くことにより、各送信アンテナの既知信号に対する受信信号を分離することが可能となる。
逆行列計算回路3は、全サブキャリアに対して伝搬路行列を生成し、逆行列を計算することもできる。しかし、これでは演算量が膨大になってしまう。そこで、逆行列計算回路3は、サブキャリアをいくつか選択し、選択したサブキャリアに対して伝搬路行列を生成し、逆行列を計算する。これにより、演算量を減らすことができる。その選択方法として、サブキャリアをランダムに選ぶ方法や、チャンネル応答が直接得られるパイロットキャリアを全て選ぶ方法が考えられる。しかし、通常は、周波数特性が同一とみなせる帯域幅(相関帯域幅:信号の振幅・位相がほぼ等しく、相関係数が0.9以上や0.5以上である周波数間隔)の中にサブキャリアを多数配置するので、図6に示すように、相関帯域幅の中から1つのパイロットキャリアを選択して伝搬路行列を生成し、逆行列を計算する。これにより、逆行列の計算を効率的に行うことができる。このように、特定のサブキャリアについてのみ逆行列を計算し、その特定のサブキャリアを、受信信号の組み合わせを判定するための対象とする場合は、チャンネル推定回路2−1〜2−mは、そのサブキャリアについてのみチャンネル推定すればよい。
判定回路4は、1つの受信信号の組み合わせに対して複数のサブキャリアの逆行列を入力するので、これら全ての逆行列に対して評価関数を計算し、その平均値を判定のために用いる。また、選択回路5は、切り替えのタイミングを、復調には無効なガード期間とする。
以上のように、実施例2の受信アンテナ選択装置1によれば、変調方式がOFDMのMIMOシステムの場合であっても、実施例1と同様の効果を奏することが可能となる。また、チャンネルの推定や逆行列の計算を全サブキャリアについて行うのではなく、例えば周波数特性が同一とみなせる帯域幅中の特定のパイロットキャリアについて行うことにより、精度を損なうことなく復調の計算量を削減することが可能となる。
本発明による実施例1の受信アンテナ選択装置の全体構成図である。 チャンネル推定回路の構成を示すブロック図である。 逆行列計算回路の構成を示すブロック図である。 判定回路の構成を示すブロック図である。 OFDMのサブキャリア配置及びチャンネル推定を説明する図である。 逆行列を計算するサブキャリアの選択方法を説明する図である。
符号の説明
1 受信アンテナ選択装置
2−1〜2−m チャンネル推定回路
3 逆行列計算回路
4 判定回路
5 選択回路
6−1〜6−n チャンネル推定部
7 伝搬路行列生成部
8−1〜8− 逆行列計算部
9−1〜9− 評価関数計算部
10 判定部

Claims (7)

  1. 送信アンテナ及び受信アンテナを複数用いるMIMOシステムにおける受信アンテナ選択装置により、前記複数の受信アンテナから所定数の受信アンテナを選択する方法であって、
    前記受信アンテナ選択装置が、伝搬路行列の逆行列を計算し、該計算した逆行列の要素から評価関数を計算し、該計算した評価関数と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、復調に用いる受信アンテナの組み合わせを選択することを特徴とする受信アンテナ選択方法。
  2. 送信アンテナ及び受信アンテナを複数用いるMIMOシステムにおける受信アンテナ選択装置であって、
    送信アンテナと受信アンテナとの間のチャンネル応答ベクトルを推定するチャンネル推定回路と、
    前記推定されたチャンネル応答ベクトルから伝搬路行列を生成し、該生成した伝搬路行列の逆行列を計算する逆行列計算回路と、
    前記計算された逆行列の要素から評価関数を計算し、該評価関数と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、前記複数の受信アンテナのうちの所定数の受信アンテナの組み合わせを判定する判定回路と、
    前記判定された組み合わせにより、所定数の受信アンテナを選択する選択回路とを備えたことを特徴とする受信アンテナ選択装置。
  3. 請求項2に記載の受信アンテナ選択装置において、
    前記判定回路は、伝搬路行列の逆行列の要素のうち、送信信号に対応する行の要素から評価関数を計算し、該評価関数と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、前記複数の受信アンテナのうちの所定数の受信アンテナの組み合わせを判定することを特徴とする受信アンテナ選択装置。
  4. 請求項2または3に記載の受信アンテナ選択装置において、
    送信アンテナと受信アンテナとの間の伝搬環境が変化する場合に、前記選択回路は、当該変化に応じて、所定数の受信アンテナの選択を更新することを特徴とする受信アンテナ選択装置。
  5. 請求項2から4までのいずれか一項に記載の受信アンテナ選択装置において、
    変調方式がOFDMのMIMOシステムの場合に、前記チャンネル推定回路は、周波数特性により定められた周波数範囲毎に、該周波数範囲から選択された一つのパイロットキャリアについて、チャンネル応答ベクトルを推定することを特徴とする受信アンテナ選択装置。
  6. 請求項5に記載の受信アンテナ選択装置において、
    前記逆行列計算回路は、チャンネル推定回路により推定された前記パイロットキャリアについてのチャンネル応答ベクトルから伝搬路行列を生成し、該生成した伝搬路行列の逆行列を計算することを特徴とする受信アンテナ選択装置。
  7. 請求項6に記載の受信アンテナ選択装置において、
    前記判定回路は、逆行列計算回路により1つの受信信号の組み合わせについて計算された複数のサブキャリアの逆行列に対して、評価関数を全て計算し、該評価関数の平均値と受信したい送信信号の優先度とに基づいて、前記複数の受信アンテナのうちの所定数の受信アンテナの組み合わせを判定することを特徴とする受信アンテナ選択装置。
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