JP4475886B2 - 投射型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源よりの光を分光部材により三原色に分離し、該分光部材からの光を映像信号等によりライトバルブを用いて強度変調し、投射レンズを経てスクリーン上に映像信号を投射する投射型表示装置に関し、特に光源や分光部材が交換可能であり、これら交換時における輝度、色度を調整する作業を自動化することが可能な投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光源、例えばランプや分光部材例えば回転色フィルタは、型式や個々の製品毎に特性が異なるため、これらを交換する場合には、同時に映像信号に対する変換、補正条件を変更することにより、スクリーンに表示される輝度、色度特性が最適なものとなうように調整するのが望ましい。
【0003】
従来、ランプユニットに、定格ワット数、変更可能なワット数範囲、適正な点灯周波数、回路損失の補正値などのランプ最適点灯条件を記憶する記憶手段を配置し、画像表示装置本体側に、前記記憶手段に記憶されたランプ最適点灯条件を読み出して自動的に最適点灯駆動を行なう制御手段を設けることで、特性の異なる複数種類のランプを単一種類のランプユニットで使用可能とした投射型表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ランプの経時変化に伴う色温度の変化を補正する投射型表示装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−241442公報(第2-4頁、図1)
【特許文献2】
特開平6−148624号公報(第2-4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような、定格ワット数などを記憶して、特性の異なる複数種類のランプを単一種類のランプユニットにて使用可能とした従来の投射型表示装置においては、定格値が同じである同一種類のランプに対して同じ補正を行うものであり、同一種類(型式)の個々の製品の製造ばらつきは考慮されていない。
また、ランプの経時変化に伴う色温度の変化を補正する従来例でも、個々の製品の特性の違いは考慮されていない。
さらに、ランプとともに用いられる分光部材の特性のばらつきについても同様の問題があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、ランプなどの光源や分光部材のように輝度及び色度に大きな影響を及ぼす交換部品が、個々の製品毎に異なる特性を持つ場合にも、スクリーンに映し出される映像が最も望ましい輝度、色度特性を有するように調整を行い得る投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
光源よりの光を分光部材により三原色に分離し、該分光部材からの光を映像信号によりライトバルブを用いて強度変調し、スクリーン上に映像信号を投射する投射型表示装置において、
前記光源の特性データを保持し、前記光源とともに交換可能なように構成された光源特性記憶手段と、
前記光源特性記憶手段よりの特性データと、表示装置の外部または内部にて設定される目標輝度・色度を表すデータとを受け、前記目標輝度・色度を生じさせるための補正係数を演算する演算手段と、
該演算手段から出力される補正係数を入力として、映像信号に対する輝度及び色度の補正を行って、補正された映像信号を出力する輝度・色度補正手段とを具備し、
前記輝度・色度補正手段から出力される補正された映像信号を前記ライトバルブに供給することで、スクリーン上に表示される画像の輝度及び色度を目標の輝度及び色度に近くなるよう制御し、
前記分光部材の特性データを保持し、前記分光部材とともに交換されるように構成された分光部材特性記憶手段をさらに有し、
前記演算手段は、前記分光部材特性記憶手段よりの特性データをも用いて、前記補正係数を演算する
ことを特徴とする投射型表示装置を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の投射型表示装置30を示す。この投射型表示装置30は、1チップDLP(digital light processing)表示装置である。
図1において、光源1からの出力光はカラーホイールと呼ばれる回転色フィルタで構成される分光部材2に供給され、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に時分割で分光される。分光部材2を透過した光は光インテグレータ3により空間的な輝度分布が平滑化される。光インテグレータ3の出力光はミラー4を経てDMD(Digital Micromirror Device)で構成されるライトバルブ5に供給される。
【0009】
一方外部より入力された映像信号D(そのR、G、B各色の成分がα、β、γで表される)は輝度・色度補正手段16に入力され後述の輝度・色度補正を受け、補正された三刺激値XcYcZcを表す信号となり、さらに、R、G、Bの信号Er、Eg、Ebに変換される。輝度・色度補正手段16から出力される信号Er、Eg、Ebは、ドライバ17により、DMDを駆動するためのドライブ信号Fr、Fg、Fbに変換された後ライトバルブ5に供給される。
ライトバルブ5によって映像信号による変調を受けた光は投射レンズ7を経てスクリーン8上に映像が投影される。
【0010】
光源1の特性データとして、あらかじめ測定された光源1の放射強度スペクトルS(λ)を表すデータが光源特性記憶手段11に記憶されている。光源特性記憶手段11はたとえば不揮発性メモリであるEEPROMで構成されており、電源がない(電力供給が絶たれた)場合でもその値を保持することが出来る。光源特性記憶手段11は、光源1と共に(即ち同時に)交換可能なように一体で構成され、これらにより交換ランプカートリッジ21が構成されている。
【0011】
分光部材2の特性データとして、あらかじめ測定された分光部材2のRGB各フィルタの、赤、緑、青の透過特性Tr(λ)、Tg(λ)、Tb(λ)を表すデータが分光部材特性記憶手段12に記憶されている。この分光部材特性記憶手段12も光源特性記憶手段11と同様にたとえば不揮発性メモリであるEEPROMで構成されており、電源がない場合でもその値を保持することが出来る。分光部材特性記憶手段12は、分光部材2と共に(同時に)交換可能なように一体で構成されており、これらによりカラーホイールユニット22が構成されている。
【0012】
投射型表示装置30内の、光源1及び分光部材2以外の光学特性O(λ)を表すデータは、光学系特性記憶手段13に記憶されている。
【0013】
光源特性記憶手段11、分光部材特性記憶手段12及び光学系特性記憶手段13よりの特性データは特性係数演算手段14に供給される。
【0014】
特性係数演算手段14は、光源特性記憶手段(第1の記憶手段)11よりの、光源1の放射強度スペクトルS(λ)を表すデータと、分光部材特性記憶手段(第2の記憶手段)12よりの、分光部材2の赤、緑、青の透過特性Tr(λ)、Tg(λ)、Tb(λ)を表すデータと、光学系特性記憶手段(第3の記憶手段)13よりの、光源、分光部材以外の光学特性O(λ)を表すデータとに基いて下記の式(1)により、特性係数XLr、YLr、ZLr、XLg、YLg、ZLg、XLb、YLb、ZLbを求める。
【0015】
【数1】
Figure 0004475886
【0016】
式(1)で、Kx、Ky、Kzは定数、x(λ)、y(λ)、z(λ)は等色関数、θr、θg、θbは回転色フィルタの各色成分の有効分割角であり、これらを表すデータは、特性係数演算手段14内のメモリ14aに記憶されている。
【0017】
特性係数演算手段14で求められた特性係数XLr、YLr、ZLr、XLg、YLg、ZLg、XLb、YLb、ZLbは、補正係数演算手段15及び輝度・色度補正手段16に供給される。
【0018】
補正係数演算手段15では、シリアル通信、赤外線リモコン、無線装置等で、外部より設定される目標輝度・色度(目標値)Ctを表すデータを受ける。
【0019】
目標輝度・色度Ctは、例えば、図2に示されるように、Rt、Gt、Btを頂点とする三角形の色再現範囲で表され、Rtは、その三刺激値Xrt、Yrt、Zrtで、Gtはその三刺激値Xgt、Ygt、Zgtで、Btはその三刺激値Xbt、Ybt、Zbtでそれぞれ表されるものとする。
なお、図2でR、G、Bは補正を行わない場合の三角形の色再現範囲の頂点を表す。
【0020】
補正係数演算手段15は、目標輝度・色度Ctを表すデータと、特性係数演算手段14からの特性係数XLr、YLr、ZLr、XLg、YLg、ZLg、XLb、YLb、ZLbとを用いて補正係数Xtr、Ytr、Ztr、Xtg、Ytg、Ztg、Xtb、Ytb、Ztbを求める。
【0021】
輝度・色度補正手段16は、入力信号D、補正係数演算手段15からの補正係数Xtr、Ytr、Ztr、Xtg、Ytg、Ztg、Xtb、Ytb、Ztb、特性係数演算手段14からの特性係数XLr、YLr、ZLr、XLg、YLg、ZLg、XLb、YLb、ZLbを受けて、下記の式(2)の演算を行って、この演算により求まる三刺激値Xc、Yc、Zcを表す信号を生成する。
【0022】
【数2】
Figure 0004475886
【0023】
輝度・色度補正手段16は、さらに上記の三刺激値を表す信号を、R、G、Bの各色成分を表す信号Er、Eg、Ebに変換して出力する。
ドライバ17は、信号Er、Eg、Ebを受けて、これに対応したドライブ信号Fr、Fg、Fbを発生し、これによりライトバルブを駆動する。
【0024】
以下、特性係数演算手段14、補正係数演算手段15、及び輝度・色度補正手段16における演算について、より詳細に説明する。
ここでは、下記式(3)が成立する加法混色モデルのディスプレイ装置を想定している。
【0025】
【数3】
Figure 0004475886
【0026】
式(3)において、α、β、γは、入力映像信号で表される表示色における三原色、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの成分の強さを表わし、Xa 、Ya 、Zaは表示色における三原色R、G、Bの混色割合に対応した色の三刺激値を表す。XLr 、YLr 、ZLr、XLg 、YLg 、ZLg、XLb 、YLb 、ZLbは表示装置の特性係数であり、α、β、γがそれぞれのR、G、Bの成分を表す信号の取り得る値の範囲中の最大値に対する比(例えばR、G、Bの各成分を表す信号が0乃至255の範囲中の値を取り得るとき、R、G、Bの各成分の信号の値の、「255」に対する比)で表されるとき、XLr 、YLr 、ZLr は原色Rを表示する際の三刺激値に等しく、XLg 、YLg 、ZLg は原色Gを表示する際の三刺激値に等しく、XLb 、YLb 、ZLb は原色Bを表示する際の三刺激値に等しい。
以下、上記のように、α、β、γがそれぞれ最大値に対する比で表される場合について説明する。
【0027】
上記の式(3)は、ある特性(M)を持った表示装置に対し、ある色信号(α、β、γ)を入力すると、そのとき表示される色の表示色の三刺激値がXa、Ya、Zaであることを示す。
式(3)に示すように、加法混色が成り立つ表示装置の色空間は、三原色「R、G、B」それぞれの三刺激値XYZの線形和により各表示色が得られる線形空間となる。
【0028】
入力信号に対して、目標の輝度・色度を生じさせるための補正を掛けて表示を行う場合には、入力信号と表示色との関係は下記の式(4)で示すごとくとなる。
【0029】
【数4】
Figure 0004475886
【0030】
式(4)で、右辺の2番目の行列の構成要素Xtr、Ytr、Ztr、Xtg、Ytg、Ztg、Xtb、Ytb、Ztbはそれぞれ補正係数で、例えば以下のようにして定められる。
【0031】
先に述べたように、目標とする色再現範囲Ctが、図2に示されるように、Rt、Gt、Btを頂点とする三角形で表されるものとする。Rtの三刺激値をXrt、Yrt、Zrtとすると、下記の式(5)が成り立つ。
【0032】
【数5】
Figure 0004475886
【0033】
式(5)の右辺の2番目の行列と、3番目の行列を整理すると、下記の式(6)となる。
【0034】
【数6】
Figure 0004475886
【0035】
式(6)を変形して、下記の式(7)を得ることができる。
【0036】
【数7】
Figure 0004475886
【0037】
式(7)と同様にして、以下の式(8)、(9)が得られる。
【0038】
【数8】
Figure 0004475886
【0039】
【数9】
Figure 0004475886
【0040】
式(8)、及び(9)において、Xgt、Ygt、ZgtはGtの三刺激値、Xbt、Ybt、ZbtはBtの三刺激値である。
式(7)、(8)、(9)により、式(2)の右辺の2番目の行列を構成する9つの係数が求まる。
【0041】
図1の補正係数演算手段15は、Ct(Xrt、Yrt、Zrt、Xgt、Ygt、Zgt、Xbt、Ybt、Zbt)を外部から与えられ、XLr、YLr、ZLr、XLg、YLg、ZLg、XLb、YLb、ZLbを特性係数演算手段14から与えられ、これらに基いて、式(7)、(8)、(9)の演算を行って、補正係数Xtr、Ytr、Ztr、Xtg、Ytg、Ztg、Xtb、Ytb、Ztbを求める。
【0042】
図1の輝度・色度補正手段16は、補正係数演算手段15から補正係数Xtr、Ytr、Ztr、Xtg、Ytg、Ztg、Xtb、Ytb、Ztbを受け、外部から入力信号D(α、β、γ)を受け、特性係数演算手段14から特性係数XLr、YLr、ZLr、XLg、YLg、ZLg、XLb、YLb、ZLbを受け、これらに対して、上記の式(2)の演算を行って、Xc、Yc、Zcを求め、さらにR、G、Bの各成分の信号Er、Eg、Ebに変換して、これをドライバ17に供給する。
【0043】
ドライバ17が、この信号Er、Eg、Ebに応じたドライブ信号Fr、Fg、Fbを生成してこれによりライトバルブ5を変調することによりスクリーン7上には輝度・色度がほぼ目標値に補正された映像が得られることになる。
【0044】
以上のように、上記の実施の形態によれば光源1及び分光部材2にそれぞれ組み込まれた記憶手段11及び12に、三刺激値を求めるためのスペクトルデータを保持しているため、この特性データに基づいて目標の輝度・色度を生じさせるための補正係数を自動的に求めることができる。また、光源1または分光部材2(これらの一方又は双方)を交換した場合においても、交換後の記憶手段からデータを参照することで、個々の製品の特性に応じた補正係数を自動的に求めることができる。
【0045】
なお、交換を行う場合、交換部品となる光源、分光部材に付属の記憶手段に部品毎の固有の識別符号を割り付けておけば、識別符号の違いにより交換したことが直ちに、自動的に判明するため輝度・色度調整を自動化することも容易である。
【0046】
上記の実施の形態では目標輝度・色度値を外部より設定するよう説明したが、固定で良い場合は、内部メモリにあらかじめ格納しても良いし、またいったん外部より設定された値を内部メモリに格納してもよい。
【0047】
また、記憶手段11及び12にそれぞれ各波長における放射スペクトル特性及び透過率を記憶するようにしたが、XYZ表色系などに代表される表色系の三刺激値が計算できるものであればよく特に限定されるものではない。
【0048】
また、本実施の形態では光源、分光部材それぞれに記憶手段をもつようにしたが、特性のバラツキによっては何れか一方のみに記憶手段を設けることとしてもよい。
【0049】
なお、1チップDMDを使用した投射型表示装置においては、分光部材の特性データを保持する記憶手段を、分光部材であるカラーホイールの回転基準位置情報(インデックス)を記憶する記憶手段と共用することが出来る。このようにすれば、分光部材の特性データを保持するためのコスト増加分がほとんどなくなるという効果がある。
【0050】
さらにまた、上記の実施の形態では、ライトバルブとしてDMD素子を使用したが、液晶素子を使った場合でも分光部材の構成は変わるものの同様に本発明を適用することができる。
【0051】
実施の形態2.
本発明は、実施の形態1で説明した投射型表示装置を複数台組み合わせて成るマルチビジョン投射型表示装置において、複数の投射型表示装置の再現可能な共通の輝度及び色度、或いはそれに近い共通の輝度及び色度を求め、これを上記目標輝度・色度として調整を行う場合にも適用可能である。
【0052】
図3は一例として2台の投射型表示装置を組み合わせるマルチビジョン投射型表示装置を示す。
図示の例では、コンピュータ40は第1の投射型表示装置31及び第2の投射型表示装置32に接続され、第1の投射型表示装置31及び第2の投射型表示装置32のそれぞれの色再現範囲を示すデータを得て、両者の色再現範囲より共通の色再現範囲を算出する。
【0053】
第1の投射型表示装置31及び第2の投射型表示装置32のそれぞれの色再現範囲を示すデータは、それぞれ色再現範囲を示す三角形R1G1B1及びR2G2B2の頂点のx、y座標を示すものであり、それぞれ第1の投射型表示装置31及び第2の投射型表示装置32のメモリ31a及び32aに記憶されている。
【0054】
第1の投射型表示装置31及び第2の投射型表示装置32のそれぞれの色再現範囲の二つの異なる例を図4及び図5に示す。図4及び図5において三角形R1G1B1は第1の投射型表示装置31の色再現範囲を示し、三角形R2G2B2は第2の投射型表示装置32の色再現範囲を示している。コンピュータ40は三角形R1G1B1及び三角形R2G2B2の座標値より、共通領域三角形RtGtBtの座標値を計算する。共通領域三角形RtGtBtは第1の投射型表示装置31と第2の投射型表示装置32のどちらの表示装置においても再現(表示)可能な範囲を表す。
【0055】
以下、共通領域三角形RtGtBtを求める方法を詳しく説明する。
まず、第1及び第2の投射型表示装置31及び32のメモリ31a及び32aから、三角形R1G1B1及び三角形R2G2B2のそれぞれの頂点のxy座標値を読み出し、これを用いてRt、Gt、Btのxy座標値を算出する。
【0056】
図6及び図7は、Rtのxy座標値を算出する手順を示す。
図6において、まず、R1とR2(の座標値)が互いに等しいかどうかの判定を行う(S1)。
等しい場合には、R1=R2(の座標値)が即ち求めるRt(の座標値)であるとして(S2)、終了する。
等しくない場合には、各三角形の各頂点が他方の三角形に内包されているかどうかの判定を行い(S3、S4)、内包されていれば、その各頂点(R1又はR2)を共通領域の頂点(Rt)とする。例えば、最初に頂点R1が三角形R2G2B2に内包されているかどうかの判定を行い(S3)、内包されていれば、頂点R1をRtとする(S5)。内包されていないときは、次に頂点R2が三角形R1G1B1に内包されているかどうかの判定を行い(S4)、内包されていれば、頂点R2をRtとする(S6)。
【0057】
内包判定は、図8(a)及び(b)に示す方法で行われる。図8(a)及び(b)は、一例として頂点R1が三角形R2G2B2に内包されているかどうかの判定方法を示す。頂点R1より各頂点R2、G2、B2へのベクトルをR2v、G2v、B2vとし、
R2v×G2v、
G2v×B2v、
B2v×R2v、
(×はベクトルの外積を表す)
がすべて正であれば、頂点R1は図8(a)に示すように、三角形R2G2B2に内包されている。上記の3つの積のいずれかが負であれば、頂点R1は例えば図8(b)に示すように、三角形R2G2B2に内包されていない。
【0058】
ステップS3、S5のいずれにおいても内包されていないと判定されたときは、次に図7に示す交点計算を行う。
【0059】
図7において、まず線分R1G1と線分R2B2とが交わるかどうかの判定を行う(S11)。交わる場合には、その交点をRtとする(S12)。
ステップS11で交わらないときは、線分R2G2と線分R1B1の交点をRtとする(S13)。
このような交点計算は、R1はG2、B2よりもR2に近い位置にあることを前提とするものである。
【0060】
図7のステップS11における、線分R1G1と線分R2B2とが交わるかどうかの判定は、例えば以下の方法で行われる。
線分R1G1とR2B2とが交点Vで交わる(交点Vが線分R1G1上に存在し、かつ線分R2B2上に存在する)場合、
(R2x−B2x)s + (G1x−R1x)t = G1x−B2x…(10)
(R2y−B2y)s + (G1y−R1y)t = G1y−B2y…(11)
が成り立ち、且つ
0≦s≦1、0≦t≦1 …(12)
が成り立つ。
ここで、R1x、R1yは、点R1のx、y座標値、
G1x、G1yは、点G1のx、y座標値、
R2x、R2yは、点R2のx、y座標値、
B2x、B2yは、点B2Dのx、y座標値である。
【0061】
上記の式にそれぞれのxy座標値を代入して、s、tを求め、s、tが上記の式(12)の条件を満たすならば、線分R1G1と線分R2B2とが交わることが分かる。
【0062】
以上により、Rtが求められる。同様の計算でGt、Btが求められる。このようにしてRt、Gt、Btのxy座標値が求められたら、これらをXYZ三刺激値に変換し、これを目標の輝度・色度を表すデータとする。
【0063】
コンピュータ40で求められた共通の色再現範囲情報(RtGtBtのXYZ三刺激値の組合せ)は第1の投射型表示装置31及び第2の投射型表示装置32に目標輝度・色度Ctとして送られ、それぞれの投射型表示装置ではこの目標値になるよう補正を行う。
【0064】
投射型表示装置31及び32の各々は、図1に示され、実施の形態1に関して説明したのと同様に動作する。但し、目標輝度・色度として、コンピュータ40から供給されたものを用いる。
【0065】
以上のように動作する結果、第1の投射型表示装置31及び第2の投射型表示装置32の表示する輝度・色度は互いに略等しくなり2面間でマッチングがとれたものとなる。
【0066】
上記の実施の形態では2面のマルチビジョンシステムで説明したが、面数に応じた共通領域を計算すればよく面数の制限はない。
【0067】
上記の実施の形態2のように、複数の投射型表示装置を用いてマルチビジョンシステムを構成した場合、各投射型表示装置の共通領域を目標値として与えることで、部品交換前後においても全画面の画像特性を均一に保つことが容易になる。
【0068】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されており、光源及び分光部材にそれぞれ組み込まれた記憶手段に、三刺激値を求めるための特性データを保持しているため、この特性データを用いて目標の輝度・色度を生じさせるための補正係数を自動的に求めることができる。また、光源または分光部材の両方または片方を交換した場合においても、交換後の記憶手段からの特性データを参照することで、個々の製品の特性に応じた補正係数を自動的に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の投射型表示装置の概略を示す図である。
【図2】 目標とする色再現範囲の一例を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態2のマルチビジョンシステムの概略を示す図である。
【図4】 実施の形態2における、目標色再現範囲の一例を示す図である。
【図5】 実施の形態2における、目標色再現範囲の他の例を示す図である。
【図6】 実施の形態2における、目標色再現範囲の一つの頂点を求める方法を示すフローチャートである。
【図7】 実施の形態2における、目標色再現範囲の一つの頂点を求める方法を示すフローチャートである。
【図8】 図6の内包判定の方法を説明する図である。
【図9】 図7の交点判定の方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源、 2 分光部材、 3 光インテグレータ、 4 ミラー、 5 ライトバルブ、 7 投射レンズ、 8 スクリーン、 11 光源特性記憶手段、 12 分光部材特性記憶手段、 13 光学系特性記憶手段、 14 特性係数演算手段、 15 補正係数演算手段、 16 輝度・色度補正手段、 17 ドライバ、 21 交換ランプカートリッジ、 22 カラーホイールユニット、 30 投射型表示装置、 40 コンピュータ。

Claims (6)

  1. 光源よりの光を分光部材により三原色に分離し、該分光部材からの光を映像信号によりライトバルブを用いて強度変調し、スクリーン上に映像信号を投射する投射型表示装置において、
    前記光源の特性データを保持し、前記光源とともに交換可能なように構成された光源特性記憶手段と、
    前記光源特性記憶手段よりの特性データと、表示装置の外部または内部にて設定される目標輝度・色度を表すデータとを受け、前記目標輝度・色度を生じさせるための補正係数を演算する演算手段と、
    該演算手段から出力される補正係数を入力として、映像信号に対する輝度及び色度の補正を行って、補正された映像信号を出力する輝度・色度補正手段とを具備し、
    前記輝度・色度補正手段から出力される補正された映像信号を前記ライトバルブに供給することで、スクリーン上に表示される画像の輝度及び色度を目標の輝度及び色度に近くなるよう制御し、
    前記分光部材の特性データを保持し、前記分光部材とともに交換されるように構成された分光部材特性記憶手段をさらに有し、
    前記演算手段は、前記分光部材特性記憶手段よりの特性データをも用いて、前記補正係数を演算する
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  2. 光源よりの光を分光部材により三原色に分離し、該分光部材からの光を映像信号によりライトバルブを用いて強度変調し、スクリーン上に映像信号を投射する投射型表示装置において、
    前記分光部材の特性データを保持し、前記分光部材とともに交換されるように構成された分光部材特性記憶手段と、
    該分光部材特性記憶手段よりの特性データと、表示装置の外部または内部にて設定される目標輝度・色度を表すデータとを受け、前記目標輝度・色度を生じさせるための補正係数を演算する演算手段と、
    該演算手段から出力される補正係数を入力として、映像信号に対する輝度及び色度の補正を行って、補正された映像信号を出力する輝度・色度補正手段とを具備し、
    前記輝度・色度補正手段から出力される補正された映像信号を前記ライトバルブに供給することで、スクリーン上に表示される画像の輝度及び色度を目標の輝度及び色度に近くなるよう制御することを特徴とする投射型表示装置。
  3. 前記光源及び前記分光部材以外の、投射型表示装置の輝度及び色度に影響を与える部品の特性データを保持する光学系特性記憶手段をさらに備え、
    前記演算手段は、前記光学系特性記憶手段よりの特性データをも用いて、前記補正係数を演算する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の投射型表示装置。
  4. 前記演算手段が、
    前記特性データに基いて特性係数を求める特性係数演算手段と、
    前記特性係数に基いて補正係数を求める補正係数演算手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の投射型表示装置。
  5. 前記分光部材は回転する時分割の色フィルタで構成され、前記分光部材特性記憶手段が前記分光部材の特性データとともに色フィルタの回転基準位置を記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の投射型表示装置。
  6. 複数の投射型表示装置の再現可能な共通の輝度及び色度、或いはそれに近い共通の輝度及び色度を求め、これを前記目標の輝度・色度として用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の投射型表示装置。
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