JP4475727B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を含有する化粧料に関し、軽いのび、べたつき、油性感のなさなどの良好な使用感を有しながら、エモリエント効果、耐水性、耐油性が高く、化粧持続性に優れた化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧料において、耐水性や耐油性を向上させたり、化粧効果の持続性を向上させるために皮膜形成剤を配合することが行なわれている(特開平2−25411号、特開平6−279253号、特開平7−187951号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、化粧効果の持続性を高めるために皮膜形成剤の配合量を増加すると、使用時のべたつきやのび広がりが悪くなったり、油剤との相溶性が悪く安定に配合することが困難などの問題があった。また、皮膜形成能が強い皮膜形成剤を用いると、つっぱり感や圧迫感が発生してしまうことがあった。
従って、耐水性や耐油性が良好で、化粧効果の持続性に優れ、且つべたつきがなく、軽いのび、油性感がない等の良好な使用感を兼ね備えた化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、化粧料において、特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体とを含有することにより、軽いのび、べたつき、油性感のなさなどの良好な使用感を有しながら、エモリエント効果、耐水性、耐油性が高く、化粧持続性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン
【0006】
【化2】
【0007】
(R1はメチル基、R2は炭素数4〜8のアルキル基、R3及びR4はメチル基、mは10〜55の整数、nは15〜55の整数である。)
(B)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体
を含有することを特徴とする化粧料である。さらに、一般式(1)におけるR2が、炭素数6のアルキル基であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする化粧料である。以下、詳述する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる成分(A)のオルガノポリシロキサンは、前述した一般式(1)で示されるものである。該オルガノポリシロキサンの製造方法は特に限定はされないが、一般的な製造方法としては、Si−H基を有するポリシロキサンとα−オレフィンを白金触媒下で付加反応させる方法が挙げられる。
【0009】
本発明で用いられる一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンにおいて、R1はメチル基である。R2で示される炭素数4〜8のアルキル基としては、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができる。これらの中でも、R2が炭素数6のアルキル基(ヘキシル基)であるオルガノポリシロキサンが他の油剤との相溶性が良く、使用性及び安定性の点で好ましい。また、R3及びR4はメチル基である。mは10〜55の整数、nは15〜55の整数である。
【0010】
【0011】
本発明で用いられる成分(A)のオルガノポリシロキサンの配合量は、効果の発現及び使用性において、0.01〜50質量%(以下、単に「%」で示す。)が好ましく、更に好ましくは0.1〜40%である。又、このオルガノポリシロキサンは必要に応じて一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0012】
本発明に使用される、成分(B)アクリル−シリコーン系グラフト共重合体は、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と、アクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとのラジカル重合体で、特開平2−25411号公報、特開平2−132141号公報等に記載されているものが例示される。
例えば、分子鎖の片末端にラジカル重合性を有するオルガノポリシロキサン化合物は、次の一般式(2)で表されるものが挙げられる。
【0013】
【化3】
【0014】
R1:メチル基又は水素原子
R2:場合によりエーテル結合1個又は2個で遮断されている直鎖状又は分岐状の炭素鎖を有する炭素原子1〜10個の2価の飽和炭化水素基
R3:メチル基又はブチル基
l:3〜300
【0015】
一方、アクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーはラジカル重合性不飽和結合を分子中に1個有する化合物を意味し、使用されるアクリレート及び/又はメタクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フルオロ炭素鎖1〜10のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレートを例示することができる。また、本発明におけるアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーにおいて、上記したアクリレート及び/又はメタクリレート以外に必要に応じて種々の重合性モノマー化合物を使用することができる。これらの化合物としては、スチレン、置換スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、アクリロニトリル、フッ化オレフィン、N−ビニルピロリドン等を例示することができる。
【0016】
一般式(2)で示される、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物(C)とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル共重合性モノマー(D)との共重合は、重合比率(C)/(D):1/19〜2/1の範囲内で、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤の存在下で行われ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。
市販品としては、例えば、KP541、KP543、KP545、KP561、KP562、KP571(いずれも信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられる成分(B)のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体の配合量は、0.1〜15%、更に好ましくは0.5〜10%の範囲で配合される。配合量がこの範囲であれば、化粧効果の持続性においてより良好なものが得られる。また、これらのアクリル−シリコーン系グラフト共重合体は、必要に応じて一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0018】
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、油剤、保湿剤、界面活性剤、粉体、色素、低級アルコール、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。
【0019】
本発明の化粧料としては、乳液、クリーム、美容液、化粧油、リップクリーム、ハンドクリーム、洗顔料などのスキンケア化粧料、ファンデーション、メイクアップ下地、ほほ紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、コンデショナー、整髪料等の毛髪用化粧料などが挙げられ、その剤型は、液状、乳液状、固形状、ペースト状、ゲル状等の形態を適宜選択することができる。
【0020】
本発明の化粧料は、通常の化粧料を製造する方法にて製造されるものであり、その製法は限定されない。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明の詳細を実施例を挙げて、具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
実施例1及び比較例1〜2 プレスドファンデーション
表1に示す組成でプレスドファンデーションを調製し、その使用感及び使用性について下記の方法に従い、評価を行なった。
【0023】
【表1】
【0024】
(注1):一般式(1)において、R1=R3=R4=CH3、R2=C8H17、m=15、n=15
(注2):KP561(信越化学工業社製)
【0025】
(製造方法)
A:成分1〜8を均一に混合する。
B:Aに成分9〜13添加して、均一に混合する。
C:Bを金皿にプレスして、プレスドファンデーションを得た。
【0026】
(評価方法)
女性50名の専門パネルにより使用テストを行ない、塗布時ののび広がり、べたつきのなさ、後肌のさらさら感、エモリエント感、仕上がりの美しさ(毛穴が目立たない)、化粧持続性(油光りやテカリ、よれ)について以下の基準で評価を行ない、その平均点で判定した。
[評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判定]
◎:平均点4.5以上
○:平均点3.5以上4.5未満
△:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
得られた結果を表1に併せて示す。
【0027】
表1の結果から明らかなように、本発明の特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を含有するプレスドファンデーションは、塗布時ののび広がり、べたつきのなさ、後肌のさらさら感、エモリエント感、仕上がりの美しさ、経時での化粧持ちに優れたものであった。それに対し、比較例においては全ての項目を満足し得るものは得られなかった。
【0028】
実施例2〜4及び比較例3〜4 油性ファンデーション
表2示す組成で油性ファンデーションを調製し、その使用感及び使用性について前述の方法に従い、評価を行なった。その結果も併せて表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
(注1):KF96−10cs(信越化学工業社製)
(注2):KP561(信越化学工業社製)
(注3):一般式(1)において、R1=R3=R4=CH3、R2=C6H13、m=20、n=20
(注4):一般式(1)において、R1=R3=R4=CH3、R2=C8H1 7、m=20、n=20
(注5):KSP−100(信越化学工業社製)
【0031】
(製造方法)
A:成分1〜8を加温溶解後、成分9〜17を加え、ロールミルで均一に混合分散する。
B:Aに成分18を加えて均一に混合する。
C:Bを80℃で金皿に流し込み、冷却して油性ファンデーションを得た。
【0032】
表2の結果から明らかなように、特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を含有するリキッドファンデーションは、塗布時ののび広がり、べたつきのなさ、後肌のさらさら感に優れ、テカリや油光りがなく、毛穴が目立たない美しい仕上がりで、耐水性、耐油性が高く、化粧持続性に優れたものであった。
【0033】
【0034】
(製造方法)
A:成分1〜7及び成分12を加熱溶解する。
B:Aに成分8〜11の粉体を加え混合後、充分に分散する。
C:Bを加熱溶解後、容器に流し込んで冷却し、口紅を得た。
【0035】
本発明の特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を含有する口紅は、塗布時のなめらかさに優れ、べたつかず、美しい仕上がりで、エモリエント効果、化粧持続性の高いものであった。
【0036】
【0037】
(製造方法)
A:成分1〜6を均一に混合する。
B:成分7〜12を充分に混合し、分散させる。
C:AにBを攪拌しながら添加して混合し、二層型日焼け止め乳液を得た。
【0038】
本発明の特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を含有する二層型日焼け止め乳液は、塗布時ののび広がり、なめらかさに優れ、後肌がさらさらしてべたつかず、耐水性、耐油性に優れ、経時での化粧持続性の高いものであった。
【0039】
【0040】
(製造方法)
A:成分1〜3を均一に混合する。
B:成分4〜10を均一に混合する。
C:BにAを撹拌しながら添加して混合し、ヘアコンディショナーを得た。
【0041】
本発明の特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を含有するヘアコンディショナーは、毛髪へのなじみが良く、なめらかさに優れ、べたつかず、毛髪の風合い(しなやかさ、しっとり感)が良好で整髪効果の高いものであった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の特定のオルガノポリシロキサンとアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を含有する化粧料は、軽いのび、べたつき、油性感のなさなどの良好な使用感を有しながら、エモリエント効果、耐水性、耐油性が高く、化粧持続性に優れたものである。
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