JP4474763B2 - 光無線通信装置及び光無線通信システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光無線により信号を広範囲に伝送する拡散型の光無線通信装置と、その拡散型の光無線通信装置との間で光無線により情報を送受信する狭指向角型の光無線通信装置と、それら光無線通信装置からなる光無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数のパーソナルコンピュータ等の情報処理機器を相互に接続してLAN(Local Area Network)を構築する場合、それら情報処理機器は、例えば同軸ケーブルや光ケーブル等の有線によって接続されることが多い。有線による接続は、機械的に確実な接続が可能なので、外来雑音によるデータ誤りが少ないなどの点では有利であるが、配線工事が煩雑であり、レイアウト変更毎に工事が必要であるなどの問題点がある。
【0003】
また、近年は、ラップトップ型、ブック型、パームトップ型等のパーソナルコンピュータや電子手帳等の携帯型情報処理機器を相互に接続してデータ伝送を行う要求も高まっている。一方で、これらの携帯型情報処理機器は、元々携帯移動して使用することを目的とした機器であり、有線により接続した状態のままで携帯移動するようなことは極めて希である。このため、これら携帯型情報処理機器を相互に接続してデータ伝送を行う場合は、その移動毎にコネクタの抜き差しが行われることになり、そのような接続作業は非常に面倒である。また、コネクタの抜き差しを繰り返すと、当該コネクタ等の接続部の機械的破損が発生する虞もある。
【0004】
これらのことから、据置型、携帯型に限らず、各種の情報処理機器間でデータの送受信を行う場合には、伝送路の全部または一部を無線化して、有線による接続を減らしたいという要求がある。
【0005】
ここで、当該無線伝送の手法としては、電波を伝送媒体としたものと、光を伝送媒体としたものとがある。これら電波、光の何れの伝送媒体を使用しても高速データ伝送を実現可能であるが、電波の場合は法的な規制があるため、法的規制のない光を伝送媒体とした無線伝送が有利である。
【0006】
また、有線LANで最も普及率の高いイーサネット(登録商標)LANは例えば10Mbpsの伝送速度を有しているので、無線伝送路においても最低10Mbpsの伝送速度持つことが望ましい。
【0007】
このようなことから、本件出願人は、特開平8−56198号公報において、伝送媒体として光を用い、10Mbpsの伝送速度を実現する「光無線通信の戻り光打ち消し方法及びその装置」を開示している。
【0008】
この公報記載の技術の要点を、図3を参照しながら簡単に説明する。
【0009】
図3に示す光無線通信システムは、例えば天井に取り付けた光無線通信装置である親機100と、例えば部屋内に設置された光無線通信装置である子機110との間で光無線による全二重通信を実現するものである。
【0010】
親機100の端子105には送信用の信号Pが入力されて駆動部101に送られる。駆動部101は、発光部102を信号Pにより駆動する。発光部102は、拡散光を発光する例えばLED(発光ダイオード)等からなり、これにより、発光部102からは信号Pに対応する送信光LPが自由空間へ送出される。この送信光LPは、子機110の受光部111に入射して光電変換される。受光部111での光電変換により得られた信号Pは、端子113から子機110の図示しない信号処理部に送られることになる。
【0011】
一方、子機110の発光部112は、図示しない駆動部から端子114を介して送られてきた送信用の信号Cにより駆動される。この発光部112は狭指向性の光ビームを発生する例えばLED等からなり、発光部112からは送信光ビームLCが親機100に向けて出射される。この送信光ビームLCは、親機100の受光部104に入射して光電変換される。受光部104での光電変換により得られた信号Cは、信号処理部103に送られることになる。
【0012】
ここで、親機100の発光部102から出射された送信光LPは上述のように拡散光であるため、親機100の受光部104には、例えば何らかの物体(反射物)105により送信光LPが反射された反射光LP’も入射する可能性がある。このように、親機100の受光部104に反射光LP’が入射するような場合、受光部104から信号処理部103へ送られる信号は、上述のように子機110から送られてきた送信光LCを光電変換した信号Cに、反射光LP’を光電変換した信号P’が重畳された信号(C+P’)となる。
【0013】
しかしながら、反射光LP’が光電変換された信号P’は、本来、不要な信号である。このため、信号処理部103では、駆動部101に入力された送信用の信号Pの一部の信号P’の位相を反転させたキャンセル信号(−P’)を、受光部104からの信号(C+P’)へ加算することにより、反射光LP’に起因する不要な信号成分(P’)を除去するようにしている。
【0014】
以上のように、上記公報記載の光無線通信の戻り光打ち消し方法及びその装置によれば、親機において、送信信号の一部を分岐し、この信号のレベル及び位相を調整して受信信号に加えることにより、戻り光による信号をキャンセルするようにしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年は伝送速度の高速化が望まれており、上述のような光無線通信方式においても、伝送速度の更なる高速化が要求されている。
【0016】
ここで、伝送速度が例えば100Mbpsとなる光無線通信を考えてみる。
【0017】
100Mbpsの伝送速度にて光無線通信を行う場合、変調の基本周波数の1波長は、300000Km/125MHz=2.4mになる。
【0018】
したがって、例えば光無線通信装置の送信部(発光部)からの送信信号光が、例えば1.2m先で反射して同じく受信部(受光部)に戻ってきたとすると、この受光部に到達した当該反射による戻り光は、発光部が送出した送信信号光に対して1波長分のズレを生じたものとなる。このことを言い換えると、発光部と反射物体との間の距離(同じく反射物体と受光部との間の距離)、が何れであるかにより、当該反射による戻り光の位相が元信号(送信信号光)に対してどの様な位相になるのか予想がつかないことを意味している。また、例えば光無線通信装置の送信部からの送信信号光が例えば0.5m先で反射して受信部に戻ってきた場合の反射戻り光の位相と、例えばその光無線通信装置の送受信部から1m離れている別の光無線通信装置から送られてきた信号光の位相とは、同じものとなり、この場合、戻り光と信号光の区別が付かなくなる虞がある。
【0019】
これらのことから、100Mbpsの伝送速度による光無線通信を実現するためには、様々な位相・振幅の光に対応可能な反射戻り光打ち消し回路が必要になる。
【0020】
しかしながら、上述の如く様々な位相・振幅の光に対応可能な反射戻り光打ち消し回路を光無線通信装置に実装することは、装置の規模やコストの面から、現実的には非常に困難である。
【0021】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、大規模な装置や高価な装置を使用することなく、反射光による影響や外乱光等のノイズによる影響を回避可能とする、光無線通信装置及び光無線通信システムの提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
発明に係る光無線通信装置は、他の光無線通信機器との間で光信号の送受を行う光無線通信装置であり、光信号に変換して送信すべき第1の送信用信号が入力される第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の出力端子に共通接続された第1及び第2の駆動素子と、前記第1及び第2の駆動素子によって同相駆動され、前記第1の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第1及び第2の光信号を同相送信する第1及び第2の発光素子とを有する光送信部と、
光信号に変換して送信すべき第2の送信用信号が入力される第2の演算増幅器と、前記第2の演算増幅器の反転出力端子と非反転出力端子とに別々に接続された第3及び第4の駆動素子と、前記第3及び第4の駆動素子によって差動駆動され、前記第2の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第3及び第4の光信号を差動送信する第3及び第4の発光素子とを有する前記他の光無線通信機器から送信された前記第3及び第4の光信号を選択的に受光してそれぞれ電気信号に変換する第1及び第2の受光素子と、前記第1の受光素子より出力された電気信号が反転入力端子に入力され、前記第2の受光素子より出力された電気信号が非反転入力端子に入力されて、前記非反転入力端子への入力から前記反転入力端子への入力を減算して出力する第3の演算増幅器とを有する光受信部とを備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る光無線通信装置は、他の光無線通信機器との間で光信号の送受を行う光無線通信装置であり、光信号に変換して送信すべき第1の送信用信号が入力される第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の反転出力端子と非反転出力端子とに別々に接続された第1及び第2の駆動素子と、前記第1及び第2の駆動素子によって差動駆動され、前記第1の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第1及び第2の光信号を差動送信する第1及び第2の発光素子とを有する光送信部と、光信号に変換して送信すべき第2の送信用信号が入力される第2の演算増幅器と、前記第2の演算増幅器の出力端子に共通接続された第3及び第4の駆動素子と、前記第3及び第4の駆動素子によって同相駆動され、前記第2の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第3及び第4の光信号を同相送信する第3及び第4の発光素子とを有する前記他の光無線通信機器から送信された前記第3及び第4の光信号双方を受光して電気信号に変換する受光素子と、前記受光素子より出力された電気信号を増幅して出力する第3の演算増幅器とを有する光受信部とを備えることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明に係る光無線通信システムは、第1の光無線通信装置と第2の光無線通信装置との間で光信号の送受を行う光無線通信システムであり、前記第1の光無線通信装置は、光信号に変換して送信すべき第1の送信用信号が入力される第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の出力端子に共通接続された第1及び第2の駆動素子と、前記第1及び第2の駆動素子によって同相駆動され、前記第1の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第1及び第2の光信号を同相送信する第1及び第2の発光素子とを有する光送信部を備え前記第2の光無線通信装置は、前記第1の光無線通信装置が同相送信した前記第1及び第2の光信号を受光して電気信号に変換する受光素子と、前記受光素子より出力された電気信号を増幅して出力する第2の演算増幅器とを有する光受信部と、光信号に変換して送信すべき第2の送信用信号が入力される第3の演算増幅器と、前記第3の演算増幅器の反転出力端子と非反転出力端子とに別々に接続された第3及び第4の駆動素子と、前記第3及び第4の駆動素子によって差動駆動され、前記第2の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第3及び第4の光信号を差動送信する第3及び第4の発光素子とを有する光送信部とを備え、前記第1の光無線通信装置は、さらに、前記第3及び第4の光信号を選択的に受光してそれぞれ電気信号に変換する第5及び第6の受光素子と、前記第5の受光素子より出力された電気信号が反転入力端子に入力され、前記第6の受光素子より出力された電気信号が非反転入力端子に入力されて、前記非反転入力端子への入力から前記反転入力端子への入力を減算して出力する第4の演算増幅器とを有する光受信部を備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る光無線通信システムは、複数の前記第2の光無線通信装置と、1台の前記第1の光無線通信装置とを、互いに光信号の受信可能距離内で対向して配置する。
【0026】
さらに、本発明に係る光無線通信システムは、複数の前記第1の光無線通信装置と、1台の前記第2の光無線通信装置とを、互いに光信号の受信可能距離内で対向して配置する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1には、本発明の光無線通信装置及び光無線通信システムが適用される第1の実施の形態の空間光伝送システムの概略構成を示す。
【0029】
図1に示す第1の実施の形態の空間光伝送システムは、例えば天井に取り付けた光無線通信装置である親機1と、例えば部屋内に設置された光無線通信装置である子機2との間で光無線による全二重通信を実現するものである。なお、以下では、親機1及び子機2ともに送受信信号を処理する信号処理部等の図示及びその動作説明については省略し、本発明に係る主要部のみ図示及び動作の説明を行うこととする。
【0030】
親機1の端子19には図示しない信号処理部から送信用の信号Pが入力され、光送信部4の演算増幅器16の反転入力端子に供給される。また、この演算増幅器16の非反転入力端子には所定電圧源BATから所定の電圧が印加され、演算増幅器16の出力端子と反転入力端子の間には増幅率設定用の負帰還抵抗Rが挿入接続されている。演算増幅器16の出力端子は、接合型NチャネルFET(電界効果トランジスタ)17及び18のゲートと接続されている。
【0031】
これらFET17及び18のソースは共に接地され、FET17のドレインは発光素子としてのLED(発光ダイオード)14のカソードに接続され、FET18のドレインはLED15のカソードに接続されている。また、これらLED14及び15のアノードは定電圧源Vccに接続されている。
【0032】
ここで、LED14と15は、それぞれ異なる発光スペクトラムの拡散光を発生するものであるが、それらLED14及び15の駆動素子としてのFET17,18のゲートが上記演算増幅器16の出力端子に共通接続されているため、これらLED14及び15は、信号Pに応じて同相駆動されることになる。
【0033】
これにより、親機1の光送信部4のLED14,15からは、信号Pにより同相駆動された、それぞれ異なる発光スペクトラムの送信光が自由空間に拡散して送出される。なお、図1の例では、LED14から出射される送信光をLPaとし、LED15から出射される送信光をLPbとして表し、これら送信光を示す指示符号LPa,LPbに付加されたa,bは、それぞれ発光スペクトラムが異なることを表している。
【0034】
この親機1から送出された異なる発光スペクトラムで且つ同相駆動による送信光LPa,LPbは、子機2の光受信部6の受光素子であるPD(フォトダイオード)37に入射する。子機2のPD37は、親機1の光送信部4のLED14,15近傍の光のみを狭指向角で受光すると共に、少なくとも送信光LPa,LPbの略々両発光スペクトラムを受光して光電変換可能なものあり、カソードが定電圧源Vccに接続され、アノードが演算増幅器38の反転入力端子に接続されている。また、この演算増幅器38の非反転入力端子には所定電圧源BATから所定の電圧が印加され、演算増幅器38の出力端子と反転入力端子の間には増幅率設定用の負帰還抵抗Rが挿入接続されている。
【0035】
上記PD37が送信光LPa,LPbを光電変換して得られた受光信号は、この演算増幅器38により増幅され、端子39から子機2の図示しない信号処理部へ送られる。なお、送信光LPa,LPbはそれぞれ発光スペクトラムの異なる光であるが、それら送信光LPaとLPbは同相送信されたものであり、また、PD37はそれらの発光スペクトラムをカバーできる受光素子であるため、PD37が光電変換して出力する受光信号は、それら送信光LPaと送信光LPbの受光強度に応じた信号となる。すなわち、PD37からは、送信光LPaの受光信号(P)と送信光LPbの受光信号(P)が加算された信号(P+P=2P)が出力されることになる。
【0036】
一方、子機2の端子36には、図示しない信号処理部から送信用の信号Cが入力され、光送信部5の演算増幅器35の反転入力端子に供給される。また、この演算増幅器35の非反転入力端子には所定電圧源BATから所定の電圧が印加されている。さらに、演算増幅器35の反転出力端子は接合型NチャネルFET34のゲートと接続され、非反転出力端子は接合型NチャネルFET33のゲートと接続されている。すなわち、FET34のゲートには、演算増幅器35の反転出力端子から出力された信号(−C)が供給され、FET33のゲートには、演算増幅器35の非反転出力端子から出力され信号(+C)が供給される。
【0037】
これらFET33及び34のソースは共に接地され、FET33のドレインは発光素子としてのLED32のカソードに接続され、FET34のドレインはLED31のカソードに接続されている。また、これらLED31及び32のアノードは定電圧源Vccに接続されている。
【0038】
ここで、LED31と32は、それぞれ異なる発光スペクトラムの狭指向角光ビームを発生するものであるが、それらLED31及び32の駆動素子としてのFET34,33のゲートが、上記演算増幅器35の反転出力端子と非反転出力端子にそれぞれ別々に接続されているため、これらLED31及び32は、信号Cに対して差動駆動されることになる。
【0039】
これにより、子機2の光送信部5のLED31,32からは、信号Cに対して差動駆動がなされた、それぞれ異なる発光スペクトラムの送信光ビームが狭指向角で送出されることになる。なお、図1の例では、LED31から出射される送信光ビームを(−LCb)とし、LED32から出射される送信光ビームを(+LCa)として表し、これら送信光ビームを示す指示符号(+LCa,−LCb)に付加されたa,bはそれぞれ発光スペクトラムが異なることを表している。
【0040】
この子機2から送出された異なる発光スペクトラムで且つ差動駆動による狭指向角の送信光ビームLCa,LCbは、親機1の光受信部3の受光素子であるPD12,13へ入射する。
【0041】
機1のPD12は、カソードが定電圧源Vccに接続され、アノードが演算増幅器11の反転入力端子に接続されており、また、LED12のアノードと演算増幅器11の反転入力端子との接続点には接地抵抗Rも接続されている。さらに、このPD12の受光面上には、子機2のLED31から出射された発光スペクトラム(指示符号のbで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とする光学フィルタFbが設けられている。
【0042】
また、親機1のPD13は、カソードが定電圧源Vccに接続され、アノードが演算増幅器11の非反転入力端子に接続されており、LED13のアノードと演算増幅器11の非反転入力端子との接続点には接地抵抗Rも接続されている。さらに、このPD13の受光面上には、子機2のLED32から出射された発光スペクトラム(指示符号のaで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とする光学フィルタFaが設けられている。
【0043】
これにより、演算増幅器11の反転入力端子には、子機2のLED31から出射されてPD12で光電変換された信号(−LCbを光電変換した信号)が入力され、非反転入力端子には、子機2のLED32から出射されてPD13で光電変換された信号(LCaを光電変換した信号)が入力されることになる。但し、上記送信光ビームLCa,LCbは、子機2において差動駆動により得られたものであるため、それぞれ反転した信号となる。すなわち図1の例では、PD12で光電変換された信号は(−C)となり、PD13で光電変換された信号は(+C)となる。
【0044】
演算増幅器11では、非反転入力端子に入力されたPD13の出力信号から、反転入力端子に入力されたPD12の出力信号を減算し、得られた演算出力が、端子14から親機1の図示しない信号処理部へ送られる。
【0045】
なお、以上の説明では、PD12の受光面上に設けられる光学フィルタFbを、子機2のLED31から出射された発光スペクトラム(指示符号のbで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とするものとし、一方、PD13の受光面上に設けられる光学フィルタFaを、子機2のLED32から出射された発光スペクトラム(指示符号のaで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とするものとして説明したが、具体的には、それら光学フィルタの一方を短波長遮断特性を持つものとし、他方を長波長遮断特性を持つものとすることで、LED31と32から出射された発光スペクトラムを選択すればよい。この場合、PD12,13は同じ特性のPDとすることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、光学フィルタにより発光スペクトラムの選択を行う例を述べているが、受光素子であるPDとして光波長の受光感度特性が異なるものを用い、その受光感度特性の違いによって発光スペクトラムの選択を行うようにしても良い。
【0047】
ところで、本発明の第1の実施の形態の空間光伝送システムの場合、親機1の光送信部4のLED14,15から自由空間に送出される送信光LPa,LPbは拡散光であり、このため、何らかの反射物7により送信光LPa,LPが反射され、親機1の光受信部3のPD12,13に入射してしまうことがあり得る。また、親機1の光受信部3のPD12,13には、例えば何らかの赤外線光源8やその他のランプ等の照明器具9から出射される様々なスペクトラムを含む外乱光LNも入射することがあり得る。
【0048】
これに対し、本実施の形態の空間光伝送システムによれば、上述した構成を備えていることにより、以下に説明するように、それら反射光や外乱光等のノイズの影響を除去可能となっている。
【0049】
すなわち、本実施の形態の空間光伝送システムの場合、親機1が光送信部4から送信する光信号は、前述のようにLED14,15が同相駆動された異なる発光スペクトラムの送信光LPa,−LPbであり、一方、子機2が光送信部5から送信する光信号は、前述のようにLED31,32が差動駆動された異なる発光スペクトラムの送信光ビームLCa,LCbであり、さらに、親機1の光受信部3のPD12からは前述したように指示符号のbで表すスペクトラムの光を光電変換した信号が出力され、また、親機1の光受信部3のPD13からは指示符号のaで表すスペクトラムの光を光電変換した信号が出力されることになる。
【0050】
したがって、親機1の光受信部3のPD12から演算増幅器11の反転入力端子へ送られる信号は、子機2の光送信部5から送信された送信光ビーム(−LCb)が光電変換された信号(−C)に対して、外乱光LN(指示符号のbで表すスペクトラムのノイズ光)が光電変換されたノイズ成分(N)と、親機1の光送信部4から送信された送信光LPbが反射物7により反射された反射光が光電変換されたノイズ成分(P)とが重畳された信号(N+(−C)+P)となる。また、親機1の光受信部3のPD13から演算増幅器11の非反転入力端子へ送られる信号は、子機2の光送信部5から送信された送信光ビーム(LCa)が光電変換された信号(+C)に対して、外乱光LN(指示符号のaで表すスペクトラムのノイズ光)が光電変換されたノイズ成分(N)と、親機1の光送信部4から送信された送信光LPaが反射物7により反射された反射光が光電変換されたノイズ成分(P)とが重畳された信号(N+C+P)となる。
【0051】
一方、演算増幅器11では、非反転入力端子に入力されたPD13の出力信号(N+(−C)+P)から、反転入力端子に入力されたPD12の出力信号(N+C+P)を減算する演算(N−N+C−(−C)+P−P=2C)が行われることになる。
【0052】
すなわち、この演算結果からわかるように、演算増幅器11から出力されて端子14から後段の信号処理部に送られる信号は、外乱光LNに起因するノイズ成分(N)と、反射物7による反射光に起因するノイズ成分(P)が完全に除去された信号(2C)のみとなる。
【0053】
上述したように、図1に示した本発明の第1の実施の形態の空間光伝送システムによれば、親機1の光送信部4において同相駆動された異なる発光スペクトラムの送信光LPa,LPbを自由空間に送出し、子機2の光受信部6においてそれら異なる発光スペクトラムの送信光LPa,LPbを受光して信号に変換することにより、親機1から送信された信号Pを受信可能となっている。すなわち、第1の実施の形態の空間光伝送システムによれば、子機2の光受信部6において、広範囲なスペクトラムを受光可能なPD37を用い、親機1からの異なる発光スペクトラムの送信光LPa,LPbを同相受信するようになされているため、それら異なるスペクトラムにそれぞれ対応する高価な光学フィルタや、異なるスペクトラムに個々に対応するPDとそれらに対応した回路部分も不要となるため、子機2の構成の小型化と低コスト化が可能となる。なお、子機2の光受信部6のPD37は、狭指向角で光を受光するものであり、親機1の光送信部4の略々LED近傍からの光のみを受光するようになされているため、上述のように同相受信を行っても、外乱光等のノイズの影響は受けない。
【0054】
また、第1の実施の形態の空間光伝送システムによれば、親機1の光送信部4において複数のLED14,15を同相駆動し、子機2の光受信部6において同相受信を行うようになされているため、例えば親機1の光送信部4に設けられている複数のLEDのうち一つに、例えば経時変化等による特性劣化のために出力低下等が発生したとしても、子機2側では親機1から送信された信号を受信することができる。なお、親機1の光送信部4に設けられている複数のLEDのうち一つの特性が劣化したとしての、他の残りのLEDの特性が同時に劣化する確率は低く、このため本実施の形態のシステムでは、極めて安定した信頼性を確保することができる。
【0055】
さらに、第1の実施の形態の空間光伝送システムによれば、子機2の光送信部5において差動駆動された異なる発光スペクトラムの送信光ビームLCa,LCbを送出し、親機1の光受信部3においてそれら異なる発光スペクトラムの送信光ビームLCa,LCbをそれぞれ選択的に受光し、その後、演算増幅器11の演算処理を行うことにより、親機1は、子機2から送信された信号Cを受信可能であると共に、従来技術のように様々な位相・振幅の光に対応可能な反射戻り光打ち消し回路のような大規模で高価な装置を用いることなく、外乱光や反射光のノイズ成分を除去可能となり、不要輻射の低減を実現できる。
【0056】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態の空間光伝送システムによれば、外乱光や反射光による影響を排除し、良好な通信環境を提供することが可能である。
【0057】
次に、図2には、本発明の光無線通信装置及び光無線通信システムが適用される第2の実施の形態の空間光伝送システムの概略構成を示す。
【0058】
図2に示す第2の実施の形態の空間光伝送システムは、第1の実施の形態の場合と同様に、例えば天井に取り付けた光無線通信装置である親機80と、例えば部屋内に設置された光無線通信装置である子機90との間で光無線による全二重通信を実現するものである。なお、第2の実施の形態においても、親機80及び子機90ともに送受信信号を処理する信号処理部等の図示及びその動作説明については省略し、主要部のみ図示及び動作の説明を行うこととする。
【0059】
子機90の端子69には図示しない信号処理部から送信用の信号Cが入力され、光送信部84の演算増幅器66の反転入力端子に供給される。また、この演算増幅器66の非反転入力端子には所定電圧源BATから所定の電圧が印加され演算増幅器66の出力端子と反転入力端子の間には増幅率設定用の負帰還抵抗Rが挿入接続されている。演算増幅器66の出力端子は、接合型NチャネルFET67及び68のゲートと接続されている。
【0060】
これらFET67及び68のソースは共に接地され、FET67のドレインは発光素子としてのLED64のカソードに接続され、FET68のドレインはLED65のカソードに接続されている。また、これらLED64及び65のアノードは定電圧源Vccに接続されている。
【0061】
LED64と65は、それぞれ異なる発光スペクトラムの狭指向角光ビームを発生するものであるが、それらLED64及び65の駆動素子であるFET67,68のゲートが上記演算増幅器66の出力端子に共通接続されているため、これらLED64及び65は、信号Cに応じて同相駆動されることになる。
【0062】
子機90の光送信部84のLED64,65からは、信号Cにより同相駆動された、それぞれ異なる発光スペクトラムの狭指向角の送信光ビームが親機80の光受信部86のPD57へ向けて送出される。なお、図2の例では、LED64から出射される送信光ビームをLCaとし、LED65から出射される送信光ビームをLCbとして表し、これら送信光ビームを示す指示符号LCa,LCbに付加されたa,bは、図1の例と同様に、それぞれ発光スペクトラムが異なることを表している。
【0063】
この子機90から送出された異なる発光スペクトラムで且つ同相駆動による送信光ビームLCa,LCbは、親機80の光受信部86の受光素子であるPD57に入射する。親機80のPD57は、広範囲な自由空間の光を受光可能であると共に、少なくとも子機90の光送信部84のLED64,65が発生した送信光ビームLCa,LCbの略々両発光スペクトラムを受光して光電変換可能なものあり、カソードが定電圧源Vccに接続され、アノードが演算増幅器58の反転入力端子に接続されている。また、この演算増幅器58の非反転入力端子には所定電圧源BATから所定の電圧が印加され、演算増幅器58の出力端子と反転入力端子の間には増幅率設定用の負帰還抵抗Rが挿入接続されている。
【0064】
上記PD57が送信光ビームLCa,LCbを光電変換して得られた受光信号は、この演算増幅器58により増幅され、端子59から親機80の図示しない信号処理部へ送られる。なお、送信光ビームLCa,LCbはそれぞれ発光スペクトラムの異なる光であるが、それら送信光ビームLCa,LCbは同相送信されたものであり、また、PD57はそれらの発光スペクトラムをカバーできる受光素子であるため、PD57が光電変換して出力する受光信号は、それら送信光ビームLCaとLCbの受光強度に応じた信号となる。すなわち、PD57からは、送信光ビームLCaの受光信号(C)と送信光ビームLCbの受光信号(C)が加算された信号(C+C=2C)が出力されることになる。
【0065】
一方、親機80の端子56には、図示しない信号処理部から送信用の信号Pが入力され、光送信部85の演算増幅器55の反転入力端子に供給される。また、この演算増幅器55の非反転入力端子には所定電圧源BATから所定の電圧が印加されている。さらに、演算増幅器55の反転出力端子は接合型NチャネルFET54のゲートと接続され、非反転出力端子は接合型NチャネルFET53のゲートと接続されている。すなわち、FET54のゲートには、演算増幅器55の反転出力端子から出力された信号(−P)が供給され、FET53のゲートには、演算増幅器55の非反転出力端子から出力され信号(+P)が供給される。
【0066】
これらFET53及び54のソースは共に接地され、FET53のドレインは発光素子としてのLED52のカソードに接続され、FET54のドレインはLED51のカソードに接続されている。また、これらLED51及び52のアノードは定電圧源Vccに接続されている。
【0067】
ここで、LED51と52は、それぞれ異なる発光スペクトラムの拡散光を自由空間に向けて放射するものであるが、それらLED51及び52の駆動素子としてのFET54,53のゲートが、上記演算増幅器55の反転出力端子と非反転出力端子にそれぞれ別々に接続されているため、これらLED51及び52は、信号Pに対して差動駆動されることになる。
【0068】
これにより、親機80の光送信部85のLED51,52からは、信号Pに対して差動駆動がなされた、それぞれ異なる発光スペクトラムの送信光が自由空間に拡散して送出されることになる。なお、図2の例では、LED51から出射される送信光を(−LPb)とし、LED52から出射される送信光を(+LPa)として表し、図1の例と同様に、これら送信光を示す指示符号(+LPa,−LPb)に付加されたa,bはそれぞれ発光スペクトラムが異なることを表している。
【0069】
この親機80から送出された異なる発光スペクトラムで且つ差動駆動による送信光LPa,LPbは、子機90の光受信部83の受光素子であるPD62,63へ入射する。
【0070】
機90のPD62は、親機80のLED51に対向して狭指向角で光を受光するものであり、カソードが定電圧源Vccに接続され、アノードが演算増幅器61の反転入力端子に接続されており、また、LED62のアノードと演算増幅器61の反転入力端子との接続点には接地抵抗Rも接続されている。さらに、このPD62の受光面上には、親機80のLED51から出射された発光スペクトラム(指示符号のbで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とする光学フィルタFbが設けられている。
【0071】
また、子機90のPD63は、親機80のLED52に対向して狭指向角で光を受光するものであり、カソードが定電圧源Vccに接続され、アノードが演算増幅器61の非反転入力端子に接続されており、また、LED63のアノードと演算増幅器61の非反転入力端子との接続点には接地抵抗Rも接続されている。さらに、このPD63の受光面上には、親機80のLED52から出射された発光スペクトラム(指示符号のaで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とする光学フィルタFaが設けられている。
【0072】
これにより、演算増幅器61の反転入力端子には、親機80のLED51から出射されてPD62で光電変換された信号(−LPbを光電変換した信号)が入力され、非反転入力端子には、親機80のLED52から出射されてPD63で光電変換された信号(LPaを光電変換した信号)が入力されることになる。但し、上記送信光LPa,LPbは、親機80において差動駆動により得られたものであるため、それぞれ反転した信号となる。すなわち図2の例では、PD62で光電変換された信号は(−P)となり、PD63で光電変換された信号は(+P)となる。
【0073】
演算増幅器61では、非反転入力端子に入力されたPD63の出力信号から、反転入力端子に入力されたPD62の出力信号を減算し、得られた演算出力が、端子64から子機90の図示しない信号処理部へ送られる。
【0074】
なお、以上の説明では、PD62の受光面上に設けられる光学フィルタFbを、親機80のLED51から出射された発光スペクトラム(指示符号のbで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とするものとし、一方、PD63の受光面上に設けられる光学フィルタFaを、親機80のLED52から出射された発光スペクトラム(指示符号のaで表すスペクトラム)に略々対応する波長光を通過帯域とするものとして説明したが、具体的には、それら光学フィルタの一方を短波長遮断特性を持つものとし、他方を長波長遮断特性を持つものとすることで、LED51と52から出射された発光スペクトラムを選択すればよい。この場合、PD62,63は同じ特性のPDとすることができる。
【0075】
また、本実施の形態では、光学フィルタにより発光スペクトラムの選択を行う例を述べているが、受光素子であるPDとして光波長の受光感度特性が異なるものを用い、その受光感度特性の違いによって発光スペクトラムの選択を行うようにしても良い。
【0076】
ここで、この第2の実施の形態の空間光伝送システムの場合、親機80の光送信部85のLED51,52から自由空間に送出される送信光LPa,LPbは拡散光であり、このため、何らかの反射物87により送信光LPa,LPが反射され、親機80の光受信部86のPD57に入射してしまうことがあり得る。一方、子機90の光受信部83のPD62,63には、例えば親機80の光送信部85のLED51,52の略々近傍に存在する赤外線光源88やその他のランプ等の照明器具89から出射される様々なスペクトラムを含む外乱光LNが入射することもあり得る。
【0077】
これに対し、第2の実施の形態の空間光伝送システムによれば、上述した構成を備えていることにより、以下に説明するように、それら反射光や外乱光等のノイズの影響を除去可能となっている。
【0078】
すなわち、本実施の形態の空間光伝送システムの場合、親機80が光送信部85から送信する光信号は、前述のようにLED51,52が差動駆動された異なる発光スペクトラムの送信光LPa,−LPbであり、一方、子機90が光送信部84から送信する光信号は、前述のようにLED64,65が同相駆動された異なる発光スペクトラムの送信光ビームLCa,LCbであり、さらに、子機90の光受信部83のPD62からは前述したように指示符号のbで表すスペクトラムの光のみを光電変換した信号が出力され、また、子機90の光受信部83のPD63からは指示符号のaで表すスペクトラムの光のみを光電変換した信号が出力されることになる。
【0079】
したがって、子機90の光受信部83のPD62から演算増幅器61の反転入力端子へ送られる信号は、親機80の光送信部85から送信された送信光(−LPb)が光電変換された信号(−P)に対して、外乱光LN(指示符号のbで表すスペクトラムのノイズ光)が光電変換されたノイズ成分(N)が重畳された信号(N+(−P))となる。また、子機90の光受信部83のPD63から演算増幅器61の非反転入力端子へ送られる信号は、親機80の光送信部85から送信された送信光(LPa)が光電変換された信号(+P)に対して、外乱光LN(指示符号のaで表すスペクトラムのノイズ光)が光電変換されたノイズ成分(N)が重畳された信号(N+P)となる。
【0080】
一方、演算増幅器61では、非反転入力端子に入力されたPD63の出力信号(N+(−P))から、反転入力端子に入力されたPD62の出力信号(N+P)を減算する演算(N−N+P−(−P)=2P)が行われることになる。
【0081】
すなわち、この演算結果からわかるように、演算増幅器61から出力されて端子64から後段の信号処理部に送られる信号は、外乱光LNに起因するノイズ成分(N)が完全に除去された信号(2P)のみとなる。
【0082】
また、親機80の光受信部86のPD57から演算増幅器58の反転入力端子へ送られる信号は、子機90の光送信部84のLED64,65が同相駆動されて送出された光送信ビームLCa,LCbが光電変化された信号(C+C)に対して、親機80の光送信部85から自由空間に送出された送信光(−LPb)が反射物87にて反射された反射光が光電変換されたノイズ成分(−P)と、同じく親機80の光送信部85から送信された送信光LPbが反射物87により反射された反射光が光電変換されたノイズ成分(P)とが重畳された信号(C+C+P+(−P)=2C)となる。
【0083】
すなわち、この演算結果からわかるように、演算増幅器58から出力されて端子59から後段の信号処理部に送られる信号は、反射光に起因するノイズ成分(P+(−P))が完全に除去された信号(2C)のみとなる。
【0084】
上述したように、図2に示した本発明の第2の実施の形態の空間光伝送システムによれば、子機90の光送信部84において同相駆動された異なる発光スペクトラムの送信光ビームLCa,LCbを狭指向角にて親機80の光受信部86のLED57へ向けて送出し、親機80の光受信部86においてそれら異なる発光スペクトラムの送信光ビームLCa,LCbを受光して信号に変換することにより、子機90から送信された信号Cを受信可能となっている。すなわち、第2の実施の形態の空間光伝送システムによれば、親機80の光受信部86において、広範囲なスペクトラムを受光可能なPD57を用い、子機90からの異なる発光スペクトラムの送信光ビームLCa,LCbを同相受信するようになされているため、それら異なるスペクトラムにそれぞれ対応する高価な光学フィルタや、異なるスペクトラムに個々に対応するPDとそれらに対応した回路部分も不要となるため、親機80の構成の小型化と低コスト化が可能となる。
【0085】
また、第2の実施の形態の空間光伝送システムによれば、子機90の光送信部84において複数のLED84,85を同相駆動し、親機80の光受信部86において同相受信を行うようになされているため、例えば子機90の光送信部84に設けられている複数のLEDのうち一つに、例えば経時変化等による特性劣化のために出力低下等が発生したとしても、親機80側では子機90から送信された信号を受信することができる。なお、子機90の光送信部64に設けられている複数のLEDのうち一つの特性が劣化したとしての、他の残りのLEDの特性が同時に劣化する確率は低く、このため本実施の形態のシステムでは、極めて安定した信頼性を確保することができる。
【0086】
さらに、第2の実施の形態の空間光伝送システムによれば、親機80の光送信部85において差動駆動された異なる発光スペクトラムの送信光LPa,LPbを送出し、子機90の光受信部83においてそれら異なる発光スペクトラムの送信光LPa,LPbを受光し、演算増幅器61にて演算処理を行うことにより、子機90は、親機80から送信された信号Pを受信可能であると共に、例えば、親機80の光送信部85のLED51,52の略々近傍に存在する光源からの外乱光LNが入射しても、その外乱光LNによるノイズ成分を除去することが可能である。
【0087】
またさらに、第2の実施の形態の空間光伝送システムによれば、親機80の光送信部85において、複数のLEDを差動駆動するため、発生ノイズの低減を図ることも可能となり、不要輻射の低減を実現できる。その他、本実施の形態によれば、多数のLEDを駆動する際の電気信号も安定して供給できるため、送信光のS/N向上を図ることができる。
【0088】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態の空間光伝送システムによれば、外乱光や反射光による影響を排除し、良好な通信環境を提供することが可能である。
【0089】
最後に、上述の実施の形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述の各実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0090】
例えば、図1、図2の例では、空間光伝送システムを構成する一方の光無線通信装置が親機としての機能を有し、他方の光無線通信装置が子機としての機能を有するものとして、親機と子機の機能を分けて説明したが、本発明は空間光伝送システムを構成する各光無線通信装置の機能を必ずしもそれぞれ親機と子機に分けなくても良い。
【0091】
また例えば、親機と子機が一対一に対応しているような場合には、前述の実施の形態のように親機が広角で光信号の送受信を行い、子機が狭指向角で光信号の送受を行う必要はなく、親機と子機の両方で広角の光送受信を行うようにしても良く、逆に狭指向角の光送受信を行っても良い。
【0092】
さらに、上述の実施の形態では、親機、子機ともに光送信部がそれぞれ2つのLEDを備えた例を挙げているが、光送信部が備えるLEDは2つに限定されず、さらに多数であっても良い。なお、この場合、図1の子機2の光送信部5と図2の親機80の光送信部85では、それぞれ複数のLEDを差動駆動することになる。また、この場合、図1の親機1の光受信部3には、対応する子機2の光送信部5のLED数に対応した複数のPDが設けられ、演算増幅器11では、それら複数のPDから得られた信号を用いて信号Cのみを取り出すための演算を行うことになる。同じく、図2の子機90の光受信部83には、対応する親機80の光送信部85のLED数に対応した複数のPDが設けられ、演算増幅器61では、それら複数のPDから得られた信号を用いて信号Pのみを取り出すための演算を行うことになる。
【0093】
【発明の効果】
発明に係る光無線通信装置によれば、送信すべき信号に応じて、複数の異なる波長の光信号を同相送信し、複数の異なる波長光をそれぞれ電気信号に変換し、その複数の電気信号から、他の光無線通信機器が差動送信した信号成分を演算により抽出することにより、大規模な装置や高価な装置を使用することなく、反射光による影響や外乱光等のノイズによる影響を回避可能である。
【0094】
また、本発明に係る光無線通信装置によれば、送信すべき信号に応じて、複数の異なる波長の光信号を差動送信し、複数の異なる波長光を電気信号に変換し、その電気信号から、他の光無線通信機器が同相送信した信号成分を演算により抽出することにより、大規模な装置や高価な装置を使用することなく、反射光による影響や外乱光等のノイズによる影響を回避可能である。
【0095】
さらに、本発明に係る光無線通信システムによれば、第1の光無線通信装置において、送信すべき信号に応じて複数の異なる波長の光信号を同相送信し、複数の異なる波長光をそれぞれ電気信号に変換し、その複数の電気信号から、第1の光無線通信機器が差動送信した信号成分を演算により抽出し、一方、第2の光無線通信装置において、送信すべき信号に応じて複数の異なる波長の光信号を差動送信し、複数の異なる波長光を電気信号に変換し、その電気信号から、第1の光無線通信機器が同相送信した信号成分を演算により抽出することにより、大規模な装置や高価な装置を使用することなく、反射光による影響や外乱光等のノイズによる影響を回避可能である。
【0096】
また、本発明に係る光無線通信システムによれば、複数の第2の光無線通信装置と、1台の第1の光無線通信装置とを、互いに光信号の受信可能距離内で対向して配置することにより、1台の第1の光無線通信装置が複数の第2の光無線通信装置との間で全二重光通信を実現できる。
【0097】
さらに、本発明に係る光無線通信システムによれば、複数の前記第1の光無線通信装置と、1台の前記第2の光無線通信装置とを、互いに光信号の受信可能距離内で対向して配置することにより、1台の第2の光無線通信装置が複数の第1の光無線通信装置との間で全二重光通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の空間光伝送システムの概略構成を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態の空間光伝送システムの概略構成を示す図である。
【図3】 従来の光無線通信システムの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1,80…親機、2,90…子機、3,6,83,86…光受信部、4,84,5,85…光送信部、11,16,35,38,61,66,85,86…演算増幅器、12,13,37,57,62,63…PD、14,15,31,32,51,52,64,65…LED、17,18,33,34,53,54,67,68…FET

Claims (7)

  1. 他の光無線通信機器との間で光信号の送受を行う光無線通信装置において、
    光信号に変換して送信すべき第1の送信用信号が入力される第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の出力端子に共通接続された第1及び第2の駆動素子と、前記第1及び第2の駆動素子によって同相駆動され、前記第1の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第1及び第2の光信号を同相送信する第1及び第2の発光素子とを有する光送信と、
    光信号に変換して送信すべき第2の送信用信号が入力される第2の演算増幅器と、前記第2の演算増幅器の反転出力端子と非反転出力端子とに別々に接続された第3及び第4の駆動素子と、前記第3及び第4の駆動素子によって差動駆動され、前記第2の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第3及び第4の光信号を差動送信する第3及び第4の発光素子とを有する前記他の光無線通信機器から送信された前記第3及び第4の光信号を選択的に受光してそれぞれ電気信号に変換する第1及び第2の受光素子と、前記第1の受光素子より出力された電気信号が反転入力端子に入力され、前記第2の受光素子より出力された電気信号が非反転入力端子に入力されて、前記非反転入力端子への入力から前記反転入力端子への入力を減算して出力する第3の演算増幅器とを有する光受信部と
    を備えることを特徴とする光無線通信装置。
  2. 他の光無線通信機器との間で光信号の送受を行う光無線通信装置において、
    光信号に変換して送信すべき第1の送信用信号が入力される第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の反転出力端子と非反転出力端子とに別々に接続された第1及び第2の駆動素子と、前記第1及び第2の駆動素子によって差動駆動され、前記第1の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第1及び第2の光信号を差動送信する第1及び第2の発光素子とを有する光送信と、
    光信号に変換して送信すべき第2の送信用信号が入力される第2の演算増幅器と、前記第2の演算増幅器の出力端子に共通接続された第3及び第4の駆動素子と、前記第3及び第4の駆動素子によって同相駆動され、前記第2の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第3及び第4の光信号を同相送信する第3及び第4の発光素子とを有する前記他の光無線通信機器から送信された前記第3及び第4の光信号双方を受光して電気信号に変換する受光素子と、前記受光素子より出力された電気信号を増幅して出力する第3の演算増幅器とを有する光受信部と
    を備えることを特徴とする光無線通信装置。
  3. 第1の光無線通信装置と第2の光無線通信装置との間で光信号の送受を行う光無線通信システムにおいて、
    前記第1の光無線通信装置は、
    光信号に変換して送信すべき第1の送信用信号が入力される第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の出力端子に共通接続された第1及び第2の駆動素子と、前記第1及び第2の駆動素子によって同相駆動され、前記第1の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第1及び第2の光信号を同相送信する第1及び第2の発光素子とを有する光送信部
    を備え
    前記第2の光無線通信装置は、
    前記第1の光無線通信装置が同相送信した前記第1及び第2の光信号を受光して電気信号に変換する受光素子と、前記受光素子より出力された電気信号を増幅して出力する第2の演算増幅器とを有する光受信部と、
    光信号に変換して送信すべき第2の送信用信号が入力される第3の演算増幅器と、前記第3の演算増幅器の反転出力端子と非反転出力端子とに別々に接続された第3及び第4の駆動素子と、前記第3及び第4の駆動素子によって差動駆動され、前記第2の送信用信号に応じて互いに異なる発光スペクトラムを有する第3及び第4の光信号を差動送信する第3及び第4の発光素子とを有する光送信部と
    を備え
    前記第1の光無線通信装置は、さらに、
    前記第3及び第4の光信号を選択的に受光してそれぞれ電気信号に変換する第5及び第6の受光素子と、前記第5の受光素子より出力された電気信号が反転入力端子に入力され、前記第6の受光素子より出力された電気信号が非反転入力端子に入力されて、前記非反転入力端子への入力から前記反転入力端子への入力を減算して出力する第4の演算増幅器とを有する光受信部を
    備える
    ことを特徴とする光無線通信システム。
  4. 複数の前記第2の光無線通信装置と、1台の前記第1の光無線通信装置とを、互いに光信号の受信可能距離内で対向して配置することを特徴とする請求項3記載の光無線通信システム。
  5. 複数の前記第1の光無線通信装置と、1台の前記第2の光無線通信装置とを、互いに光信号の受信可能距離内で対向して配置することを特徴とする請求項3記載の光無線通信システム。
  6. 前記第1及び第2の受光素子それぞれの受光面上に、前記第3及び第4の光信号それぞれの発光スペクトラムに対応する波長光を通過帯域とする光学フィルタを備えることを特徴とする請求項1記載の光無線通信装置。
  7. 前記第5及び第6の受光素子それぞれの受光面上に、前記第3及び第4の光信号それぞれの発光スペクトラムに対応する波長光を通過帯域とする光学フィルタを備えることを特徴とする請求項3記載の光無線通信システム。
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