本発明の多様な側面は、単独で、あるいは相互に組み合わせて使用することができる。例えば、それが、セルラーのアプリケーションのためのRFパワー・トランジスタを製作するために要求される場合、ここで開示される多く改良は、ダイの製造およびパッケージ・デザインの両方において考慮されるべきである。他方、アプリケーションの要求がそれほど強くない場合は、1つまたはそれ以上の改良を単独で使用することができる。さらに、本発明の他の望ましい機能および特性は、添付の図面および前述の技術分野および背景と共に、以下の詳細な説明および添付された請求項により明らかになるであろう。
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、本発明または本発明の適用および使用を制限することを意図するものではない。さらに、前述の技術分野、背景、概要、または詳細な説明中に表現され、また暗示された理論によって拘束されることを意図するものではない。
ダイ
図面に関し、いくつかの図を通して、同一の参照番号は対応する要素を示す。最初に、無線周波数(RF)パワー・トランジスタ集積回路(IC)装置またはダイ90の平面図が示される。本発明に従った装置ダイおよびそのためのパッケージングは、先行技術におけるRFパワー・トランジスタと比較した場合、より高い降伏電圧、改善された直線性、より良好な熱管理、より低いRdson、より高い出力インピーダンス、より低い出力容量、および拡大された周波数応答が期待される。RFパワー・トランジスタのある実施例では、ダイ90は、p型のシリコン半導体ダイまたは基板から製作される。ここに記述された本発明の多様な側面は、500MHz以上の周波数で動作し、かつ、5ワット以上の電力出力を有するRFパワー・トランジスタ装置において特に有用である。これらのレベルで動作する装置は、電気的および熱的な考察の両方について説明しなければならない。さらに、パッケージおよび装置は、電気的および熱的な性能を併せ持つ無線周波数システムになり、ある意味では、その装置は全ての動作状態を通して丈夫であり、かつ信頼性が高くなる。本明細書は、RFパワー・トランジスタの特定の例を示すものであるが、当業者は、他のタイプの半導体装置内でも本発明のある機能を使用することができることを理解するであろう。
市場において現在主流であるRFパワー・トランジスタは、パッケージのドレインおよびゲートのリードにそれぞれワイヤ・ボンディングされた、装置のドレインおよびゲートを有する。装置は、ダイの上部表面上にドレインおよびゲート接触、およびダイの下部表面上にソース接触を有する横型構造である。RFパワー装置は、典型的には、低抵抗接続を形成するために2つ以上のワイヤ・ボンディングを必要とする。マルチプル・ワイヤ・ボンディングは、RFパワー・トランジスタを含むトランジスタのドレインに対する抵抗性経路差を最小限にするという方法において使用され配置される。一般に、先行技術におけるRFパワー・トランジスタのダイは、縦対横のアスペクト比が大きくなるように作られるので、ワイヤ・ボンディングは、ダイの長さにわたって配置される。ダイの幅が狭いことによって、ダイからパッケージのリードへのワイヤ・ボンディングの長さが短縮される。ワイヤ・ボンディングは、その帯域幅がRFパワー・トランジスタを制限するインダクタとなり、インピーダンス整合ネットワーク内の要素として扱われる。ワイヤ・ボンディングの長さは、生産環境において完全に制御することはできず、また、インダクタンスのばらつきは、電力増幅器の歩留りに悪影響を与える。したがって、本発明の好適な実施例は、ワイヤ・ボンディングを排除する設計を使用する。
RFパワー・トランジスタのダイ90は、第1主表面(上表面)および第2主表面(底表面)を有する。ダイ90の第1主表面は、第1電極相互接続領域58および制御電極相互接続領域57を有する。一般に、第1電極相互接続領域58および制御電極相互接続領域57は、低抵抗および優れた熱伝導率を提供する金属または合金の層である。RFパワー・トランジスタの実施例では、第1電極相互接続領域58は、ダイ90の中央に位置し、ダイ上のソース電極とパッケージ上の外部金属接触との間に、導電性を有する経路を提供する(それについては後述する)。一般に、RFパワー・トランジスタは、相互に並列に結合された多数のほぼ同一のトランジスタ・セルを含む。ダイ90の中央の活性領域は、RFパワー・トランジスタのトランジスタ・セルが形成される領域である。RFパワー・トランジスタの実施例では、第1電極相互接続領域58は、活性領域の大半、好ましくは活性領域全体を覆う。第1電極相互接続領域58は、すべてのトランジスタ・セルに対して、大きい接触領域、低い抵抗、およびほぼ均一の(バランスのとれた)結合を提供する。
第1電極相互接続領域58の全領域および中央の位置は、実質的な利点を提供する。第1電極相互接続領域58をRFパワー・トランジスタ・パッケージの外部接触に結合するために、ワイヤ・ボンディングは不要である。RFパワー・トランジスタ・パッケージの金属の外部接触またはリードを直接に第1電極相互接続領域58に接続することができ、ワイヤ・ボンディングのインダクタンスおよび抵抗が除去される。第1電極相互接続領域58の表面領域に接触することによる実質的な第2の利点は、RFパワー・トランジスタ・パッケージのリードを通して、ダイ90の第1主表面から熱を除去できることである。第1電極相互接続領域58は、ダイ90の活性領域を覆っているので、それが低抵抗の熱経路となり、それに結合されたパッケージ・リードを通して、熱を第1主表面から効果的に抜き取ることができる。正確な幾何学的構造および熱伝導特性を提供することによって、リードは、ヒートシンクとして使用することができ、あるいはヒートシンクに結合することも可能である。
誘電性プラットフォーム領域20は、ダイ90の外周の内側で、かつ活性領域の外側に形成される。とりわけ、誘電性プラットフォーム領域20は、活性トランジスタ・セルに隣接するエピタキシャル層を通って下方へ延びる誘電材料の非導電性の側壁を提供する。RFパワー・トランジスタの実施例では、誘電性プラットフォーム20は、活性領域を囲むリング状に形成される。誘電性プラットフォームの利点として、トランジスタの活性領域のプレーナ降伏を引き起こすためのエッジ終端として使用され、それによってトランジスタの動作電圧を増加させることが含まれる。さらに、誘電性プラットフォーム20は、プラットフォーム20の低誘電率を利用することにより、容量を最小限にするために使用される。ダイ90の実施例では、誘電性プラットフォーム20は、ダイ領域全体の実質的な部分を形成する。例えば、誘電性プラットフォームは、100ワットのRFパワー・トランジスタのダイ領域全体の30−40%以上を占めることが可能であるが、典型的にはダイ領域全体の10%以上になるであろう。誘電性プラットフォーム20は、ダイ90の大部分を構成することが可能であるが、それがウエハの反りや曲がりの原因となって使用できないウエハを産出する可能性があるので、誘電性プラットフォーム20がウエハの処理中にダイ90内に応力を引き起こさないようにすることが重要である。さらなる詳細については、本明細書において後述する。
制御電極相互接続領域57は、第1電極相互接続領域58から予め決められた距離をあけて配置される。典型的には、制御電極相互接続領域57は、第1電極相互接続領域58のように実質的な電流を導通しない。本発明の実施例では、制御電極相互接続領域57は、第1電極相互接続領域58を囲むリング状に形成される。制御電極相互接続領域57は、誘電性プラットフォーム領域20を覆う。通常、制御電極相互接続領域57に関連する容量は、ダイ90の下にある半導体材料の表面からそれを分離することにより大きく低減され、その結果、RFパワー・トランジスタの周波数および直線性の性能が向上する。
図2は、本発明の教示に従って形成された無線周波数(RF)パワー・トランジスタ・ダイ90の断面である。切断箇所は図1の矢印110で示される。p型基板200の表面は、高濃度にドープした領域または埋込層10を形成するためにドープされる。p型基板200は、本実施例においてエッチングで除去される実質的な部分を有する状態で示される。最初に、基板200は、従来の一定の厚さを有するウエハとして提供される。本実施例では、埋込層10はN+にドープされ、低抵抗を有する。図のように、埋込層10は連続的であり、ダイ90の全表面を覆う。他の実施例では、マスクを利用して、RFパワー・トランジスタのトランジスタ・セルが形成される活性領域内にのみ埋込層10を設ける。例えば、埋込層10は、ほぼ誘電性プラットフォーム領域20からダイ90の端までのダイ90の周囲を形成するためにマスクされないであろう。
エピタキシャル層2は、埋込層領域10上に形成される。本実施例では、エピタキシャル層2はn型で、埋込層10上に形成される。誘電性プラットフォーム領域20は、エピタキシャル層2および埋込層10内に形成される。本実施例において、誘電性プラットフォーム領域20は、エピタキシャル層2を通過して埋込層10内に及ぶ(しかし、埋込層10を通過しない)。誘電性プラットフォーム領域20の上部表面は、エピタキシャル層2の上部表面とほぼ同一平面である。誘電性プラットフォーム領域20の表面をエピタキシャル層2の表面とほぼ同一平面にするために、化学的かつ機械的な平坦化技術を用いることができる。また、誘電性プラットフォーム領域20の上部表面は、ウエハ処理段階のシーケンスを用いて形成することができ、それによって平坦な表面の形成が可能になる。ここで、より詳細に説明すると、トランジスタ・セルは、エピタキシャル層2内に形成され、したがって、装置の活性領域30は、誘電性プラットフォーム領域20のリング形状の内側境界内にあるエピタキシャル層2の部分に対応するダイ90の領域として画定される。誘電性プラットフォームは、絶縁材の濠またはカーテンを形成し、それが、少なくともエピタキシャル層2を通って下方へ伸び、ダイ90の活性領域30を囲む。以下で詳細に説明されるように、活性領域30に隣接する誘電性プラットフォーム20の内部側壁は、熱酸化物層として形成され、それによって、エピタキシャル層2(活性領域30に対応する)は熱酸化物上で終了し、トランジスタのエッジ終端を提供する。側壁の熱酸化物としては、汚染物質が低レベルであり、高い結合性を有するものが理想的である。
第1電極相互接続領域58は、活性領域30を含むエピタキシャル層2上に形成される。制御電極相互接続領域57は、誘電性プラットフォーム領域20上に形成される。前述のように、第1電極相互接続領域58および制御電極相互接続領域57は、無線周波数パッケージの金属接触または外部リードに結合されるが、それについては以下で説明する。
本実施例では、活性領域30のダイ90の厚さを減少するために、材料が基板200から除去される。第2電極相互接続領域60は、ダイ90の第2または下部主要面上に形成される。パッケージの第2外部接触から第2電極相互接続領域60への電気および熱の経路は、装置の性能に影響を与える可能性がある。本実施例では、トランジスタ・セルの活性部分(ここでは、ドレイン)は、エピタキシャル層2および埋込層10を通って外部パッケージ接触と電気的に接続され、それが第2電極相互接続60へ低抵抗の電気経路を提供し、そして外部パッケージ接触543(図2には図示せず。例えば、図33を参照)に接続される。RFパワー・トランジスタの効率は、RFパワー・トランジスタのオン抵抗(rdson)と関係する。オン抵抗(rdson)は、部分的に、エピタキシャル層2から第2電極相互接続領域60への抵抗経路に関係する。同様に、ダイ90の動作温度および熱的に生成される非線形性は、エピタキシャル層2から第2電極相互接続領域60への熱経路の関数である。一般に、装置の効率および熱的性能の両方は、ダイ90の厚さを減少することにより改善することができるが、特に、RFパワー・トランジスタのトランジスタ・セルが活性領域30内に形成されるダイ90の領域内ではそうである。熱は活性領域30から発生し、第2電極相互接続領域60への熱抵抗を低減するために、ダイ90はこの領域内では薄くされることが望ましく、それによって熱エネルギーがこの経路を通って低減される。低いrdsonを有する装置は、無線周波数電力増幅器以外のアプリケーションにおいて価値を有するであろう。例えば、変換効率がトランジスタのrdsonと直接関係する電力管理装置のようなスイッチング・アプリケーションにおいて、低いrdsonは非常に望ましいであろう。
本実施例では、厚さを減少させるために、材料がエッチングによってダイ90の第2主表面から除去される。一般に、活性領域30の下にある材料が、p型基板200から除去される。特に、ダイ90の第2主表面をパターン化するためにマスクが使用され、それによって、誘電性プラットフォームの下にある基板200の外側周辺領域はエッチングされない。エッチング工程において、好ましくは、ダイ90の上部主表面に対して54.7度の角度で面に沿って基板からp型材料を除去する。N+埋込層10は、エッチング工程においてエッチングを止める役割を果たし、それによって材料がさらに除去されることを防止する。図のように、基板200の残余部分は台形状の断面を有し、それがダイ90の周囲を囲むリングを形成し、かつ活性領域30から実質的に除外される。このように、空洞102がエッチング工程によって形成され、それは活性領域30の下に位置する。活性領域30内のダイ90の厚さは、ほぼエピタキシャル層2および埋込層10の厚さであることに注意されたい。「額縁」として形成された基板200の残余部分は、ダイ90を強固にし、かつ支持するために機能する。換言すれば、基板200は、薄くなった活性領域30のためのフレームまたは支持構造を形成し、これによって、このウエハを薄くないウエハと同様に取り扱うことが可能となる。本実施例では、基板200(高抵抗のp型材料で構成される)は、電圧電源にオーム的に結合されず、実質的にフローティング状態のままである。
埋込層10は、ダイ90の活性領域(ドレイン)から第2電極相互接続領域60への電流ための低抵抗経路を提供する。第2電極相互接続領域60は、埋込層10の表面下に形成される。RFパワー・トランジスタの一実施例において、第2電極相互接続領域60は、低抵抗および優れた熱伝導率を有するように金属または合金で形成される。ダイ90の下部主表面の形状は、他の本質的な利点を有する。RFパッケージの外部金属接触またはリードを、空洞102内に納まるように設計することができる。その後、リードは容易にアラインされ、第2電極相互接続領域60に結合される。例えば、リードは、はんだまたは導電性のエポキシ樹脂によって、第2電極相互接続領域60に物理的かつ電気的に結合することができる。その後、リードは、装置をパッケージするための後続工程において、ダイ90を取り扱うために使用することができる。リードを第2電極相互接続領域60に直接結合することによって、インダクタンスを最小限にし、また、ダイ90の下部主表面を通って熱を除去するための大きな表面領域を提供する。したがって、第1(上部)および第2(下部)の両方の主表面から熱を同時に除去することができるので、熱効率は先行技術のRFパワー・トランジスタよりも実質的に大きい。さらに、向上した熱効率が達成されるのと同時に、装置動作を低下させる寄生を減少することによって装置性能が改善される。
上記の利点のうちのいくつかを欠く場合があるかもしれないが、装置の厚さを減少させる他の実施例がある。例えば、N+材料を含む基板を使用することが可能である。埋込層10はN+基板であることを必要としない場合がある。当業者に周知であるウエハの研削/シンニング技術を使用して、N+基板を薄くすることが可能である。その後、第2電極相互接続領域は、薄くされたN+基板上に形成されるであろう。この実施例では、ダイは均一の厚さを有するであろう。
図3から図21は、図2のRFパワー・トランジスタの一部分の分解断面図であり、本発明の実施例に従って装置を形成するためのウエハ処理段階を連続的に示す。ほとんどの場合、異なる参照番号が、図1および図2中の同じ部材に使用される。図3は、ダイ90の周囲近くのRFパワー・トランジスタにおける領域の拡大断面である。ダイの周囲を図示することによって、誘電性プラットフォーム20、エッジ終端、およびトランジスタ・セルの組立てを示すことができる。しかしながら、好適な実施例のRFパワー・トランジスタ装置は、網目状に接続されたトランジスタ・セルのアレイを形成するために並列に結合された多数のかかるトランジスタ・セルを含むと理解されるべきである。さらに、本発明の明細書において付与される値は、例示を目的とするものである。RFパワー・トランジスタの設計は、電力および周波数のような、装置特有の所要の動作特性に大きく依存するものであり、さらに、このような変化が本明細書の範囲に含まれることは周知である。
図3から図21中に示される処理工程は、ダイの第1主表面(ここでは、しばしば上部表面と称する)に適用される。ダイの第2主表面(ここでは、しばしば下部表面と称する)は、第1主表面上におけるウエハ処理中は保護される。例えば、酸化層が第2主表面上に形成される。その後、窒化ケイ素層が酸化層上に形成される。酸化層および窒化ケイ素層の組合せにより、第1主表面上におけるウエハ処理中は第2主表面が保護される。追加の保護層を加えることも可能であり、第2主表面上の保護層は、いずれかのウエハ処理工程中に除去される。ダイの第2主表面内に空洞を形成するための後続のエッチング工程、および第2電極相互接続領域の形成することについては、図3から図21中に示されないが、図2に関して前述した。
本発明のRFパワー・トランジスタ装置を形成するための出発材料は、基板200を含む。ウエハ処理の一実施例において、基板200は、結晶方位を有するp型のシリコン基板である。埋込層205が基板200内に形成されるが、典型的には高濃度にドープした低抵抗層である。ウエハ処理の一実施例において、埋込層205はドープしたN+で、約15μmの厚さである。埋込層205は、0.001Ω−cmから0.02Ω−cmの範囲の固有抵抗を有し、第2電極相互接続領域へのオーム接触を改善するために提供される。埋込層205は、後続工程(図示せず)で基板200をエッチングで除去することにより露出され、第2電極相互接続領域をその上に形成することを可能にする。
エピタキシャル層210は埋込層205の上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、エピタキシャル層210はn型である。最初、エピタキシャル層210は約25μmである。続く熱処理において、この領域の抵抗は変化し、かつ厚さは約20μmに変更されるが、それはRFパワー・トランジスタの降伏電圧を決定するために選択される。特に、エピタキシャル層210は、25V/μをサポートするために選択され、それによって、500Vの降伏電圧を有するRFパワー・トランジスタを形成することが可能になる。
RFパワー・トランジスタをできるだけ高電圧で動作させるための電力効率に対する要望は非常に高い。約2GHzで動作する先行技術のシリコンRFパワー・トランジスタは、高電圧動作に関して設計の限界がある。例えば、電力増幅器の動作電圧の標準は、セルラー・ベース・トランシーバ・ステーション(BTS)の電力増幅器(PA)について28ボルトである。動作電圧に対するRFパワー・トランジスタの降伏電圧についての一般的な経験則は、約3対1である。換言すれば、当該技術における最新のRFパワー・トランジスタの降伏電圧は、約75ボルトである。28ボルトの電力増幅器の動作電圧では、25%の範囲という失望的な電力効率の評価をもたらす。28ボルト以上の電圧で動作するRFパワー・トランジスタは、同じ電力出力を生成するために低電流で動作するであろう。低いrdsonと共に低い電流で動作することによって、改善された装置効率をもたらす。さらに、低い動作電流によって、装置上の熱的要求仕様は減少し、装置の信頼性が高まる。さらに、トランジスタの出力インピーダンスは、動作電圧につれて増加する。より高い出力インピーダンスによって、電力増幅器のためにより効率的な整合ネットワークを設計することが可能になる。したがって、高電圧降伏を有するRFパワー・トランジスタは、本質的な利点を有する。例えば、500Vの降伏電圧を有する本発明のRFパワー・トランジスタは、150V以上の供給電圧で動作可能であるので、出力効率を著しく増加させる。同様に、ここでの開示に従って製造された150Vの降伏電圧を有するRFパワー・トランジスタは、50Vで動作するので、既存の28Vのトランジスタよりも実質的に利点がある。
誘電層215は、エピタキシャル層210上に形成される。ウエハ処理工程の実施例では、誘電層215はSiO2を含む。SiO2層は、約5000Åの厚さを有するエピタキシャル層210上に熱成長する。マスキング層220は、誘電層215上に形成される。マスキング層220はパターン化され、誘電層215の一部分が露出する。誘電層215の露出部分は除去され、その下に形成されたエピタキシャル層210が現れる。その後、マスキング層220が除去される。その後、図1中の57で示されたような活性領域を囲むリング内に六角形の垂直の中空のウェルまたは空洞225の行列を形成するために、エッチング処理が行なわれる。特に、異方性エッチング処理が用いられ、少なくともエピタキシャル層210を通過し、さらに好ましくは、少なくとも埋込層205の一部まで、垂直にエッチングされる。本実施例では、垂直の空洞225は、幅が約2.0μmであり、相互に約0.4μmの間隔を空けて配置され、垂直に延びる構造または壁の行列を画定する。異方性エッチング処理を使用して、垂直の空洞225はエピタキシャル層210を通過し、埋込層205内の約30μmの深さまでエッチングされる。垂直の空洞225のエッチングにより、空洞225の間にシリコン行列壁230が生成される。最も内側の壁230aは、活性領域のエピタキシャル層210および埋込層205の外側部分にわたる。シリコン行列壁230は、幅が約0.4μmである。誘電層215は、上記のウエハ処理工程に影響され、その結果、誘電層215は、5000Åから約3000ÅのSiO2層に厚さが減少する。
図4に関し、シリコン行列壁230から材料を除去するオプションの処理工程が図示される。シリコン行列壁230、エピタキシャル層210、および埋込層205の露出部分をエッチングするために、シリコン・エッチングが行なわれる。ウエハ処理の一実施例では、シリコン・エッチングによって、約0.2μmの幅または厚さまでシリコン行列壁230を薄くする。
図5に関し、露出したシリコン領域上に二酸化ケイ素を形成する熱酸化処理が行なわれる。特に、図4のシリコン行列壁230のシリコンは、ほぼ完全に二酸化ケイ素に変換され、垂直に延びる誘電体構造の行列の形状内に二酸化ケイ素行列壁235を形成する。最も内側の壁(図4中の230a)の露出したシリコン表面、空洞225の底部(図4中の240)、および最も外側の壁(図4中の230b)は、同様に、図5で示されるように熱酸化層235a、241、および235bに変換される。トランジスタ・セルが形成される活性領域に隣接する熱酸化層235aは、RFパワー・トランジスタ内でプレーナ降伏を引き起こすためのエッジ終端である。アプリケーションによって、さらに誘電材料を堆積して誘電材料の厚さを増加し、降伏が生じる前に耐えることができる電圧を増強することが要望される場合もある。さらに考察すべきことは、誘電層を形成するのに必要な時間、および構造に加わる応力である。例えば、ポリシリコン層の付加的な蒸着が行なわれる。その後、熱酸化工程において、ポリシリコン層を酸化させて誘電性層260を形成し、二酸化ケイ素行列壁235,235a,235b,241上の誘電材料の量を増加する。
図6に関し、誘電材料がダイに加えられる。ウエハ処理の一実施例では、TEOS(テトラエチルオルソシリケート)245の低圧堆積が、第1主表面に加えられる。堆積された材料のいくらかは、垂直の空洞225の各開口内に積み重なり、開口が閉じるまで徐々に開口のサイズを減少させて、誘電性のプラグまたは層246を形成する。空洞225の残りの下部は、本実施例では充填されない。他の実施例では、必要に応じて空洞の下部を誘電材料で充填することも可能である。誘電材料の連続的な層が、誘電層245、誘電行列壁235、および誘電層260を通って各空洞225内に形成されることに注意されたい。この誘電材料の層は、誘電性プラットフォーム255として表示される。ウエハ処理の一実施例では、約11,000ÅのTEOSが堆積され、垂直の空洞225の上部領域が封止される。誘電性プラットフォーム255の一部であるTEOSの密度を高める熱酸化処理がこれに続く。
一実施例において、酸化物CMP(化学機械研磨)工程は、誘電材料堆積の後に第1主表面上の酸化物を平坦化するために行なわれる。CMP工程は、TEOS層245および誘電層260の第1主表面部分を除去し、ダイの第1主表面上に平坦な表面250を形成する。垂直の空洞225は、誘電層245によって上部表面が封止されるが、垂直の空洞225内が固形材料で充填されず、相当量の空間を含むことに注目すべきである。その後、保護層265が、第1主表面上の酸化物上に加えられる。ウエハ処理の一実施例において、窒化ケイ素の層が、500Åの厚さで平坦な表面250上に形成される。前述のように、CMPが利用可能でない場合には、酸化物CMP工程を必要としない他の工程フローを開発することが可能である。表面は、後続のウエハ処理工程における段差被覆問題を防止するために、十分に平坦化すべきである。
一般に、誘電性プラットフォーム255は、幅10ミクロンおよび深さ4ミクロン以上に形成される。制御電極相互接続領域57(図1および図2)は、誘電性プラットフォーム255の上に形成され、低抵抗を確保するために幅10ミクロン以上に形成される。RFパワー・トランジスタの一実施例では、誘電性プラットフォーム255は、4ミクロン以上の深さに形成され、装置動作に要求される電圧を確保し、制御電極相互接続領域からのゲート対ドレイン容量を減少させる。さらに、誘電性プラットフォーム255は、上記の寸法で形成されるか、あるいはダイに顕著な応力が加わらなければそれよりも大きくすることができる。さらに、誘電性プラットフォームを形成するために、多様な異なる製造工程を用いることができることが理解されるべきである。例えば、空洞を充填して、中空でない誘電性プラットフォームを形成することも可能である。
高圧アプリケーションについては、誘電層245単独では、所要の電圧を確保するのに十分でないことがある。前述のように、オプションの誘電層260が、垂直の空洞225を画定する底部および側壁に加えられた。500Vで降伏するRFパワー・トランジスタを形成するウエハ処理の一実施例では、誘電層245の形成に先立って、ポリシリコンが垂直の空洞225内に堆積され、底部および側壁上でポリシリコン層を形成する。例えば、1000Åのポリシリコンが垂直の空洞225内に堆積される。その後、ポリシリコンが酸化され、垂直の空洞225内に2200Åの酸化層が形成される。次に、1000Åのポリシリコンが堆積および酸化され、垂直の空洞225内に第2の2200Åの酸化層を形成する。これらの結合により、垂直の空洞225内に4400Åの酸化層が形成され、それは誘電層260として表示される。誘電層260は、酸化時間を短縮するために2以上の工程で形成される。誘電材料の量を増加させるために、当業者に周知である他の技術を適用することもできる。垂直の空洞225への開口は、低圧TEOS堆積のような処理工程によって閉じることができないほど大きくすることはできない。
一般に、誘電性プラットフォームは、低誘電率を有する非導電性構造であり、それが縦型RFパワー・トランジスタのためのエッジ終端を提供し、降伏電圧を改善する。誘電性プラットフォームは、トランジスタの降伏電圧を確保できなければならない。例えば、誘電層245と結合する誘電性プラットフォーム255の空洞225の底部241(あるいは、RFパワー・トランジスタの活性領域に隣接する側壁235a)の上の酸化物の厚さ全体は、500ボルトに耐えるように設計される。構造的見地から、空洞225の底部241および活性領域に隣接する側壁235a上に形成された酸化物は、基板200内に応力が生じてウエハ内で反りを生成するほど厚く形成されるべきでない。したがって、誘電性プラットフォームは、RFパワー・トランジスタの降伏電圧に耐える一方で、誘電性プラットフォームがダイ領域の実質的な部分を構成する場合にウエハに加えられる応力が最小限になるように設計される。
エッジ終端は、トランジスタの活性領域に隣接する誘電材料で形成された側壁を含み、それが構造内のプレーナ降伏の達成を助長する。トランジスタの一実施例において、活性領域は誘電性プラットフォーム255によって境界をつけられ、その結果、トランジスタのドレイン領域(エピタキシャル層210)は、誘電性プラットフォーム255の熱酸化側壁で終了する。理想的には、誘電性プラットフォームの側壁は、RFパワー・トランジスタのドレイン領域内で電界を終了するために90度の角度で形成され、電界の歪みを最小限にする。したがって、トランジスタのドレイン内における等電位の電界線は、エピタキシャル層210内でほぼ水平になるであろう。異なる電位の電界線は異なる水平面にあるが、エピタキシャル層210内で互いに平行になるであろう。熱酸化側壁を形成する際に注意すべきことは、電界およびトランジスタのより低い降伏電圧に歪みを加える可能性のあるトラップされた電荷を防止することである。
誘電性プラットフォーム255もまた支持構造であり、プラットフォーム上に相互接続、受動素子、または能動素子を形成することができる十分な構造強度が要求される。一般に、縦形支持構造は、上部表面層を支持するように形成される。縦形支持構造および上部表面層は、誘電材料を含む。一実施例において、上部表面層の下に形成される中空の区画は、縦形支持構造間に形成され、誘電性プラットフォームの誘電率を低くするエアギャップを形成する。反対に、もし必要であれば、より高い誘電率を有する固体または充填された誘電体プラットフォームを形成することも可能である。図示された実施例では、誘電性プラットフォーム255は、上部表面を見下ろすように観察したとき、二酸化ケイ素で形成された垂直の壁を有する多数の六角形セルのアレイである。個々の六角形セルの中心領域は、中空のボイドまたはスペースである。キャップまたは上部表面層は、個々の六角形セルを封止するために形成される。誘電性プラットフォーム255のセルの直径は、キャッピング処理によって決定される。セルの直径は、上部表面近くの開口付近における堆積誘電材料の堆積によって、(TEOSのような堆積誘電材料で)セル全体が充填されることなくセルを閉鎖または封止できるように選択される。同様の空間配置制限(spacing constraints)は、キャッピング処理に要求される他のエアギャップの誘電性プラットフォームに適用できるであろう。
誘電性プラットフォーム255は、さらに、RFパワー・トランジスタの寄生容量を減少し、それによって装置の周波数応答を拡大する。誘電性プラットフォームは、互いに導電性領域を隔離するので、低誘電率は容量を最小限にするために好適である。誘電性プラットフォームの最低の誘電率は、寄生容量を形成する導電性領域間のプラットフォームの空所の容量を最大限にすることにより達成される。特に、誘電性プラットフォーム255または誘電性プラットフォーム255を含むダイ領域内のセルの数は、ゲート対ドレインおよびドレイン対ソース容量を減少することと関係するが、その詳細については以下で述べる。
図7に関し、マスク層270が加えられ、第1主表面上でパターン化される。マスク層270は、誘電性プラットフォーム255上に形成される。保護層265の露出部分が除去され、その下に形成された酸化層215が現れる。ウエハ処理の一実施例では、図6の酸化層215は、ほぼ100Åの厚さまで削減される。オプショナル層275が形成され、それは、RFパワー・トランジスタのRDSonを低減するためにエピタキシャル層210より高濃度にドープされる。処理の一実施例では、層275は、ヒ素またはリンのイオン注入処理を用いてドープされる。酸化層215は除去され、新しい酸化層280が層275上に形成される。ウエハ処理の一実施例では、酸化層は、200Åから1000Åの範囲内、好ましくは700Åの厚さに熱成長する。
図8に関し、保護層285が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、保護層285は窒化ケイ素層(Si3N4)である。窒化ケイ素層は、ほぼ500Åの厚さを有するように形成される。典型的な実施例における保護層265,285は、両方とも窒化ケイ素層であり、結合した厚さが約1000Åになるように誘電性プラットフォーム255上に形成される。
マスキング層(図示せず)が第1主表面を覆うように提供され、パターン化される。パターン化によって開口290が露出し、それは内向きで、かつ誘電性プラットフォーム255に隣接する。開口290内において、保護層285が除去され、その下の誘電層280が現れる。その後、誘電層280は開口290内で除去され、層275が露出する。その後、ポリシリコン層295が、第1主表面上に堆積される。ポリシリコン層295は、開口290内で露出した層275と結合する。ウエハ処理の一実施例では、ポリシリコン層295は、約250Åの厚さを有するように形成される。
その後、層300が第1主表面上に形成される。層300は導電材料である。ウエハ処理の一実施例では、層300はタングステン・シリサイド層(WSi2.8)である。タングステン・シリサイド層は、約500Åの厚さを有するように形成される。その後、ポリシリコン層305が、第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例では、ポリシリコン層305は約250Åの厚さを有するように形成される。その後、注入前の二酸化ケイ素層が約100Åの厚さに形成される。p型領域310は、開口290を通ってドープする、ブランケット注入処理によって形成される。保護層285は、上部表面の他の領域内へのドーピングを防止する。ブランケット注入処理によって、さらにポリシリコン層295,305、およびタングステン・シリサイド層300をドープされる。ウエハ処理の一実施例では、ドーパントはボロンであり、約5KeVでされる。タングステン・シリサイド(WSi2.8)は、膜安定性を考慮して、層300を形成するために使用される。タングステン・シリサイド層300、およびドープしたポリシリコン層295,305は、接地遮蔽板としての役割を果たし、RFパワー・トランジスタのゲート対ドレイン容量を著しく減少する。ゲート対ドレイン容量の減少により、装置の動作周波数が非常に拡大する。共に結合して複合的な低抵抗接地遮蔽板層を形成する複数の導電層が示されるが、要望により単一の導電層を使用することもできることが理解されるであろう。複合的な低抵抗接地遮蔽板層は、p型ドープ領域310を通って接地されるが、それについては以下でより詳細に述べる。
図9に関し、マスキング層(図示せず)が第1主表面に上に形成されパターン化される。パターン化されたマスキング層は、誘電性プラットフォーム255上に開口315を有する。ポリシリコン層305、タングステン・シリサイド層300、およびポリシリコン層295は開口315内で除去され、保護層285が現れる。その後、残りのマスキング層が除去され、保護層320が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、保護層320は窒化ケイ素(Si3N4)を含む。窒化ケイ素は、約500Åの厚さで第1主表面上に形成される。
その後、誘電層325が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、誘電層325はTEOS(テトラエチルオルソシリケート)を含む。TEOSの誘電層は、約4000Åの厚さである。トランジスタの導電層間に分離領域を形成する2以上の非導電層(層320,325)が上記に示されるが、要望があれば、単一の非導電層を使用することもできることが理解されるであろう。
その後、ポリシリコン層330が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、ポリシリコン層330はn型にドープしたポリシリコンである。n型にドープしたポリシリコン層は、約500Åの厚さである。その後、層335が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、層335はタングステン・シリサイド(WSi2.8)を含む導電層である。タングステン・シリサイド層は、約3000Åの厚さに形成される。層335はゲート抵抗を減少させるために提供され、ドープしたポリシリコンまたはタングステンのいずれか一方で形成することが可能である。上記で提供された工程のいくつかは、エッジ終端領域310で施された熱工程であり、それが層275の下に広がるエピタキシャル層210へ拡散される。その後、ポリシリコン層340が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、ポリシリコン層340はn型にドープしたポリシリコンである。n型にドープしたポリシリコン層は、約500Åの厚さに形成される。共に結合して低抵抗層を形成する複数の導電層(層330,335,340)が示されるが、要望があれば、単一の導電層を使用することもできることが理解されるであろう。
その後、熱酸化処理が行なわれ、ポリシリコン層340の上部が酸化される。ウエハ処理の一実施例において、誘電層345は熱酸化処理中に形成される。熱酸化処理は、ポリシリコン層340から厚さ約150Åの酸化層を形成する。その後、保護層350が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、保護層350は窒化ケイ素(Si3N4)を含む。窒化ケイ素は、約1500Åの厚さに形成される。上記では2以上の非導電層(層345,350)が示されるが、要望があれば、単一の非導電層を使用することも可能であることが理解されるであろう。
図10を参照して、マスキング層(図示せず)が第1主表面上に形成されパターン化される。マスキング層内のパターンは開口355を含み、保護層350が露出する。開口355は、RFパワー・トランジスタの単一のトランジスタ・セルが形成されるダイの領域に対応する。本図中には示されないが、RFパワー・トランジスタは、ダイの活性領域内に形成された複数のトランジスタ・セルを含むであろうことに注目すべきである。それに続く層、すなわち、保護層350、誘電層345、ポリシリコン層340、タングステン・シリサイド層335、ポリシリコン層330、誘電層325、保護層320、ポリシリコン層305、タングステン・シリサイド層300、およびポリシリコン層295が開口355内で除去され、そして保護層265上で止まる。その後、マスキング層が除去される。
その後、保護層が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、保護層は窒化ケイ素を含む。窒化ケイ素層は約500Åに形成され、それが保護層350,265(典型的な実施例では双方とも窒化ケイ素)を覆う。特に、保護層は絶縁保護を行い(conformal)、開口355の側壁上に形成される。側壁上の保護層は、保護層365として示される。
ウエハ処理の一実施例において、保護層350,265の上部のいくらかを除去するために異方性エッチングが使用される。特に、材料が保護層350の上部から除去され、開口355の側壁上に保護層365が残る。保護層350は保護層265より実質的に厚いので、開口355内で保護層265が除去される一方で、保護層350の一部分がエッチング処理の後も残る。開口355内の保護層265を除去することによって、下方の誘電層が露出する。その後この誘電層が除去され、層275が現れる。ゲート酸化層360は、25Åから150Åの厚さに熱成長する。より高いゲート対ソース降伏電圧が要求される場合には、より厚いゲート酸化を用いることが可能である。特に、ゲート酸化層360は約100Åの厚さに形成される。その後、ポリシリコン層370が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、ポリシリコン層はドープしていないポリシリコンである。ドープしていないポリシリコン層は、約1000Åの厚さに形成される。
図11に関し、ポリシリコン層370の一部分を酸化させる熱酸化処理が行なわれる。酸化処理によって、誘電層375が形成される。ウエハ処理の一実施例において、誘電層375は約150Åの厚さに形成される。その後、注入工程が行なわれる。ウエハ処理の一実施例において、ボロンが3つの異なるエネルギーで直角に注入される。特に、p型ドーパントのいくらかは、注入中に使用される異なるエネルギーに対応する異なる深さで開口355を通って層275に提供される。2以上の注入および注入エネルギーを使用することによって、ドーピング分布を制御することができる。例えば、注入は、装置のスレショルド電圧、または装置のパンチ・スルーがいつ生じるかを制御する。このように、p型ドープ領域380が形成される。ドープ領域380は、層275とほぼ同じ深さを有するように形成され、p型ドープ領域310と結合する。その後、保護層385が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、保護層385は窒化ケイ素(Si3N4)を含む。窒化ケイ素層は、約250Åの厚さに形成される。
図12に関し、誘電層が第1主表面上に形成される。ウエハ加工の一実施例において、誘電層はTEOSを含む。TEOS層は約3500Åの厚さに形成される。その後、誘電層は異方性エッチングが施され、保護層385の一部分が現れる。異方性エッチングによって、開口355内の側壁上に誘電領域390が残る。誘電領域390は、側壁上の保護層385および開口355の床部分のためにマスクとしての役割を果たす。その後、保護層385の露出部分が除去され、下方の誘電層375が現れる。その後、保護層385および誘電領域390を含む側壁スペーサが形成される。
図13に関し、誘電層375の露出部分が除去され、ポリシリコン層370が現れる。誘電領域390もまた、このウエハ処理工程中に除去される。保護層385の下の誘電層375は残存する。その後、ポリシリコン層370の露出部分が除去され、保護層350が現れる。開口395は、ポリシリコン層370を除去することにより形成され、下のゲート酸化層360が現れる。その後、開口395内のゲート酸化層360が除去され、ドープ領域380が現れる。側壁スペーサは、ポリシリコン層370、誘電層375、および保護層385を含んだまま残存する。
図14に関し、保護層350,385が除去される。保護層350を除去することによって、下の誘電層345が現れる。また、保護層385を除去することによって、下の誘電層375が現れる。その後、誘電層375が除去され、下のポリシリコン層370が現れる。誘電層400は、ドープ領域380上の開口395内に形成される。ウエハ処理の一実施例において、誘電層400は薄い注入前の熱酸化物である。その後、注入工程が行なわれ、ドープ領域405が形成される。ウエハ処理の一実施例において、ドーパントはヒ素(n型)である。特に、注入はポリシリコン層370をドープし、また、開口395を通ってドープ領域380に注入され、トランジスタ・セルのソースに関係するドープ領域405を形成する。適切なカバレージを保証するための装置の一実施例では、イオン注入は、直角内の約45°の角度で行われ、ウエハ処理工程中にポリシリコン層370がn型に変換される。
図15に関し、誘電層400が第1主表面から除去される。その後、ポリシリコン層410が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、ポリシリコンはドープしていないポリシリコンである。ドープしていないポリシリコンは、約1500Åの厚さに形成される。その後、熱酸化工程が行なわれ、ポリシリコン層410の部分を酸化させることにより誘電層415を形成する。ウエハ処理の一実施例では、熱酸化工程によって誘電層415を約50Åの厚さに形成する。
その後、保護層が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、保護層は窒化ケイ素(Si3N4)を含む。窒化ケイ素層は、約1500Åの厚さに形成される。異方性エッチングが保護層上で行なわれ、側壁スペーサ420が残る。その後、熱酸化工程が行なわれ、ポリシリコン層410の露出部分を酸化させる。誘電層425が、熱酸化処理によって形成される。ウエハ処理の一実施例において、誘電層425が約300〜400Åの厚さに形成される。熱処理によって、ポリシリコン層410は、ドープしていないポリシリコンからn型のポリシリコンに変換される。図示されていないが、熱処理によって、さらに、側壁スペーサ420上に薄い層(約20Åの酸化膜)が形成される。
図16に関し、図15で示す側壁スペーサ420が除去され、図15で示す下の誘電層415が現れる。その後、誘電層415の露出部分が除去される。誘電層415は誘電層425よりも薄いので、誘電層415が除去されても誘電層425のいくらかはそのまま残る。その後、異方性エッチングが、ポリシリコン層410の露出部分上で行なわれる。ポリシリコン層410の露出部分を異方性エッチングすることにより、開口430が形成され、下のゲート酸化層360が現れる。
注入前の薄い酸化層が開口430内に形成される。注入工程が行われ、ドーパントが開口430を通ってドープ領域380に提供される。注入によって、ドープ領域435が形成される。ウエハ処理の一実施例において、n型ドーパントとして、例えばヒ素またはリンが使用される。n型ドーパントのイオン注入は、良好なカバレージを確保するために、1E14−1E16の範囲内の濃度を有するように直角内の7°の角度で行なわれる。トランジスタの一実施例において、5E14のドーピング濃度がn型にドープ領域435内で使用される。ドープ領域435は、ソース領域のエッジを画定し、それはトランジスタ・セルのチャネル領域に隣接する。上記で行なわれた熱処理によって、ドープ領域405は、ドープ領域380内へさらに垂直および水平の両方向に拡散される。
図17を参照して、保護層440が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例では、保護層440は窒化ケイ素層(Si3N4)を含む。窒化ケイ素層は、約250Åの厚さに形成される。その後、ポリシリコン層が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、ポリシリコン層はドープしていないポリシリコン層を含む。ドープしていないポリシリコン層は、約4000Åの厚さに形成される。異方性エッチングがポリシリコン上で行なわれ、保護層440の部分が現れる。異方性エッチングによって、側壁領域445として示されるポリシリコン層の部分が残る。
誘電層(図示せず)が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例では、誘電層はTEOSを含む。TEOS層は約150Åの厚さに形成される。その後、注入工程が行なわれる。ウエハ処理の一実施例において、1E14と1E15との間の濃度、より詳しくは2E14の濃度を有するボロンが注入される。注入は開口450を通って自己整合し、保護層440およびポリシリコン層410を通ってドープ領域380内に入り込む。ドープ領域455が注入によって形成され、ドープ領域380内に拡張する。この注入によって、すでに注入されているドープ領域405よりも軽くドープされた強化p型層が形成される。ドープ領域455は、RFパワー・トランジスタ構造の一部である、寄生バイポーラ・トランジスタの垂直利得を減少させる。
図18に関し、図17で形成された誘電層が除去される。その後、側壁領域445が除去され、保護層440が現れる。その後、保護層が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、保護層は窒化ケイ素(Si3N4)である。その後、窒化ケイ素層が約750Åの厚さに形成される。窒化ケイ素層および保護層440の組合せは、保護層460によって示される。その後、誘電層465が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、誘電層465はTEOSを含む。TEOS層は約6000Åの厚さに形成される。TEOSは、約700℃の温度で熱処理中に高密度化される。高密度化工程に続いて、急速な熱アニール処理が行われる。これらの処理によって、図16,17の領域405,435が結合され、領域437を形成する。領域437は、トランジスタ・セルのソースに対応する。熱アニールによって、エッジ終端領域310、ドープ領域380、ドープ領域437、ドープ領域455、およびオプショナルのドープ領域275が活性化され、接合分布が設定される。領域310および領域380は共にp型で、かつ互いに電気的に結合される。ウエハ処理工程のシーケンスは、熱的な観点から実質的な利点を提供することに注目すべきである。例えば、誘電性プラットフォーム255は、活性領域内のトランジスタ・セルの前に形成され、したがって、ダイの大きな領域を酸化さるために必要な高温工程は、注入がなされる前に行なわれる。同様に、トランジスタの活性領域内におけるドーピングの大多数は、処理フローの終了近くで活性化され、他のトランジスタ設計を悩ませる追加の熱工程による移動を実質的になくして、注入工程を配置することができる。これによって、処理の変更をほとんど要することなく、かつ、高い装置性能を有する、一貫製造が可能な装置が生成される。
図19に関し、マスキング層が第1主表面上に形成されパターン化される。開口470は、パターン化されたマスキング層によって露出し、RFパワー・トランジスタの各トランジスタ・セルの制御電極に結合される制御電極相互接続領域に対応する。図では、開口470の一部分のみが示される。開口470は、図1の制御電極相互接続領域57に対応する。開口470内で、以下の層が除去される。すなわち、誘電層465、保護層460、誘電層425、ポリシリコン層410、誘電層345、ポリシリコン層340、タングステン・シリサイド層335、ポリシリコン層330、および誘電層325の一部分である。ウエハ処理の一実施例では、開口470は、誘電層325の典型的な実施例に対応するようにTEOS層内へ1000Åエッチングされる。その後、残りのマスキング層が除去される。
その後、マスキング層が第1主表面上に形成されパターン化される。開口475は、マスキング層によって露出し、RFパワー・トランジスタの各トランジスタ・セルの第1電極に結合される第1電極相互接続領域に対応する。第1電極相互接続領域は、図1の第1電極相互接続領域58に対応する。本実施例では、本発明のRFパワー集積回路装置を形成するために並列に結合された網目状に接続されたMOSトランジスタ・セルのアレイがある。以下で述べるように、トランジスタ・セルのすべてのゲートは、導電性の配線経路を経由して相互接続領域57に接続され、また、パッケージの外部金属接触と結合される。開口475内で、次の層、すなわち誘電層465、保護層460、およびポリシリコン層410が除去される。エッチング工程が行われ、ドープ領域437を通ってエッチングする。材料が除去され、開口475はドープ領域455内に及ぶ。
図20に関し、残りのマスキング層が除去される。薄い拡散バリア材料480が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、バリア材料480は、チタンおよびチタン窒化物(Ti−TiN)のような材料を含む。その後、導電層が第1主表面上に形成される。ウエハ処理の一実施例において、例えば金のような、低い電気的および熱的抵抗を有する材料が使用される。ウエハ処理の一実施例において、金の層は約1μmから3μmの厚さを有するように形成される。金の代わりに、当業者に周知である他の金属または合金を使用することも可能である。
マスキング層は、第1主表面上に形成されパターン化される。開口485は、導電層およびバリア材料480を通って形成され、制御電極相互接続領域490(図1,図2中の項目57に対応する)を第1電極相互接続領域495(図1,図2中の項目58に対応する)から隔離する。ウエハ処理の一実施例において、開口485の幅は、10μmから50μmの間である。
図21は、本発明に従ったRFパワー・トランジスタの部分断面図である。図2と同様に、RFパワー・トランジスタは、装置の熱抵抗を減少させるためにエッチングまたはシンニングされる。RFパワー・トランジスタの一実施例では、基板200の露出した表面はマスクされ、トランジスタの活性領域に対応する基板200が露出する。エッチング処理が基板200の露出したp型材料上で行なわれ、空洞領域500を形成するn型埋込層205上で停止する。したがって、RFパワー・トランジスタによって電流が導通する領域内のダイの厚さは、ほぼエピタキシャル層210および埋込層205の厚さであり、熱抵抗およびトランジスタのオン抵抗を非常に低くする。
RFパワー・トランジスタの一実施例において、基板200はダイの周囲で支持構造またはフレームを形成する。金属層は、エッチング処理後に露出した埋込層205上に形成される。金属層は、第2電極相互接続領域510を形成し、埋込層205と電気的に結合される。したがって、第1電極相互接続領域495および制御電極相互接続領域490は、図1中で示されているのと同様に、ダイの上面からパッケージの外部接触に結合することができ、一方、第2電極相互接続領域510は、ダイの底面からパッケージの外部接触に結合することができる。第1、制御、および第2電極からパッケージへの接触がどのように形成されるのかは、以下で詳細に述べる。
上述したように、図21において、RFパワー・トランジスタの一部分が、装置の特色を示すためにダイの周囲付近について図示される。一つのトランジスタ・セルのみが図示されるが、RFパワー・トランジスタは、装置の活性領域内で並列に結合された複数トランジスタ・セルを含む。誘電性プラットフォームに隣接するトランジスタ・セルは、p型領域310付近の活性領域の内部にあるトランジスタ・セル(図示せず)と異なってもよい。一般に、トランジスタ・セルは、ソース領域の周囲に隣接するチャネルを有する。したがって、チャネルを通る電流伝導は、ソース領域からドレイン領域(エピタキシャル層210)内へ全方向に向けて生じる。図21に示されるトランジスタ・セルは、ドレイン領域への導電経路が存在しない(エピタキシャル層210)ので、p型領域310が存在する側で導電が妨げられる。トランジスタ・セルは、チャネルがn型層275と結合するところで他の全ての方向へ導電する。
RFパワー・トランジスタの各トランジスタ・セルは、ゲート領域、ソース領域、およびドレイン領域を有するMOSFET構造である。エピタキシャル層210が各トランジスタ・セルの各ドレインに共通しているので、RFパワー・トランジスタは共通のドレインを有する。したがって、トランジスタ・セルのドレインは、相互に分断することができない。共通のドレイン(エピタキシャル層210)は、埋込層205および第2ドレイン電極相互接続510(60)に結合される。各トランジスタ・セルのゲートは、低抵抗の相互接続スタックによって共に結合される。例えば、層330,335,410は、各トランジスタ・セルのゲートに結合される低抵抗の相互接続層を含み、それによってそれらが共通に結合される。層330,335,410は制御電極相互接続490(57)に結合される。同様に、各トランジスタ・セルのソースは、第1電極相互接続領域495(58)によって共通に結合される。第1電極相互接続領域495、制御電極相互接続領域490、および第2電極相互接続領域510は、それぞれ、パッケージのソース・リード、ゲート・リード、およびドレイン・リードに結合される。
RFパワー装置の一実施例において、各トランジスタ・セルのゲート長は、フォトリソグラフィによって決定されない。トランジスタ・セルのゲート電極は、ポリシリコン層370およびポリシリコン410を含む。ポリシリコン層370は、p型領域380上に形成された薄いゲート酸化層360(図16)上に形成される。ゲート酸化層の下に形成されるのは、トランジスタ・セルのチャネル領域である。このような方法でゲートを形成することにはいくつかの長所がある。ポリシリコンのような材料の蒸着は、ウエハ製造設備(ウエハ・ファブ)において高精度で制御することができる。ゲート長は、ポリシリコン層370,410の結合した幅(すなわち、層370の厚さおよび堆積されたポリシリコン層410の厚さ)によって決定される。これが意味することは、0.35ミクロンより大きいフォトリソグラフィ能力を有するウエハ・ファブ内で、最先端技術のゲート長(例えば0.2〜0.3ミクロン、またはそれより小さい)トランジスタを生成することができるということである。トランジスタの短いチャネル長によって、高い利得、低いオン抵抗、および拡張した周波数応答が生じる。特に、より広い周波数のパワー利得曲線をもたらす高い利得は、トランジスタ・セルの設計による成果である。製造費は、ウエハ・ファブのフォトリソグラフィ能力と直接関係するので、RFパワー装置をはるかに低コストで製造することができる。さらに、制御ウエハ処理設備は、(ポリシリコンのような)過剰な材料蒸着厚さを有するので、ゲート長に対する厳格な制御は低い変動をもって達成することができる。
RFパワー・トランジスタおよびパッケージは、電気的および熱的なシステムである。これらの装置に対しては、通信用アプリケーションのために満足させなければならない非常に厳格な要求がある。特に、RFトランジスタは、セルラー基地送受信局の電力増幅器内で使用するための仕様を満足させるために、少なくとも34年の平均故障期間にわたって全出力条件下で動作することが可能でなければならない。熱の除去は、信頼性のある高出力RFトランジスタを提供する際の限定要因の1つである。例えば、(全出力条件下で)摂氏200度またはそれ以下の接合温度で動作されるシリコン・トランジスタは、34年の平均故障期間の仕様を満足する証明が知られている。したがって、熱を除去するために有効な装置およびパッケージ・システムを有することは非常に有益である。
一般に、熱は、活性領域の各トランジスタ・セルのソース領域を通って除去される。トランジスタ・セルのソース領域は、n型ドープ領域437を含む。トランジスタ・セルの一実施例では、トランジスタ・セルのソース領域のためのバイア(あるいは通路)は、n型ドープ領域437を通ってp型ドープ領域455内へエッチングされる。第1電極接触領域495(図1および図2では58)は、RFパワーICの活性領域上に堆積した金属領域である。第1電極接触領域495の金属は、トランジスタ・セルのソース領域のバイアを満たし、n型ドープ領域437およびp型ドープ領域455の両方に結合される。トランジスタ・セルのバイア内の金属は、ソース領域への優れた電気的接触を形成するだけでなく、ダイから熱を除去するための低抵抗の熱経路でもある。バルク・シリコン内の領域437および455と接触する金属は、トランジスタ・セル内で熱が生成される場所のすぐ近くにあるので、バルク・シリコンから第1電極接触領域495へ熱を非常に効率的に除去することができる。活性領域の各トランジスタ・セルは、同様の方法で熱を除去する。第1電極接触領域495は、ソース・パッケージ・リードおよびヒートシンクに結合されて熱を放散させるが、その詳細については以下で述べる。前述のように、熱は、ダイの両面から抜き取られる。第2電極接触領域510は、ドレイン・パッケージ・リードに結合されるが、さらに熱を除去するシステム効率を改善するためにヒートシンクに結合することができる。
トランジスタのオン抵抗またはrdsonは、トランジスタの効率およびその装置によって生成された熱と関係する。RFパワー・トランジスタのオン抵抗を低下させることによって、パッケージおよびヒートシンクの熱要求が減少する。トランジスタ・セルの構造は、トランジスタのオン抵抗を減少させる。図のように、トランジスタの導電経路は、第1電極接触領域495、n型領域437、トランジスタ・セル・チャネル、n型層275、n型エピタキシャル層210、n型埋込層205、および第2電極接触領域510を含む。第1電極接触領域495は、低い抵抗を有する金のような金属である。第1電極接触領域495は、n型領域437に結合される。n形領域437は極めて接近しており、トランジスタ・セル・チャネルのソース側への低抵抗経路である。トランジスタ・セルの一実施例において、チャネル長は0.2〜0.3ミクロンの長さである。トランジスタ・セル・チャネルのドレイン側において、n型層275はエピタキシャル層210への低抵抗経路を提供する。トランジスタ・セルの電流経路は、n型層275内で水平方向から垂直方向に変化する。トランジスタ・セルのためrdsonの主要な構成要素はエピタキシャル層210である。エピタキシャル層210は、装置に印加される電圧から隔離されなければならない。前述のように、活性領域に隣接する誘電性プラットフォーム255の側壁は、エピタキシャル層210内における電界の歪みを防止することにより、プレーナ降伏(エッジ終端)を促進する。プレーナ降伏によって、最低の固有抵抗エピタキシの使用が要求された電圧から隔離されることを可能にし、それによってトランジスタ・セルのrdsonを最小限にする。エピタキシャル層210は、埋込層205に結合される。埋込層205は、高濃度にドープした低抵抗層である。装置の一実施例において、空洞のエッチングは、ダイの活性領域内で行なわれ、埋込層205を通ってさらに抵抗を減少する(厚さを減少する)。上記の導電経路は、活性領域の各トランジスタ・セルに適合し、したがって、装置は、最低のオン抵抗を有することができるように最適化される。
RFパワー・トランジスタの周波数性能は、装置の寄生容量を最小限にすることにより実質的に増大する。特に、各トランジスタ・セルは、ゲート対ドレイン容量を減少するために最適化される。ゲート対ドレイン容量は、その値に装置の利得を掛けるので、動作周波数に関する支配的な容量である。これは、ミラー効果またはミラー乗算された容量として知られている。換言すれば、ゲート対ドレイン容量を減少することにより、装置の帯域幅が直接的に改善する。ゲート対ドレイン容量は、トランジスタ・セルのゲート(ポリシリコン層370,410)に隣接して形成された接地遮蔽板によって最小化される。接地遮蔽板(図21で299と表示される)は、低抵抗の電気的に伝導性のあるスタックを形成する導電層295,300,305を含む。装置の一実施例では、接地遮蔽板299は、各トランジスタ・セルのチャネルおよびソース領域を画定するドープ領域(p型ドープ領域380に対応する)以外の活性領域のほぼ全てを覆う。接地遮蔽板299は、伝導電層295が接地へ接続をするためにp型領域310へ結合される誘電性プラットフォーム255に隣接する活性領域の周囲を除き、ダイの活性領域内の非導電層280,285によってダイの上部表面から分離される。一般に、RFパワー・トランジスタのソースは、RF電力増幅器内で使用されるときには接地に結合される。接地遮蔽板は、p型領域310に隣接するトランジスタ・セルのソース領域を通って接地に結合される。図21に示されるように、接地遮蔽板層295はp型領域310に結合される。p型領域310は、p型領域380に結合され、次に、それがp型領域455に結合する。p型領域455は、第1電極接触領域495に結合され、それはソース・パッケージ・リードを通って各トランジスタ・セルのソース領域および接地に結合される。したがって、接地遮蔽板を接地に接続するための電気経路は、ダイのバルク・シリコンを通るが、それはダイ領域を減少し、かつ装置の相互接続方式を単純化するので、非常に有益である。
接地遮蔽板は、トランジスタ・セルのポリシリコン・ゲート構造/ゲート相互接続およびドレイン(層275およびエピタキシャル層210)の間に配置される。接地遮蔽板の配置によって、ゲート対ドレイン寄生容量は、ゲート対接地(ソース)容量およびドレイン対接地(ソース)容量と言うことができる2つの別個のキャパシタに変換(または分離)される。これらの容量値のいずれもがトランジスタ・セルの利得でミラー乗算されないので、それによって装置の周波数性能が向上する。各トランジスタ・セルは、ソース領域周辺にあるゲート構造によって画定された、集中ソース領域(centralized source region)およびチャネル領域を有する。接地遮蔽板は、ゲートにできるだけ接近するように配置される。装置の一実施例において、接地遮蔽板は、トランジスタ・セルのドレイン側の保護層365によってゲートから分離される。保護層365は500Åの厚さであり、したがって、接地遮蔽板は、ゲートから500Åの間隔で配置される。同様に、接地遮蔽板は、ダイの上部表面に近接して配置される。一実施例において、接地遮蔽板層295は、層280,285によって上部表面から分離される。層280は、約700Åの厚さを有する酸化層である。層285は、約500Åの厚さを有する保護層である。したがって、接地遮蔽板は、ダイの上部表面から約1200Åに位置する。
接地遮蔽板299がトランジスタ・セルのドレイン側のチャネル端に近接して配置されることは明白であろう。容量値は、2つの導電性表面間の距離と、分離している材料の誘電率との一次関数である。トランジスタ・セルのゲートからドレインへの周縁容量は、垂直のポリシリコン・ゲート領域(層370,410)と層275との間に生じる。ゲート対ドレイン周縁容量の最高値は、ゲートとドレインとの間の間隔が最も狭いためにトランジスタ・セルのドレインへのチャネル境界で生じる。したがって、図のような接地遮蔽板の配置は、ゲート対ドレイン容量を減少することに対して重大な影響を及ぼす。ドレイン側のチャネル終端の近傍に接地遮蔽板を配置することによって、装置の信頼性と、大きなドレイン対接地容量値を生成することとのバランスをとる必要がある。層280,285は、層275から接地遮蔽板を確実に分離するように設計される。接地遮蔽板および層275は、活性領域の実質的な部分をカバーするキャパシタの導電板(ドレイン対接地)を形成する。層280,285の厚さおよび誘電率は、接地遮蔽板および層275によって生成されたドレイン対接地の全容量の要因である。層280,285の厚さを調整することによって、ゲート対接地容量に対するゲート対ドレイン周縁容量の最適値を決定する際にバランスがとれるので、装置の性能を最大にすることができる。更に、上部表面近くに接地遮蔽板を配置することによって、トランジスタの降伏電圧を増大させるという付加的な利点が提供される。接地遮蔽板は、n型層275の上部表面を消耗させるために作用する。これは、チャネルのドレイン側にあるトランジスタ・セルのp型領域380の周囲におけるフィールド・ラインの歪みを減少して高圧動作を改善する。その改善は重要である。シミュレーションでは、接地遮蔽板を有しないトランジスタ・セルが60Vで降伏を生じるのに対し、接地遮蔽板を有する場合には75Vに改善され、降伏について25%の改善がなされるという結果が得られた。
トランジスタ・セル間のゲート相互接続は、導電層330,335,340を含む。導電層の積載によって、すべてのトランジスタ・セルのゲートへの低抵抗相互接続が確保される。ゲート相互接続は同様にパターン化され、活性領域内の接地遮蔽板をほぼ覆う。ゲート相互接続および接地遮蔽板は、キャパシタの導電板を形成する。それらは、分離層320,325によって分離される。層320,325の厚さは、ゲート対接地容量値を減少させるために調整可能であるが、装置から熱を引き出すための良好な金属被覆および短い熱経路を確保するために、バイアの深さのような他のトランジスタ・セル設計における条件とのバランスがとられなければならない。接地遮蔽板が誘電性プラットフォーム255の一部に広がり、その結果、活性領域のゲート相互接続が制御電極相互接続領域490と結合すると、ゲート対ドレインの寄生容量の分離を保証することに注目すべきである。制御電極相互接続領域490が誘電性プラットフォーム255上に形成され、ゲート対ドレイン容量をさらに最小化する。制御電極相互接続領域490および埋込層205は、ゲート対ドレイン容量の導電板を形成する。誘電性プラットフォーム255は非常に低い誘電率を有し、エピタキシャル層210の厚さよりも大きい導電板間の分離を提供する。誘電性プラットフォーム255は、制御電極相互接続領域490によるゲート対ドレイン容量をわずかな値に低減する。したがって、ダイのレベルと同様にトランジスタ・セルのレベルでの寄生容量は全て最小限にされ、その結果、10GHz以上で実質的な電力利得を有するrdsonの低い無線周波数パワー・トランジスタになる。
典型的には、RFパワー・トランジスタは、ソースが接地に結合されて動作する電力増幅器で使用される。RFパワー・トランジスタのドレインは、典型的には接地と電力増幅器の供給電圧との間で駆動される。開示された装置の実施例では、RFパワー・トランジスタは、n型チャネルのエンハンスメント・モード装置である。スレショルド電圧より高い電圧がトランジスタ・セルのゲートに印加されるとき、n型チャネルが形成される。n型チャネルは、n型ドレインをn型ソースに電気的に結合して電流を導く。導かれた電流は、印加されたゲート電圧の関数である。RFパワー・トランジスタの性能に影響を与える1つの特性は、装置のドーピング分布である。特に、ゲート酸化層の下のドーピング分布は、異なる動作状況下でチャネルの特性を決定するので重要である。ゲート酸化層の下のドーピング分布は、広帯域CDMAのようなフォーマットで情報を送信するためのRFパワー・トランジスタの能力に影響する装置の出力インピーダンスに悪影響を与える。
図22は、先行技術によるRFパワー・トランジスタのドーピング分布である。ドーピング分布は、当業者に周知であるRF LDMOS(横形拡散MOS)トランジスタに対応する。Y軸は装置表面のドーピング濃度である。X軸はドーピングする表面の相対的な位置である。ゲート・ポリシリコンの長さAは、先行技術によるLDMOS装置のウエハ処理前における最小寸法またはリソグラフの寸法に対応する。0基準点は、LDMOSトランジスタのソース側にあるゲート・ポリシリコンのリソグラフで画定されたエッジに対応する。より良く理解するために、ウエハ処理の熱サイクルが進むにつれてドープ領域は外に拡散し、RFパワー・トランジスタの元の寸法が変化する。例示のRF LDMOSトランジスタのフォトリソグラフィで画定されたゲート・ポリシリコンの長さAは、1μmである。
ドーピング分布Cは、RF LDMOSトランジスタのチャネル領域(ゲート酸化層の下にある)のドーピング濃度に対応する。ドーピング分布Cは、p型ドーパントである。ドーピング分布Cは、ソースのドーピング濃度とドレインのドーピング濃度の中間的なドーピング濃度で形成される。チャネル領域のドーピング分布Cは一定でなく、ドレインからソースまで濃度が変化する。
ドーピング分布Bは、RF LDMOSトランジスタのソースのドーピング濃度に対応する。ドーピング分布Bは、n型ドーパントである。ドーピング分布Cは、点線で示されるようにソース内へ伸び、ソース内で濃度が変化する。ドーピング分布Bは、ドーピング分布Cよりも実質的に高いドーピング濃度を有する。pn接合領域Dは、n型のドーピング分布Bとp型のドーピング分布Cとの間に形成される。
ドーピング分布Fは、RF LDMOSトランジスタのドレインのドーピング濃度に対応する。ドーピング分布Fは、n型ドーパントである。ドーピング分布Fは、ドーピング分布Cに隣接して形成される。pn接合領域Eは、n型ドーピング分布Fとp型ドーピング分布Cとの間に形成される。一般に、ドーピング分布Fは、ドーピング分布Cよりも低いドーピング濃度を有する。ドーピング分布Fとドーピング分布Cとの間のドーピング濃度差は、チャネル領域のソース終端に向かってチャネル領域の半分を過ぎるまで1桁分の差を越えない。
RF LDMOSトランジスタの有効ゲート長は、ソース領域Bとドレイン領域Fとの間のドーピング分布Cに対応する。有効ゲート長は約0.6μmであり、フォトリソグラフィで画定されたゲート・ポリシリコンの長さAよりも短い。ドーピング分布は、ドレインからソースまで濃度が変化することに注目されたい。RF LDMOS装置のドレイン領域、チャネル領域、ソース領域を形成するために使用されるウエハ処理工程によって、チャネル領域全体にわたって特有のドーピング濃度が生成される。ドーピング分布Cは、ドレインが引き起こす障壁低下のために、RF LDMOSトランジスタの出力インピーダンスを減少させるような影響を有する。RF LDMOSトランジスタの有効ゲート長は、pn接合Eがチャネル内に侵入することによるドレイン電圧の増加で減少し、それによってチャネルの長さが減少する。チャネル長が減少する要因は、高電圧条件下でドレイン付近の低ドーピング濃度に起因してp型チャネル領域内で生じる空間電荷領域に使用される領域のためである。図のように、チャネル領域のドーピング濃度は、ソースまでの距離のほぼ半分まで、ドレインのドーピング濃度より1桁分大きいところまで達しない。したがって、空間電荷領域は、チャネル領域内のかなりの距離まで侵入することがあり、装置の動作領域にわたってゲート長を広範に変化させることがある。これにより、RFパワー・トランジスタのパフォーマンスに悪影響を与える低い出力インピーダンスをもたらす。
ドーピング分布から明らかでない他の事実は、実質的なゲート対ドレイン容量である。ゲート対ドレイン容量は、ゲート下のドレイン領域の外方への拡散のために生じる。ゲート対ドレイン容量は、その値に装置の利得が掛けられるので重要であり、したがって、それは典型的に周波数応答に対して制限する要因となる。
図23は、本発明に従った図21のRFパワー半導体装置のドーピング分布である。Y軸は、装置のソース(領域437)からドレイン(層275)まで、およびそれらの間のチャネル領域(領域380)を含む表面のドーピング濃度である。X軸は、0基準点を有するドーピング分布の位置であり、フォトリソグラフィ(図面)で画定されたゲート・ポリシリコンの長さGに対応し、チャネルのソース側(0のX軸)から始まりドレイン側(0.28のX軸)で終わる。フォトリソグラフィ上で画定されたゲート・ポリシリコンの長さGは、本発明の実施例では約0.28μmである。図21,23の両方が、以下の記述中に用いられる。
p型ドープ領域380は、ドーピング分布Iで示されるように、約1E17原子/cm3のドーピング濃度を有するように形成される。n型ドープ領域437は、トランジスタ・セルのソースであり、0基準点から−0.1ミクロン以上離れた距離に1E21原子/cm3のピークを持つようなドーピング濃度を有する。ドーピング分布Hは、トランジスタ・セルのソースに対応する。p型ドープ領域380の一部分は、ドーピング分布Iの点線部分で示されるようにトランジスタ・セルのソース内へ延びる。RFパワー・トランジスタの一実施例では、ドーピング分布Iの点線部分は、RFパワー・トランジスタのソース内では実質的に一定である。pn接合Jは、p型ドープ領域380およびn型ドープ領域437によって形成される。pn接合Jは、0基準点から約0.05ミクロンで生じる。
n型ドープ層275は、p型ドープ領域380に隣接して形成される。n型ドープ領域275はトランジスタ・セルのドレインで、ドーピング分布Lを有する。RFパワー・トランジスタの一実施例では、ドレインのドーピング濃度は約5E14原子/cm3である。pn接合Kは、0基準点から0.28μmの距離に離れて、p型ドープ領域380およびn型ドープ層275によって形成される。
RFパワー・トランジスタの有効ゲート長は、ウエハ処理工程が全て行なわれた後のチャネル長である。RFパワー・トランジスタの一実施例では、トランジスタ・セルの有効ゲート長は約0.2μmである。図3から図21に示されるようなトランジスタ・セルを形成するために使用される装置構造およびウエハ処理ステップは、ソースとドレインとの間のp型ドープ領域380内で装置のチャネル領域を通ってほぼ一定のドーピング濃度を生ずることに注目すべきである。チャネル領域内のほぼ一定のドーピング濃度は、一部は直角位相内の3つの注入エネルギーおよびドーピングを使用して、p型ドープ領域380を形成することによるものであり、さらに装置は熱サイクルを受けず、領域380におけるドーピング濃度を修正するために隣接したドープ領域を外へ拡散する。ドーピング濃度は、チャネル領域内でほぼ一定であるだけでなく、濃度レベルがpn接合Kで非常に急速に低下する。このほぼ一定のドーピングは、X軸上で約0.08〜0.2までの実線で表すドーピング分布Iで示される。RFパワー・トランジスタのチャネル内のドーピング分布Iは理想に近く、ドレインが引き起こす障壁低下を減少させる。
前述のように、ドレインが引き起こす障壁低下は、短チャネル効果であり、ドレイン電圧の作用としてチャネル長を変更する。チャネル長は、ドレイン電圧の増加に対応してpn接合Kの空間電荷領域がp型ドープ領域380のチャネル領域内に侵入するときに減少する。チャネル領域内の空間電荷領域によって侵食された領域は、より高いドレイン電圧でチャネル長を減少させ、出力インピーダンスの低下をもたらす。チャネル領域内におけるドーピング分布Iの特有な一定のドーピング・レベルは、pn接合Kの近くのドーピング濃度で急速に減少する。チャネル領域のドーピング濃度(ドーピング分布I)は、ドレインのドーピング・レベル(ドーピング分布L)よりも2桁以上大きい。さらに、ドーピング濃度は、pn接合Kから約0.03μmのドレインのドーピング濃度よりも1桁大きい。したがって、空間電荷領域は、ドープ濃度が高いためにチャネル領域内へ著しく侵入しない。換言すれば、RFパワー・トランジスタの有効ゲート長は、装置のドレイン電圧が増加するにつれて著しく変化しないので、結果として高出力インピーダンスを有するRFパワー・トランジスタになる。
一部は約0.2μmの有効ゲート長により、RFパワー・トランジスタは、10〜20GHzレンジの実質的な電力利得を有することが期待される。装置構造の実質的な利点は、有効ゲート長よりも大きな限界寸法を有するウエハ処理によってそれを形成できることである。RFパワー・トランジスタの一実施例では、装置を形成するために0.35μmのウエハ処理が使用される。一般に、ウエハ処理におけるフォトリソグラフィの限界寸法は、RFパワー・トランジスタ内で達成することができるゲート長の制限要因ではない。それは、一部、ゲート長を決定する、材料の蒸着に対する制御である。特に、ポリシリコンの蒸着は、ゲート長に影響を与える工程である。
RFパワー・トランジスタの周波数応答を拡大させる他の要因は、寄生容量の削減である。一般に、上述したウエハ処理工程のシーケンスは、ゲート下での外方への拡散を最小限にする方法で行われる。特に、装置を形成するために用いられるウエハ処理工程のシーケンスは、熱サイクルの数を減少し、注入にゲート下で外方への拡散を引き起こさせ、それによってゲート対ドレイン容量(ミラー容量として知られる)を低下させる。ウエハ・ロット毎の装置変動も最小限になる。
図24は、本発明に従った網目状トランジスタ・セル800の平面図である。網目状トランジスタ・セル800は、並列に複数の網目状トランジスタ・セルを含むより大きなRFパワー・トランジスタを形成するために、アレイ状またはタイル状にデザインされる。装置を形成するために使用される網目状トランジスタ・セルの数は、要求される装置のパワー出力に依存して、1個から何十万個ものトランジスタ・セルの範囲にすることができる。熱に対する考慮が、装置のパワー出力の決定的要因であることに注目すべきである。ダイから熱を除去することができなければ、信頼性のあるRFパワー・トランジスタを製造することはできない。網目状トランジスタ・セル800は、構造について図3〜図21に示されたトランジスタ・セルに対応するが、それがアレイ状にデザインされ、活性領域内にトランジスタ・セルの大部分を形成するという事実とは異なる。一実施例において、網目状トランジスタ・セル800は、中央の網目状トランジスタ・セルに隣接する、部分的な網目状トランジスタ・セルを含む。異なるトランジスタ・セルは、網目状トランジスタ・セルがp型領域310(図21)に隣接し、かつ、その領域を完成する活性領域の周囲の近傍で使用され、その結果、トランジスタ・セル・アレイ内に部分的な網目状トランジスタ・セルは残らない。網目状トランジスタ・セル800は、n型層275(図21)内で形成され複製される。これによって、網目状トランジスタ・セル800の各網目状トランジスタ・セルは、各ソース領域のまわりの全側面(360度)から電流を導くことが可能になる。反対に、図3〜図21で示されるトランジスタ・セルは、誘電性プラットフォームに近いトランジスタ・セルの一側面上のp型領域310(図21)に隣接するトランジスタ・セルである。図3〜図21のトランジスタ・セルは、チャネルがp型の領域310に接する側は導通しないが、他の全方向でn型層275内へ導通するであろう。P形領域310は、チャネルがn型層275と結合することを防止し、それによって、ゲート電圧がチャネル領域を反転してn型チャネルを形成するときに、ドレインからソースまでの導電経路を妨げる。
ここで開示されるトランジスタ・セルの構造は、交差指型(櫛形)構造を使用する先行技術によるRFパワー・トランジスタと比較したとき、直線性、歪み、出力密度、および周波数応答が改善されるのみならず、寄生抵抗、寄生容量、および寄生インダクタンスを低減するために、装置構造内の効率において実質的な利点を有する。交差指型トランジスタの例は、RF LDMOS(横拡散MOS)である。LDMOSトランジスタは、チャネル領域によって分離されたドレインおよびソース領域の長い交互のストライプを含む。大きなトランジスタは、ゲート領域を共通に接続することにより形成され、また、上部表面ゲート接触領域が提供される。同様に、ドレイン領域は共通に結合され、また、ドレイン接触領域が提供される。ソース接触領域は、ダイの裏側表面上にある。ソースは、基板内で形成される低抵抗シンカを通ってソース接触領域に結合される。低抵抗シンカは、ダイおよびソース領域のサイズを増大させる。このタイプの装置は、典型的には、装置Z(幅)の1ミクロン当たり約40〜50マイクロアンペアの電流密度を有するであろう。
ここに開示される網目状トランジスタ構造は、トランジスタ領域の1平方ミクロン当たりの電流密度を非常に増加させる。効率増加の一部は、網目状トランジスタ位相の一次関数であり、それによってトランジスタ・セルが接近して配置され、ユニット領域当たり大きなトランジスタZ/L比率を生成する。網目状トランジスタ・セル800とLDMOS構造との第1の差異は、ソースおよびドレイン接触領域がダイの異なる側にあることである。網目状トランジスタ・セル800では、ソース接触領域はダイの上側にあり、ドレインはダイの裏側にある。第2の差異は、網目状トランジスタ・セルが、ソース領域近くの周辺に形成されたチャネル領域を有する、中心に集ったソース領域を有することである。前述のように、網目状トランジスタ・セル800は、ソース領域の周囲の全360度に電流を導通する(ただし、誘電性プラットフォームに隣接するトランジスタ・セルを除く(p型領域310によってブロックされる))。第3の差異は、各トランジスタ・セルのドレインが互いに共通であることである。開示された実施例において、エピタキシャル層210(図21)は、RFパワー・トランジスタを含む各トランジスタ・セルのドレインである。したがって、網目状トランジスタ・セル800のトランジスタは、縦形トランジスタ(共通に結合された横形装置ではない)である。第4の差異は、網目状トランジスタ・セル間のゲート相互接続である。これは図24および図25に示され、より詳細については以下で述べる。ゲート相互接続の結果、非常に低いゲート抵抗になる。
網目状トランジスタ・セル800は、中心に位置する単一の網目状トランジスタ・セル、および4つの部分的なトランジスタ・セルを含む。4つの部分的なセルは、完全な網目状トランジスタ・セルの周囲に対称的に位置する。ゲート相互接続の上の層は、網目状トランジスタ・セル800の機能をより良く図示するために示されない。例えば、第1電極相互接続領域495(図21)に対応する層および下方の分離層(図21の層425,460,465)は示されない。4つの部分的なトランジスタ・セルは、単一の網目状トランジスタ・セルの4分の1である。網目状トランジスタ・セル800は、xおよびyの両方角にタイル張りされる。網目状トランジスタ・セル800にタイル張りするとは、セルを複製し、次々にセルを隣接させる処理である。
装置の一実施例では、網目状トランジスタ・セル800の中央にある網目状トランジスタの周囲に形成されたチャネル領域は、8つのサイドを有する。8つのサイドを有するチャネル領域の形は、鋭い90度のかどを取り除き、非同一のチャネル長に導くことができる。周辺のチャネルへの内側は、トランジスタ・セルのソース領域である。プレオーミック(またはバイア)領域810は、各網目状トランジスタ・セルのソース領域を露出するために形成された開口である。一般に、金属(図示せず)がプレオーミック領域810に重なり、開口を充填し、かつ、各ソースに結合し、第1電極相互接続領域を形成する(網目状トランジスタ・セルのソースを共通に結合する)。第1電極相互接続領域は、図21の第1電極相互接続領域495に対応する。ポリシリコン層820は、第1電極領域に結合し、網目状トランジスタ・セルのソース内のポリシリコン層410に対応する。ポリシリコン層820は、網目状トランジスタのソース領域に結合され、プレオーミック領域810を満たす金属と接触するために垂直の表面領域を拡大させる。
ギャップ850は、網目状トランジスタ・セル800のポリシリコン領域間の分離または間隔に対応する。特に、ギャップ850は、ポリシリコン層820とポリシリコン層840との間の分離を示す。保護層(図示せず)は、ポリシリコン層840からポリシリコン層820を分離する。保護層は、図18の保護層460に対応し、ゲートおよびゲート相互接続を形成するポリシリコンからソースのポリシリコンを分離する。ポリシリコン層840は、各網目状トランジスタ・セルのゲート、および隣接したトランジスタ・セルのゲートに結合されるゲート相互接続を含む。ポリシリコン層840は、図21のポリシリコン層370に結合されるポリシリコン層410(図21)に対応する。ポリシリコン層370,410の組合せは、各網目状トランジスタ・セルのゲートを形成し、また、ポリシリコン層の水平方向の幅または厚さは、ゲート長を決定する。ポリシリコン層830は、制御電極抵抗を低下させるために使用するポリシリコン層840に結合される。ポリシリコン層830は、ポリシリコン層330、タングステン・シリサイド層335、およびポリシリコン層340に対応し、それらは共通に結合され(図21で示すように)、ダイの周囲上でゲート(図21のポリシリコン層370)を制御電極相互接続領域490に結合するために使用される。したがって、各網目状トランジスタ・セルのゲートは、同様に共に結合され、その結果、非常に低い抵抗経路になる。
図25は、本発明に従った網目状トランジスタ・セルのアレイ801の平面図である。アレイ801は、ダイの活性領域内のRFパワー・トランジスタを形成するために、並列に結合された複数トランジスタ・セルを形成するために、共に複製されタイル張りされた図24の網目状トランジスタ・セル800を図示する。部分的な網目状トランジスタ・セルは、アレイの周囲に示されることに注意されたい。典型的には、追加の網目状トランジスタ・セル(図示せず)は、周囲上で完全なトランジスタ・セルを形成するためにアレイにタイル張りされ、その結果、完全なトランジスタだけが、RFパワー・トランジスタを形成するために使用される完成したアレイを含むであろう。アレイ801の平面図は、大部分の熱がトランジスタ・ダイからどのように抜き取られるのかを示すのに有用である。第1電極相互接続領域495(図21)を形成するために金属で満たされたときに、各網目状トランジスタ・セルの中心に位置する各プレオーミック(またはバイア)は、バルク・シリコン、プレオーミック内の金属、第1電極相互接続領域(網目状トランジスタ・セル・ソースの全てを共に結合する金属)、パッケージ・リード、および外部ヒートシンクを含む熱伝導経路を形成する。熱が生成される場所のすぐ近くのダイの上側から熱を抜き取ることは、熱を除去するための非常に有効な方法である。
半導体パッケージ
上述のような無線周波数(RF)パワー・トランジスタ・ダイのための半導体パッケージは、いくつかの機能を十分に行なわなければならない。最初に、それは電力用トランジスタ・ダイを収容し、これによって、ダイの性能および信頼性に影響を与える外的環境からの有害要因に対しダイを分離する。例えば、湿度は腐食を生成し、多くの場合装置を故障させるので、しばしば問題となる。次に、電力用トランジスタは相当量の熱を発生する。従って、本発明のパワー・トランジスタ・パッケージは、ダイから熱を放出する熱伝導体になるように設計される。熱を有効に除去する能力は、装置性能に対して非常に影響を与える。低温で動作するトランジスタは、高温で動作する装置よりも信頼性が高く、かつ性能特性が良い。最後に、パワー・トランジスタは、典型的には、増幅回路を形成するためにプリント回路基板またはモジュールに結合される。半導体パッケージは、パワー・トランジスタ・ダイをプリント回路基板に結合する電気的なリードまたは接触を有する。パッケージ自体が、寄生抵抗、寄生インダクタンス、および寄生容量を有すると、パワー・トランジスタの性能を非常に低下させる可能性がある。
図26は、RFパワー・ダイ511のための先行技術による半導体パッケージ509の平面図である。半導体パッケージ509は、ダイ・マウント512、セラミック・マウント・リング513、ゲート・リード514、およびドレイン・リード515を含む。本実施例において、RFパワー・ダイ511は、ドレイン、ゲートおよびソースを有するMOSパワー・トランジスタである。
ダイ・マウント512は、RFパワー・トランジスタ511を搭載する電気的な相互接続、ヒートシンク/熱経路、および強固な支持領域としての機能を果たす。ダイ・マウント512は、典型的には、銅または銅合金のような、良好な電気的および熱的伝導特性を有する金属で形成される。ダイ511が搭載されるダイ・マウント512の上部表面は平面である。セラミック・マウント・リング513は、ダイ511が配置される領域を画定する。換言すれば、セラミック・マウント・リング513によって形成された空洞は、開口にダイ511を配置することができるほど十分に大きい。セラミック・マウント・リング513は、非導電性のセラミック材料で形成される。ダイ511のソース接触は、ダイの裏面である。典型的には、金属層がダイの裏面上に形成され、低抵抗のソース接触を形成する。ダイ511のソース接触は、セラミック・マウント・リング513によって形成された空洞内のダイ・マウント512にはんだ接合される。
ダイ511の上面は、ゲート接触およびドレイン接触を含む。一般に、ダイ・マウント512は長方形であり、ゲート・リード514およびドレイン・リード515は互いに反対側にあり、パッケージ・リードの接続を単純化するためにダイ・マウント512の端を越えて延びる。ゲート・リード514およびドレイン・リード515は金属で形成され、抵抗およびインダクタンスを減少させるための実質的な領域を含む。ゲート・リード514は、ダイ・マウント512からそれを電気的および物理的に分離するために、セラミック・マウント・リング513に固定される。同様に、ドレイン・リード515は、セラミック・マウント・リング513の反対側に搭載される。
前述のように、セラミック・マウント・リング513は非導電性であるので、ゲート・リング514およびドレイン・リード515は共に電気的に結合されないばかりでなく、ダイ・マウント512とも結合されない。ゲート・リード514は、多数のゲート・ワイヤ・ボンド516を通してダイ511のゲートと電気的に結合される。同様に、ドレイン・リード515は、複数のドレイン・ワイヤ・ボンド517を通してダイ511のドレインと電気的に結合される。
RFパワー・トランジスタ・ダイ511は、長く狭いアスペクト比を有することに注目すべきである。これは、ゲート・ワイヤ・ボンド516およびドレイン・ワイヤ・ボンド517の長さを最短にしてインダクタンスを減少するために、意図的に行われる。一般に、高周波および高電力で動作する無線周波数パワー・トランジスタは、2つ以上のドレイン・ワイヤ・ボンドを要求する大きな活性トランジスタ領域を有するであろう。つまり、ワイヤ・ボンドの分配は、RFパワー・トランジスタ・ダイ511の活性領域への抵抗経路を最小にするために極めて重要である。
キャップ(図示せず)は表面に置かれ、かつセラミック・マウント・リング513の上部表面に固定され、その結果、空洞がカバーされ、それによってゲート・ワイヤ・ボンド516、ドレイン・ワイヤ・ボンド517、およびダイ511を外的環境から保護する。
半導体パッケージ509は、2ギガヘルツまでの周波数で動作するRFパワー・トランジスタに広く使用される低価格のパッケージである。半導体パッケージ509の1つの側面は、ダイの裏面を通ってダイ511のソースと接触するダイ・マウント512である。典型的には、ダイ511のソースは、増幅アプリケーション内で接地と結合される。RFパワー・トランジスタ511の裏面を通って電気的に結合することによって、ダイ・マウント512への大きな熱通路が提供されて熱を放散する。
残念なことに、ゲート・ワイヤ・ボンド516およびドレイン・ワイヤ・ボンド517を使用することによって、望ましくない問題が生じる。ゲート・ワイヤ・ボンド516およびドレイン・ワイヤ・ボンド517は、RFパワー・トランジスタ511に寄生抵抗および寄生インダクタンスを加える。これは、いくら良くても問題であることは明らかであり、例えばトランジスタ帯域幅のような装置性能を著しく低下させる。特に、ゲート・ワイヤ・ボンド516およびドレイン・ワイヤ・ボンド517は、それぞれゲート・リード514およびドレイン・リード515と直列に結合する。高周波で動作するダイ511は、寄生インダクタンスにより動作効率が低減する。シャント・キャパシタは、寄生インダクタンスによるこの問題を減少するためにしばしば追加される。シャント・キャパシタは、ゲート・ワイヤ・ボンド516またはドレイン・ワイヤ・ボンド517と並列に追加することができる。しかしながら、半導体パッケージ509の入力インピーダンスが装置を駆動する外部回路のインピーダンスと整合するように、シャント・キャパシタは、実際の寄生インダクタンスと整合しなければならない。容量またはインダクタンス値の変動によるインピーダンスのミスマッチは、効率損失を生ぜしめる。これらの高周波問題を減少させるために半導体パッケージ509にシャント・キャパシタを追加すると、さらにコストが増加する。
おそらく、より重要なことは、半導体パッケージ509の寄生電気要素および熱伝達特性が、装置の帯域幅および直線性を低下させるという事実である。直線性は重要な特性である。一般に、寄生要素は、無線周波数装置の動作特性をより非線形に変更する。直線性は、情報を正確に送信するために装置の能力において不可欠である。高速無線通信データ・アプリケーションにとって、付与された帯域幅内で動作させることができるチャネルの総数は、電力増幅器の直線性と直接に関係する。非直線的な特性を有する電力用トランジスタを使用すると、隣接するチャネルと結合したノイズ信号を生成する。ノイズが十分に高い場合、データが失われることがある。さらに、この問題を減少させる主な解決方法は、各チャネルの帯域幅を拡大し、それによって付与された帯域幅で送信することができるチャネルの総数を減少させることである。
図27,28は、前述した図1,2と実質的に類似するが、参照を容易にするために、本発明のパッケージの一側面に関する議論をここに含める。図27は、本発明に従った無線周波数(RF)パワー・トランジスタ・ダイ520の平面図である。RFパワー・トランジスタ・ダイ520は、RFパワー・トランジスタ・ダイ520の第1主表面上に、第1電極相互接続領域521および制御電極相互接続領域522を有する。第2電極相互接続領域510(例えば図21参照)は、第2(底部)主表面520上に提供される。
前述のように、本発明に従った無線周波数パワー半導体装置は、ここで開示される無線周波数パッケージについて記述する目的のために、500メガヘルツ以上の周波数で動作し、かつ5ワット以上の電力を消費する装置として特別な(しかし排他的でない)有用性を見出す。特に、他の装置と比較したとき、移動体通信装置内のRFパワー・トランジスタは、いくつかの最も厳しい条件下で動作される。例えば、A級電力増幅器内で、トランジスタは、装置が連続的に1日24時間、1年365日、増幅器の最大電力を消費するようなレベルまでバイアスされる。A級動作は、直線性が増加するので、セルラーRF電力増幅器内で望ましい。トランジスタおよびパッケージは、34年を超える平均故障期間を有する熱特性に適合するように設計されている。一般に、平均故障期間仕様を達成するためには、ダイが摂氏200度またはより低い温度で維持されなければならない。温度を低下させることによって、装置の信頼性が大幅に高くなる。したがって、パッケージとダイの相互作用は、電気および熱効率の両方において重要である。さらに、RFハイパワー・トランジスタ装置の仕様は、おそらくこれらの要求を満たすのが最も困難であるが、ここで開示されるトランジスタ/パッケージは、他のほとんどすべてのディスクリート・トランジスタ・アプリケーションの要求を満たすことができる。
RFパワー・トランジスタ・ダイ520の一実施例において、第1電極相互接続領域521、制御電極相互接続領域522および第2電極相互接続領域は、それぞれRFパワー・トランジスタ・ダイ520のソース、ゲート、およびドレインに結合される。さらに、他の実施例では、この接続方式を異なるタイプの装置に使用することも可能である。第1電極相互接続領域521は、RFパワー・トランジスタ・ダイ520の活性領域上の中心に位置する露出した金属層である。理想的には、第1電極相互接続領域521は、各トランジスタ・セルへの接触抵抗を最小限にするために、RFパワー・トランジスタ・ダイ520の活性領域全体にわたってダイ520のソースへ分配された複数の接続点を有する。MOS装置のソースへ接続するために第1電極相互接続領域521を使用することは、単なる例示目的であり、半導体装置の配置に基づいて様々な装置領域に対して使用することができる。
RFパワー・トランジスタ・ダイ520の一実施例において、制御電極相互接続領域522は、第1電極相互接続領域521の周囲にリング状に形成される。リングは、露出した金属層であり、RFパワー・トランジスタ・ダイ520のゲートに結合される。一般に、ウエハ処理の同じ金属相互接続層は、第1電極相互接続領域521および制御電極相互接続領域522の両方を形成するために使用され、それによってそれらは互いにほぼ平面になるであろう。スペース523は、二酸化シリコンのような絶縁材料を含み、制御電極相互接続領域522から第1電極相互接続領域521を電気的に分離する。リング状に制御電極相互接続領域522を形成することによって、活性領域のすべての側面からの相互接続は、その接続による抵抗を最小限にすることが可能になる。理想的には、制御電極相互接続領域522は、RFパワー・トランジスタに結合された寄生容量を減少するために形成され、性能および直線性が向上する。
RFパワー・トランジスタ・ダイ520の一実施例において、はんだは、パッケージのリードに第1電極相互接続領域521および制御電極相互接続領域522を結合させるために用いられる。スペース523は、はんだの最初の使用または他の後続のリフロー工程において、はんだによる潜在的なブリッジング(架橋)を防止するのに十分な幅である。制御電極相互接続領域522は、第1相互接続領域521の周囲の連続的なリングとして示されるが、もし利益があるならば、それを個別の部分内に形成することも可能である。同様に、第1電極相互接続領域521は、連続する金属層であることは要求されないが、2以上の接触に分けることができる。一実施例において、制御電極相互接続領域522を連続するリングとして形成することは、気密に封止されたパッケージを作るために望ましいが、それについては以下でより詳細に述べる。ゲート接触としての制御電極相互接続領域522は、例示目的であり、半導体装置の構成によってゲートまたはドレイン接触として使用することができる。
RFパワー・トランジスタ・ダイ520の一実施例では、RFパワー・トランジスタはエピタキシャル層525内で形成される。エピタキシャル層525は、第1電極相互接続領域521の下に位置する。RFパワー・トランジスタ・ダイ520の一実施例において、誘電性プラットフォーム524は、誘電材料を含む分離領域である。制御電極相互接続領域522は、寄生容量を減少するために誘電性プラットフォーム524を覆う。誘電性プラットフォーム524は、ゲート対ドレイン容量を減少し、RFパワー・トランジスタの降伏電圧を増大させる。
上述のように、金属層510(図21)は、第2電極相互接続領域として基板の裏面上に形成される。金属層は低抵抗の電気導体であり、基板に結合される。はんだが金属層に加えられ、リードに結合される。装置のドレインに対応する第2電極相互接続領域は、例示目的であり、構成によってRFパワー装置の他の電極にすることができる。
図28は、図27の無線周波数電力用トランジスタ・ダイ520の断面図である。RFパワー・トランジスタ・ダイ520は、第1主表面および第2主表面を有する。RFパワー・トランジスタ・ダイ520の第1主表面上で、第1電極相互接続領域521および制御電極相互接続領域522が露出され、RFパッケージのリードに結合される。ダイ520の一実施例では、第1電極相互接続領域521は、第1主表面上の中央に配置される。さらに、ダイ520の活性領域は、第1電極相互接続領域521の下に実質的に重なり、ここで開示されたRFパッケージのリードに結合されたときに最大の熱伝達および最小の抵抗を保証する。ダイ520の活性領域は、RFパワー・トランジスタ・ダイ520のトランジスタ・セルが形成される領域である。
制御電極相互接続領域522は、第1電極相互接続領域521の周囲のリング内に形成される。ダイ520の一実施例において、誘電性プラットフォーム524は制御電極相互接続領域522の下に位置する。誘電性プラットフォーム524は、誘電材料を含む分離領域であり、ダイ520のエピタキシャル層525および埋込層538から制御電極相互接続領域522を分離する。誘電性プラットフォーム524は、ゲート対ドレイン容量を減少し、RFパワー・トランジスタの降伏電圧を増大させる。
RFパワー・トランジスタの一実施例において、ダイ520は、基板536、基板536上にある埋込層538、および埋込層538上にあるエピタキシャル層525を含む。ダイ520の一実施例では、第2主表面がマスクされ、パターン化され、エッチングされる。エッチングによって、基板536のマスクされない領域内のが除去され、空洞537が形成される。埋込層538は、基板536と反対の型にドープされるので、エッチング止めとして使用される。基板536の一部分は、ダイ520の周囲近くに残存する。基板536の残存部分は、リングまたはフレームを形成し、空洞537上にあるRFパワー・トランジスタの薄い活性領域を強固にし、かつ支持する。薄くされたダイ520は、装置のRdsonおよび熱抵抗の低下を助長して熱を除去する。第2電極相互接続領域501は、空洞537内で形成され、露出した埋込層538に覆われる。空洞537の形状は、以下で記述するように、第2電極相互接続領域と接触するためにリードを整合するのに役立つ。
図29は、本発明の実施例に従ったRFパワー・トランジスタ・パッケージ540の平面図である。RFパワー・トランジスタ・パッケージ540は、第1外部接触またはリード541、第2リード542、第3リード543、および分離リング544を含む。第1リード541、第2リード542、および第3リード543は、それぞれソース・リード、ゲート・リード、およびドレイン・リードに対応する。図27,28のRFパワー・トランジスタ・ダイ520は、パッケージ540内に搭載される。
RFパワー・トランジスタ・ダイ520の下のダイ・マウント・ペデスタル545は、第1リード541の中央に配置される。ダイ・マウント・ペデスタル545は、ダイ520よりも小さい表面領域を有する隆起領域として第1リード541上に形成される。この構成によって、ダイ520の第1および制御電極相互接続領域の両方は、それぞれリード541およびリード542に結合され、これによって、容易に製造でき、寄生抵抗/寄生容量/寄生インダクタンスが減少し、かつ、ダイから熱を効率的に除去することができる。
絶縁リング544は、ダイ520およびダイ・マウント・ペデスタル545を囲む。絶縁リング544は、セラミックまたはプラスチックのような非導電材料で形成される。RFパワー・トランジスタ・パッケージ540の一実施例では、絶縁リング544はセラミックで形成される。
第1リード541は、ダイ520上の第1電極相互接続領域521に外部接続を提供する接触である。そのような方法で、アクセスがトランジスタ・セルのソースに享受される。第1リード541は金属リードであり、典型的には、銅、銅タングステン合金、または他の低抵抗で熱伝導性の金属である。図27に戻って、ダイ・マウント・ペデスタル545は、図27の第1電極相互接続領域521に結合される。ダイ・マウント・ペデスタル545は、導電性材料で形成され、第1リードに結合される。もし要望があれば、ペデスタル545は、リード541と一体的に形成することも可能である。前述のように、RFパワー・トランジスタのソースは、典型的には接地に結合される。
図29に戻り、第1リード541は非常に低い抵抗およびインダクタンスを有する。パッケージ540の一実施例において、インダクタンスは、第1のリード541を第1電極相互接続領域521に結合することにより最小限になる。特に、ダイ・マウント・ペデスタル545の大きな表面は、はんだまたは導電性エポキシ樹脂のような電気的かつ熱的に伝導性を有する材料を通って第1電極相互接続領域521に結合される。電気的かつ熱的に伝導性を有する材料は、第1電極相互接続領域521をダイ・マウント・ペデスタル545に物理的に接合する。第1電極相互接続領域521は、RFパワー・トランジスタの活性領域をほぼ覆うことに注目されるべきである。このように、第1リード541を本質的かつ直接的にそれに結合することによって、従来のワイヤ・ボンドの使用と比較して、低い抵抗、低い熱抵抗、および低いインダクタンスになる。
さらに図32に関し、プリント回路または電力増幅器モジュールの接地に結合されたときの第1リード541の大きな外表面は、理想的な電気的かつ熱的な結合を提供する。熱の除去は、RF装置の性能および長期的な信頼性において重要な要素である。第1リード541は、多くの場合プリント回路板546上のヒートシンクに結合され、効率的に熱を除去するであろう。液体冷却または強制空気ヒートシンクは、プリント回路板546がセルラー基地送受信局内の送信機の一部である場合、高電力で動作するときにダイ温度を低下させるのに有用である。
第2リード542は、分離リング544に搭載される。第2リード542の内部部分は、分離リング544内または上に形成された金属層に電気的に接続される。金属層の内部部分は、相互接続リング形状である図27の環状制御電極相互接続領域522に対応する。これについては、以下でより詳細に述べる。分離リング544の内部相互接続リングは、さらに、金属層を通して分離リング544上の外部相互接続領域に電気的に結合され、そこに第2リード542が接合される。したがって、RFパワー・トランジスタを含むセルの制御(ゲート)電極もまた、ワイヤ・ボンドされることなく第2外部金属リード542に結合される。第2リード542と制御電極相互接続領域522との間の相互接続は、抵抗が低く、かつ、インダクタンスも低い。先行技術のパッケージと比較した場合、インダクタンスおよび抵抗が大いに低減される。さらに、第1リード541および第2リード542によるゲート対ソース寄生容量は、分離リング544に低いkの誘電材料を使用し、かつ、それぞれを互いに遠ざけてスペーシングすることにより、最小限に抑えることができる。さらに、シャント・キャパシタは必要ではないと考えられているが、ダイ520の使用可能な最大周波数応答はRFパワー・トランジスタ・パッケージ540の設計を通じて達成される。
第3リード543は、ダイ520のドレイン相互接続510に結合される。図27に戻って、第3リード543は、裏面のドレイン相互接続510(図21)と直接に接続される。第3リード543は、ダイ520の第2(裏側)主表面に結合される。ワイヤ・ボンドは、また、外部接続をパワー・トランジスタのドレインに提供するために使用されない。本発明の教示に従ってパッケージした場合、ダイ520の寄生抵抗および寄生インダクタンスは著しく減少し、その結果、動作効率における損失がほとんどまたは全く無くなる。さらに、第3リード543は、ダイ520に別のヒートシンクを提供する。第3リード543がダイ520の大部分と接触するので、それは熱を除去するための優れた熱経路である。RFパワー・トランジスタ・パッケージ540は、ダイ520の上部および底部の両方から熱を除去する能力を有するので、ダイ520から熱を除去するためのほぼ完全な熱導体である。
2つの熱経路を有することによって、RFパワー・トランジスタ・ダイ520の動作中の熱対策について、より多くの選択が可能となる。第1の対策において、追加の外部ヒートシンクが第1リード541および第3リード543の両方に結合され、RFパワー・トランジスタ・ダイ520から急速に熱を除去し、かつできるだけ低いダイ温度で動作する。第2の対策は、温度変動が最小限になるようにダイの温度を調整する。ダイ温度が安定または一定であることにより、動作状況の変更によりRFパワー・トランジスタ内で熱により引き起こされた非線形が大いに減少する。RFパワー・トランジスタによる非線形動作は、無線周波数の用途において電力増幅器の性能に影響を与える歪み要素を発生させる。
図30は、無線周波数パワー・トランジスタ・パッケージ540の第1リード541の図である。第1リード541は、図27の第1電極相互接続領域521に電気的に結合され、また、図2のダイ520から熱を放出するための熱経路である。第1リード541は、典型的には、例えば銅、銅タングステン合金のような金属から形成される。第1リード541は、基体541およびダイ・マウント・ペデスタル545を含む。第1リード541は、主表面550が基板またはヒートシンクに結合されるように搭載することができる。第1リード541は、実質的な熱質量および低抵抗接触になるようなサイズにされる。ダイ・マウント・ペデスタル545は、図27の第1電極相互接続領域521と同様に形成される。ダイ・マウント・ペデスタル545の表面は、第1電極相互接続領域521と同じか、またはそれより小さい。一般に、リード541およびダイ・マウント・ペデスタル545は同じ材料で形成され、スタンピング工程、キャスティング工程、またはその他の当業者間で既知の製造工程を使用して、単一の金属片から形成することができる。
図31は、第1リード541の平面図である。パッケージ540の一実施例において、ダイ・マウント・ペデスタル545は、第1リード541の中央に配置される。典型的には、リード541は、図2の無線周波数パワー・トランジスタ・ダイ520よりも実質的に大きい。リード541は、ダイ520から熱を引き出すために大きな熱質量を形成する。サイズが大きなことで、リード541の抵抗がさらに減少する。スロットが第1リード541内に形成され、それによってヒートシンクまたは基板へのパッケージの固定を単純化することができる。
図32はRFパワー・トランジスタ・パッケージ540の断面図である。分離リング544は、第1リード541の主表面を覆う。RFパワー・トランジスタ・ダイ520の第1電極相互接続領域521は、第1リード541のダイ・マウント・ペデスタル545に結合される。ダイ520の一部分は、分離リング544を覆う。
分離リング544上に形成された相互接続リングは、ダイ520の制御電極相互接続領域522に結合される。分離リング544上の相互接続リングは、分離リング544上で接触領域を形成する。第2リード542は、分離リング544上の接触領域に結合され、それによって第2リード542が制御電極相互接続領域に結合される。
環状のカラーまたは分離リング555は、分離リング544を覆う。分離リング555は、ダイ520ヘの第3リード543の整合を助長する。分離リング555は、さらに、外的環境からダイ520を分離するための気密シールの形成を助長する。分離リング555は、セラミックまたはプラスチックのような非導電材料から形成される。パッケージ540の一実施例では、第2リード542は分離リング555の外部にある。
第3のリード543は、ダイ520の第2主表面上の第2電極相互接続領域501に結合される。第3のリード543は、リング555によって画定された空洞と相補的な形状に作られることに注意されたい。
特に、接触表面は、ダイ520の第2主表面と同様に形作られ、第2電極相互接続領域に結合される。第3リード543は外壁を含み、それは、分離リング555の内壁内に滑り込むように適合し、アセンブリの間、リード543のダイ520への整合を助長する。第3のリード543は、さらに、分離リング555の上部表面上に延びる部分を有する。第3リード543のこの機能またはリップは、分離リング555の上部表面に装着されて気密シールを形成する。
図33は、図32で示されたパッケージ540の拡大断面図である。特に、RFパワー・トランジスタ・ダイ520が第1リード541、第2リード542、および第3リード543に結合された、パッケージ540の中央領域がより詳細に示される。
RFパワー・トランジスタの一実施例では、第1電極相互接続領域521は、その装置の活性領域上にあるダイ520の第1主表面上の中央に配置され、一方、制御電極相互接続領域522は、第1電極相互接続領域521の周囲にリング状に形成される。第1リード541は、ダイ520の第1電極相互接続領域521に結合されるダイ・マウント・ペデスタル545を含む。分離リング544は、第1リード541に結合され、また、ダイ・マウント・ペデスタル545が突出するための開口を含む。ダイ・マウント・ペデスタル545は、第1電極相互接続領域521と同一またはこれより小さいサイズであり、第3電極相互接続領域への短絡を防止する。分離リング544は、非導電性の材料で形成される。パッケージ540の一実施例では、分離リング544およびダイ・マウント・ペデスタル545の表面は互いに平行であるが、ダイ・マウント・ペデスタル545の表面は、分離リング544の表面より上にある。
一般に、ダイ・マウント・ペデスタル545は、ダイ520の第1電極相互接続領域521に電気的に結合される。ダイ・マウント・ペデスタル545は、ダイ520の第1主表面の活性領域に結合され、第1リード541を通ってダイ520から熱を除去するための熱経路を提供する。特に、ダイ・マウント・ペデスタル545は、RFパワー・トランジスタの活性領域の大部分に結合され、それが実質的な電流を導く。パッケージ540の一実施例では、第1リード541は、銅または銅タングステン合金のような金属で形成され、はんだ層558、導電性エポキシ樹脂または他の均等な手段によって、第1電極相互接続領域521へ物理的かつ電気的に結合される。
ダイ520の外端は、ダイ・マウント・ペデスタル545上に張り出す。一実施例において、制御電極相互接続領域522は、第1電極相互接続領域521の周囲にリング状に形成される。制御電極相互接続領域522は、ダイ520の領域上にあり、ダイ・マウント・ペデスタル545上に張り出す。張り出している量は、ダイ・マウント・ペデスタル545の各側においてほぼ同じである。
分離リング544は、ダイ・マウント・ペデスタル545上に張り出すダイ520の領域の下に位置する。前述のように、分離リング544は、第1主表面が第1リード541を覆うように配置され、ダイ・マウント・ペデスタル545に隣接する。本実施例では、第2リード542は、ダイ520と直接に接触しない。第2リード542は、分離リング544の第2主表面によって支持される。分離リング544は、金属層または相互接続561を含み、それがリード542をダイ520の制御電極相互接続領域522に結合する。相互接続561は、分離リング544の上または中に形成することができる。
分離リング544は、セラミック、プラスチック、または有機材料のような非導電性かつ非多孔性の材料である。分離リング544は、封止方法により第1リード541に接着または接合される。パッケージ540の一実施例では、分離リング544の第2主表面は、ダイ・マウント・ペデスタル545の表面より下にある。分離リング544の第2主表面とダイ・マウント・ペデスタル545の表面の高さの差は、ダイ520上の制御電極相互接続領域522を分離リング544上の相互接続561へ結合するはんだ557によって提供される。例えば、相互接続561は、制御電極相互接続領域522に整合するリング形状に対応するように形成される。相互接続561のリング形の部分を制御電極相互接続領域522にはんだ557で結合することによってダイ520の周囲を封止し、外的環境からのダイ520の活性領域を気密に封止する。はんだ557の代わりに、導電性エポキシ樹脂のような他の材料を使用してもよい。
分離リング555は、分離リング544を覆う。ダイ・マウント・ペデスタル545は、分離リング555の開口から突出する。分離リング555は、第2リード542を第3リード543から分離し、第3リード543がRFパワー・トランジスタ・ダイ520へ整合することを助長し、かつ、RFパワー・トランジスタ・パッケージ540のハウジングの一部である。分離リング555は、セラミック、プラスチック、または有機材料のような非導電性かつ非多孔性の材料である。分離リング555は、個別の部材である必要はないが、分離リング544の一部として形成することができる。分離リング555が個別の部材である場合は、物理的に適所にそれを保持し、かつ封止するのに適した方法によって分離リング544に取り付けられる。パッケージ540の一実施例において、分離リング555は、分離リング544上の相互接続561に結合または固定される。図のように、分離リング555上の鋭いかどは、材料に対する応力を減少させるために面取りされる。
分離リング555は、ダイ520のエッジの下の内方へ突出したフィンガー領域559を含み、ダイ520の外側部分に対する支持を提供する。第3リード543は、分離リング555内に適合するように形成される。RFパワー・トランジスタの一実施例において、ダイ520の第2主表面は、予め決定された形状を有するようにエッチングされる。第3リード543は、ダイ520のエッチングされた第2主表面と同様に形成され、第3リード543のダイ520への結合を助長する。分離リング555の内壁は、第3リード543が横方向に大きな距離を移動しないように保持する。分離リング555の上部表面は、さらに、第3リード543がパッケージを越えて延びるときに、これを支持し封止する。第3リード543は、分離リング555の上部表面に接合され、ダイ520が外的環境から気密に封止される。
第3リード543は、ダイ520の第2主表面上の第2電極相互接続領域501に、物理的かつ電気的に結合される。第3リード543は、はんだ、導電性エポキシ樹脂、または他の均等な手段を用いて第2電極相互接続領域501に結合される。図のように、第2電極相互接続領域501は、図28で示すような空洞537内に位置し、第3リード543がそれに結合するときの整合を助長する。代替実施例では、ダイ520の第2主表面は平面である。その後、第3リード543は、ダイ520の平面である第2主表面上で第2電極相互接続領域501に結合される。本代替実施例において、分離リング555は、第3リード543の第2電極相互接続領域への整合を助長する。いずれの場合においても、第3リード543は、RFパワー・トランジスタの第2電極相互接続領域501に結合される。
第3リード543は、銅または銅タングステン合金のような金属で形成される。第3リード543は、ダイ520から熱を除去するための熱経路である。したがって、RFパワー・トランジスタ・パッケージ540は、ワイヤ・ボンドすることなくダイ520に第1リード541および第3リード543を結合することにより、リード・インダクタンスを最小限にする。パッケージ540の熱抵抗は、第1リード541および第3リード543を通してダイ520の両面から熱を除去することにより実質的に減少する。さらに、パッケージ540は、アセンブリを単純化し、ハイ・パワー無線周波数トランジスタの製造コストを削減させる。
図34は、図33のRFパワー・トランジスタ・パッケージ540のさらなる拡大図である。拡大図は、RFパワー・トランジスタ・パッケージ540の部材がどのように互いに取り付けられているかを分かり易く図示する。パッケージ540の一実施例において、分離リング544の第1主表面は、第1リード541と結合するための金属層587を有する。金属層587は、第1主表面にしっかりと接合される。分離リング544がセラミック材料である実施例では、金属層587を第1リード541に接合するために、高温リフロー処理を行なうことが可能である。高温リフロー処理によって分離リング544が第1リード541にしっかりと固定されるので、後続の加工工程はボンディングに影響を与えない。
第2リード542および分離リング555は、分離リング544の第2主表面に結合される。パッケージ540の一実施例において、相互接続561は、分離リング544の第2主表面上に形成される。分離リング555の底面は金属層589を含む。金属層589は、分離リング555にしっかりと固定される。パッケージ540の一実施例では、分離リング555はセラミックで形成される。金属層589を相互接続561に接合するために、高温リフロー処理が行なわれる。他の既知の高温の結合方法を用いることもできる。パッケージ540の一実施例において、第2リード542は分離リング555に接し、高温のはんだによって分離リング544上の相互接続561に結合される。第2リード542および分離リング544を、分離リング555へ物理的に接合することによって、パッケージ540を生成する後続の処理工程が影響されることはない。
はんだ557およびはんだ558は、それぞれ、ダイ520の制御電極相互接続領域522を分離リング544上の相互接続561に、また、第1電極相互接続領域521をダイ・マウント・ペデスタル545に結合するために使用される。はんだ588は、第3リード543をダイ520の第2主表面上の第2電極相互接続領域501に結合する。パッケージ540の実施例では、分離リング555の上部表面は、その上に形成された金属層575を含む。はんだ583は、第3リード543を分離リング555の上部表面に結合し、それによってリード543および分離リング555が気密シールを形成し、外的環境からダイ520を分離する。
無線周波数電力用トランジスタ・パッケージ540を組み立てる方法は、2つのアセンブリで始まる。第1アセンブリは、ダイ520を物理的かつ電気的に第3リード543に接合することにより形成される。その後、第3リード543は、後続工程のために、ダイ520を移動し位置を決めるためのハンドルとして使用することができる。第3リード543をダイ520に接合する方法、例えば、はんだ588が、パッケージ540を形成するための後続の製造工程または熱工程によって影響されないように選択される。
第2アセンブリは、第1リード541、分離リング544、分離リング555、および第2リード542を含む。分離リング544は、第1リード541に接合される。分離リング555は、分離リング544に接合される。もし要望があれば、第2リード542は分離リング544上の相互接続に接合してもよく、あるいは、後の工程で接合してもよい。前述と同様に、用いられる接合処理は、パッケージ40を形成するための後続の製造工程または熱工程に影響されない。
はんだ557,558,583は、予め決定された表面に載置される。はんだが載置される表面は、均一なはんだの載置を単純化し確保するために選択される。例えば、はんだ583は、第3リード543上、金属層575上、または両方に載置することができる。パッケージ540の一実施例において、リード543およびダイ520は、分離リング555の開口内で適合される。はんだ557は、ダイ520の制御電極相互接続領域522と相互接続561との間に結合される。はんだ558は、ダイ520の第1電極相互接続領域521とダイ・マウント・ペデスタル545との間に結合される。最後に、はんだ583は、第3リード543と金属層575との間に結合される。パッケージ540は、オーブン、炉、またはホットプレート内に置かれ、その結果はんだ557,558,583はリフローして物理的なボンディング接続を形成することができる。
はんだ557,558,583の量および厚さは、耐久性および製造工程の変化の下で形成されるしっかりした接続を確保するために選択される。また、異なる温度のはんだを使用することにより、1つのはんだを他のはんだの前にリフローさせることも有益である。リフロー処理の間はんだ557,558,583の結合を確実にするために、パッケージ540に圧力が加えられてもよい。
図35〜図42は、本発明のパッケージのための他の実施例を示す。この実施例では、その中に形成された裏面空洞を有するダイ520の代わりに、平坦な薄いウエハを有するダイ520’が示される。本実施例において、ドレインのための外部リードは2つの部分、すなわち、ドレイン・スタブ600および端子602を有する。ドレイン・スタブ600は内部部分を有し、それは、はんだプレフォーム604のような導電材料を用いて物理的に接合されるダイ520’の裏面上の第2相互接続領域501(図28)と実質的に補足しあう。以下で述べるように、はんだまたははんだプレフォームは、金属領域を共に電気的かつ物理的に接続するが、導電性を有する有機的な接着剤、分配されたはんだ、導電性バンピング、共晶ボンディング、または他の既知の接合方法のような他の接合方法も用いることができることに注目すべきである。
図36に戻り、ソース・リード606は、先行実施例と実質的に類似しており、ダイ520’の前面を受け取るためのペデスタル608を含む。絶縁材610は、ペデスタル608の近くのソース・リード606上に形成される。パッケージの一実施例では、絶縁材610は、ソース・リード606の上部表面上に形成された1またはそれ以上の領域を含む。例えば、絶縁材610は、ペデスタル608を囲むリング形の領域を含み、そこでは、絶縁材610の上部表面がペデスタル608の上部表面とほぼ同一平面である。絶縁材610は、セラミックス、ポリマー、ポリイミド、酸化ベリリウム、アルミニウム窒化物、ガラス、石英のような非導電材料タイプを含む。絶縁材610は、射出成形、接着剤によって、または、(絶縁材610の底面上の金属層への)はんだのような金属接続によってソース・リード606に接合される。ゲート・リード612の内側終端は、(例えば、はんだ、ワイヤ・ボンド、リボンボンド、溶接、バンピング、導電性接着剤、共晶ボンド等の方法で)絶縁材610の上部表面上の金属化層614に電気的に接続される。同様に、ドレイン・リード602の内側終端は、上述のような接合方法を用いて、絶縁材610の外部部分上の金属化された領域へ搭載される。ドレイン・リード602の上部の内側終端ははんだ616を含む。以下で明らかになるが、はんだ616は、ドレイン・スタブ600との電気接続を形成するために使用される。さらに、はんだプレフォーム618が提供される。はんだプレフォーム618は、一般に、ダイ520’の前面上部中央にある金属化または第1電極相互接続領域521(図27)に対応する。はんだプレフォーム620は、一般に、ダイの前面の金属化または相互接続522(図27)に対応する。
ここでは、絶縁材610の2以上の領域を含む代替バージョンについて述べるが、絶縁材610はリング形状であることに限定されない。絶縁材610の第1領域は、ペデスタル608に隣接して形成されるが、これを囲まない。絶縁材610の第1領域の上部表面は、ペデスタル608の上部表面とほぼ同一平面である。ダイの一部分は、第1領域の上部表面上の金属相互接続に重なり、かつ接続されるであろう。第2領域の絶縁材610は、ソース・リード606の上面周辺上に形成されたリングを含む。ゲート・リード612およびドレイン・リード602は、第2領域に接合される。他の装置を搭載する分離リング材料610の第3または第4領域は、適合するネットワークを追加し、または装置を搭載するために(第2領域にあるリングの開口内の)ソース・リード606の上部表面上に形成され、それはパッケージの内部になるであろう。装置は、ダイで回路を形成するために相互接続されるであろう。
図37に戻り、図35のサブアセンブリは、図37に示されるような方向に部材を組み合わせることによってパッケージ・ベースに接合される。このような方法で、ダイ520’のトランジスタ・セルのソースは、ダイに外部接続を提供するソース・リード606により並列に共に結合される。(ダイの)ドレインの金属化または相互接続501への接続は、ドレイン・スタブ600およびリード602によって形成される。ゲート相互接続領域522への電気接続は、ゲート・リード612および金属化層614によって提供される。最後に、蓋622が、ダイ520’に気密シールを提供するために、図38で示されるような絶縁材610の周囲でパッケージの上部に取り付けられる。蓋622は、セラミックまたはポリマーのような非導電材料を含む。エポキシ樹脂または接着剤が、蓋622を固定するために使用される。パッケージの実施例では、蓋622はリード602,612の周囲に適合するように形成される。互換的に、グロップ・トップ(glop top)または非導電性のカプセル封止を、外的環境からダイを封止するために使用することもできる。
パッケージの上記の例は3つのリードで図示されているが、本発明は4つ以上のリードについても考慮していることに注目されたい。例えば、マルチプル・ゲート・リードは、プラットフォームに隣接する非導電性メンバ上の多様なポイントに結合することができる。さらに、非導電性メンバ上のコンダクタは、その他のリード、または回路類、または部材にもまた接続することができる。
図39および図40は、本発明のある側面を要約するための助けとなる。RFパワー半導体装置900は、多数の網目状に接続されたトランジスタ・セル802a,802b等を含む。セル802のそれぞれは、ソース806を囲む環状ゲート領域804を含む。制御信号は、導電性金属化層812をその上に有する絶縁リング910に接合されるゲート・リード808に付与される電気信号によって、セル802のゲート804に付与される。層812は、はんだ814を通って、半導体ダイ818の表面上の環状ゲート相互接続816に接続される。制御信号は、ゲート通路822を通ってゲート相互接続816から内部へ供給される。おそらく図40で最も良く示されるように、トランジスタ・セル802の全てのゲート804は共に並列に接続される。ゲート相互接続816からの信号フローは、トランジスタ・セル802のゲート領域804に接続される通路822を放射状に内方へ通る。ゲート通路は、ソース金属化層またはソース相互接続826(図27の521)から電気的にゲート通路を分離する絶縁層824で覆われる。
動作において、ゲート・リード808上の適切な信号は、ゲート領域の真下のチャネルを導電性にする。その結果、電流は、(通常は接地に接続された)ソース・リード827からドレイン・リード828へ流れる。特に、電流フローは、ソース・リード827からソース相互接続826を通ってソース領域806に流れ、その後、ゲート電極の真下のチャネル領域を通り、さらにドレイン相互接続819を通って、ドレイン・リード828から外に出る。
誘電性プラットフォーム930および接地遮断板832は、図39で示される。誘電性プラットフォーム930および接地遮断板832の構造および機能については、以上に詳細に述べられた。
熱の考察
LDMOS、それは今日、RF増幅に最も広く使用されている先行技術の電力用トランジスタの一タイプであるが、ヒートシンクを通って、電気的なソース接触でもある装置の底面から熱を引き出す。n型およびp型にドープした領域下の大量の熱は、エピタキシャルおよびバルク・シリコン層を通して輸送しなければならないので、本発明の好適な実施例におけるように、熱の放散は、熱エネルギーがソース接触を通って装置の上面から引き出される場合ほど効率的ではない。本発明では、装置を垂直に配置することにより、図41で示されるように、熱はダイの上面のオーム接触711〜715を通って主に放散される。これらのオーム接触は、金属825(図39)に対応し、ダイのシリコンと接触する、より大きな水平ソース相互接続826からバイアを通って下方へ延びる。
図41の中心にあるオーム接触715および近接するオーム接触711〜714は、各トランジスタ・セルのサイズの約4分の1に該当する。ソース領域716およびゲート相互接続717もまた概略的に図示される。本発明のこの実施例では、各トランジスタ・セルがそれぞれ等しい幅および高さであり、ほぼ正方形である(上述のように、好適な実施例では、ソースは8つのサイドを有する)。一実施例において、一つのトランジスタ・セルのオーム接触は、約1.8ミクロン×1.8ミクロン平方である。
図41の正方形のセル配置は、ほとんどのアプリケーションに適応可能であるが、要望がある場合は、例えば図42に示すように改良を行なうことが可能である。図42は図41に類似であるが、各トランジスタ・セルの寸法は、正方形の代わりに長方形であり、ソースのオーム接触領域を最大限にする。一実施例において、単一のトランジスタ・セルのオーム接触720の寸法は、6.0ミクロン×1.8ミクロンである。正方形のトランジスタ・セルと比較して、6.0ミクロン×1.8ミクロンのオーム接触を有する長方形のトランジスタ・セルは、3.33倍だけソースのオーム接触領域を増加させる。より大きなソース接触面積は、半導体ダイの熱された活性領域から、ソースのより冷たい金属接触への熱輸送のためのより広い領域を提供することにより、各トランジスタ・セルの熱伝導率を著しく改善する。さらに、熱ベクトルは、その中心に比例してオーム接触720の境界726の周囲に集まる傾向がある。したがって、ソースのオーム接触の中心からの熱は、境界の近くで生成された熱よりも、除去するのに時間がかかる。オーム接触を取り巻く周囲(より大きな接触面積)を拡張することによって、熱が各トランジスタ・セルからソース接触金属を通って除去される速度が増加する。さらに、トランジスタ・セル・アレイは、トランジスタ・セル間の均等なスペーシングを伴う網目状のセル配置を有し、それによって、熱を放散するトランジスタ・セルは、隣接したセルからの熱ベクトルとの構造的な重ね合わせによって引き起こされる過度のホット・スポットの生成を防止する。
正方形のオーム接触から長方形のオーム接触への寸法の変化は、装置の電流密度と熱特性との妥協による。電流密度にいくらかの犠牲が生じる一方で、それ以上の熱放散の利益が生じ、その損失を補填する。例えば、本実施例の1例として、正方形のセルを長方形のセル配置に変更することにより、電流密度において13%の損失が生じたが、熱放散のために40%以上の利益が達成された。本発明は、より高い熱放散によって出力においてより高い電力を提供することができ、また、このような熱放散における高い利益に対して電流密度における損失は比較的小さく、これは良い妥協である。
図43は他の可能な改良を図示しており、ダイ730の全活性領域728のレイアウト自体が、長さ/幅の比率が大きい、好ましくは10:1を越える長方形に引き伸ばされる。誘電性プラットフォーム733は活性領域を囲み、また、ゲート電極相互接続734は置き換えられ、活性領域728と平行になる。適切な通路(図示せず)は、活性領域728内でゲート相互接続734をゲートに結合する。活性領域のドレインへの接続は、任意の適切な方法、例えばここで前述したような方法で行なうことができる。ソース金属化層732は、活性領域を覆い、前述の方法でセルのソースへの接続を形成する。
活性領域728の細長い形状は、それが活性領域の周囲に増加した境界領域を提供するので、装置からの熱の効率的な除去を助長する。換言すれば、活性領域728の中央のセル内で生成された熱を、例えば、図1に示すような活性領域が正方形類似の形状に近い場合よりも効率的に逃がすことができる。本実施例の1つの側面は、活性領域728が、何十万ものトランジスタ・セルを含むことができる単一の活性領域を有し、各トランジスタ・セルが相当量の熱を生成することである。活性領域の縦横比は、各トランジスタ・セルからの構造的な熱エネルギーによる「ホット・スポット」の増強を防止するために選択され、それによって、装置の効率および信頼性が高くなる。
さらなる改良が、図44〜図46に示される。活性領域の単一領域内に全てのトランジスタ・セルを配置する代わりに、活性領域の個別の分離バンク740が共に接続され、その結果、分離バンク740からのトランジスタ・セルは並列であり、単一の活性領域と均等の機能を達成する。本実施例の一例において、厚さ1ミクロンの厚いフィールド酸化層741(図45,46)は、216ミクロンの中心から中心の間隔を空けて構築された個々の活性領域バンク740を分離する。本実施例では、各バンク740は、1バンク当たり8×21の合計168セルのトランジスタ・セルを含む。各バンク740の長さは600ミクロンであり、幅は160ミクロンである。バス接続(図示せず)が、活性領域のバンクが出力での発振を防ぐために互いに同一電位を保持することを保証するために提供されてもよい。並列に接続されたとき、ゲート接続742は、典型的には上部にはんだバンプを有し、単一ゲートとして機能する。金属層744は各バンク740上に重なり、そこに形成されたトランジスタ・セルのソースへの接続を形成する。一実施例において、分離バンク740の各金属層744はバンプされ、ソース・パッケージ・リードに接続される。ゲート接続742は、誘電性プラットフォーム746に重なり、寄生容量を減少させる。誘電性プラットフォーム746は、各バンク内のトランジスタ・セル内でプレーナ降伏を引き起こすために分離バンク740の各バンクを囲む。
比較的大きな距離(例えば216ミクロン)によってバンクのグループが分散するという本実施例(「分散セル(spread-cell)」アプローチとも称される)における熱的な利点は重要である。ダイのエピタキシャル層に存在する熱源は、n型およびp型にドープした領域の下のウェルである。熱エネルギーは、典型的にはバンク740の上にアルミニウム、チタン、チタン窒化物、および金の複数の層を含むソース接触を通って放散される。熱ベクトルがソース接触の方へ上向くと、それらは、約45度の角度で活性領域の表面に広がり、終了する傾向がある。各バンク間を分離する大きな距離は、単一の領域内でトランジスタ・セルをクラスタ化するために熱エネルギーの構造的な重ね合わせによる過度のホット・スポットを生成することなく、効率的に熱を放散させることができる。単一の活性領域内に全てのトランジスタ・セルを有する同等の装置と比較したとき、100ワットのトランジスタに対する「分散セル」アプローチによる熱のシミュレーションでは、熱効率が40%改善された。
少なくとも1つの典型的な実施例が前述の詳細な記述において示されたが、多数の変更が存在することが理解されるべきである。さらに、典型的な実施例は単に例示目的であり、発明の範囲、適用性、または形状を制限することを意図するものではないことが理解されるべきである。より正確に言えば、前述の詳細な記述は、当業者が典型的な実施例を実行するための便利なロードマップを提供するであろう。請求項に記載された本発明の範囲およびそれと法的に均等である範囲から逸脱することなく、要素の機能および配列について多様な変更を行なうことができることが理解されるべきである。