JP4473638B2 - 感温吸水伸長繊維 - Google Patents

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本発明は感温吸水伸長繊維からなる衣服に関するものである。さらに詳細には特定の温度を境にして吸水伸長率が変化する感温吸水伸長繊維からなる衣服に関するものである。
高度な機能発現が期待できるインテリジェント繊維の開発が次世代の繊維材料として望まれている。インテリジェント繊維とは、外的な環境刺激を感知し、物理的な刺激に反応するセンサー機能と、その変化に応じて自らの状態を判断し処理をするプロセッサー機能と、それに応答して行動するアクチュエーター機能を発現する繊維素材をいう。このようなインテリジェント繊維の研究開発は今まさに端緒についたばかりであるが、その先駆けとして、このようなインテリジェント繊維の研究開発は今まさに端緒についたばかりであるが、その先駆けとして、感湿形状変化繊維の提案がなされており、その一例として湿度や乾燥によって捲縮率が可逆的に変化するポリエステル成分とナイロン成分とからなるサイドバイサイド型複合繊維が知られている。該複合繊維には吸湿によって捲縮率が増大するタイプと乾燥によって捲縮率が増大するタイプとがあり、これらの複合繊維からなるウエブはそれぞれ吸湿や乾燥によって嵩高性が増加する機能を有する(特許文献1、特許文献2)。また、湿度の変化に従って捲縮率が可逆的に変化し、衣服内気候を調節するとともに、表面形態の変化が得られるジアセテート成分とトリアセテート成分とからなるサイドバイサイド型セルロースアセテート複合繊維が提案されている(特許文献3)。
これに対して我々は、吸放湿や吸放水することによって繊維長が可逆的に伸長収縮し、その繊維長の伸長収縮変化に応じて織編物の空隙率が可逆的に変化し、その結果として織編物の通気性が変化し、従来にない快適機能を発現することができる自己調節機能をもつポリエーテルエステル繊維を先に提案した(特願2003−175788、特願2003−329584)。
しかしながら、かかる繊維からなる製品の取り扱いについて我々が検討したところ、布帛の精錬、染色、乾燥、熱セットなどの条件や、衣服として用いた際の洗濯後の乾燥条件によっては、布帛や衣服が傷むといった現象があることがわかった。
特公昭63−44843号公報 特公昭63−44844号公報 特開2002−180323号公報
本発明の目的は、衣服として着用した際には、吸水・吸湿により繊維が伸長して衣服内の湿度を逃がすため快適性に優れており、布帛・衣服の製造工程における精錬、染色、乾燥、熱セットなどや、衣服の日常的な洗濯や乾燥などで、傷みが発生しにくい感温吸水伸長繊維からなる衣服を提供することにある。
本発明者らは、着用時のような低い温度では高い吸水伸長性を有し、衣服の乾燥を行うような高い温度では吸水伸長性が低下する繊維で、その吸湿伸長率変化が比較的大きく起こる繊維では、着用時の快適性を維持したまま、しかも乾燥時における速乾性に優れ、かつ高温の精錬、染色、乾燥、熱セットなどの温度では繊維の吸水伸長(膨潤)が抑制されるため、布帛や衣服の傷みを抑えることが可能であることを見出した。
かくして、本発明によれば、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、オキシエチレン単位を含みかつ曇点が5〜90℃の範囲であるポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなり、且つ90℃以下に吸水伸長率が変化する温度(変化温度(℃))が存在し、下記式を満足することを特徴とする感温吸水伸長繊維からなる衣服が提案される。
[{(変化温度(℃)−2℃)における吸水伸長率(%)}−{(変化温度(℃)+2℃
)における吸水伸長率(%)}]×100/{(変化温度(℃)−2℃)における吸水伸長率(%)}≧5%
本発明の感温吸水伸長繊維からなる衣服からは、着用時においては、吸湿や吸水で繊維が伸長し、布帛の目が開いて衣服内の湿度を逃がす、快適素材を得ることができる。また、上記の感温吸水伸長繊維からなる布帛や衣服は、その製造工程における精錬、染色、乾燥、熱セットなどや、日常の洗濯、乾燥などでも傷みにくく、極めて実用的なものである。また、本発明の感温吸湿伸長繊維では、上記の製造条件や使用条件を想定し、変化温度を任意に設定でき、幅広い用途に応用できるといった効果も奏するものである。
本発明の衣服を構成する感温吸水伸長繊維は、90℃以下に吸水伸長率が変化する温度(変化温度(℃))が存在し、下記式で表される変化率が5%以上であることが肝要である。変化率(%)=[{(変化温度(℃)−2℃)における吸水伸長率(%)}−{(変化温度(℃)+2℃)における吸水伸長率(%)}]×100/{(変化温度(℃)−2℃)における吸水伸長率(%)}
この変化率が5%未満では、変化温度より高温側での吸水伸長率が十分に低くならず、繊維が伸長(膨潤)した状態で、染色、精練、熱セットや、あるいは水をかなり含んだ状態で乾燥に供されるため、繊維や布帛の傷みが発生しやすくなる。また、一方でこの変化率が大きいほど、変化温度より低温側では着用時の吸水伸長率が大きいことを示しており、これを用いた布帛は発汗により織物の目が大きく開いて、湿度を外に逃がし、快適性に優れている。このため、変化率は50%以上が好ましく、より好ましくは70%以上である。また、低温側での吸水伸長率が大きすぎても取り扱い性が低下する傾向にあり、変化率は、200%以下が好ましく、より好ましくは150%である。
本発明においては、繊維や布帛の傷みの発生を抑制する上で、(変化温度(℃)+2℃)における吸水伸長率(%)は、10%以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。
また、本発明においては、変化温度は、繊維や布帛、衣服などに施される、染色、精練、熱セット、乾燥などはもとより、機能や風合いを付与する加工などの温度などを考慮し、任意に設定することができる。このため、変化温度をあまり高く設計すると、上記処理を行う高温側でも繊維が水を含み伸長(膨潤)したままで、繊維や布帛が傷みやすくなる。したがって、変化温度は90℃以下に設定するのが適当である。
なお、本発明でいう吸水伸長率は、次の方法で測定した値である。繊維を沸水中で無緊張下に30分間処理した後、20℃65%RHの雰囲気下に24時間風乾する。次いで、該繊維を160℃雰囲気下、無緊張状態で2分間、非接触の乾熱処理を施す。該繊維を20℃65%RHの雰囲気下に24時間放置後、繊維に8.83μN/dtex(1mg/de)の荷重を掛けた状態で繊維の長さを測定する。この繊維の長さを「乾燥時の繊維長さ」とする。その後、この繊維を所定温度に調節された軟化水中に1分間浸漬する。しかる後、該繊維を水中から引き出して繊維に付着したフリーな水分を拭き取る。拭き取り終了時点から10秒後に繊維に8.83μN/dtex(1mg/de)の荷重を掛けて繊維の長を測定する。この繊維の長さを「吸水時の繊維長さ」とする。吸水伸長率は下記の式によって計算される。
吸水伸長率(%)=(吸水時の繊維長さ−乾燥時の繊維長さ)×100/乾燥時の繊維長さ
上記感温吸水伸長繊維の好ましい態様としては、オキシエチレン単位を含みかつ曇点が5〜90℃であるポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするエラストマーからなる感温吸水伸長繊維をあげることができる。ここで言う曇点はポリアルキレングリコール濃度1重量の水溶液で測定したものである。この曇点が上記した吸水伸長率が変化する温度(変化温度)に相当するものである。
かかるオキシエチレン単位を含みかつ曇点が5℃〜90℃であるポリアルキレングリコールは、オキシエチレン単位を必須単位とし、他のオキシアルキレン単位、たとえばオキシプロピレン単位やオキシブチレン単位がランダム共重合および/またはポリオキシエチレン単位に他のポリオキシアルキレングリコール単位、たとえばポリオキシプロピレン単位やポリオキシテトラメチレン単位がブロック共重合されたポリアルキレングリコールである。オキシエチレン単位以外のオキシアルキレン単位をランダム共重合したり、ポリオキシエチレン単位に他のポリオキシアルキレングリコール単位をブロック共重合することによって5〜90℃の範囲で所望の曇点が得られ、変化温度をコントロールすることができる。
該ポリアルキレングリコ−ルの分子量は、400〜6000、特に600〜4000のものが好ましい。分子量が400未満になるとソフトセグメントとしての効果が小さくなるため、感温吸水伸長繊維の弾性および弾性回復性が不充分となり、吸水伸長率が劣ったものになる傾向がある。逆に6000を超えるとハ−ドセグメントとの共重合が完全に行われず、一部のものが未反応物として残存し、紡糸延伸時に未反応物が析出したり、感温吸水伸長繊維の弾性および弾性回復性が不充分となり、吸水伸長率が劣ったものになる傾向がある。
上記したオキシエチレン単位を含みかつ曇点が5〜90℃であるポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするエラストマーはポリエーテルエステル系であることが必要である。
上記ポリアルキレングリコールの好ましい具体例としては、商品名「ニューポールPE−61」(曇点24℃)、商品名「ニューポールPE−62」(曇点30℃)、商品名「ニューポールPE−64」(曇点59℃)、商品名「ニューポールPE−71」(曇点20℃)、商品名「ニューポールPE−74」(曇点56℃)、商品名[ニューポールPE−75](曇点69℃)、商品名「サンニックスPL−100」(曇点40℃、ブロックジオール)、商品名[ニューポールMAP−4000](曇点75℃、ランダムジオール)(いずれも三洋化成工業(株)製)などをあげることができる。
かかるポリエーテルエステルエラストマーとしては芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、上記ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするものが好ましい。
ここで言う芳香族ポリエステルとはテレフタル酸を主たる二官能性カルボン酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールから選ばれる少なくとも1種のアルキレングリコールをグリコール成分とするポリエステルを主たる対象とする。
また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置換えたポリエステルであってもよく、及び/またはグリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコール若しくは他のジオール成分で置換えたポリエステルであってもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β―ヒドロキシエトキシ安息香酸、p―オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。
また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン―1,4―ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSの如き脂肪族、脂環族、芳香族ジオール化合物等をあげることができる。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲でトリメリット酸、ピロメリット酸の如きポリカルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如きポリオールを使用することができる。
かかるハードセグメントを構成する芳香族ポリエステルの具体例としては、感温吸水伸長繊維に、高い吸水伸長率を与えることができるでポリブチレンテレフタレートをあげることができる。
上記ポリエーテルエステルエラストマーのハードセグメント:ソフトセグメントの重量比率は、70:30〜30:70の範囲にあることが好ましく、より好ましくは60:40〜40:60の範囲である。ハードセグメントの重量比率が70%を超えると、吸水伸長率が劣ったものになる傾向がある。また、ハードセグメントの重量比率が30%未満であると、芳香族ポリエステル結晶部の割合が低くなるため強度が低下する傾向にあるだけでなく、添加したポリオキシアルキレングリコールをすべて共重合させることが困難となり、精練・染色などの高次加工工程や、製品として使用される場合の洗濯堅牢性が劣ったものになりやすい。
上記ポリエーテルエステルエラストマーは、例えばテレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコールおよびポリオキシエチレングリコールを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させて、ビス(ω−ヒドロキシブチル)テレフタレートおよび/またはそのオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒および安定剤の存在下で高温減圧下にて溶融重縮合を行うことにより得ることができる。
ここで用いられるエステル交換触媒としては、ナトリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛、マンガン等の金属化合物を使用するのが好ましい。
重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合物、錫化合物を使用するのが好ましい。触媒の使用量は、エステル交換反応、重縮合反応を進行させるために必要な量であるならば特に限定されるものではなく、また、複数の触媒を併用することも可能である。
また、上記ポリエーテルエステルエラストマーを製造するにあたって、安定剤として従来公知のヒンダードフェノール系酸化防止剤やヒンダードアミン系光安定剤を添加することは、吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維の使用時における熱劣化、酸化劣化、光劣化等を抑制する効果があるだけでなく、溶融紡糸時のポリマーの固有粘度の低下をも抑制する効果があるのでむしろ好ましいことである。
このようにして得られたポリエーテルエステルエラストマーを繊維にするには、たとえば、ポリエーテルエステルエラストマーを溶融して紡糸口金から吐出して巻き取った後、必要に応じて延伸や熱処理を施す方法などによって製造される。紡出される繊維は中空部を有しない中実繊維であっても、中空部を有する中空繊維であってもよい。また、紡出される繊維の横断面における外形や中空部の形状は円形であっても異形であってもよい。
本発明の感温吸水伸長繊維には必要に応じて任意の添加剤、たとえば着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、艶消剤、着色剤、無機微粒子等が含まれていてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
ポリマー濃度0.6g/ミリリットルでオルソクロロフェノール溶媒中、35℃で測定
した粘度より算出した。
(2)吸水伸長率
繊維を沸水中で無緊張下に30分間処理した後、20℃65%RHの雰囲気下に24時間風乾する。次いで、該繊維を160℃雰囲気下、無緊張状態で2分間、非接触の乾熱処理を施す。該繊維を20℃65%RHの雰囲気下に24時間放置後、繊維に8.83μN/dtex(1mg/de)の荷重を掛けた状態で繊維の長さを測定する。この繊維の長さを「乾燥時の繊維長さ」とする。その後、この繊維を所定温度に調節された軟化水中に1分間浸漬する。しかる後、該繊維を水中から引き出して繊維に付着したフリーな水分を拭き取る。拭き取り終了時点から10秒後に繊維に8.83μN/dtex(1mg/de)の荷重を掛けて繊維の長さを測定する。この繊維の長さを「吸水時の繊維長さ」とする。吸水伸長率は下記の式によって計算される。
吸水伸長率(%)=(吸水時の繊維長さ−乾燥時の繊維長さ)×100/乾燥時の繊維長

(3)染色・乾燥後の傷み
繊維を132g/mのニットとし、これをカラーペット染色機(サーキュラー染色機想定)を用いて、Kayalon Polyester Blue EBL−E(日本化薬(株)製)により、2%owf、110℃、1時間の条件で染色した後、流水中で十分に水洗し、次いで20℃、24時間乾燥した。染色、乾燥後のニットを顕微鏡で確認し、毛羽や繊維表面の擦れ傷の少ないものを良好、これらが多いものを不良とした。
(4)洗濯、乾燥後の傷み
繊維を132g/mのニットとし、これを洗濯機で水温20℃、1時間洗濯し、タンブラー型乾燥機で、80℃、2時間乾燥した。洗濯、乾燥後のニットを顕微鏡で確認し、毛羽や繊維表面の擦れ傷の少ないものを良好、これらが多いものを不良とした。
(5)快適性
繊維を132g/mのニットとし、これを任意に選んだ5人のひじとひざにつけ、1日過ごしてもらい、ベタツキ感、ムレ感を評価した。ベタツキ感、ムレ感のないものを、良好、これらがあるものを不良とした。
[実施例1]
ジメチルテレフタレート100重量部、「ニューポールPE−74」(曇点56℃、三洋化成工業(株))113.4重量部、1,4−ブタンジオール65.0重量部(全酸成分の1.4モル倍)および触媒としてテトラブチルチタネート0.4重量部を反応槽に仕込み、内温200℃でエステル交換反応を行った。理論量の約80%のメタノールが留出した時点で0.4重量部を添加した後、昇温、減圧による重縮合反応を開始した。重縮合反応は約30分かけて30mmHgとし、さらに30分かけて3mmHgとし、以後1mmHgの真空下で内温250℃にて200分間反応を行い、その時点でヒンダードフェノール系酸化防止剤の1重量部とヒンダードアミン系光安定剤2重量部を添加し、その後さらに20分間1mmHg以下の真空下、250℃で20分間反応した。生成したポリエーテルエステルエラストマーの固有粘度は1.08であり、ポリブチレンテレフタレート(ハードセグメント)/ポリアルキレングリコール(ソフトセグメント)の重量比率は50/50であった。
得られたポリエーテルエステルエラストマーを230℃で溶融し、紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。この際、口金直下から9cmを保温した。この溶融ポリマーに口金下3mの位置で油剤を付与し、2個のゴデットロールを介して510m/分で捲取り、さらに750m/分(巻取ドラフト1.47)で巻き取って44デシテックス/1フィラメントのポリエーテルエステル繊維を得た。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、アルキレングリコールとして使用した「ニューポールPE−74」ポに代えて「ニューポールPE−61」(曇点24℃、三洋化成工業(株))を使用する以外は実施例1と同様に行い、固有粘度が1.11の弾性繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りである。
[実施例3]
実施例1において、アルキレングリコールとして使用した「ニューポールPE−74」に代えて「ニューポールPE−62」(曇点30℃、三洋化成工業(株))を使用する以外は実施例1と同様に行い、固有粘度が1.14の弾性繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りである。
[実施例4]
実施例1において、アルキレングリコールとして使用した「ニューポールPE−74」ポに代えて「ニューポールPE−64」(曇点59℃、三洋化成工業(株))を使用する以外は実施例1と同様に行い、固有粘度が1.10の弾性繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りである。
[実施例5]
実施例1において、アルキレングリコールとして使用した「ニューポールPE-74」に代えて「ニューポールPE−71」(曇点20℃、三洋化成工業(株))を使用する以外は実施例1と同様に行い、固有粘度が1.12の弾性繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りである。
[実施例6]
実施例1において、アルキレングリコールとして使用した「ニューポールPE−74」ポに代えて「ニューポールPE−75」(曇点69℃、三洋化成工業(株))を使用する以外は実施例1と同様に行い、固有粘度が1.09の弾性繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りである。
[実施例7]
実施例1において、アルキレングリコールとして使用した「ニューホ゜ールPE-74」ポに代えて「サンニックスPL−100」(曇点40℃、三洋化成工業(株))を使用する以外は実施例1と同様に行い、固有粘度が1.09の弾性繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りである。
[実施例8]
実施例1において、アルキレングリコールとして使用した「ニューポールPE−74」ポに代えて「ニューポールMAP−4000」(曇点75℃、三洋化成工業(株))を使用する以外は実施例1と同様に行い、固有粘度が1.07の弾性繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りである。
[比較例1]
ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを49.8重量部、ソフトセグメントとして分子量4000のポリオキシエチレングリコール(曇点100℃超)50.2重量部からなるポリエーテルエステルを使用して実施例1と同様にして溶融紡糸を行い、固有粘度が1.16のポリエーテルエステル繊維を得た。得られたポリエーテルエステル繊維の特性は表1に示した通りであり、感温形状変化の機能は発現しなかった。
Figure 0004473638
本発明の感温吸水伸長繊維からなる衣服からは、着用時においては、吸湿や吸水で繊維が伸長し、布帛の目が開いて衣服内の湿度を逃がす、快適素材を得ることができる。また、上記の感温吸水伸長繊維からなる布帛や衣服は、その製造工程における精錬、染色、乾燥、熱セットなどや、日常の洗濯、乾燥などでも傷みにくく、極めて実用的なものである。また、この際、上記布帛の製造・加工条件や使用条件を想定し、変化温度を任意に設計することで、取り扱い性や品質を著しく向上させることができる。このため、本発明の感温吸水伸長繊維からなる衣服はスポーツウェア、カジュアルウェア、下着、水着、ストッキング、靴下など幅広く応用することができ、その利用価値の極めて高いものである。

Claims (3)

  1. ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、オキシエチレン単位を含みかつ曇点が5〜90℃の範囲であるポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなり、且つ90℃以下に吸水伸長率が変化する温度(変化温度(℃))が存在し、下記式を満足することを特徴とする感温吸水伸長繊維からなる衣服
    [{(変化温度(℃)−2℃)における吸水伸長率(%)}−{(変化温度(℃)+2℃)における吸水伸長率(%)}]×100/{(変化温度(℃)−2℃)における吸水伸長率(%)}≧5%
  2. (変化温度(℃)+2℃)における吸水伸長率(%)が10%以下である請求項1記載の感温吸水伸長繊維からなる衣服
  3. 感温吸水伸長繊維が、ハードセグメント:ソフトセグメントの比率が、重量を基準として30:70〜70:30の範囲である請求項1または2記載の感温吸水伸長繊維からなる衣服
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