JP4472274B2 - 信号伝送システム及びそれに用いる集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号伝送を伴うシステムや集積回路に係り、特に汎用プロセッサ、信号処理プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、画像処理プロセッサ、半導体メモリ、メモリモジュール等、及びそれらをプリント基板やケーブル等で接続したコンピュータシステム、携帯機器システム、民生用エレクトロニクスシステム等への応用が可能な信号伝送システムおよび集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に多くのシステムでは、処理を行う対象となるデータ、各種制御入力、各種制御出力など、システムを構成している各部品間ないし各機器間で信号の受け渡しが必要となる。特に、このような信号の受け渡し時間がシステムの性能に大きく影響を与える場合には、高速に信号の伝送を行うことがシステム性能を向上させることになるため望ましい。
【0003】
上記のような信号の受け渡しは伝送路を通して行われるが、このような伝送路を介して高速に信号を受け渡す方法として、特許文献1では、半導体集積回路において、プリント配線板の製造ばらつきが生じても信号の伝送歪みを小さくするために、信号送出器の出力インピーダンスを伝送路の特性インピーダンスに整合させる技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、伝送路の途中において波形整形が不要であり、伝送路の特性インピーダンスに信号送出器、受取器の終端インピーダンスを整合させる技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−127614号公報
【特許文献2】
特開2001−320350号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
信号の受け渡しを行う経路は、伝送路と考えることができる。特に、2値ディジタル信号の受け渡しでは、信号送出器で“0”または“1”のレベルに対応した矩形波(パルス)を送信し、これを伝送路を介して信号受取器で受信した後、その結果を“0”または“1”のレベルとして認識するのが一般的である。このような信号受取器でのディジタルレベルの認識を容易にするには、信号送出器から送信された矩形波が、信号受取器でも可能な限り矩形波として受信されることが望ましい。しかしながら実際には、信号受取器での受信波形は信号送出器から送信された波形から歪んでしまうという問題が生じる。このような問題の主たる原因の一つに、信号の反射による波形の歪みが挙げられる。
【0007】
以下、信号の反射による波形の歪みについて説明する。
図2(a)は、特性インピーダンスが均一な伝送路を、信号送出器と信号受取器の間に配置し、この伝送路上で信号を受け渡す場合を示している。今、信号振幅Vinの信号を送信する送出器TXと信号受取器RXのそれぞれの終端204,205のインピーダンスZ0,Z2が伝送路203の特性インピーダンスZ1に一致していない場合を考える。
まず信号送出器TXが信号を送出すると、信号送出器の出力端207の振幅電圧V0は、V0=Z1×Vin/(Z0+Z1)… (1)、で与えられる関係式で求められ、この振幅電圧V0の波が伝送路203に挿入される。これが伝送路中を伝播し信号受取器RXに到達する。
【0008】
信号受取器に信号が到達すると、信号受取器の入力端208ではインピーダンスの不一致が存在するため、その不一致の程度に従い信号の反射が生じる。伝送路のインピーダンスZ1と終端205のインピーダンスZ2とのインピーダンスの不一致点で生じる反射の大きさ(振幅比率)をR12とすると、R12=(Z2−Z1)/(Z2+Z1)… (2)、で示される関係式で計算することができる。
【0009】
更に、信号受取器RXで反射した信号は、R12×V0で与えられる振幅Vr1を持って、伝送路203上を信号送出器の方向に向かって(上記とは逆方向に向かって)伝播し、信号送出器TXに戻ってくる。この時、やはりインピーダンスZ1とZ0の不一致が存在するため信号の反射が生じる。この反射の振幅比率をR10とすると、R10=(Z0−Z1)/(Z0+Z1)… (3)、で示される関係式により計算することができる。従って、再びこの反射した信号は、R10×Vr1で与えられる振幅Vr2を持って信号受取器RXの方向に向かって伝播し、以降、同様の現象が繰返されることになる。
【0010】
上記のような反射による信号の往来は、ある時刻において、伝送路上に複数の信号が重なって存在することを意味する。すなわち、信号送出器から送出された信号は、それより以前に送出された別の信号の反射波と互いに重なりあうこととなる。このような複数の信号波の重なりは、前述したディジタル信号の受け渡しにおける信号受取器でのレベル認識(“0”か“1”かの判定)を困難にする。このような信号レベルの認識における困難は、以下のような例において説明される。
【0011】
まず、信号送出器、信号受取器の間で“1”の信号レベルを受け渡す場合を考える。この時、それ以前に“0”の信号が送信されたものとする。この場合、上記“0”の信号の反射波が時間遅れで伝送路上に存在しており、本来送受信を行うべく意図された“1”の信号レベルに対して、“0”の信号レベルがある比率で重なりあうこととなる。従って、“1”と“0”の信号レベルとが一部相殺するために信号受取器では、信号の受信レベルが単一の理想的な“1”の信号だけの場合と比較して、その振幅が減少してしまうこととなる。
【0012】
一般に、信号受取器はある電圧レベルを検知してディジタル信号の論理レベルである“0”または“1”を判定するが、そのレベル判定に必要な最低振幅が存在するのが通常である。このように信号受取器において最低振幅が規定されてしまうのは、伝送路上で外界からの影響により信号に重畳されるノイズ、信号送出器と信号受取器での電圧検知レベルの基準となる接地電位のずれを引き起こすノイズや、信号受取器の回路で用いるトランジスタの特性ばらつきなどの理由に起因する。
【0013】
上記のごとく信号受取器において受取る信号の振幅が減少してしまうと、信号受取器が検知できる最低振幅より下回ることとなり、正常にディジタル論理のレベルを検知できないこととなる。さらに、伝送路上に反射波が複数存在する場合には、信号受取器で受取る信号も複数の波の重畳されたものとなり、上記ディジタル論理のレベル検知は一層困難となる。なお、以上に示した例は、いわゆる2値のディジタル値を例に示したものであるが、これが3値、4値など2値よりも大きいレベル数の信号の受け渡しであっても、信号波形が反射により歪む問題が生じると、上記同様に振幅減少によって論理レベルを誤って検知してしまう問題が生じるのは言うまでもない。
【0014】
このような信号反射による問題を解決するためには、信号送出器と信号受取器での信号の反射が生じないようにすればよい。そのためには、信号送出器と信号受取器での終端インピーダンスを伝送路の特性インピーダンスに一致させれば、信号伝送システム内における信号の反射を抑制することができる。
【0015】
しかしながら、このような反射の抑制が可能であるのは、伝送路の特性インピーダンスが均一な場合に限られるという問題がある。仮に信号送出器及び信号受取器における終端インピーダンスと伝送路の特性インピーダンスとが一致していても、伝送路中にインピーダンスの不一致が存在する場所があれば、その点において反射が生じることとなる。
【0016】
図2(b)は、特性インピーダンスが均一でない伝送路を、信号送出器と信号受取器の間に配置し、この伝送路上で信号を受け渡す場合を示している。信号送出器側のインピーダンスZ1の伝送路212と、信号受取器側のインピーダンスZ2の伝送路214とが、インピーダンスの不一致を生じる点213では、(Z2−Z1)/(Z2+Z1)で与えられる振幅比率R12の反射が生じる。すなわち、伝送路が不均一な特性インピーダンス構造を有していると、前述した従来技術のように信号送出器や信号受取器と伝送路との間においてインピーダンスを整合させて、インピーダンスが一致していたとしても、信号の反射を抑制することはできなくなる。
【0017】
ここで、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路とは、その伝送路中の経路にそって、その特性インピーダンスが実質的に均一でなく変化するものを指している。このような不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路の例としては、複数の配線層を有するプリント基板において異なる層の配線を接続して形成された伝送路が挙げられる。プリント基板における配線の特性インピーダンスは、同一幅の配線であっても、それが所謂ストリップ型伝送路であるかマイクロストリップ型伝送路であるかにより変化する。例えば、プリント基板における配線は、通常最上層はマイクロストリップ型伝送路であり、内層はストリップ型伝送路である。また、仮に同じ型の伝送路であっても隣接する配線との間の絶縁層の厚みが異なる場合(例えば、複数の内層配線が存在しており、絶縁層の厚みが異なる場合)には、やはりその特性インピーダンスが異なる。
【0018】
また、不均一な特性インピーダンスを有する伝送路の別の例としては、図3(a)に示すように、プリント基板300における同一の層の配線であっても、その配線が布設される状況が伝送経路において変化する場合が挙げられる。これは、信号配線301の途中において、一定の長さに渡りグランド面や電源面302が隣接配置されている箇所304と隣接配置されていない箇所303,305とが存在する場合が相当する。上記電源面やグランド面が隣接配置されている場合の特性インピーダンスは、それら隣接配置されていない場合の特性インピーダンスと異なるからである。図3(b)に示すように、プリント基板300上で配線の上空や近傍を、半導体、ディスクリート部品、システムを構成する各種部品などが占有しているといった場合にも、同様に配線の特性インピーダンスの変化を引き起こすことになる。例えば、配線の途中において、一定の長さに渡り半導体部品307が信号配線306の上面に配置されている場合に、部品の配置されていない配線部分308,310の特性インピーダンスは、上記部品が配置されていない配線部分309の特性インピーダンスと異なる。部品が上面に配置される場合に限らず、隣接して配置される場合でも同様に特性インピーダンスの変化が生じる。
【0019】
また、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路のさらなる別の例としては、複数の異なるプリント基板(第1のプリント基板と第2のプリント基板)を互いにコネクタで接続した場合が挙げられる。このようなコネクタ接続される複数のプリント基板としては、システム本来の機能を実現するマザーボードに対して、付加的な機能を与える所謂ドータボードを接続する場合等が相当する。一般に、異なる仕様で製造されたプリント基板における配線は、各々の材質や製造条件が異なるために配線の特性インピーダンスが異なることとなる。
【0020】
さらに、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路のまた別の例としては、プリント基板における配線と配線ケーブルを互いにコネクタ接続した場合が挙げられる。一般に、プリント基板と配線ケーブルとは材質や構造などが異なることが多く、その場合、互いの特性インピーダンスも異なることとなり、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路となる。
【0021】
またさらに、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路の別の例としては、異なる2つの配線ケーブル(第1の配線ケーブルと第2の配線ケーブル)を互いにコネクタ接続した場合が挙げられる。2つの配線ケーブルが異なる仕様に基づいて製造された場合には、第1の配線ケーブルと第2の配線ケーブルの特性インピーダンスも異なり得る。また,配線ケーブルが同一の仕様であっても、コネクタ中における伝送路部分が一定の距離を占める場合には、その部分のインピーダンスは配線ケーブルの特性インピーダンスと異なる。
【0022】
以上に、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路の幾つかの例を示した。なお、これまでに述べてきた伝送路としては、単一の経路の伝送路であってもよいし、2つの逆層信号を伝える2本(ペア)の経路の伝送路であっても構わない。
【0023】
さてここで、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路により反射が生じ信号波形の歪みが存在する状況において、予め製造された集積回路で実現される信号送出器や信号受取器を用いて信号伝送を行うことを考える。この場合、正しく信号伝送を行うことは特に困難となる。何故なら、システムにおける伝送路の特性インピーダンス構造は、それが用いられる機器ごとに異なるものであるから、予め製造された集積回路は、それが利用される環境を固定した上で最適な回路とすることができないためである。従って、上記のような特性インピーダンスが不均一な伝送路を有するシステムにおいて、予め製造済みの集積回路を用いて信頼性高く高速に信号伝送を行うことは困難となる。
【0024】
本発明の目的は、上記のごとく、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路において、インピーダンスの不一致から生じる信号の反射が存在しても、正しく信号伝送することができる信号伝送システム及びそれに用いる集積回路を提供することにある。
【0025】
また、本発明の目的は、個別の機器ごとに信号伝送路における特性インピーダンス構造が変化しても、正しく高速に信号伝送するができる信号伝送システム及びそれに用いる集積回路を提供することにある。
【0026】
さらに本発明の別の目的は、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路において、インピーダンスの不一致から生じる信号の反射が存在しても、規模や電力の小さい回路で正しく信号伝送することができる信号伝送システム及びそれに用いる集積回路を提供することにある。
【0027】
またさらに本発明の別の目的は、上記不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路に対して、そのインピーダンス構造情報をより容易に得るための信号伝送システム及びそれに用いる集積回路を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
開示される本発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、本発明に係る信号伝送システムは、信号を送出する機能と自らが送出した信号が自らに戻る反射波の大きさ及び到達時刻を観測する手段とを有する第1の集積回路と、信号を受取る機能を有する第2の集積回路と、前記第1及び第2の集積回路との間を接続する不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路と、前記反射波の観測結果を用いて信号波形の補正を行う補正手段とを有することを特徴とするものである。
【0029】
このように構成することにより、信号伝送路で生じる波形の歪みや乱れを補正し、高速に信号伝送をすることができる。
【0030】
また、本発明に係る集積回路は、信号を送出する機能を有する集積回路であって、自らが不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路に予め送出した予備信号が自らに戻る反射波の大きさと到達時刻を観測する手段を有することを特徴とするものであり、観測された前記反射波の大きさと到達時刻を利用して、本来送出する信号波形の補正を行なう補正手段を更に有すれば好適である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る信号伝送システム及びそれに用いる集積回路の好適な実施形態につき、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
<実施形態1>
図1(a)および図1(b)は、本発明の信号伝送システムの基本的構成を示す図である。図1(a)において、参照符号101,102はそれぞれ信号を送出する第1の集積回路と信号を受取る第2の集積回路を示し、第1の集積回路101と第2の集積回路102との間は、不均一なインピーダンス構造を有する信号伝送路103を介して接続されている。第1の集積回路101は、信号送出器TXと、送出信号の反射波の戻り時刻および反射波のレベルを検知するレベルモニタLVを有する。
【0033】
一方、第2の集積回路102は、信号受取器RXと、第1の集積回路101から受取ったレベルモニタLVの検知結果を用いて受取信号波形の補正を行なう受取器側信号補正器RX_CORを有する。
【0034】
図1(b)の信号伝送システムの構成は、図1(a)の構成と比べて、第1の集積回路101が、信号送出器TXとレベルモニタLVの他に検知結果を用いて送信信号波形の補正を行なう送信器側信号補正器TX_CORを有する点、その代わりに第2の集積回路102には受取器側信号補正器RX_CORが無い点が相違する。
【0035】
このような図1(a)または図1(b)の構成により信号波形を補正することが可能となる理由について、以下、図4(a)、図4(b)を用いて説明する。ここでは図4(a)に示すように、伝送路はそれぞれZ41、Z42、Z43の特性インピーダンス部分を有する3つの伝送路401,402,403から成り、2箇所のインピーダンス不整合点404,405がある不均一なインピーダンス構造を例に説明する。
【0036】
また、図4(b)は伝送路中を信号が送出器TX側から受取器RX側へ進行する様子を示した図であり、縦軸は時間を示し、横方向は伝送路の長さを示す。なお、図中には信号送出器TXから第1伝送路401に向けて、最初に1.0の振幅をもって信号411が注入されるものとする。第1伝送路401の特性インピーダンスZ41は57Ω、第2伝送路402の特性インピーダンスZ42は33Ω、伝送路403の特性インピーダンスZ43は57Ωとする。
【0037】
この時、反射がどの時刻にどの程度の大きさで生じるかを考えるために、図4(b)を用いて次のように計算することができる。第1の反射は、図4(a)における不整合点404において生じる。反射波412の大きさは、特性インピーダンスの大きさの相違によりR12=(Z42−Z41)/(Z42+Z41)で与えられる図2で述べた関係式 (2)のZ1をZ41に、Z2をZ42に置き換えた式(2)’を用いて計算され、上記の例では-0.27の振幅で反射が生じることとなる(負の符号は位相が逆転することを意味する)。
【0038】
信号送出器TXから不整合点404へと到達するまでの時間は、伝送路中の波の伝播速度と両点間の距離で決まる。そしてこの時間は、不整合点404から信号送出器へと波が戻るまでの時間と同一である。従って、信号送出器TXが信号を送出してからその反射波が信号送出器まで戻るまでの時間は、信号送出器から第1の不整合点404までの距離の2倍の距離を同伝送路中の波の伝播速度で割った値となる。例えば、図4(a)において、3つの伝送路401,402,403の距離がそれぞれL1,L2,L3であったとする。また、この時、それぞれにおける波の伝播速度v1,v2,v3が、v1=18.6cm/ns、v2=14.6cm/ns、v3=18.6cm/nsであったとする。この場合、上記の信号送出器が信号を送出してから信号送出器まで反射波が戻るまでの時間は、第1伝送路401の距離L1の2倍を伝播速度v1で割った値(ここでは、2ns)となる。
【0039】
また上記反射波(以下、信号送出器への第1反射波と呼ぶ)が戻った時の信号レベルは、送出した信号の振幅1.0に対して、反射波の-0.27が重畳したレベルとなり、0.73の振幅へと変化することがわかる(図中の括弧内に示されたものが重畳後の振幅を示している)。
【0040】
以上より、信号送出器TXが信号を送出してから第1反射波が戻るまでの時刻とそのレベルを観測することにより、信号送出器TXから第1の不整合点404までの距離L1および、そこでのインピーダンスの不整合の程度を逆算できることがわかる。すなわち、逆算の具体的な方法は、以下のようになる。
【0041】
まず、インピーダンスの不整合の程度に関しては、信号送出直後の振幅電圧V0を観測することにより、V0=Z1・Vin/(Z0+Z1)で与えられる図2(a)で述べた関係式(1)のZ1をZ41に、Z2をZ42に置き換えた式(1)’を用い、更に既知の発振器電圧Vin及びインピーダンスZ0とを用いて第1伝送路401のインピーダンスZ41が計算される。
【0042】
次に、最初の反射波が戻ってきた時の振幅変化から関係式(2) における振幅比率R12が得られ、上記で得られたインピーダンスZ41を用いて第2伝送路402のインピーダンスZ42が計算される。また、信号送出器TXから第1の不整合点404までの距離L1は、先に記載したことを考慮すれば、反射波が戻ってくるまでの時間の半分に、第1伝送路401中の波の伝播速度v1を乗じた値となる。
【0043】
信号送出器から第1伝送路に401に送出された最初の波は、不整合点404において反射することは上記に述べたとおりであるが、第2伝送路402への進行波413は、振幅1.0の波に対して不整合点404における反射波が重畳された形となる(進行波の振幅1.0に対して-0.27の反射波が重畳され、0.73の振幅で第2伝送路402を進行する)。
【0044】
この第2伝送路402における進行波は、さらにインピーダンスの不整合点405において反射することとなる。この反射波414の大きさは先と同様にして計算され、0.197の振幅となる。この反射波は不整合点404に到達すると、さらに反射することになるが、この時の反射波415の大きさも図2の関係式 (2)を用いた先の手続きで計算可能である。伝送路401に向かって後退する波は、不整合点405での反射波414に対して、その後の不整合点404での反射波415が重畳されて(重畳された進行波の振幅は0.25)、信号送出器へと戻ることとなる(以下、信号送出器への第2反射波と呼ぶ)。
【0045】
信号送出器TXへの第2反射波が信号送出器へ戻る時刻は、先の第1反射波が信号送出器へ戻る時刻に対して、第2伝送路402の往復距離の伝播時間だけ遅れた時刻となる。またその時、振幅は先の振幅0.73に対して0.25の第2反射波が重畳され、0.98へと変化することとなる。以上より、信号送出器が信号を送出してから第2反射波が戻るまでの時刻とそのレベルを観測することにより,第1の不整合点404から第2の不整合点405までの距離L2および、そこでのインピーダンスの不整合の程度を逆算することができる。
【0046】
以下、同様の手続きによりそれ以降の反射波の時刻とレベルを観測することにより、第3以降のインピーダンスの不整合点についても逆算することが可能となる。
【0047】
上記の手続きにより、伝送路が不均一なインピーダンス構造を有する場合に、その不整合点の位置とそこでの不整合の程度を知ることが可能となる。
【0048】
次に、これが信号受取器に伝わる信号波としてどのような影響を及ぼすかに着目する。
【0049】
例えば、図4(b)に示されるように、信号受取器RXにおいて最初の信号の波417が到達してから、次に波419(以下、信号受取器への第1反射波と呼ぶ)が到達するまでの時間は、同図における第2の伝送路402の往復の時間であることがわかる。先のように不均一なインピーダンス構造についての情報が存在すれば、この時間の大きさを知ることが可能である。
【0050】
さらに、信号受取器への第1反射波419の振幅の大きさは、第2伝送路402への2番目の進行波415に対して、その反射波418の振幅を重畳することにより,計算することが可能であり、その結果は0.927となることがわかる。以下、同様の手続きを踏むことにより、信号受取器への第2反射波420以降の反射波についても、その到達時刻と振幅を知ることが可能となる。
【0051】
以上に見てきたように、本実施形態では、信号送出器TXより送信された1つの信号は、時間を隔てた複数の波として信号受取器RXに到達するため、信号受取器では、本来の信号の他に、それ以前に送信された波の第1次以降の反射波が重畳されることとなり信号波形が歪む。図1(a),(b)においては、信号送出器TXが、伝送路103からの反射波が信号送出器TXに戻ってくる時刻およびそのレベルを検知する手段すなわちレベルモニタLVを有していることにより、上記信号波形の歪みを調べる。なお、このような信号波形の歪みを調べる一連の手続きは、本来の信号の伝送に先立って行っておけばよいものであり、本来の信号伝送中に行う必要はないため、本来の信号伝送の伝送レートを下げるといったことにはならない。
【0052】
さらに本実施形態では、このような反射による歪みを補正するために、第1の集積回路101または第2の集積回路102が信号波形の補正を行うための回路、すなわち送出器側信号補正器TX_CORまたは受取器側信号補正器RX_CORを有する。このような補正回路を第1または第2の集積回路が有することにより、予め製造されていた集積回路が実際に信号伝送を行うシステムにおいて、伝送路の特性インピーダンス構造が機器ごとに様々に変化しても、再度集積回路の設計や製造を行うことなく信号の補正を行うことができる。
【0053】
<実施形態2>
図5は、本発明の信号伝送システムの別の基本的な構成を示す図である。本実施形態は、均一でない特性インピーダンス構造を有する伝送路における反射に起因した信号波形の歪みを補正するために、信号波形の補正回路を信号受取器に配置する例である。
【0054】
図5において、参照符号501,502はそれぞれ信号を送出する第1の集積回路と信号を受取る第2の集積回路を示し、第1の集積回路501と第2の集積回路502との間は、不均一なインピーダンス構造を有する信号伝送路503を介して接続されている。
【0055】
第1の集積回路501は、信号送出器TXと、送出信号の反射波の戻り時刻および反射波のレベルを検知するレベルモニタLVと、信号受取器RXでの反射波のレベルおよび遅延時間を計算する計算機CALCと、信号受取器RXでの反射波のレベルおよび遅延時間(または到達時刻)の情報を送出する情報送出器INF_TXを有する。
【0056】
一方、第2の集積回路502は、信号受取器RXと、第1の集積回路501の情報送出器INF_TXから伝送されてくる受取器RXでの反射波の到着レベルおよび遅延時間(または到達時刻)の情報を受取る情報受取器INF_RXと、信号受取器RXにおける遅延時間後に受取った信号波から遅延時間前の反射波を減算する信号減算器SUB_RXとを有する。
【0057】
このような構成により、信号波形を補正することが可能となる理由については以下のように説明される。
第1の集積回路501は自らが送出した信号の反射波の大きさと到達時刻を観測する手段すなわちレベルモニタLVを有することにより、不均一な特性インピーダンス構造に関する情報を得ることが可能となる。これは、実施形態1の理由と同一である。さらに、本実施形態は、不均一な特性インピーダンス構造に関する情報をもとに、第2の集積回路502に到達する反射波の大きさと遅延時間(または到達時刻)を計算する手段すなわち計算機CALCを第1の集積回路内部に有するので、信号受取器RXへの反射波(図4における419や420等)に関して、その遅延時間(または到達時刻)と大きさの情報を計算することが可能となる。このようにして得られた信号受取器への反射波に関する情報は、それを伝達する手段すなわち情報送出器INF_TXと情報受取器INF_RXを用いて第1の集積回路501から第2の集積回路502へと伝達される。
【0058】
第2の集積回路では、信号受取器RXへの反射波の遅延時間(または到達時刻)と大きさに関する情報が得られた後、受取った信号から遅延時間前(または到達時刻前)の反射波を減算する手段すなわち信号減算器SUB_RXを用いて波形を補正することが可能となる。これは、信号受取器RXでは本来の信号に対し、それ以前の信号の反射波が重畳されて波形が歪んでいるところを、第1の集積回路から伝達された情報をもとにこれら反射波を差し引くことにより本来の信号を復元することができるからである。
【0059】
<実施形態3>
図6は、本発明の信号伝送システムのまた別の基本的な構成を示す図である。本実施形態は、均一でない特性インピーダンス構造を有する伝送路における反射に起因した信号波形の歪みを補正するために、上記信号波形の補正回路を信号受取器側に配置する例であるが、信号受取器への反射波の到達時刻と大きさの情報の受け渡しに際し、本来の信号伝送を行う伝送路以外に配線数を増加させずにできる構成例である。
【0060】
図6において、参照符号601,602はそれぞれ信号を送出する第1の集積回路と信号を受取る第2の集積回路を示し、第1の集積回路601と第2の集積回路602との間は、不均一なインピーダンス構造を有する信号伝送路603を介して接続されている。
【0061】
第1の集積回路601は、信号送出器TXと、送出信号の反射波の戻り時刻および反射波のレベルを検知するレベルモニタLVと、信号受取器RXでの反射波のレベルおよび遅延時間を計算する計算機CALCと、信号受取器RXでの反射波のレベルおよび遅延時間の情報を低周波で伝送する情報送出器INF_TX(L)を有する。
【0062】
一方、第2の集積回路602は、信号受取器RXと、第1の集積回路601の情報送出器INF_TXから低周波で伝送されてくる受取器RXでの反射波の到着レベルおよび遅延時間(または、到着時刻)の情報を受取る情報受取器INF_RX(L)と、信号受取器RXにおける遅延時間後に受取った信号波から遅延時間前の反射波を減算する信号減算器SUB_RXとを有する。
【0063】
このような構成により、信号波形を補正することが可能となる理由については前述した実施形態2と同様である。本実施形態では、信号受取器RXへの反射波に関する情報に関する伝達する手段すなわち情報送出器INF_TX(L)と情報受取器INF_RX(L)において、本来の信号を伝送する周波数より低い周波数を用いて伝送する点が実施形態2と相違する。
【0064】
一般に、第1の集積回路と第2の集積回路の間で行われる信号受取器への反射波に関する情報の受け渡しは、一般の信号伝送で用いる伝送路と別の配線による接続であっても構わない。しかしながら、別の配線を用いるとそのために別途プリント基板上の配線エリアを必要としたり、別のケーブル線が必要になるといった問題が生じる。さらに、一般の信号伝送用の駆動回路とは別に、その配線のための駆動回路が別途必要になり、パッケージからはそのためのピンを引き出す必要がある、といった問題が生じる。
【0065】
従って、本実施形態では、信号受取器RXへの反射波に関する情報の受け渡しに本来の信号の伝送で用いるものと同一の伝送路を利用することにより、別途必要となる配線や駆動回路を省略することが可能となる。駆動回路が省略されると、集積回路の面積が小さくなりコストが削減され、また電力も小さくなる。さらに別の信号を集積回路から取り出す必要がないため、パッケージのピン数も削減されるという利点がある。
【0066】
しかしながら、ここで問題となるのは、本来の信号伝達で用いる周波数と同じ周波数で上記情報の受け渡しを行うことは、その信頼性が低くなってしまうことである。すなわち、本来の信号伝送で用いるものと同一の伝送路を用いると、その不均一な特性インピーダンス構造のために、先に述べたような反射による信号波形の歪みが生じるからである。
【0067】
従って、本実施形態では、信頼性の問題を回避するために、本来の信号の伝送周波数より低い周波数で、信号受取器RXへの反射波に関する情報の受け渡しを行う。この時の周波数に関しては、信号受取器への反射波が信号品質に影響を及ぼさないように、減衰するまでの時間より大きい時間をその周期とするような周波数に設定される。例えば、図4(b)で説明すれば、信号受取器RXへの第1の反射波419及び第2の反射波420の影響(同図において、この影響とは第1、第2の反射波のそれぞれについて、送出信号を1.0としたとき、0.067,0.0048となる)を取り除くためには、それより以前の信号が2ns(3.75ns − 1.75ns= 2ns)より大きい時間だけ前に送信されているようにすれば、ある時刻において受信される最初の信号波に重畳されることはないため、信頼性の高い伝送が行えることとなる。
【0068】
すなわち,以前の信号が2nsより大きい時間だけ前に送信されているようにすることは、個別の信号(すなわち2値ディジタル伝送の場合はその1ビットの信号)の伝送周期が2nsより大きい時間になるように周波数を設定することに対応する。いったん、信号受取器への反射波に関する情報の受け渡しが完了したら、その後は補正を行うことで信頼性が高まるため、より高い周波数で本来の信号伝送を行うことが可能となる。
【0069】
なお、上記では第2の反射波の影響までを取り除く例を示したが、一般には第N(Nは1以上の自然数)の反射波の影響を取り除くといったことで対処できる。この時、一意に第Nと決定する必要はなく、信号送出器が本来の信号伝送に先立って行う反射波の解析結果によりどこまで(Nとして幾つまでの)の反射波の影響を回避するかを決定した上で、上記周波数を決定することができる。例えば、上記の例においては、第2の反射波の影響が0.0048であるが、これが信号伝送の信頼性として問題がないと判断されれば、第1の反射波の影響を取り除くための周波数に設定すればよいことになり、これは上記第1、第2の反射波の影響を取り除く場合よりも高い周波数でよいことを意味する。逆に、第3の反射波の影響が大きい場合には、第1、第2、第3の反射波の影響が生じないようにするために、信号間の間隔である周期をより低い周波数に設定して、信号受取器への反射波に関する情報の受け渡しを行うことがふさわしい。
【0070】
<実施形態4>
図7は、本発明の信号伝送システムのまた別の基本的な構成を示す図である。本実施形態は、均一でない特性インピーダンス構造を有する伝送路における反射に起因した信号波形の歪みを補正するために、信号波形の補正回路を信号送出器に配置する構成例である。
【0071】
図7において、参照符号701,702はそれぞれ信号を送出する第1の集積回路と信号を受取る第2の集積回路を示し、第1の集積回路701と第2の集積回路702との間は、不均一なインピーダンス構造を有する信号伝送路703を介して接続されている。
【0072】
第1の集積回路701は、信号送出器TXと、送出信号の反射波の戻り時刻および反射波のレベルを検知するレベルモニタLVと、信号受取器RXでの反射波のレベルおよび遅延時間を計算する計算機CALCと、伝送路703に信号を送出する前に信号受取器RXでの反射波の遅延時間後における反射レベルの信号を減算するための信号減算器SUB_TXを有する。
一方、第2の集積回路702は、信号受取器RXを有するだけで補正回路を持たない。
【0073】
このような構成により、信号波形を補正することが可能となる理由について、以下のように説明される。
【0074】
第1の集積回路701は自らが送出した信号の反射波の大きさと到達時刻を観測する手段すなわちレベルモニタLVを有することにより、不均一な特性インピーダンス構造に関する情報を得ることができる。また、不均一な特性インピーダンス構造に関する情報をもとに、第2の集積回路702に到達する反射波の大きさと遅延時間を計算する手段すなわち計算機CALCを第1の集積回路701内部に有し、信号受取器RXへの反射波に関して、その遅延時間と大きさの情報を計算することが可能となる。以上は、実施形態1と同じである。
【0075】
さらに本実施形態では、信号送出器TXからの信号の送出に際して、本来の信号を伝送する前に、信号波形に予め補正を加えてから送出する点が実施形態3と相違する。このような補正は、第1の集積回路701が有する計算機CALCにより第2の集積回路に到達する反射波の大きさと到達時刻を計算した結果に基づき、信号受取器RXが最初の信号波を受取ってから各反射波を受取るまでの遅延時間、及びその大きさの情報を用いる。すなわち、ある時刻において送出される信号から遅延時間前に送出される信号を上記大きさに変換後減算してから送出する。このような補正を行えば、遅延時間だけ後に減算された信号が最初に信号受取器に到達した際に、これが本信号の反射波とキャンセルするために、信号受取器での信号波形が望ましい波形に補正される。
【0076】
ここで、このように遅延時間だけ遅らせて減算された信号もそれ自身の反射波を持つために、以降の信号に影響を与え得る。しかし、このような補正の目的で送出される信号は、本来の信号の大きさを反射波の大きさに比例的な大きさに変換してあるため、反射波としてのオーダーの2乗のオーダーとなる。一般に反射波のオーダーは、本来の信号の大きさの数%〜数十%であると想定されるから、これが2乗のオーダーとなった場合(数%〜数十%の2乗)、その大きさは小さくなり通常問題とはならない。
【0077】
<実施形態5>
図8は、4層のプリント基板に2つの半導体チップ部品(以下、単にチップと呼ぶ)801および802を接続した例である。各層の利用方法としては、第1層LY1、第2層LY2、第4層LY4を信号配線層SIG、第3層LY3をグランド層GNDとして用いている。なお、図面では説明の便宜上、各層を上下方向に離して描かれている。さらに、各層の間の配線どうしが接続される必要がある場合には、いわゆるビア接続されるものとする。
【0078】
2つの半導体チップ801,802は第1層上に配置されているが、これらの間には別のチップ803が存在しており、このため第1層LY1の信号配線層を用いて両チップ801,802を直線的に接続することができない。このため、両チップは複数の配線層、この例では第1層LY1および第2層LY2の配線層を用いて接続されている。従って、両チップ801,802の接続に用いられる伝送路は、その特性インピーダンスに関して複数の部分に分かれる。第1の部分804は第1層LY1に、第2の部分806は第2層LY2に、第3の部分805は第1層LY1に配置されている。そして各層間はビア接続807,808により接続されている。第1層LY1、および第2層LY2の配線は、いずれも同一の幅の配線で形成されている。第1層LY1は、下方には配線層が存在しているが、上方は配線層が存在しない。他方、第2層LY2は下方、上方ともに配線層が存在する。このため、第1層LY1、第2層LY2の配線は同一の幅ではあるが、伝送路系が異なり、その特性インピーダンスは異なるものとなる。従って、第1のチップ801と第2のチップ802を接続している伝送路は、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路となっている。
【0079】
今、このようなプリント基板上の二つのチップ間を信号伝送すれば、その不均一な特性インピーダンス構造のために反射が生じ、これにより波形が歪むため、その伝送周波数はある一定の値以下に制限されることとなる。
【0080】
これに対し、実施形態1の図1(a)のように、信号送出側のチップに送出信号の反射波の戻り時刻及びレベルを検知するレベルモニタLVを設け、信号受取側のチップに信号補正器RX_CORを設ける構成とするか、或るいは図1(b)のように、信号送出側のチップに送出信号の反射波の戻り時刻及びレベルを検知するレベルモニタLVと、この検知結果を用いて送信信号の補正を行なう信号補正器TX_CORを設けた構成とすることにより、実施形態1で述べたように不均一な特性インピーダンス構造が存在しても、その信号波形の歪みを補正することができる。従って、図8に示したような2つの半導体チップ間の接続においても、高速に信号のやりとりを行うことが可能となる。
【0081】
<実施形態6>
図9(a)は、前述までの実施形態で述べた図1(a)、図1(b)で述べた本発明のいずれかの基本構成を有する信号伝送システムを用いて、不均一な特性インピーダンス構造の伝送路や均一な特性インピーダンスの伝送路により複数の半導体チップ部品を接続する例である。図9(a)において、点線で示したチップ間を接続する線は、これまでの実施形態で述べたように、途中で反射が生じるような不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路を示し、実線で示した線は均一な特性インピーダンス構造の伝送路を示している。
【0082】
複数の半導体チップを接続するためには、2つのチップ間を図1(a)または図1(b)に示した本発明の基本構成を用いて接続し、これらを互いに接続することにより、全体のネットワークを構築することが可能となる。なお、ネットワークの形状としては、ツリー状のものであったり、リング状のものであったりしても構わない。例えば、チップ901から伝送路903を介してチップ902への接続、チップ901から伝送路903,905を介してチップ904への接続、チップ901から伝送路903、チップ902、伝送路907を介してチップ906への接続は、ツリー状のネットワーク接続であり、チップ部品902から、伝送路907、チップ部品906、伝送路916、チップ部品915、伝送路917を介してチップ部品902に戻る接続は、リング状のネットワーク接続である。
【0083】
また、チップ902,906,915で構成されるようなネットワーク接続における伝送路としては、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路903,905,907,916,917と、均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路909,911,913,914とが混在していても構わない。このような構造では、不均一な特性インピーダンス構造の伝送路を構成している2つのチップ間は本発明の信号伝送システムを用いて波形補正を行なう信号伝送システムとして接続し、均一な特性インピーダンス構造の伝送路を構成している2つのチップ間は本発明を用いない信号伝送システムとして接続することも可能である。
【0084】
また、本発明による信号送出器では、均一な特性インピーダンス構造の伝送路における信号伝送システムのそれらより回路規模が大きくなり得るが、このような回路規模の増大を抑制するために、全ての信号送出器を本発明を用いたものとする必要はない。同図におけるチップ部品902のように、一つの半導体チップに本発明の信号送出器や信号受取器と、均一な特性インピーダンス構造の伝送路の場合に用いる信号送出器とを混在させるといったことも可能である。なお、1つの集積回路中に本発明の信号受取器を配置する場合も、混在可能であるのは上記と同様である。
【0085】
また、図9(b)に示されるように、2つのチップ921,922の間を不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路923で接続する場合に、双方向の信号伝送を行う場合が考えられる。すなわち、チップ921からチップ922に向けての信号伝送とチップ922からチップ921に向けての信号伝送である。このような場合、2つのチップ間が1経路の配線923で接続されていると、同時に信号伝送を行った場合に信号同士が衝突するが、時間的に伝送路の利用時刻を分離して信号伝送すればよい。
【0086】
また、図9(c)に示されるように、2経路の不均一な特性インピーダンス構造を有する配線933,934で2つのチップ931,932の間を接続すれば、同時に信号伝送を行うことが可能である。
さらに、図9(d)に示されるように、2つのチップ941,942の間を2経路(943,944で接続する場合には、そのうちの1経路943のみが不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路である場合があり得る。この場合には、1経路943を本発明の基本構成の信号伝送システムとして接続し、他の1経路944を均一な特性インピーダンス構造の伝送路の場合に用いる信号伝送システムとして接続するといったことが可能である。
【0087】
<実施形態7>
図10は、実施形態2で述べた図5の基本構成の信号伝送システムの更に具体的な構成例を示す図である。
【0088】
信号送出側の集積回路1001は、その内部に、信号を送出してからの時間を測定するタイマTMと、自らに戻った反射波のレベルをモニタするレベルモニタLVを有する。タイマTMは、ある一定の周期のクロックによるカウンタとして実現可能であり、またレベルモニタLVはそのレベルを予め生成されている電位と比較する並列型のコンパレータやその都度生成したレベルと比較する逐次型のコンパレータでもって実現可能である。信号受取側の集積回路1002での反射波の大きさと遅延時間に関する情報は、集積回路1001における信号送出回路TXは、駆動回路DRVを介して単位パルスを送出し、それが自らに戻る反射波を、上記タイマTMとレベルモニタLVを利用して計算機CALCで計算し、計算により得られた反射波の大きさと遅延時間に関する情報は、メモリMEMに格納される。
【0089】
その後、このメモリMEMに格納された情報は、本来信号のための伝送路1003とは別に用意された伝送路1006を介して情報送出器INF_TXにより集積回路1002に伝達される。信号受取側の集積回路1002は、この補正情報信号を情報受取器INF_RXが受け取りメモリMEM_RXに格納する。減算回路SUB_RXはこのメモリMEM_RXに格納された補正情報信号をもとに、伝送路1003を介して受取った信号から遅延時間前の反射波の減算を行なって波形補正をする。これにより復元された信号波形が、内部回路へと伝達される。
【0090】
このように、集積回路1002では、本来の信号に対し、それ以前の信号の反射波が重畳されて波形がひずんでいるところを、集積回路1001から伝送された反射波の遅延時間と大きさに関する情報をもとに、これら反射波を差し引くことにより本来の信号を復元することができる。なお、伝送路1003,1006は不均一な特性インピーダンス構造を有するものであっても、均一な特性インピーダンス構造を有するものであってもよい。
【0091】
<実施形態8>
図11は、実施形態3で述べた図6の基本構成の信号伝送システムの更に具体的な構成例を示す図である。
【0092】
信号送出側の集積回路1101は、図10の集積回路1001と同様に、その内部に信号を送出してからの時間を測定するタイマTMと、自らに戻った反射波のレベルをモニタするレベルモニタLV、上記タイマTMとレベルモニタLVを利用して反射波の大きさと遅延時間に関する情報を計算する計算機CALCと、この情報を格納するメモリMEMを有する。図10の集積回路1001とは、情報送出器INF_TXが無い代わりに、駆動回路DRVへの信号を、信号送出器TXからの信号とするか、メモリMEMからの信号とするかを選択する選択スイッチ1109が設けられている点が相違する。
【0093】
また、信号受取側の集積回路1102は、図10の集積回路1002と同様、その内部に信号受取器RXと、減算回路SUB_RXと、集積回路1101から受取った補正情報信号を格納するメモリMEM_RXとを有するが、情報受取器INF_RXが無い代わりに、受取った信号を減算回路SUB_RXに入力し、補正情報信号をメモリMEM_RXに入力するように選択する選択スイッチ1112を設けている点が、図10の集積回路1002と相違する。
【0094】
ここで、減算回路SUB_RXは集積回路1101の信号送出気TXから送られてきた信号からMEM_RXに格納された補正情報信号をもとに遅延時間前の反射波の減算をし、波形補正を行なう。
【0095】
本実施形態では、実施形態3と同様に、本来の信号伝送に先立って行う信号受取側の集積回路1102への反射波の到達時刻や大きさの情報(以下、予備情報と呼ぶ)の伝達に際してその情報伝達のために、本来の信号伝送に用いる不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路1103を用いる。このような構造は、情報伝達のための配線を別途用意する必要がないため、集積回路から引出すピン数を増加させる必要がないといった利点や、プリント基板上やケーブルで別途配線を引き回す必要がないといった利点がある。
【0096】
本実施形態の例では、図4において説明したような不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路1103により信号送出側の集積回路1101と信号受取側の集積回路1102との間が接続されているとし、本来の信号の伝送を1GHzの周波数f1で行なおうとしているものとする。この時、各信号間(ビット間)の時間周期は1nsの時間になる。一方、図4におけるように、信号受取側の集積回路1102では最初に信号が来てから、第1の反射波および第2の反射波が到達するまでの時間(これらを第1遅延時間、第2遅延時間と呼ぶ)はそれぞれ、1.0nsおよび2.0nsである。
【0097】
予め、予備情報を信号送出側の集積回路1101から信号受取側の集積回路1102へ伝送する際、最初に信号波が到達してからこの第1遅延時間、第2遅延時間よりも前に別の予備情報信号が来ると、これと以前の予備情報信号の第1反射波、第2の反射波が互いに影響しあうため、波形が歪み上記情報の伝達は困難となる。
【0098】
他方、本実施形態の信号伝送システムは、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路1103を介して予備情報信号を伝達する場合に、本来の信号の伝送周波数f1である1GHzよりも低い周波数f2で行う。このような低い周波数としては、例えば、100MHzの周波数に設定することが可能である。100MHzの周波数では、各信号間(ビット間)の時間周期は10nsの時間となる。それより以前に送出された信号に関しての第1および第2反射波は、それぞれ1.0ns、2.0nsの遅延時間後に到達するが、これは10ns後に送出された信号とは影響を及ぼしあうことがないため、波形の歪みとはならない。
【0099】
ここで、100MHzとした予備情報信号の伝送周波数f2は、不均一な特性インピーダンス構造に応じて変化しても構わないことは言うまでもない。仮に、以前に送出された予備情報信号の第1反射波や第2反射波よりも後に来る反射波の大きさが、その後に送出された予備情報信号に影響を与える程度に大きい場合には、より低い周波数を用いることが望ましい。逆に、以前に送出された予備情報信号の第2反射波の大きさが、その後に送出された予備情報信号に影響を与える程度に大きくない場合には、より高い周波数を用いることも可能となる。ただし、本来の信号伝送周波数f1と予備情報信号の伝送周波数f2との間には、f1>f2の関係が必要である。
【0100】
以上、本実施形態では、実施形態3と同様、少ない配線で受取った信号波形の補正を行なうことができる。
【0101】
<実施形態9>
図12は、実施形態4で述べた図7の基本構成の信号伝送システムの更に具体的な構成例を示す図である。
【0102】
信号送出側の集積回路1201は、その内部に、信号送出器TX、遅延素子D、レベル調整回路LA、ミキサMX、スイッチ1206、駆動回路DRV、テスト信号発生回路TSGEN、タイマTM、レベルモニタLV、タイマメモリTM_REG、レベルメモリLV_REG、計算機CALC、反射レベルメモリR_LMEM、反射遅延メモリR_DMEMを有する。信号受取側の集積回路1202には、信号受取器RXを有し、集積回路1201と集積回路1202との間は、不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路1203で接続されている。
【0103】
まず信号送出器TXは、駆動回路DRVへの信号を選択するスイッチ1206を送出側に設定し、テスト信号発生回路TSGENからのテスト信号tsを駆動回路DRVにより伝送路1203に送出する。
【0104】
その後、不均一な特性インピーダンス構造の伝送路1203からの反射波の大きさと戻るまでの時間を検知(すなわち観測)する。このような観測のために、集積回路1201は、レベルモニタLVとタイマTMにより、テスト信号tsを送出してからの反射波のレベルと時間を測定する。得られた反射波に関するレベルと遅延時間の情報はいったんタイマメモリTM_REGとレベルメモリLV_REGに保存される。なお、このメモリはレジスタを用いて構成しても良い。これらのメモリに格納された値は、計算機CALCにおいて、信号受取器RXでの反射波の大きさと到達時刻(または信号の第1到達時刻からの反射波の遅延時間)の算出に用いられる。計算結果である信号受取器RXでの反射波の大きさと到達時刻は、それぞれ反射レベルメモリR_LMEMと反射遅延メモリR_DMEMに保存される。なお、これらのメモリもレジスタを用いて構成しても良い。
【0105】
次に、駆動回路DRVへの信号を選択するスイッチ1206を送出器TX側に設定し、送出器TXの送出信号txsを送出する。この時、その信号をそのまま送出する代わりに、反射遅延メモリR_DMEMに格納されている計算機CALCで得られた遅延時間だけ送出信号TXSを遅延素子Dにて遅延させ、また反射レベルメモリR_LMEMに格納されている反射波の信号レベルに従いレベル調整器LAにて大きさ調整し、さらに逆相に変換した後、これをミキサMXにおいて送出信号TXSと加算する(すなわち、レベル調整された信号を減算する)ことにより、信号波形の補正を行ってから駆動回路DRVを介して伝送路1203へ送出する。
【0106】
このように本実施形態では、予め反射波の成分を減算してから信号送出されるために、実施形態4と同様、集積回路1202側の信号受取器RXにおいて反射波の影響を小さくすることができる。
【0107】
<実施形態10>
図13は、本発明に係る信号伝送システムの別の実施形態を示す信号送出側の集積回路の構成図である。本実施形態の集積回路1301は、駆動回路DRVにより伝送路1302を駆動するものであるが、集積回路1301は、本来の信号を送出する前に予めテスト信号発生回路TSGENからのテスト信号tsを送出する。テスト信号tsとして、例えば2値ディジタル信号の送受信を行うシステムの場合には、ある時刻に“0”のレベルから“1”のレベルへと変化し、その後“1”の状態を一定時間保つ形式の信号を用いることができる。
【0108】
本実施形態の集積回路1301は、クロック回路CL、カウンタ回路CT、レベルメモリLVM、レベル変動検出回路LV_DETを有し、テスト信号tsが伝送路1302に送出された後、その反射波が戻る時刻とその大きさをこれらの要素回路群により調べることが可能となる。そのような手続きは以下のようになる。
【0109】
まず、テスト信号発生回路TSGENがテスト信号tsを送出すると同時に、カウンタCTの計量を開始する。カウンタCTは、クロック回路CLからの一定周期のクロック信号CLKをもとにその値を増加させるものであり、時間を計量することができる。なお、クロック回路CLは、集積回路1301の内部でクロック信号を生成するものであってもよいし、単に外部の水晶発振回路などで生成したクロック信号を受取るものやそれを分配するものであっても構わない。
【0110】
計量開始した直後にレベルメモリLVMは、その信号を送出した直後の駆動回路DRVの出力の電位を記憶する。レベル変動検出回路LV_DETは、レベルメモリL_MEMが保持している電位レベルとレベルメモリLVMに格納された駆動回路DRVの出力の電位レベルを比較して、電位レベルで一定以上の差分が生じるとカウンタCTにそれを通知し、変化した後の駆動回路DRVの出力の電位レベルをレベルメモリL_MEMに保持する。カウンタCTは、レベル変動検出回路LV_DETからの通知を受けて、その時のカウンタCTの値をカウントメモリCT_MEMに格納し、レベル変動検出回路LV_DETは変化後のレベル(あるいは変化の差分レベル)をレベルメモリL_MEMに格納する。ここで、カウントメモリCT_MEM及びレベルメモリL_MEMは、単一のカウント値やレベル値を保持するものであるだけでなく、複数のカウント値やレベル値を保持するものでもあってもよい。
【0111】
次に、このカウントメモリCT_MEM及びレベルメモリL_MEMに保持されている値を用いて、計算機CALCが伝送路1302の逆端に接続されている信号受取器(不図示)で信号の最初の波が到達してからその反射波がどれだけ遅延して、またどれだけの大きさで到達するかを計算する。そして、その結果を反射レベルメモリR_LMEMと反射遅延時間メモリR_DMEMに格納する。
【0112】
次に、反射レベルメモリR_LMEMと反射遅延時間のメモリR_DMEMに格納された値は、その後に行われる本来の信号送出の際に利用される。この時、駆動回路DRVへの入力は、スイッチ1305により本来の送出信号txs側に切り替えられる。送出信号は、それ自身がミキサ(または信号加算器)MXに入力されるが、その他に反射波の成分を減算して補正できるように補正用の回路である可変遅延素子VD及び可変ゲインアンプVGAを通過して逆相でミキサMXに入力される経路にも分岐する。ここで、上記の反射レベルメモリR_LMEMと反射遅延時間メモリR_DMEMに格納された値は、それぞれ可変ゲインアンプVGAの可変ゲインの設定と可変遅延素子VDの可変遅延の設定に用いられる。このような経路の数は、図には1つ示されているが、幾つの反射波の影響を考慮するかにより異なる。従って、このような経路の数は、単一あるいは複数いずれの場合もあり得る。
【0113】
本実施形態の場合も、本来の伝送信号は予め反射波の成分を減算してから信号送出が行なわれるために、信号受取器側において不均一な特性インピーダンス構造の伝送路で生じる反射波の影響を小さくすることができる。
【0114】
<実施形態11>
図14は、本発明に係る信号伝送システムのまた別の実施形態を示す信号送出側の集積回路の構成図である。
【0115】
本実施形態の集積回路1401は駆動回路DRVにより伝送路1402を駆動するが、集積回路1401は本来の信号txsを送出する前に、予めテスト信号発生回路TSGENからのテスト信号tsを送出する。この時、駆動回路DRVへの入力選択スイッチ1405はテスト信号発生回路TSGENの側に接続されており、反射波のレベルと遅延時間は、カウンタCT、レベルメモリLVM、レベル変動検出回路LV_DET、カウンタメモリCT_MEMとレベルメモリL_MEM、および計算機CALCを用いて計算され、それぞれの計算結果が反射レベルメモリR_LMEMと反射遅延メモリR_DMEMに格納されるのは、図13に示した実施形態10と同様である。また、カウンタメモリCT_MEM、レベルメモリL_MEM、反射レベルメモリR_LMEM、反射遅延時間メモリR_DMEMに格納される値の数は、幾つの反射波の影響を考慮するかにより異なり、単数、複数のいずれの場合もあり得る。
【0116】
本実施形態の信号送出側の集積回路は、図13の実施形態10と異なり、反射波の信号の補正を信号受取器が行うことを前提としている。そのために集積回路1401は、信号受取側の集積回路(図11と基本的に同じ構成でよいので、図は省略する)への必要な情報、すなわち反射波のレベルと遅延時間の情報を、信号受取側の集積回路へ伝達する必要がある。
【0117】
このような伝達は、上記の反射波のレベルと遅延時間の情報の計算と格納に続いて行われる。この時、駆動回路DRVへの入力選択スイッチ1405は反射情報送出回路INF_TXの出力infsに接続されている。この伝達のために、本実施形態では本来信号を伝達するために用いる不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路1402を用いる。従って、この伝達のために別途伝送路を設ける必要がない。
【0118】
しかしながら、これを本来の信号を送出する時の周波数と同一の周波数で送出すると反射波の影響により信頼性の高い伝達が行えないのは、図6および図11の実施形態3および実施形態8で述べた通りである。本実施形態では、本来の信号txsを送出する信号送出器TXの送出周波数f1を与えるクロック回路CL1と、信号受取側の集積回路への反射波のレベルと遅延時間の情報を送出する情報送出回路INF_TXの出力信号infsの送出周波数f2を与えるクロック回路CL2とが異なる周波数とする点に特徴がある。
【0119】
なお、図14において、クロック回路CL1とクロック回路CL2は別の回路として示されているが、設定によりその周波数が変更可能なクロック回路であれば、同一の回路の周波数を変えて使うといったことも可能である。
【0120】
ここで、クロック回路CL2の周波数f2は、クロック回路CL1の周波数f1よりも低い周波数(f2<f1)に設定する。このようにすれば、信号受取側の集積回路が信号の補正を行うことができるようになる前に、信頼性の高い信号のやりとりが可能となる。いったん、信号受取側の集積回路が上記情報の受け渡しを完了すれば、信頼性の高い信号伝達が行えるようになり、信号送出器TXは駆動回路DRVへの入力選択スイッチ1405を本来の信号の送出器TXの出力信号txsに接続して高速に信号伝送することができる。
【0121】
<実施形態12>
図15は、本発明に係る信号伝送システムのまた別の実施形態を示す信号受取側の集積回路の構成図である。
【0122】
本実施形態の信号受取側の集積回路は、2組の差動差動増幅器が結合した構成となっている。すなわち、本来の信号を受取りその信号を増幅する機能を有する部分(同図におけるトランジスタn0p,n0m,n0iと負荷LD0の部分、以下第0差動増幅器と呼ぶ)と,信号の補正増幅を行う機能を有する部分(同図におけるトランジスタn1p,n1m,n1iと負荷LD1の部分、以下第1差動増幅器と呼ぶ)とから成る。
【0123】
差動入力信号INP,INMは互いに逆相の関係にある信号であり、それらの電位レベルの大小に従い、第1差動増幅器は、制御入力Vc0によりその電流の大きさが決定する電流源トランジスタn0iを介した電流i0を、トランジスタn0p及びn0mに分配して流す。これにより、その2つの出力OUTM,OUTPに入力が増幅された信号を取出す。なお、この時の増幅率は主に、トランジスタn0pとn0mのトランスコンダクタンス(所謂gm)及び負荷L0により決定される。
【0124】
本実施形態は、上記の第0差動増幅器に対して、信号補正用の第1差動増幅器を付加した構成となっている。第1差動増幅器の電流源の大きさi1は、第0差動増幅器の電流源の大きさi0に対して、信号送出側の集積回路(不図示)から予め送られた第1反射波の大きさ(比率)に従うように制御される。このような制御は、第0差動増幅器の電流源トランジスタn0iの制御入力Vc0と第1差動増幅器の電流源トランジスタn1iの制御入力Vc1の電圧を制御することにより可変とすることが可能である。
【0125】
反射波レベル情報メモリR_LMEM1と反射波遅延情報メモリR_DMEM1には、それぞれ信号送出側の集積回路から予め受取った反射波のレベル情報と反射波の遅延情報が格納されている。第1差動増幅器への入力は、反射波遅延情報メモリR_DMEM1に格納されている反射波の遅延時間を用いて、受取った信号を遅延素子D1,D2で遅延させてから入力される。そして、信号の補正のための減算を行うために、第0差動増幅器への入力とは逆相の関係となるように接続されている。すなわち、トランジスタn0mへの入力INMは、遅延素子D1を経てトランジスタn1pの入力へ接続され、トランジスタn0pへの入力INPは遅延素子D2を経てトランジスタn1mの入力へと接続されている。また、反射波レベルメモリR_LMEM1に格納されている反射波レベルの情報は、反射レベル電圧変換回路RV_CONV1により電圧に変換してから第1差動増幅器の電流源トランジスタn1iの制御入力Vc1として入力される。
【0126】
なお、遅延素子D1,D2の遅延時間や減算量(減算する大きさ)は、システムの内部でいったんその量を決定したら、信号の送出単位(2値ディジタルでは1ビット)ごとに変更する必要はないため、信号の伝送レートには大きな影響を与えない。ただし、システムの利用中に環境(温度、湿度など)が変化した場合には、遅延素子の遅延時間や減算量を再度設定しなおすといったことは可能である。
【0127】
<実施形態13>
図16は、本発明に係る信号伝送システムのまた別の実施形態を示す信号受取側の集積回路の構成図である。
【0128】
本実施形態の信号受取側の集積回路は、実施形態12の図15に示した第0および第1の差動増幅器に加えて、トランジスタn2p,n2m,n2iと負荷LD2からなる第2の差動増幅器を有していることに特徴がある。また、第1反射波から第2反射波までの遅延を格納する遅延メモリR_DMEM2、第2反射波レベルを格納する第2反射レベルメモリR_LMEM2と、この第2反射波レベルメモリR_LMEM2に格納されたレベル情報を電圧信号に変換する反射レベル電圧変換回路RV_CONV2とが更に設けられている。
【0129】
図15に示した構成では、第1の反射波を減算することが可能であるが、本実施形態の図16に示した構成ではさらにもう一つ(第2)の反射波を減算することが可能となる。
【0130】
第2の差動増幅器は、予め受取って第2反射レベルメモリR_LMEM2に格納されている第2の反射波の大きさに従った電圧が、反射レベル電圧変換回路RV_CONVからトランジスタn2iの入力V2cとして入力され、その電流源i2の大きさを決定する。また、その遅延時間についても、予め受取って遅延メモリR_DMEM2に格納されている第2の反射波の遅延時間となるように遅延素子D3,D4を制御することにより決定される。結果として、2つの出力OUTM,OUTPには受取った信号に対して、2つの遅延時間だけ前の信号をその反射波の比率に応じて減算することができる。
【0131】
<実施形態14>
図17(a)および図17(b)は、本発明に係る信号伝送システムのまた別の実施形態を示す信号送出側の集積回路の構成図である。
【0132】
図17(a)の集積回路1701は、図11に示した集積回路1101と同様の構成において、伝送路の駆動回路DRVが用いる電圧を変化させる例である。まず、駆動回路DRVの入力を切り替えるスイッチ1707は、テスト信号発生回路TSGEN側に接続され、伝送路1703に送出したテスト信号tsが自らに戻る反射波の観測を行う。この時、駆動回路の振幅を決定する電圧源選択スイッチ1710は高い側の電圧源VDDHに接続される。この時、反射波の電圧振幅は大きいため、その反射波の戻りにおける電圧変化はレベルモニタLVが検知するに十分な値とすることが可能である。
【0133】
次に、本来の信号伝送時の信号送出に際しては、駆動回路DRVの入力は信号送出器TX側に接続されるが、その時、駆動回路DRVの振幅を決定する電圧源選択スイッチ1710は本来の信号伝送に用いる、電圧源VDDHよりも電圧の低い電圧源VDDに接続される。一般に、高速伝送においては小振幅信号での伝送を行う場合が多いが、上記のような構成をとれば、不均一な特性インピーダンス構造の解析においては、レベルモニタLVが十分なレベル変動として検知した上で、本来の信号伝送では小振幅での信号伝送を行うといったことが可能となる。
【0134】
図17(b)は図17(a)と類似した構成であるが、駆動回路の振幅を決定する電圧源を切り替える代りに、予め信号の振幅を決定する電圧源が異なる2つの駆動回路DRV1とDRV2を用意しておき、いずれの駆動回路を用いるかを、本来の信号伝送時と自らに戻る反射波の観測時とで切り替える。すなわち、まず伝送路1703に接続されたスイッチ1722は、自らに戻る反射波の観測時には信号振幅の大きい駆動回路DRV2に接続される。ここで駆動回路DRV2は、信号振幅決定用の電圧源は高い電圧源VDDHに接続されている。その後、観測が済んだ後に、本来の信号の伝送時には、信号振幅の小さい駆動回路DRV1に切り替えられる。ここで、駆動回路DRV1は、信号振幅決定用の電圧源は低い電圧源VDDに接続されている。
【0135】
【発明の効果】
前述した実施形態から明らかなように、本発明によれば、伝送路が不均一な特性インピーダンス構造を有する場合に、信号の単一または複数の反射を補正し、高速な信号伝送を可能とする。また、そのための信号送出側の集積回路、および信号受取側の集積回路を提供する。これにより波形の歪みが小さくなり、従来より高速なレートでの信号伝送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号伝送システムの基本的構成を示す図。
【図2】信号送出器と信号受取器の間を伝送路を介して信号を受け渡す場合の構成図であり、(a)は伝送路の特性インピーダンスが均一な場合、(b)は特性インピーダンスが不均一な場合である。
【図3】不均一な特性インピーダンスを有する伝送路の別の例を示す図。
【図4】本発明に係る信号波形の補正原理を説明するための図であり、(a)は不均一なインピーダンス構造の伝送路を示す図、(b)は伝送路中を信号が送出器側から受取器側へ進行する様子を示す図。
【図5】本発明に係る信号伝送システムの別の基本的構成を示す図。
【図6】本発明に係る信号伝送システムのまた別の基本的構成を示す図。
【図7】本発明に係る信号伝送システムのまた別の基本的構成を示す図。
【図8】図1に示した本発明に係る信号伝送システムを適用するプリント基板上の構成例を示す図。
【図9】図1に示した本発明に係る信号伝送システムを適用するプリント基板上の伝送路の接続例を示す図。
【図10】図5に示した本発明に係る信号伝送システムの具体的回路構成例を示す図。
【図11】図6に示した本発明に係る信号伝送システムの具体的回路構成例を示す図。
【図12】図7に示した本発明に係る信号伝送システムの具体的回路構成例を示す図。
【図13】本発明に係る信号伝送システムの信号送出側の回路構成例を示す図。
【図14】本発明に係る信号伝送システムの信号送出側の別の回路構成例を示す図。
【図15】本発明に係る信号伝送システムの信号受取側の回路構成例を示す図。
【図16】本発明に係る信号伝送システムの信号受取側の別の回路構成例を示す図。
【図17】本発明に係る信号伝送システムの信号送出側のまた別の回路構成例を示す図。
【符号の説明】
101,501,601,701…信号送出側の集積回路(第1の集積回路)、102,502,602,702…信号受取側の集積回路(第2の集積回路)、103,503,603,703…伝送路(不均一な特性インピーダンス)、300…プリント基板、401〜403…801〜803…半導体チップ部品、804〜806…配線(伝送路)、807,808…ビア接続、1001,1110,1201…集積回路(信号送出側)、1002,1102,1202…集積回路(信号受取側)、1003,1103,1203…伝送路、1109,1112,1206…スイッチ、1301,1401,1701,1721…集積回路(信号送出側)、1302,1402,1703…伝送路、1305,1405,1707,1722…スイッチ、CALC…計算機、CL,CL1,CL2…クロック回路、CT…カウンタ、CT_MEM…カウンタメモリ、D,D1,D2…遅延素子、DRV,DRV1,DRV2…駆動回路、f1,f2…伝送周波数、INF_TX,INF_TX(L)…情報送出回路、infs…情報出力信号、INF_RX,INF_RX(L)…情報受取回路、LA…レベル調整回路、LD0〜LD2…負荷、LV…レベルモニタ、L_MEM,LVM…レベルメモリ、LV_DET…レベル変動検出回路、LV_REG…レベルメモリ、LY1〜LY4…プリント基板の第1層〜第4層、MEM,MEM_RX…メモリ、MX…ミキサ、TM…タイマ、n0i,n1i…電流源トランジスタ、RX…信号受取器、RX_COR…受取器側信号補正器、R10,R12…振幅比率、R_LMEM…反射レベルメモリ、R_DMEM…反射遅延メモリ、R_DMEM1…第1反射遅延メモリ、R_DMEM2…第1から第2反射までの遅延メモリ、SUB_RX…減算回路、TM_REG…タイマメモリ、ts…テスト信号、TSGEN…テスト信号発生回路、TX…信号送出器、txs…送出信号、TX_COR…送信器側信号補正器、V0,Vr1,Vr2…振幅電圧、Vc0,Vc1…制御入力、VDDH,VDD…電圧源、Vin…発振器電圧、VGA…可変ゲインアンプ、VD…可変遅延素子、Z0〜Z3,Z41〜Z43…インピーダンス。

Claims (6)

  1. 信号を送出する機能と自らが送出した信号が自らに戻る反射波の大きさ及び到達時刻を観測する手段とを有する第1の集積回路と、
    信号を受取る機能を有する第2の集積回路と、
    前記第1及び第2の集積回路との間を接続する不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路と、
    前記反射波の観測結果を用いて信号波形の補正を行う補正手段とを有し、
    前記第1の集積回路が観測する反射波は、前記第1の集積回路が送出した信号の一部が前記伝送路におけるインピーダンスの変化点で反射したものであり、
    前記第1の集積回路の観測する手段は、前記自らが送出した一つの信号に起因する前記反射波の大きさと前記到達時刻を複数回にわたって観測し、
    前記補正手段は、前記観測した前記反射波の大きさと前記到達時刻に基づいて上記伝送路におけるインピーダンスの変化点で反射した反射波による信号の歪みを補正することを特徴とする信号伝送システム。
  2. 請求項1に記載の信号伝送システムにおいて、
    前記第1の集積回路は、前記観測結果の反射波の大きさと到達時刻から前記第2の集積回路に到達する反射波の大きさと遅延時間を計算する計算手段と、該計算手段で得られた反射波の大きさと遅延時間を前記第2の集積回路に伝達する伝達手段とを更に有し、
    前記補正手段は、前記計算手段で計算された反射波の大きさと遅延時間を受取る手段と、前記遅延時間後における反射波を受取った信号から減算することにより信号波形の補正を行なう減算手段とからなり、
    前記第2の集積回路が前記補正手段を具備することを特徴とする信号伝送システム。
  3. 請求項2に記載の伝送システムにおいて、
    前記第2の集積回路への反射波の大きさと遅延時間の伝達手段は、前記第1の集積回路が信号送出に用いる伝送路と同一の伝送路であって、かつ伝達に用いる周波数は前記第1の集積回路が信号送出に用いる周波数よりも低い周波数であることを特徴とする信号伝送システム。
  4. 請求項1に記載の信号伝送システムにおいて、
    前記第1の集積回路は、前記観測結果の反射波の大きさと到達時刻から前記第2の集積回路に到達する反射波の大きさと遅延時間を計算する計算手段を更に有し、
    前記補正手段は、前記計算手段で計算された反射波の大きさと遅延時間を用いて、送出信号から予め前記第2の集積回路への反射波を減算して信号波形の補正を行なう減算手段からなり、
    前記第1の集積回路が前記補正手段を具備することを特徴とする信号伝送システム。
  5. 信号を送出する機能を有する集積回路であって、
    自らが不均一な特性インピーダンス構造を有する伝送路に予め送出した予備信号が自らに戻る反射波の大きさと到達時刻を観測する手段と、
    前記観測された前記反射波の大きさと到達時刻を利用して、本来送出する信号波形の補正を行なう補正手段と、
    前記補正手段は本来の信号送出に先立ち、予め観測された前記反射波の大きさと前記到達時刻とから、自らに接続される伝送路端とは逆の伝送路端に到達する反射波の大きさと遅延時間を計算する計算手段と、
    前記計算手段で計算された反射波の大きさと遅延時間とを保存する保存手段とを有し、
    前記補正手段の信号波形の補正は、送出時間より前の第1の時刻前記保存手段に保存されている反射波の遅延時間だけ前の送出信号を、前記保存された反射波の大きさに変換した後、前記第1の時刻における送出信号から減算することにより行なうことを特徴とする集積回路。
  6. 請求項1に記載の信号伝送システムにおいて、
    前記観測の際に自らが送出する信号は、本来の信号送出で用いられる信号の振幅よりも大きな電圧振幅で送出されることを特徴とする信号伝送システム。
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