JP4472261B2 - 結束設備用結束ヘッド及び結束用帯金溶接方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は梱包物の周囲を帯金で結束する結束設備用の結束ヘッド及びそれを用いた結束用帯金溶接方法に関する。より詳しくは梱包物の周囲に掛けた帯金を引き締めて、帯金の重なり部を点溶接する結束設備用結束ヘッド(以下、結束ヘッドと称す)及びそれを用いた結束用帯金溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
梱包物の周囲を帯金で結束する方法は従来から行なわれており、帯金の重なり部の接合は封鍼用シールに切れ目を入れる等の方法が採用されていた。しかし、最近では封鍼用シールの原価、補給の煩わしさ等の要因で封鍼用シールを用いないで点溶接する方法が多く採用されるようになってきた。この場合、点溶接する時、帯金を引き締めた状態で点溶接しているため溶接時に発生する熱等の影響で引き締め力によって溶接部の帯金が僅か移動する。これによって溶接部の強度が低下し、強度のバラツキも大きくなるという大きな問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる情況を鑑みて、帯金を点溶接中に引き締めることにって生じる溶接強度の低下、バラツキを防止する結束設備用結束ヘッド及びそれを用いた結束用帯金溶接方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明の結束設備用結束ヘッドは、梱包物の周囲に掛けられた帯金を結束用帯金溶接装置(以下、溶接装置と称す)の入側で下帯金を保持し、その後、帯金送給引締装置で帯金を引き締めた後、溶接装置の出側で上帯金を保持する。次に引き締めを解除し溶接装置の入側に配設された剪断装置で上帯金を剪断する。これによって溶接装置内の上、下帯金は引き締め力は全く作用しない自由な状態になる。この状態で上、下帯金を点溶接するので溶接接強度が大でバラツキの少ない良好な溶接結果が得られる。
すなわち、本発明は以下の特徴を有する。
(1)請求項1の結束設備用結束ヘッドは、
結束用帯金溶接装置の入側に、下帯金保持装置及び帯金送給引締装置を配設し、
出側に、上帯金保持装置及び帯金先端停止装置を配設し、
前記帯金送給引締装置の上側に結束用帯金溶接装置を作動させる甲、乙シリンダーを並べて配設し、
甲シリンダーのピストンを前進させることにより、乙シリンダーの第一ピストンを押して第一ピストンに接している乙シリンダーの第二ピストンを前進させ、
第二ピストンの先端部に接続したロッド及び第一リンク機構を介して、下帯金保持装置で下帯金を折り曲げ保持し、
帯金送給引締装置の送給ロールを反時計方向へ回転させて上帯金を引き締めるとともに、乙シリンダーの第一ピストンと第二ピストンをさらに前進させて、第二ピストンに係合する第二リンク機構によって上帯金保持装置を作動させて上帯金を保持し、
前記第一ピストンと第二ピストンを更に前進させて、前記第一リンク機構に係合した剪断装置によって上帯金を剪断し、
結束用帯金溶接装置の加圧電極と対向電極の間の上帯金と下帯金に張力が作用しない状態で、上帯金と下帯金を点溶接するようにしたことを特徴とする。
(2)請求項2の結束用帯金溶接方法は、
請求項1に記載の結束設備用結束ヘッドを用いて、
梱包物の周囲に帯金を掛けて接合部で重ね、上、下帯金を点溶接する結束用帯金溶接方法であって、
結束用帯金溶接装置の入側に、下帯金保持装置及び帯金送給引締装置を配設し、
出側に、上帯金保持装置及び帯金先端停止装置を配設し、
前記帯金送給引締装置の上側に結束用帯金溶接装置を作動させる甲、乙シリンダーを並べて配設し、
甲シリンダーのピストンを前進させることにより、乙シリンダーの第一ピストンを押して第一ピストンに接している乙シリンダーの第二ピストンを前進させ、
第二ピストンの先端部に接続したロッド及び第一リンク機構を介して、下帯金保持装置で下帯金を折り曲げ保持し、
帯金送給引締装置の送給ロールを反時計方向へ回転させて上帯金を引き締めるとともに、乙シリンダーの第一ピストンと第二ピストンをさらに前進させて、第二ピストンに係合する第二リンク機構によって上帯金保持装置を作動させて上帯金を保持し、
前記第一ピストンと第二ピストンを更に前進させて、前記第一リンク機構に係合した剪断装置によって上帯金を剪断し、
結束用帯金溶接装置の加圧電極と対向電極の間の上帯金と下帯金に張力が作用しない状態で、上帯金と下帯金を点溶接することを特徴とする。
【0005】
【発明の形態】
従来の結束設備の結束ヘッドは帯金を引き締めたままの状態で点溶接をしているため溶接熱等の影響で溶接中の帯金が若干移動していた。そのために溶接強度が低下し、バラツキも大きかった。本発明の結束設備用結束ヘッドは溶接装置の入り側と出側で帯金を保持しているため溶接装置内では張力は作用しない。これによって良好な溶接結果が得られる。以下、一実施例を示し、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【実施例】
図1は本発明の結束設備用結束ヘッドの正面図、図2は側面図を示し、図3は結束設備の説明的全体図、図4は帯金で結束された梱包物の姿図、図5は帯金の点接合部の姿図を示す。図3に示すように結束設備1へY方向からコンベヤー2等で搬送された梱包物3が結束ヘッド4の位置で停止する。結束設備1には予め結束ヘッド4内の帯金送給引締装置5の送給ロール6で矢印の方向へ帯金案内路7を経て送られた帯金8が準備されている。このとき結束ヘッド4内で帯金8は上帯金8aと下帯金8bが略、重なった状態になつている。下帯金8bの先端は図1に示す帯金先端停止装置9の停止金具10によって停止する。尚、停止金具10には帯金8が一枚通過できる程度のスリット10aが加工され、下帯金8bの先端は通過できないためこの位置で停止する。その後、停止金具10は後退する。
【0007】
次に下帯金8bを下帯金保持装置11で保持する。図6はA−A断面図を示し、下帯金8bは引き締め時に滑らないように受金12とジョー13の間で図7に示すように折り曲げられる。ジョー13はピン14を中心にしてリンク15によって枢動して閉じ、下帯金8bを折り曲げる。ピン14の両端は図1に示す側板16、17で支持される。リンク15の一端はピン18でジョー13と枢動し、他端はピン19でロッド20と枢動する。該ロツド20は甲シリンダー21と乙シリンダー22によって作動する。即ち、図1の甲シリンダー21のピストン21aが前進して乙シリンダー22の第一ピストン22aを押すとこれに接している第二ピストン22bも前進する。前記のロッド20は図6に示す側板16の溝16a内を滑動し、該第二ピストン22bに係合する第一リンク機構23によって下降して下帯金8bを折り曲げる。このとき乙シリンダー22には空気圧はなく自由状態である。尚、第一ピストン22aは次の行程で押し力を倍増するために配設されている。
【0008】
次に図3に示すフレーム24に取り付けられたシリンダー25によって結束ヘッド4が下降して梱包物3に接する。この段階で帯金送給引締装置5の送給ロール6を反時計方向へ回転させて帯金8のたるみをとった後、引き締めて所定の張力に達した時点で乙シリンダー22の第一ピストン22aと第二ピストン22bに圧縮空気を入れて前進させる。この時、甲シリンダー21のピストン21aと無関係になる。前記の第一ピストン22aと第二ピストン22bが更に前進すると第二ピストン22bに係合する第二リンク機構26によって上帯金保持装置27が作動して上帯金8a保持する。図8はB−B断面図置を示し、下帯金保持装置11と同様に第二リンク機構26によって下降するロツド28によって図1、図9に示すように該ロッド28にボルト29で取り付けられた押さえ金具30とリンク31によってピン32を中心に枢動するジョー33の間で折り曲げられて確実に上帯金8aを保持する。その後、上帯金8aの引き締めを解除する。
【0009】
次に図1、図10によって帯金剪断装置34について説明する。前記の第一ピストン22aと第二ピストン22bを更に前進させるとロツド20にボルト35で取り付けられた剪断刃36と受け金12の間で上帯金8aは剪断される。図10はC−C断面図を示す。
【0010】
この状態で結束用帯金溶接装置37(実公平7−31892参照)の加圧電極37aと対向電極37bの間の上帯金8aと下帯金8bには張力は全く作用しないので、次の行程で行なわれる点溶接で高強度でバラツキが少ない良好な溶接結果が得られる。
加圧電極37aと対向電極37bの間で上帯金8aと下帯金8bは加圧され、トランス37c及びオンス銅板37d等を経て通電されて点溶接される。
【0011】
その後、甲、乙シリンダー21、22のピストン21aと第一、第二ピストン22a、22bが後退して結束前の状態になり、結束ヘッド4が上昇して結束作業は終了する。これらの結束行程は図示しないコンピューター付き制御盤等で自動制御される。
【0012】
【発明の効果】
従来の結束設備用結束ヘッドは帯金を引き締めた状態で点溶接していたため溶接熱等で溶接中に帯金が移動し、溶接部の強度が低下しバラツキも大きかった。
本発明では上、下帯金を確実に保持して無張力の状態で点溶接をするため溶接部の強度低下もなくバラツキも少ない画期的な結束方法及び結束ヘッドである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の結束設備用結束ヘッドの正面図
【図2】【図1】の側面図
【図3】 本発明の結束設備の説明的全体図
【図4】 帯金で結束された梱包物の姿図
【図5】 帯金の点溶接部の姿図
【図6】 A−A断面
【図7】 下帯金の折り曲げ部の姿図
【図8】 B−B断面
【図9】 上帯金の折り曲げ部の姿図
【図10】 C−C断面
【符号の説明】
1 本発明の結束設備 10a スリット
2 コンベヤー 11 下帯金保持装置
3 梱包物 12 受金
4 結束設備用結束ヘッド 13 ジョー
5 帯金送給引締装置 14 ピン
6 送給ロール 15 リンク
7 帯金案内路 16 側板
8 帯金 17 側板
8a 上帯金 18 ピン
8b 下帯金 19 ピン
9 帯金先端停止装置 20 ロッド
10 停止金具 21 甲シリンダー
21a スリット
22 下帯金保持装置
22a 受金
22b ジョー
23 第一リンク機構
24 フレーム
25 シリンダー
26 第二リンク機構
27 上帯金保持装置
28 ロッド
29 ボルト
30 押え金具
31 リンク
32 ピン
33 ジョー
34 帯金剪断装置
35 ボルト
36 剪断刃
37 結束用帯金溶接装置
37a 加圧電極
37b 対向電極
37c トランス
37d オンス銅板
Claims (2)
- 結束用帯金溶接装置の入側に、下帯金保持装置及び帯金送給引締装置を配設し、
出側に、上帯金保持装置及び帯金先端停止装置を配設し、
前記帯金送給引締装置の上側に結束用帯金溶接装置を作動させる甲、乙シリンダーを並べて配設し、
甲シリンダーのピストンを前進させることにより、乙シリンダーの第一ピストンを押して第一ピストンに接している乙シリンダーの第二ピストンを前進させ、
第二ピストンの先端部に接続したロッド及び第一リンク機構を介して、下帯金保持装置で下帯金を折り曲げ保持し、
帯金送給引締装置の送給ロールを反時計方向へ回転させて上帯金を引き締めるとともに、乙シリンダーの第一ピストンと第二ピストンをさらに前進させて、第二ピストンに係合する第二リンク機構によって上帯金保持装置を作動させて上帯金を保持し、
前記第一ピストンと第二ピストンを更に前進させて、前記第一リンク機構に係合した剪断装置によって上帯金を剪断し、
結束用帯金溶接装置の加圧電極と対向電極の間の上帯金と下帯金に張力が作用しない状態で、上帯金と下帯金を点溶接するようにしたことを特徴とする結束設備用結束ヘッド。 - 請求項1に記載の結束設備用結束ヘッドを用いて、
梱包物の周囲に帯金を掛けて接合部で重ね、上、下帯金を点溶接する結束用帯金溶接方法であって、
結束用帯金溶接装置の入側に、下帯金保持装置及び帯金送給引締装置を配設し、
出側に、上帯金保持装置及び帯金先端停止装置を配設し、
前記帯金送給引締装置の上側に結束用帯金溶接装置を作動させる甲、乙シリンダーを並べて配設し、
甲シリンダーのピストンを前進させることにより、乙シリンダーの第一ピストンを押して第一ピストンに接している乙シリンダーの第二ピストンを前進させ、
第二ピストンの先端部に接続したロッド及び第一リンク機構を介して、下帯金保持装置で下帯金を折り曲げ保持し、
帯金送給引締装置の送給ロールを反時計方向へ回転させて上帯金を引き締めるとともに、乙シリンダーの第一ピストンと第二ピストンをさらに前進させて、第二ピストンに係合する第二リンク機構によって上帯金保持装置を作動させて上帯金を保持し、
前記第一ピストンと第二ピストンを更に前進させて、前記第一リンク機構に係合した剪断装置によって上帯金を剪断し、
結束用帯金溶接装置の加圧電極と対向電極の間の上帯金と下帯金に張力が作用しない状態で、上帯金と下帯金を点溶接することを特徴とする結束用帯金溶接方法。
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JP2003031762A JP4472261B2 (ja) | 2003-01-06 | 2003-01-06 | 結束設備用結束ヘッド及び結束用帯金溶接方法 |
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JP2003031762A JP4472261B2 (ja) | 2003-01-06 | 2003-01-06 | 結束設備用結束ヘッド及び結束用帯金溶接方法 |
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Family Applications (1)
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JP2003031762A Expired - Lifetime JP4472261B2 (ja) | 2003-01-06 | 2003-01-06 | 結束設備用結束ヘッド及び結束用帯金溶接方法 |
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2003
- 2003-01-06 JP JP2003031762A patent/JP4472261B2/ja not_active Expired - Lifetime
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