JP4472199B2 - 人工地盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、沿岸や水路等にビル等の建築物を建造するための人工地盤として、浮力を利用した人工地盤が提案されている。
人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力をその荷重支持に用いるように構成した従来の人工地盤の一例を図8に示してある。
図8に示す人工地盤は、その人工地盤本体(以後プラットフォームとする)1の平面図(図8の(a))におけるA−A断面方向に2列、B−B断面方向に4列の計8個の橋脚5と、そのプラットフォーム1の一部を水没させることによって生ずる浮力で荷重を支えるように構成されている。
【0003】
図8において、3は支承、6はフーチング、8は水路、9は満潮時(潮位HWL)のプラットフォームの水没部、16は橋脚5を支える地盤改良部である。
プラットフォーム1は、図9に示されているように、支承3を介して橋脚5によって支持され、支承3は防水膜4によって海水から保護されるように構成されている。
【0004】
プラットフォーム1は一部を常に水没させており、その水没部9の浮力によってプラットフォーム1の重量の大半が相殺され、残部を支承3を介して橋脚5で支持されるようになっている。満潮時(HWL)、干潮時(LWL)の潮位変化により水没部9の高さも変化し、それに伴う浮力の変動はポンプによりプラットフォーム1内に注排水して制御される。
【0005】
図9に示すように、プラットフォーム1を支える支承3を水没させないためプラットフォーム1には凹部10を設け、同凹部10の中で橋脚5の頂部に支承3を載せ、支承3を防水膜4で保護し、更に満潮時(HWL)でも支承3が海水に触れないよう、また水没しないように防水膜4で保護するとともに、凹部10に加圧室12を設け、この加圧室12が潮位の上昇により加圧されるようにして凹部10内の水位を下げる構造としている。
7は、プラットフォーム1上に設けられた建築物を示している。
このように、プラットフォーム1の一部を水没させることによって生ずる浮力でプラットフォーム1の荷重の一部を支えるようにした構造とすることによって、プラットフォーム1の接地圧は浮力によって小さくなり、そのため橋脚5が小さく出来、基礎の地盤に打込む大きな杭が不要となる等の利点を持っている。
【0006】
しかしながら、この人工地盤は、図9に示したように支承3の部分の構造が複雑なため施工が難しく、かつ、凹部10を設けたためプラットフォーム1の剛性が低下する。
また、防水対策が施されているとはいえ、支承3は常に海水に曝されるため、支承3(鋼製ローラ)の腐食、材質(ゴム製)の劣化等の問題、支承部のメンテナンスも構造上困難、更に、潮位の変動による浮力の変動を相殺するため注排水用のポンプが必要等の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いるようにした従来の人工地盤が、前記したように支承を介して橋脚に人工地盤本体を支持することによって種々の問題が生じていることに鑑み、本発明は、支承を介して人工地盤本体を橋脚に支持することにより生ずる問題を解消した人工地盤を提供することを課題としている。
また、本発明は、前記した問題点の解消と共に、潮位の変動による浮力の変動を相殺するためのポンプによる注排水制御を不要とした人工地盤を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、同人工地盤本体の底面に、その人工地盤本体の荷重を支持する橋脚の上部を囲繞し水面との間で加圧室を画成するカーテンを設けた構造を採用する。
【0009】
以上のように構成した本発明の人工地盤においては、人工地盤本体を橋脚に支持するための支承部を海水から保護するための加圧室を、人工地盤本体に凹部を設けることなく形成することができるので、人工地盤本体の構造が簡単になるとともに、剛性を損うことがない。
また、本発明による人工地盤では、加圧室を形成するためのカーテンを人工地盤本体の形状の如何に関わらず設けることができるばかりでなく、その加圧室を必要な大きさに設けることができ、その加圧室内で支承の施工やメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0010】
また、本発明は、前記した課題を解決するため、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、前記人工地盤本体を、その人工地盤本体の長さ方向の中央部を支持する橋脚と、両岸側又はいずれか一方の岸側に設けた補助人工地盤本体の浮力により支持する構造とした人工地盤を提供する。
【0011】
本発明のこの人工地盤においては、橋脚による人工地盤本体の支持は、人工地盤本体の長さ方向の中央部だけで行なわれ、橋脚の数が減少される。従って、この構造によれば、橋脚を構築する工事や、支承を介して橋脚に支持する部分の工事量を減らすことができる。
また、人工地盤本体を、その長さ方向の中央部だけで橋脚によって支持することで人工地盤本体に生じる曲げモーメントは、人工地盤本体の両岸側又はいずれか一方の岸側に設けた補助地盤本体の浮力で支持する構造によって相殺される。
【0012】
本発明のこの人工地盤において、人工地盤本体の底面に、その人工地盤本体の荷重を支持する橋脚の上部を囲繞し水面との間で加圧室を画成するカーテンを設けた構造を採用すると、人工地盤本体に凹部を形成することなく、所要の大きさの加圧室を設けることができて好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記課題を解決するために、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力に加え、水路の両岸に設けた支承により人工地盤本体の荷重を支持する構造とした人工地盤を提供する。
【0014】
本発明のこの人工地盤においては、人工地盤本体の荷重は、人工地盤本体に作用する浮力と、水路の両岸における支承とによって支持され、橋脚を採用しなくてよいので人工地盤本体の構造を簡単なものとすることができる。
また、橋脚による支持を無くすることによって人工地盤本体の剛性を低下させるような構造を採用する必要を無くするばかりでなく、橋脚の構築、支承部の工事やメンテナンスが不要となり、建設費、維持管理費を大幅に削減することができる。
【0015】
本発明のこの人工地盤において、その人工地盤本体の底面に、人工地盤本体の底面と水面との間にカーテンによって形成された加圧室を設けた構造を採用すると、この加圧室内に一定圧力を負荷して加圧室内の水位を下げて人工地盤本体に対し浮力が働く体積を増加させることができるので、その分だけ人工地盤本体を小さくすることができるものとなる。
【0016】
また、満潮時は、干潮時に比べて加圧室内の空気が圧縮され、その分だけ加圧室内に水が入って加圧室内の空間が減少して浮力が小さくなる。
一方、人工地盤本体に働く浮力は潮位の上昇によって水没部が増えることによって増加する。
このように加圧室の設置によって、潮位の変動により人工地盤本体に働く浮力の変動を小さくすることができる。或いは、この加圧室内の圧力を潮位の変化によって変化させることにより、人工地盤本体に作用する浮力の変動を抑えることも可能となる。
【0017】
なお、人工地盤本体の底面に設けるカーテンを断面形状が略三角形のものとすることによって、流体抵抗が減少し、そのため、地震時に発生した海水の波による人工地盤本体の揺れを抑えることができる。
【0018】
また、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力に加え、水路の両岸に設けた支承により人工地盤本体の荷重を支えるようにした本発明の人工地盤において、その人工地盤本体の底部に気密室を設けるとともに、その気密室に、干潮時の潮位の位置に水面を保つよう海水を出入りさせる通水孔を設けた構成を採用すると、注排水設備を設けることなく気密室内の空間の容積が調整されて人工地盤本体に働く浮力を潮位の変化に関わらず一定に保つことができるものとなって好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による人工地盤を図示した実施の形態に基づいて具体的に説明する。なお、以下の図面において、図8、図9に示した従来の人工地盤における部分と同等の部分には同じ符号を示してあり、それらについての重復する説明は省略する。
【0020】
(第1実施形態)
まず、図1に示した第1実施形態による人工地盤について説明する。
図1において、11はプラットフォーム(人工地盤本体)1の底面に設けたカーテン、12は加圧室で、加圧室12はプラットフォーム1の底面とカーテン11と水面によって囲まれて形成される。
カーテン11は、プラットフォーム1に凹部を設けることなく、プラットフォーム1の底面に突出させて支承3と橋脚5の上部を囲繞し水面との間で加圧室12を画成するように剛性を有する部材で構成し、同加圧室12内は加圧して水位を下げている。
【0021】
カーテン11は、図1(b)の左側に示すように個々の橋脚5に設けてもよいし、右側に示すように複数の橋脚5を含めて囲繞するように設けてもよい。そしてプラットフォーム1の下部は、干潮時でも常に水没させ、水没部9による浮力を得るようにしている。
図1に示した第1実施形態による人工地盤は、カーテン11によって人工地盤本体1に加圧室12を形成し、また、支承3のまわりに防水膜を設けていない点を除いて図8、図9に示した人工地盤と実質同じであり、その説明を省略する。
【0022】
以上の構造をもつ図1の人工地盤において、カーテン11はプラットフォーム1の形状を考慮することなく設けることができ、また、プラットフォーム1には加圧室12を形成するための凹部などを設けていないのでプラットフォーム1の形状が簡素になり剛性を損なう事がない。また、カーテン11の寸法を選定することで支承部を含む加圧室12を十分大きく構成することができ、その加圧室12内で支承3の施工、メンテナンスを気中で行うことができる。
【0023】
(第2実施形態)
次に、図2に示した第2実施形態による人工地盤について説明する。この第2実施形態におけるプラットフォーム(人工地盤本体)1は、水没部の浮力と、プラットフォーム1の長さ方向の中央部に設けた1列の橋脚5によって支持されるように構成されている。2は補助プラットフォーム(補助人工地盤本体)で、その浮力でプラットフォーム1の両端を支える。
【0024】
プラットフォーム1は橋脚5による支持をその長さ方向の中央部の1個所で支持するように構成しているが、それによって生じるプラットフォーム1の曲げモーメントを両端の補助プラットフォーム2の浮力で相殺する構造としている。各補助プラットフォーム2は下部を水没させ、一方の端を潮位の変動に対して傾動自在に護岸等に取り付けてある。
加圧室12は、その内部の水面を低下させるために加圧している。
【0025】
図2に示した第2実施形態による人工地盤は、両岸側に設けた2つの補助プラットフォーム2によってプラットフォーム1の両端を支持するようにしている点と、プラットフォーム1の中央部を橋脚5によって支持している点を除き、その他の点は図1に示された第1実施形態による人工地盤の構造と実質的に同等であり、同等の部分には同じ符号を付してあり、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
以上の構造を有する第2実施形態による人工地盤では、プラットフォーム1を中央部だけ1列の橋脚5によって支持させた構成としているため、プラットフォーム1には曲げモーメントが働くが、その曲げモーメントは、プラットフォーム1の両端に補助プラットフォーム2を設けてその浮力で相殺している。こうして、本第2実施形態では、プラットフォーム1を支持する橋脚を中央の1個所にでき、橋脚の数を減少させることができるものとしている。
【0027】
図3は、以上説明した第2実施形態による人工地盤の変形を示すもので、プラットフォーム1の一方の端を護岸等に傾動自在に取り付け、補助プラットフォーム2による支持をプラットフォーム1の他方の端のみとしたもので、プラットフォーム1の略中央部は一列の橋脚5で支持している。
この構造の人工地盤では、護岸等で支持されていないプラットフォーム1の他方の端のモーメントを補助プラットフォーム2を設けて、その浮力で相殺するもので、図2に示したものと同様、橋脚の数を減少させることができる。
【0028】
(第3実施形態)
次に、図4に示した第3実施形態による人工地盤について説明する。この第3実施形態による人工地盤では、プラットフォーム1の荷重を支持するのに橋脚を使用せず、両岸の支承3とプラットフォーム1の浮力で支持する構造としている。
プラットフォーム1は、水没部9によって発生する浮力で支持されるよう下部を常に水没させるようにしてあり、その浮力と、水路8の両岸における支承3による支持とによって荷重を支持されている。
潮位の変動によるプラットフォーム1に働く浮力の変動は、ポンプ等によりプラットフォーム1内に注排水して制御するようにしてある。
【0029】
以上のように構成した第3実施形態による人工地盤では、プラットフォーム1の荷重の支持を、プラットフォーム1に働く浮力と、水路8の両岸での支承3による支持とすることにより橋脚5を廃止することができ、プラットフォーム1の形状が簡素化され、また、橋脚によって支持するためにプラットフォーム1の形状を変えることに起因する剛性の低下を招くこともない。また、水没する支承部を持たないため、困難な作業を伴う支承の施工やメンテナンスがなくなり、建設費を大幅に削減することができる。
【0030】
(第4実施形態)
次に、図5に示した第4実施形態による人工地盤について説明する。この第4実施形態による人工地盤は、橋脚を使用せず両岸の支承3とプラットフォーム1の浮力でプラットフォーム1の荷重を支持する構造としたものである。
図5において、17はプラットフォーム1の底面に突出させて設けたカーテンで、このカーテン17によって加圧室12が画成されている。
【0031】
カーテン17は、プラットフォーム1に剛性を損なうような凹部を設けることなく、プラットフォーム1の底面に突出させて水面との間で加圧室12を画成するように剛性を有する部材で構成し、同加圧室12は内部の水位を下げるため加圧する。そしてプラットフォーム1の下部は、干潮時でも常に水没され、水没部9による浮力を得るようにしている。
その他の構造は、第3実施形態の人工地盤と実質同じであり、同等の部分には同じ符号を付してあり、それらについての重復する説明は省略する。
【0032】
以上説明した第4実施形態による人工地盤では、プラットフォーム1の底面に一定容積の加圧室12を設け、その加圧室12内に一定圧力を負荷する事により室内の水位が下がって浮力が発生する体積が増加し、その分、プラットフォーム1を小さくすることができる。また、一定圧力を負荷した加圧室12を設けたことにより、満潮時は干潮時に比較して内部の圧力が高くなるため加圧室内の空気が圧縮されてプラットフォーム1に作用する浮力の増加が小さくなる。このことは、結果的に潮位の変動による浮力の変動を小さくすることになる。
【0033】
また、潮位の変動に応じて加圧室12内の圧力を制御することにより浮力の変動を押さえることも可能である。更に、プラットフォーム1の形状が簡素化されたことにより、プラットフォーム1に凹部を設けたりすることに起因する剛性の低下を招くこともなく、また、水没する支承部を持たないため困難な作業を伴う支承3の施工、メンテナンスがなくなる。
【0034】
図6は、以上説明した第4実施形態による人工地盤の変形を示すもので、プラットフォーム1の底部に断面形状を三角形としたカーテン18を設けた例である。このようにカーテン18の断面形状を三角形とすることにより、流体抵抗が減少し、そのため、地震時に発生した海水の波によるプラットフォーム1の揺れを抑えることができる。
なお、カーテンの形は三角形に限定されるものではない。
【0035】
(第5実施形態)
最後に図7に示す第5実施形態について説明する。この第5実施形態は、第3実施形態による人工地盤と同様に橋脚を使用せず水路の両岸に設けた支承とプラットフォームの浮力で荷重を支持する構造としたものである。
図7において、13は隔壁で、この隔壁13によってプラットフォーム1の内部に気密室14が画成されている。
【0036】
また、プラットフォーム1には、干潮時の潮位となる位置に当る気密室14の上の部分に通水孔15が設けられ、潮位の上下に応じてこの通水孔15を通して気密室14の上のプラットフォーム1内に海水が注排水される。
この第5実施形態による人工地盤のその他の構成は、図4に示す第3実施形態による人工地盤と実質同じであり、同等の部分には同じ符号を付してあり、それらについての重復する説明は省略する。
【0037】
以上説明したように、第5実施形態による人工地盤ではプラットフォーム1の内部に浮力を発生させる一定容積の気密室14を設けると共に、プラットフォーム1内に海水を導入する通水孔15を干潮時の潮位の位置に複数個設けてあり、潮位が上昇すると通水孔15から気密室14の上部に海水が流入し、潮位が下降すると海水が流出するように構成されている。
【0038】
以上の構造とすることによって、この人工地盤のプラットフォーム1は潮位の上下に関わらず常に一定の浮力を得ることができ、潮位の変動による浮力の変動を制御する注排水設備が不要となる。
この第5実施形態による人工地盤もまた、プラットフォーム1の形状が簡素になり剛性を損なうこともなく、水没する支承部を持たないため、困難な作業を伴う支承の施工、メンテナンスがなくなるという利点を有している。
【0039】
以上、本発明を図示した実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で、その構成、構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0040】
例えば、図5、図6に示す第4実施形態においては、カーテン17、18で加圧室12を画成しているが、形状としてはやや複雑になるが、加圧室12をプラットフォーム1の底面に凹部として設けても同様の効果が得られる。要は、プラットフォーム1の底面に加圧室を形成させればよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、同人工地盤本体の底面に、その人工地盤本体の荷重を支持する橋脚の上部を囲繞し水面との間で加圧室を画成するカーテンを設けた構造の人工地盤を提供する。
【0042】
本発明の人工地盤においては、支承部を海水から保護するための加圧室を、人工地盤本体に凹部を設けることなくカーテンによって、人工地盤本体の形状の如何に関わらず、必要な大きさに形成することができるので、人工地盤本体の構造が簡単になるとともに、剛性を損うことがない。
【0043】
また、本発明は、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、前記人工地盤本体を、その人工地盤本体の長さ方向の中央部を支持する橋脚と、両岸側又はいずれか一方の岸側に設けた補助人工地盤本体の浮力により支持する構造とした人工地盤を提供する。
【0044】
本発明のこの人工地盤においては、橋脚による支持は人工地盤本体の長さ方向の中央部だけで行なわれ、橋脚の数が減少される。従って、この構造によれば、橋脚を構築する工事や、支承を介して橋脚に支持する部分の工事量を減らすことができる。
【0045】
本発明のこの人工地盤において、人工地盤本体の底面に、その人工地盤本体の荷重を支持する橋脚の上部を囲繞し水面との間で加圧室を画成するカーテンを設けた構造を採用したものでは、人工地盤本体に凹部を形成することなく、所要の大きさの加圧室を設けることができる。
【0046】
また、本発明は、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力に加え、水路の両岸に設けた支承により人工地盤本体の荷重を支持する構造とした人工地盤を提供する。
【0047】
本発明のこの人工地盤においては、人工地盤本体の荷重は、人工地盤本体に作用する浮力と、水路の両岸における支承とによって支持され、橋脚を採用しなくてよいので人工地盤本体の構造を簡単なものとすることができる。
また、橋脚による支持を無くすることによって人工地盤本体の剛性を低下させるような構造を採用する必要を無くするばかりでなく、橋脚の構築、支承部の工事やメンテナンスが不要となり、建設費、維持管理費を大幅に削減することができる。
【0048】
本発明のこの人工地盤において、その人工地盤本体の底面に、人工地盤本体の底面と水面との間にカーテンによって加圧室を設けた構造を採用したものでは、この加圧室内に一定圧力を負荷して加圧室内の水位を下げて人工地盤本体に対し浮力が働く体積を増加させることができるので、その分だけ人工地盤本体を小さくすることができるものとなる。
この加圧室の設置によって潮位の変動により人工地盤本体に働く浮力の変動を小さくすることができ、また、この加圧室内の圧力を潮位の変化によって変化させることにより、人工地盤本体に作用する浮力の変動を抑えることも可能となる。
【0049】
また、このカーテンを断面略三角形のものとしたものは、流体抵抗が減少し、そのため、地震時に発生した海水の波による人工地盤本体の揺れを抑えることができる。
【0050】
また、人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力に加え、水路の両岸に設けた支承により人工地盤本体の荷重を支えるようにした本発明の人工地盤において、その人工地盤本体の底部に気密室を設けるとともに、その気密室に、干潮時の潮位の位置に水面を保つよう海水を出入りさせる通水孔を設けた構成を採用したものでは、注排水設備を設けることなく気密室内の空間が潮位の変動につれて調整されて人工地盤本体に働く浮力を潮位の変化に関わらず一定に保つことができるものとなる。
【0051】
以上のとうり、本発明によれば、人工地盤本体を支承によって橋脚に支持させることにより生ずる問題点を解消した人工地盤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による人工地盤を示す図面で、(a)はその断面図、(b)は縮少して示す平面図。
【図2】本発明の第2実施形態による人工地盤を示す図面で、(a)は(b)のA−A線に沿う断面図、(b)は縮少して示す平面図。
【図3】図2に示した第2実施形態による人工地盤の変形を示す図面で(a)は(b)のA−A線に沿う断面図、(b)は縮少して示す平面図。
【図4】本発明の第3実施形態による人工地盤を示す断面図。
【図5】本発明の第4実施形態による人工地盤を示す断面図。
【図6】図5に示した第4実施形態による人工地盤の変形を示す断面図。
【図7】本発明の第5実施形態による人工地盤を示す断面図。
【図8】従来の人工地盤を示す図面で、(a)は平面図、(b)はやゝ拡大して示す(a)図のA−A線に沿う縦断面図、(c)はやゝ拡大して示す(a)図のB−B線に沿う縦断面図。
【図9】図8の(b)における橋脚部を拡大して示す縦断面図。
【符号の説明】
1 プラットフォーム(人工地盤本体)
2 補助プラットフォーム(補助人工地盤本体)
3 支承
4 防水膜
5 橋脚
6 フーチング
7 建築物
8 水路
9 水没部
10 凹部
11 カーテン
12 加圧室
13 隔壁
14 気密室
15 通水孔
16 改良地盤
17 カーテン
18 カーテン

Claims (6)

  1. 人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、同人工地盤本体の底面に、同人工地盤本体の荷重を支持する橋脚の上部を囲繞し水面との間で加圧室を画成するカーテンを設けたことを特徴とする人工地盤。
  2. 人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、前記人工地盤本体を、同人工地盤本体の長さ方向の中央部を支持する橋脚と、両岸側に設けた補助人工地盤本体の浮力により支持する構造としたことを特徴とする人工地盤。
  3. 人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、前記人工地盤本体を、同人工地盤本体の長さ方向の中央部を支持する橋脚と、一方の護岸側に設けた支持及び他方の護岸側に設けた補助人工地盤本体の浮力とにより支持する構造としたことを特徴とする人工地盤。
  4. 請求項2又は3に記載の人工地盤において、前記人工地盤本体の底面に同人工地盤本体の荷重を支持する橋脚の上部を囲繞し水面との間で加圧室を画成するカーテンを設けたことを特徴とする人工地盤。
  5. 人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力を人工地盤本体の荷重支持に用いる構造の人工地盤において、前記人工地盤本体の一部を水没させて生ずる浮力に加え、水路の両岸に設けた支承により前記人工地盤本体の荷重を支持する構造とし
    前記人工地盤本体の底面にカーテンを設け同底面と水面との間に加圧室を構成し、潮位の変動に応じて前記加圧室内の圧力を制御することを特徴とする人工地盤。
  6. 請求項に記載の人工地盤において、前記人工地盤本体の底面に設けた前記カーテンの断面形状が略三角形であることを特徴とする人工地盤。
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