JP4471936B2 - 電機および電子部品用材料 - Google Patents

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Description

本発明は特に難燃性、耐熱性および耐水性に優れた電機および電子機器用材料に関する。また本発明は特に電機および電子機器用部品の被覆、絶縁、積層板、金属張り積層板、例えば、プリプレグ、多層回路基板、回路基板用積層板等に使用される水酸化マグネシウム粒子に関する。
エポキシ樹脹などに代表される熱硬化性樹脂は、機械的強度、電機的特性、熱的特性、接着性、耐薬品性、耐水性等の優れた特性から、ガラス、布、紙、合成繊維などの基材と組み合わせた各種積層板、例えば構造用、重電機器用、プリント配線板、プリント配線板用金属張り積層板等に応用されている。
これらの電機および電子部品は、技術革新により、小型化、薄型化および高性能化に伴い、電機および電子機器を構成する半導体装置、およびこれを実装する多層プリント配線基板にも小型化、薄型化、高性能化、高信頼性が必要になってきた。
このため多層プリント基板の実装方法はピン挿入型パッケージから、表面実装型パッケージヘ、さらにチップを直接実装するベアチップ実装の方法へと移行しており、高密着性が必要となっている。この高密着性は、吸水率を減少させることでも達成できる。また回路基板用積層板としては、積層板製造時や電子部品実装時に高温高湿の条件下で処理された後、半田浴浸等の工程があるため、積層板に膨れ、剥がれ等がおこりやすく、高度の耐熱性、難燃性、長期の安定性等が要求されている。
難燃化の手段としては、臭素系エポキシ樹脂および酸化アンチモンを添加する方法が行われている。しかしながらこの場合、燃焼時に臭化水素、臭素系ガス、臭素化アンチモンなどの発生による人体への有害性や機器への腐食性と、製造過程で発生する産業廃棄物やエポキシ樹脂成形材料およびその成形材料を用いた電機および電子部品の処分の問題など環境上の安全性が問題となっている。
さらに上記難燃剤を添加した電機および電子部品を高温で長時間放置すると、遊離した臭素の影響で電機および電子部品が腐食する。このためリン化合物が検討されたが(特許文献1)、エポキシ樹脂系にリン酸エステルなどを用いる場合、ブリードの問題が起こる場合がある。またフェノール性水酸基などの官能基を持った一般的なリン酸エステル化合物は、加水分解により遊離のリン酸が生成し、電気的特性を劣化させる。この問題点を解決するために、難燃剤として、金属水酸化物粒子を添加する方法が提案されている(特許文献2)
しかしながら、この方法では金属水酸化物粒子を大量(40重量%以上)配合しなければならないので、また電機および電子部品が高温(通常215-260℃)に曝され吸水量が多い金属水酸化物は吸湿した水分の急激な気化により、積層板の場合は、膨れや剥がれが発生するという耐半田性の低下という問題が生じている。
この問題を解決するために特許文献3では、金属水酸化物粒子を水酸化マグネシウム粒子に限定し、さらにこの水酸化マグネシウム粒子に表面処理を施し吸湿を防ぎ、さらに樹脂への分散性を改良することが提案されている。さらに、最近では半田の材料の一つである鉛の人および環境等への悪影響が問題となっており、半田の鉛を規制する動きがある。脱鉛半田の半田付けの場合、鉛含有半田での半田付けより高温での処理が必要で、この意味からも水酸化アルミニウム粒子のように脱水温度の低い(脱水開始温度200℃)ものより、水酸化マグネシウム粒子(脱水開始温度340℃)の必要性が考えられるようになった。
特開平11−172074号公報 特開平11−209569号公報 特開平9−176368号公報
しかしながら、近年の電機および電子部品の分野の技術革新により、より高難燃性、高耐湿性および長期の安定性および安全性が必要とされている。さらに金属水酸化物粒子中の不純物、特にFe化合物、Mn化合物、Cl含有量が多い場合は、熱劣化や金型や半導体素子、積層板の腐食の原因となり、また、最近のメモリー容量の増大、すなわちメモリーの高集積度化の場合は、U、Th等の崩壊によるα線により、メモリーがソフトエラーを発生することが問題になってきている。例えば、U、Thの含有量として1M〜4MMビットに伴う蓄積電荷量の減少化のため、U、Th等、放射性物質の含有量が多いメモリーで1ppb(ng/g)以下、4〜16Mビットで0.1ppb(ng/g)以下がソフトエラーに対する信頼性を確保するために要求されている。そのため積層板用材料として用いられる合成樹脂に配合する水酸化マグネシウムの放射性物質の含有量が微量であることが要求されるようになった。
また水酸化マグネシウム粒子中の水溶性アルカリ金属塩が耐水絶縁性に影響を与えることを発見した。
かくして本発明者等の研究によれば、不純物としてのFe化合物、Mn化合物、U化合物およびTh化合物の含有量を一定量以下含む高純度の水酸化マグネシウム粒子であって、且つ平均2次粒子径の値を5μm以下、好ましくは3μm以下とし、さらに、比表面積の値を10m/g以下、好ましくは5m/g以下の水酸化マグネシウム粒子の一定量を合成樹脂に配合することによって、高温高湿条件下においても充分な耐水性を有し、耐食性を有しかつ難燃性が優れ、メモリーのソフトエラーの発生を押さえた電機および電子部品用材料および電機および電子部品用樹脂組成物およびその成形品が得られることが判明した。
すなわち、本発明によれば下記(i)〜(iv)の要件を満足する水酸化マグネシウム粒子である電機および電子部品用材料が提供される。
(i) 平均2次粒子径が5μm以下
(ii) BET法比表面積が10m/g以下
(iii) Fe化合物およびMn化合物の含有量の合計量が金属に換算して0.02重量%以下 かつ
(iv) U化合物およびTh化合物の含有量の合計量が金属に換算して10ppb以下、
さらに本発明によれば、合成樹脂および前記(i)〜(iv)の要件を満足する水酸化マグネシウム粒子よりなる電機および電子部品用樹脂組成物が提供される。以下本発明についてさらに詳細に説明する。
水酸化マグネシウム粒子は、水酸化マグネシウム中の鉄化合物およびマンガン化合物の含有量が多いほど、配合した樹脂の熱安定性を著しく低下させる原因となる。しかし、これら化合物の合計量が前記範囲を満足するのみで樹脂の物性低下が損なわれないというわけではなく、その上に前記平均2次粒子径および比表面積がそれぞれ前記範囲を満足することが必要である。粒子の平均2次粒子径が大きくなるほど、樹脂との接触面が減り熱安定性は良くなるが、機械的強度が低下したり、外観不良という問題が生じてくる。故に水酸化マグネシウムの平均2次粒子径の範囲は、5μm以下、好ましくは3μm以下が有効である。
,
また、水酸化マグネシウム粒子のBET法による比表面積は10m/g以下、好ましくは0.2〜5m/gである。さらにU化合物とTh化合物の含有量の合計が金属に換算して10ppb以下、好ましくは5ppb以下、さらに好ましくは1ppb以下である。
Fe化合物およびMn化合物の含有量が上記範囲を越えて含有している場合、樹脂の熱劣化に影響を与える。さらにU化合物およびTh化合物の含有量が前記範囲内であれば、メモリーのソフトエラーの発生を軽減出来るが、含有量が多いほどソフトエラーが多くなる。
前記したように、水酸化マグネシウム粒子は平均2次粒子径、比表面積、Fe化合物、Mn化合物、U化合物およびTh化合物等の含有量が前記範囲であれば、樹脂との相溶性、分散性、成形および加工性、成形品の外観、機械的強度および難燃性、メモリーのソフトエラーの軽減等の諸特性を満足する樹脂組成物が得られる。
さらに本発明の水酸化マグネシウム粒子は、望ましくは、水酸化アルカリ金属塩の含有量がアルカリ金属に換算して0.05重量%以下、好ましくは0.03重量%以下、より好ましくは0.003重量%以下であることが一層有利である。またより望ましくは塩素含有化合物の含有量が塩素原子に換算して0.02重量%以下、好ましくは0.002重量%以下であることが特に有利である。
本発明における前記水酸化マグネシウム粒子は、前記(i)(ii)(iii)および(iv)の要件を満足する限り、その調整法は特に制限を受けない。
前記(i)の平均2次粒子径および(ii)の比表面積を満足する水酸化マグネシウム粒子は、例えば、特許文献4に記載された方法および条件を基本的に採用することにより製造することができる。すなわち、塩化マグネシウムまたは硝酸マグネシウムと水酸化アルカリ金属、アンモニア、酸化マグネシウム等のアルカリ物質とを原料とし、これらを水性媒体中、加圧条件下(好ましくは5〜30kg/cm)加熱することによって製造することができる。その際、原料中の不純物、殊に鉄化合物およびマンガン化合物(さらに必要ならば他の前記金属化合物)、U化合物およびTh化合物等を含まないかあるいは極めて含有量の少ないものを選択することによって、前記(iv)の要件を満足する水酸化マグネシウム粒子を得ることができる。
特開昭52−115799号公報
必要ならば、原料としての塩化マグネシウムまたは硝酸マグネシウムおよび前記アルカリ性物質をその中の前記不純物の含有量を低下させるために精製処理を施すことは好ましいことである。
得られた水酸化マグネシウム粒子をイオン交換水または工業用水にて洗浄することにより、Cl化合物および水溶性アルカリ金属塩を除去できる。
U化合物およびTh化合物の除去方法については本発明者等が研究の結果、水酸化マグネシウムの原料中のUを下記式(1)で表されるハイドロタルサイトにて吸着、除去させる方法が適当であることが解った。
Figure 0004471936
ハイドロタルサイトは天然品でも合成品でもよく、さらに好ましくはこれを水酸化マグネシウム原料に添加し、Uを除去する。水酸化マグネシウムの原料であるマグネシウム源と、アルミニウム源でハイドロタルサイトを合成し、濾過し、この濾液である塩化マグネシウムを水酸化マグネシウムの原料としても、合成されたハイドロタルサイトがUを吸着しているので、Uの少ない塩化マグネシウムが得られる。
一例を示すと下記の通りである。
3Lビーカーに苦汁(MgCl=1.9mol/L)2L(U含有量は126ppb)を入れ、攪拌条件下で5Nの濃度に調整された塩酸(和光純薬KK製)2mlを添加して、室温(25℃)にて30分間撹拌し、pH=1.6の苦汁を得た。この苦汁に撹拌しながら54g/Lの濃度に調整された硝酸アルミニウム(和光純薬KK製)水溶液20mLを入れ、さらに14重量%に調整されたアンモニア水(和光純薬KK製)23mLを撹拌下に滴下しながら加えた後、室温(25℃)にて30分撹拌し、pH=6.5の苦汁を得た。
この苦汁はアルミニウムイオンと一部のマグネシウムイオンが共沈した複水酸化物を含む懸濁液である。これをブフナーロートで吸引濾過し、濾液として塩化マグネシウム(MgCl)=1.7mol/Lの苦汁を得た。
U含有量は0.8ng/ml以下であった。
この塩化マグネシウムをMg源とし、アルカリ源を水酸化カルシウムとして反応、水酸化マグネシウムを得た。この水酸化マグネシウムのU含有量は2ppbであった。
これをU除去作業なしの塩化マグネシウムと水酸化カルシウムで反応して得た水酸化マグネシウムのU含有量と比較した。

Figure 0004471936
ウラン除去の機構は明らかではないが、水酸化マグネシウムの結晶成長が起こり、BET比表面積が小さくなり、粒子の分散性が良好となり、樹脂用添加剤として好適な粉体物性が付与される。
本発明で使用の水酸化マグネシウム粒子は高級脂肪酸、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル類、カップリング剤および多価アルコールの脂肪酸エステル類よりなる群から選ばれた少なくとも一種類の表面処理剤で表面処理されてもよい。
表面処理剤として好ましく用いられるものを例示すれば次のとおりである。ステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、べヘン酸などの炭素数10以上の高級脂肪酸類、前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩;ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリールスルホン酸塩、エステル結合アルキルアリールスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリールスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン酸エステル類;r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、r−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、r−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、r−グリシドキシプロピルメチルエトキシシラン、r−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)r−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)r−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)r−アミノプロピルトリエトキシシラン、r−アミノプロピルトリメトキシシラン、r−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−r−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ一グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ一メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、等のシランカップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス−(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネ−ト、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネ−ト、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネ−ト等のチタネート系カップリング剤類;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類、トリフェニルホスファイト、ジフェニル・トリデシルホスファイト、フェニル・ジトリデシルホスファイト、フェニル・イソデシルホスファイト、トリ・ノニルフェニルホスファイト、4,4‘−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)−ジトリデシルホスファイト、トリラウリルチオホスファイト等、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等の多価アルコールと脂肪酸等。
前記表面処理剤による水酸化マグネシウム粒子の表面処理方法はそれ自体公知の湿式または乾式法により実施出来る。例えば湿式法としては、水酸化マグネシウム粒子のスラリーに該表面処理剤を液状、またはエマルジョン状で加え、約100℃までの温度で機械的に十分混合すればよい。乾式法としては、水酸化マグネシウム粒子をヘンシェルミキサー等の混合機により、十分攪拌下で表面処理剤を液状、エマルジョン状、固形状で加え、加熱または非加熱下で十分混合すればよい。表面処理剤の添加量は、適宜選択出来るが、水酸化マグネシウム粒子に対し、0.01〜10.00重量%、好ましくは、0.05〜5.00重量%である。
表面処理をした水酸化マグネシウム粒子は、必要により、例えば水洗、脱水、造粒、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜選択して実施し、最終製品形態とすることができる。
また前記表面処理剤は、合成樹脂と水酸化マグネシウム粒子との混練時に添加することもできる。本発明の樹脂組成物において、前記合成樹脂と水酸化マグネシウム粒子との割合は、合成樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウム粒子5〜500重量部、好ましくは、50〜300重量部が適当である。
水酸化マグネシウム粒子は他の無機充填剤と共に配合してもよく、強度向上、吸湿性低減の目的で適宜配合されてもよい。本発明における無機充填剤としては、非晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、酸化マグネシウムアルミニウム、ジルコニア、ジルコン、クレー、タルク、ワラスナイト、珪酸カルシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、アスベスト、ガラス繊維、硫酸カルシウム、窒化アルミニウムなどが挙げられ、球状、破砕状、繊維状など任意の形状の物が使用できる。無機充填剤の好ましい具体例としては非晶シリカ、結晶性シリカまたはアルミナであり、この場合の無機充填剤の配合量は、水酸化マグネシウム粒子を含む無機充填剤の合計量が樹脂組成物全体の60〜95重量%、好ましくは、70〜90重量%であり、配合量が多いので、成形性の良い、すなわち、流動性が良く、低粘度のものが要求される。
合成樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、オレフィン系エラストマーまたはフッ素樹脂等が挙げられるが、とりわけエポキシ樹脂が適当である。
本発明におけるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、2,2',6,6'−テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、2,2',6,6'−テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ビス−β−トリフルオロメチルジグリシジルビスフェノールA、レゾルシノージグリシジルエーテルなどのその他の2官能型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格およびジシクロペンタジエン骨格などを有する多官能型エポキシ樹脂、
1,6一ジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂、1−(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)−1−(2−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)−1−フェニル−メタン等のナフタレン系エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、オルトグレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールADノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂と、ノボラック型エポキシ樹脂とを、ビスフェノールおよび/またはハロゲン化ビスフェノールを介して共重合させたエポキシ樹脂、
ジシクロペンタジエンとフェノールとの重付加体のエポキシ化物に代表される環式脂肪族エポキシ樹脂、
フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂、
テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルp−アミノフェノール、テトラグリシジルm−キシリレンジアミン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂、
フロログリシノールトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシフェニルメタントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、2−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕−2−〔4−〔1,1−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕エチル〕フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−〔1−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕−1−〔4−〔1−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチル〕フェノキシ〕−2−プロパノール、テトラヒドロキシフェニルエタンテトラグリシジルエ−テル、テトラグリシジルベンゾフェノン、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシドキシビフェニル等のビフェニル型エポキシ樹脂、
その他、脂環式エポキシ樹脂、イソシアネート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物、芳香族アミンおよび複素環式窒素塩基からのN−グリシジル化合物、たとえば、N,N−ジグリシジルアニリン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス(p−アミノフェニル)−メタンなど、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アラルキル基含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、これらのエポキシ樹脂と、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基などの官能基を有するシリコーン系オリゴマー、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等の単量体から得られる重合体あるいはポリアミド系樹脂などを反応させて選られる各種変性エポキシ樹脂が挙げられる。上記エポキシ樹脂はそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上の混合物、または、変性エポキシ樹脂を併用してもよい。
硬化剤としては、特に限定されるものではないが、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ノボラック樹脂、オリゴマー硬化剤等を各々の目的に応じて使用することができる。
具体的には、先ず、アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミン、ジプロピレントリアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂肪族ポリアミン、メタキシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル酸塩等の芳香族系ジアミン;
ジシアンジアミド、ジシアンジアミドの有機酸ヒドラジッド、トリメチルグアニジン、ジメチルグアニジン等のグアニジン系化合物;
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
ピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジンピコリン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,4−ジアザジシクロ(2,2,2)オクタン、1,8−ジアザビシクロウンデカン(DBU)等のその他の環状アミン;
ジオキシエチレンジアミン、トリオキシエチレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリアミン−エチレンオキシドアダクト、ポリアミン−プロピレンオキシドアダクト等のポリエーテル系アミン;
トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン;
その他、主鎖にシリコーン骨格を有するジアミン、ポリアミンエポキシ樹脂アダクト、シアノエチル化ポリアミン、ケチミン系化合物、1−シアノエチル体、並びに、1−シアノエチル体のトリメリット酸塩、4級塩、イソシアヌル酸塩およびヒドロキシメチル体等;
その他の潜在性のアミン系硬化剤として3フッ化ホウ素−アミンコンプレックス(錯体)、ジアミノマレオニトリルとその誘導体、メラミン、メラミン誘導体等が挙げられる。
次に酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビズ(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、並びにリノール酸、リノレン酸およびエレオステアリン酸等と無水マレイン酸との付加体等のメチルエステル、トリグリセライドと無水マレイン酸との付加体等の環状脂肪族酸無水物;ポリアジピン酸無水物、ポリアゼイン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等の直鎖状脂肪族酸無水物;クロレンド酸無水物、テトラブロモ無水フタル酸等々のハロゲン化酸無水物が挙げられる。
次にオリゴマー硬化剤として、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、BPAノボラック樹脂、ビフェノールノボラック樹脂、および、それらのハロゲン置換体等のノボラック型フェノール樹脂、アミノ樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アニリン−ホルマリン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等が挙げられる。
その他として、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレニウム塩、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビンT等の光、紫外線硬化剤、ポリメルカプタン、ポリスルヒド樹脂等のポリメルカプタン系硬化剤等が挙げられる。硬化剤の配合量は合成樹脂100重量部に対して10〜200重量部がよい。
硬化促進剤としては公知慣用のものが使用できるが、例えば、ルイス酸、アミン錯塩、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などが用いられるが、イミノ基をアクリロニトリル、イソシアネート、メラミン、アクリレート、エポキシ等でマスク化したイミダゾール、例えばイミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2−4−ジメチルイミダゾリン、2一フェニル−4−メチルイミダゾリン等があり、マスク化剤としてはアクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレート、各種エポキシ等がある。また、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケンおよびその誘導体、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニールボレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。これらの硬化促進剤は何種類かを併用してもよい。
プリント配線板の製造工程におけるソルダーレジストの形成方法としてフォトプリント法が行われており、両面同時露光が実施されるようになってきた。このためコンポジット積層板においても、両面同時露光に対応するため、紫外線を透過しないようにすることが求められるようになってきた。
紫外線不透過性積層板としては、マトリックス樹脂に紫外線吸収剤を配合した積層板、ガラス繊維系基材に紫外線遮蔽剤を付着させた積層板が知られている。
マトリックス樹脂に配合する有機紫外線遮蔽剤としては、有機紫外線吸収剤、例えばヒドロキシベンゾフェノン類、ヒドロキシベンゾトリアゾール類、ジアミノスチリルベンジルスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体などが挙げられる。このようなものとしては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2-(2−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン、ビス−(1,5−ジフェニル−ピラゾリン−3−イル)−スチレン、1−(フェニル)−3−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリンなどが挙げられる。
無機紫外線遮蔽剤としては、例えば、ZnAl3+x(x=1〜10)、酸化チタン、クレーや炭酸カルシウムなどがある。これらを2種以上併用してもよい。
紫外線吸収剤、または紫外線遮蔽剤が0.001重量%では効果が少なく、2重量%以上では加熱による変色が起こる。
本発明の樹脂組成物において、その他必要に応じて硬化剤天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸およびその金属塩類、若しくはパラフィンなどの離型剤;カーボンブラックのような着色剤、顔料、発泡剤、可塑剤、充填剤、受酸剤、補強剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、安定剤、硬化促進剤、などを添加してもよい。また、三酸化アンチモン、リン化合物、ブロム化エポキシ樹脂等の難燃剤を加えてもよい。
また低応力化するために、各種エラストマーを添加またはあらかじめ反応して用いてもよい。具体的には、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、シリコーンゴム、シリコーンオイルなどの添加型あるいは反応型のエラストマーなどが挙げられる。本発明の樹脂組成物は各成分を溶融混練することにより混合するのが好ましく、例えばニーダー、ロール単軸若しくは二軸の押し出し機またはコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造される。
本発明の電機および電子部品用材料は、通常粉末またはタブレット状態でもよい。
本発明の樹脂組成物の硬化に使用される硬化剤は樹脂と反応する化合物であれば任意であるが、硬化物とした場合に吸水率が低い化合物として分子中にヒドロキシル基を有するフェノール化合物が好ましく用いられる。フェノール化合物の具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフェノールの縮合化合物、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビロガロール、フロログルシノールなどが挙げられる。その中でも、水酸基当量が130以上の硬化剤が特に好ましく、またフェノールアラルキル樹脂やテルペン骨格含有フェノール樹脂が特に好ましく用いられる。硬化剤の配合量は合成樹脂100重量部に対し、50〜200重量部、好ましくは70〜150重量部である。
実施例中、%および部とあるのは、特に断らない限り、重量%および重量部を意味する。実施例中、水酸化マグネシウム粒子の特性および成形物の物性の測定は下記の方法で行なった。成形はトランスファー成形をおこなった。
(1)水酸化マグネシウム粒子の平均2次粒子径
MICROTRAC粒度分析計SPAタイプ(LEEDS & NORTHRUP INSTRUMENTS社製)を用いて測定決定する。
試料粉末700mgを70mlの水に加えて、超音波(NISSEI社製、MODEL US−300、電流300μA)で3分間分散処理した後、その分散液の2−4mlを採って、250mlの脱気水を収容した上記粒度分析計の試料室に加え、分析計を作動させて8分間その懸濁液を循環した後、粒度分布を測定する。合計2回の測定を行ない、それぞれの測定について得られた50%累積2次粒子径の算術平均値を算出して、試料の平均2次粒子径とする。
(2)水酸化マグネシウム粒子のBET法比表面積
液体窒素の吸着法により測定した。
(3)UおよびTh
ICP−MS(Inductibity Coupled Plasma−Mass Spectrometry)または原子吸光法により測定した。
(4)アルカリ金属およびCl
原子吸光法
(5)重金属
ICP質量分析法により測定した。
(6)難燃性
UL 94VE法に準じて測定した。
(7)半田耐熱性
JIS C6481に準じた。煮沸2時間の吸湿処理を行った後、260℃の半田槽に180秒間浮かべた後の、外観の異常の有無を調べた。
(8)吸水率
恒温恒湿槽(アドバンテック東洋 AGX−326)を用い85℃、85%RHの条件で重量変化を測定した。
(9)熱安定性
装置:タバイエスペック製ギアオーブンGPHH−100
設定条件:150℃、ダンパー開度50%
試験片2本を1組として上部を紙で挟んで金属製クリップでとめ、回転リングに吊し、経時的に抜き取る。
テストピース:1/12インチ
判定:テストピースに白化が認められるまでの時間を熱劣化の目安とした。
(10)成形品の耐水絶縁性の試験
合成樹脂は4辺がハサミで切断された各辺が10cmの正方形で、厚さ2mmの直方体からなるテストピースを、95℃のイオン交換水中に48時間浸漬した後取り出して紙タオルで表面の水分を拭き取り、23℃±2℃、50%RHの状態調節を15分間行った。このテストピースを同じ状態調節下で、タケダ理研工業株式会社のTR8401を用いて体積固有抵抗を測定し、耐水絶縁性のデータを得た。ただしEVAのテストピースは70℃のイオン交換水に168時問浸漬した。
実施例で使用した水酸化マグネシウムの性状を表2に示す。ただし実施例2、3は実施例1の水酸化マグネシウムに表面処理をしたものである。
表3に示した各成分を表3の組成比でミキサーによりドライブレンドした。これを、ロール表面温度90℃のミキシングロ−ルを用いて5分間加熱混練後、冷却粉砕してエポキシ樹脂組成物のテストピースを製造した。
このテストピースを用いて、熱伝導率、難燃性、熱安定性を前述の方法により測定した。その結果を表3に示した。
使用した水酸化マグネシウムの表面処理剤の種類は下記で、表面処理剤は水酸化マグネシウムに対し2重量%とした。
実施例1 なし
実施例2 ステアリン酸
実施例3 エポキシシランカップリング剤
実施例4 なし
実施例5 なし
実施例6は実施例1と同じ水酸化マグネシウム粒子
実施例7は実施例2と同じ水酸化マグネシウム粒子
実施例8は実施例3と同じ水酸化マグネシウム粒子
実施例9は実施例1と同じ水酸化マグネシウム粒子
実施例10は実施例3と同じ水酸化マグネシウムを使用した。

Figure 0004471936







Figure 0004471936

Claims (8)

  1. 下記(i)〜(iv)の要件を満足することを特徴とする水酸化マグネシウムである電機および電子部品用材料
    (i) 平均2次粒子径が5μm以下
    (ii) BET法比表面積が10m/g以下
    (iii)Fe化合物およびMn化合物の含有量の合計量が金属に換算して0.02重量%以下かつ
    (iv) U化合物およびTh化合物の含有量の合計量が金属に換算して、10ppb以下
  2. 水酸化マグネシウム粒子は、鉄化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、クロム化合物、銅化合物、バナジウム化合物、およびニッケル化合物の合計含有量が,金属に換算して0.02重量%以下である請求項1記載の電機および電子部品用材料。
  3. 水酸化マグネシウム粒子は、U化合物およびTh化合物の合計含有量が、金属に換算して5ppb以下である請求項1記載の電機および電子部品用材料。
  4. 水酸化マグネシウム粒子は、水溶性のアルカリ金属化合物の含有量の合計が、アルカリ金属に換算して、0.05重量%以下である請求項1記載の電機および電子部品用材料
  5. 水酸化マグネシウム粒子は、Cl含有化合物の含有量が塩素原子に換算して0.02重量%である請求項1記載の電機および電子部品用材料。
  6. 請求項1記載の電機および電子部品用材料の合成樹脂への使用。
  7. 合成樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂または不飽和ポリエステルである請求項6記載の使用。
  8. 合成樹脂は、エポキシ樹脂である請求項6記載の使用。
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