JP4470911B2 - 直流電磁継電器 - Google Patents
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また、一対の可動接点の接触面と一対の固定接点の接触面との形状は、製造管理の容易さより、すべて平面形状(平坦状)に形成することが行われている。また、接点間に生ずる磨耗を考慮して、一対の可動接点の平面外形の大きさと、一対の固定接点の平面外形の大きさとを異ならせることも行われている。
例えば、特許文献1のプランジャ型電磁継電器においては、一対の固定接点の平面外形と、一対の可動接点の平面外形よりも大きくしている。
該励磁コイルによって発生させた磁束を通過させて磁気吸引力を発生させる磁路形成部材と、
上記励磁コイルの内周穴内に挿入し、上記磁気吸引力を受けてスライドするプランジャと、
該プランジャに配設し、一対の可動接点を備えた可動接点ホルダと、
該可動接点ホルダに対向して配設し、上記可動接点に対向する固定接点をそれぞれ備えた一対の固定接点ホルダと、
上記可動接点ホルダ及び上記固定接点ホルダを収容するケースとを有し、
上記可動接点ホルダは、上記一対の可動接点を上記一対の固定接点からそれぞれ退避させた遮断状態と、上記一対の可動接点を上記一対の固定接点にそれぞれ接触させて、上記一対の固定接点ホルダのうち一方の固定接点ホルダから他方の固定接点ホルダへ電流を流す接触状態とを形成するよう構成してあり、
上記遮断状態と上記接触状態とのいずれか一方は、上記磁気吸引力による上記プランジャのスライドによって形成し、他方は、スプリングによって形成するよう構成した直流電磁継電器において、
上記一方の固定接点ホルダに配設したプラス側固定接点は、その接触面の外周に曲面状の第1曲面外周部を形成すると共に、その平面外形を上記一対の可動接点のうち上記プラス側固定接点と対向するマイナス側可動接点の平面外形よりも大きくし、かつ、上記第1曲面外周部に上記マイナス側可動接点の平面外形の輪郭線を対向させてなり、
上記一対の可動接点のうち上記他方の固定接点ホルダに配設したマイナス側固定接点に対向するプラス側可動接点は、その接触面の外周に曲面状の第2曲面外周部を形成すると共に、その平面外形を上記マイナス側固定接点の平面外形よりも大きくし、かつ、上記第2曲面外周部に上記マイナス側固定接点の平面外形の輪郭線を対向させてなることを特徴とする直流電磁継電器にある(請求項1)。
すなわち、本発明においては、各可動接点と各固定接点との接触位置において、直流電流の流れの上流側に位置する各プラス側の接点の平面外形を、下流側に位置する各マイナス側の接点の平面外形よりも大きくし、各プラス側の接点の曲面外周部に各マイナス側の接点の平面外形の輪郭線を対向させている。
上記接触状態を形成するとき、各プラス側の接点の接触面における曲面外周部の内側部分と、各マイナス側の接点の接触面との接触部分との間に、アーク放電が発生する一方、各プラス側の接点の接触面における曲面外周部と、各マイナス側の接点の接触面の外周部との間には、隙間が形成されて、アーク放電が発生しない。
それ故、本発明によれば、接点にバリ状の突起が形成されることを防止し、直流電流の通電及び遮断を安定して行うことができる直流電磁継電器を提供することができる。
本発明において、上記プラス側固定接点の接触面は、上記第1曲面外周部の内側部分が平坦状に形成してあり、上記マイナス側可動接点の接触面は、平坦状に形成してあり、上記プラス側可動接点の接触面は、上記第2曲面外周部の内側部分が平坦状に形成してあり、上記マイナス側固定接点の接触面は、平坦状に形成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、可動接点ホルダを一対の固定接点ホルダに対向させて、上記ケース内に組み付ける際に、可動接点ホルダは、そのスライド基準部の形成方向をケースにおけるガイド基準部の形成方向に合わせて組み付けることができる。そのため、可動接点ホルダの組付ミスが発生することを容易に防止することができる。
本例の直流電磁継電器1は、図1、図2に示すごとく、以下の励磁コイル2、磁路形成部材3、プランジャ4、可動接点ホルダ5、一対の固定接点ホルダ6及びケース7を有している。
上記励磁コイル2は、ボビン21に巻線を巻回してなり、通電により磁束を発生させるよう構成してある。上記磁路形成部材3は、励磁コイル2の内周穴22及び外周に配設してあり、励磁コイル2によって発生させた磁束を通過させて磁気吸引力を発生させるよう構成してある。
図6に示すごとく、本例の直流電磁継電器1は、車両における高電圧バッテリ(ハイブリッド車又は電気自動車等の駆動源として用いる高電圧直流電源)81と、車両駆動用等のインバータ回路82との間の配線に配置して用いる。また、直流電磁継電器1は、プラス側配線841とマイナス側配線842との両方に配置して一対のメインリレー1を構成し、車両のECU(電子制御ユニット)85からの信号を受けて、励磁コイル2に通電を行い、インバータ回路82の駆動のオン・オフを行うために用いる。
本例の磁路形成部材3は、上記励磁コイル2のボビン21の内周穴22内に配置した固定鉄心31と、励磁コイル2及びボビン21の軸方向一端側と外周側とに連続形成したヨーク32と、励磁コイル2及びボビン21の軸方向他端側に配置し、固定鉄心31、励磁コイル2及びボビン21を保持するプレート33とを有している。固定鉄心31、ヨーク32及びプレート33は、いずれも磁路を形成するための磁性材料からなる。
そして、図1、図3に示すごとく、本例の直流電磁継電器1は、励磁コイル2に通電を行っていないときには、スプリング41の付勢力によって、一対の可動接点51が一対の固定接点61から退避して、上記遮断状態101を形成するよう構成してある。
一方、図4に示すごとく、本例の直流電磁継電器1は、励磁コイル2に通電を行ったときには、スプリング41の付勢力に抗してプランジャ4がスライドし、一対の可動接点51が一対の固定接点61に接触して、上記接触状態102を形成するよう構成してある。
ケースカバー72の内側には、上記可動接点ホルダ5の軸方向一端側の表面との間に、コンタクトスプリング53が配置してある。このコンタクトスプリング53は、可動接点ホルダ5を固定接点ホルダ6に接近させる方向に付勢している。
本例の可動接点ホルダ5は、互いに対向する一対の側面55の一方に第1突起551を形成してなり、他方に第1突起551よりも小さな第2突起552を有している。また、本例のケースカバー72は、互いに対向する一対の内周面720の一方に第1突起551のスライドをガイドする第1ガイド溝721を有しており、他方に第2突起552のスライドをガイドする第2ガイド溝722を有している。本例においては、第1突起551をスライド基準部551とし、第1ガイド溝721をガイド基準部721としている。
すなわち、可動接点ホルダ5におけるマイナス側可動接点51Bを、一方の固定接点ホルダ6におけるプラス側固定接点61Aと対向させたときにのみ、可動接点ホルダ5におけるスライド基準部551としての第1突起551と、ケースカバー72におけるガイド基準部721としての第1ガイド溝721とが対向し、第1突起551が第1ガイド溝721によってガイドされ、第2突起552が第2ガイド溝722によってガイドされるようになっている。
なお、スライド基準部551を溝状に形成し、ガイド基準部721を突起状に形成することもできる。また、スライド基準部551及びガイド基準部721としては、上記構成以外にも種々の構成を採用することができる。
図1、図2に示すごとく、本例の一対の固定接点ホルダ6は、ケースカバー72の軸方向一端側の外側面まで屈曲形成してそれぞれ引き出してある。固定接点ホルダ6の外側端部には、ボルト601が配設してあり、通電及び遮断を行うための電気配線の取付部60が形成してある。そして、直流電磁継電器1によって通電及び遮断を行う電気配線は、各ボルト601によって各固定接点ホルダ6における取付部60に接続される。
そして、導電ターミナル121に、ECU85からの信号を受けて、直流電磁継電器1の外部から励磁コイル2を駆動するための電力が供給される。
また、図3、図4に示すごとく、本例のプラス側固定接点61Aの第1曲面外周部612は、その全周が断面R形状に形成してあり、プラス側固定接点61Aの接触面611は、上記第1曲面外周部612の内側部分が平坦状に形成してある。また、本例のマイナス側可動接点51Bの接触面515は、平坦状に形成してある。
また、本例のプラス側可動接点51Aの第2曲面外周部512は、その全周が断面R形状に形成してあり、プラス側可動接点51Aの接触面511は、上記第2曲面外周部512の内側部分が平坦状に形成してある。また、本例のマイナス側固定接点61Bの接触面615は、平坦状に形成してある。
すなわち、本例においては、プラス側固定接点61Aの平面外径D1を、マイナス側可動接点51Bの平面外径D2よりも大きくし、プラス側固定接点61Aの第1曲面外周部612にマイナス側可動接点51Bの平面外形の輪郭線Cを対向させ、また、プラス側可動接点51Aの平面外径D1を、マイナス側固定接点61Bの平面外径D2よりも大きくし、プラス側可動接点51Aの第2曲面外周部512にマイナス側固定接点61Bの平面外形の輪郭線Cを対向させている。
こうして、接触状態102が形成され、各固定接点ホルダ6における取付部60にそれぞれ接続した電気配線同士を導通させて、通電を行うことができる。
そして、プラス側固定接点61Aの接触面611における第1曲面外周部612の内側部分と、マイナス側可動接点51Bの接触面515との接触部分との間に、アーク放電が発生する一方、プラス側固定接点61Aの接触面611における第1曲面外周部612と、マイナス側可動接点51Bの接触面515の外周部との間には、隙間Sが形成されて、アーク放電が発生しない。
それ故、本例の直流電磁継電器1によれば、接点51A、61Aにバリ状の突起が形成されることを防止し、直流電流Iの通電及び遮断を安定して行うことができる。
101 遮断状態
102 接触状態
2 励磁コイル
22 内周穴
3 磁路形成部材
31 固定鉄心
32 ヨーク
33 プレート
4 プランジャ
41 スプリング
5 可動接点ホルダ
51A プラス側可動接点
512 第2曲面外周部
51B マイナス側可動接点
6 固定接点ホルダ
61A プラス側固定接点
612 第1曲面外周部
61B マイナス側固定接点
7 ケース
Claims (3)
- 通電により磁束を発生させる励磁コイルと、
該励磁コイルによって発生させた磁束を通過させて磁気吸引力を発生させる磁路形成部材と、
上記励磁コイルの内周穴内に挿入し、上記磁気吸引力を受けてスライドするプランジャと、
該プランジャに配設し、一対の可動接点を備えた可動接点ホルダと、
該可動接点ホルダに対向して配設し、上記可動接点に対向する固定接点をそれぞれ備えた一対の固定接点ホルダと、
上記可動接点ホルダ及び上記固定接点ホルダを収容するケースとを有し、
上記可動接点ホルダは、上記一対の可動接点を上記一対の固定接点からそれぞれ退避させた遮断状態と、上記一対の可動接点を上記一対の固定接点にそれぞれ接触させて、上記一対の固定接点ホルダのうち一方の固定接点ホルダから他方の固定接点ホルダへ電流を流す接触状態とを形成するよう構成してあり、
上記遮断状態と上記接触状態とのいずれか一方は、上記磁気吸引力による上記プランジャのスライドによって形成し、他方は、スプリングによって形成するよう構成した直流電磁継電器において、
上記一方の固定接点ホルダに配設したプラス側固定接点は、その接触面の外周に曲面状の第1曲面外周部を形成すると共に、その平面外形を上記一対の可動接点のうち上記プラス側固定接点と対向するマイナス側可動接点の平面外形よりも大きくし、かつ、上記第1曲面外周部に上記マイナス側可動接点の平面外形の輪郭線を対向させてなり、
上記一対の可動接点のうち上記他方の固定接点ホルダに配設したマイナス側固定接点に対向するプラス側可動接点は、その接触面の外周に曲面状の第2曲面外周部を形成すると共に、その平面外形を上記マイナス側固定接点の平面外形よりも大きくし、かつ、上記第2曲面外周部に上記マイナス側固定接点の平面外形の輪郭線を対向させてなることを特徴とする直流電磁継電器。 - 請求項1において、上記プラス側固定接点の接触面は、上記第1曲面外周部の内側部分が平坦状に形成してあり、上記マイナス側可動接点の接触面は、平坦状に形成してあり、
上記プラス側可動接点の接触面は、上記第2曲面外周部の内側部分が平坦状に形成してあり、上記マイナス側固定接点の接触面は、平坦状に形成してあることを特徴とする直流電磁継電器。 - 請求項1又は2において、上記可動接点ホルダは、そのスライド方向に直交する一方の側面に、スライド基準部を有しており、
上記ケースは、その一方の内周面に、上記スライド方向に沿って上記スライド基準部のスライドをガイドするガイド基準部を有しており、
上記可動接点ホルダにおける上記マイナス側可動接点を、上記一方の固定接点ホルダにおける上記プラス側固定接点と対向させたときにのみ、上記スライド基準部が上記ガイド基準部によってガイドされるよう構成してあることを特徴とする直流電磁継電器。
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