JP4470513B2 - 検査方法および検査装置 - Google Patents

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Description

この発明は、所定の対象物を撮像して得られた濃淡画像をコンピュータに入力して所定の画像処理を実行し、前記対象物の適否を判別する技術に関する。特に、この発明は、処理対象の濃淡画像をあらかじめ得た対象物のモデルの画像を含む濃淡画像(以下、「基準画像」という。)と比較して、前記対象物のモデルに一致しない部分(不一致部分)を抽出し、その抽出結果を用いて対象物のエッジ(輪郭線)の適否を判別する技術に関する。
たとえば、成型品や印刷文字などの対象物に欠けやキズなどの欠陥がないかどうかを検査する場合、従来は、検査対象の濃淡画像(以下、「処理対象画像」という。)と基準画像との差分演算を行って、両画像間の差異を抽出する方法(画像間演算処理)が実施されている。
このほか、出願人が以前に提案した方法で、下記の特許文献1に開示されたものがある。この方法では、モデル画像を膨張および収縮させた画像を生成し、処理対象画像につき、膨張画像および収縮画像のそれぞれに対する差異を抽出した後、各抽出結果を総合することにより、欠陥の抽出精度を高めるようにしている。
特開2002−140695号公報
一般に、対象物を撮像する場合、カメラの撮像素子と対象物との位置関係は微妙に(1画素より小さい範囲で)変化するので、濃淡画像上のエッジやその付近の画素の濃度変化の傾きにも、画像毎に微小な差異が生じる。また、実際の対象物の大きさがモデルと若干異なっている場合もある。このように、処理対象の画像中の対象物と基準画像中のモデルとをどのように厳密に位置合わせしても、エッジ付近の濃度には差異が生じるため、画像間演算処理では、エッジ付近の濃度差を処理対象からはずすようにしている。この結果、画像間演算処理では、エッジ付近の欠陥を抽出できなくなる可能性がある。
一方、特許文献1に記載された発明では、同文献の図4に示すように、膨張画像におけるエッジと収縮画像におけるエッジとに挟まれる範囲内のエッジを良好なものであるとして、この範囲を越えた濃度変化を抽出するようにしている。しかしながら、背景の濃度と対象物の濃度との中間の濃度を持つ異物がエッジ付近に付着したり、きわめて小さな欠けやバリが発生した場合には、これらの欠陥部分のエッジは、前記膨張画像におけるエッジと収縮画像におけるエッジとの間に含まれてしまい、欠陥を抽出できなくなる可能性がある。
この発明は上記問題に着目してなされたもので、エッジ付近の欠陥を抽出する能力を高めることで、検査の精度を大幅に向上することを目的とする。
この発明にかかる検査方法は、対象物を撮像して得られた濃淡画像をモデルを含む基準画像と比較して、前記対象物のエッジの適否を検査するためのものである。この発明では、前記対象物の濃淡画像および基準画像のそれぞれについて、少なくとも濃度勾配の大きさが所定値を超える画素毎に、濃度勾配方向に基づく角度データを算出する。また、前記対象物の濃淡画像上で濃度勾配の大きさが前記所定値を超える画素を順に着目画素に設定して、前記基準画像上に着目画素に対応する座標を中心とする所定大きさのマスクを設定するステップAと、前記マスク内から前記着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出するステップBとを、着目画素毎に実行し、前記ステップBにおいて着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出できなかったときの当該着目画素をモデルとの不一致部分であると特定するようにしている。なお、ステップAを実行する際には、モデルに対する対象物のおよその位置ずれ量を抽出し、その位置ずれ量に基づき、処理対象画像と基準画像との間での座標の対応関係を求めるようにするのが望ましい。
濃度勾配方向は、所定のエッジ抽出フィルタを用いて水平方向(x軸方向)および垂直方向(y軸方向)における濃度変化の大きさおよび方向(+方向または−方向)をベクトルとして抽出し、これらのベクトルの合成ベクトルを求めることにより得ることができる。前記角度データは、濃度勾配方向から所定角度だけ回転した方向に対応するもので、所定の基準方向に対する角度として表すことができる。好ましくは、濃度勾配方向そのものを示す角度、または濃度勾配方向に直交する方向を示す角度を角度データとするのがよい。
「濃度勾配の大きさが所定値を超える画素」とは、画像中の物体(対象物またはモデルのほか欠陥などのノイズを含む。)と背景部分との境界線(エッジ)を構成する画素であると考えることができる。以下では、このエッジを構成する画素を、「エッジ画素」という。
処理対象画像上の対象物と基準画像上のモデル画像との間で、位置、形状、大きさが完全に一致している場合には、処理対象画像上の対象物のエッジ画素に対し、基準画像上にも、そのエッジ画素と同じ座標位置に、同じ濃度勾配方向を持つエッジ画素が存在すると考えることができる。ただし、現実には、対象物のエッジは、モデルのエッジに対して位置ずれするから、その位置ずれの範囲内に前記エッジ画素に対応する画素が存在すると考えることができる。
これに対し、前記エッジ付近の欠陥(欠け、バリ、異物の付着など)にかかるエッジ画素の濃度勾配方向は、本来の良好なエッジにおけるものと大きく異なる可能性がある。このため、基準画像上で前記エッジ画素に対応する座標やその周囲を検索しても、このエッジ画素と同じ濃度勾配方向を持つ画素は見あたらない可能性が高い。
この発明によれば、ステップAにおいて、対象物のエッジとモデルのエッジとの位置ずれ量を考慮した大きさのマスクを設定すれば、ステップBにおいて、設定されたマスク内の各画素を順に比較対象として、その画素と着目画素との角度データを比較し、角度データとの差が所定のしきい値以内のものを着目画素に対応する角度データとして抽出することができる。また、マスク内のすべての画素について、前記角度データの差がしきい値を超えた場合に、着目画素に対応する角度データ有する画素を抽出できなかったものと判断し、着目画素をモデルとの不一致部分として特定することができる。
なお、ステップBにおいて、マスク内に角度データが算出されていない画素がある場合には、その画素は着目画素に対応しないものとみなすことができる。また、基準画像上のすべての画素について角度データが算出されている場合でも、濃度勾配の大きさが前記所定値を超えないもの(すなわち、基準画像上のエッジ画素以外の画素)については、着目画素に対応しないものとみなして、比較処理を行わないようにするのが望ましい。
上記の検査方法によれば、位置合わせ時に生じる誤差や対象物の大きさの変動の範囲に基づいてマスクの大きさを調整することにより、モデルとの不一致部分を精度良く抽出することができる。よって、処理対象の画像上のエッジ画素に順に着目して、着目画素毎に、ステップAおよびステップBの処理を実行するとともに、ステップBにおいて着目画素に対応する確度データを有する画素を抽出できなかったときの当該着目画素をモデルとの不一致部分であると特定し、最終的に不一致部分として特定された画素の数を計数したり、近傍の不一致部分をグループ化する処理などによって、欠陥の位置や大きさを判別することができる。
上記検査方法の好ましい態様では、前記対象物の濃淡画像上において、基準画像の対応する座標との濃度差が所定のしきい値を超え、かつ前記濃度勾配の大きさが前記所定値を超える画素を着目画素として、着目画素毎に前記ステップAおよびステップBを実行する。この態様によれば、対象物のエッジのうち、モデルのエッジから位置ずれした部分や、バリや異物の付着のように本来のエッジから突出した欠陥を、ステップA,Bの処理対象とすることができる。よって、基準画素との濃度差が大きい部分を、モデルのエッジから位置ずれしているだけの部分(正常な部分)とモデルのエッジと一致していない部分(欠陥部分)とに切り分けて認識することができる。
なお、対象物のエッジのうち、モデルのエッジに対応する位置にあるエッジに欠けなどの欠陥がある場合には、前記濃度差によってその欠陥を検出することができる。
この発明にかかる検査装置は、対象物を撮像して得られた濃淡画像を入力する画像入力手段と、前記濃淡画像上の少なくとも濃度勾配の大きさが所定値を超える画素について、濃度勾配方向に基づく角度データを算出する角度データ算出手段と、前記対象物のモデルの画像を含む基準画像を、この基準画像に対する前記角度データ算出手段の算出結果とともにメモリに登録する登録手段と、前記画像入力手段より入力された濃淡画像上で濃度勾配方向が前記所定値を超える画素を順に着目画素に設定する着目画素設定手段と、前記基準画像上に前記着目画素に対応する画素を中心とする所定大きさのマスクを設定し、このマスク内から着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出する照合手段と、前記照合手段が前記着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出できなかったときの当該着目画素を、モデルとの不一致部分であると特定する不一致部分特定手段とを具備する。
上記において、画像入力手段は、撮像手段からの画像信号を受け付けるインターフェース回路などにより構成することができる。また、撮像手段がアナログカメラにより構成される場合には、画像入力手段には、A/D変換回路やノイズカット用のフィルタ回路などを含めることができる。
角度データ算出手段、登録手段、着目画素設定手段、照合手段、不一致部分特定手段の各手段は、いずれもその手段の処理用のプログラムが組み込まれたコンピュータにより構成することができる。またこれらの手段を1台のコンピュータにより構成することもできる。なお、前記基準画像やその角度データなどを登録するためのメモリは、前記コンピュータの内部メモリでも良いが、別途、専用のメモリを設定してもよい。
上記各手段の一部またはすべては、演算処理回路により構成することも可能である。特に、角度データ算出手段を専用の演算処理回路により構成すれば、処理対象の画像をメモリに取り込む間に、別途、各画素の角度データを算出することができる。さらに、この角度データ算出手段に、演算過程で抽出したエッジ画素の座標を出力する機能を付与すれば、画像入力が終了すると同時に、エッジ画素を順に選択して角度データの比較処理を進めることができ、処理を高速化することができる。
上記の検査装置を使用する場合、あらかじめ対象物のモデルを撮像するなどして基準画像を作成し、この基準画像および基準画像に対する角度データの算出結果をメモリに登録しておく。検査時には、対象物を撮像して、得られた画像上のエッジ画素に順に着目しつつ、角度データの比較処理や不一致部分の抽出処理を実行することにより、エッジ付近の欠陥を抽出することができる。
上記検査装置の好ましい態様には、前記画像入力手段が入力した濃淡画像と前記基準画像との濃度差を求める差分演算手段が設けられる。また、前記着目画素設定手段は、前記対象物の濃淡画像上において、前記差分演算手段により求められた濃度差が所定のしきい値を超え、かつ前記濃度勾配の大きさが前記所定値を超える画素を着目画素として設定するように構成される。
さらに、この発明にかかる検査装置には、不一致部分特定手段による不一致部分の特定結果を用いて前記対象物のエッジの適否を判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する判別結果出力手段とを設けることができる。判別手段は、その処理に必要なプログラムが組み込まれたコンピュータとすることができる。判別結果出力手段は、判別結果を表示データに加工してモニタ装置に出力したり、判別結果を外部機器に出力するもので、出力先の機器の使用に応じたインターフェース回路などで構成することができる。
さらに、この発明にかかる検査装置では、対象物の濃淡画像上のエッジ画素以外の画素についても、基準画像との濃度差を求める処理により、モデルとの不一致部分を抽出することができる。この場合の不一致部分は、対象物の表面の濃度むらやキズなどの欠陥に相当すると考えることができる。
この発明によれば、処理対象の画像上のエッジ画素毎に、そのエッジ画素がモデルとの不一致部分に相当するものであるか否かを判別することができるので、エッジ付近の小さな欠陥を画素単位で抽出することが可能となり、検査の精度を向上することができる。
図1は、この発明の一実施例にかかる検査装置の構成を示す。
この実施例の検査装置1は、CCDを具備するシャッタカメラ2(以下、単に「カメラ2」という。)に接続されて使用されるもので、前記カメラ2が撮像した検査対象物の画像を処理して、前記検査対象物(以下、単に「対象物」という。)の表面や輪郭上に欠陥がないかどうかを判別するものである。
前記検査装置1には、制御部10のほか、画像入力部11、画像メモリ12、タイミング制御部13、エッジ抽出部14、画像出力部15、入出力部16などが組み込まれる。タイミング制御部13は、カメラ2と画像入力部11との動作の同期をとるためのものである。画像入力部11は、カメラ用のインターフェース回路やA/D変換回路などを含む。この画像入力部11で生成された画素毎のディジタル画像データ(以下、「画素データ」という。)は、画像メモリ12およびエッジ抽出部14に供給される。
エッジ抽出部14は、シフトレジスタや微分回路などを具備する専用ICであり、画像入力部11からの画素データを順に取り込みつつ、画素毎に、濃度勾配の大きさ(以下、この大きさを「エッジ強度」という。)、および濃度勾配方向に基づく角度データ(以下、この角度データを「エッジコード」という。)を算出する。
画像メモリ12には、画像入力部11によりディジタル変換された対象物の濃淡画像(以下、これを「入力画像」という。)のほか、エッジ抽出部14による演算処理の結果が格納される。エッジ強度、エッジコードとも、通常の画像データと同様に、画素毎に得られたデータを座標に対応づけた形で保存される。以下では、エッジ強度を座標に対応づけたデータを「エッジ強度画像」と呼び、エッジコードを座標に対応づけたデータを「エッジコード画像」と呼ぶことにする。
さらに、前記画像メモリ12内には、対象物のモデル用の記憶領域が設定される。このモデル用の記憶領域には、あらかじめ、モデルを撮像して得られた基準画像のほか、この基準画像から生成されたエッジ強度画像やエッジコード画像が登録される。
前記制御部10は、CPU101、ROM102、RAM103を主体とするもので、このほかに、検査のための処理手順を示す制御プログラムがインストールされたハードディスク104が組み込まれる。CPU101は、ハードディスク104内の制御プログラムに基づき、画像メモリ12にアクセスしつつ、目的とする検査を実行する。
画像出力部15は、D/A変換回路やモニタ用のインターフェース回路を含むもので、前記画像メモリ12に入力された入力画像やエッジ強度画像をアナログ画像に変換して、これを外部のモニタ3に表示させる。また、一連の検査が終了した時点で、CPU101から検査結果を示す情報の供給を受け、この情報が合成された画像を生成してモニタ3に表示させることもできる。入出力部16は、キーボード、マウスなどの入力装置用のインターフェース回路や外部機器との通信用のインターフェース回路を含む。
ここで、前記エッジ強度およびエッジコードの求め方について説明する。
前記エッジ抽出部14では、入力画像上の画素毎に、水平方向(x軸方向)における濃度の変化量Ex(x,y)と垂直方向(y軸方向)における濃度の変化量Ey(x,y)とを求める。そして、これらEx(x,y),Ey(x,y)が示すベクトルの合成ベクトルについて、つぎの(1)式により、ベクトルの長さIE(x,y)を算出する。このIE(x,y)がエッジ強度である。
Figure 0004470513
また、前記合成ベクトルの示す方向は、着目画素における濃度勾配方向に対応する。この実施例では、図2に示すように、所定の座標位置(x,y)にある画素Eについて、濃度勾配方向を示すベクトルFに直交するベクトルCを設定し、このベクトルCの方向を示す角度EC(x,y)をエッジコードとする。なお、ベクトルFは、明るい方から暗い方に向かう方向であり、ベクトルCは、ベクトルFを時計回り方向に90度回転させた方向に相当する。またエッジコードEC(x,y)は、前記画素Eからx軸の正方向に向かうベクトルBを基準に表されるもので、Ex(x,y),Ey(x,y)の値に応じて、下記(a)〜(e)のいずれかの式により求められる。
(a) Ex(x,y)>0 および Ey(x,y)≧0のとき、
EC(x,y)=atan(Ey(x,y)/Ex(x,y))
(b) Ex(x,y)>0 および Ey(x,y)<0のとき、
EC(x,y)=360+atan(Ey(x,y)/Ex(x,y))
(c) Ex(x,y)<0のとき、
EC(x,y)=180+atan(Ey(x,y)/Ex(x,y))
(d) Ex(x,y)=0 および Ey(x,y)>0のとき、
EC(x,y)=0
(e) Ex(x,y)=0 および Ey(x,y)<0のとき、
EC(x,y)=180
図3は、上記検査装置1が特徴とする欠陥判別処理の概念を示す。
図中、ICは入力画像から生成されたエッジコード画像であり、MCは基準画像から生成されたエッジコード画像である。この実施例では、対象物のエッジコード画像IC上の所定の画素gに着目し、モデルのエッジコード画像MC上で画素gに対応する位置に所定大きさのマスクMを設定する。そして、マスクM内の各画素のエッジコードを前記着目画素gのエッジコードと順に比較する。
いま、前記画素gとして、対象物のエッジにかかるエッジ画素が選択されているものとすると、対象物とモデルとが完全に位置合わせされているならば、マスクM内の中心の画素mが画素gに対応することになる。この場合には、画素gと画素mとのエッジコードは近似する値を示すと考えることができる。
しかしながら、実際には、位置合わせ時に生じる誤差や対象物の大きさの変動によって、前記画素mのエッジコードが画素gのエッジコードに対応しない可能性がある。前記マスクMの大きさは、この位置合わせ時に生じる誤差や対象物の大きさの変動量を考慮して調整される。すなわち、画素gが対象物のエッジを示す場合には、前記対応画素mがモデルのエッジを示す画素でなく、エッジの内側または外側に対応する画素であっても、マスクM内のいずれかの位置にエッジを示す画素が存在し、その画素におけるエッジコードが前記画素gのエッジコードに近似すると考えることができる。よって、前記マスクMから画素gのエッジコードに近似するエッジコードが抽出された場合には、前記画素gのエッジコードは対象物のエッジを示すものであると考えることができる。
これに対し、画素gがエッジを示す場合でも、マスクM内に画素gのエッジコードに近似するエッジコードがない場合には、画素gのエッジコードは、対象物以外のエッジ、すなわち欠陥のエッジを示すと考えることができる。
なお、この実施例では、入力画像上のエッジ画素のうち、基準画像上の対応する座標(ここでは、前記画素mの座標をいう。)に対する濃度の差が所定の基準値を超えるものに、上記のエッジコードの比較処理を行うようにしている。入力画像上のエッジ画素であって基準画像との濃度差が大きい画素は、対象物のエッジがモデルのエッジに対して位置ずれした部分、またはバリや欠陥などにより本来のエッジから突出している部分に相当すると考えることができる。よって、基準画像との間の濃度差が前記基準値を超えるエッジ画素についてエッジコードの比較処理を行うことにより、対象物のエッジと欠陥のエッジとを精度良く切り分けることができる。
図4は、CPU101が実行する検査の手順を示す。なお、この図4および以下の図5,6において、STは「STEP(ステップ)」の略である。以下の説明でも同様に、各ステップを「ST」と略記する。
この検査の手順は、前記画像メモリへの画像入力処理が終了したことに応じてスタートする。まず、最初のST1では、入力画像中の対象物について、x,yの各方向毎に、基準画像中のモデルに対する位置ずれ量dx,dyを計測する。この計測処理では、たとえば、基準画像からモデルの画像を含む所定領域内の画像を切り出し、この画像を入力画像上で走査しつつ、各走査位置で濃度相関値を算出する。この結果、濃度相関値が最も高くなったときのモデルの画像の設定位置から対象物の画像を含む画像領域を切り出し、この画像領域内の代表点の座標から位置ずれ量dx,dyを算出する。
ST2〜11では、前記対象物の画像を含む領域として切り出した画像領域、および前記基準画像上のモデルを含む領域を処理対象領域として、それぞれ1画素ずつ着目画素をずらしながら着目画素間のデータを照合する。なお、ST2〜11において、(x,y)は、基準画像側の着目画素の座標である。ST2,3で初期設定される座標(x1,y1)は、前記基準画像上の処理対象領域の左上頂点であり、最終の座標(x2,y2)は、前記処理対象領域の右下頂点である。また、入力画像側の着目画素は(x+dx,y+dy)となる。
上記ST2〜11のループのうちのST4は、入力画像と基準画像との対応する画素間の濃度差濃度差DI(x,y)を求める処理であり、処理対象画像内のすべての画素について行われる。具体的には、入力画像側の着目画素の画素データをI(x+dx、y+dy)、基準画像側の着目画素の画素データをM(x,y)として、下記の(2)式を実行する。
DI(x,y)=|I(x+dx、y+dy)−M(x,y)| ・・・(2)
ST5では、前記濃度差DI(x,y)を所定の基準値Dと比較する。ここで、濃度差DI(x,y)が基準値Dを上回る場合には、ST6に進む。
ST6では、前記対象物のエッジ強度画像から着目画素のエッジ強度IE(x+dx,y+dy)を読み出し、これを所定の基準値IEと比較する。この基準値IEは、エッジ画素とみなされる画素から抽出したエッジ強度に基づき設定されたものである。前記IE(x+dx,y+dy)が基準値IEを上回る場合には、ST6が「YES」となり、ST7のエッジコード比較処理を実行する。
ここで図5を用いて、エッジコード比較処理の詳細を説明する。なお、この図5中、mx,myは、前記マスクMの中心の画素mからマスクの境界までの距離に相当するものである。たとえば、前記した図3の場合には、mx=my=2となる。このmx,myは、検査に先立ち、ユーザーの設定操作などを受けて登録されるもので、適宜変更することができる。また、mxとmyとは一致しなくともよい。
この例のエッジコード比較処理では、着目画素に対するエッジコードの差の最小値を求めるようにしている。ST101では、まず、この最小値MINに初期値180を設定するとともに、y軸側のカウンタiを−myに設定する。つぎのST102では、x軸側のカウンタjを−mxに設定する。
以下、i,jの値を1つずつ動かすことによって、マスクM内を走査する。ST103では、モデルのエッジ強度画像から走査位置におけるエッジ強度ME(x+j,y+i)を読み出し、これを所定の基準値MEと比較する。この基準値MEは前記基準値IEとほぼ同様の値に設定される。
前記エッジ強度ME(x+j,y+i)が基準値MEを上回る場合には、ST103からST104に進み、入力画像上の着目画素とマスク内の着目画素とについて、下記の(3)に基づき、エッジコード差DCを算出する。
DC=f(IC(x+dx,y+dy)−MC(x+j,y+i))・・・(3)
なお、上記(3)式において、(IC(x+dx,y+dy)−MC(x+j,y+i))=θとすると、関数f(θ)が示す値は、θによってつぎのようになる。
Figure 0004470513
エッジコード差DCが算出されると、ST105では、このDCの値を前記最小値MINと比較する。そしてDCがMINより小さい場合には、つぎのST106に進んでDCの値によりMINを書き換える。
マスク内の走査が終了すると、ST108,110がともに「YES」となり、ST111において、前記最小値MINを所定のしきい値THと比較する。このときのMINには、マスクM内で求めたエッジコード差DCのうちの最小値が格納されていることになる。よってこの最小値MINがしきい値THよりも小さい場合には、前記入力画像上の着目画素に対応するエッジコードを抽出したとみなしてST112に進み、前記濃度差DI(x,y)を0に変更する。一方、最小値MINがしきい値TH以上であれば、ST112はスキップされ、前記ST4で求めた濃度差DI(x,y)が維持される。
よって、図4のST3〜ST11では、入力画像上の処理対象領域に含まれるエッジ画素のうち、基準画像に対する濃度差が基準値Dを上回るエッジ画素のみを対象として、エッジコード比較処理を実行することになる。このエッジコード比較処理において着目画素に対応するエッジコードが抽出された場合には、その着目画素にかかる濃度差DI(x,y)は0に書き換えられる。一方、着目画素に対応するエッジコードが見つからなかった場合には、前記濃度差DI(x,y)の値は維持される。したがって、前記ST3〜11のループが終了した時点で前記基準値Dを超える濃度差が設定されている画素が、モデルと一致しない部分、すなわち欠陥であると考えることができる。
なお、図4の手順によれば、着目画素がエッジ画素でない場合の濃度差DI(x,y)も維持されるので、処理対象画像中でモデルのエッジに対応する位置にある対象物のエッジに欠けが生じていたり、対象物の表面に濃度むらやキズがある場合には、濃度差DI(x,y)をもって、これらの欠陥を抽出することができる。
ST11が「YES」となると、つぎのST12では、入力画像上の処理対象領域から前記濃度差が基準値Dを超える画素を抽出する。続くST13では、抽出された画素の数を計数したり、これら画素の中で連続するものを1つのグループとして統合し、グループの重心や面積を求めるなどして、欠陥の大きさや位置を判別する。
ST14では、この判別結果を含むデータをモニタ3に表示したり、外部に出力する処理を実行する。なお、モニタ3への表示を行う場合には、最終の濃度差DI(x,y)を基準値Dにより2値化し、その結果を示す2値画像を入力画像に合成して表示するなど、ユーザーが欠陥部位を簡単に視認できるような表示を行うのが望ましい。
図6は、前記エッジコード比較処理の他の手順を示す。
この例のエッジコード比較処理でも、基準画像にマスクを設定してエッジコード差DCを求める点は変わらない(図中のST201〜209)が、エッジコード差DCの最小値を求めるのに代えて、毎時のDCの値をしきい値THと比較するようにしている(ST205)。そして、DCの値がしきい値THを下回ると、その時点でST202〜209のループを抜け、前記濃度差DI(x,y)を0に更新する(ST210)。この処理によれば、入力画像上の着目画素に対応するエッジコードが見つかった時点で走査を終了することができるので、処理時間を短縮することができる。
この発明が適用された検査装置の構成を示すブロック図である。 エッジコードの求め方を示す図である。 検査装置における欠陥判別処理の概念を示す図である。 検査の手順を示すフローチャートである。 エッジコード比較処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 エッジコード比較処理の他の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 検査装置
10 制御部
11 画像入力部
12 画像メモリ
14 エッジ抽出部
15 画像出力部
16 入出力部
101 CPU

Claims (5)

  1. 対象物を撮像して得られた濃淡画像をモデルの画像を含む基準画像と比較して、前記対象物のエッジの適否を検査する方法であって、
    前記対象物の濃淡画像および基準画像のそれぞれについて、少なくとも濃度勾配の大きさが所定値を超える画素毎に、濃度勾配方向に基づく角度データを算出し、
    前記対象物の濃淡画像上で濃度勾配の大きさが前記所定値を超える画素を順に着目画素に設定して、前記基準画像上に着目画素に対応する座標を中心とする所定大きさのマスクを設定するステップAと、前記マスク内から前記着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出するステップBとを、着目画素毎に実行し、ステップBにおいて着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出できなかったときの当該着目画素をモデルとの不一致部分であると特定する、ことを特徴とする検査方法。
  2. 請求項1に記載された方法において、
    前記対象物の濃淡画像上において、基準画像の対応する座標との濃度差が所定のしきい値を超え、かつ前記濃度勾配の大きさが前記所定値を超える画素を着目画素として、着目画素毎に前記ステップAおよびステップBを実行するようにした検査方法。
  3. 対象物を撮像して得られた濃淡画像を入力する画像入力手段と、
    前記濃淡画像上の少なくとも濃度勾配の大きさが所定値を超える画素について、濃度勾配方向に基づく角度データを算出する角度データ算出手段と、
    前記対象物のモデルの画像を含む基準画像を、この基準画像に対する前記角度データ算出手段の算出結果とともにメモリに登録する登録手段と、
    前記画像入力手段より入力された濃淡画像上で濃度勾配方向が前記所定値を超える画素を順に着目画素に設定する着目画素設定手段と、
    前記基準画像上に前記着目画素に対応する座標を中心とする所定大きさのマスクを設定し、このマスク内から前記着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出する照合手段と、
    前記照合手段が前記着目画素に対応する角度データを有する画素を抽出できなかったときの当該着目画素を、モデルとの不一致部分であると特定する不一致部分特定手段とを、具備して成る検査装置。
  4. 請求項3に記載された検査装置において、
    前記画像入力手段が入力した濃淡画像と前記基準画像との濃度差を求める差分演算手段を供え、
    前記着目画素設定手段は、前記対象物の濃淡画像上において、前記差分演算手段により求められた濃度差が所定のしきい値を超え、かつ前記濃度勾配の大きさが前記所定値を超える画素を着目画素として設定する検査装置。
  5. 請求項3または4に記載された検査装置において、
    前記不一致部分特定手段による不一致部分の特定結果を用いて前記対象物のエッジの適否を判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果を出力する判別結果出力手段とを、さらに具備する検査装置。
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