JP4470480B2 - 波長変換レーザ装置 - Google Patents
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Description
また、非線形物質からなる基板に形成した周期状分極反転層により波長変換するレーザ光源が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、レーザ出力の一部をビームスプリッタで取り出し、検出器で検知し、フィードバック回路を介して駆動用電源で半導体レーザの出力パワーを制御する高調波出力制御方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、この波長変換レーザ装置では、半導体光増幅素子を温度制御していても、外気温が変動すると、波長変換光のパワーが変動する問題点があった。
そこで、本発明の目的は、外気温が変動しても安定したパワーの波長変換光を得られると共に必要な電力を低減できる波長変換レーザ装置を提供することにある。
本発明の発明者が鋭意研究したところ、次のことが判明した。すなわち、上記構成の波長変換レーザ装置は、基本的に直線偏光である(バイオエンジニアリング分野や計測分野では直線偏波が求められることが多いため。)。そして、一般的に、波長変換素子では、ある偏波面を持った直線偏光成分しか波長変換されないため、偏光比が変動すると波長変換光のパワーも変動してしまう。半導体光増幅素子で発生するレーザ光は基本的には直線偏光であるが、半導体光増幅素子の偏波面と偏波保持光ファイバの偏波面とは、一般に完全に一致させることは組立精度の限界によって困難であり、その結果、光ファイバを通過する光は、有限の値を持つ偏光比を有することとなる。そして、外気温が変動して偏波保持型光ファイバの温度も変動すると、光ファイバ内の相直交する偏波面における屈折率がそれぞれ異なった変動をするために、偏光比が変動してしまう。この結果、半導体光増幅素子を温度制御していても、外気温が変動すると、波長変換光のパワーが変動することになる。
そこで、上記第1の観点による波長変換レーザ装置では、偏波保持型光ファイバを一定温度に制御する。これにより、外気温が変動しても、偏波保持型光ファイバの温度は変動せず、偏光比も変動しないため、安定したパワーの波長変換光が得られる。
上述のように、外気温が変動して偏波保持型光ファイバの温度も変動すると、偏光比が変動してしまう結果、波長変換光のパワーが変動する。この波長変換光のパワー変動は、電流制御手段により抑制できるが、効率が変動している。
そこで、上記第2の観点による波長変換レーザ装置では、電流が小さくなるように偏波保持型光ファイバの温度を制御し、効率を向上させる。これにより、必要な電力を低減できる。
上記第3の観点による波長変換レーザ装置では、電流が最も小さくなる温度を自動的に求めることが出来る。
この波長変換レーザ装置100は、光反射面1aと光出射面1bとこれらの面で挟まれた領域に電流を注入することによりレーザ光を発生する半導体光増幅素子1と、内部にグレーティング部3を形成した偏波保持型光ファイバ2と、偏波保持型光ファイバ2から出射した光を集光するレンズ4と、レンズ4を透過して入射された光の第2高調波光を出力する波長変換素子5と、波長変換素子5から出力された第2高調波光をコリメートするレンズ6と、レンズ6から出射した第2高調波光の一部を分岐するビームスプリッタ7と、分岐した第2高調波光を受光する受光素子8と、受光素子8で受光した第2高調波光の強度を検出すると共に検出強度が一定になるように半導体光増幅素子1に注入する電流を制御する半導体光増幅素子駆動回路21と、グレーティング部3のグレーティング周期を調整するための光ファイバ伸張機構10と、偏波保持型光ファイバ2の温度を調整するための温調素子32と、偏波保持型光ファイバ2の温度を検出するための感温素子31と、感温素子31で検出した温度に基づいて温調素子32を駆動する温度制御回路22とを具備している。
グレーティング部3は、偏波保持型光ファイバ2の一部に屈折率が周期的に変動するような加工を施して形成されている。例えば、エキシマレーザ等の紫外レーザをビームスプリッタで2光束に分け、異なる光路を通した後、光ファイバ上に重ね合わせて照射し、干渉縞を発生させ、紫外線強度に応じて生じる光ファイバのフォトリフラクティブ効果により、干渉縞と同じ間隔で周期的に屈折率を変動させることにより形成されている。グレーティング部3の周期,長さを適宜設定することにより、帯域幅や中心波長および反射率を自由に設定できる。
波長変換素子5の入射側端面5aおよび出射側端面5bは、反射防止膜が施されていることが好ましい。
光ファイバ伸張機構10は、ベース11と、ベース11の上面に形成された基部13と、ベース11の上面でスライドして基部13に対する距離を変えうる可動部16と、基部13に対する可動部16の距離を変えるためのネジ棒17と、ネジ棒17を手動または工具を用いて回転させうる操作部18とを具備している。
(1)半導体光増幅素子駆動回路21で制御し、一定強度の波長変換光を出力する。
(2)例えば30℃〜50℃の間で温度掃引を行い、温度tと電流iの関係を調べ、最小電流iminを与える温度toを記憶する。
(3)以後、記憶した温度toになるように温調素子32を駆動する。
1a 光反射面
1b 光出射面
2 光ファイバ
2a 入射側端面
2b 出射側端面
3 グレーティング部
4,6 レンズ
5 波長変換素子
5a 入射側端面
5b 出射側端面
7 ビームスプリッタ
8 受光素子
10 光ファイバ伸張機構
11 ベース
13 基部
14 第1固定部
15 第2固定部
16 可動部
17 ネジ棒
18 操作部
21 半導体光増幅素子駆動回路
22 温度制御回路
31 感温素子
32 温調素子
100 波長変換レーザ装置
Claims (3)
- 半導体光増幅素子と、グレーティング部を内部に形成した偏波保持型光ファイバと、前記偏波保持型光ファイバが巻き付けられる周長を変化させて前記グレーティング部のグレーティング周期を調整しうる光ファイバ伸張機構と、前記半導体光増幅素子と前記偏波保持型光ファイバとで構成される光共振器から出射した光を波長変換する波長変換素子と、前記波長変換素子から出射される波長変換光の一部を分岐する分岐手段と、前記分岐手段で分岐された光の強度を検出する検出手段と、前記検出手段による検出強度が所定値になるように前記半導体光増幅素子に注入する電流を制御する電流制御手段と、前記光ファイバ伸張機構で前記偏波保持型光ファイバが巻き付けられる部材の温度を調整することにより前記電流が小さくなるように前記偏波保持型光ファイバの温度を制御する温度制御手段とを具備することを特徴とする波長変換レーザ装置。
- 請求項1に記載の波長変換レーザ装置において、前記偏波保持型光ファイバが巻き付けられる部材は、インバー製またはスーパーインバー製であることを特徴とする波長変換レーザ装置。
- 請求項1または請求項2に記載の波長変換レーザ装置において、前記温度制御手段は、所定範囲で前記偏波保持型光ファイバの温度を変更し、前記電流が最も小さくなった温度を求めて記憶し、その後、前記偏波保持型光ファイバの温度を前記記憶した温度に制御することを特徴とする波長変換レーザ装置。
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