JP4470350B2 - リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置及びファイルシステム検査方法 - Google Patents

リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置及びファイルシステム検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ等のような、リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置及びそのリムーバブルメモリのファイルシステム検査技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
メモリカード等のリムーバブルメモリを装着可能に構成されたデジタルカメラはリムーバブルメモリ上に記憶される画像ファイル等を管理するためのファイルシステムを備えており、このファイルシステムではDCF規格(Design rule for Camera File system)に準拠したディレクトリ構造、ディレクトリ名、画像ファイル名、付属情報、サムネイルファイル等が規定されている。
【0003】
また、リムーバブルメモリに記憶された画像はパソコン等の外部装置で再生表示したり画像加工されて利用されるが、この際、ユーザによってリムーバブルメモリの記憶内容をパソコンで書き換えられた場合に管理ファイルと画像ファイル等の各種ファイルとの不整合が生じる可能性があるので、従来技術では図8に示すように、電源ONする毎に、管理ファイルのディレクトリ構造や管理ファイルと画像ファイル等の各種ファイルとの整合性のチェックを行なっていた。
【0004】
ここで、図8は従来技術によるリムーバブルメモリの検査動作を示すフローチャートである。
デジタルカメラの電源がONになると、まず、リムーバブルメモリの有無、つまり、リムーバブルメモリがデジタルカメラに装着されているか否かをチェックし、装着されている場合はステップP2に遷移し、装着されていない場合はステップP8の警告処理に遷移する(ステップP1)。
【0005】
リムーバブルメモリがデジタルカメラに装着されている場合は、先ず、リムーバブルメモリの固有情報(メーカ、記憶容量等)をチェックする(ステップP2)。次に、リムーバブルメモリがフォーマット済みか否かを確認し、フォーマット済みの場合はステップP4に遷移し、フォーマットされていない場合はステップP8の警告処理に遷移する(ステップP3)。
【0006】
フォーマット済みの場合は上述したファイルシステムのチェック、つまり、管理ファイルのディレクトリ構造や管理ファイルと画像ファイル等の各種ファイルとの整合性のチェックを行ない、異常がなければステップP9の通常処理に遷移し、異常がある場合はステップP6に遷移する(ステップP4、P5)。
【0007】
また、上記ステップP5のチェックの結果、ファイルシステムに異常があれば修復処理を行なう。ここで、修復は、例えば、本画像に対応して存在しているはずのプレビュー画像(サムネイル画像等をいう)ファイルがない場合は本画像からプレビュー画像ファイルを生成するといった処理である(ステップP6)。
【0008】
また、修復の可否又は正否をチェックし、修復不能又は修復が正しくできない場合はステップP8の警告処理に遷移し、修復が成功した場合はステップP9の通常処理に遷移する(ステップP7)。
【0009】
上記ステップP1、P3又はP7から遷移があると、それらステップのチェック内容に応じた警告メッセージを表示する(ステップP8)。
【0010】
上記ステップP5のチェックの結果、ファイルシステムに異常がない場合及びファイルシステムの修復が成功した場合は、デジタルカメラは通常処理、つまり、ユーザの指示操作による、撮像、画像保存、再生等の各種処理を実行する(ステップP9)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術では電源ONする毎に、管理ファイルのディレクトリ構造や管理ファイルと画像ファイル等の各種ファイルとの整合性のチェックをリムーバブルメモリで実行し、異常がある場合は修復を行なっているので、リムーバブルメモリとして大容量のCF(コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ)やマイクロドライブを用いているデジタルカメラでは撮影枚数が増えてくるとチェック時間や修復時間が増大し、電源ONしてから通常処理(例えば、撮影又は再生処理)ができるようになるまでの待ち時間、が長くなるといった問題点があった。また、チェック時間や修復時間が長くなると電池を早く消耗してしまうといった問題点も生じていた。
【0012】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、リムーバブルメモリ上のファイルシステムのチェック時間を従来より短縮したリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置及びそのリムーバブルメモリのファイルシステム検査方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置は、リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置であって、電子装置におけるリムーバブルメモリの装着/抜き出しを検出して記憶するメモリ挿抜検出手段と、電子装置の電源ON時に、メモリ挿抜検出手段によるリムーバブルメモリの装着/抜き出しの記憶内容に基いて、該電子装置に装着されているリムーバブルメモリ上のファイルシステムの検査の実行を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、第2の発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置は、リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置であって、電子装置におけるリムーバブルメモリの装着/抜き出しに伴うリムーバブルメモリ用フタの開閉を検出して記憶するフタ開閉検出手段と、電子装置の電源ON時に、開閉検出手段によるフタの開閉の記憶内容に基いて、該電子装置に装着されているリムーバブルメモリ上のファイルシステムの検査の実行を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、第3の発明は上記第1又は第2の発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置において、検出手段の検出結果の信頼性判定にRTCの停電検出機能を用い、制御手段は、RTCの停電検出結果に応じてファイルシステムの検査の実行を制御することを特徴とする。
【0016】
また、第4の発明は上記第1乃至第3の発明のいずれかのリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置において、電源の瞬断を検出する瞬断検出手段を備え、制御手段は、瞬断検出手段の検出結果に応じてファイルシステムの検査の実行を制御することを特徴とする。
【0017】
また、第5の発明は上記第1乃至第4の発明のいずれかのリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置において、制御手段は、電子装置の電源ON時にファイルシステムの検査を行なわない場合にもリムーバブルメモリの固有情報のチェックを行なうことを特徴とする。
【0018】
また、第6の発明は上記第1又は第2の発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置において、電子装置の動作時或いは電源OFF時にリムーバブルメモリの固有情報を退避させる退避メモリを備え、制御手段は、電子装置の電源ON時にファイルシステムの検査を行なわない場合は退避メモリに退避されていた固有情報をロードすることを特徴とする。
【0021】
また、第の発明のファイルシステム検査方法は、リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置において、電子装置の電源ON時に、リムーバブルメモリの装着/抜き出しの有無を検出する工程と、装着/抜き出しの有無の検出結果に基いて、電子装置に装着されているリムーバブルメモリ上のファイルシステムの検査の実行を制御する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、電子装置は、リムーバブルメモリ30(図3)の挿入/抜き出しを検出した時に、リムーバブルメモリ30上のファイルシステムのチェックを行なう。
【0024】
図1は本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置におけるファイルシステム検査装置の構成の一実施例を示すブロック図であり、電子装置としてデジタルカメラを用いた例である。
ファイルシステム検査部10はデジタルカメラ20内に設けられたACアダプタ1、充電池又は乾電池(以下、電池)2、電源ブロック3、バックアップ電源4、RTC(Real Time Clock)5、メモリ挿抜検出手段6、瞬断検出手段7及びシステムLSI8を備えている。また、図中、太線は電源の供給状態を示す。なお、後述するようにメモリ挿抜検出手段6に代えてリムーバブルメモリ用フタ(以下、フタ)21(図3)の開閉を検出するフタ開閉検出手段を設けてもよい。
【0025】
また、符号9は外部装置とのデータアクセスを検出するデータアクセス検出手段であり、第2の実施形態(図6、図7)においてファイルシステム検査部10に付加される。
ここで、電源ブロック3はデジタルカメラ20の動作に必要な電源を生成する。また、バックアップ電源4は電池交換時のRTC5やメモリ挿抜検出手段6のデータ保持用電源である。
【0026】
RTC5は基本的には装置(この場合はデジタルカメラ)の電源ON/OFFに係わらず、常時稼動している時計機構であり、付随機能として電源の完全な遮断(電池交換等)の有無を監視し記憶(正確には電源の完全な遮断から「復帰」したときに記憶)する停電検出機能を備えている。
【0027】
メモリ挿抜検出手段6はデジタルカメラ20からリムーバブルメモリ(以下、メモリ)30が抜き出されたか否かを検出する手段であり、メモリ30が抜き出されたことを検出するとシステムLSI8からリセット指示がない限り、その検出結果を記憶している。
【0028】
瞬断検出手段7は電源の瞬断発生を検出して記憶し、システムLSI8からリセット指示がない検出結果を記憶している。また、システムLSI8は本発明のリムーバブルメモリのファイル検査装置におけるファイルシステムの検査動作、つまり、メモリチェック処理の実行の制御を行なう。
次に、メモリ挿抜検出手段6でのメモリ挿抜検出と供給電源の関係を説明する。
ACアダプタ1或いは電池2を挿入した状態でデジタルカメラ20を使用している時にメモリ30の挿入/抜き出しがなされた場合には、電源ブロック3から供給される電源によりRTC5、メモリ挿抜検出手段6、瞬断検出手段7は駆動される。
【0029】
ここで、電源ブロック3はデジタルカメラ20がOFF状態でもACアダプタ1或いは電池2が挿入されていれば固定電圧を発生するように設計されている。従って、デジタルカメラ20がOFF状態でもACアダプタ1或いは電池2が挿入されていればRTC5、メモリ挿抜検出手段6、瞬断検出手段7は電源ブロック3から供給される電源で動作する。
【0030】
また、ACアダプタ1或いは電池2が未挿入の場合には、RTC5、メモリ挿抜検出手段6、瞬断検出手段7はバックアップ電源4から供給される電源で動作する。但し、バックアップ電源4からの電源のためACアダプタ1或いは電池2が挿入されていない状態で長時間放置されると動作できなくなる場合があり、この時、メモリ挿抜検出手段6及び瞬断検出手段7からシステムLSI8に送られる情報は信用できないものとなる。
【0031】
本発明では、メモリ挿抜検出手段6及び瞬断検出手段7からシステムLSI8に送られる情報の信頼性をチェックする手段として前述したRTC5に内蔵されている停電検出機能を用いる。
【0032】
停電検出機能は、RTC5が動作できない電圧まで電源電圧が低下した場合に、RTC5の内部レジスタを操作する機能であり、システムLSI8で当該レジスタをチェックすることにより停電があったかどうかを確認できる。
【0033】
電源ON時にシステムLSI8はRTC5の停電レジスタをチェックして正常であればメモリ挿抜検出手段6及び瞬断検出手段7に記憶された情報を信頼できるものとして通常処理に移行して動作し、停電状態があればメモリ挿抜検出手段6及び瞬断検出手段7からの情報は信頼できないものとしてメモリ30のチェック(メモリ30上のファイルシステムのチェック)を実行するように動作する。
【0034】
(メモリ検査動作)
図2は本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置によるメモリ検査動作の一実施例を示すフローチャートであり、メモリ検査動作の制御はシステムLSI8によって行なわれる。
ここで、デジタルカメラ20はカメラ内部に不揮発性メモリ或いはバックアップ付揮発性メモリを備えており、撮影毎或いは電源OFF毎にメモリ30の固有情報(未使用量、ファイル番号等)をこのメモリに退避するように構成されているのものとする。
【0035】
図2で、デジタルカメラ20の電源がONされると、RTC5は停電があったか否か停電レジスタをチェックし、停電状態がなかった場合はステップS2に遷移する。また、停電状態があったことを検出した場合はメモリ30のチェック処理を行なうためにステップS5に遷移する。つまり、RTC5が停電状態を検出している場合には、メモリ挿抜検出手段6に供給される電源も動作電圧範囲を逸脱するため検出手段が動作できないことと、より具体的には、メモリ挿抜検出手段6や瞬断検出手段7によるデジタルカメラ20におけるメモリ30の挿入/抜き出しや瞬断の記憶がなかったとしても、電池交換等により電源が完全に遮断している最中にメモリ30の挿入/抜き出しが行なわれるとその検出は不可能なため、電源の完全な遮断が行なわれたことが検出されると電源が完全に遮断されている間にメモリ30の内容が書き換えられなかったという保証ができないので、メモリチェック処理(ステップS5〜S13)を行なうためステップS5に遷移する(ステップS1)。
【0036】
上記ステップS1で停電状態があったことが検出されなかった場合には、システムLSI8は瞬断検出手段7の記憶状態を確認し、電源の瞬断が生じていない場合はステップS3に遷移し、電源の瞬断が生じていた場合にはメモリチェック処理を行なうためステップS5に遷移する。つまり、メモリ30への書き込み中に瞬断が生じた場合には、書き込みが終了するまでに強制的に電源オフした可能性があるのでメモリチェック処理(ステップS5〜S13)を行なうためステップS5に遷移する(ステップS2)。
【0037】
また、上記ステップS2で瞬断状態が検出されなかった場合には、システムLSI8はメモリ挿抜検出手段6の記憶内容(検出結果)を調べ、デジタルカメラに装着されているメモリ30が抜き出されていなかった場合はステップS4に遷移し、現在、デジタルカメラに装着されているメモリ30の装着前にメモリ(現在装着されているメモリ30とは限らない)が抜き出されていた場合はメモリチェック処理を行なうためステップS5に遷移する(ステップS3)。
【0038】
上記ステップS3でメモリ30が抜き出されていなかった場合には、デジタルカメラ20の不揮発性メモリ或いはバックアップ付揮発性メモリに退避されていたメモリ固有情報をロードし、通常処理を実行するためにステップS14に遷移する(ステップS4)。
【0039】
上記ステップS1、S2、S3からの遷移があると、システムLSI8は、まず、メモリ30の有無、つまり、メモリ30がデジタルカメラ20に装着されているか否かをチェックし、装着されている場合はステップS6に遷移し、装着されていない場合はステップS12の警告処理に遷移する(ステップS5)。
【0040】
メモリ30がデジタルカメラ20に装着されている場合は、システムLSI8はメモリ30の固有情報をチェックする(ステップS6)。
【0041】
次に、システムLSI8はメモリ30がフォーマット済みか否かを確認し、フォーマット済みの場合はステップS8に遷移し、フォーマットされていない場合はステップS12の警告処理に遷移する(ステップS7)。
【0042】
フォーマット済みの場合は上述したファイルシステムのチェック、つまり、管理ファイルのディレクトリ構造や管理ファイルと画像ファイル等の各種ファイルとの整合性のチェックを行ない、異常がある場合はステップS10に遷移し、異常がなければステップS13に遷移する(ステップS8、S9)。
【0043】
また、上記ステップS9のチェックの結果、ファイルシステムに異常があればシステムLSI8は、前述(図8のステップP6)したような修復処理を行なう(ステップS10)。
【0044】
次に、システムLSI8は修復の可否又は正否をチェックし、修復不能又は修復が正しくできない場合はステップS12の警告処理に遷移し、修復が成功した場合はステップS13に遷移する(ステップS11)。
【0045】
上記ステップS5、S7又はS11から遷移があると、それらステップのチェック内容に応じた警告メッセージを表示し、メモリチェック処理を終了する(ステップS12)。
【0046】
上記ステップS9のチェックでファイルシステムに異常がないか、上記ステップS11で修復成功が確認された場合には、システムLSI8はメモリ挿抜検出手段6をリセットする(ステップS13)。
【0047】
上記ステップS4又はS13からの遷移があると、デジタルカメラの通常動作の実行、つまり、ユーザの指示操作による、撮像、画像保存、再生等の各種機能の実行処理を実行する(ステップS14)。
【0048】
本実施例によれば、メモリ挿抜検出手段6を設けたことにより、従来、電源ON毎に必ず行っていたメモリチェック、ファイルシステムチェックをメモリが抜き出されていない場合はキャンセルすることが可能となったので、電源ON後、デジタルカメラが使えるようになるまで、つまり、通常処理に移行するまでの時間を従来より格段に短縮できる。
【0049】
(変形例1)
図3は前記第1の実施の形態におけるデジタルカメラとパソコン等の外部装置とのデータのアクセス方法の一実施例の説明図であり、メモリ30の交換によるデータアクセス方法である。
【0050】
ユーザはデジタルカメラ20に装着されているメモリ30を抜き出し、パソコン40のメモリリーダ/ライタ41に差し込んでパソコン40にデジタルカメラ20で記憶したデータを取り込ませたり、パソコン40で読取/書き込み済みのメモリ30をパソコン40のメモリリーダ/ライタ41から抜き出し、デジタルカメラ20のメモリ挿入口に差しこむ。この際、デジタルカメラ20側でメモリ30の挿入/抜き出しを行なう場合は、図示のようにデジタルカメラ20の側面に設けられているメモリ30の挿入口のフタ(リムーバブルメモリ用フタ(以下、フタ))21の開閉を行なっている。
【0051】
そこで、図1に示したメモリ挿抜検出手段6(図1)に代えてフタ21の開閉を検出するフタ開閉検出手段6を備えるようにしてもよい。この場合、フタ開閉検出手段6でフタの開閉を検出するとシステムLSI8からリセットがかからない限り検出状態が記憶され保持されるものとする。また、電源ブロック3、バックアップ電源4、RTC5との関係もメモリ挿抜検出手段6と同様とする。また、更に、図2のステップS13ではフタ開閉検出手段6をリセットするように構成する。このように構成した場合も前述した実施例と同様の効果を得ることができる。
【0052】
(変形例2)
図4は図2に示したメモリ検査動作の変形例を示すフローチャートであり、図2のフローチャートのステップS4に変えてステップS4’を設け、ステップS4’以外の動作は図2のフローチャートと同様としたものである。
前述した実施例及び変形例1ではデジタルカメラ内に不揮発性メモリ又はバックアップ付揮発性メモリを備えるように構成し、撮影毎又は電源OFF毎にメモリ固有情報を退避させるようにしたが、図4のステップS4’で、ステップS3でメモリ30が抜き出されていない時にはメモリ固有情報のチェックのみを実行させるように構成することにより、カメラ内に不揮発性メモリ又はバックアップ付揮発性メモリ等を有していないデジタルカメラに対しても本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置及びファイルシステム検査方法を適用することができる。
【0053】
変形例2によれば、ステップS4’のメモリ固有情報のチェックはメモリ30の容量やメモリ30内に記憶されている画像枚数の多寡に関係しない処理であり、時間がかかる処理ではないので電源ON時に実行しても時間的影響は少なく、デジタルカメラが電源ONから通常処理に移行するまでの時間を更に短縮できる。
【0054】
<第2の実施の形態>
図5はデジタルカメラとパソコン等の外部装置とのデータのアクセス方法の他の実施例の説明図であり、USBケーブルを用いたデータアクセス方法の説明図であり、メモリ30を抜き出すことなくカメラ内蔵のUSB端子23経由でUSBケーブル22を介してパソコン40とデータアクセスを行なう方法である。
【0055】
このようにケーブル接続の場合、前記第1の実施の形態の実施例や変形例のようにメモリ30の挿抜検出或いはフタの開閉検出を行なうだけでは不都合が生じる場合があった。つまり、USB端子経由で外部のパソコン40等からデジタルカメラ20内部のメモリ30にアクセスする場合、そのアクセス内容についてはカメラ側では把握していないのでUSB端子が使用された際にはメモリ30の内容の不改変を保証できない。
【0056】
そこで、本実施の形態では、ファイルシステム検査部10(図1)に外部装置とのデータアクセスを検出する外部アクセス検出手段9を設け、電源がONされた時に外部装置とのデータアクセスが検出されるとメモリチェック、つまり、メモリ30上のファイルシステムの検査/修復動作を行なう。
【0057】
図6は本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置によるメモリ検査動作の他の実施例を示すフローチャートであり、USB接続に対応したフローチャートであり、図2のフローチャートのステップS4に変えてステップS4”及びステップS4’を設けたものであり、ステップS4”及びS4’以外の動作は図2のフローチャートと同様としたものである。
【0058】
本実施例と前記第1の実施の形態の相違点は図6のフローチャートに示すようにステップS3のメモリ挿抜チェックの後に、USB端子経由のメモリアクセスの有無をチェックするステップS4”を設け、ステップS4”の後にステップS4”でメモリ30が抜き出されていない時にはメモリ固有情報のチェックのみを実行させるステップS4’を設けるように構成した点である。なお、ステップS4”でメモリ30が抜き出されている場合はメモリチェック処理中のステップS8(ファイルシステムチェック(図2))に遷移する。
【0059】
上記構成により、カメラ内に不揮発性メモリ又はバックアップ付揮発性メモリ等を有していないデジタルカメラについて、USB端子経由による外部パソコン等の外部装置とのデータアクセスがあった場合にメモリチェック(つまり、ファイルシステムチェック)を行なうので、USB端子経由で外部のパソコン40等からデジタルカメラ20内部のメモリ30にアクセスがあった場合、そのアクセス内容の如何に拘わらずメモリ30をチェックすることができ、メモリ30上のファイルシステムの信頼性を保証でき、また、USBポート内蔵のデジタルカメラについても電源起動時の通常処理への移行の高速化を実現できる。
【0060】
なお、カメラ内に不揮発性メモリ又はバックアップ付揮発性メモリ等を備えたデジタルカメラについて、撮影毎或いは電源OFF毎にメモリ30の固有情報を退避するように構成し、上記図6のフローチャートのステップS4’を「カメラ内の情報ロード」を行なうステップとして構成してもよい。このように構成した場合も上述したような効果、つまり、USBポート内蔵のデジタルカメラについて、リムーバブルメモリ上のファイルシステムの信頼性を保証でき、電源起動時の通常処理への移行の高速化を実現できる。
【0061】
図7は本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置によるメモリ検査動作の他の実施例を示すフローチャートであり、図6の例と同様USB接続に対応したフローチャートであるが、電源ON時のメモリ30のチェック動作と、USB接続モード時の外部パソコン等とのデータアクセス時のメモリ30のチェック動作とを別にした例である。
【0062】
電源ON時のメモリ30のチェック動作は、前記第1の実施の形態における図2又は図4のフローチャートに示した動作と同様である(図2、図4参照)。
一方、デジタルカメラ20がUSB接続モード(=パソコンとリンクしている状態)の場合は、デジタルカメラがUSB接続モードから抜ける時、つまり、図7に示すようにUSB接続モード終了処理においてメモリ検査動作を行なう。以下、USB接続モード終了処理後のメモリ検査動作について説明する。
【0063】
システムLSI8は、まず、USB端子経由のメモリアクセスの有無をチェックし、メモリアクセスがあった場合にはステップT2に遷移し、メモリアクセスがない場合はそのままUSB接続モードを終了させる。つまり、USB接続モードの終了或いは外部装置とのアクセスの終了直後にはステップT2に遷移する(ステップT1)。
【0064】
メモリアクセスがあった場合はファイルシステムのチェック、つまり、管理ファイルのディレクトリ構造や管理ファイルと画像ファイル等の各種ファイルとの整合性のチェックを行ない、異常がある場合はステップT4に遷移し、異常がなければUSB接続モードを終了させる(ステップT2、T3)。
【0065】
また、上記ステップT3のチェックの結果、ファイルシステムに異常があればシステムLSI8は、修復処理を行なう(ステップT4)。
【0066】
次に、システムLSI8は修復の可否又は正否をチェックし、修復不能又は修復が正しくできない場合はステップT6の警告処理に遷移し、修復が成功した場合はUSB接続モードを終了させる(ステップT5)。また、上記ステップT5から遷移があると、警告メッセージ表示等の警告処理を行なってメモリチェック処理を終了する(ステップT6)。
【0067】
上記構成により、不揮発性メモリ又はバックアップ付揮発性メモリ等の有無に関係なく、USBポート内蔵のデジタルカメラについて図6の実施例と同様の効果、つまり、リムーバブルメモリ上のファイルシステムの信頼性を保証でき、また、電源起動時の通常処理への移行の高速化を実現できる。
【0068】
なお、上記第2の実施形態ではパソコン等、外部装置とのデータアクセス方法としてUSB経由によるデータアクセスの場合を例としたが、外部装置とのデータアクセス方法はUSB経由に限定されず、本発明は、例えば、有線又は無線通信ポートを備えた撮像装置で、インターネット等の有線通信ネットワーク又は無線通信ネットワークを介して外部装置(例えば、パソコン、携帯電話、モバイル等)とのデータアクセスの場合にも適用できる。
【0069】
以上、本発明のいくつかの実施例及び変形例について説明したが本発明は上記各実施例及び変形例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、電源ON後、通常処理に移行するまでの時間を短縮できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置におけるファイルシステム検査装置の構成の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置によるメモリ検査動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図3】デジタルカメラとパソコンとのデータのアクセス方法の一実施例の説明図である。
【図4】図2に示したメモリ検査動作の変形例を示すフローチャートである。
【図5】デジタルカメラとパソコンとのデータのアクセス方法の他の実施例の説明図である。
【図6】本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置によるメモリ検査動作の他の実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置によるメモリ検査動作の他の実施例を示すフローチャートである。
【図8】従来技術によるリムーバブルメモリの検査動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 RTC
6 メモリ挿抜検出手段、フタ開閉検出手段
7 瞬断検出手段
8 システムLSI(制御手段)
9 外部アクセス検出手段
10 ファイルシステム検査部
20 デジタルカメラ(電子装置)
23 USB端子(外部装置とのデータアクセス手段)
30 リムーバブルメモリ
40 パソコン(外部装置)

Claims (7)

  1. リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置であって、
    前記電子装置におけるリムーバブルメモリの装着/抜き出しを検出して記憶するメモリ挿抜検出手段と、
    前記電子装置の電源ON時に、前記メモリ挿抜検出手段によるリムーバブルメモリの装着/抜き出しの記憶内容に基いて、該電子装置に装着されているリムーバブルメモリ上のファイルシステムの検査の実行を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置。
  2. リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置であって、
    前記電子装置におけるリムーバブルメモリの装着/抜き出しに伴うリムーバブルメモリ用フタの開閉を検出して記憶するフタ開閉検出手段と、
    前記電子装置の電源ON時に、前記開閉検出手段による前記フタの開閉の記憶内容に基いて、該電子装置に装着されているリムーバブルメモリ上のファイルシステムの検査の実行を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置。
  3. 前記検出手段の検出結果の信頼性判定にRTCの停電検出機能を用い、前記制御手段は、前記RTCの停電検出結果に応じて前記ファイルシステムの検査の実行を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置。
  4. 電源の瞬断を検出する瞬断検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記瞬断検出手段の検出結果に応じてファイルシステムの検査の実行を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置。
  5. 前記制御手段は、前記電子装置の電源ON時に前記ファイルシステムの検査を行なわない場合にも前記リムーバブルメモリの固有情報のチェックを行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置。
  6. 前記電子装置の動作時或いは電源OFF時に前記リムーバブルメモリの固有情報を退避させる退避メモリを備え、
    前記制御手段は、前記電子装置の電源ON時に前記ファイルシステムの検査を行なわない場合は前記退避メモリに退避されていた固有情報をロードすることを特徴とする請求項1又は2記載のリムーバブルメモリを着脱可能な電子装置。
  7. リムーバブルメモリを着脱可能な電子装置において、
    前記電子装置の電源ON時に、リムーバブルメモリの装着/抜き出しの有無を検出する工程と、前記装着/抜き出しの有無の検出結果に基いて、前記電子装置に装着されているリムーバブルメモリ上のファイルシステムの検査の実行を制御する工程と、を備えたことを特徴とするファイルシステム検査方法。
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