JP4469515B2 - ディジタルフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号に対し、遅延手段を含む帰還路を構成してフィルタ演算を施し、所定の時定数を有する周波数特性を付与して出力信号を生成するディジタルフィルタの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、AM放送やFM放送を受信して復調するチューナにおいて、ディジタル処理を適用して各種信号処理を実現する構成が増えている。ディジタル化されたチューナにおいては、入力信号から不要周波数成分を除去するためのディジタルフィルタが用いられる。例えば、入力信号のレベル検出を行う場合、変調成分を除去するためのローパスフィルタをディジタルフィルタによって構成することができる。そして、ディジタルフィルタによるレベル検出出力に基づいて、IF信号用のAGCアンプのゲインを適切に調整すれば、チューナの受信電界強度の変動にかかわらず検波出力を安定に保つことができる。
【0003】
ところで、チューナの受信電界強度は時間に応じて急激に変動する場合がある。例えば、車載用のチューナの場合、トンネルなどの電波が到達しにくい場所に出入りする状況で受信電界強度が急激に増大したり減少したりする。AGCアンプのレベル検出に用いるローパスフィルタの時定数が大きい状態では、応答速度が遅くなって上記のような受信電界強度の急激な変動に追従できない可能性がある。この場合、AGCアンプのゲインが適正に制御できなくなり、検波出力を劣化させる恐れがある。一方、ローパスフィルタの時定数が小さい状態では、応答は早くなるが不要な変調成分を除去できなくなる。そのため、チューナにおいてAGCアンプのレベル検出に用いるローパスフィルタは、時定数を大小切り替え可能に構成することが望ましい。これにより、受信電界強度が急に変動する状況では、一時的に時定数を小さく設定してローパスフィルタの出力を追従可能とし、AGCアンプの適正な動作を確保することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、アナログのチューナでは、上記のようにローパスフィルタの時定数を切り替える場合、回路定数によって定まる2通りの時定数に対応する経路の接続を切り替えることにより容易に構成することができる。これと同様にして、ディジタルフィルタを利用する場合は、乗算器の係数によって時定数が定まるので、異なる係数が設定された2通りの経路の接続を切り替えることにより、時定数を切り替え可能な構成が実現できる。
【0005】
しかしながら、例えばIIR型のディジタルフィルタには、遅延器を含む帰還路が含まれており、時定数の切り替えタイミングにおける遅延器との整合が問題となる。すなわち、IIR型のディジタルフィルタでは、時定数の切り替えに伴い乗算器の係数が切り替わると、これに整合するように遅延器のデータが変わる必要があるが、切り替え直後には遅延器に古いデータが保持されているためデータの不整合が生じる。そのため、切り替えタイミングにおいて、一時的にディジタルフィルタの出力が不連続になり、このディジタルフィルタをAGCアンプのレベル検出に適用する場合、時定数切り替えに伴い検波出力にノイズを発生させる要因になることが問題となる。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、時定数を切り替える構成を備え、時定数の切り替えタイミングにおいてノイズを発生させることなく安定な動作を確保することができるディジタルフィルタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のデジタルフィルタは、入力信号に対し、前記入力信号を遅延させる遅延手段を含む帰還路を構成してフィルタ演算を施し、所定の時定数を有する周波数特性を前記入力信号に付与して出力信号を生成するディジタルフィルタであって、少なくとも2段階の時定数に対応する係数が設定された2以上の乗算器を備えた、前記帰還路の内部に挿入された第1の選択手段と、前記帰還路の外部に挿入された第2の選択手段とを有し、設定された時定数に対応する前記第1の選択手段及び前記第2の選択手段の前記乗算器の接続を選択して時定数を切り替える時定数切り替え手段と、前記時定数の切り替えが行われたとき、前記時定数の切り替えに応じて前記遅延手段の出力を補正すべきタイミングを判別するタイミング判別手段と、前記帰還路の内部に挿入され、前記判別されたタイミングにおいて、前記出力信号の変動を抑えるように前記遅延手段の出力を補正する補正手段と、を備え、前記タイミング判別手段は、前記判別されたタイミングにおいて、切り替えが行われた前記時定数の大きさの変化の方向に応じたタイミング制御信号を前記補正手段に出力し、前記補正手段は、前記タイミング制御信号に対応する係数が設定された2以上の乗算器を備え、前記タイミング制御信号に応じて当該乗算器を切り替えることによって、前記遅延手段の出力を補正する、ことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、ディジタルフィルタに対し時定数を2段階以上切り替え可能であり、時定数が設定されると、ディジタルフィルタは所望の時定数で動作する。そして、このディジタルフィルタの帰還路の内部と外部にそれぞれ第1の選択手段及び第2の選択手段を挿入して構成し、各選択手段に2以上の乗算器とセレクタを設けて、設定された時定数に対応する接続を選択可能とした。よって、例えば入力信号の変動の状態によって、ディジタルフィルタの時定数を最適化し、安定性と追従性のバランスを確保できる。そして、時定数の切り替えに伴い、帰還路に含まれる遅延手段の出力を補正するタイミングが判別され、時定数の切り替え方向に応じて、判別されたタイミングで遅延手段の出力が適正に補正される。その結果、時定数の切り替えタイミングで遅延手段におけるデータの不整合を補正することにより、ディジタル演算に起因するノイズの発生を防止することができる。
さらに、時定数の切り替え時には2つのセレクタの接続を選択するだけでよく、複雑な処理を行うことなくディジタルフィルタにおける所望の時定数を選択することができる。
【0009】
請求項2に記載のディジタルフィルタは、請求項1のディジタルフィルタにおいて、前記入力信号と前記第1の選択手段の出力信号とを加算して、前記遅延手段及び前記帰還路の外部に挿入された第2加算手段に出力することで、前記帰還路を形成する第1加算手段と、前記第1加算手段の出力と前記補正手段の出力とを加算して、前記第2選択手段に出力する前記第2加算手段と、を更に備え、前記遅延手段は、前記第1加算手段の出力信号を遅延させて前記補正手段に出力する、ことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、帰還路を形成する第1加算手段と、前記第1加算手段の出力記補正手段の出力とを加算して、第2選択手段に出力する前記第2加算手段と、を更に備え、遅延手段は、前記第1加算手段の出力信号を遅延させて前記補正手段に出力するので、より効果的にディジタル演算に起因するノイズの発生を防止することができる。
【0011】
請求項3に記載のディジタルフィルタは、請求項1又は2に記載のディジタルフィルタにおいて、前記タイミング制御信号は、前記遅延器に供給されるクロックを基準とし、前記判別されたタイミングから1クロック分のパルスを発生することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、遅延手段の出力を補正するタイミングは、遅延器のクロックを基準とした1クロック分のパルス幅を有するので、必要最小限の時間間隔で補正を行ってディジタルフィルタの通常時における動作に与える影響を少なくすることができる。
【0013】
請求項4に記載のディジタルフィルタは、請求項1乃至3の何れか1項に記載のディジタルフィルタにおいて、前記入力信号はチューナの受信信号であり、前記出力信号は前記受信信号に対応するレベル検出に用いられることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、上記のように構成されたディジタルフィルタをチューナに適用し、チューナの受信信号をディジタルフィルタに入力して、出力信号によりレベル検出を行うように構成したので、受信信号の変動に対し最適な時定数を設定し、安定かつ迅速にチューナの受信信号のレベルを検出することができる。
【0015】
請求項5に記載のディジタルフィルタは、請求項4に記載のディジタルフィルタにおいて、前記時定数は、前記チューナの受信状態に基づき2段階に切り替え可能であって、通常時には大きい時定数が設定され、受信電界強度が急激に変動するときは小さい時定数が設定されることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、チューナにおける受信電界強度が安定している通常時は時定数を大きく設定し、その状態から受信電界強度が急激に変動したときに時定数が小さくなるように切り替える構成としたので、チューナへの電波が到達しにくい場所に出入りする状況であっても、ディジタルフィルタの演算に起因するノイズの発生を防止してチューナの受信性能を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態においては、チューナの受信信号等のレベル検出を行うために用いられるディジタルフィルタに対し本発明を適用した場合を説明する。
【0022】
図1は、本発明に係るディジタルフィルタをAM受信用のチューナに適用した場合の要部構成を示すブロック図である。図1においては、アンテナ1と、受信回路2と、AD変換器3と、AGCアンプ4と、復調処理部5と、ディジタルフィルタ6が示されている。
【0023】
以上の構成において、アンテナ1により放送局からの送信電波が受信されると、対応する受信信号が受信回路2に入力される。受信回路2では、各種の同調回路や増幅回路を経て、PLLにより希望局に対応する周波数を抽出し、混合処理により周波数を下げてIF(中間周波数)信号を生成する。受信回路2から出力されたIF信号は、AD変換器3によってディジタル信号に変換された後、AGCアンプ4に入力され、所定の出力レベルを保つように設定されたゲインで増幅される。すなわち、チューナへの受信電界強度が小さくなるとIF信号のレベルも小さくなるので、レベル低下を補償するためにAGCアンプ4を用いている。
【0024】
一方、AGCアンプ4からの出力は、復調処理部5に供給され、AM変調に対応する復調信号が抽出される。この復調信号は、各種処理が施された後、最終的には音声信号として外部出力される。一方、復調処理部5の復調信号は、ディジタルフィルタ6に供給され、AGCアンプ4のゲインを設定するためのレベル検出が行われる。
【0025】
本実施形態では、ディジタルフィルタ6は、IIR(Infinite Impulse Response)型のLPF(Low Pass Filter)であって時定数を切り替え可能に構成されるものとする。このディジタルフィルタ6により復調信号を平滑化すると、受信電界強度に依存するレベルを得ることができる。従って、ディジタルフィルタ6の出力信号を上述のAGCアンプ4に供給することにより、AGCアンプ4のゲインを最適に設定することができる。
【0026】
次に、本実施形態のディジタルフィルタ6の構成及び動作について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、本実施形態のディジタルフィルタ6の構成を示すブロック図である。また、図3は、図2に示すディジタルフィルタ6の各部の信号波形を示す図である。
【0027】
図2に示すように、本実施形態に係るディジタルフィルタ6は、加算器11、12、遅延器13、乗算器14、15、セレクタ16、乗算器17、18、セレクタ19、タイミング発生器20、乗算器21、22、セレクタ23から構成されている。このような構成により、入力信号に対しフィルタ演算を施して所定の時定数で高周波成分を減衰させ、信号レベルに対応する低周波成分を抽出して出力信号を得ることができる。
【0028】
以上の構成において、加算器11は、入力信号とセレクタ16の出力とを加算し、加算結果を出力する。本発明の第1の選択手段として機能するセレクタ16には、乗算器14からの出力と乗算器15からの出力が入力され、この2つの一方を時定数制御信号Stに従って選択的に接続を切り替える。乗算器14には係数a1が設定され、乗算器15には係数a2が設定されている。それぞれの乗算器14、15では、設定された係数a1、a2が乗じられ、乗算結果が出力される。
【0029】
次に、加算器12は、加算器11からの出力とセレクタ23の出力とを加算し、加算結果を出力する。加算器12の出力は、乗算器17及び乗算器18に入力され、これら乗算器17、18からの各出力がそれぞれセレクタ19に入力される。本発明の第2の選択手段として機能するセレクタ19では、これら乗算器17、18の一方を時定数制御信号Stに従って選択的に接続を切り替える。それぞれ、乗算器17には係数b1が設定され、乗算器18には係数b2が設定されている。それぞれの乗算器17、18では、設定された係数b1、b2が乗じられ、乗算結果が出力される。
【0030】
図3に示されるように、時定数制御信号Stは適当なタイミングでハイレベル(H)又はローレベル(L)に切り替えられる。時定数制御信号Stがローレベルに設定されると、ディジタルフィルタ6が大きい時定数に切り替えられて応答が遅い状態になるとともに、時定数制御信号Stがハイレベルに設定されると、ディジタルフィルタ6が小さい時定数に切り替えられ応答が早い状態になるように制御されるものとする。そして、大きい時定数に設定されたときは、セレクタ16では乗算器14の出力が選択され、セレクタ19では乗算器17の出力が選択される。一方、小さい時定数に設定されたときは、セレクタ16では乗算器15の出力が選択され、セレクタ19では乗算器18の出力が選択される。すなわち、係数a1、b1の組み合わせは大きい時定数に対応し、ディジタルフィルタ6の応答は低速になる。また、係数a2、b2の組み合わせは小さい時定数に対応し、ディジタルフィルタ6の応答は速くなる。
【0031】
ここで、本実施形態のディジタルフィルタ6は、チューナにおけるレベル検出に適用されるので、受信電界強度の変化に応じて時定数制御信号Stを切り替えることが有効である。すなわち、通常時はディジタルフィルタ6を大きい時定数に設定し(時定数制御信号StはL)、受信電界強度が急激に変動するタイミングで所定時間にわたってディジタルフィルタ6を小さい時定数に設定すればよい(時定数制御信号StはH)。これにより、車両内でチューナを使用している状況下で、通常時はレベル検出を安定に保ちつつ、例えばトンネルなど電波の到達しにくい場所に出入りする瞬間に受信電界強度が急に増加する場合において、これに適切に追従させることができる。
【0032】
次に遅延器13は、加算器11からの出力を1クロック分遅延させて出力する。遅延器13にはクロックCLKが供給され、図3に示すような波形パターンでクロックCLKが変化する。遅延器13からの出力は、それぞれ乗算器21、乗算器22、セレクタ23に供給される。セレクタ23には、乗算器21、22からの各出力と、遅延器13からの直接の出力がそれぞれ入力され、これら3つの中から、タイミング発生器20からの2種類のタイミング制御信号Ssf、Sfsに従って選択的に出力を切り替える。なお、乗算器21には係数c1が設定され、乗算器22には係数c2が設定されている。それぞれの乗算器21、22では、設定された係数c1、c2が乗じられ、乗算結果が出力される。
【0033】
本発明のタイミング判別手段として機能するタイミング発生器20は、時定数制御信号StとクロックCLKが供給され、後述の構成に基づいて上記のタイミング制御信号Ssf、Sfsを生成する。タイミング制御信号Ssfは、時定数制御信号StがLからHに切り替わるタイミングを示す信号であり、タイミング制御信号Sfsは、時定数制御信号StがHからLに切り替わるタイミングを示す信号である。すなわち、図3に示されるように、タイミング制御信号Ssfは時定数制御信号StがLからHとなった直後のクロックCLKの立ち上がりに連動してLからHになり、1クロック分のパルスを発生する。また、タイミング制御信号Sfsは時定数制御信号StがHからLとなった直後のクロックCLKの立ち上がりに連動してLからHになり、1クロック分のパルスを発生する。
【0034】
図3の下部に示すように、セレクタ23では、タイミング制御信号Ssfとタイミング制御信号SfsがいずれもLであるとき、遅延器13からの出力が選択される。一方、タイミング制御信号SsfがHであって、タイミング制御信号SfsがLであるときは、乗算器21の出力が選択される。また、タイミング制御信号SsfがLであって、タイミング制御信号SfsがHであるときは、乗算器22の出力が選択される。このようにセレクタ23は、乗算器21、22とともに、本発明の補正手段として機能する。
【0035】
つまり、セレクタ23は、ディジタルフィルタ6の時定数が切り換わる際、切り替え後の1クロック分だけ遅延器13の出力に係数C1又は係数C2を乗じるとともに、それ以外の場合は遅延器13の出力に係数を乗じることなく出力するように機能する。これにより、ディジタルフィルタ6の時定数を切り替えた直後にディジタル演算に伴って瞬間的に発生するノイズを抑えることができるが、この点について詳しくは後述する。
【0036】
次に図4は、タイミング発生器20の具体的な構成例を示すブロック図である。図4に示すタイミング発生器20は、Dフリップフロップ101、102、EXOR回路103、AND回路104、105から構成されている。以上の構成において、タイミング発生器20に入力された時定数制御信号Stは、前段のDフリップフロップ101によってクロックCLKの立ち上がりに同期して出力される。続いて、前段のDフリップフロップ101の出力は、後段のDフリップフロップ102によってクロックCLKの立ち上がりに同期して出力される。
【0037】
そして、EXOR回路103では、前段のDフリップフロップ101の出力と後段のDフリップフロップ102の出力との排他的論理和をとって出力する。その結果、EXOR回路103の出力は、図3に示される2つのタイミング制御信号Ssf、Sfsの双方のパルスを含む波形パターンになる。次に、一方のAND回路104では、前段のDフリップフロップ101の出力とEXOR回路103の出力との論理積をとって出力する。また、他方のAND回路105では、後段のDフリップフロップ102の出力とEXOR回路103の出力との論理積をとって出力する。
【0038】
よって、後段のDフリップ102を経由するかどうかの違いに起因して、一方のAND回路104の出力には、タイミング制御信号Ssfのパルスのみが現れ、他方のAND回路105の出力には、タイミング制御信号Sfsのパルスのみが現れる。このように、AND回路104の出力がタイミング制御信号Ssfとしてセレクタ23に供給され、AND回路105の出力がタイミング制御信号Sfsとしてセレクタ23に供給されることになる。
【0039】
次に図5は、ディジタルフィルタ6で時定数制御が行われた場合における出力信号の変化の一例を説明する図である。図5の例では、ディジタルフィルタ6の出力信号が本来のレベルLに向かって収束する状況において、切り替えタイミングTcに至るまでは大きい時定数に設定され、切り替えタイミングTcで小さい時定数に切り替えるように制御する場合の波形パターンを示している。なお、図5の例では、切り替えタイミングTcにおいて図3に示すタイミング制御信号Ssfに基づく制御が行われるものとする。
【0040】
まず、切り替えタイミングTc以前の時定数が大きい状態では、出力信号の時間的変化は緩やかである。そして、切り替えタイミングTcにて時定数が小さくなると、出力信号の時間的変化が大きくなる。これにより、時定数が大きい状態では、本来、出力信号がレベルLに収束するまで長い時間を要するが、時定数の切り替え制御によって出力信号がレベルLに収束するまでの時間が短縮されることになる。これに加えて本実施形態では、図5に示すように、時定数の切り替えタイミングでディジタル演算に伴うノイズが出力信号に現れない。
【0041】
ここで、図2の構成でセレクタ23に対する切り替え制御を行わない場合、時定数の切り替え時に出力信号にノイズが現れる理由を説明する。図6は、図2の構成において、セレクタ23に乗算器21、22を接続せずに遅延器13の出力を固定的に接続する場合と等価な構成を示す図である。また、図7は、図6の構成に対応する図5と同様の波形パターンを示す図である。図7に示されるように、切り替えタイミングTc近辺で、出力信号にスパイク状の大きなノイズNが発生していることがわかる。
【0042】
ここで、図2及び図6の構成において、大きい時定数に対応する係数として、a1=0.99、b1=0.005に設定されているとする。また、小さい時定数に対応する係数として、a2=0.9、b2=0.05に設定されているとする。例えば、ディジタルフィルタ6に“100”が入力された場合を考えると、大きい時定数の設定時と小さい時定数の設定時では、いずれの場合もディジタルフィルタ6の出力は“100”になる。なお、この例におけるディジタルフィルタ6のカットオフ周波数は、大きい時定数の設定時に比べて小さい時定数の設定時には10倍になる。このように、図2及び図6の構成において、定常的な特性としては、出力信号のレベルが安定に保たれる。
【0043】
一方、遅延器13の出力は、大きい時定数の設定時と小さい時定数の設定時では一致しない。すなわち、上記の数値例において、大きい時定数のときは遅延器13の出力が“10000”となり、小さい時定数のときは遅延器13の出力が“1000”となる。しかし、過渡的な特性としては、遅延器13の出力が時定数の切り替えとともに瞬時に切り替わるのではなく、例えば、大きい時定数から小さい時定数に切り替えたとき、遅延器13の出力が“10000”から徐々に“1000”に減少していく。
【0044】
よって、切り替えタイミングTcの瞬間においては、遅延器13の出力が“10000”になっている。一方、係数a1、b1は係数a2、b2へと瞬時に切り替わるので、図6の構成においては、ディジタルフィルタ6の出力は本来よりも10倍大きい“1000”になる。その後、遅延器13の出力が“1000”に減少する過程で、ディジタルフィルタ6の出力が“100”に収束することになる。つまり、遅延器13の出力が安定するまでの間、図7に示すように、出力信号が一時的に増大してスパイク状のノイズNが生じるのである。
【0045】
これに対し、本実施形態の構成ではセレクタ23に対する切り替え制御を行うことにより、上述したような問題は解消される。すなわち、図2の構成において上記と同じ条件を仮定すると、乗算器21の係数c1を“0.1”に設定すればよい。すると、切り替えタイミングTcにおいて1クロック分は係数c1によって遅延器13の出力が10分の1に補正されることになり、ディジタルフィルタ6の出力は本来の“100”に保たれ、上記の問題は解消される。そして、後続のクロック以降は、遅延器13の出力が安定になるので補正は不要となる。
【0046】
なお、この例では大きい時定数から小さい時定数に切り替わる場合を説明したが、逆に小さい時定数から大きい時定数に切り替える場合も出力信号にノイズが生じる。この場合、上記の例とは逆に、時定数の切り替えによって遅延器13の出力が“1000”から“10000”に増加する過程で、ディジタルフィルタ6の出力が本来よりも10分の1の“10”になった後に“100”に収束する。この場合は、図6のノイズNとは逆極性のノイズが生じることになる。よって、上記と同じ条件を仮定すると、乗算器22の係数c2を“10”に設定すればよい。
【0047】
以上説明した各実施形態においては、本発明に係るディジタルフィルタをAM受信用のチューナに適用した場合を説明したが、これに限られることなく、入力信号に対しフィルタ演算を施すディジタルフィルタを用い、時定数を切り替える構成を備える各種の装置に対し、広く本発明を適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ディジタルフィルタにおいて時定数を切り替える構成を備え、時定数の切り替えタイミングにおいて出力信号の変動を抑えるように帰還路の遅延手段を補正するようにしたので、フィルタ演算に伴うノイズを発生させることなく安定な動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディジタルフィルタをAM受信用のチューナに適用した場合の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態のディジタルフィルタの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すディジタルフィルタの各部の信号波形を示す図である。
【図4】タイミング発生器の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図5】ディジタルフィルタで時定数制御が行われた場合における出力信号の変化の一例を説明する図である。
【図6】図2の構成において、セレクタ19に乗算器21、22を接続せずに遅延器13の出力を固定的に接続する場合と等価な構成を示す図である。
【図7】図6の構成に対応する図5と同様の波形パターンを示す図である。
【符号の説明】
1…アンテナ
2…受信回路
3…AD変換器
4…AGCアンプ
5…復調処理部
6…ディジタルフィルタ
11、12…加算器
13…遅延器
14、15、17、18、21、22、…乗算器
16、19、23…セレクタ
20…タイミング発生器
St…時定数制御信号
Ssf、Sfs…タイミング制御信号
CLK…クロック

Claims (5)

  1. 入力信号に対し、前記入力信号を遅延させる遅延手段を含む帰還路を構成してフィルタ演算を施し、所定の時定数を有する周波数特性を前記入力信号に付与して出力信号を生成するディジタルフィルタであって、
    少なくとも2段階の時定数に対応する係数が設定された2以上の乗算器を備えた、前記帰還路の内部に挿入された第1の選択手段と、前記帰還路の外部に挿入された第2の選択手段とを有し、設定された時定数に対応する前記第1の選択手段及び前記第2の選択手段の前記乗算器の接続を選択して時定数を切り替える時定数切り替え手段と、
    前記時定数の切り替えが行われたとき、前記時定数の切り替えに応じて前記遅延手段の出力を補正すべきタイミングを判別するタイミング判別手段と、
    前記帰還路の内部に挿入され、前記判別されたタイミングにおいて、前記出力信号の変動を抑えるように前記遅延手段の出力を補正する補正手段と、
    を備え
    前記タイミング判別手段は、前記判別されたタイミングにおいて、切り替えが行われた前記時定数の大きさの変化の方向に応じたタイミング制御信号を前記補正手段に出力し、
    前記補正手段は、前記タイミング制御信号に対応する係数が設定された2以上の乗算器を備え、前記タイミング制御信号に応じて当該乗算器を切り替えることによって、前記遅延手段の出力を補正する、
    ことを特徴とするディジタルフィルタ。
  2. 前記入力信号と前記第1の選択手段の出力信号とを加算して、前記遅延手段及び前記帰還路の外部に挿入された第2加算手段に出力することで、前記帰還路を形成する第1加算手段と、
    前記第1加算手段の出力と前記補正手段の出力とを加算して、前記第2選択手段に出力する前記第2加算手段と、
    を更に備え、
    前記遅延手段は、前記第1加算手段の出力信号を遅延させて前記補正手段に出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のディジタルフィルタ。
  3. 前記タイミング制御信号は、前記遅延器に供給されるクロックを基準とし、前記判別されたタイミングから1クロック分のパルスを発生することを特徴とする請求項1又は2に記載のディジタルフィルタ。
  4. 前記入力信号はチューナの受信信号であり、前記出力信号は前記受信信号に対応するレベル検出に用いられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のディジタルフィルタ。
  5. 前記時定数は、前記チューナの受信状態に基づき2段階に切り替え可能であって、通常時には大きい時定数が設定され、受信電界強度が急激に変動するときは小さい時定数が設定されることを特徴とする請求項4に記載のディジタルフィルタ。
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