JP4469495B2 - 水蒸気透過性構造体用低粘度熱可塑性組成物およびその吸収性製品への利用 - Google Patents

水蒸気透過性構造体用低粘度熱可塑性組成物およびその吸収性製品への利用 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は熱可塑性組成物であって、基材上に該組成物を被覆することにより水蒸気透過性で液体不透過性の層を作製するための組成物に関する。本発明の組成物は、水蒸気透過性が望まれる、例えば、おむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用品のような吸収性製品、防護用寝具カバー、防護衣などの中において様々な用途を見出すことができる。
【0002】
(発明の背景)
水蒸気透過性を提供することに加えて、液体のバリアとなる熱可塑性フィルムは当該分野で知られている。特に好ましいものは、素材内の開孔または開口からは水蒸気を流れないようにするが、水蒸気濃度の高いフィルムの片側で水分を吸収し、水蒸気濃度の低いフィルムの反対側でそれを脱着または蒸発させることにより相当量の水蒸気を、フィルムを通して移動する親水性連続フィルムである。
【0003】
例えば、WO95/16746には、a)ブロックコポリエーテルエステル、ブロックコポリエーテルアミド(例えばPebax(商標))および/またはポリウレタンと、b)aと非相容性の熱可塑性ポリマーと、c)相容化剤との混合物から調製されるフィルムが開示されている。そのフィルムは、液体不透過性であり、約700g/m2・日の水蒸気透過性を有する。また、米国特許第5447783号には、少なくとも3層を有する蒸気透過性耐水性多成分フィルム構造体が開示されている。その外層は1.3〜7.6マイクロメータの厚さおよび400〜2500g/m2・24時間の水蒸気通気率(WVTR)を有する疎水性のコポリエーテルエステルエラストマーであり、その内層は7.6〜152マイクロメータの厚さおよび少なくとも3500g/m2・24時間のWVTRを有する親水性コポリエーテルエステルエラストマーである。
【0004】
米国特許第5445875号には、防水性で、血液を通さず、ウイルスを通さない通気性の積層物が開示されている。その積層物は、織/不織布および約1ミル(25.4マイクロメータ)の厚さを有するHytrel(商標)のような押し出しフィルムを含んでいる。
【0005】
例えば、米国特許第5599610号に他の複合積層物が記載されており、これには、織布の外層と微孔性のポリウレタン膜の内層を備える手術着用の3層繊維が開示されている。微孔性フィルムは12〜55マイクロメータの厚さおよび直立で1100g/m2・24時間、倒立で5500g/m2・24時間(ASTM E96−B)の水蒸気通気率(MVTR)を有する。これらの層を接合するのにポリエーテルポリウレタン接着剤が使用されている。
【0006】
同様に、米国特許第5532053号には不織材料に積層することができる高度に水分通気性の医療用フィルムが開示されている。この積層フィルムは、ポリエーテルエステル共重合体の第1層と、特定のポリマー群から選択された第2および第3層を備える。このフィルムは、750g/m2・24時間(ASTM F1249)より大きいMVTRおよび1ミル(25.4マイクロメータ)未満、好ましくは、0.6から0.75ミル(15〜19マイクロメータ)の厚さを有する。
【0007】
米国特許第4938752号には、水蒸気透過性が500g/m2・24時間(指定条件を記載してある試験法で測定した場合)である減少した水透過性、および5〜35マイクロメータの厚さを有するコポリエーテルエステルのフィルムを含む吸収性製品が開示されている。支持体基材の開示はない。
【0008】
米国特許第4493870号には、少なくとも1000g/m2・24時間(ASTM E96−66)のMVTRを有し、5から35マイクロメータの厚さを有するコポリエーテルエステルのフィルムで覆われた紡織繊維材料を含む柔軟な層状防水製品が開示されている。
【0009】
英国特許第2024100号には、水蒸気透過性であるが、液体は通さない微孔性の疎水性外層および1000g/m2・24時間より高いMVTRを有するポリエーテルポリウレタンの親水性内層を含む柔軟性のある層状耐水性製品が開示されている。
【0010】
親水性の連続した、水蒸気透過性、液体不透過性のフィルムまたは層を提供することが知られている組成物には、ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロック共重合体、ポリエチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシドおよびその共重合体、ポリラクチドおよび共重合体、ポリアミド、ポリエステルブロック共重合体、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロック共重合体、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロック共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリル酸および誘導体、イオノマー、酢酸ビニル含量が28重量%より多いポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリビニルエーテルおよびそれらの共重合体、ポリ−2−エチルオキサゾリンおよび誘導体、ポリビニルピロリドンおよびその共重合体、熱可塑性セルロース誘導体、またはこれらの混合物のような熱可塑性ポリマーが含まれる。そのような組成物は、液体不透過性でありながら水蒸気透過性の値が高いという特徴を有する層およびフィルムを製造するために使用することができ、したがって、これらは使い捨て用の吸収性製品への組み込みに特に好ましい。
【0011】
しかしながら上述した熱可塑性組成物から作製されたフィルムおよび層に付随する問題は、このような組成物が典型的には、加工条件での可塑状態において高粘度であること、および、押し出し法によってのみ加工が可能であるということである。熱可塑性ポリマーからフィルムおよび層を作製するための押し出し法はよく知られているが、かなり複雑であるという欠点がある。この方法は、典型的には、可塑状態で材料をスリットダイから強く押し出してフィルムまたは層を形成させるための強力なスクリュー押し出し機を含む高価な装置を、実際に必要とする。押し出し法の条件にはまた、典型的には、かなり高い温度と圧力が含まれる。さらに、フィルムまたは層を形成するための押し出し装置は、例えば使い捨て用の吸収性製品の生産ラインに容易には組み込むことができない。押し出し法はさらに、例えば5〜10μmの範囲の特に小さい厚さを有するフィルムの製造には不適切である。
【0012】
さらに、積層された複合構成体、すなわち、好ましい水蒸気透過性で、液体不透過性の組成物の層を例えば繊維層の基材に積層する場合、フィルムの基材への永続的な固定を確保するために接着剤を加えることがしばしば必要となる。しかし、これは次には、得られる複合体の総合的な水蒸気透過性に悪影響を与え、生産工程に複雑さを付与する。
【0013】
したがって、水蒸気透過性と液体不透過性という好ましい特性を有する水蒸気透過性で液体不透過性の親水性の連続した層を作製するための組成物であって、基材上に好ましくは薄膜の被覆を行えるように容易に加工が可能であり、そのための複雑な従来の押し出し装置の必要がない組成物を提供する必要がある。
【0014】
(発明の概要)
本発明は、熱可塑性組成物に関する。該組成物は、本文で説明されたように評価された熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物のDSC融点よりも20℃高い温度、および、1rad/秒の振動数で5000ポアズよりも高い粘度を有する熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物であって、該熱可塑性ポリマーが、ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロック共重合体、ポリエチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシドおよびその共重合体、ポリラクチドおよび共重合体、ポリアミド、ポリエステルブロック共重合体、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロック共重合体、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロック共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリル酸および誘導体、イオノマー、酢酸ビニル含量が28重量%より多いポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリビニルエーテルおよびそれらの共重合体、ポリ−2−エチルオキサゾリンおよび誘導体、ポリビニルピロリドンおよびその共重合体、熱可塑性セルロース誘導体、またはこれらの混合物からなる群から選択されるものと、
前記粘度を調節するための適切な相溶性可塑剤または可塑剤のブレンドとを含み、
前記熱可塑性組成物が、1rad/秒の振動数、210℃以下の温度で50ポアズから4000ポアズの粘度、および、1000rad/秒の振動数、210℃以下の温度で2000ポアズ未満の粘度を有する。
【0015】
(発明の詳細な説明)
親水性の連続した、水蒸気透過性で液体不透過性のフィルムまたは層を提供するのに好ましい熱可塑性ポリマーは、ポリウレタン、ポリ−エーテル−アミドブロック共重合体、ポリエチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシドおよびその共重合体、ポリラクチドおよび共重合体、ポリアミド、ポリエステルブロック共重合体、スルホン化ポリエステル、ポリ−エーテル−エステルブロック共重合体、ポリ−エーテル−エステル−アミドブロック共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリル酸および誘導体、イオノマー、酢酸ビニル含量が28重量%より多いポリエチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリビニルエーテルおよびそれらの共重合体、ポリ−2−エチルオキサゾリンおよび誘導体、ポリビニルピロリドンおよびその共重合体、熱可塑性セルロース誘導体、およびこれらの混合物である。上記の熱可塑性ポリマーのうち特に好ましいのは、熱可塑性ポリ−エーテル−アミドブロック共重合体(例えばPebax(商標))、熱可塑性ポリ−エーテル−エステル−アミドブロック共重合体、熱可塑性ポリエステルブロック共重合体(例えばHytrel(商標))、熱可塑性ポリウレタン(例えばEstane(商標))またはそれらの混合物である。そのような熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物は、典型的には、フィルムまたは層の典型的な公知の方法である加工条件、例えば高出力のスクリュー押し出し機を必要とする押し出し法では、溶融された状態で高粘度である。特に、この熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物は、典型的には、DSC(示差走査熱量計)融点(これは、DSCのピークに対応する温度、または、複数のピークを示すポリマー混合物の場合は最も高いDSCピークに対応する温度と同一の温度である。)よりも20℃高い温度、および、1rad/秒の振動数で5000ポアズより高い粘度を有する。
【0016】
本発明の熱可塑性組成物の粘度は、熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物を含む熱可塑性組成物に、該熱可塑性ポリマーと相容性があり、溶融状態における熱可塑性組成物の粘度を低下させる適切な可塑剤または可塑剤のブレンドを供給することによって調整される。
【0017】
本発明によれば該熱可塑性組成物は以下の複素粘性率(η*)を有する。
【0018】
温度210℃以下で、振動数1rad/秒で50ポアズ<η*<4000ポアズ、好ましくは100ポアズ<η*<2000ポアズ、より好ましくは100ポアズ<η*<1000ポアズ、および、210℃以下の加工温度(T)で、振動数1000rad/秒でη*<2000ポアズ、好ましくはη*<1000ポアズ、より好ましくはη*<500ポアズである。ここで、η*は熱可塑性ポリマー組成物の複素粘性率を表す。温度Tは、好ましくは200℃以下であり、より好ましくは180℃以下であり、最も好ましくは200℃から50℃である。
【0019】
驚くべきことに、上記の複素粘性率を有する熱可塑性組成物は、低粘度のホットメルト組成物を必要な厚さを有する層で基材上に被覆する当該分野で知られる典型的な被覆条件と装置を使用して、水蒸気透過性で液体不透過性の親水性の連続した層またはフィルムを提供するのに好ましい熱可塑性ポリマーの有利な特性を保持しながら、基材上にフィルムまたは層を被覆させ得ることが判明した。
【0020】
また、そのような粘度を有する熱可塑性組成物は非常に薄いフィルムまたは層を提供できることも判明した。
【0021】
本発明による熱可塑性組成物に使用するのに適した可塑剤には、クエン酸エステル、酒石酸エステル、グリセロールおよびそのエステル、アジペート、セバケート、ソルビトール、エポキシ化植物油、重合植物油、ポリオール、フタレート、液状ポリエステル、グリコレート、p−トルエンスルホンアミドおよび誘導体、グリコールおよびポリグリコール、ソルビタンエステル、ホスフェート、カルボキシル基1個をもつ脂肪酸(C8〜C22)およびそれらの誘導体、およびこれらの混合物が含まれる。
【0022】
好ましくは本発明の熱可塑性組成物は、該熱可塑性組成物の10重量%から80重量%、より好ましくは25重量%から70重量%の熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物と、該熱可塑性組成物の20重量%から90重量%、好ましくは30重量%から75重量%の適切な可塑剤または可塑剤のブレンドを含む。
【0023】
加えて、本発明の熱可塑性組成物には、該組成物の加工性、およびそのような熱可塑性組成物から形成されるフィルムまたは層の機械的特性ならびに粘着性、光および酸素による老化に対する耐性、外観などの他の特性をさらに改良するために任意の追加の成分を含めてもよい。
【0024】
そのような任意の成分には、125℃以下の軟化点を有する粘着付与性樹脂または粘着付与性樹脂のブレンドが含まれる。好ましい樹脂は、該熱可塑性組成物の50重量%まで存在してもよく、ロジンおよびロジンエステル、炭化水素樹脂、脂肪族樹脂、テルペンおよびテルペン−フェノール性樹脂、芳香族樹脂、合成C5樹脂、合成C5 9樹脂の混合物、およびそれらの混合物から選択されうる。前記熱可塑性組成物の他の任意成分には、酸化防止剤、抗紫外線剤、顔料、およびそれらの混合物が含まれ、これらは該組成物の10重量%までのレベルで該組成物中に存在することができる。
【0025】
本発明による熱可塑性組成物は、典型的には、熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物および適切な可塑剤または可塑剤のブレンドを提供する工程と、その成分を加熱し、これらを例えば公知の適切なミキサーで混ぜ合わせ、所望の複素粘性率η*を有する溶融状態の熱可塑性組成物を形成する工程を含む方法によって製造することができる。
【0026】
本発明によれば、水蒸気透過性で液体不透過性の層は、本発明の熱可塑性組成物を基材に被覆することによって前記熱可塑性組成物から形成することができる。本発明の熱可塑性組成物から形成されるフィルムまたは層は、好ましくは、少なくとも0.5μmの厚さで、少なくとも100g/m2・24時間、好ましくは少なくとも300g/m2・24時間、最も好ましくは少なくとも500g/m2・24時間の水蒸気輸送率を有する。
【0027】
本発明による熱可塑性組成物から層またはフィルムを作製する方法は、典型的には、前記組成物を提供する工程と、これを加熱して、これが流動できるようにする工程と、溶融状態の前記組成物を所望の厚さを有する層で基材上に被覆する工程を含む。前記基材は単に形成基材であり、その上に熱可塑性組成物を被覆して所望の厚さのフィルムまたは層を形成させ、引き続いて、それを前記基材から分離してそれ自体を使用することができ、本発明の実施形態においては、水蒸気透過性で水不透過性の複合体を形成することもでき、この複合体は熱可塑性組成物と前記熱可塑性組成物が被覆された基材(該基材もまた好ましくは水蒸気透過性である。)とを含む。
【0028】
本発明のそのような実施形態では、水蒸気透過性で液体不透過性の複合体を提供する。この複合体では、本発明の熱可塑性組成物から形成される層の複合材料の性能に対する寄与は、液体のバリアを与えるだけであり、したがって、可能な限り薄くする方が有利である。残りの性能である物理的特徴は、準備した基材によって与えられることが好ましく、したがって基材はまた支持体層としても働くことが好ましい。
【0029】
この基材または支持体層はどのような有用な層でもよく、好ましくは水蒸気透過性でもあり、好ましくは少なくとも100g/m2・24時間、より好ましくは少なくとも300g/m2・24時間、最も好ましくは少なくとも500g/m2・24時間の水蒸気透過性を有する。
【0030】
本発明において支持体層として使用するのに適切な基材には、二次元の平面状でミクロおよびマクロ多孔性フィルム、巨視的に引き伸ばしたフィルム、成形された開口フィルム、不織および織物の層が含まれる。本発明によれば、前記層の開口は、どのような形でもよいが、球状または横長が好ましく、また大きさも変動しうる。この開口は層の表面全体にわたって一様に分布していることが好ましいが、開口を有する表面を、ある領域にのみ有する層も考えられる。
【0031】
適切な二次元多孔性平面層であるバックシートは、当該分野で知られているどのような材料からでも作製できるが、好ましくは、通常入手できるポリマー材料から製造される。適切な材料は、いわゆる通気性衣料への応用で当該分野ではよく知られた、例えばGoretex(商標)またはSympatex(商標)タイプの材料である。他の適切な材料には、米国ミネソタ州セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing CompanyのXMP−1001およびExxon Chemical Companyから供給されるExxaire XBF−101Wが含まれる。本明細書で使用する二次元平面層という用語は、1mm未満、好ましくは0.5mm未満の深さを有する層であって、開口が長手方向に沿って平均した均一な直径を有し、層の平面の外にはみ出ていない層を言う。本発明でバックシートとして使用するための開口材料は、EPO293482およびその中の参照文献に記載されているような当該分野で知られている方法の何れかを使用することによって製造することができる。さらに、この方法によって製造される開口の大きさは、バックシート層の平面に横方向の力を加える(すなわち層を引き伸ばす)ことによって増大させることができる。
【0032】
適切な、開口が設けられた成形フィルムには、被服に面した層の表面の水平面を超えてコアに向けて伸び、それによって突起を形成している分離した開口を持つフィルムが含まれる。その突起は、その終端部分に位置するオリフィスを有する。前記突起は、米国特許第3929135号に記載されているものと同様のじょうご形であることが好ましい。平面内に位置する開口および突起の終端に位置するオリフィスは、これら自体は、突起の終端のオリフィスの断面寸法または面積が被服に面した層の表面内に位置する開口の断面の寸法または面積より小さければ円形でも非円形でもよい。前記の開口を設けて形成されたフィルムは、完全ではないにしても少なくとも実質的にコアに向かう一方向の液体移動を有するように単一方向性であることが好ましい。
【0033】
本発明で使用するのに適した巨視的に引き伸ばしたフィルムには、例えば米国特許第4637819号および米国特許第4591523号に記載されているようなフィルムが含まれる。
【0034】
本発明で使用するのに好ましい支持体層には、織物および不織の層、最も好ましくは疎水性の不織布のような疎水性繊維層が含まれる。
【0035】
本発明のこの好ましい実施形態の複合体は、熱可塑性組成物を所望の厚さを有する層として支持体基材上に被覆した複合体を提供する可能性が見込まれるので特に有利である。所望の厚さの熱可塑性組成物を提供するには、低粘度ホットメルトの直接被覆に対して当分野で知られている典型的な被覆条件および装置を容易に利用することができる。
【0036】
支持体層として働く基材上に、熱可塑性組成物を被覆することによって複合体積層物を形成するための方法は、PCT出願WO96/25902号に記載されている。
【0037】
少なくとも被覆温度においては、層の形をなしている熱可塑性組成物は、好ましい複合体を形成するために、支持体基材上で接着特性を示し、これによって、熱可塑性組成物と基材との間で永続的な接合を達成するための追加の接着剤を必要としないことが好ましい。幾つかの応用例ではまた、熱可塑性組成物は何れかの温度で粘着性を残すこと、すなわち、該組成物が感圧接着剤の典型的な特性を有するように処方されることも望まれうる。
【0038】
本発明の熱可塑性組成物および水蒸気透過性で液体不透過性の層並びにそれから形成される複合体は、液体の不透過および水蒸気の透過が望まれるいくつかの応用例で有用性が見出される。とりわけ、本発明は、おむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁用品のような吸収性製品;わきのしたの汗用パッド、手首の汗用パッド、頭部の汗用パッド、襟当(collar insert)、靴敷、ハットバンド、胸パッドのような汗用パッド;防護用寝具カバー、防護衣などの内部に有効に利用することができる。本発明の熱可塑性組成物から形成されるこの水蒸気透過性で液体不透過性の層および複合体は、好ましくは少なくとも100g/m2・24時間、より好ましくは少なくとも300g/m2・24時間、最も好ましくは少なくとも500g/m2・24時間の水蒸気通気率を有する。
【0039】
本発明の熱可塑性組成物を適切な基材に被覆することにより作製された水蒸気透過性で液体不透過性の複合構造体は、吸収性製品、特に生理用ナプキンおよびパンティーライナー用のバックシートとして特に有用性が見出される。このような製品は、典型的には、液体透過性トップシート、吸収性コアおよびバックシートのような当業者に知られた構成要素を含み、かつ、固定手段、翼部などを任意に含む。
【0040】
(実施例)
Pebax MV 1074の商品名で商品化されている、Elf Atochem(フランス)から入手可能なポリエーテル−アミドブロック共重合体を、Aldrich Co.から入手可能なクエン酸トリエチルおよびCiba−Geigyから入手可能なIrganox 1010(酸化防止剤)と混ぜ合わせた。
【0041】
このポリマーは158℃のDSCピーク融点を有し、178℃、1rad/秒の振動数で6410ポアズの複素粘性率を示す。
【0042】
最終配合物は重量パーセントで以下の組成を有していた。
30% Pebax MV 1074
69% クエン酸トリエチル
1% Irganox 1010
【0043】
このブレンドを160℃で溶融押し出しして5μmに等しい厚さを有するフィルムを得た。この押し出し温度において、1および1000rad/秒のずり速度でそれぞれ517ポアズおよび172ポアズの複素粘性率を有することがわかった。このフィルムを次に、Sawabond 4326の商品名で商品化された、Sandler(ドイツ)から入手可能な、100%ポリプロピレンの、けばだてられた疎水性不織布(支持体層)34g/m2によって構成される基材上に直接積層した。この複合基材は2530g/m2・24時間の水蒸気通気率を有していた。
【0044】
本発明によれば、Rheometrics Co.から入手可能なRheometer RDA−IIを使用して複素粘性率を測定した。水蒸気透過率をASTM E−96「直立カップ」法に従って23℃で測定した。

Claims (8)

  1. 熱可塑性組成物において、
    熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物であって、前記ポリマーまたはポリマー混合物のDSC融点よりも20℃高い温度、および、1rad/秒の振動数で測定した場合に5000ポアズよりも高い粘度を有する熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物であり、該熱可塑性ポリマーが、ポリ−エーテル−アミドブロック共重合体から選択されるものと、
    前記熱可塑性組成物の粘度を調節するための相溶性可塑剤または可塑剤のブレンドとを含み、
    前記可塑剤が、クエン酸エステルから選択され、
    前記熱可塑性組成物が、1rad/秒の振動数、210℃以下の温度で測定した場合に50ポアズから4000ポアズの粘度、および、1000rad/秒の振動数、210℃以下の温度で測定した場合に2000ポアズ未満の粘度を有することを特徴とする熱可塑性組成物。
  2. 前記組成物が、
    前記熱可塑性組成物の10重量%から80重量%の前記ポリマーまたはポリマー混合物と、
    前記熱可塑性組成物の20重量%から90重量%の前記可塑剤または可塑剤ブレンドと、
    0から50重量%の相容性粘着性付与剤樹脂とを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性組成物。
  3. 前記粘着性付与剤樹脂が、ロジンおよびロジンエステル、テルペンおよびテルペン−フェノール性樹脂、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性組成物。
  4. 請求項1に記載の熱可塑性組成物から形成された水蒸気透過性層であって、前記層が液体不透過性であり、前記層の厚さが少なくとも0.5μmで、ASTM E−96「直立カップ」法に従って23℃で測定した場合に少なくとも300g/m2・24時間の水蒸気通気率(WVTR)を有することを特徴とする水蒸気透過性層。
  5. 二次元の平面状でミクロおよびマクロ多孔性フィルム、巨視的に引き伸ばしたフィルム、成形された開口フィルム、不織および織物の層からなる群から選択される基材上に被覆された請求項に記載の層を含む水蒸気透過性で液体不透過性の複合体であって、前記基材が水蒸気透過性であることを特徴とする複合体。
  6. 請求項またはに記載の水蒸気透過性で液体不透過性の層または複合体を含むことを特徴とする吸収性製品。
  7. 請求項1に記載の熱可塑性組成物を作製する方法であって、
    前記熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物を提供する工程と、
    前記可塑剤または可塑剤のブレンドを提供する工程と、
    前記熱可塑性ポリマーまたはポリマー混合物と、前記可塑剤または可塑剤のブレンドを加熱し、それらを混ぜ合わせて溶融状態の前記熱可塑性組成物を形成する工程とを含むことを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の熱可塑性組成物から層を作製する方法であって、
    前記熱可塑性組成物を提供する工程と、
    前記熱可塑性組成物を加熱してこれを流動できるようにする工程と、
    前記熱可塑性組成物を、二次元の平面状でミクロおよびマクロ多孔性フィルム、巨視的に引き伸ばしたフィルム、成形された開口フィルム、不織および織物の層からなる群から選択される基材上で層に被覆する工程とを含むことを特徴とする方法。
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