JP4469291B2 - 蛍光管のガラス浄化方法及び浄化設備、並びに廃蛍光管のリサイクル処理方法 - Google Patents

蛍光管のガラス浄化方法及び浄化設備、並びに廃蛍光管のリサイクル処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光管のガラス管内面に塗布された蛍光物質等からなる蛍光膜を除去してガラスを浄化する方法及び設備、並びに、この浄化方法及び浄化設備を利用した廃蛍光管のリサイクル処理方法に関するものである。
現在、効率の良い照明灯として広く使用されている蛍光管(蛍光放電管)は、低圧水銀ランプに属するものである。この蛍光管は、円筒状ガラス管の内面に蛍光物質を塗布し、酸化バリウム等の保護膜を表面に形成したタングステン2重フィラメント電極を円筒状ガラス管の両端部に取り付け、そのガラス管内を真空に減圧した後に、少量の水銀とアルゴンガスとを封入したものである。そして、両端部の電極に通電して両電極間に電圧をかけ、ガラス管内で放電させることにより、管内の水銀ガスから遠紫外線を放射させ、この遠紫外線をガラス管内面に塗布した蛍光物質に照射して発光させている。
蛍光管のガラス管に使用されているガラスは高品質であり、リサイクル処理すれば上質なガラスとして再利用可能である。従って、大量に発生する使用済みの廃蛍光管からガラスを回収すれば、省資源や省エネルギーのみならず、廃棄物の減量化にも大いに貢献することになる。
しかし、前述したように、ガラス管の内面には蛍光物質が塗布されており、また、この蛍光物質には微量ではあるが、封入した水銀が付着している。これらが塗布・付着した状態のままでは、ガラス管をリサイクル使用することはできない。また、微量とはいえ蛍光管には水銀が封入されており、大量の廃蛍光管を破砕した場合には、大量の水銀が放出され、環境を害することになる。従って、廃蛍光管をリサイクル処理する場合には、蛍光物質のみならず水銀の除去・回収を行う必要がある。
そのため、従来から種々の方法によって蛍光膜及び水銀を除去・回収するリサイクル処理が行われており、そして、それらは湿式法と乾式法の2つに大別される。しかしながら、湿式法は、洗浄液を用いて蛍光膜を洗浄して除去する方法であり、ガラスから分離された蛍光物質と水銀とを含む廃液の処理が非常に複雑であるために効率的でないことから、最近では乾式法が広く行われるようになっている。
乾式法として、蛍光管の両端を切断してガラス管部分と電極部とに分離した後、ガラス管部分の内部に圧縮空気と共に研掃材を吹き付けて蛍光膜を剥離除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、蛍光管の両端を切断してガラス管部分と電極部とに分離し、得られたガラス管部分を破砕してガラス片とし、このガラス片を筒状ドラムに収容し、筒状ドラムを回転させながら、筒状ドラム内に設置したブラシ体によりガラス片の表面を擦って蛍光膜を剥離除去し、剥離した蛍光物質や水銀を吸引して除去する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。更に、蛍光管の両端を切断してガラス管部分と電極部とに分離し、得られたガラス管部分を破砕してガラス片とし、このガラス片を容器内でゴム片と混合攪拌し、ガラス片表面の蛍光膜をゴム片の摩擦によって剥離除去し、蛍光物質とガラスの微細片からなる粉体を篩などによってガラス片と分別して回収する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−57957号公報 特開2001−286828号公報 特開昭51−86285号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、研掃材を必要とし、圧縮空気に研掃材を混入させて吹き付けることから、装置が複雑で設備費が高くなるという問題がある。また、環状型の蛍光管(以下「環状型蛍光管」と記す)の場合には、蛍光膜の付着力を直管型の蛍光管(以下「直管型蛍光管」と記す)に比べて強化してあることから蛍光膜が落ちにくいことに加えて、遠心力の作用によって研掃材が主に円弧状ガラス管の外周部を通るために、ガラス管内周部の蛍光膜が除去されにくいという問題もあった。更に、研掃過程でガラス管が破損してしまうと、研掃材が破損したガラス管と混合してしまうため、トラブル時の対応が複雑になるという問題もあった。
特許文献2及び特許文献3の方法では、蛍光管の種類によらずに処理できるという利点があるが、破砕した細かいガラス片の表面をブラシ体或いはゴム片で擦って除去するため、蛍光膜を除去すべきガラス片表面とブラシ体及びゴム片との接触確率が低く、ガラス片を容器内で長時間滞留させる必要があり、処理能率向上の障害になっていた。また、剥離した蛍光物質を破砕したガラス片と分離して回収することが極めて困難であるという問題や、更に、設備の構造が複雑で設備費が高くなるという問題もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、どのような形状の蛍光管であっても、蛍光管のガラス管内面に塗布された蛍光物質等からなる蛍光膜を迅速且つ確実にしかも安価にガラス管から剥離すると同時に、剥離した蛍光膜を迅速にガラス片と分離して回収することが可能となる、蛍光管のガラス浄化方法及び浄化設備を提供することであり、また、この浄化方法及び浄化設備を利用した廃蛍光管のリサイクル処理方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る蛍光管のガラス浄化方法は、蛍光管の口金部分を除去する切断工程と、切断工程により口金部分が除去された蛍光管のガラス管部分を粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を剥離させる粉砕工程と、粉砕工程により得られた粉砕品を、剥離した蛍光膜である蛍光粉とガラス粒子とに分離する分級工程とを、この順に有する蛍光管のガラス浄化方法であって、前記粉砕工程では、口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管部分を、ガラス粒子の平均粒径が0.1mm〜3mmの範囲内となるように粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を蛍光粉としてガラス管から剥離させ、前記分級工程では、剥離した蛍光粉とガラス粒子とが混在する粉砕品を回転する円筒状のロータに空気と共に通過させ、当該ロータにて付与された遠心力によりガラス粒子を粉砕品のなかから分離することを特徴とするものである。
の発明に係る蛍光管のガラス浄化方法は、第1の発明において、更に、粉砕品のなかから回収したガラス粒子を加熱或いは酸洗し、ガラス粒子に残留している水銀を除去することを特徴とするものである。
の発明に係る蛍光管のガラス浄化方法は、第1の発明において、更に、粉砕品のなかから回収したガラス粒子を分級して0.2mm以下のガラス粒子を除去し、その後、0.2mm以下の粒子が除去されたガラス粒子を酸洗及び水洗し、ガラス粒子に残留している水銀を除去することを特徴とするものである。
の発明に係る蛍光管のガラス浄化設備は、蛍光管の口金部分を除去する切断装置と、口金部分が除去された蛍光管のガラス管部分を粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を剥離させる粉砕装置と、粉砕装置により得られた粉砕品を、剥離した蛍光膜である蛍光粉とガラス粒子とに分離する分級装置と、前記切断装置を格納して口金部分の切断を、雰囲気ガスが処理容器の外部に漏れない状態で行うための密閉可能な処理容器と、当該処理容器、前記粉砕装置及び前記分級装置に連結して、処理容器内の雰囲気ガス、粉砕装置の排気ガス及び分級装置の排気ガスを吸引し、吸引したこれらのガスから蛍光粉及び水銀を分離除去する分離手段と、前記分級装置によって分離されたガラス粒子から微粒子のガラス粒子を分離するとともに微粒子の分離されたガラス粒子を酸洗してガラス粒子から水銀を除去する酸洗浄装置と、を備えた蛍光管のガラス浄化設備であって、前記分級装置は、回転する円筒状のロータに空気と共に前記粉砕品を通過させ、当該ロータにて付与された遠心力によりガラス粒子を粉砕品のなかから分離する遠心式風力選別装置であり、前記酸洗浄装置は、0.2mm以下の微粒子のガラス粒子を分離・除去することを特徴とするものである。
の発明に係る廃蛍光管のリサイクル処理方法は、密閉可能な処理容器内で廃蛍光管の口金部分を切断除去し、得られた廃蛍光管のガラス管部分を粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を剥離させ、剥離した蛍光膜である蛍光粉とガラス粒子とが混在する粉砕品を回転する円筒状のロータに空気と共に通過させ、当該ロータにて付与された遠心力によりガラス粒子を粉砕品のなかから分離して回収し、次いで、回収したガラス粒子を分級して0.2mm以下のガラス粒子を除去し、0.2mm以下のガラス粒子が除去されたガラス粒子を酸洗及び水洗してガラス粒子に残留している水銀を除去すると共に、前記処理容器内の雰囲気ガス中の水銀及び蛍光粉、並びに前記粉砕品中の蛍光粉を一旦収集した後に、水銀と蛍光物質とに分離することを特徴とするものである。
本発明では、内部に蛍光膜が塗布された蛍光管のガラス管部分を粉砕装置によって粉砕する。粉砕時の衝撃力によって、或いは、ガラス管部分が細かく粉砕されることによって、蛍光膜は強制的に且つ効率的にガラス管から剥離される。粉砕後、分級装置を用いて剥離した蛍光膜である蛍光粉とガラス粒子とを分離し、それぞれを回収する。これにより、ガラス管内部に塗布された蛍光膜を剥離して分離させ、浄化されたガラス粒子を得ることができる。
この場合、本発明においては、粉砕品からガラス粒子と蛍光粉とを分別して回収するための分級装置として遠心式風力選別装置を用いる。遠心式風力選別装置の原理は、回転する円筒状のローラに空気等の気体と共に分級対象物(本発明では粉砕品が該当)を通過させ、分級対象物のなかの相対的に粒子径の大きい物体(本発明ではガラス粒子が該当)の方が、相対的に粒子径の小さい物体(本発明では蛍光粉が該当)に比べて大きな遠心力が発生することを利用して、分級対象物のなかの相対的に粒子径の大きいものを分離するという装置である。即ち、ロータにより付与された遠心力により相対的に粒度の大きな物体は外周に飛ばされ、粒度の小さい物体はロータを通過して空気と共に外部に排出されることで、分級対象物のなかの粒度の異なる物体を分離する装置である。蛍光粉は平均粒度が約10μmであることから、細かく破碎される蛍光粉とガラス粒子との粒度の差を利用してこの遠心式風力選別装置を用いて分離することで、蛍光粉とガラス粒子とを迅速に分離することができる。尚、遠心力は物体の質量に比例するため、本発明においては、相対的に粒子径の大きい物体は相対的に質量も大きく、逆に、相対的に粒子径の小さい物体は相対的に質量も小さいことを意味している。
ガラス管部分を粉砕する際に、粉砕後のガラス粒子の平均粒径が0.1mm〜3mmの範囲内となるようにすることが好ましい。蛍光膜が剥離されて生成される蛍光粉の平均粒径は10μm程度であり、ガラス粒子を蛍光粉と同等のサイズまで粉砕すると、粉砕後に両者を分離させることが困難である。従って、両者の分離を容易にさせる目的で、ガラス粒子の平均粒径の好適な下限値を0.1mmとした。ガラス粒子の平均粒径が0.1mm未満では両者の分離が困難になり好ましくない。一方、蛍光膜をガラス管から剥離させるには、ガラス管部分を細かく粉砕するほど望ましいが、破砕能率も考慮してガラス粒子の平均粒径の好適な上限値を3mmとした。ガラス粒子の平均粒径が3mmを超えると、蛍光膜の剥離効率が阻害される。
蛍光管に封入された水銀の一部分は水銀ガスとして口金部分の切断時に雰囲気ガス内に放出されるものの、大部分は蛍光膜に付着してガラス管部分に残留する。しかし、蛍光膜とガラス粒子とが分離されるため、蛍光膜に付着した水銀もガラス粒子から分離される。但し、回収したガラス粒子には微量の水銀が残留することもあり、この微量の残留水銀を除去する必要のある場合には、回収したガラス粒子を加熱若しくは酸洗してガラス粒子に残留している水銀を除去することにより、更に清浄なガラス粒子を得ることができる。
回収したガラス粒子を酸洗浄する場合には、事前に0.2mm以下のガラス粒子、望ましくは0.5mm以下のガラス粒子を除去しておくことが好ましい。分級装置により分離される蛍光粉はおよそ数十μmであり、洗浄前のガラス粒子は数十μmから数mmの幅広い粒度分布を有する。ガラス粒子に残る微量の水銀は、この粒度分布の中で粒径の小さいものほど水銀濃度が高くなる傾向にあるので、水銀濃度の高いガラスの微粒子を事前に除去することは、後の酸洗浄の負担を軽減する。0.2mm以下のガラス粒子を除去することで、水銀濃度の高いガラス粒子の大部分を除去することができる。また、本発明者等は、ガラス粒子の平均粒径が0.5mmを超えると、ガラス粒子中の水銀濃度の粒径依存性がなくなること、つまり水銀濃度の高いガラス粒子は、平均粒径が0.5mm以下のガラス粒子を除去することで全て除去されることを確認している。また、水銀濃度の高いガラス粒子の事前除去であるので、除去する粒径を大きくすることは、洗浄して回収・リサイクルするガラスが少なくなることを意味する。従って、酸洗浄する場合には、事前に0.2mm以下のガラス粒子、望ましくは0.5mm以下のガラス粒子を除去しておくことが好ましい。
また、密閉可能な処理容器内で蛍光管の口金部分を切断するので、蛍光管に封入されていたガス状水銀を外部に排出させずに処理することができ、水銀による環境汚染を防止することができる。
本発明によれば、ガラス管部分を粉砕することによってガラス管内面の蛍光膜を強制的にガラス管から剥離し、且つ、剥離した蛍光膜を遠心式風力選別装置によってガラス粒子と分離して回収するので、直管型蛍光管であれまた環状型蛍光管であれ、どのような形状の蛍光管であっても極めて迅速に且つ確実に、しかも、従来に比べて簡素で且つコンパクトな工程及び装置によって蛍光膜を除去すると同時に除去した蛍光膜を回収することができる。これにより、浄化されたガラス粒子を得ることができ、廃蛍光管のリサイクル処理を安価に且つ効率的に行うことが達成され、その工業的な効果は格別である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る廃蛍光管のリサイクル処理工程の全体概略図、図2〜図4は、図1を一点鎖線で3分割した場合の各分割部分の詳細図である。
これらの図において、口金切断機5、粉砕装置6及び分級装置7は、廃蛍光管1の内面の蛍光膜を剥離させ、剥離した蛍光膜と粉砕したガラス粒子とを分離するための装置である。本発明においては、分級装置7は、遠心式風力選別装置で構成されており、吸引用ガス配管16を介して粉塵分離装置19と連結され、粉塵分離装置19によって分級装置7の排気ガスが吸引されるようになっている。
図1に示すように、これらの装置のうちで口金切断機5は密閉可能な処理容器3に格納され、粉砕装置6及び分級装置7は処理容器4に格納されている。処理容器4も基本的には処理容器3と同様に密閉可能な構造とするが、粉砕装置6を、遠心式風力選別装置で構成される分級装置7と連結させた場合のように、分級装置7における処理は当然のこととして、粉砕装置6における処理が吸引用ガス配管16の吸引によって大気圧よりも低い圧力下で処理できるならば、換言すれば、粉砕装置6及び分級装置7の排気ガスが、大気に漏洩することなく吸引用ガス配管16に吸収されるならば、処理容器4は密閉する必要はなく、更には処理容器4そのものも不要となる。
廃蛍光管1からガラス管部分をリサイクルするには、先ず最初に、金属で構成される口金部分を廃蛍光管1から切断除去する必要がある。ところで、蛍光管は、その形状から直管型蛍光管、環状型蛍光管、その他の異形型蛍光管の3種類に大別され、口金部分は、例えば、直管型蛍光管の場合には両端部に、環状型蛍光管の場合には中央部に配置されており、口金部分の切断を1つの口金切断機で行おうとすると、口金切断機の構成が複雑になり、却って切断能率の低下や装置トラブルの多発化を招く。そのため、本実施の形態では、図2に示すように、直管型蛍光管、環状型蛍光管、異形型蛍光管の3種類の廃蛍光管1に応じて3種類の口金切断機5,5A,5B(口金切断機5は直管型蛍光管用、口金切断機5Aは環状型蛍光管用、口金切断機5Bは異形型蛍光管用)を配置している。従って、廃蛍光管1の形状に拘わらず、口金部分の効率的な切断処理が可能である。口金切断機5,5A,5Bとしては、ダイヤモンドカッターなどを使用することができる。
搬入装置2によって処理容器3に搬入された廃蛍光管1は、図2に示すように、口金切断機5,5A,5Bにより廃蛍光管1の口金部分が切断除去される。これにより、廃蛍光管1の内部気密性が破壊される。蛍光管の内部圧力は通常10-5気圧程度と低く、水銀はガス状態で存在する。従って、この気密性破壊により、その内部に密封されていた水銀の一部は、ガス状水銀12のままで処理容器3の内部に放出され、残部は液状化する。
この場合に、廃蛍光管1が、直管型蛍光管の場合には、口金切断機5により両端の口金部分を除去して両端部断面を開放させ、環状型蛍光管の場合には、口金切断機5Aにより中央部の口金部分を切断除去して両端部断面を開放させ、異形型蛍光管の場合にも、その形状に応じて口金切断機5Bにより口金部分を切断除去する。除去された口金部分8は回収し、この口金部分8を破砕した後に磁力選別装置及びアルミ選別装置によってアルミニウム、残渣、その他金属の3種類に選別し、アルミニウム及びその他金属は回収(「アルミニウム等回収17」と記す)してリサイクル使用し、残渣は埋立て処分などの廃棄処分が施される。
このようにして口金部分が除去されたガラス管部分9を粉砕装置6によって粉砕する。その際に、前述したように、粉砕により生成されるガラス粒子15の平均粒径が0.1mm〜3mmの範囲内となるように、粉砕することが好ましい。粉砕装置6としては、ロールクラッシャー、自生粉砕機(エローフォールミル)、スタンプミルなどを使用することができる。この粉砕処理により、ガラス管の内部に塗布された蛍光膜が強制的に剥離し、蛍光粉11が生成される。ガラス管部分9内の蛍光膜には、上述した廃蛍光管1の口金切断時に液化した水銀が混入・付着して含まれており、従って、生成する蛍光粉11には水銀が混入・付着している。
粉砕装置6により得た、ガラス粒子15と蛍光粉11とが混在する粉砕品10を分級装置7に導入し、分級装置7によって粉砕品10をガラス粒子15と蛍光粉11とに分離し、ガラス粒子15を回収する。この場合、蛍光粉11の平均粒径は10μm程度であり、一方、ガラス粒子15の平均粒径は0.1mm〜3mm程度であり、これらを精度良く分離することが必要である。
通常、分離手段としては、(1)篩分離:分級対象物を篩に通し、篩目に対する粒度の上下の違いで分離する方法、(2)比重分離:2種類の分級対象物の各比重の中間の比重を有する気体或いは液体の中に対象物を浮遊させ、気体或いは液体中で上下2層に分離する原理を利用して分離する方法、(3)風力選別:分級対象物の投影面積に対する質量の比率の差から、流れる空気中に浮遊した対象物の当該比率が高い場合には浮遊せずに重力で落下し、当該比率が低い場合には浮遊して空気と共に分離される原理を利用して分離する方法、の3種類が用いられる。この場合、分離対象物の質量を利用して分離する際に、分離効率を向上させるために遠心力を付加する方法(例えばサイクロンや遠心分離機)もある。
本発明では、ガラス粒子15及び蛍光粉11の2種類の固形物の内、少なくとも1種類の固形物を選別して分級する必要があるが、粉砕処理によってガラス粒子15の粒度と蛍光粉11の粒度とがあまり変わらなくなり、且つ、双方の粒度が極めて小さいので、機械式の篩のみによる分級は困難である。また、また、ガラス粒子15と蛍光粉11との粒度の差があまり大きくないことから、風力選別のみに頼ることも困難である。
従って、このようなガラス粒子15と蛍光粉11とを分離するための分級装置7として、本発明では、図5に示すような遠心式風力選別装置64を使用する。遠心式風力選別装置64は、図5に示すように、その下部を、上流側のロールクラッシャー型粉砕機58と気送管63で接続されると共に、その上部を、下流側の粉塵分離装置19と吸引用ガス配管16で接続されており、そして、遠心式風力選別装置64の内部には、モーター65によって回転するロータ66が設置されている。この場合、ロータ66の形状は円筒状で、回転と直角方向に複数個の羽板を設置した構造である。ここで、ロールクラッシャー型粉砕機58は粉砕装置6の好適な1例として用いたものである。尚、微粉量を少なくしながら適度な大きさに粉砕するために、破砕装置6として、ロールクラッシャー型粉砕機58を2段にして使用することもできる。
遠心式風力選別装置64の下流側、即ち吸引用ガス配管16の下流側に設置された、粉塵分離装置19のブロアー22による吸引により、ロールクラッシャー型粉砕機58で生成した、蛍光粉11とガラス粒子15とからなる粉砕品10は、気送管63を通り、気送管63と接続した、遠心式風力選別装置64の下部に設置される上昇管68を介して遠心式風力選別装置64の本体部である分離室69の内部に吹き上がる。分離室69の内部に導入された空気61は、モーター65によって回転するロータ66の内側に吸引され、上部に設けた吸引用ガス配管16を介して外部に排出されるため、蛍光粉11及びガラス粒子15はこの空気61に乗ってロータ66を通過しようとする。ここで、蛍光粉11に比較して粒度の大きなガラス粒子15は、ロータ66の回転によって、より大きな遠心力が付与され、分離室69の外周に飛ばされる。一方、粒度が小さい蛍光粉11には、外周に飛ばされるほどの遠心力は働かず、ロータ66を通過して分離室69の上部中央から空気61と共に遠心式風力選別装置64の機外に排出される。ロータ66により弾き飛ばされたガラス粒子15は、分離室69の内壁に衝突し、重力によって分離室69の下部に落下する。分離室69の下部には、ロータリーバルブ67が設けられており、外部の大気と略気密状態にされていると共に、ガラス粒子15を略気密状態で外部に排出する。
遠心式風力選別装置64は、ロータ66の回転数を変えることにより、付与される遠心力が変わることを利用して分級したい粒度を調整できる装置であり、この場合、ロータ66の回転数を約2000rpm程度の高速回転とすることにより、平均粒径が0.1mm〜3mm程度のガラス粒子15と平均粒径が約10μmの蛍光粉11とを、精度良く分離することができる。
このように、この遠心式風力選別装置64の基本原理は、回転する円筒状のロータ66に空気と共に分級対象物を通過させ、ロータ66により付与された遠心力によって比較的大きな粒度の物体を分離するもので、ロータ66における透過速度(空気速度)に対してロータ66の回転数を変化させることにより、粒度の大きな物質がロータ66によって分離される確率を増減可能な装置である。従って、この遠心式風力選別装置64は、風力選別に遠心式を付加し、更に分離効率(或いは分級点)を任意に制御可能な装置であり、上記サイズの蛍光粉11及びガラス粒子15を分離するのに適した分級装置7である。
尚、図5は、分級装置7を遠心式風力選別装置64とした際の、遠心式風力選別装置64と粉砕装置6との組み合せの好ましい形態を示す図であり、図5において、粉砕装置6としては、ガラスの粉砕に適した型式としてロールクラッシャー型粉砕機58を用いている。そして、ロールクラッシャー型粉砕機58と遠心式風力選別装置64とは気送管63で連結されている。ロールクラッシャー型粉砕機58に投入された廃蛍光管1のガラス管部分9は、粉砕機本体ケース60の内部に配置された、回転する2つのロール59,59との間で圧縮及び磨り潰しによって粉砕され、粉砕品10としてロールクラッシャー型粉砕機58の下部に落下する。そして、粉砕品10は、ロールクラッシャー型粉砕機58の下部に設置された混送室62で、ブロアー22によって吸引された空気61と混合され、気送管63を介して遠心式風力選別装置64に送られる。
この構成によれば、ロールクラッシャー型粉砕機58及び遠心式風力選別装置64を処理容器4に格納しなくても、水銀を含んだ蛍光粉11とガラス粒子15とを、外部に拡散させることなく、安全に輸送することができる。気送管63の内部の雰囲気圧力はブロアー22によって大気圧に対して負圧となり、従って、気送管63の内部に存在する空気は、主に混送室62の吸引口から吸引される空気となる。高速で回転するロール59により、ロールクラッシャー型粉砕機58の下部から空気が噴出することがあるが、上記のように、混送室62の内部は負圧であるので、粉砕品10の外部への流出は発生しない。この場合、蛍光粉11及びガラス粒子15からなる粉砕品10を円滑に空気輸送するために、気送管63での空気の流速は25m/秒以上を確保することが望ましい。
このようにして、分級装置7によってガラス粒子15と分離された蛍光粉11は、分級装置7から排出される排気ガス14と共に吸引用ガス配管16を通って粉塵分離装置19へ吸引される。同時に、口金切断機5,5A,5Bによる口金切断時に噴出したガス状水銀12を含む処理容器3の内部の雰囲気ガス13は、吸引用ガス配管16Aを通って吸引用ガス配管16に合流し、雰囲気ガス13と排気ガス14とが混合し、廃ガス18として粉塵分離装置19へ吸引される。また、粉砕装置6からの排気ガスも排気ガス14として吸引用ガス配管16によって吸引される。ここでは、ガス状水銀12を含有する雰囲気ガス13と、粉砕装置6及び分級装置7の排気ガス14とが混合したガスを廃ガス18と称す。
処理容器3は、雰囲気ガス13が処理容器3の外部に漏れて水銀汚染が発生しないこと、及び、処理容器3からの雰囲気ガス13の吸引効率が低下しないことを満たしていればよく、従って、負圧になる程度に密閉される容器であればよい。処理容器4も密閉構造とする場合には、これに準じるものとする。また、処理容器3への廃蛍光管1の搬入並びに処理容器3からのガラス管部分9の搬出は、必ずしも連続的に行う必要はなく、バッチ搬入やバッチ搬出でもよい。
粉塵分離装置19は、廃ガス18から蛍光粉11及び水銀を分離除去する装置であり、図3に示すように、直列に配備されたサイクロン20、バグフィルター21、ブロアー22及び活性炭吸着塔23により構成されている。廃ガス18は、ブロアー22で吸引され、吸引用ガス配管16を通って粉塵分離装置19に入る。但し、サイクロン20は必ずしも必要ではなく、直接バグフィルター21に導入してもよい。
廃ガス18は先ず最初にサイクロン20に送り込まれ、廃ガス18から水銀を含有した蛍光粉11が分離回収される。サイクロン20から排出された廃ガス18はバグフィルター21に導入され、バグフィルター21により廃ガス18中の水銀及び蛍光粉11が更に分離除去される。サイクロン20及びバグフィルター21により回収された蛍光粉11及び水銀は、水銀含有蛍光粉24として集められ、この水銀含有蛍光粉24は、次工程の蛍光粉処理装置26へ搬送される。バグフィルター21を通過後の排ガス25は、活性炭吸着塔23を通過した後、大気に放散される。活性炭吸着塔23は、バグフィルター21を通過後の排ガス25に含まれる微量の水銀を捕集するための装置である。
蛍光粉処理装置26は、図3に示すように、真空加熱装置27、凝縮器28、真空ポンプ29及び活性炭吸着塔30からなっている。水銀含有蛍光粉24は、真空加熱装置27に装入され、加熱されて水銀は水銀蒸気31となり、真空ポンプ29で吸引されて凝縮器28に入り、ここで冷却されて金属水銀となり、水銀34が回収される。一方、真空加熱装置27からは、水銀含有蛍光粉24から水銀が分離除去されて生成した蛍光物質33が回収される。回収される蛍光物質33としては、実質的に水銀が含まれない、品質上安全なものが安定して得られる。そして、蛍光物質33及び水銀34は、それぞれリサイクル使用される。
真空ポンプ29で吸引された排ガス32は、活性炭吸着塔30に導入されて、排ガス32中に残留するごく微量の水銀が活性炭吸着塔30で捕集された後、大気に放散される。
分級装置7によって分離・回収されたガラス粒子15が、ガラスのリサイクル処理時に満たすべき環境基準を達成している場合には、分離・回収したガラス粒子15を直ちにリサイクル使用することができる。一方、何らかの理由により、分離・回収したガラス粒子15が、ガラスのリサイクル処理時に満たすべき環境基準を達成していない場合には、ガラス粒子15に微量残留する水銀を除去する工程を付加することが必要となる。当然、ガラス粒子15が環境基準を達成している場合でも、より安全性を高めるために水銀の除去工程を付加してもよい。
微量の残留水銀を除去する手段としては、酸洗処理と加熱処理の2種類の方法で行うことができる。先ず、酸洗処理について説明する。酸洗処理とは、適切な希釈酸による酸洗工程によって残留する水銀を除去する方法である。
酸洗処理を施すために、分離・回収されたガラス粒子15を酸洗浄装置35へ搬送する。酸洗浄装置35は、図4に示すように、湿式分級装置36、酸洗槽37、水洗槽38、廃酸処理装置39、及び乾燥機40からなり、ガラス粒子15を受け入れ、湿式分級装置36で微細なガラス粒子を除去した後、希釈酸41でガラス粒子15に残留している微量の水銀及び蛍光粉を酸洗除去し、水42で水洗し、更に水洗したもの乾燥機40で乾燥することにより、ガラス粒子15を再生ガラス、軽量骨材、タイル、家具材用、或いはグラスウール等に再利用することができる装置である。即ち、清浄化されたガラス粒子47を回収することを目的とする装置である。仮に、ガラス粒子15に環境基準による水銀の溶出量上限値である0.005mg/lを上回る量の水銀が残留していても、酸洗浄装置35により、この残留水銀溶出量を安定して0.005mg/l以下に下げることができる。以下、それぞれに装置について説明する。
湿式分級装置36では、ガラス粒子15から0.2mm以下のガラス粒子を除去する。除去した0.2mm以下のガラス粒子48は廃棄処分とし、0.2mmを超えるガラス粒子を酸洗槽37へ供給する。この場合、酸洗処理を容易にするため、湿式分級装置36では、0.2mm以下に代えて、0.5mm以下のガラス粒子を分離・除去するようにしてもよい。湿式分級装置36は特別の装置を必要とせず、沈降分級機、水力分級機、機械分級機などの湿式分級機を用いればよい。
酸洗槽37は、ガラス粒子の洗浄を迅速化するために、洗浄用希釈酸41のなかをガラス粒子が洗浄液に対向し且つ連続して移動することで洗浄する洗浄方式とすることが好ましい。具体的には、酸洗槽37の中に移動可能なインペラ(図示せず)を設置し、このインペラによって洗浄液の入った酸洗槽37の中でガラス粒子を移動させる装置などを用いることができる。つまり、洗浄液が循環しているなかを、インペラによって洗浄液の流れとは逆にガラス粒子を連続的に移動させることにより、ガラス粒子同士が擦れ合いながら洗浄液中を移動するので、ガラス粒子表面に付着している水銀を、流動している洗浄液で効率良く除去することができる。
水洗槽38は、ガラス粒子から希釈酸41を洗浄する装置であり、特別の装置を必要とせず、例えば、複数の水槽に順じ容器に収容したガラス粒子を浸漬させて洗浄する装置でよい。但し、迅速に洗浄するには、酸洗槽37と同様に、水42のなかをガラス粒子が水42に対向し且つ連続して移動することで水洗する方式とすることが好ましい。乾燥機40も特別の装置を必要とせず、熱風乾燥法、放射乾燥法、伝熱乾燥法などの適宜の乾燥機を使用することができる。
また、酸洗浄の際には、酸洗条件の内で、酸の種類、酸濃度、酸洗液の温度及び酸洗処理時間が重要であるが、酸洗作業を安全なものにするために、酸洗液の温度は常温で行うことが望ましい。酸の種類としては、扱い易さ及び廃酸処理の観点から、塩酸または硝酸或いは硫酸が望ましく、特に、水銀の除去効果並びにハンドリング及び排水処理の観点から、塩酸を用いるのが望ましい。また、酸濃度及び処理時間としては、水銀残留量が溶出量で0.03〜0.09mg/l程度の場合に、ガラス粒子15のサイズが、15mm以下のものが95mass%以上を占める場合を基準とし、常温、静止浴中での浸漬酸洗の場合に、塩酸を用いた場合には、1.0規定以上更に望ましくは1.5規定の希釈塩酸に、2時間以上浸漬することが望ましく、塩酸濃度がこれ以下では、残留水銀の溶出量を安定して0.005mg/l以下に下げることが困難となる。また、硝酸或いは硫酸を用いた場合にも、塩酸を用いた場合とほぼ同じ条件が必要である。水銀残留量の溶出量が変われば、適宜処理時間を変えればよい。酸洗後、酸を除去するために水洗浄を実施する。
酸洗後に酸洗槽37から排出される廃酸43、及び水洗後に水洗槽38から排出される排水44を、廃酸処理装置39に移送し、廃酸処理装置39で中和すると共に溶出水銀を硫化水銀等の不溶化水銀46とし、中和処理水45は排水し、不溶化水銀46は廃棄処分する。図4では、酸洗槽37並びに水洗槽38と廃酸処理装置39とが直結しているが、両者を直結する必要はなく、廃酸43及び廃水44を容器に一時保管し、廃酸処理装置39に搬送して中和不溶化処理してもよい。
次に、加熱処理について説明する。加熱処理とは、ガラス粒子15を水銀の沸点以上に加熱し、水銀を揮発・除去する方法である。
加熱処理を施すために、分離・回収されたガラス粒子15を加熱処理装置49へ搬送する。加熱処理装置49は、図4に示すように、加熱炉50、凝縮器51、ブロアー52及び活性炭吸着塔53からなっている。ガラス粒子15は、加熱炉50に装入され、加熱されて水銀は水銀蒸気54となり、ブロアー52で吸引されて凝縮器51に入り、ここで冷却されて金属水銀となり、水銀57が回収される。一方、加熱炉50からは、水銀が分離除去されたガラス粒子56が回収される。回収されるガラス粒子56は、残留水銀溶出量が0.005mg/l以下であり、実質的に水銀が含まれない品質上安全なガラス粒子56が安定して得られる。回収したガラス粒子56及び水銀57は、それぞれリサイクル使用される。一方、ブロアー52で吸引された排ガス55は、活性炭吸着塔53に導入されて、排ガス55中に残留する微量の水銀が活性炭吸着塔53で捕集された後、大気に放散される。尚、ガラス粒子15に残存する水銀は少ないので、水銀蒸気54を凝縮するための凝縮器51を設置せず、即ち水銀をリサイクル使用せずに、加熱炉50の排ガスを活性炭吸着塔53に直接導入して廃棄処分してもよい。
以上説明したようにして廃蛍光管1のリサイクル処理が行われる。
尚、本実施の形態では、3系列の活性炭吸着塔23、活性炭吸着塔30及び活性炭吸着塔53を配備したが、これらは1系列若しくは2系統に集約してもよい。また、排ガス25、排ガス32及び排ガス55中の水銀を除去する方法としては、活性炭吸着塔23,30,53の如く、活性炭に塩化第二鉄等の酸化剤を付着させて水銀ガスを酸化し吸着除去する方法の他に、予め酸化剤を通して2価の水銀化合物とし、この状態で、チオール基をもつキレート樹脂に吸着させて除去する方法としてもよい。更に、これらの乾式吸着法による水銀除去方法の他に、排ガス25,32,55中に金属水銀も含まれている場合には、水銀の湿式酸化吸収法として、排ガス25,32,55中の金属水銀を酸化剤で酸化し、水溶性の硫化物を加えた溶液に吸収させて、水に難溶性の硫化水銀沈殿物として除去する装置を付加することが好ましい。
このように、本発明に係る蛍光管のガラス浄化設備を用いて蛍光管のガラス管部分9を浄化することにより、極めて迅速に且つ確実に、しかも、従来の蛍光膜除去設備に比べて簡素で且つコンパクトな設備によって蛍光管内面の蛍光膜を除去すると同時に、除去した蛍光膜をガラスと分別して回収することができる。また、本発明に係る廃蛍光管1のリサイクル処理方法によれば、これらの効果に加えて更に、ガラス粒子に残留している水銀の量を環境基準以下に安定して下げることができ、廃蛍光管1のリサイクル処理を安価に且つ効率的に行うことが達成される。
本発明に係る廃蛍光管のリサイクル処理工程の全体概略図である。 図1中の部分詳細図であり、口金切断機や分級装置等を中心とした詳細図である。 図1中の部分詳細図であり、粉塵分離装置及び蛍光粉処理設備を中心とした詳細図である。 図1中の部分詳細図であり、酸洗浄装置及び加熱処理装置を中心とした詳細図である。 粉砕装置と分級装置との組み合せの好ましい形態を示す図である。
符号の説明
1 廃蛍光管
2 搬入装置
3 処理容器
4 処理容器
5 口金切断機
6 粉砕装置
7 分級装置
8 口金部分
9 ガラス管部分
10 粉砕品
11 蛍光粉
12 ガス状水銀
13 雰囲気ガス
14 排気ガス
15 ガラス粒子
16 吸引用ガス配管
17 アルミニウム等回収
18 廃ガス
19 粉塵分離装置
20 サイクロン
21 バグフィルター
22 ブロアー
23 活性炭吸着塔
24 水銀含有蛍光粉
25 排ガス
26 蛍光粉処理装置
27 真空加熱装置
28 凝縮器
29 真空ポンプ
30 活性炭吸着塔
31 水銀蒸気
32 排ガス
33 蛍光物質
34 水銀
35 酸洗浄装置
36 湿式分級装置
37 酸洗槽
38 水洗槽
39 廃酸処理装置
40 乾燥機
41 希釈酸
42 水
43 廃酸
44 廃水
45 中和処理水
46 不溶化水銀
47 ガラス粒子
48 ガラス粒子
49 加熱処理装置
50 加熱炉
51 凝縮器
52 ブロアー
53 活性炭吸着塔
54 水銀蒸気
55 排ガス
56 ガラス粒子
57 水銀
58 ロールクラッシャー型粉砕機
59 ロール
60 粉砕機本体ケース
61 空気
62 混送室
63 気送管
64 遠心式風力選別装置
65 モーター
66 ロータ
67 ロータリーバルブ
68 上昇管
69 分離室

Claims (5)

  1. 蛍光管の口金部分を除去する切断工程と、切断工程により口金部分が除去された蛍光管のガラス管部分を粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を剥離させる粉砕工程と、粉砕工程により得られた粉砕品を、剥離した蛍光膜である蛍光粉とガラス粒子とに分離する分級工程とを、この順に有する蛍光管のガラス浄化方法であって、
    前記粉砕工程では、口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管部分を、ガラス粒子の平均粒径が0.1mm〜3mmの範囲内となるように粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を蛍光粉としてガラス管から剥離させ、前記分級工程では、剥離した蛍光粉とガラス粒子とが混在する粉砕品を回転する円筒状のロータに空気と共に通過させ、当該ロータにて付与された遠心力によりガラス粒子を粉砕品のなかから分離することを特徴とする、蛍光管のガラス浄化方法。
  2. 更に、粉砕品のなかから回収したガラス粒子を加熱或いは酸洗し、ガラス粒子に残留している水銀を除去することを特徴とする、請求項1に記載の蛍光管のガラス浄化方法。
  3. 更に、粉砕品のなかから回収したガラス粒子を分級して0.2mm以下のガラス粒子を除去し、その後、0.2mm以下の粒子が除去されたガラス粒子を酸洗及び水洗し、ガラス粒子に残留している水銀を除去することを特徴とする、請求項1に記載の蛍光管のガラス浄化方法。
  4. 蛍光管の口金部分を除去する切断装置と、口金部分が除去された蛍光管のガラス管部分を粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を剥離させる粉砕装置と、粉砕装置により得られた粉砕品を、剥離した蛍光膜である蛍光粉とガラス粒子とに分離する分級装置と、前記切断装置を格納して口金部分の切断を、雰囲気ガスが処理容器の外部に漏れない状態で行うための密閉可能な処理容器と、当該処理容器、前記粉砕装置及び前記分級装置に連結して、処理容器内の雰囲気ガス、粉砕装置の排気ガス及び分級装置の排気ガスを吸引し、吸引したこれらのガスから蛍光粉及び水銀を分離除去する分離手段と、前記分級装置によって分離されたガラス粒子から微粒子のガラス粒子を分離するとともに微粒子の分離されたガラス粒子を酸洗してガラス粒子から水銀を除去する酸洗浄装置と、を備えた蛍光管のガラス浄化設備であって、前記分級装置は、回転する円筒状のロータに空気と共に前記粉砕品を通過させ、当該ロータにて付与された遠心力によりガラス粒子を粉砕品のなかから分離する遠心式風力選別装置であり、前記酸洗浄装置は、0.2mm以下の微粒子のガラス粒子を分離・除去することを特徴とする、蛍光管のガラス浄化設備。
  5. 密閉可能な処理容器内で廃蛍光管の口金部分を切断除去し、得られた廃蛍光管のガラス管部分を粉砕してガラス管内面に塗布された蛍光膜を剥離させ、剥離した蛍光膜である蛍光粉とガラス粒子とが混在する粉砕品を回転する円筒状のロータに空気と共に通過させ、当該ロータにて付与された遠心力によりガラス粒子を粉砕品のなかから分離して回収し、次いで、回収したガラス粒子を分級して0.2mm以下のガラス粒子を除去し、0.2mm以下のガラス粒子が除去されたガラス粒子を酸洗及び水洗してガラス粒子に残留している水銀を除去すると共に、前記処理容器内の雰囲気ガス中の水銀及び蛍光粉、並びに前記粉砕品中の蛍光粉を一旦収集した後に、水銀と蛍光物質とに分離することを特徴とする、廃蛍光管のリサイクル処理方法。
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