JP4299191B2 - 蛍光管の浄化処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃蛍光管をリサイクル使用するために行なう蛍光管の浄化処理方法に関するものである。
現在、効率の良い照明灯として広く使用されている蛍光管(蛍光放電管)は、低圧水銀ランプに属するものである。この蛍光管は、円筒状ガラス管の内面に蛍光物質を塗布し、酸化バリウムなどの保護膜を表面に形成したタングステン2重フィラメント電極を円筒状ガラス管の両端部に取り付け、そのガラス管内を真空に減圧した後、少量の水銀とアルゴンガスとを封入したものである。そして、両端部の電極に通電して両電極間に電圧をかけ、ガラス管内で放電させることにより、管内の水銀ガスから遠紫外線を放射させ、この遠紫外線をガラス管内面に塗布した蛍光物質に照射して発光させている。
蛍光管のガラス管に使用されているガラスは高品質であり、リサイクル処理すれば上質なガラスとして再利用可能であり、従って、大量に発生する使用済みの廃蛍光管からガラスを回収すれば、省資源や省エネルギーのみならず、廃棄物の減量化にも大いに貢献することになる。
しかし、前述したように、ガラス管の内面には蛍光物質が塗布されており、また、この蛍光物質には微量ではあるが、封入した水銀が付着している。これらが塗布・付着した状態のままでは、ガラス管をリサイクル使用することはできない。また、微量とはいえ蛍光管には水銀が封入されており、大量の廃蛍光管を破砕した場合には、大量の水銀が放出され、環境を害することになる。従って、廃蛍光管をリサイクル処理する場合には、蛍光物質のみならず水銀の除去・回収を行なう必要がある。
そのため、従来から種々の方法でリサイクル処理が行なわれている。例えば、特許文献1には、廃蛍光管の両側の口金部分を除去する工程と、口金部分を除去した廃蛍光管のガラス管部の内部に気流を導入してガラス管内部の物質を除去する工程と、気流により前記物質を除去したガラス管部を破砕する工程と、破砕したガラス管部の破片を加熱して該破片から水銀を除去する工程と、を有する廃蛍光管の処理方法が提案されている。また、特許文献2には、廃蛍光管の両端を切断してガラス管部と電極部とに分離した後、ガラス管部の内部に圧縮気体を噴射させて蛍光膜及び水銀を排出させ、次いで、ガラス管部を破砕し、得られた破砕ガラス粒片を酸洗して破砕ガラス粒片に残留している水銀を除去する方法が提案されている。
特開平9−150138号公報 特開2002−177935号公報
特許文献1及び特許文献2に示すように、従来、ガラス管内部の蛍光膜及び水銀を圧縮気体などの気流によって排出させた後に、更に、加熱処理或いは酸洗処理して残留する水銀を除去しており、しかも、破砕して得た破砕ガラス粒片を全て一括して加熱処理或いは酸洗処理しており、残留水銀の除去処理に費やすコストを増大させていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、蛍光管のガラス管の内部に圧縮気体を噴射する或いは圧縮気体と共に研掃材を噴射してガラス管から蛍光膜及び水銀を排出させ、その後、ガラス管を破砕し、得られた破砕ガラス粒片に対して残留する水銀の除去処理を施し、蛍光管を浄化するに際し、破砕ガラス粒片に対して適正で且つ効率的な水銀除去処理を施すことが可能となる蛍光管の浄化処理方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、圧縮気体を噴射させた後のガラス管内部に残留する水銀の分布を調査した。調査は、圧縮気体を噴射させた後のガラス管を長手方向に40mmの間隔で切断し、切断した各ガラス管を破砕した後に50%の硝酸で溶解し、硝酸中に溶解した水銀の含有量を測定した。
その結果、図1に、40Wの直管型の廃蛍光管における残留水銀の分布状態の調査結果を示すように、ガラス管内部の水銀の残留量は、ガラス管の長手方向で均一ではなく、フィラメント電極が設置されていた口金部分の近傍で残留量が多く、口金部分から200mm程度離れた位置までに急激に減少し、蛍光管の中央部では少ないことが分かった。この傾向は、図1に示すように、圧縮空気の吹き込み側も、また圧縮空気の流出側も同様であり、圧縮空気の噴霧状態の差に起因するものではないことが確認できた。
この調査結果から、ガラス管の部位に応じて破砕後のガラス粒片に残留する水銀の除去処理方法を変更することが可能であるとの知見を得た。換言すれば、水銀の残留量が少ないガラス管中央部の部位の破砕ガラス粒片は、口金部近傍の破砕ガラス粒片に比べて例えば酸洗時間を短縮するなどの軽度の水銀除去処理を施すこと、更には、水銀除去処理自体を省略することが可能であることが分かった。前述した特許文献1及び特許文献2では、圧縮気体によって蛍光膜及び水銀を排出させた後のガラス管部を一括して破砕し、破砕して得られた破砕ガラス粒片を一括して加熱処理或いは酸洗処理しており、中央部部分の破砕ガラス粒片に対しては過剰な浄化処理を施していること即ち無駄な浄化処理を施していることが伺える。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る蛍光管の浄化処理方法は、口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管内面に、一方の端部から他方の端部に向けて圧縮気体を吹き付ける或いは圧縮気体と共に研掃材を吹き付けて、ガラス管内面に塗布された蛍光膜及びガラス管内部に封入された水銀をガラス管から排出させ、次いで、当該ガラス管を2つの端部部分と1つの中央部部分との少なくとも3つの部分に切断し、ガラス管を端部部分と中央部部分とに分別して回収することを特徴とするものである。
第2の発明に係る蛍光管の浄化処理方法は、口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管内面に、一方の端部から他方の端部に向けて圧縮気体を吹き付ける或いは圧縮気体と共に研掃材を吹き付けて、ガラス管内面に塗布された蛍光膜及びガラス管内部に封入された水銀をガラス管から排出させ、次いで、当該ガラス管を2つの端部部分と1つの中央部部分との少なくとも3つの部分に切断し、ガラス管を端部部分と中央部部分とに分別して回収し、分別して回収したガラス管をそれぞれ別々に破砕すると共に、得られた破砕ガラス粒片に対して個別の水銀除去処理を施すことを特徴とするものである。
第3の発明に係る蛍光管の浄化処理方法は、口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管内面に、一方の端部から他方の端部に向けて圧縮気体を吹き付ける或いは圧縮気体と共に研掃材を吹き付けて、ガラス管内面に塗布された蛍光膜及びガラス管内部に封入された水銀をガラス管から排出させ、次いで、当該ガラス管を2つの端部部分と1つの中央部部分との少なくとも3つの部分に切断し、ガラス管を端部部分と中央部部分とに分別して回収し、分別して回収したガラス管をそれぞれ別々に破砕し、ガラス管の端部部分から得られた破砕ガラス粒片は水銀除去処理を施した後にガラスカレットとしてリサイクルし、ガラス管の中央部部分から得られた破砕ガラス粒片は破砕した状態のままでガラスカレットとしてリサイクルすることを特徴とするものである。
第4の発明に係る蛍光管の浄化処理方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記蛍光管の長さが500mm以上であって、前記端部部分と中央部部分との境界位置を、口金から少なくとも200mm以上離れた位置とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、圧縮気体或いは圧縮気体と研掃材とを噴射して内部の蛍光膜及び水銀を排出させたガラス管を、残留する水銀の多い、口金部分近傍の端部部分と、残留する水銀の少ない、ガラス管中央部部分との2つの部位に分別して回収するので、ガラス管に残留する水銀の量に応じた適正な水銀除去処理を施すことが可能となり、残留水銀の除去処理に要するコストの大幅な削減が達成されるなど工業上有益な効果がもたらされる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図2は、本発明に係る蛍光管の浄化処理方法の工程図である。
図2に示すように、先ず、廃蛍光管などの蛍光管1を、ベルトコンベアなどの適宜の搬送装置(図示せず)を用いて密閉容器2の内部に装入する。密閉容器2の内部には、開口バーナー3、口金切断機4、及び、圧縮気体噴射装置5が設けられている。また、密閉容器2は、サイクロン或いはバグフィルターなどを備えた集塵設備17と連結しており、密閉容器2の内部の雰囲気ガス及び圧縮気体噴射装置5から噴射された気体は、集塵設備17に吸い込まれ、ガス中のダストは集塵物18として回収されるようになっている。即ち、密閉容器2は、蛍光管1に封入された水銀を外部の環境に放散させることなく、蛍光管1の内面の蛍光膜を剥離する装置であり、一方、集塵設備17は、蛍光管1の内部の水銀及び蛍光物質を集塵物18として回収する装置である。蛍光管1は、直管型蛍光管であってもまた環状型蛍光管であっても、どちらでも処理することができる。
密閉容器2の内部に搬入された蛍光管1は、先ず、開口バーナー3によってその管壁を貫通する孔が開けられ、蛍光管1の内部気密性が破壊される。蛍光管1の内部圧力は通常10-5気圧程度と低く、水銀はガス状態で存在する。従って、この気密性破壊により、その内部に密封されていた水銀の一部はガス状水銀のまま密閉容器2内に放出され、残部は液状化する。次いで、口金切断機4を用いて蛍光管1の両端部の口金部分を切断除去する。除去された口金部分は回収し、回収された口金部分から、常法によってアルミニウム、黄銅などの口金部金属16を回収し、リサイクル使用する。
このようにして両端部断面が開放されたガラス管の一方端部の内面に向けて、圧縮気体噴射装置5から圧縮気体を吹き込み、ガラス管の他端部から圧縮気体を噴出させ、ガラス管の内面に塗布された蛍光膜を剥離させて吹き飛ばす。ガラス管内の蛍光膜には、上述した蛍光管1の孔開け時に液化した水銀が混入・付着して含まれており、液化した水銀も蛍光膜と共に吹き飛ばされる。圧縮気体としては、コンプレッサー(図示せず)によって得られる圧縮空気や、ボンベに封入された圧縮窒素などを用いることができる。図2では、圧縮気体噴射装置5が密閉容器2の内部に設置されているが、コンプレッサー或いはボンベなどは密閉容器2の内部に配置する必要はなく、この場合の圧縮気体噴射装置5としては、吹き込み用ノズル及び吹き込み用ノズルに接続するガス配管となる。
この場合、蛍光膜の除去を促進させるために、圧縮気体に研掃材を混合し、圧縮気体と共に研掃材を吹き込むことが好ましい。用いる研掃材としては、ガラス管を破損させることなく、蛍光膜をガラス管から効率的に剥離させる観点から、粒径が50μm以上500μm以下であるガラスビーズを用いることが好ましく、更に、その際のガラス管内での圧縮気体の流速を、直管型蛍光管においては200m/秒以下、環状型蛍光管においては100m/秒以下となるように調整することが好ましい。研掃材は、集塵設備17によって蛍光粉及び水銀と分離されて回収され、繰り返し使用するものとする。
ガラス管の内面の蛍光膜が除去されて生成した、水銀を含有する蛍光粉は、密閉容器2内の雰囲気ガスと共に集塵設備17へ吸引される。また、密閉容器2内に放出されたガス状水銀も密閉容器2内の雰囲気ガスと共に集塵設備17へ吸引される。一方、内部の蛍光膜が剥離・除去されたガラス管部6は、ガラス管切断機7へ搬送される。
集塵設備17により回収された蛍光粉及び水銀からなる集塵物18は、真空加熱装置19に装入されて加熱され、水銀は水銀蒸気となって凝縮器20に入り、ここで冷却されて金属水銀となり、水銀22が回収される。一方、真空加熱装置19からは、集塵物18から水銀が分離除去されて生成した蛍光粉21が回収される。回収される蛍光粉21としては、実質的に水銀が含まれない、品質上安全なものが安定して得られる。蛍光粉21及び水銀22は、それぞれリサイクル使用される。
集塵設備17から排出される排気ガス及び凝縮器20から排出される排気ガスは、例えば活性炭吸着塔(図示せず)などを経由して排気ガス中に含まれる微量の水銀が捕集された後、大気に放散される。
尚、密閉容器2は、その内部の雰囲気ガスが密閉容器2の外部に漏れて水銀汚染が発生しないこと、及び、密閉容器2からの雰囲気ガスの集塵設備17における吸引効率が低下しないことを満たしていればよく、従って、実質的に密閉される容器であればよい。また、開口バーナー3を装備することにより、蛍光管1の処理能力は向上するものの、開口バーナー3の機能を口金切断機4に持たせることも可能であり、開口バーナー3の設置を省略することもできる。開口バーナー3としては、例えば、水素バーナーが望ましい。
ガラス管切断器7では、ガラス管部6を、2つの端部部分と1つの中央部分との少なくとも3つの部分に切断し、切断したガラス管を端部部分8と中央部部分9とに分別して回収する。この場合に、端部部分8と中央部部分9との境界位置が口金から200mm以上離れた位置となるように、ガラス管部6の切断位置に留意する。尚、図2では、ガラス管切断機7が密閉容器2とは独立して配置されているが、ガラス管切断機7を密閉容器2の内部に配置しても構わない。
その後、得られた端部部分8及び中央部部分9を、それぞれ別々に破砕機10及び破砕機11を用いて破砕し、破砕ガラス粒片とする。端部部分8と中央部部分9とをそれぞれ別々に破砕するならば、破砕機10と破砕機11とは同一設備であってもよい。但し、端部部分8の破砕タイミングと中央部部分9の破砕タイミングとの間には、破砕機を清掃するなどして、端部部分8の破砕ガラス粒片と中央部部分9の破砕ガラス粒片とが極力混じり合わないようにすることが好ましい。このような混入防止対策を省略する観点からは、端部部分8及び中央部部分9の専用の破砕機を用いることが望ましい。
この破砕工程においては、得られた破砕ガラス粒片の後処理工程に応じて破砕サイズを設定する。即ち、端部部分8は、圧縮気体の噴霧或いは圧縮気体と研掃材との噴霧のみでは水銀の残留量が多く、ガラスのリサイクル処理時に満たすべき環境基準を安定してクリアーすることが不可能であるので、微量に残留する水銀の除去工程を行なうことを前提として、環境基準のクリアーを必要十分条件とし、且つ、粉砕ガラスのリサイクルをできるだけ効率的に行なえる破砕サイズとする。中央部部分9は、圧縮気体と共に研掃材を噴霧した場合のように、圧縮気体噴射装置5による浄化処理のみで、ガラスのリサイクル処理時に満たすべき環境基準をクリアーすることが可能である場合には、破砕処理した後に直ちにリサイクル使用することが可能であり、従って、粉砕ガラス粒片のリサイクルをできるだけ効率的に行なえる破砕サイズとする。換言すれば、リサイクル使用の要望に沿ったサイズに破砕し、破砕された破砕ガラス粒片を、再生ガラス、軽量骨材、タイル或いは家具材用などに再利用することができるガラスカレット14Aとして回収する。但し、中央部部分9であっても、残留する水銀の除去工程を付加する必要がある場合には、端部部分8と同様に、環境基準のクリアーを必要十分条件とし、且つ、粉砕ガラスのリサイクルをできるだけ効率的に行なえる破砕サイズとする。
本実施の形態では、残留水銀の除去処理方法として、希釈酸による酸洗工程を行なうこととしており、この場合には、破砕機10による端部部分8の破砕ガラス粒片のサイズは、15mm以下のガラス粒片が95mass%以上を占めるように処理することが望ましい。中央部部分9の破砕ガラス粒片も、酸洗工程を実施するものに関しては、15mm以下のガラス粒片が95mass%以上を占めるように破砕することが望ましい。
端部部分8の破砕ガラス粒片及び残留水銀の除去処理が必要な中央部部分9の破砕ガラス粒片を、酸洗装置12及び酸洗装置13に搬送し、それぞれ別々に酸洗処理を施す。酸洗装置12,13は、希釈酸によって破砕ガラス粒片に残留している微量の水銀及び蛍光粉を酸洗除去し、清浄化された破砕ガラス粒片を得て、再生ガラス、軽量骨材、タイル或いは家具材用などに再利用することができるガラスカレット14,14Aを回収することを目的とする装置である。仮に、破砕ガラス粒片に環境基準による水銀の溶出量上限値である0.005mg/lを上回る量の水銀が残留していても、酸洗装置12,13により、この残留水銀溶出量を安定して0.005mg/l以下に下げることができる。尚、端部部分8の破砕ガラス粒片と中央部部分9の破砕ガラス粒片とを別々に酸洗処理するならば、酸洗装置自体は同一設備であっても何ら構わない。
酸洗処理は、残留水銀の溶出量が0.005mg/l以下となるように施す必要があり、従って、残留水銀量の多い端部部分8の破砕ガラス粒片に対して施す酸処理と、端部部分8に比べて残留水銀量の少ない中央部部分9の破砕ガラス粒片に対して施す酸洗処理とは、酸洗条件を変えて行なうことができる。即ち、中央部部分9の破砕ガラス粒片に対しては、端部部分8の破砕ガラス粒片に比較して軽度の酸洗処理を施すことができる。
ここで、酸洗処理の条件について説明する。酸洗条件のなかで、酸の種類、酸濃度、酸洗液の温度、及び酸洗処理時間が特に重要である。酸洗液の温度は高いほど酸洗速度が速くなるが、酸洗作業を安全なものにするために、酸洗液の温度は常温で行なうことが望ましい。酸の種類としては、扱い易さ及び廃酸処理の容易さの観点から、塩酸または硝酸或いは硫酸が望ましく、特に、水銀の除去効果に優れること、並びに、ハンドリング及び排水処理の容易さの観点から、塩酸を用いることが好ましい。また、酸濃度及び処理時間としては、水銀残留量が溶出量で0.03〜0.09mg/l程度の場合に、破砕ガラス粒片のサイズが15mm以下のものが95mass%以上を占める場合を基準として、常温且つ静止浴中での浸漬酸洗の場合に、塩酸を用いた場合には、1.0規定以上更に望ましくは1.5規定の希釈塩酸に2時間以上浸漬することが望ましい。これ以下の塩酸濃度では、残留水銀の溶出量を安定して0.005mg/l以下に下げることが困難となる。水銀残留量が、溶出量で上記の0.03〜0.09mg/lよりも増えた場合には、残留水銀の溶出量が安定して0.005mg/l以下になるように、酸洗処理時間を延長する必要があり、一方、水銀残留量が、溶出量で上記の0.03〜0.09mg/lよりも減少した場合には、2時間以上浸漬する必要はなく、酸洗処理時間を短縮することができる。また、硝酸或いは硫酸を用いた場合にも、塩酸を用いた場合とほぼ同じ条件で行なうことができる。
従って、端部部分8の破砕ガラス粒片及び中央部部分9の破砕ガラス粒片に残留する水銀の量を酸洗処理前に測定しておくことで、端部部分8の破砕ガラス粒片及び中央部部分9の破砕ガラス粒片に対して、それぞれ残留水銀量に応じた適切な酸洗処理を施すことが可能となる。また、蛍光管の種類毎に求めた残留水銀に関するデータなどを収集することで、残留水銀量を測定しなくても、収集したデータに基づき経験的に適切な酸洗処理を施すことも可能となる。
酸洗後、使用した廃酸を中和すると共に、酸中に溶出した水銀を硫化水銀などの不溶化水銀15として回収し、回収した不溶化水銀15は廃棄処分とする。酸洗した破砕ガラス粒片は、水洗して酸を除去した後、自然乾燥や強制乾燥など適宜の乾燥処理が施され、ガラスカレット14,14Aとしてリサイクル使用に供せられる。このようにして蛍光管1のリサイクル処理が行なわれる。尚、上記説明では、残留水銀の除去処理方法として酸洗処理を実施しているが、加熱処理など他の水銀除去方法であってもよい。
以上説明したように、本発明に係る蛍光管の浄化処理方法によれば、内部の蛍光膜及び水銀を排出させたガラス管部6を、残留する水銀の多い端部部分8と残留する水銀の少ない中央部部分9との2つに分別して回収するので、ガラス管に残留する水銀の量に応じた適正な水銀除去処理を施すことが可能となり、残留水銀の除去処理に要するコストを大幅に削減することができる。
5種類の40Wの直管型廃蛍光管に対し、開口バーナーによってその管壁に孔を開け、次いで、口金切断機を用いて廃蛍光管の両端部の口金部分を切断除去した。そして、このガラス管の内部に、研掃材としてのガラスビードを圧縮空気と共に吹き付け、蛍光膜及び水銀を排出させた。このようにして準備したガラス管を口金部側から100mm毎の間隔で切断し、更に、切断したガラス管を15mm以下のものが95mass%以上を占めるように破砕し、得られた破砕ガラス粒片のうちで口金部から0〜100mmの範囲のもの、口金部から300〜400mmの範囲のもの、口金部から500〜600mmの範囲のものについて、水による残留水銀の溶出試験を行なった。溶出試験は、破砕ガラス粒片の質量に対して10倍の質量の水に破砕ガラス粒片を6時間浸漬させて実施した。その試験結果を表1に示す。尚、水銀の溶出量が環境基準の0.005mg/l以下であるならば、破砕ガラス粒片に対して更なる水銀除去の工程を実施する必要はない。
Figure 0004299191
表1に示すように、蛍光管の種類により残留水銀による水銀溶出量の絶対値は異なるものの、水銀溶出量は、口金部近傍で高く、蛍光管の中央部側で低くなることが分かった。表1には、これら5種類の蛍光管における水銀溶出量の単純平均値(数量を同一とした平均値)も示しており、口金部近傍の破砕ガラス粒片は残留水銀の除去処理工程が必要であることが確認できた。一方、口金部から300〜400mmの範囲では、水銀溶出量の単純平均値は0.0026mg/lであり、これら5種類の廃蛍光管を略均等に混合した場合には、破砕ガラス粒片に対して更なる水銀除去の工程を実施する必要がないことが確認できた。
これらの結果から、圧縮空気及び研掃材により清浄化されたガラス管部を口金部から略300mmの位置で切断し、回収した端部部分には酸洗処理して残留水銀を除去した後にガラスカレットとしてリサイクル使用し、一方、回収した中央部部分は破砕した後そのままガラスカレットとしてリサイクル使用した。
尚、蛍光管No.5は、表1に示すように残留水銀の量が他の蛍光管に比べて若干多いので、処理する廃蛍光管のなかで蛍光管No.5の比率が高くなる場合や、蛍光管No.5のみを処理する場合には、残留水銀の処理方法を変更する必要があることも分かった。
40Wの直管型の廃蛍光管における残留水銀の分布状態の調査結果を示す図である。 本発明に係る蛍光管の浄化処理方法の工程図である。
符号の説明
1 蛍光管
2 密閉容器
3 開口バーナー
4 口金切断機
5 圧縮気体噴射装置
6 ガラス管部
7 ガラス管切断機
8 端部部分
9 中央部部分
10 破砕機
11 破砕機
12 酸洗装置
13 酸洗装置
14 ガラスカレット
15 不溶化水銀
16 口金部金属
17 集塵設備
18 集塵物
19 真空加熱装置
20 凝縮器
21 蛍光粉
22 水銀

Claims (4)

  1. 口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管内面に、一方の端部から他方の端部に向けて圧縮気体を吹き付ける或いは圧縮気体と共に研掃材を吹き付けて、ガラス管内面に塗布された蛍光膜及びガラス管内部に封入された水銀をガラス管から排出させ、次いで、当該ガラス管を2つの端部部分と1つの中央部部分との少なくとも3つの部分に切断し、ガラス管を端部部分と中央部部分とに分別して回収することを特徴とする、蛍光管の浄化処理方法。
  2. 口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管内面に、一方の端部から他方の端部に向けて圧縮気体を吹き付ける或いは圧縮気体と共に研掃材を吹き付けて、ガラス管内面に塗布された蛍光膜及びガラス管内部に封入された水銀をガラス管から排出させ、次いで、当該ガラス管を2つの端部部分と1つの中央部部分との少なくとも3つの部分に切断し、ガラス管を端部部分と中央部部分とに分別して回収し、分別して回収したガラス管をそれぞれ別々に破砕すると共に、得られた破砕ガラス粒片に対して個別の水銀除去処理を施すことを特徴とする、蛍光管の浄化処理方法。
  3. 口金部分が切断除去された蛍光管のガラス管内面に、一方の端部から他方の端部に向けて圧縮気体を吹き付ける或いは圧縮気体と共に研掃材を吹き付けて、ガラス管内面に塗布された蛍光膜及びガラス管内部に封入された水銀をガラス管から排出させ、次いで、当該ガラス管を2つの端部部分と1つの中央部部分との少なくとも3つの部分に切断し、ガラス管を端部部分と中央部部分とに分別して回収し、分別して回収したガラス管をそれぞれ別々に破砕し、ガラス管の端部部分から得られた破砕ガラス粒片は水銀除去処理を施した後にガラスカレットとしてリサイクルし、ガラス管の中央部部分から得られた破砕ガラス粒片は破砕した状態のままでガラスカレットとしてリサイクルすることを特徴とする、蛍光管の浄化処理方法。
  4. 前記蛍光管の長さが500mm以上であって、前記端部部分と中央部部分との境界位置を、口金から少なくとも200mm以上離れた位置とすることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の蛍光管の浄化処理方法。
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