JP4468959B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4468959B2
JP4468959B2 JP2006545022A JP2006545022A JP4468959B2 JP 4468959 B2 JP4468959 B2 JP 4468959B2 JP 2006545022 A JP2006545022 A JP 2006545022A JP 2006545022 A JP2006545022 A JP 2006545022A JP 4468959 B2 JP4468959 B2 JP 4468959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
ion
ion beam
implantation apparatus
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006545022A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2006054528A1 (ja
Inventor
誠司 小方
勇蔵 桜田
雅行 関口
勉 西橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Publication of JPWO2006054528A1 publication Critical patent/JPWO2006054528A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4468959B2 publication Critical patent/JP4468959B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/147Arrangements for directing or deflecting the discharge along a desired path
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/05Electron or ion-optical arrangements for separating electrons or ions according to their energy or mass
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/147Arrangements for directing or deflecting the discharge along a desired path
    • H01J37/1472Deflecting along given lines
    • H01J37/1474Scanning means
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/317Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation
    • H01J37/3171Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation for ion implantation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/26Bombardment with radiation
    • H01L21/263Bombardment with radiation with high-energy radiation
    • H01L21/265Bombardment with radiation with high-energy radiation producing ion implantation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/05Arrangements for energy or mass analysis
    • H01J2237/057Energy or mass filtering
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/30Electron or ion beam tubes for processing objects
    • H01J2237/304Controlling tubes
    • H01J2237/30472Controlling the beam
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/30Electron or ion beam tubes for processing objects
    • H01J2237/304Controlling tubes
    • H01J2237/30472Controlling the beam
    • H01J2237/30483Scanning

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、イオン注入装置に係り、特に、チャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備え、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも大きな走査角を得ることが可能なイオンビーム走査機構を備えたイオン注入装置の改良に関する。
イオン源からのイオンを所望のエネルギーに加速し、半導体ウェーハ等の基板表面に注入する種々のタイプのイオン注入装置が実用に供されている(特許文献1参照)。
以下、従来のイオン注入装置の一例について、図11を用いて説明する。
図11は、従来のイオン注入装置の概略構成を示す平面図である。
イオン注入装置100の主要構成は、図11に示すように、イオン源110、質量分離器120、質量分離スリット130、加速管140、四重極レンズ150、走査器160、平行化装置170である。
なお、同図中180は、図示しないエンドステーションに配置されたイオンを注入するターゲットとなる基板である。
また、Bはイオンであるが、以下、「イオンビーム」又は「ビーム」という場合がある。
イオン源110は、原子や分子から電子を剥ぎ取ってイオンを生成する装置である。
質量分離器120は、イオンや電子等の荷電粒子が磁場又は電場中で偏向される性質を利用して、磁場、或いは、電場、又は、その双方を発生して、基板180に注入したいイオン種を特定するための装置である。
加速管140は、質量分離スリット130を通過した所望のイオン種を加速又は減速する装置であるが、図11に示すように、通常は軸対象で、複数の電極対を等間隔に並べ、それらの電極対に等しい高電圧を印加して、静電界の作用により、イオンビームBを所望の注入エネルギーに加速又は減速する。
走査器160は、イオンビームBの進行方向と直交する方向に一様な外部電界を発生させ、この電界の極性や強度を変化させることにより、イオンの偏向角度を制御し、図11に示すように、基板180の注入面の所望の位置にイオンBを走査し、均一に注入する。
なお、図11では、簡略化のため水平方向にイオンビームBを偏向する走査器160の1対の電極を示したが、この走査器160は、垂直方向に偏向させるものでも良い。
平行化装置170は、荷電粒子であるイオンBが磁場中で偏向される性質を利用して、イオンビームBを構成する各イオンの経路の違いによって、ビームの広がりを抑えて、ビームBを基板180に平行に入射させる電磁石である。
なお、図示は省略したが、高真空に保持されたチャンバーが、イオン源110から基板180まで配設され、イオンビームBは、このチャンバー内をイオン源110から基板180まで進行する。
以上の構成において、次に、従来のイオン注入装置100の基本動作を図11を用いて説明する。
従来のイオン注入装置100では、基板180のイオンBの注入全面に渡って、一様な密度で所定のイオン種を所定のエネルギーでイオン注入を行うために、イオン源110から、例えば、30keV程度のエネルギーで引き出されたイオンビームBは、質量分離器120で偏向され、質量分離スリット130で所定のイオン種のみが選別される。
選別されたイオンビームBは加速管140で、10〜500keV程度のエネルギーに加速又は減速され、上記した水平方向若しくは垂直方向にイオンビームBを走査する2対の電極を有する静電タイプの走査器160で、例えば1kHz程度の周期の外部電界を印加し、基板180の走査面に走査される。
なお、上記では、外部電界によりイオンビームBをスキャンする静電タイプの走査器160を取り上げたが、走査器160には静電タイプの代わりに磁気タイプのものが用いられる場合がある。
また、図11に示すように、イオンビームBの基板180上でのビームスポット形状を調整するために、加速管140と走査器160との間に四重極レンズ150等の調整装置を設置する場合が多い。
イオンBが固体中に入り込む深さは、イオンBのエネルギーで正確に制御できるので、例えば、イオン注入装置100の立ち上げ時等で、イオンビームBのドーズ量の分布をモニタリングすると、基板180の走査面にイオンビームBを走査することにより、所望のイオン種の均一なイオン注入処理が容易に行える。
次に、第2の従来のイオン注入装置のイオンビームの走査機構について簡単に説明する。
第2の従来のイオン注入装置の走査機構は、特許文献2の図3に示されているが、渦電流による磁場の減少を避けるために、積層構造からなる走査電磁石を設け、この走査電磁石に流す励磁電流を500Hz程度の高速で変調させることにより、イオンビームを走査していることに特徴を有している。
次に、第3の従来のイオン注入装置のイオンビームの走査機構について簡単に説明する。
第3の従来のイオン注入装置の走査機構は、特許文献3の図1に示されているが、ビームライン上に、イオンビームを中心軌道である基準軸に対して所定の面内で偏向させるための偏向電磁石を設け、イオンビームが通過するチャンバーのうちで偏向電磁石を設けている偏向チャンバー部分を電気的に独立させ、この偏向チャンバーの電位を変調することによりイオンビームを走査していることに特徴を備えている。
特開平8−213339号 特開平4−253149号 特開昭53−102677号 S.Ogata et al. Proceedings of Int. Conf. on Ion Implatation Technology, IEEE 98EX144(1999)403-
ところで、半導体デバイスの微細化に伴い、イオン注入装置に関して、基板に注入されるイオンの注入効率の関係からスループットの向上が求められてる。
また、イオン注入装置においてスループットを上げるためには、ビーム電流を増加することが必須である。
一方、ビーム電流を制限している大きな要因の一つは、空間電荷効果によるビームの発散である。
ここで、空間電荷について補足説明する。
イオンビームは、同じ電荷を持った粒子群が設計された走査方向に進行する一つの系である。
従って、イオンビームの中の各イオンにはそれぞれクーロン斥力が作用し、その正確な運動を定量的に解析するには、各粒子間の作用するクーロン力を考慮しなければならないが、イオンの数が膨大になると、それぞれのクーロン力を総て計算するのは不可能になる。
そこで、イオンビームを連続的に空間電荷が分布している系と考えれば、空間電荷により生じる電界を解析することによりイオンビームの運動を定量的に計算できるようになる。
一般に、静電場がない領域では、イオンビームは、イオンビーム自身の持つ正電位により、残留ガスとの衝突で発生した電子や、内壁との衝突から発生した二次電子がイオンビームの中に捕捉され、イオンビームの空間電荷が中和される。
しかし、静電場がある領域では、この空間電荷の中和が促されないため、空間電荷によるイオンビームの発散が顕著になる。
従って、第1の従来のイオン注入装置の平行平板型走査器の内部では、空間電荷効果によるイオンビームの発散が顕著であり、これによりイオンビーム電流が制限されてしまうというという問題がある。
また、第2の従来のイオン注入装置のように、イオンビームを電磁石で走査する場合は、走査器内部における空間電荷効果によるビームの発散は避けられるが、電磁石の電流を変調しているために、走査波形の細かい調整は困難であるという問題がある。
更に、第3の従来のイオン注入装置では、偏向電磁石を用いているため、空間電荷効果によるビームの発散は避けられ、また、走査波形の細かい調整は可能ではある。
しかし、以下のような問題を備えている。
第3の従来例のイオン注入装置の問題点について、数式を用いて説明する。
第3の従来例のイオン注入装置の走査機構の構造でのイオンビームの走査角は非特許文献1に記載されているように、次式(1)で表される。
Figure 0004468959
ここで、δθは走査機構の走査角、χは基準軸の偏向角、Vは変調電圧、φは入射するイオンビームの静電ポテンシャル、βは斜め入射角であり、変調電圧Vの絶対値がイオンビームの静電ポテンシャルφよりも十分に小さいと仮定している。
変調電圧Vは、20kV程度が上限であり、斜め出射角βも光学的特性から45°程度が上限である。
このため、静電ポテンシャルφが200kVの場合、走査角δθは3°程度が上限である。
このように、第3の従来のイオン注入装置では、大きな静電ポテンシャルφのイオンビームの場合、大きな走査角δθが得られないという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決し、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、細かな走査波形の制御が可能で、かつ、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも10°程度の大きな走査角を得ることが可能なイオンビームの走査機構を備えたイオン注入装置を提供することを目的とする。
また、イオンビームを基準軸に対する角度を一定に保ったまま、平行に走査する走査機構を備えたイオン注入装置を提供することも目的とする。
本発明のイオン注入装置は、請求項1に記載のものでは、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、前記第2のチャンバーは、前記第1のチャンバーに対しては第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては第2のギャップを介して配置され、前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第1又は第2の2つのギャップのうち、いずれか一方が前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って斜交すると共に、前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
請求項2に記載のイオン注入装置は、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1〜第n〜第N+2のチャンバーを配置し、前記第nのチャンバーは、前記第n−1のチャンバーに対しては第n−1のギャップを介して、また、前記第n+1のチャンバーに対しては第nのギャップを介して配置され、前記第nのチャンバーは、前記第n−1及び第nのギャップを介して、前記第n−1及び第n+1のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第n−1又は第nの2つのギャップのうち、いずれか一方が前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って斜交すると共に、前記第nのチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
但し、Nは自然数とし、nは、2からN+1まで、1ずつ変動する自然数とする。
請求項3に記載のイオン注入装置は、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、前記第2のチャンバーは、前記第1のチャンバーに対しては第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては第2のギャップを介して配置され、前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第1及び第2の2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って逆方向に斜交すると共に、前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
請求項4に記載のイオン注入装置は、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1〜第n〜第N+2のチャンバーを配置し、前記第nのチャンバーは、前記第n−1のチャンバーに対しては第n−1のギャップを介して、また、前記第n+1のチャンバーに対しては第nのギャップを介して配置され、前記第nのチャンバーは、前記第n−1及び第nのギャップを介して、前記第n−1及び第n+1のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第n−1及び第nの2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って逆方向に斜交すると共に、
前記第nのチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
但し、Nは自然数とし、nは、2からN+1まで、1ずつ変動する自然数とする。
請求項5に記載のイオン注入装置は、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、前記第2のチャンバーは、前記第1のチャンバーに対しては第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては第2のギャップを介して配置され、前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第1及び第2の2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って同方向に斜交すると共に、前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
請求項6に記載のイオン注入装置は、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1〜第n〜第N+2のチャンバーを配置し、前記第nのチャンバーは、前記第n−1のチャンバーに対しては第n−1のギャップを介して、また、前記第n+1のチャンバーに対しては第nのギャップを介して配置され、前記第nのチャンバーは、前記第n−1及び第nのギャップを介して、前記第n−1及び第n+1のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第n−1及び第nの2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って同方向に斜交すると共に、前記第nのチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
但し、Nは自然数とし、nは、2からN+1まで、1ずつ変動する自然数とする。
請求項7に記載のイオン注入装置は、前記第n+1のチャンバーに印加する電位の走査波形は、前記第nのチャンバーに印加する電位の走査波形とは、位相がπだけ異なる構成とした。
但し、この場合、Nは、2以上の自然数とする。
請求項8に記載のイオン注入装置は、前記チャンバー分割型のイオンビーム走査機構を構成する少なくとも一つのチャンバーに、前記イオンビームが走査される面に磁束が直交するように永久磁石を配置した構成とした。
請求項9に記載のイオン注入装置は、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、前記イオン注入装置のビームライン上に前記イオンビームを偏向するための偏向電磁石を配置し、この偏向電磁石近傍のビームライン上に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、前記第2のチャンバーは、前記偏向電磁石の磁極間隙に配置され、かつ、前記第1のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの入射口近傍に形成された第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの出射口近傍に形成された第2のギャップを介して配置され、前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記偏向電磁石の入射口近傍の前記第1のギャップは、前記イオンビームの基準軸に対して、前記偏向電磁石の偏向角とは逆方向に斜交し、かつ、前記偏向電磁石の出射口側近傍の前記第2のギャップは、前記イオンビームの基準軸に対して、前記偏向電磁石の偏向角と同方向に斜交し、前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
請求項10に記載のイオン注入装置は、イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、前記イオン注入装置のビームライン上に前記イオンビームを偏向するための偏向電磁石を配置し、この偏向電磁石近傍のビームライン上に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、前記第2のチャンバーは、前記偏向電磁石の磁極間隙に配置され、かつ、前記第1のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの入射口近傍に形成された第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの出射口近傍に形成された第2のギャップを介して配置され、前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記偏向電磁石の出射口近傍の前記第2のギャップは、前記イオンビームの基準軸に対して、前記偏向電磁石の偏向角とは逆方向に斜交し、前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えた構成とした。
請求項11に記載のイオン注入装置は、前記各ギャップを形成するチェンバーの各端面のそれぞれに、電極を取り付けるように構成した。
請求項12に記載のイオン注入装置は、前記各ギャップがイオンビームの基準軸と斜交する角度を45°程度とした。
本発明のイオン注入装置は、上述のように構成したために、以下のような優れた効果を有する。
(1)請求項1に記載したように構成すると、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、細かな走査波形の制御が可能で、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも大きな走査角を得ることが可能である。
(2)請求項2に記載したように構成すると、請求項1と同様の効果があるほかに、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも、請求項1よりもN倍大きな走査角を得ることが可能である。
(3)請求項3に記載したように構成すると、請求項1と同様の効果があるほかに、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも、請求項1よりも2倍大きな走査角を得ることが可能である。
(4)請求項4に記載したように構成すると、請求項3と同様の効果があるほかに、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも、請求項3よりもN倍大きな走査角を得ることが可能である。
(5)請求項5に記載したように構成すると、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、第2のチャンバーの電位を変調することにより、イオンビームの平行度を保ちながらある面内で走査することができる。
(6)請求項6に記載したように構成すると、請求項5と同様の効果があるほかに、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも、請求項5よりもN倍大きく基準軸より変位することが可能である。
(7)請求項7に記載したように構成すると、チャンバーを多数分割した場合、イオンビームの走査角を最大限に大きくすることが可能になる。
(8)請求項8に記載したように構成すると、チャンバーの内部から電子が流失するのを防ぎ、チャンバー内でのイオンビームの空間電荷効果による発散を抑えることができる。
(9)請求項9に記載したように構成すると、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、細かな走査波形の制御が可能で、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも3倍程度の大きな走査角を得ることが可能である。
(10)請求項10に記載したように構成すると、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、細かな走査波形の制御が可能で、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも基準軸に平行で、かつ、基準軸から離れて出射させることが可能になる。
(11)請求項11に記載したように構成すると、チャンバー間のギャップで、安定した電場を形成できる。
(12)請求項12に記載したように構成すると、イオンビームの走査角度を最大限引き出すのに有効である。
以下、本発明のイオン注入装置の第1及び第2の基本原理と、第1乃至第7の各実施の形態について、図1乃至図10を用い、図11を参照して、順次、説明する。
先ず、本発明のイオン注入装置の各実施の形態の説明の前に、各実施の形態に共通する本発明の基本的な第1、第2の原理を図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の基本原理を説明するため、チャンバー分割型のイオンビーム走査機構の構成を示す平面図である。
図2は、本発明の第2の基本原理を説明するため、チャンバー分割型のイオンビーム走査機構の構成を示す平面図である。
なお、後述する第1乃至第7の各実施の形態のイオン注入装置の構成は、図11に示すイオン注入装置100において、走査器160の代わりにチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えるようにしたものであり、それ以外の構成は同一のものであるので、以下、チャンバー分割型のイオンビーム走査機構を中心に説明し、それ以外の構成については改めて説明しない。
先ず、本発明のイオンビーム走査機構の第1の原理について図1を用いて説明する。
図1には、本発明の第1の基本原理を説明するためのイオンビーム走査機構10Aの全体構成が示されている。
このイオンビーム走査機構10Aの基本構成は、先ず、イオン注入装置において、イオンビームBを通過させるチャンバーの所望の箇所に第1、第2、第3のチャンバー12A、14A、16Aを配置し、第2のチャンバー14Aは、第1のチャンバー12Aに対しては第1のギャップ20Aを介して、また、第3のチャンバー16Aに対しては第2のギャップ22Aを介して配置される。
次に、第2のチャンバー14Aは、第1及び第2のギャップ20A、22Aを形成する各チャンバー12A、14A、16Aの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26A、28Aを介して、第1のチャンバー12A及び第3のチャンバー16Aに対して電気的に絶縁されている。
ここで、第1の電極対26Aは、第1のチャンバー12Aの端面に取り付けられた電極30Aと、これに第1のギャップ20Aを介して対向し、第2のチャンバー14Aの端面に取り付けられた電極32Aから構成される。
同様に、第2の電極対28Aは、第2のチャンバー14Aの端面に取り付けられた電極34Aと、これに第2のギャップ22Aを介して対向し、第3のチャンバー16Aの端面に取り付けられた電極36Aから構成される。
なお、後述するように、各電極30A、32A、34A、36Aは、イオンビームBが通過できる矩形の開口を有している(図3参照)。
また、第1及び第2の2つギャップ20A、22Aに取り付けられた2対の電極対26A、28Aは、イオンビームBの基準軸Jに所定の角度を持って逆方向に斜交する。
ここで、イオンビームBの基準軸Jとは、イオンビームBが進行する中心軌道であり、基板180の中心に注入されるように設計された設計軌道である。
また、逆方向に斜交するとは、図1に示すように、第1及び第2の2つの電極対26A、28Aが基準軸Jと為す角で、鈍角と鋭角の位置関係が逆方向であることを意味するものとする。
また、図1に示すように、第1、第3のチャンバー12A、16Aは、接地電位とし、第2のチャンバー14Aには、電源40Aにより所定の電位が印加されている。
以上の構成で、本発明のイオン注入装置に用いられるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Aの基本原理を説明する。
図1に示すように、チャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Aでは、基準軸Jに対して、逆方向に斜交する2対の電極対26A、28Aを介して電位の異なるチャンバー12A、14A、16Aが配置されている。
ここで、基準軸Jに沿って入射するイオンビームBの静電ポテンシャルをφ、第1及び第3のチャンバー12A、16Aが接地電位、第2のチャンバー14Aの電位を−V、第1の電極対26Aが基準軸Jとなす角度をθ+π/2とする。
この場合、電極30A、32A間での電場は、基準軸Jに対して角度θを持っているため、ここを通過するイオンBは基準軸Jに対して斜めの力積を受ける。
この結果、ここを通過するイオンビームBの偏向角δθは、第2のチャンバー14Aの電位Vの絶対値が、イオンビームBの静電ポテンシャルφより十分に小さければ、次式(2)で表される。
Figure 0004468959
同様に、第2の電極対28Aが、基準軸Jと為す角をπ/2−θとすると、電極34A、36A間での電場は、基準軸Jに対して角度π−θを持っているため、ここを通過するイオンBは再び基準軸Jに対して斜めの力積を受ける。
この結果、第2の電極対28Aを通過するイオンビームBは、更に、δθだけ偏向される。
第1、第3のチャンバー12A、16Aは接地電位であるため、2対の電極対26A、28Aを通過した後のイオンビームBは、静電ポテンシャルは入射前と同じくφであるが、基準軸Jとなす角は、2δθとなっている。
例えば、静電ポテンシャルφ=200kV、印加電圧V=20kV、基準軸Jと為す角度θ=45°とすると、偏向角は5.5°となる。
また、このイオンビーム走査機構10Aでは、イオンビームBが通過する際に、静電場が存在するのは第1の電極対26Aの電極30A、32A間、及び、第2の電極対28Aの電極34A、36A間だけであり、空間電荷効果によるビームBの発散は極めて小さい。
従って、本発明の第1の基本原理を備えたチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Aは、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも大きな走査角を得ることが可能である。
次に、本発明のイオンビーム走査機構の第2の原理について図2を用いて説明する。
図2には、本発明の第2の基本原理を説明するためのイオンビーム走査機構10Bの全体構成が示されている。
このイオンビーム走査機構10Bの基本構成は、上記第1の基本原理での説明で示したものと同様に、イオンビームBを通過させるチャンバーの所望の箇所に第1、第2、第3のチャンバー12B、14B、16Bを配置し、第2のチャンバー14Bは、第1のチャンバー12Bに対しては第1のギャップ20Bを介して、また、第3のチャンバー16Bに対しては第2のギャップ22Bを介して配置される。
次に、第2のチャンバー14Bは、第1及び第2のギャップ20B、22Bを形成する各チャンバー12B、14B、16Bの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26B、28Bを介して、第1のチャンバー12B及び第3のチャンバー16Bに対して電気的に絶縁されている。
ここで、第1の電極対26Bは、電極30B、32B、第2の電極対28Bは、電極34B、36Bから構成される。
また、第1及び第2の2つのギャップ20B、22Bに取り付けられた2対の電極対26B、28Bは、イオンビームBの基準軸Jに所定の角度を持って同方向に斜交する。
ここで、同方向に斜交するとは、図2に示すように、第1及び第2の2つの電極対26B、28Bが、基準軸Jと為す鈍角及び鋭角の位置関係が同方向であることを意味するものとする。
また、図2に示すように、第1、第3のチャンバー12B、16Bは、接地電位とし、第2のチャンバー14Bには、電源40Bにより所定の電位が印加されている。
この構成のものは、図2に示すように、第1、第2の電極対26B、28Bが、同じ角度π/2+θで、それぞれ平行に基準軸Jに斜交し、第1の電極対26Bから第2の電極対28Bまでの距離をLとすると、この領域を通過した後のイオンビームBは、基準軸Jと平行で、かつL×δθだけ基準軸Jから移動している。
従って、このような第2の基本原理で示したイオンビームの走査機構10Bでは、第2のチャンバー14Bの電位を変調することにより、イオンビームBの平行度を保ちながらある面内で走査することもできる。
第1の実施の形態
次に、本発明のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の第1の実施の形態について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Cの構成を示す外観斜視図である。
また、図4は、本発明の第1の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Cの基本構成及び基本動作を説明する平面図である。
なお、以下、第1乃至第6の実施の形態の説明では、イオンビームの基準軸のみを図示し、実際のイオンビームの軌道の図示は省略している。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Cの基本構成は、図3及び図4に示すように、イオンビームを通過させるチャンバーの所望の箇所に第1、第2、第3のチャンバー12C、14C、16Cを配置し、第2のチャンバー14Cは、第1のチャンバー12Cに対しては第1のギャップ20Cを介して、また、第3のチャンバー16Cに対しては第2のギャップ22Cを介して配置される。
次に、第2のチャンバー14Cは、第1及び第2のギャップ20C、22Cを形成する各チャンバー12C、14C、16Cの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26C、28Cを介して、第1のチャンバー12C及び第3のチャンバー16Cに対して電気的に絶縁されている。
ここで、第1の電極対26Cは、電極30C、32C、第2の電極対28Cは、電極34C、36Cから構成される。
なお、図3に示すように、各電極30C、32C、34C、36Cは、イオンビームが通過できる矩形の開口を有しており、以下、各実施の形態では同様であるので、特に、コメントはしない。
また、第1又は第2の2つのギャップ20C、22Cに取り付けられた2対の電極対26C、28Cのいずれか一方は、イオンビームの基準軸Jに所定の角度π/2+θを持って斜交する。
なお、図3及び図4には、第1の電極対26Cが、基準軸Jに対して斜交しているものが示されている。
また、第1、第3のチャンバー12C、16Cは、接地電位とし、第2のチャンバー14Cには、所望の走査波形の電位を印加する走査電源40Cが接続されている。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Cでは、第1の電極対26Cは、基準軸Jに対してπ/2+θの角度を持たせているので、走査電源40Cで、第2のチャンバー14Cに所望の三角波の電位を印加することにより、イオンビームは基準軸Jに対して電位に比例した角度で走査される。
従って、本発明の第1の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Cは、空間電荷効果によるイオンビームの発散を抑え、また、細かな走査波形の制御が可能で、大きな静電ポテンシャルのイオンビームでも大きな走査角を得ることが可能である。
第2の実施の形態
次に、本発明のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の第2の実施の形態について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Dの構成を示す平面図である。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Dの基本構成は、図5に示すように、イオンビームを通過させるチャンバーの所望の箇所に第1、第2、第3のチャンバー12D、14D、16Dを配置し、第2のチャンバー14Dは、第1のチャンバー12Dに対しては第1のギャップ20Dを介して、また、第3のチャンバー16Dに対しては第2のギャップ22Dを介して配置される。
次に、第2のチャンバー14Dは、第1及び第2のギャップ20D、22Dを形成する各チャンバー12D、14D、16Dの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26B、28Dを介して、第1のチャンバー12D及び第3のチャンバー16Dに対して電気的に絶縁されている。
ここで、第1の電極対26Dは、電極30D、32D、第2の電極対28Dは、電極34D、36Dから構成される。
また、第1及び第2の2つのギャップ20D、22Dに取り付けられた2対の電極対26D、28Dは、イオンビームの基準軸Jに所定の角度を持って逆方向に斜交する。
また、第1、第3のチャンバー12D、16Dは、接地電位とし、第2のチャンバー14Dには、所望の走査波形の電位を印加する走査電源40Dが接続されている。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Dでは、第1の電極対26Dが基準軸Jとなす角度をπ/2+θ、第2の電極対28Dが基準軸Jとなす角度をπ/2−θとし、電気的に絶縁された第2のチャンバー14Dの電位を走査電源40Dにより与えることにより、イオンビームは、上述した第1の実施の形態のイオンビーム走査機構10Cの2倍の角度で走査される。
即ち、本実施の形態によれば、第1の実施の形態のものと同様の効果があるほかに、イオンビームの走査角度を更に増大することができる。
第3の実施の形態
次に、本発明のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の第3の実施の形態について、図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第3の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Eの基本構成及び基本動作を説明する平面図である。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Eの基本構成は、図6に示すように、イオンビームBを通過させるチャンバーの所望の箇所に第1、第2、第3、第4のチャンバー12E、14E、16E、18Eを配置し、第2のチャンバー14Eは、第1のチャンバー12Eに対しては第1のギャップ20Eを介して、また、第3のチャンバー16Eに対しては第2のギャップ22Eを介して配置される。
また、第3のチャンバー16Eは、第2のチャンバー14Eに対しては第2のギャップ22Eを介して、また、第4のチャンバー18Eに対しては第3のギャップ24Eを介して配置される。
次に、第2のチャンバー14Eは、第1及び第2のギャップ20E、22Eを形成する各チャンバー12E、14E、16Eの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26E、28Eを介して、第1のチャンバー12E及び第3のチャンバー16Eに対して電気的に絶縁されている。
また、第3のチャンバー16Eは、第2及び第3のギャップ22E、24Eを形成する各チャンバー14E、16E、18Eの端面にそれぞれ取り付けられた第2、第3の2対の電極対28E、29Eを介して、第2のチャンバー14E及び第4のチャンバー18Eに対して電気的に絶縁されている。
ここで、第1の電極対26Eは、電極30E、32E、第2の電極対28Eは、電極34E、36E、第3の電極対29Eは、電極37E、38Eから構成される。
また、第1乃至第3の3つのギャップ20E、22E、24Eに取り付けられた3対の電極対26E、28E、29Eは、イオンビームの基準軸Jに所定の角度を持ってそれぞれ逆方向に斜交する。
また、第1、第4のチャンバー12E、18Eは、接地電位とし、第2、第3のチャンバー14E、16Eには、所望の走査波形の電位を印加する走査電源40E、42Eがそれぞれ接続されている。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Eでは、第1の電極対26Eが基準軸Jとなす角度をπ/2+θ、第2の電極対28Eが基準軸Jとなす角度をπ/2−θ、第3の電極対29Eが基準軸Jとなす角度をπ/2+θとする。
電気的に絶縁された第2、第3のチャンバー14E、16Eの電位はそれぞれ走査電源40E、42Eにより与えるが、このとき、走査電源40E、42Eに位相がπだけ異なる走査波形の三角波を印加することにより、イオンビームは、上述した第2の実施の形態のイオンビーム走査機構10Dの2倍の角度で走査される。
同様の手法により、更に、走査電源により、電位を変調されるチャンバーを3台以上並べても良い。
この場合、奇数番目のチャンバーと偶数番目のチャンバーには、それぞれ位相がπだけ異なる三角波を印加することが望ましい。
電位を変調されるチャンバーがN個とすると、イオンビームは第2の実施の形態のイオンビーム走査機構10DのN倍の角度で走査される。
第4の実施の形態
次に、本発明のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の第4の実施の形態について、図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第4の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Fの構成を示す平面図である。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Fの基本構成は、図7に示すように、イオンビームを通過させるチャンバーの所望の箇所に第1、第2、第3のチャンバー12F、14F、16Fを配置し、第2のチャンバー14Fは、第1のチャンバー12Fに対しては第1のギャップ20Fを介して、また、第3のチャンバー16Fに対しては第2のギャップ22Fを介して配置される。
次に、第2のチャンバー14Fは、第1及び第2のギャップ20F、22Fを形成する各チャンバー12F、14F、16Fの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26F、28Fを介して、第1のチャンバー12F及び第3のチャンバー16Fに対して電気的に絶縁されている。
ここで、第1の電極対26Fは、電極30F、32F、第2の電極対28Fは、電極34F、36Fから構成される。
また、第1及び第2の2つのギャップ20F、22Fに取り付けられた2対の電極対26F、28Fは、イオンビームの基準軸Jに所定の角度π/2+θを持って同方向に斜交する。
また、第1、第3のチャンバー12F、16Fは、接地電位とし、第2のチャンバー14Fには、所望の走査波形の電位を印加する走査電源40Fが接続されている。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Fでは、第1及び第2の電極対26F、28Fが基準軸Jとなす角度をπ/2+θと平行とし、第2のチャンバー14Fに走査電源40Fで所望の走査波形の三角波を印加することにより、図2に示した第2の基本原理により、イオンビームが基準軸Jとなす角度を一定に保ったまま、基準軸Jから変移して走査される。
第5の実施の形態
次に、本発明のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の第5の実施の形態について、図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第5の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10の構成を示す縦断側面図である。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10の基本構成は、図8に示すように、上記第1乃至第4のイオンビーム走査機構10C〜Fにおいて、このイオンビーム走査機構10C〜Fを構成する各チャンバー12、14、16のギャップ20、22の近傍に、磁束がイオンビームBの走査される面に直交するように、永久磁石50を設置して構成される。
この磁場により、各チャンバー12、14、16の内部から電子が流失するのを防ぎ、各チャンバー12、14、16内でのイオンビームの空間電荷効果による発散を抑えることができる。
なお、イオンビームもこの永久磁石50が作る磁場により若干偏向されるので、永久磁石50の向きが、図8に示したように、NS極を交互に偶数対配置するのが望ましい。
第6の実施の形態
次に、本発明のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の第6の実施の形態について、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の第6の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Gの構成を示す平面図である。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Gの基本構成は、図9に示すように、イオン注入装置のビームライン上にイオンビームを偏向するための偏向電磁石60を配置し、この偏向電磁石60近傍に、上流から順に、イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバー12G、14G、16Gが配置される。
第2のチャンバー14Gは、偏向電磁石60の磁極間隙に配置され、この第2のチャンバー14Gは、第1のチャンバー12Gに対しては、偏向電磁石60の入射側近傍に形成された第1のギャップ20Gを介して、また、第3のチャンバー16Gに対しては、偏向電磁石60の出射側近傍に形成された第2のギャップ22Gを介して配置される。
また、第2のチャンバー14Gは、第1及び第2のギャップ20G、22Gを形成する各チャンバー12G、14G、16Gの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26G、28Gを介して、第1及び第3のチャンバー12G、16Gに対して電気的に絶縁される。
ここで、第1の電極対26Gは、電極30G、32G、第2の電極対28Gは、電極34G、36Gから構成される。
また、偏向電磁石60の入射口近傍の第1のギャップ20Gに取り付けられた第1の電極対26Gは、イオンビームの基準軸Jに対して、偏向電磁石60の偏向角χとは所定の角度π/2+θで持って逆方向に斜交する。
更に、偏向電磁石60の出射口近傍の第2のギャップ22Gに取り付けられた第2の電極対28Gは、イオンビームの基準軸Jに対して、偏向電磁石60の偏向角χとは所定の角度π/2−θで持って同方向に斜交する。
ここで、図9の矢印で示すように、偏向角χの向きを負の向きとした場合に、同じくθが正の向きにすれば、第1の電極対26Gは偏向角χと逆方向に斜交し、第2の電極対28Gは偏向角χと同方向に斜交することになる。
また、第2のチャンバー14Gには、所望の走査波形の電位を印加する走査電源40Gが接続されてている。
以上の構成で、第2のチャンバー14Gに、走査電源40Gで所望の走査波形の三角波を印加することにより、イオンビームが偏向面内で走査される。
偏向電磁石60の斜め出射角を、図9に示すようにβとすると、イオンビームの偏向角δθは次式(3)で与えられる。
Figure 0004468959
式(1)と比較して明らかなように、第1、第2の電極対26G、28Gの斜交角度θを45°程度にした場合、従来の構造に比べて、走査電圧Vと入射するイオンの静電ポテンシャルφとの比が同じでも、イオンビームの偏向角δθを約3倍とすることが可能であることが分かる。
第7の実施の形態
次に、本発明のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の第7の実施の形態について、図10を用いて説明する。
図10は、本発明の第7の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構10Hの構成を示す平面図である。
本実施の形態のイオンビーム走査機構10Hの基本構成は、図10に示すように、イオン注入装置のビームライン上にイオンビームBを偏向するための偏向電磁石60を配置し、この偏向電磁石60近傍に、上流から順に、イオンビームBを通過させる第1、第2、第3のチャンバー12H、14H、16Hを配置する。
第2のチャンバー14Hは、偏向電磁石60の磁極間隙に配置され、この第2のチャンバー14Hは、第1のチャンバー12Hに対しては、偏向電磁石60のイオンビームBの入射口近傍に形成された第1のギャップ20Hを介して、また、第3のチャンバー16Hに対しては、偏向電磁石60のイオンビームBの出射口近傍に形成された第2のギャップ22Hを介して配置される。
また、第2のチャンバー14Hは、第1及び第2のギャップ20H、22Hを形成する各チャンバー12H、14H、16Hの端面にそれぞれ取り付けられた第1、第2の2対の電極対26H、28Hを介して、第1及び第3のチャンバー12H、16Hに対して電気的に絶縁される。
ここで、第1の電極対26Hは、電極30H、32H、第2の電極対28Hは、電極34H、36Hから構成される。
また、偏向電磁石60の出射口近傍の第2のギャップ22Gに取り付けられた第2の電極対28Gは、イオンビームBの基準軸Jに対して、偏向電磁石60の偏向角χとは所定の角度π/2−θで持って逆方向に斜交する。
また、第2のチャンバー14Hには、所望の走査波形の電位を印加する走査電源40Hが接続されてている。
図10に示すように、偏向電磁石60の内部におけるイオンビームBの基準軸Jの旋回半径をRとする。
なお、図10では、偏向電磁石60の偏向角χ、並びに、第2の電極対28Hの傾斜角θが負の場合を示している。
また、偏向電磁石60の斜め出射角を、図9と同様に、βとし、簡単のため、石60の入り口側の第1の電極対26Hは、基準軸Jに対して直交しているとする。
このとき、偏向電磁石60の出射口側の第2の電極対28Hを通過した後のイオンビームBの偏向角δθは次式(4)で、基準軸JからのずれXは、式(5)で与えられる。
Figure 0004468959
Figure 0004468959
ここで、式(4)のカギ括弧内の中がゼロとなるように偏向電磁石60の斜め出射角β、偏向電磁石60の偏向角度χ、第2の電極28Hの傾斜角度θを選べば、偏向電磁石60の出射口側の第2の電極対28Hを通過した後のイオンビームBは、図10の軌道に示すように、走査電圧Vに依存せずに、基準軸Jに平行で、かつ、走査電圧Vに比例した距離で、基準軸Jから離れて出射する。
例えば、偏向角度χ=90°、傾斜角度θ=45°、斜め出射角β=0°とすると、上記の条件は満たされる。
本発明のイオン注入装置の走査器は、上記各実施の形態には限定されず、種々の変更が可能である。
先ず、上記実施の形態としては、主として、チャンバーを3配置したもので説明したが、一般に、多数配置し、走査電源を接続したチャンバーを多数段配置したものも本願発明に含まれるのは勿論のことである。
また、上記各実施の形態では、チャンバーのギャップ端面に電極を取り付けた例で説明したが、チャンバーに電極を取り付けないものも本発明に含まれる。
更に、図11に示した構成のイオン注入装置の例で説明したが、イオンビームを走査して基板にイオンを注入する装置全般に本発明が適用できのはいうまでもない。
本発明の第1の基本原理を説明するため、チャンバー分割型のイオンビーム走査機構の構成を示す平面図である。 本発明の第2の基本原理を説明するため、チャンバー分割型のイオンビーム走査機構の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の構成を示す外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の基本構成及び基本動作を説明する平面図である。 本発明の第2の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の基本構成及び基本動作を説明する平面図である。 本発明の第3の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の基本構成及び基本動作を説明する平面図である。 本発明の第4の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の基本構成及び基本動作を説明する平面図である。 本発明の第5の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の基本構成及び基本動作を説明する平面図である。 本発明の第6の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の基本構成及び基本動作を説明する平面図である。 本発明の第7の実施の形態のイオン注入装置に用いるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構の基本構成及び基本動作を説明する平面図である。 従来のイオン注入装置の概略構成を示す平面図である。
符号の説明
10、10A〜10H:イオンビーム走査機構
12、12A〜12H:第1のチャンバー
14、14A〜14H:第2のチャンバー
16、16A〜16H:第3のチャンバー
18E:第4のチャンバー
20A〜20H:第1のギャップ
22A〜22H:第2のギャップ
24E:第3のギャップ
26A〜26H:第1の電極対
28A〜28H:第2の電極対
29E:第3の電極対
30A〜30H:電極
32A〜32H:電極
34A〜34H:電極
36A〜36H:電極
37E、38E:電極
100:イオン注入装置
B:イオンビーム
J:基準軸

Claims (12)

  1. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、
    前記第2のチャンバーは、前記第1のチャンバーに対しては第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては第2のギャップを介して配置され、
    前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第1又は第2の2つのギャップのうち、いずれか一方が前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って斜交すると共に、
    前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
  2. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1〜第n〜第N+2のチャンバーを配置し、
    前記第nのチャンバーは、前記第n−1のチャンバーに対しては第n−1のギャップを介して、また、前記第n+1のチャンバーに対しては第nのギャップを介して配置され、
    前記第nのチャンバーは、前記第n−1及び第nのギャップを介して、前記第n−1及び第n+1のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第n−1又は第nの2つのギャップのうち、いずれか一方が前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って斜交すると共に、
    前記第nのチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
    但し、Nは自然数とし、nは、2からN+1まで、1ずつ変動する自然数とする。
  3. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、
    前記第2のチャンバーは、前記第1のチャンバーに対しては第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては第2のギャップを介して配置され、
    前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第1及び第2の2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って逆方向に斜交すると共に、
    前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
  4. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1〜第n〜第N+2のチャンバーを配置し、
    前記第nのチャンバーは、前記第n−1のチャンバーに対しては第n−1のギャップを介して、また、前記第n+1のチャンバーに対しては第nのギャップを介して配置され、
    前記第nのチャンバーは、前記第n−1及び第nのギャップを介して、前記第n−1及び第n+1のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第n−1及び第nの2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って逆方向に斜交すると共に、
    前記第nのチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
    但し、Nは自然数とし、nは、2からN+1まで、1ずつ変動する自然数とする。
  5. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、
    前記第2のチャンバーは、前記第1のチャンバーに対しては第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては第2のギャップを介して配置され、
    前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第1及び第2の2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って同方向に斜交すると共に、
    前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
  6. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    このイオン注入装置のビームライン上の所定箇所に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1〜第n〜第N+2のチャンバーを配置し、
    前記第nのチャンバーは、前記第n−1のチャンバーに対しては第n−1のギャップを介して、また、前記第n+1のチャンバーに対しては第nのギャップを介して配置され、
    前記第nのチャンバーは、前記第n−1及び第nのギャップを介して、前記第n−1及び第n+1のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記第n−1及び第nの2つのギャップは、前記イオンビームの基準軸に所定の角度を持って同方向に斜交すると共に、
    前記第nのチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
    但し、Nは自然数とし、nは、2からN+1まで、1ずつ変動する自然数とする。
  7. 前記第n+1のチャンバーに印加する電位の走査波形は、前記第nのチャンバーに印加する電位の走査波形とは、位相がπだけ異なることを特徴とする請求項2又は4に記載のイオン注入装置。
    但し、この場合、請求項2又は4に記載のNは、2以上の自然数とする。
  8. 前記チャンバー分割型のイオンビーム走査機構を構成する少なくとも一つのチャンバーに、前記イオンビームが走査される面に磁束が直交するように永久磁石を配置したことを特徴とする1乃至7のいずれかに記載のイオン注入装置。
  9. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    前記イオン注入装置のビームライン上に前記イオンビームを偏向するための偏向電磁石を配置し、
    この偏向電磁石近傍のビームライン上に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、
    前記第2のチャンバーは、前記偏向電磁石の磁極間隙に配置され、かつ、前記第1のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの入射口近傍に形成された第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの出射口近傍に形成された第2のギャップを介して配置され、
    前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記偏向電磁石の入射口近傍の前記第1のギャップは、前記イオンビームの基準軸に対して、前記偏向電磁石の偏向角とは逆方向に斜交し、かつ、前記偏向電磁石の出射口側近傍の前記第2のギャップは、前記イオンビームの基準軸に対して、前記偏向電磁石の偏向角と同方向に斜交し、
    前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
  10. イオンを生成するイオン源から所望のイオン種を引き出し、所望のエネルギーに加速又は減速し、基板の注入面にイオンビームを走査して注入するイオン注入装置において、
    前記イオン注入装置のビームライン上に前記イオンビームを偏向するための偏向電磁石を配置し、
    この偏向電磁石近傍のビームライン上に、上流より順に、前記イオンビームを通過させる第1、第2、第3のチャンバーを配置し、
    前記第2のチャンバーは、前記偏向電磁石の磁極間隙に配置され、かつ、前記第1のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの入射口近傍に形成された第1のギャップを介して、また、前記第3のチャンバーに対しては前記偏向電磁石の前記イオンビームの出射口近傍に形成された第2のギャップを介して配置され、
    前記第2のチャンバーは、前記第1及び第2のギャップを介して、前記第1及び第3のチャンバーに対して電気的に絶縁され、かつ、前記偏向電磁石の出射口近傍の前記第2のギャップは、前記イオンビームの基準軸に対して、前記偏向電磁石の偏向角とは逆方向に斜交し、
    前記第2のチャンバーには所望の走査波形の電位を印加する走査電源が接続されてなるチャンバー分割型のイオンビーム走査機構を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
  11. 前記各ギャップを形成するチェンバーの各端面のそれぞれに、電極を取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のイオン注入装置。
  12. 前記各ギャップがイオンビームの基準軸と斜交する角度を45°程度としたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のイオン注入装置。
JP2006545022A 2004-11-19 2005-11-14 イオン注入装置 Active JP4468959B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004335845 2004-11-19
JP2004335845 2004-11-19
PCT/JP2005/020872 WO2006054528A1 (ja) 2004-11-19 2005-11-14 イオン注入装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006054528A1 JPWO2006054528A1 (ja) 2008-05-29
JP4468959B2 true JP4468959B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=36407071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006545022A Active JP4468959B2 (ja) 2004-11-19 2005-11-14 イオン注入装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7511288B2 (ja)
JP (1) JP4468959B2 (ja)
KR (1) KR100848959B1 (ja)
CN (1) CN100589225C (ja)
WO (1) WO2006054528A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101375480B1 (ko) * 2012-04-03 2014-03-18 닛신 이온기기 가부시기가이샤 리본 형상의 이온 빔을 위한 이온 빔 편향 마그넷 및 이온 빔 조사 장치

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4305489B2 (ja) 2006-10-11 2009-07-29 日新イオン機器株式会社 イオン注入装置
JP4240109B2 (ja) 2006-10-31 2009-03-18 日新イオン機器株式会社 イオン注入装置
US8951487B2 (en) 2010-10-25 2015-02-10 ADA-ES, Inc. Hot-side method and system
US8496894B2 (en) 2010-02-04 2013-07-30 ADA-ES, Inc. Method and system for controlling mercury emissions from coal-fired thermal processes
US8845986B2 (en) 2011-05-13 2014-09-30 ADA-ES, Inc. Process to reduce emissions of nitrogen oxides and mercury from coal-fired boilers
US8883099B2 (en) 2012-04-11 2014-11-11 ADA-ES, Inc. Control of wet scrubber oxidation inhibitor and byproduct recovery
US9957454B2 (en) 2012-08-10 2018-05-01 ADA-ES, Inc. Method and additive for controlling nitrogen oxide emissions
KR20180065072A (ko) 2016-12-06 2018-06-18 삼성전자주식회사 이온 빔 추출을 위한 슬릿 구조체를 포함하는 이온 빔 장비, 및 이를 이용한 식각 방법 및 자기기억소자의 제조방법

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53102677A (en) 1977-02-18 1978-09-07 Hitachi Ltd Ion beam radiating unit
JPH088084B2 (ja) 1987-04-30 1996-01-29 松下電器産業株式会社 イオンビ−ム蒸着装置
NL9000822A (nl) 1990-04-09 1991-11-01 Philips Nv Werkwijze voor bestraling van een object met een geladen deeltjesbundel en inrichting voor uitvoering van de werkwijze.
US5343047A (en) * 1992-06-27 1994-08-30 Tokyo Electron Limited Ion implantation system
JPH08212965A (ja) * 1995-01-31 1996-08-20 Ulvac Japan Ltd イオン注入装置
US5656092A (en) * 1995-12-18 1997-08-12 Eaton Corporation Apparatus for capturing and removing contaminant particles from an interior region of an ion implanter
JP4103016B2 (ja) * 1998-05-21 2008-06-18 株式会社 Sen−Shi・アクセリス カンパニー 傾斜ディセル装置とそのイオンビームの形成方法
US5998798A (en) * 1998-06-11 1999-12-07 Eaton Corporation Ion dosage measurement apparatus for an ion beam implanter and method
US6441382B1 (en) * 1999-05-21 2002-08-27 Axcelis Technologies, Inc. Deceleration electrode configuration for ultra-low energy ion implanter
JP3727047B2 (ja) * 1999-07-30 2005-12-14 住友イートンノバ株式会社 イオン注入装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101375480B1 (ko) * 2012-04-03 2014-03-18 닛신 이온기기 가부시기가이샤 리본 형상의 이온 빔을 위한 이온 빔 편향 마그넷 및 이온 빔 조사 장치

Also Published As

Publication number Publication date
US20080054192A1 (en) 2008-03-06
WO2006054528A1 (ja) 2006-05-26
KR20070038032A (ko) 2007-04-09
KR100848959B1 (ko) 2008-07-29
CN100589225C (zh) 2010-02-10
US7511288B2 (en) 2009-03-31
JPWO2006054528A1 (ja) 2008-05-29
CN1961400A (zh) 2007-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4468959B2 (ja) イオン注入装置
TWI391976B (zh) 射束偏轉方法、掃描用的射束偏轉器、離子注入方法、和離子注入系統
JP3713683B2 (ja) イオンビームの質量分離フィルタとその質量分離方法及びこれを使用するイオン源
JP5085887B2 (ja) ビーム処理装置及びビーム処理方法
US4367411A (en) Unitary electromagnet for double deflection scanning of charged particle beam
KR20080094603A (ko) 빔처리장치
JPH07101602B2 (ja) 入射角を一定にして高電流イオンビ−ムを走査する装置
GB2274197A (en) Time-of-flight mass spectrometer
KR101423772B1 (ko) 이온주입장치 및 이에 이용되는 이온빔의 수렴 및 정형방법
US10192727B2 (en) Electrodynamic mass analysis
Smith et al. First tests of the TITAN digital RFQ beam cooler and buncher
JP5004318B2 (ja) イオン注入装置
CN101192499B (zh) 离子注入装置
US20070252089A1 (en) Charged particle acceleration apparatus and method
US11574796B1 (en) Dual XY variable aperture in an ion implantation system
JP4716399B2 (ja) イオン注入装置の静電偏向器
JP6532611B2 (ja) 円形加速器
JP3067784B2 (ja) 静電加速器
US10842012B2 (en) Methods and systems for plasma self-compression
JPH0514400B2 (ja)
JP3087139B2 (ja) 質量分析器
JP2007080691A (ja) 偏向電磁石およびイオンビーム照射装置
Wang et al. Beam aberration considerations and simulations for the Cluster Klystron
JPS62276738A (ja) イオンビ−ム装置
KR20210116849A (ko) 전자현미경의 이차전자와 후방산란전자 분리검출 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061215

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20070403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3