JP4467812B2 - 包装袋及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2以上の内容物を分別収納する包装袋及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、内容物が固体(含む軟体)、顆粒、粉体、粘体等を分別収納する包装袋及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、使用時までは別々にしておき、使用時に初めて混ぜる、あるいは、一体化する方が望ましい、ないし、そのようにする必要性のある内容物、たとえば、蕨餅と該蕨餅につける黄粉や砂糖は、通常、食する時まで別々の包装袋や容器に入れられ、これらをセットにした状態で販売されている。そして、食する直前に包装袋や容器から蕨餅を取り出すと共に、該蕨餅に別袋に収納された黄粉や砂糖をつけて食するように構成されている。このように食する直前まで蕨餅と黄粉や砂糖が分離されているのは、予め黄粉や砂糖を蕨餅に混ぜておくと、黄粉や砂糖が食する時点でべとべとした状態となり、食味が損なわれ、商品価値がなくなるためである。
【0003】
しかしながら、このように蕨餅と黄粉や砂糖が別々に包装されていると、食する時に、まず、黄粉と砂糖が収納された包装袋をそれぞれ開封して容器等に取り出して混ぜ合わせ、次に、この砂糖入り黄粉を蕨餅につけるなり、あるいは、この砂糖入り黄粉に蕨餅を塗すなりして食することになるが、この黄粉と砂糖を包装袋から取り出して混ぜ合わせる作業や蕨餅を砂糖入り黄粉に塗す作業は、結構手間のかかる作業であり、また、子供等は衣服を汚す可能性のある作業であり、もっと簡単な作業で、衣服を汚す可能性の少ない包装袋が要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用時までそれぞれの内容物が独立した状態で一つの包装袋に密封包装され、使用時には包装袋を開封することにより、容易にそれぞれの内容物を一体化させて混ぜ合わせることができる包装袋及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の包装袋の製造方法は、開口部を有する包装袋を前記開口部を上側にして、前記包装袋の両外側から前記開口部に対して直交する方向に設けた分割板を前記包装袋に押圧して前記包装袋内を2以上に分割し、この状態で2以上に分割された前記包装袋内に2以上の内容物を分別収納する分別収納工程と、2以上の内容物を分割板で分割した状態のままで分別収納した前記包装袋を真空にする真空工程と、真空にした包装袋の前記開口部を熱接着して密封する熱接着工程とからなることを特徴とするものである。また、請求項2記載の発明の包装袋の製造方法は、開口部を有する包装袋を前記開口部を上側にして、前記開口部から前記包装袋内に内容物を収納する工程と、その後に前記包装袋の両外側から前記内容物と前記開口部間に前記開口部に対して平行な方向に設けた分割板を前記包装袋に押圧して前記包装袋を上下方向に分割すると共に前記分割板で分割された上部包装袋内に内容物を収納する分別工程を1回以上行う分別収納工程と、2以上の内容物を分割板で分割した状態のままで分別収納した前記包装袋を真空にする真空工程と、真空にした包装袋の前記開口部を熱接着して密封する熱接着工程とからなることを特徴とするものである。このような製造方法を採ることにより、一つの包装袋に2以上の内容物をそれぞれ独立した状態で簡単に分別収納することができる。
【0006】
また、請求項3記載の発明の包装袋は、請求項1、2のいずれかに記載の包装袋の製造方法で製造されたことを特徴とするものである。このように構成することにより、2以上の内容物をそれぞれ独立した状態で一つの袋内に分別収納した包装袋とすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明の包装袋の一実施例を示す平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は本発明の包装袋の製造方法を説明する図、図4は図3のY−Y線断面図であり、図中の1,1’は包装袋、2は密着部、3は開封用切欠、10は熱接着部、20はチャック(Chuck)具、30は分割板、A,B,Cは内容物をそれぞれ示す。
【0008】
図1は本発明の包装袋の一実施例を示す平面図、図2は図1のX−X線断面図であって、包装袋1は、3種類の内容物A、B、Cを密着部2で分離して分別収納した四方シールタイプの包装袋であって、前記密着部2は3種類の内容物A、B、Cを後述する方法にて分別収納し、その後に包装袋内部を真空にして開口部を熱接着することにより包装袋1の内層同士を密に当接させることにより形成したものである。そして、包装袋1には、内容物の取り出しを容易なものとするための開封用切欠3が形成されている。
【0009】
包装袋1を構成する材料としては、熱接着により密封できる必要性から、少なくとも内層が熱接着性樹脂層で構成される。この熱接着性樹脂層を形成する材料としては、熱により溶融し相互に溶着し得る熱接着性樹脂から形成された層であればよく、包装袋に要求される物性により適宜選択して用いればよいのであって、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂で形成することができる。
【0010】
次に、包装袋1の外層を構成する材料としては、包装袋を構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができ、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリアセタール系等の樹脂を用いることができる。また、これらの樹脂を用いたフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向ないし二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができ、フィルムの厚さとしては基本素材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して決めればよい。また、この外層として使用する合成樹脂製フィルムは、通常、該合成樹脂製フィルムの内層側に印刷が施されることが多く、印刷適性が求められるために、一軸方向ないし二軸方向に延伸した延伸フィルムが好適である。また、包装袋に要求される物性によってはセロハンを用いることができる。
【0011】
さらに、本発明の包装袋には、酸素ガス、水蒸気ガス等のガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与するために前記内層と前記外層との間に必要に応じて中間層を設けることができる。この中間層を構成する材料としては、たとえば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、あるいは、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリビニルアルコール等のフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしはアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着を施したフィルムなどを用いることができる。また、前記中間層は、上記したガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与するのみならず、たとえば、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等の機能を付与することができ、上記したガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与する材料と、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン等のフィルムと組合わせて用いても構わない。
【0012】
なお、前記外層を上記した合成樹脂製フィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したものやアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層を形成したものを用いる場合には、ガスバリアー性、および/ないし、遮光性を付与するための前記中間層は用いなくともよいが、必要に応じて、たとえば、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等の機能を付与するために、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、あるいは、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン等のフィルムなどの一種ないしそれ以上を組み合わせて中間層として用いることができる。なお、本発明の包装袋は、真空包装であり、前記外層および/ないし前記中間層を構成する材料に少なくともガスバリアー性に優れた材料を用いる方が望ましい。さらに、前記外層および/ないし前記中間層に、包装袋に易開封性を付与する目的で、たとえば、一軸方向に延伸したフィルムを用いるなり、傷痕群を形成するなり等の適宜の易開封性手段を用いることができる。
【0013】
次に、本発明の包装袋の使用方法について図1を用いて説明する。
図1に示す包装袋1に収納された3種類の内容物A、B、Cとしては、たとえば、Aが蕨餅、Bが黄粉、Cが砂糖といったものなどである。そして、これら3種類の内容物が真空包装することにより密着部2を介して分別収納されている。使用者は、まず、開封用切欠3から包装袋1を一部開封して、外部の空気を包装袋1内に自然導入して、真空包装により形成された内層の密着部2を乖離させることにより3種類の内容物A、B、Cを一体化可能な状態とし、その後包装袋1をシェークすることにより3種類の内容物A、B、Cを混ぜ合わせ、混ぜ合わせが完了した時点で包装袋1を全部開封し、混ぜ合わされた3種類の内容物A、B、Cを容器等に移し替えて食することができる。
【0014】
このように本発明の包装袋は、食する直前まで3種類の内容物が一つの包装袋に分別収納されているために、食味を損なうことなく、また、混ぜる手間もかからず、衣服を汚す可能性も大幅に減ずることができる。
【0015】
次に、本発明の包装袋の製造方法について図3、4を用いて説明する。
まず、一方に開口部を有する3周縁が熱接着部10で熱接着された四方シールタイプの包装袋1’の開口部を上側にして、開口部に隣接する両熱接着部10の開封用切欠3部分をチャック具20でチャッキングして保持すると共に、包装袋の両外側から包装袋1’内を物理的に3分割する分割板30を包装袋1’に押圧し、この状態で3分割された包装袋1’内に3種類の内容物A、B、Cを内容物充填装置(図示せず)を用いて分別収納し(分別収納工程)、その後この分別収納した包装袋1’を上記状態のまま真空装置(図示せず)内で真空にする(真空工程)と共に、真空装置(図示せず)内で真空にした包装袋1’の開口部を熱接着して密封する(熱接着工程)ことにより、図1に示す内層同士が密に当接した密着部2で分別収納された本発明の包装袋1を得ることができる。なお、図示はしないが、内容物を包装袋1’内に収納する分別収納工程においては、内容物を包装袋1’内に収納し易くするために、包装袋1’の開口部を開口させる吸引具等が設けられている。また、包装袋1’内への3種類の内容物の充填は、3種類の内容物を同時に行ってもよいし、逐次に行ってもよい。また、図3、4においては、包装袋1’の開口部に対して分割板30を直交する方向に設けたものを示したが、図示はしないが包装袋の開口部に対して分割板を平行な方向に設けて包装袋内を分割し、内容物を逐次充填してもよい。
【0016】
また、今までの実施例においては、内容物を3種類ということで説明してきたが、本発明をよりよく理解してもらうために例示したものであって、本発明はこれに限るものではない。また、内容物は、食品に限ることはなく2以上の内容物が、使用直前まで分別収納されていた方が望ましいもの、すなわち、混ぜることにより化学反応を起こし、時間経過と共に使用することができなくなるような物質であってもよい。また、包装袋の形態は、実施例に示した四方シールタイプの形態に限るものではなく、三方シールタイプ、ガセットタイプ、ピロータイプ、スタンディングタイプなど種々の形態の包装袋に適用することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の包装袋は、今まで縷々説明したように、使用時までそれぞれの内容物が独立した状態で一つの包装袋に密封包装され、使用時には包装袋を開封することにより、容易にそれぞれの内容物を一体化させて混ぜ合わせることができるという優れた効果を奏するものである。また、本発明の包装袋の製造方法は、一つの包装袋に2以上の内容物を簡単に分別収納することができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の包装袋の一実施例を示す平面図である。
【図2】 図1のX−X線断面図である。
【図3】 本発明の包装袋の製造方法を説明する図である。
【図4】 図3のY−Y線断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 包装袋
2 密着部
3 開封用切欠
10 熱接着部
20 チャック具
30 分割板
A,B,C 内容物

Claims (3)

  1. 開口部を有する包装袋を前記開口部を上側にして前記包装袋の両外側から前記開口部に対して直交する方向に設けた分割板を前記包装袋に押圧して前記包装袋内を2以上に分割し、この状態で2以上に分割された前記包装袋内に2以上の内容物を分別収納する分別収納工程と、2以上の内容物を分割板で分割した状態のままで分別収納した前記包装袋を真空にする真空工程と、真空にした包装袋の前記開口部を熱接着して密封する熱接着工程とからなることを特徴とする包装袋の製造方法。
  2. 開口部を有する包装袋を前記開口部を上側にして前記開口部から前記包装袋内に内容物を収納する工程と、その後に前記包装袋の両外側から前記内容物と前記開口部間に前記開口部に対して平行な方向に設けた分割板を前記包装袋に押圧して前記包装袋を上下方向に分割すると共に前記分割板で分割された上部包装袋内に内容物を収納する分別工程を1回以上行う分別収納工程と、2以上の内容物を分割板で分割した状態のままで分別収納した前記包装袋を真空にする真空工程と、真空にした包装袋の前記開口部を熱接着して密封する熱接着工程とからなることを特徴とする包装袋の製造方法。
  3. 請求項1、2のいずれかに記載の包装袋の製造方法で製造されたことを特徴とする包装袋
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