JP4467674B2 - ガス濃度計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼計測や環境調査等、ガス濃度、固体粒子濃度を計測する必要がある分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガス濃度を計測するためには、ガスクロマトグラフィーやジルコニア式酸素濃度計のように、計測領域からガスをサンプリングし、その後、計測妨害物質をサンプリングガスから除去する等の前処理を実施し、最後に、その処理ガスを計測装置に導入して対象ガスの濃度を測定する。その他、対象ガスからの発光強度、蛍光強度や、計測領域での光吸収強度からガス濃度を計測する技術も存在する。
【0003】
また、対象ガス中の固体粒子濃度を検出するためには、一定量のガスをサンプリングして円筒濾紙に導入し、計測前と計測後における円筒濾紙の重量変化を計測し、サンプリングガス量と濾紙の重量変化分から、ガス中の固体粒子濃度を検出していた。また、固体粒子濃度を光の散乱や透過量から連続計測する技術も一部存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
燃焼排ガス分析や環境調査等を行なう際に、多くの場合はガス濃度と固体粒子濃度とを同時に計測する必要があり、この要望に応えるために上述の従来法のうちから幾つかを選び出し、2つ以上の装置を組合わせて実施している。そのため従来は、高価で複雑な装置系を組合わせるためにコスト高となる。また、煩雑な操作を要する計測手段を組合わせるために操作性および応答性がよくない。
【0005】
さらに、上記の問題点の他に、ガスおよび固体粒子の同時サンプリング計測には次の問題点(1)〜(5)がある。
【0006】
(1)計測領域からのサンプリングにより状態が乱される為、計測を望む真の状態を把握することが困難となる。
【0007】
(2)サンプリング時間が必要不可欠であるため、応答性が悪く、計測・制御の高速化への対応が困難となる。
【0008】
(3)サンプリング流量、温度などの計測条件を正確に制御する装置が必要になる。
【0009】
(4)計測妨害物質を取り除くための前処理が必要になる。
【0010】
(5)一定量以上のサンプリングガスが必要なため、微量分析が困難である。
【0011】
また、従来の光学計測で、ガス濃度、固体粒子濃度を非接触計測するための技術には下記の問題点(6)〜(9)がある。
【0012】
(6)発光・蛍光法による計測は、共存ガスの影響を受け易く、定量的計測が困難である。
【0013】
(7)煤塵等の固体粒子が浮遊している場所では、従来の発光・蛍光法による計測は困難である。
【0014】
(8)従来の単純な吸収法では計測感度が低い。
【0015】
(9)従来の単純に波長変調手法を応用した吸収法では、長時間計測において計測値の周期的ドリフトが発生する。
【0016】
また、光の散乱、透過に基づいて固体粒子濃度を計測する従来の技術には下記の問題点(10)がある。
【0017】
(10)ガス濃度と固体粒子濃度とを同時に計測できない。
【0018】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、計測領域の状態を乱すことなく、前処理することなく、共存成分ガスおよび固体粒子の共存下であっても対象ガス濃度と固体粒子濃度とを高精度に同時計測でき、かつ計測値にドリフトを生じることなく長期間にわたり安定に計測でき、低コストで、操作性および応答性に優れたガス濃度計測装置を提供することを目的とする。また、そのようなガス濃度計測装置を有する燃焼炉を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガス濃度計測装置は、レーザ発振波長を計測対象ガスに固有な吸収波長に調整可能な光源部と、前記光源部から発振されたレーザ光の一部を計測領域に導入する手段と、前記計測対象ガスを一定量含むガスを保持若しくは通流させながらレーザ光が前記ガス中を透過しうる機能を有した参照セルと、前記レーザ光の一部を前記参照セルに導入する手段と、前記光源部から発振されるレーザ光の発振波長に二重変調を加えるための信号であって相互に異なる周波数を有する変調信号をそれぞれ出力するとともに、その変調信号に同期した第1及び第2参照信号をそれぞれ出力する第1及び第2の波形発生器を有する変調部と、前記計測領域を通過したレーザ光を受光し、かつ、その受光強度に応じた信号を出力する第1の受光装置と、前記変調部の前記第1の波形発生器からの前記第1参照信号に基づき前記第1の受光装置の信号の中からレーザ光に加えた前記第1参照信号と同期した成分若しくはその高調波成分を検出し、出力する第1の位相敏感検波部と、前記第2の波形発生器からの前記第2参照信号に基づいて前記第1の位相敏感検波部の信号の中から前記第2参照信号と同期した成分若しくはその高調波成分を検出し、出力する第2の位相敏感検波部と、前記受光部の信号の中から交流成分を除去して直流成分のみを検出する第1の直流成分検出部と、前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2の受光装置と、前記第2の受光装置からの受光信号を受け、前記第1の波形発生器からレーザ光の波長の変調に同期した前記第1参照信号が与えられる第3の位相敏感検波部と、前記第3の位相敏感検波部から出力された信号および前記第2の波形発生器からレーザ光の波長の変調に同期した前記第2参照信号が与えられる第4の位相敏感検波部と、前記の第2の受光装置からの受光信号を受ける第2の直流成分検出部と、前記第2の位相敏感検波部から出力された信号と前記第4の位相敏感検波部から出力された信号と前記第2の直流成分検出部から出力された信号と前記第1の直流成分検出部からの信号とに基づき前記計測領域の前記計測対象ガスの濃度を算出すると共に、前記第1の直流成分検出部からの信号および前記第2の直流成分検出部からの信号に基づいて、前記計測領域中の固体粒子濃度を算出する解析部と、を具備することを特徴とする。
【0025】
本発明装置は上記課題を解決するために次に列挙する各要素を備えている。
【0026】
(1)基本構成
本発明装置の基本原理は、ガスが種類毎に特有波長の光を吸収し、固体粒子の吸収・散乱特性は光の波長に依存しない性質に基づいた吸収分光法にある。つまり、本発明は光学的手法に基づいており、サンプリング計測による問題点を克服することが可能になる。さらに下記の手段を用いることにより通常の吸収分光法では達成できない性能を実現している。
【0027】
(2)精密波長設定光源の採用(共存ガスの影響除去)
本発明装置においては、レーザ波長を精密設定できる光源を用いることにより計測への共存ガスの影響(ノイズ)を除去している。その原理は次に示す通りである。
【0028】
図10は横軸に波長(nm)をとり、縦軸に吸光度Log(I/I0)をとって、酸素ガスが特有波長の光を吸収する状態を示す特性線図である。なお、I/I0はレーザ透過率を表わす。ガスが特有波長の光を吸収する状態(吸収帯)を、波長的に高分解能な分光技術で観察すると、この図10に示すように非常に細かい吸収スペクトルの一群となる。
【0029】
本発明では、この吸収スペクトル群のうちの一本(回転線)を対象に精密計測を行うことにより、共存ガスの吸収帯が対象ガスの吸収帯とほぼ同じ波長域にあった場合でも、その影響を受けずに定量的計測が可能となる。これは、波長に関して高分解能で観察した場合に、異なるガスの回転線が重なることは殆ど無いためである。また、偶然に、一本の回転線がほぼ重なった状態になっても、他の回転線が全て重なる事は決して無いために、計測対象を他の回転線に変更することにより、この問題の回避が可能である。
【0030】
(3)波長変調と位相敏感検波による高感度計測
本発明装置はレーザの発振波長に対して変調をかける装置を備えている。すなわち、レーザ光の発振波長に変調を印可し、更にレーザ受光信号の中から変調同期成分、若しくは、その高調波成分のみを検出することにより、計測を妨害するノイズ成分を大幅に減少させ、対象ガスによるレーザ吸収量のみを高感度に計測することが可能となる。本発明では、以上のような波長変調法を採用することにより、通常の吸収分光法よりも高感度な計測を実現している。
【0031】
(4)計測領域でのレーザ透過率I/I0の検出による固体粒子濃度の同時計測従来の蛍光分光法や発光分光法では測定経路の途中に煤塵などの固体粒子が存在すると、光の到達量が変動して測定が困難になる。また、通常の吸光分光法でも光の透過量の変動はノイズ増大の原因となり、測定感度を低下させていた。
【0032】
本発明装置では、受光信号中から位相敏感検波器を用いて変調に同期した成分、若しくは、その高調波成分(交流成分)のみを取出すことにより各種各様のガスや固体粒子が混在・浮遊している場所(計測領域中)での対象ガスの定量検出を可能とし、さらに、受光信号中から直流成分検出装置を用いて直流成分(計測領域でのレーザ透過率I/I0に相当)を同時に計測できる機能を有することにより前記計測領域中の固体粒子濃度の同時計測も可能としている。
【0033】
以下にガス/固体粒子濃度を同時計測する原理について説明する。
【0034】
ガスと固体粒子が混在している領域を計測する場合に、レーザ入射強度をI0、透過強度Iとすると、直流成分検出装置から得られるレーザ透過率(I/I0)および位相敏感検波信号SPSDは下式(1),(2),(3)にそれぞれ従う。なお、SPSDは吸収中心波長での値を示したものである。
【0035】
【数1】
【0036】
上式より明らかなように、ガスによる光の吸収は波長依存性を有している為、(式3)で表されるように、位相敏感検波器にて取出される交流成分のみに依存している。一方、固体粒子による光の吸収・散乱は波長依存性が無い為、(式1)で表されるように、レーザ透過率(直流成分)のみに依存している。。
【0037】
さらに、図11によって説明を加えると、固体粒子による吸収・散乱は波長依存性を持たないため、スペクトル全体の上下に影響を与える。そのため、レーザ受光信号の直流成分(の対数)は固体粒子濃度に比例する。一方、波長変調による交流成分を位相敏感検波した出力は波長変調幅の間の節と腹の値の差分(図11では、ガス吸収ピークとベースとの差分)に相当する。よって、固体粒子濃度が変化したとしても、ガス吸収ピークとベースとの差分は変化しないので、固体粒子の存在に影響を受けることなく、ガス濃度を定量的に検出することができる。
【0038】
(5)計測値ドリフトを低減し、計測安定性を向上させる二重変調法の採用
本発明装置ではレーザ発振波長に対して変調を二重にかける2つの波形発生器を用いることにより、計測ドリフトの無い、安定した計測を実現している。計測値ドリフトの原因と、二重変調法による計測ドリフトの抑制の原理は、次の通りである。
【0039】
図10中の回転線一本一本を一重変調で計測する場合は、理想的には図12の(a)に示すように、直線のベースラインと元の吸収スペクトルの微分量(微分吸収スペクトル)が得られ、ベースラインとピークとの差分から、ガス濃度の検出が可能になる。しかし、実際の計測では、計測光路中で起きる多重反射等が影響を及ぼし、図12(b)に示すように、蛇行したベースライン上に微分吸収スペクトルが重なった形となる。そのため、外部温度等が変化し、計測条件が異なってくると、ベースラインの蛇行状態が移動し、ガス濃度が一定でも、ピーク位置(高さ)が変化する。よって、レーザ波長をガス吸収中心波長に固定し、吸収ピークの上下をのみを観察する場合、上記変動が原因となり、計測値変動(計測値ドリフト)が生じる。また、スペクトル全体を計測することで、このドリフトを除去しようとすると、蛇行したベースラインとピーク間の差を検出する際に誤差が生じ、計測感度が悪くなるばかりでなく、計測時間が長くなり応答性が悪くなる。
【0040】
そこで、本発明では、二重変調検波法を用いることにより上記問題点を克服している。つまり、第1変調による微分吸収スペクトル信号(例:図12(b))に、図11の場合と同じように、さらに変調を掛け(第2変調)、図12(c)に示すような二重微分吸収スペクトルを得ることにより、ベースラインの蛇行を低減し、計測の安定性、感度、応答性を向上させている。
【0041】
本発明の装置は次に列挙する利点を有する。
【0042】
(1)光学計測のため、サンプリング計測で問題となる、計測領域を乱す問題が起きない。
【0043】
(2)固体粒子が浮遊している状態でも、ガス濃度計測が可能となる。
【0044】
(3)単一装置にて、ガス濃度、固体粒子濃度、温度の同時計測が可能となる。
【0045】
(4)ガス濃度計測の際に、共存ガスの影響を受けない。
【0046】
(5)共存物質の除去や流量制御等の前処理を行わずに、定量的な計測が可能となる。
【0047】
(6)計測感度が良好であるので、微量分析が可能となる。
【0048】
(7)時間応答性が良好であるので、計測・制御の高速化に対応できる。
【0049】
(8)長時間の計測でも、計測ドリフトの無い安定した計測が可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
【0051】
(第1の実施形態)
図1〜図3を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では非接触なガス濃度計測を実証するために、粒子濃度一定(=0mg/Nm3)の条件下で各種標準ガス中の酸素濃度を非接触で計測する実験を行った。
図1に示すように、本実施形態のガス濃度計測装置1Aは、窒素ガスパージされた容器2のなかにレーザダイオード3(以下、LDという)、ハーフミラー6、計測セル7、第1のフォトダイオード8(以下、PDSという)、ミラー9、参照セル10、第2のフォトダイオード11(以下、PDRという)を備えている。計測セル7はガス供給装置(図示せず)に連通するガス管7c,7dを備え、ガス管7c,7dを介して測定対象ガスとして種々異なる酸素(O2)濃度の標準ガスが計測セル7に循環されるようになっている。標準ガスの酸素濃度は、例えば0%,2%,10.5%,21%のように既知の値にそれぞれ調整される。
【0052】
計測セル7の一方端には入射窓7aが、他方端には出射窓7bが設けられている。入射窓7aの前方にはハーフミラー6が配置され、ハーフミラー6の更に前方には光源としてのLD3が配置されている。LD3から射出されたレーザ光5はハーフミラー6を通って部分透過光5aとなり、入射窓7aを介して計測セル7に入射するようになっている。なお、LD3のレーザ発振動作はLDドライバ4からの制御信号S1により制御される。このLDドライバ4は、LD3から射出されるレーザ光の発振波長を酸素分子(O2)に固有の吸収波長の一つにマッチングさせる制御回路を備えている。
【0053】
計測セルの出射窓7bの後方には第1のフォトダイオードとしてのPDS8が配置されている。PDS8は、計測セル7を通過したレーザ光5bを受光し、その強度に応じた信号S4を直流成分検出部としてのローパスフィルタ(以下、LPFSという)21と位相敏感検波器22とにそれぞれ出力するようになっている。
【0054】
ハーフミラー6の近傍にはミラー9が設けられ、ハーフミラー6からの反射光5cを参照セル10に入射させるようになっている。反射光5cは窓10aを通って参照セル10に入射し、参照セル10を通過した後に、窓10bを通って参照セル10から出て行く。参照セル10の中には酸素濃度21%の標準ガスが封入されている。参照セル10を通過したレーザ光5dは第2のフォトダイオード11(PDR)により受光されるようになっている。このPDR11からは受光信号S6がローパスフィルタ12(LPFR)および位相敏感検波器13(PSDR)のそれぞれに出力されるようになっている。
【0055】
変調部は、光源部から発振されるレーザ発振波長に対して異なる周波数の変調をそれぞれ印可するとともに、その変調に同期した参照信号をそれぞれ出力する第1及び第2の波形発生器16,17(変調成分発生器;以下、FGという)を備えている。第1のFG16は、LD3のレーザ発振波長に変調を加えるための変調信号S2をLDドライバ4に出力すると共に、その信号に同期した参照信号S2を位相敏感検波部の2つのPSDR13およびPSDS22にそれぞれ出力するようになっている。第2のFG17は、LD3のレーザ発振波長に変調を加えるための変調信号S3をLDドライバ4に出力すると共に、その信号に同期した参照信号S3を位相敏感検波部の3つのPSDR14,15およびPSDS23にそれぞれ出力するようになっている。
【0056】
位相敏感検波部は、第1及び第2のFG16,17からの参照信号S2,S3とPDS8からの受光信号S4とから計測セル中の酸素分子によるレーザ光の吸収量を検出するロックインアンプ22,23(PSDs)を備えている。一方のPSDs22は、受光信号S4の交流成分中から参照信号(第1変調信号)S2の2倍高調波に同期する成分の強度を示す信号S8を他方のPSDs23に出力するようになっている。他方のPSDs23は、信号S8の交流成分中から参照信号(第2変調信号)S3の2倍高調波に同期する成分の強度を示す信号S9を解析部としてのパーソナルコンピュータ24(PC)に出力するようになっている。
【0057】
直流信号検出部は、PDs8の受光信号S4の中から直流成分(レーザ光の透過率に相当)を検出するローパスフィルタ21(LPFs)を備えている。LPFs21は、信号S4から変調成分やノイズ成分などの交流成分を除去した直流成分信号S5を解析部としてのPC24に出力するようになっている。
【0058】
解析部は、PSDs23からの信号S9及びLPFs21からの信号S5に基づいて計測セル内の酸素濃度および固体粒子濃度をそれぞれ算出するパーソナルコンピュータ24(PC)と、このPC24で算出した各濃度値を数値化又はグラフ化して画面に表示する表示装置(図示せず)と、を備えている。
【0059】
また、この第1実施形態の装置1Aでは、LD3からのレーザ光5を2つに分光し、一方の光を一定の酸素濃度に保持した標準ガス(酸素濃度21%)を封入した参照セル7に入射させ、第1及び第2のPSDR13,14やローパスフィルタ12(以下、LPFRという)を用いて計測セル中の酸素濃度計測値の較正を行なったり、第1及び第3のPSDR13,15を用いてレーザ波長を酸素吸収中心波長に固定するためのロック機構を付加している。
【0060】
さらに、図12(c)に示す酸素吸収スペクトルを計測する目的から、レーザ発振波長をゆっくりと掃引させるための信号S13を出力する波長掃引FG25(波形発生器)も付加している。
【0061】
なお、計測セル中以外の酸素の影響を除去するために、本実施形態では、計測領域全体を窒素(N2)ガスパージした容器2の中に収めて計測を行なった。
【0062】
図1に示すような系統にて、各種酸素濃度の標準ガスを計測セル中に流入させ、本発明によるO2濃度計測信号と比較を行なった。
【0063】
上記第1の実施形態にて、計測セル中の酸素濃度を各種変化させた場合の計測結果を、図2(a),(b)に示す。図2(a)は、波長掃引FG25からの信号S13を用いてレーザ発振波長を掃引し、図12(c)のような二重微分吸収スペクトル(酸素濃度21%)を計測した結果を示す。図12(c)に示すような理想的な直線のベースラインと、吸収スペクトルの重ね合せが得られている。また、図2(b)は、レーザ発振波長を吸収中心波長に固定し、計測セル7中の濃度を変化させた場合の結果であり、標準ガス中O2濃度とPC24から出力されるO2濃度計測信号とが、正確に比例していることを確認でき、実験とは逆に、PC信号から計測領域の酸素濃度を非接触計測できることを実証できた。
【0064】
また、今回の実験で得られた酸素濃度21%のときの信号強度と、0%の信号ノイズレベルとの比から、本装置での酸素濃度の計測下限界が、9ppm・m/Hz1/2であることを見積ることができた。この値は、計測時定数が1secで、計測長が1mの条件では、酸素濃度を9ppm感度で計測できることを表し、本装置での酸素の高感度計測が可能であることを示している。また、酸素の計測下限界を0.1%に設定すると、計測時定数は約80μsecまで短縮することができ、本装置1Aを用いたさらに高速応答な酸素計測が可能であることも同時に示している。
【0065】
次に、計測セル7中に酸素濃度21%のガスを封入する一方で、切換スイッチ26を波長掃引FG25の回路からPSDR15の回路に切り換え、PSDR15からLDドライバ4にロック信号S12を出力し、レーザ発振波長を酸素吸収中心波長に固定した。このようにレーザ発振波長を固定した状態で長時間計測を行なった結果を、図3(a),(b)に示す。図3(a)は、本実施例の一部を変更し、図12(a),(b)のように一重変調で長時間計測した結果を示し、図3(b)は、本実施例を用いて、図12(c)のような二重変調で計測した結果を示す。図3(a)から明らかなように、一重変調の場合は、計測セル7中の酸素濃度が一定であっても濃度計測信号が変動し、計測ドリフトが発生する。一方、図3(b)に示すように、二重変調の場合は、計測ドリフトはほとんど発生していない。これらのことから二重変調計測を行なうことにより計測ドリフトが抑制されることを実証することができた。
【0066】
本実施形態の装置によれば下記の効果を得られることが実証できた。
【0067】
・ガス濃度の非接触計測が可能であり、サンプリング方式に伴う課題を克服できる。
【0068】
・高感度計測が可能であり、微量分析への応用も可能になる。
【0069】
・計測の応答性が早く、計測に基づいた高速制御への応用も可能になる。
【0070】
・長時間の計測でも、計測ドリフトの無い、安定した計測が可能になる。
【0071】
(第2の実施形態)
図4および図5を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2実施形態の装置1Bが上記の第1実施形態の装置1Aと共通する部分の説明は省略する。この第2実施形態のガス濃度計測装置1Bでは、固体粒子濃度の非接触計測の確認のために、カーボンブラック34を水32に浮遊させたビーカ31を用いた。すなわち、ガス濃度と固体粒子濃度との非接触な同時計測を実証するために、水中に浮遊状態にあるカーボンブラック34と光路途中の大気中酸素濃度(21%)を非接触で同時計測する実験を行った。
【0072】
図4に本実施形態の装置系統図を示す。光源部3、受光部8,11、変調部16,17、位相敏感検波部13,14,15,22,23、直流信号検出部12,21、濃度解析部24、及び、濃度参照部10は上記第1の実施形態と同じものを用いた。計測セルの代わりとして、大気開放した空間に水32を張ったビーカ31を設置し、その中に一定量のカーボンブラック34を投入し、大気中に固体粒子が浮遊している状態を模擬した。
【0073】
ビーカ31内にカーボンブラック34を所定量投入し、カーボンブラック34の均一拡散が目視で確認できるまで液体32をスターラ33によって攪拌し、その後ビーカ31内の液体32が静定するのをまって測定を開始する。この場合に例えば、ビーカ31の径は140mm、大気中測定長は400mm、カーボンブラック濃度(積算量)はそれぞれ0,5,10,20,40g/Nm3である。
【0074】
本実施例の計測結果を図5の(a),(b)に示す。図5の(a)は、横軸にビーカ内に投入したカーボンブラック量(g/Nm3)をとり、縦軸に直流信号検出装置からの信号をカーボンブラック未投入時の信号強度で規格化した結果(固体粒子濃度信号=レーザ透過率)をとってカーボンブラック濃度と直流成分計測値との相関を示す特性線図である。この結果より、カーボンブラック投入量と固体粒子濃度信号の対数値が正確に比例していることが確認でき、本実施例とは逆に、固体粒子濃度信号から固体粒子濃度を計測できることは明らかである。また、図5の(b)は、横軸にカーボンブラック量をとり、縦軸に本発明に基づく酸素濃度計測値(%)をとって両者の相関を示す特性線図である。この結果からは、投入したカーボンブラックの量に拘わらず、大気中の酸素濃度(21%)が正確に計測できており、本発明装置を用いた場合に、固体粒子が浮遊している場合であっても、ガス濃度の正確な計測が可能であることも確認することができた。
【0075】
以上の結果より、ガス濃度と固体粒子濃度の非接触同時計測が可能となることを実証できた。
【0076】
(第3の実施形態)
図6および図7を参照しながら本発明の第3の実施形態について説明する。この第3実施形態では図6に示す大型燃焼テスト炉からサンプリングした排ガス中の酸素濃度および煤塵濃度を同時計測した。
【0077】
本実施形態では、本発明を用いた計測が共存物質やガス流量の影響を受けないことを実際の燃焼排ガス・レベルで検証するために、ボイラを模擬した大型燃焼テスト炉からサンプリングした燃焼排ガス中の酸素濃度、煤塵濃度を同時に計測する実験を行った。
【0078】
図6に本実施形態の装置系統図を示す。
【0079】
大型燃焼テスト炉40の燃焼スペース41には、バーナ43から火炎を吹出すとともに空気取入口44から二次空気が供給されるようになっている。燃焼スペース41は煙道部42に続いており、煙道部42は図示しない脱硝装置、脱硫装置、煙突に連通している。燃焼スペース41から煙道部42へ移行する箇所に過熱器45と再熱器46が設けられている。
【0080】
サンプリング管50,60の採取口50a,60aが煙道部42の適所に挿入され、煙道部42を通流する燃焼排ガスが採取されるようになっている。一方のサンプリング管50には計測セル51が取り付けられ、他方のサンプリング管60には円筒濾紙61が取り付けられている。
【0081】
一方のサンプリング管50は計測セル51の下流側で分岐している。一方側の分岐管50bは大気開放され、他方側の分岐管50cは前処理器58及び酸素計59を経由して大気開放されている。前処理器58はサンプリングガスから水分や共存ガスを除去する機能を備えている。酸素計59は従来方式のものである。上流側のポンプ57で吸引すると計測セル51のみにサンプリングガスが流れ込み、下流側のポンプ57で吸引すると更に前処理器58および酸素計59にサンプリングガスが流れ込むようになっている。
【0082】
他方のサンプリング管60には円筒濾紙61、ポンプ62、ガスメータ63がこの順に取り付けられている。円筒濾紙61は煤塵捕捉用である。
【0083】
計測セル51は2つの窓51aを備えている。一方側の窓51aを介して光源部52から発振されたレーザ光5が計測セル51内に入射され、他方の窓51bを介して計測セル51を通過したレーザ光5が受光器55で受光されるようになっている。受光器54はレーザ光を受光し、その受光強度に応じた受光信号S4を解析部55に出力するようになっている。
【0084】
変調部53は、異なる波長に変調された二重変調信号S2,S3を光源部52および解析部55のそれぞれに出力するようになっている。この変調部53は上記の第1実施形態の変調部と実質的に同じである。
【0085】
解析部55は、第1実施形態の直流成分検出部や位相敏感検出部等を含む構成の装置である。解析部55は、変調信号S2,S3,S8,S9,S11および受光信号S4に基づきガス濃度を求めるとともに、直流成分検出信号S5,S7に基づき固体粒子濃度を求めるようになっている。また、解析部55は図示しない表示装置に接続され、得られたガス濃度および固体粒子濃度を数値化又はグラフ化して表示装置の画面に表示させるようになっている。
【0086】
計測セル51の適所には熱電対を有する温度計56が取り付けられている。温度計56は解析部55に温度検出信号を出力するようになっている。解析部55は、検出温度信号に基づき計測セル51内の温度測定値を求め、この温度測定値も計測濃度値と同様に表示装置の画面上に表示されると共に、計測濃度値の温度補正等を行なうようになっている。
【0087】
サンプリングガス中の水分が凝結しないように計測セル51の温度を200℃に保持し、大型燃焼テスト炉の煙道部42から採取した燃焼排ガスを計測セル51に流入させ、レーザ計測を行なった。また、この実験の場合には、排ガス中の水分や共存ガスを取り除くための前処理や、計測セルへの排ガス量の制御等は行っていない。
【0088】
なお、本実施例では、本発明の計測値を検証するために、サンプリングガスの一部に前処理を施した上での従来式酸素計測や、本実験のサンプリング位置とほぼ同位置での従来式サンプリング煤塵計測を行った。 本実施例の計測結果を図7(a),(b)に示す。図7(a)は横軸に計測時間(時間)をとり、縦軸には酸素濃度計測値(%)をとって、長時間の連続計測における酸素濃度計測値の経時変化を示す特性線図である。図中にて白丸は従来法による計測結果を示し、実線は本発明装置による計測結果を示す。図7(b)は、横軸に計測時間(時間)をとり、縦軸に煤塵濃度計測値(mg/Nm3)をとって、長時間の連続計測における煤塵濃度計測値の経時変化を示す特性線図である。図中にて白丸は従来法による計測結果を示し、実線は本発明装置による計測結果を示す。これらの結果から明らかなように、本発明装置による酸素濃度および煤塵濃度計測結果は、従来式計測装置による結果と完全に一致している。
【0089】
このことから本発明装置を次のように評価することができる。
【0090】
・従来法を組合わせただけでは困難、複雑、高価であったガス濃度、固体粒子濃度の同時計測が、単一装置で簡単に実現することが可能である。
【0091】
・本発明装置による濃度計測は、サンプリング流量の変動や共存物質の有無に影響を受けない。
【0092】
(第4の実施形態)
図8および図9を参照しながら本発明の第4の実施形態について説明する。この第4実施形態では図8に示す大型燃焼テスト炉内にレーザ光を入射して排ガス中の酸素濃度を直接計測した。なお、本実施形態が上記の第3実施形態と共通する部分の説明は省略する。
【0093】
本実施形態は、本発明を用いて燃焼炉内や煙道部内のガス濃度や固体粒子濃度を、サンプリングすることなく、直接的に非接触計測できることを検証するために、ボイラを模擬した大型燃焼テスト炉内にレーザ光を入射して燃焼排ガス中の酸素濃度及び煤塵濃度を直接計測する実験を行った。
【0094】
図8に本実施形態の装置系統図を示す。
【0095】
大型燃焼テスト炉40の側壁に2つの計測窓51a,51bが取り付けられている。計測窓51a,51bは、二次空気取入口44よりも上方に位置し、かつ、燃焼炉内41にレーザ光5を直接投射できる箇所に設けられている。光源部52は一方側の計測窓51aに対面配置されている。受光部54は他方側の計測窓51bに対面配置されている。
【0096】
光源部52にはテスト炉制御室70内の変調部53から変調信号S2,S3が出力されるようになっている。また、受光部54はテスト炉制御室70内の解析55に受光信号S4が出力されるようになっている。また、変調部53からは変調信号S2,S3が解析部55に出力されるようになっている。これらの光源部52、変調部53、受光部54、解析部55は、上記の第3実施形態のものと実質的に同じである。
【0097】
サンプリング管50の採取口50aが燃焼炉内41の適所に挿入され、燃焼炉内41を通流する燃焼ガスが採取されるようになっている。このサンプリング管50には上記実施形態と同様の前処理器58および酸素計59とともに、熱電対56が取り付けられている。熱電対56による温度測定信号は解析部55に送られるようになっている。
【0098】
また、サンプリング管60の採取口60aが煙道部42の適所に挿入され、煙道部42を通流する燃焼排ガスが採取されるようになっている。このサンプリング管60には上記実施形態と同じ円筒濾紙61およびガスメータ63が取り付けられている。
【0099】
本実施例では、本発明の計測値を検証するために、レーザ計測位置とほぼ同位置でサンプリング方式によるO2濃度の従来計測を行なっている。更に、煤塵計測の方は、温度の関係からレーザ計測位置での従来計測が不可能であるため、レーザ計測位置より後流側でサンプリング方式による煤塵濃度の従来計測を行った。
【0100】
本実施例の計測結果を図9(a),(b)に示す。図9(a)は横軸に計測時間(時間)をとり、縦軸に酸素濃度計測値(%)をとって、長時間の連続計測における酸素濃度計測値の経時変化を示す特性線図である。図中にて白丸は従来法による計測結果を示し、実線は本発明装置による計測結果を示す。図9(b)は、横軸に計測時間(時間)をとり、縦軸に煤塵濃度計測値(mg/Nm3)をとって、長時間の連続計測における煤塵濃度計測値の経時変化を示す特性線図である。図中にて白丸は従来法による計測結果を示し、実線は本発明装置による計測結果を示す。
【0101】
本実施例の結果では、本発明の酸素濃度信号が短時間の微動を繰り返しており、その瞬時値を数秒間の時間平均した値と、サンプリングによる従来式計測結果がほぼ一致した。これは、従来式計測法の応答性と比較して、本発明の応答性が良いためと考えられる。
【0102】
また、煤塵濃度計測では、本発明による煤塵計測値は、酸素濃度が低下すると上昇し、逆に、酸素濃度が上昇すると低下しており、従来の知見と整合する結果が得られている。また、本発明による煤塵計測結果は、従来法の計測値よりやや高めになっているが、この原因は、従来計測装置を設置した位置がレーザ計測位置より後流側にあることが原因と考えられる。
【0103】
このことから本発明装置を次のように評価することができる。
【0104】
・ガスのサンプリングが必要でなくなり、計測状態や計測領域に影響を与えることなく非接触の直接計測が単一装置で簡単に実現可能になる。
【0105】
・ガスサンプリングによる従来計測法と比較して、計測応答性が非常に高いため、プラント制御の高速化/高精度化に適用可能である。
【0106】
【発明の効果】
本発明を用いることで、従来技術の課題を克服した、ガス濃度、固体粒子濃度の同時計測が可能となり、様々な計測/制御システムに下記(1)〜(9)の効果をもたらす。
【0107】
(1)ガス濃度の非接触計測が可能であり、サンプリング方式に伴う課題を克服できる。
【0108】
(2)高感度計測が可能であり、微量分析への応用が可能になる。
【0109】
(3)計測の応答性が早く、計測に基づいた高速制御への応用も可能になる。
【0110】
(4)長時間の計測でも、計測ドリフトの無い、安定した計測が可能になる。
【0111】
(5)本発明によるガス濃度と固体粒子濃度の非接触同時計測が可能になる。
【0112】
(6)従来法の組合わせでは困難、複雑、高価であった、ガス濃度、固体粒子濃度の同時計測が、単一装置で簡単に実現可能になる。
【0113】
(7)本発明による計測は、サンプリング流量の変動や共存物質の有無に影響を受けない。
【0114】
(8)ガス・サンプリングの必要が無く、計測状態や計測領域に影響を与えることなく非接触の直接計測が単一装置で簡単に実現可能になる。
【0115】
(9)ガス・サンプリングによる従来計測法と比較して、計測応答性が非常に高いため、プラント制御の高速化/高精度化に適用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガス濃度計測装置を示すブロック回路図。
【図2】(a)は本発明の第1実施形態の装置を用いて酸素吸収スペクトルを計測した結果を示す特性線図、(b)は標準ガス中の酸素濃度と計測結果(酸素濃度を変化させた場合の計測結果)との相関を示す特性線図。
【図3】(a)は比較例としての一重変調法による酸素濃度計測結果(一定に保持した酸素濃度の長時間計測結果)を示す特性線図、(b)は本発明の第1実施形態の装置を用いる二重変調法による酸素濃度計測結果(一定に保持した酸素濃度の長時間計測結果)を示す特性線図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るガス濃度計測装置を示すブロック回路図。
【図5】(a)は本発明の第2実施形態の装置による計測領域中に浮遊する固体粒子を模擬させたカーボンブラック濃度と固体粒子濃度信号(レーザ透過率)の相関を示す計測結果を示す特性線図、(b)は前記カーボンブラック濃度と計測光路中の酸素濃度計測値との相関を示す特性線図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るガス濃度計測装置を示す構成ブロック図(大型燃焼テスト炉からのサンプリング・ガスの非接触計測)。
【図7】(a)は本発明の第3実施形態の装置による大型燃焼テスト炉からのサンプリングガス中の酸素濃度計測結果と従来装置による酸素濃度計測結果とを比較して示す特性線図、(b)は本発明の第3実施形態の装置による大型燃焼テスト炉からのサンプリングガス中の煤塵濃度の計測結果と従来装置による煤塵濃度の計測結果とを比較して示す特性線図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るガス濃度計測装置を示す構成ブロック図(大型燃焼テスト炉内の直接計測)。
【図9】(a)は本発明の第4実施形態の装置による大型燃焼テスト炉内の酸素濃度計測結果と従来装置による酸素濃度計測結果とを比較して示す特性線図、(b)は本発明の第4実施形態の装置による大型燃焼テスト炉内の煤塵濃度の計測結果と従来装置による煤塵濃度の計測結果とを比較して示す特性線図。
【図10】酸素の吸収スペクトル線図。
【図11】吸収スペクトル(回転線)に対するガスや固体粒子の影響を説明するための透過スペクトル線図。
【図12】(a)は理想的な一重変調計測結果を示す特性線図、(b)は一般的な一重変調計測結果を示す特性線図、(c)は二重変調計測結果を示す特性線図。
【符号の説明】
1A,1B…ガス濃度計測装置、
2…密閉容器、2a…レーザ出射窓、
3…レーザダイオード(LD)、4…LDドライバ、
5,5a,5b,5c,5d…レーザ光、
6…ハーフミラー、
7…計測セル、
8,11…フォトダイオード(PD)、
9…ミラー
10…参照セル、
12,21…ローパスフィルタ(LPF)、
13,14,15,22,23…位相敏感検波器(PSD;ロックインアンプ)、
16,17…波形発生器(FG)、
24…パーソナルコンピュータ(PC)、
25…波形発生器(波長掃引FG)、
26…切換スイッチ、
31…透明容器、32…水、33…スターラ、34…カーボンブラック、
40…大型燃焼テスト炉、41…燃焼炉、42…煙道部、43…バーナ、44…二次空気取入口、45…過熱器、46…再熱器、
50…サンプリング管、50a…吸引口、50b,50c…排気口、
51…計測セル、51a,51b…計測窓、
52…光源部、53…変調部、54…受光部、55…解析部、
56…温度検出部、57…ポンプ、58…前処理器、59…酸素計、
60…サンプリング管、60a…吸引口、60b…排気口、
61…円筒濾紙、62…ポンプ、63…ガスメーター、
70…テスト炉制御室。
Claims (1)
- レーザ発振波長を計測対象ガスに固有な吸収波長に調整可能な光源部と、
前記光源部から発振されたレーザ光の一部を計測領域に導入する手段と、
前記計測対象ガスを一定量含むガスを保持若しくは通流させながらレーザ光が前記ガス中を透過しうる機能を有した参照セルと、
前記レーザ光の一部を前記参照セルに導入する手段と、
前記光源部から発振されるレーザ光の発振波長に二重変調を加えるための信号であって相互に異なる周波数を有する変調信号をそれぞれ出力するとともに、その変調信号に同期した第1及び第2参照信号をそれぞれ出力する第1及び第2の波形発生器を有する変調部と、
前記計測領域を通過したレーザ光を受光し、かつ、その受光強度に応じた信号を出力する第1の受光装置と、
前記変調部の前記第1の波形発生器からの前記第1参照信号に基づき前記第1の受光装置の信号の中からレーザ光に加えた前記第1参照信号と同期した成分若しくはその高調波成分を検出し、出力する第1の位相敏感検波部と、
前記第2の波形発生器からの前記第2参照信号に基づいて前記第1の位相敏感検波部の信号の中から前記第2参照信号と同期した成分若しくはその高調波成分を検出し、出力する第2の位相敏感検波部と、
前記受光部の信号の中から交流成分を除去して直流成分のみを検出する第1の直流成分検出部と、
前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2の受光装置と、
前記第2の受光装置からの受光信号を受け、前記第1の波形発生器からレーザ光の波長の変調に同期した前記第1参照信号が与えられる第3の位相敏感検波部と、
前記第3の位相敏感検波部から出力された信号および前記第2の波形発生器からレーザ光の波長の変調に同期した前記第2参照信号が与えられる第4の位相敏感検波部と、
前記の第2の受光装置からの受光信号を受ける第2の直流成分検出部と、
前記第2の位相敏感検波部から出力された信号と前記第4の位相敏感検波部から出力された信号と前記第2の直流成分検出部から出力された信号と前記第1の直流成分検出部からの信号とに基づき前記計測領域の前記計測対象ガスの濃度を算出すると共に、前記第1の直流成分検出部からの信号および前記第2の直流成分検出部からの信号に基づいて、前記計測領域中の固体粒子濃度を算出する解析部と、を具備することを特徴とするガス濃度計測装置。
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