JP4467057B2 - スプール位置検出装置付スプール弁 - Google Patents

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Description

本発明は産業機械及び建設機械等に使用される制御弁(スプール形方向制御弁、スプール形比例制御弁、ポペット形方向制御弁)のスプールの位置を直接検出できる検出装置付制御弁に関し、特に、予め定めたスプールの位置を直接検出できるスプール位置検出装置付スプール弁に関する。
図7に、最も一般的なスプール弁を有する油浸形電磁弁の構造を示す。この油浸形電磁弁51は複数の流体通路、例えば4つの流体通路を備えた軸方向穴53aを有する本体53と、軸方向穴53aに挿入され軸方向移動により流体通路を切換るようにされたスプール52と、スプール52を左右に移動させるための電磁コイル30a,30bとが設けられ、該電磁コイル30a,30bの電気端子を外部と接続するためのコネクタ54a,54bが接続されている。
スプール52の両側には段部52a,52bが設けられており、スプール52の端部2c,2dにロッド55a,55bが当接するように設けられ、該ロッド55a,55bは図示しない可動鉄心と一体となってソレノイドガイド11a,11bに沿って軸方向に移動可能に挿入されている。前記ソレノイドガイド11a,11bは、軸方向穴53aの端部穴に設けられたねじ53c,53cに螺着されOリング56によりシールされた状態で本体53に固定されている。
ロッド55a,55b、可動鉄心(図示しない)が挿入されるソレノイドガイド11a,11bの挿入穴(ガイド穴)の反本体側は密閉され、かつ本体53とソレノイドガイド11a,11bとの間が密閉されて本体53の軸方向穴53aの圧力を高く保持できるようにされ、いわゆる油浸形電磁弁となっている。
ソレノイドガイド11a,11bには電磁コイル30a,30bが嵌挿され、ナット34で固定されている。電磁コイル30a,30bを通電することにより可動鉄心を移動させロッド55a,55bでスプール52を押付け方向に付勢する。本体53の両端側部にはスプール52と同心に設けられた中空穴を有するリング状のストッパ57a,57bが設けられている。
ストッパ57a,57bの外側の当接面58a,58bにはスプール52の段部52a,52bのいずれか一方、もしくは同時に当接可能にかつ軸方向に移動可能にされたスプール52と同心の中空穴を有するリング状のリテーナ59a,59bが設けられている。
前記リテーナ59a,59bとソレノイドガイド11a,11bとの間にはスプリング32a,32bが設けられており、スプリング32a,32bの弾発力によりリテーナ59a,59bが軸方向に本体53側に付勢されている。
リテーナ59a,59bが当接する当接面58a,58bの間隔とスプール52の両側の段部52a,52bの間隔とはほぼ同一寸法に確保され、電磁コイル30a,30bが非通電の際、スプール2はスプリング32a,32b及びリテーナ59a,59bにより中間位置に保持される。
これにより、非通電時はスプール52が中立位置に維持され、図で右側の電磁コイル30bに通電するとロッド55bがスプール52を押し、該スプール52が左側のリテーナ59a及びスプリング32aを押して左側に移動して流体通路を切り換える。
このとき、右側のリテーナ59bは当接面58b(ストッパ57b)に当接したままである。また、図で左の電磁コイル30aに通電するとロッド55aがスプール52を押し、スプール52が右側のリテーナ59b及びスプリング32bを押して右側に移動して流体通路を切り換える。この場合、左側のリテーナ59aは当接面58a(ストッパ57a)に当接したままである。
一方、電磁弁51のコネクタ54a,54bの内部には、電磁コイル30a,30bに対して並列に組み付けられたインジケータライト(図示しない)を装備しているものがある。このインジケータライトは、電磁コイル30a,30bの両端に電圧が印加されると点灯する。
しかし、このライトは電磁コイル30a,30bの励磁に伴い、スプール52が確実に移動していることを示すものではない。例えば、電磁コイル30a,30bの両端に電圧を印加しても、該電磁コイル30a,30bが断線していてスプール52が動かない場合でも点灯するからである。
さらに、油浸形電磁弁においては、スプール52が密閉耐圧空間内に置かれ、また、本体53、スプール52、ソレノイドガイド11a,11b、リテーナ59a,59b、スプリング32a,32b等は強度を必要とするため金属が用いられ電気的に導通しているためスプール52の位置を電気的に検知することができない。
また、スプール52が中立時でなく、切換途中時や切換完了時での位置の検出を行いたい場合がある。さらにまた、ストッパ57a,57b、リテーナ59a,59bによる中立位置を設けることなく、スプリング32a,32bのバランスのみで中立させ、電磁コイル30a,30bの磁力を比例制御して、スプール52を3位置に動かすことなく比例的に移動させる比例制御弁の場合にもスプール52の位置を検知したい場合がある。
この場合、検出位置は種々の位置が想定される。
そこで、特許文献1においては、密閉耐圧空間の外側から差動トランスを用いてスプールの位置を検出している。特許文献2においては、磁気センサを用いて密閉耐圧空間内のスプール及びポペットの位置を検出している。
一方、従来のポペット弁(図示しない)は、2つの流体通路を備え、この2つの流体通路の間をポペットによって連通または遮断させて、供給ポートからの圧力流体を通過させたり、閉塞したりする機能を有する。前記ポペット弁において2つの流体通路の連通または遮断の動作を検出したい場合は、弁体内における流体の流れの有無を確認すればよいので、ポペット弁の前後どちらかに流量計を設置すればよい。しかし、流量計を設置することは装置のコストアップに直結するので問題である。
よって、2つの流体通路間の連通及び遮断状態を検出する方法として、ポペット弁体内に組み付けられているポペットの位置を検出する構造が考え出されていている。
すなわち、特許文献3においては、差動トランスを用いたポペットの位置を検出することが開示されている。
特開平10−177918号公報 特開2002−89742号公報 特開平6−173907号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献3に示すような、差動トランスタイプのものは、弁構造が複雑になる。差動トランス及び専用の電気回路(アンプ)が必要になるので高価となる。また、使用前に、差動トランスまたは検出体であるコアの位置を調整する必要がある。さらには、差動トランス及び電気回路(アンプ)の温度変化により、検出体の検出位置が変化する(温度ドリフトと呼ばれる現象が発生する)等という問題があった。
さらに、特許文献2に示すような磁気センサタイプのものにおいては、弁構造が複雑になる。磁気センサが必要になるので高価である。使用前に、磁気センサまたは検出体であるマグネットの位置を調整する必要がある。磁気センサの温度変化により、検出体の検出位置が変化する(温度ドリフトと呼ばれる現象が発生する)等の同様な問題があった。
また、磁気センサがONとなる検出体の位置と、OFFとなる検出体の位置に違いがある(ヒステリシスがある)ので、磁気センサの位置調整が難しいという問題があった。さらに、両者とも密閉耐圧空間のスプールを外部から検出するので感度も悪いという問題があった。
本発明の課題は前述した問題点に鑑みてなされたもので、高価なセンサ及び電気回路を使用しない。簡単な構造で、耐久性に優れている。使用前段階でのセンサ及び検出体の位置調整が不要。磁気センサとは違い、ON時とOFF時の検出位置が同一(ヒステリシスがない)。温度の変化により、検出体の検出位置が変化しない(温度ドリフトがない)等の特徴を有するスプールの位置を直接検出できるスプール位置検出装置付制御弁、さらには電磁弁、電磁比例弁を提供することである。また、油浸形電磁弁のようにタンクラインに高い背圧を加えてもスプールの位置を直接検知できるセンサ構造とすることである。さらには、組み付けが容易なセンサ構造を提供することである。
そこで、請求項1に記載の発明においては、
複数の流体通路を備えた軸方向穴を有する本体と、
前記軸方向穴に挿入され軸方向移動により前記流体通路を開閉するように設けられたスプールと、
前記スプールを移動または位置決めする手段と、
を備えた制御弁であって、
前記スプールの少なくとも一方を延出させて設けた段部と
前記スプールと同心に前記段部が出入り可能にかつ前記スプールとは干渉しないように設けられたリングと、
前記スプールの中立状態のときは前記リングの外方側端面に当接可能にし、前記スプールの切換状態のときは前記リングの外方側端面または前記段部のいずれか一方に当接可能にして軸方向に移動可能にされた前記スプールと同心に前記段部を除き前記スプールと干渉しないように設けられたリング状の接触子と、
前記接触子を前記段部または前記リングへ付勢するスプリングと、
を有し、
前記接触子は導電性を有し外部と電気接続可能にされた電気端子とで電気的に導通されており、前記リングは前記電気端子とは異なる検出電気端子と電気的に接続され、前記リングと前記接触子が当接したときは前記リングを介して前記電気端子と検出電気端子が導電し、前記リングと前記接触子が離間しているときは少なくとも前記リングと前記電気端子とが導電しないようにされていることを特徴とする。
即ち、従来のスプールを延出させて段部を設け、この段部が出入りするリングを電気的に絶縁する。このリング及び段部へスプリングで押しつけるように接触子を設ける。これにより、スプールの段部がリングの外方側端面より内側にあるときは接触子がリングの外方側端面に接触し、それ以上動くことができないので、スプールの段部とは接触できない。スプールの段部がリングの外方側端面より突出すると段部と接触子とが当接して、スプールと共に接触子はリングの外方側端面より離れる。
一方、接触子を電気端子に電気的に接続し、リングを電気端子と異なる検出電気端子に接続し、例えばリングと接触子の当接面を互いに金属接触させ導電可能とさせる等することにより、リングと接触子を開閉スイッチとすることができる。従って、スプールの段部がリングの外方側端面より内側にあるときは、リングと接触子が導通、即ち、電気端子と検出電気端子が導通する。
また、スプールの段部がリングの外方側端面より突出すると、接触子は移動するスプールの段部に引っかかってスプリングに抗して移動し、リングと接触子が離れ、電気端子と検出電気端子が非導電となる。このように、スプールそのものが接触子に作用し、開閉スイッチとするので、密閉空間外から検出する必要が無く、密閉空間内でスプールの位置を直接検出できる。
なお、接触子と電気端子との導電は、導電性の接触子と電気端子とをリード線で接続する。あるいは、導電性の接触子、導電性のスプリング等の導電体を経由して電気端子に接続する等種々の経路が可能である。また、スプールの一方に設けた場合は2位置弁等で、右側にリング等を設け、スプールを中立時に左側、移動時に右側に移動するように配置すれば、中立時に導電させ、右側時に非導電とするようにできる。また、スプールの両側に段部、リング、接触子をそれぞれ配置すれば、スプールが中立及び左矢印X方向に移動する3位置弁の場合は、中立時は両方が導電、スプールが左位置の時は左側が非導電、右側が導電、右位置では左側が導電、右側が非導電となるようにできる。また開閉タイミング位置を変えることもできる。
開閉スイッチの一方を構成するリングは検出電気端子及び接触子以外の部品と電気的に絶縁する。より具体的には、請求項2に記載の発明においては、前記スプールが延出する側の前記本体端面に設けられたケーシングと、前記ケーシングに前記軸方向穴と同心に前記本体側に設けられ段付部を有する段付貫通穴と、前記段付貫通穴内に前記段付部より順に前記スプールが干渉しないようにされたリング状の第1のスペーサと、前記リングと前記接触子及び前記スプールが干渉しないようにされた筒状の第2のスペーサと、を有し、前記リングが前記ケーシングと電気的に接触しないように順次挟持固定されるように前記ソレノイドガイドの先端が押し込まれ、少なくとも前記第1のスペーサと前記リングの接触部及び前記リングと前記第2のスペーサの接触部が電気的に絶縁されていることを特徴とする。
即ち、本体端面に設けられたケーシングに段付貫通穴を設け、該段付貫通穴の段付き部より第1のスペーサ、リング、第2のスペーサを順次配設し、ガイドの先端で押し付けることによりリングを挟持固定し、例えば第1、第2のスペーサとリングとをインロー嵌合とし、ケーシングと電気的に触れないようにする。また、第1、第2のスペーサを電気絶縁材としたり、材質を鉄、鋼、アルミ等の金属とし、リングとの接触面にフッ素コーティングやセラミックスコーティング等の電気絶縁コーティング等を施す。また、リング、接触子の材質は鉄、鋼、その他の導電可能な金属とする。これにより容易にリングを接触子を除く各部品と電気的に絶縁状態にできる。なお、電気絶縁材料や、コーティングの種類は強度と電気絶縁耐圧により種々のものを適宜選択すればよい。
本体には流路が形成され、本体の端部に従来で述べたようなストッパ及びリテーナを設け、これによりスプールを中立位置に保持し、電磁コイルにより可動鉄心を介してロッドでスプール端を押し、該スプールを移動させている。このようにストッパやリテーナが本体側にある場合は、ケーシングを本体の端面に設けることにより前述したスプール位置検出装置付スプール弁を提供することができる。しかし、本体の端部を用いず、リングの外側からスプールの制御が可能な場合がある。この場合は、本体、ケーシングを分離してもよいが体に製作できる。そこで、請求項3に記載の発明においては、前記スプールを移動または位置決めする手段が1個または複数個であって、前記リングより外方から該リング内を通り作用するように配置され、前記本体と前記ケーシングとが1の部材から構成されていることを特徴とする。
一方、リングと検出電気端子との接続は金属製リングにリード線等を蝋付け、溶接すればよいが密閉耐圧容器内に封入する場合はシールや電気接続部の品質確保が困難である。そこで、請求項4に記載の発明においては、前記段付貫通穴の軸直角方向に連通路が開けられ、該連通路を密閉するブッシュと、前記ブッシュの通し穴内に設けられたシール部材と、前記シール部材にシールされながら前記ブッシュの通し穴を非導電状態で貫通する導電性ロッドと、を備え、前記導電性ロッドの先端が前記リングの軸直角方向に設けられためねじに導電状態で螺着され、前記導電性ロッドの他端が前記検出電気端子とリード線を介して接続されていることを特徴とする。
前記段付貫通穴の軸直角方向に開けられた連通路を密閉するブッシュの通し穴内に設けられたシール部材にシールされながら通し穴を貫通する導電性ロッドにより、導電性ロッドを密閉耐圧空間内に確保しながら、導電性ロッドの一部(他端)を外部に暴露でき、検出電気端子とリード線で接続される。また、導電性ロッド先端がリングに螺着されており、リングとの導電性が確保される。また、密閉耐圧空間内の圧力が高くても導電性ロッドはめねじを介してリングにより支えられるのでブッシュ通し穴より外部へ飛び出すことがない。また、導電性ロッドの組み付けにおいては、先に、リングのめねじ部が連通路側に向くようにリングを所定の位置に固定し、連通路側から導電性ロッドを入れ螺着し、さらにシール部材及びブッシュを組み付ければよく。また、分解も同様である。なお、電気端子及び検出電気端子が設けられたコネクタは連通路の近傍、又は連通路の上に設けるのがよい。
前記スプールを駆動する手段は、電磁コイル、手動、油圧パイロット方式等が可能である。特に、電磁コイルを用いたものは操作も簡単で、また、遠隔操作も容易である。そこで、請求項5に記載の発明においては、前記スプールを駆動する手段は、前記スプールの端部に当接可能にされたロッドが設けられ、前記ロッドは可動鉄心に接続され、前記可動鉄心が電磁コイルにより駆動可能にされた電磁弁であるスプール位置検出装置付スプール弁とした。これにより、電磁コイルを励磁させ可動鉄心を動かしロッドによりスプールを押し付けて移動させ、該スプールの移動をリングと接触子で検知できることを特徴とする。
本発明においては、スプールの段部の移動により、リングと接触子を接触させたり、離れたりさせて、リングと接触子間を導電、非導電とする開閉スイッチとするように構成し、さらに密閉空間内であってもスプールの位置を直接検出できるものとしたので、検出精度がよく、高価なセンサ及び電気回路が不要、構造が簡単で、耐久性に優れ、使用前段階でのセンサ及び検出体の位置調整が不要となり、ヒステリシスやドリフトがなく、取り扱いが簡単で使用しやすいスプール位置検出装置付スプール弁を提供するものとなった。
よって、従来の部品を大幅に変えることなく構成が可能になった。さらに、両側、片側に検出器を設けるようにして、3位置弁、2位置弁等にも適用できる。また、スプールの移動および位置決め手段とは別に段部等を配置できるので、スプールの移動距離内の所定の位置で該スプールの位置検出を行うことが可能となった。さらにまた、従来のスプール弁に段部を外付けするように構成すればよく、制御弁の基本構造への影響が少ないので、検出装置を設けても該制御弁の設計変更、基本性能の確保は容易である。
さらに、段付貫通穴の段付き部より第1のスペーサ、リング、第2のスペーサを順次配設し、ガイドの先端で押し付けることによりリングを挟持固定し、かつリングが電気的にケーシングと触れないようにしたので、構造が簡単で、耐久性の高いものとなった。この結果、密閉耐圧空間内で構成できるので油浸形電磁弁等に適したものとなった(請求項2)。
また、スプールの移動又は位置決めする複数の手段が、リング外方から該リング内を通り作用するように配置することにより本体とケーシングとを1の部材とできるので、部品点数を減らすことができる(請求項3)。
さらに、ブッシュの通し穴内に設けられたシール部材にシールされながら通し穴を貫通する導電性ロッドを密閉耐圧空間内に確保しながら外部の検出電気端子接続させ、導電性ロッド先端がリングに螺着固定されるので、密閉耐圧空間内の圧力が高圧でも適用でき、油浸形電磁弁のようにタンクラインに高い背圧を加えてもスプールの位置を直接検知できるものとなった。さらに、段付貫通穴の直角方向の連通路側から、リングのめねじに導電性ロッド、シール、ブッシュを組み付けられるので、組立、分解も容易である。(請求項4)。
かかる構造のスプール位置検出装置付スプール弁のスプールを可動鉄心のロッドにより押して移動できるようにし、可動鉄心を電磁コイルにより駆動可能な電磁弁とすることにより、電磁弁のスプールの検出が容易に実現できるものとなった(請求項5)。
本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示すスプール位置検出装置付スプール弁31の中立時の部分断面図である。
なお、図1中、図7の構成要素と同一の構成要素については同一符号を付して説明する。
本発明のスプール位置検出装置付スプール弁31は、左右に電磁コイル30a、30bを備える油浸形3位置電磁弁であり、図1は、電磁弁を非通電とし、スプール2が中立状態の場合を示している。
図1に示すように、本体1には複数の流体通路を備えた軸方向穴1aが設けられ、本体1の両側に軸方向穴1aと同心の段付貫通穴22a,22bを有するケース10a,10bが図示しないボルトにより固定されている。本体1の軸方向穴1aに軸方向移動により流体通路を切換るようにされたスプール2が挿入されている。スプール2の両端には段部2a,2bが設けられている。
従来のスプール52(図7参照)ではこの部分にリテーナ59a,59bを当接できるようにして、スプール52を中立位置に付勢しているが、本実施の形態では、段部2a,2bのさらに内方に鍔部52a,52bが形成されている。本体1の両側端部にリテーナ59a,59bを受ける当接面58a,58bが設けられている。
ケース(ケーシング)10a,10bの段付貫通穴22a,22bの反対側(本体1側)には、スプリング32a,32bを挿入するスプリング保持穴33a,33bが形成され、該スプリング32a,32bの弾発力によりリテーナ59a,59bを当接面58a,58b及びスプール2の鍔部52a,52bに付勢し、スプール2の中立時の位置を保持するようにしている。なお、当接面58a,58bに従来と同様ストッパ57a,57bを設けてもよい。
前記段付貫通穴22a,22bのねじ22c,22dには、ガイド機能を有するソレノイドガイド11a,11bの先端ねじが螺着され、該ソレノイドガイド11a,11bがケース10a,10bに固定されている。ソレノイドガイド11a,11bのねじ22c,22dの反対側(電磁コイル30a,30b側)には図示しない雄ねじが切られており、ナット34が螺着されている。
ソレノイドガイド11a,11bが挿入された電磁コイル30a,30bはケース10a,10bとナット34,34との間に挟持され、これにより本体1、ケース10a,10b、ソレノイドガイド11a,11b、電磁コイル30a,30bが体とされている。
電磁コイル30a,30bには、コイル端子を外部電源と接続するためのコネクタ54a,54bが設けられている。ケース10a,10bには外部との電気接続が可能なコネクタ19a,19bが取り付けられている。
コネクタ19a,19bには端子が設けられ電気的に絶縁された検出電気端子21a,21bと、ケース10a,10b、本体1に電気的に接続(アース)された電気端子20a,20bを、備える。
スプール2は中立時オールポートブロックタイプのもので、スプール2と同心で該スプール2の端部2c,2dに当接可能にされたロッド55a,55bが設けられている。前記ロッド55a,55bは図示しない可動鉄心に接続され、ガイド穴11c,11dに挿入されており、可動鉄心と電磁コイル30a,30bとでロッド55a,55bをスプール2の方向へ付勢する付勢手段を構成している。
この場合、電磁コイル30a,30bは可動鉄心を介してロッド55a,55bをスプール2に押付け、軸方向に移動させる機能を有する。スプール2の段部2a,2bを形成する小径部2e,2fの外径より大きく該段部2a,2bの外径より小さい中空穴を有し、段部2a,2bに当接可能にされた接触子4a,4bが該小径部2e,2fに摺動可能に嵌合している。接触子4a,4bはソレノイドガイド11a,11bの端部と接触子4a,4b間に設けられたスプリング12a,12bによりスプール2を押すように設けられている。なお、前記段部2a,2bは、スプール2が変位する際、接触子4a,4bが該スプール2と一体に移動できるように機能する。
スプール2の段部2a,2bは段付貫通穴22a,22bに突出している。この段付貫通穴22a,22bの段付部23a,23bよりスプール2の軸と同心の中空穴を有する第1のスペーサ5a,5b、リング3a,3b、第2のスペーサ6a,6bが順次配設されソレノイドガイド11a,11bの先端で押し込まれ挟持固定されている。
第1のスペーサ5a,5bはその側面には凹形状のインロー部5c,5dが形成されている。リング3a,3bの両端面には、第1のスペーサ5a,5bの凹形状のインロー部5c,5d及び第2のスペーサ6a,6bの内径に嵌挿される凸状部3c,3d,3e,3fが形成されている。
これにより、リング3a,3bは第1及び第2のスペーサ5a,5b,6a,6bにより軸方向及び軸直角方向に沿って挟持され、リング3a,3bとケース10a,10bとの接触を防止している。第1、第2のスペーサ5a,5b、6a,6bはリング3a,3bとケース10a,10bとが電気的に導通しないように電気絶縁材とされている。
本発明の実施の形態においては、電気絶縁材は機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐油性等からガラス繊維強化ポリアミド66樹脂としている。従って、リング3a,3bはケース10a,10b、第1、第2のスペーサ5a,5b,6a,6bとは電気的に絶縁されている。
当然に第1のスペーサ5a,5b及びリング3a,3bの中空穴径は移動するスプール2と干渉しない大きさに形成される。また、第2のスペーサ6a,6bは筒状であって、接触子4a,4b及びスプリング12a,12bと干渉しないように設けられている。
接触子4a,4bはスプリング12a,12bの弾発力によりスプール2を押し付けるように設けられている。接触子4a,4bの外周は第2のスペーサ6a,6bの内径より小さく形成され、リング3a,3bの外方側端面(接触子とリング3a,3bとの接触面)13a,13bに当接するようにされている。
スプール2の段部2a,2bがリング3a,3bの外方側端面13a,13bの位置より内側にあるときには接触子4a,4bがリング3a,3bの外方側端面に当接するようにされ、スプール2の段部2a,2bがリング3a,3bの外方側端面位置より外側にあるときには接触子4a,4bがスプール2の段部2a,2bと当接するように設けられている。
リング3a,3bの接触子4a,4bとの接触面(外方側端面)13a,13bは絶縁コーティングが施されないで、金属面が露出しているので接触によりリング3a,3bと接触子4a,4bは電気的に導電するようにされている。導電体である接触子4a,4bは、同じく導電体であるスプリング12a,12b、ソレノイドガイド11a,11bを介して、同じく導電体であるケース10a,10bと常に導通している。
また、ケース10a,10bは電気端子20a,20bに接続されているので、接触子4a,4bと電気端子20a,20bはそれぞれ常に導通している。なお、スプール2が中立位置では、接触子4a,4bは段部2a,2bとは隙間35a,35bを有し当接しないように設けられ、接触子4a,4bとリング3a,3bとが接触し、導電している状態にされている。
本体1のケース10a,10bのコネクタ19a,19bの下側位置には、段付貫通穴22a,22bの略軸直角方向に連通路14が穿設されている。連通路14は段付貫通穴22a,22bに設けられたリング3a,3bの側面と同位置に設けられている。
さらに、ブッシュ8には通し穴18が形成され、該通し穴18内にシール部材であるOリング17が装着され、該Oリング17を止めるためのシールプレート9が設けられ、ブッシュ18、シールプレート9共に電気絶縁材であるガラス繊維強化ポリアミド66樹脂により形成されている。
参照符号7a,7bは導電性ロッドであり、該導電性ロッド7a,7bが通し穴18及びOリング17穴を貫通し、前記導電性ロッド7a,7bの外周が通し穴18のOリング17でシールされている。導電性ロッド7a,7bの一端はリング3a,3bの側面に設けられためねじ15に電気的に導通状態で螺着されており、該導電性ロッド7a,7bの他端は検出電気端子21a,21bとリード線24を介してそれぞれ接続されている。
これにより、リング3a,3bと導電性ロッド7a,7bと検出電気端子21a,21bとが、電気的に常時接続される一方、ケース10a,10b、ソレノイドガイド11a,11b等とは絶縁されている。
本発明の第1の実施の形態に係るスプール位置検出装置付スプール弁31は基本的には以上のように構成されており、次に動作について説明する。
図1に示すように電磁コイル30a,30bの両方が非励磁の場合の中立時においては、両側のリング3a,3b及び接触子4a,4bが接触面13a,13bで接触しており、電気端子20a,20b及び検出電気端子21a,21bは互いに導通している。
図1において、右側の電磁コイル30bを励磁した場合、スプール2は矢印X方向に移動する。これにより、右側の接触子4bとリング3bは接触面13bに接触したままであるが、左側の接触子4aはスプール2の移動に伴なって矢印X方向へ移動するので、左側の接触子4aとリング3aとは非接触となる。つまり、右側の電気端子20bと検出電気端子21bは導通しているが、左側の電気端子20aと検出電気端子21aは導通していない状態になる。
同様の原理で、左側の電磁コイル30aが励磁すると、スプール2は矢印Y方向に移動する。左側の電気端子20aと検出電気端子21aとは導通しているが、右側の電気端子20bと検出電気端子21bとは導通しない状態となる。このように、非励磁状態、右側の電磁コイル30a励磁状態、左側の電磁コイル30bの励磁状態それぞれにおいて、左右の接触子4a,4bとリング3a,3bとの接触状態が全て異なる。
よって、接触子4a,4bとリング3a,3bとの接触状態が違うということは、該接触子4a,4bとリング3a,3bに接続されている電気端子同士の導通状態も変わることとなり、これを利用して、スプール2がどの位置にいるかを直接検出することができる。
なお、隙間35a,35bを適宜に調整することにより、スプール2の中立位置から切換位置の間の位置を調整することができる。また、リング3a,3bを固定する第1、第2のスペーサ5a,5b、6a,6b、導電性ロッド7a,7bを支持するブッシュ8及びシールプレート9は絶縁する必要があるが、絶縁体から製作してもよく、導電体で製作した後絶縁コーティング等の絶縁処理を施してもよい。
さらに、接触子4a,4bはスプリング12a,12b等の接触導電体部品を通してソレノイドガイド11a,11b、ケース10a,10bと導電させて電気端子20a,20bと繋げているが、接触子4a,4bに直接電線等を接続して外部端子(図示しない)と接続させても良い。
本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態を示す2位置形スプール位置検出装置付スプール弁31′の中立時(電磁コイルを非通電としスプリングリターン時)の部分断面図である。図2中、図1の構成要素と同一の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略する。以下、同様にする。
第2の実施の形態のスプール位置検出装置付スプール弁31′は、図2に示すように、左側に電磁コイル30aを有する油浸形2位置電磁弁である。図1の場合とは、本体1に対してケース10b、リング3b、接触子4bの開閉スイッチが一方のみに設けられ、スプール2′を作動させるロッド55a及び可動鉄心を含む電磁コイル30aが他方にのみに備えられている点で異なる。ケース10b側は電磁コイルが不要なので、ソレノイドガイド、例えばソレノイドガイド11b(図1参照)を設けず袋ナット形状を有するプラグ11′の先端ねじが螺着されている。また、電磁コイル30a側は図5に示す従来の構造と同じでもよいが、電磁コイル30aの取り付けの都合から、カバー36が設けられている。
かかる2位置形スプール位置検出装置付スプール弁31′においては、電磁コイル30aが非励磁の場合の中立時(スプリングリターン時)においては、右側のリング3b及び接触子4bが接触しており、電気端子20b及び検出電気端子21bは互いに導通している。電磁コイル30aを励磁した場合、スプール2′は矢印Y方向に移動する。
すると、接触子4bはスプール2′の移動に伴なって矢印Y方向へ移動するので、接触子4bとリング3bとは非接触となる。このように、電磁コイル30aの通電状態に応じて、接触子4bとリング3bに接続されている各電気端子20b,21bの導通状態が変わることとなり、これを利用して、スプール2′がどの位置にいるかを直接検出することができる。
本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。図3は、本発明の第3の実施の形態を示す3位置形のスプール位置検出装置付スプール弁41の中立時(比例電磁コイルを非通電としスプリング中立時)の部分断面図である。
第3の実施の形態のスプール位置検出装置付スプール弁41は、スプール2を機械的に中立位置に保持するストッパ57a,57b(図7参照)及びリテーナ59a,59b(図1及び図5参照)を除外し、対抗スプリング37a,37bの弾発力で中立位置に保持させ、電磁コイル30a,30bの通電電流を変化させることにより、スプール2の位置を対抗スプリング37a,37bとバランスさせることにより、スプール2の位置を制御し、流量や圧力を比例制御する比例制御弁の実施の形態である。
この場合、スプールに2に形成された鍔部52a,52bに対抗スプリング37a,37bが設けられている。
本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。図4は、本発明の第4の実施の形態を示す3位置形のスプール位置検出装置付スプール弁41′の中立時(比例電磁コイルを非通電としスプリング中立時)の部分断面図である。
第4の実施の形態においては、第3の実施の形態で述べた対抗スプリング37a,37bに相当する対抗スプリング38a,38bをリング3a,3bの外側から付勢するようにした例である。
図4に示すように、スプール位置検出装置付スプール弁41′は、スプール2″の両端に鍔状の段部2″a,2″bが形成されている。さらに段部2″a,2″bに当接可能に接触子4a,4b及びスプリング12a,12bが設けられ、この接触子4a,4b、スプリング12a,12bの内径より小さな外径を持つ比例スプリング38a,38bが内側に設けられ対抗スプリング38a,38bの先端が段部2″a,2″bに当接するようにされている。
スプリング12a,12b及び対抗スプリング38a,38bの反段部側はソレノイド
ガイド11a,11bによって支持されている。これにより、請求項3で述べた、スプール2″を移動又は位置決めする複数の手段が、リング3a,3bより外方から該リング3a,3b内を通り作用するように配置されたものにも適用できる。
この場合、図4でも諒解できるように、本体1の軸方向穴1aと段付貫通穴22a,22b間とは同軸状に確保でき、本体1とケーシング10a,10bとは1部材として1体に構成することも可能である。また、段部2″a,2″bを鍔形状とすることにより、スプリング12a,12b、対抗スプリング38a,38bを二重配置にでき、さらに一体として本体2の長さを小さくすることができる。
なお、従来例と対比して、中立位置保持用に対抗スプリング38a,38bを設けるので、検出用スプリング12a,12bが追加される。従って、中立位置維持用、検出用の対抗スプリング38a,38b、スプリン12a,12bの強さを適宜調整することはいうまでもない。一方、スプリング設計の自由度が増すので、スプリングリターン時のスプール駆動力を大きくでき信頼性を高めることも可能である。
図5及び図6は本発明のスプール弁31、31´、41、41 の参考としてポペット位置検出装置付ポペット弁60の概略構造を示す要部縦断面図である。図5及び図6中、図1乃至図4の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示すように、ポペット位置検出装置付ポペット弁60は、本体1に軸方向穴1aと、該軸方向穴1aの穴径より大きく軸方向穴1aに連通する軸方向穴61と、該軸方向穴61の穴径より大きく軸方向穴61に連通する軸方向穴62と、を備える。前記軸方向穴1a、61には軸方向に略直交する流体通路63、64が本体1に穿設されている。なお、軸方向穴1a、61、62は共に同軸状に設けられている。
軸方向穴1a及び62にはスリーブ65が嵌挿されている。スリーブ65は一端部に形成された鍔65aが軸方向穴62の端面に係合し、かつ円筒部65bの外周面が軸方向穴1aに嵌挿されている。スリーブ65の大径内周面にはポペット66の大径部66aが摺動自在に嵌挿され、かつポペット66の小径部66bの先端部がスリーブ65の円筒部65bの内周面の端面に当接するように設けられている。
前記小径部66bの中央部には軸方向に孔67が穿設されると共に、ねじ部材69によりボール68が装填されている。針弁70はスリーブ65の鍔65a及び大径内周面に嵌挿されたブッシュ71に摺動可能に配設されており、該針弁70の一端部に円錐部70aに形成されてポッペット66の孔67に連通する孔81に係合するように設けられ、前記針弁70の他端部がソレノイドガイド72内を摺動可能な可動鉄心であるプランジャ73とピン74によって連結されている。前記針弁70はスプリング75の弾発力によりポペット66に押し付けられ、孔81を閉塞するように機能する。なお、ソレノイドガイド72はスペーサ88を介してねじ手段76により本体1に螺着されている。
導電体であるリング3aは絶縁体の第1、第2のスペーサ5a、6a、導電体である波形ワッシャ77及びリテーナ78により固定されている。これにより、リング3aは、本体1とは絶縁状態に保持されている。接触子4aは導電体であり、同じく導電体であるスプリング12aによってリング3aに押し付けられている。よって、前記接触子4aはスプリング12a、プランジャ73スプリング75、スペーサ89及びソレノイドガイド72を介して本体1に常に導通している。
また、流体通路63及び64間が遮断されている場合、リング3aと接触子4aとが確実に接触している状態に維持されると共に、各構成部品の加工寸法のばらつきを考慮してリング3aと、該リング3aを移動させるためにリング3aと針弁70に設けた鍔(段部)79の端面79aとの間に隙間80が設けられている。
ポペット位置検出装置付ポペット弁60は基本的には以上のように構成されており、次に動作について説明する。
先ず、電磁コイル30aが非励磁の状態で流体通路64から圧力流体を供給した場合、ポペット66には孔87を設けているので流体室82と83の圧力は同一に保持されているが、ポペット66の両端面の受圧面積差により流体室82側の受圧面積86は流体室83側の受圧面積85より大きいため、ポペット66は矢印Y方向に変位し針弁70の円錐部70aが孔81に当接して流体通路63及び64間を遮断する(図5参照)。
さらに、リング3aと接触子4aとは接触しているので、電気端子20aは検出電気端子21aに導通しており、この電気端子20aと検出電気端子21aとの導通状態を検出することにより針弁70の位置検出を確認して流体通路63及び64間の連通及び遮断状態を遠隔的に確認することができる。
この状態で、電磁コイル30aを励磁すると、図6に示すようにプランジャ73が矢印X方向に変位し、それに伴い針弁70も協動する。針弁70が矢印X方向に変位すると、該針弁70の円錐部70aによって閉塞されていた孔81が開き、流体室82の圧力流体が該孔81を通って流体通路63へ流れる。圧力流体が流体室82から流体通路63に流れると、該流体室82の圧力は流体室83の圧力よりも低くなる。
流体室82の圧力が低くなり、(流体室82の圧力×受圧面積86)の力が(流体室83の圧力×受圧面積85)の力よりも小さくなるので、ポペット66は矢印X方向に変位する。よって、ポペット66の小径部66bの先端部がスリーブ65の円筒部65の内周面
の端面から離れるので、流体通路63及び64が連通状態になり圧力流体は流体通路63から流体通路64に流れるようになる。
次に、流体通路63から圧力流体を供給し、電磁コイル30aが非励磁の状態の場合、流体通路63の圧力に受圧面積84を積算した力がスプリング75の力―スプリング12aの力の弾発力よりも大きければ、圧力流体はポペット66を押し開いて流体通路64に流れる。
流体通路63から圧力流体を供給し、電磁コイル30aを励磁した場合、プランジャ73が矢印X方向に変位するのでポペット66にはスプリング75の弾発力が付勢されない。
よって、ポペット66を押し開く力は該ポペット66の摺動抵抗のみになるので、圧力流体は自由に流体通路63から流体通路64に流れる。この状態で、電磁コイル30aを励磁して針弁70により閉塞していた孔81を開くと、圧力流体が流体通路63から孔81を通って流体室82に流入するのを、ボール68により防止している。このためポペット66を矢印X方向に変位して孔81が閉塞される。ここで、針弁70が矢印X方向に変位すると、鍔79によって接触子4aも協動するので、リング3aと接触子4aとの接触なくなり電気端子20aと検出電気端子21aとの導通状態も解除される。
ポペット位置検出装置付ポペット弁60は、針弁70の位置を直接検出することにより、流体通路63及び64間が連通及び遮断状態を確認して圧力流体の流れの有無を検出することができる。
本発明の第1の実施の形態を示すスプール位置検出装置付スプール弁の中立時の部分断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す2位置形のスプール位置検出装置付スプール弁の中立時(電磁コイルを非通電としスプリングリターン時)の部分断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す3位置形のスプール位置検出装置付比例スプール弁の中立時(比例電磁コイルを非通電としスプリング中立時)の部分断面図である。 本発明の第4の実施の形態を示す3位置形のスプール位置検出装置付比例スプール弁の中立時(比例電磁コイルを非通電としスプリング中立時)の部分断面図である。 スプール弁の参考として示すポペット位置検出装置付ポペット弁の中立時の部分断面図である。 スプール弁の参考として示すポペット位置検出装置付ポペット弁の動作説明図である。 従来の3位置電磁弁の部分断面図である。
1 本体 1a 軸方向穴
2、2′、2″ スプール 2a、2b、2″a、2″b 段部
3a、3b リング 4a、4b 接触子
5a、5b 第1のスペーサ 5c、5d インロー部
6a、6b 第2のスペーサ 7a、7b 導電性ロッド
8 ブッシュ
11a、11b、11′ ガイド(ソレノイドガイド)
12a、12b スプリング 13a、13b 外方側端面(接触面)
14 連通路 15 めねじ
16、17 シール部材(Oリング)
18 通し穴 20a、20b 電気端子(アース)
21a、21b 検出電気端子 22a、22b 貫通穴
23a、23b (貫通穴)段付部
24 リード線 30a、30b 電磁コイル
31、31′、41、41″ スプール位置検出装置付スプール弁
55a、55b ロッド 60 ポペット位置検出装置付ポペット弁

Claims (5)

  1. 複数の流体通路を備えた軸方向穴を有する本体と、
    前記軸方向穴に挿入され軸方向移動により前記流体通路を開閉するように設けられたスプールと、
    前記スプールを移動または位置決めする手段と、
    を備えた制御弁であって、
    前記スプールの少なくとも一方を延出させて設けた段部と
    前記スプールと同心に前記段部が出入り可能にかつ前記スプールとは干渉しないように設けられたリングと、
    前記スプールの中立状態のときは前記リングの外方側端面に当接可能にし、前記スプールの切換状態のときは前記リングの外方側端面または前記段部のいずれか一方に当接可能にして軸方向に移動可能にされた前記スプールと同心に前記段部を除き前記スプールと干渉しないように設けられたリング状の接触子と、
    前記接触子を前記段部または前記リングへ付勢するスプリングと、
    を有し、
    前記接触子は導電性を有し外部と電気接続可能にされた電気端子とで電気的に導通されており、前記リングは前記電気端子とは異なる検出電気端子と電気的に接続され、前記リングと前記接触子が当接したときは前記リングを介して前記電気端子と検出電気端子が導電し、前記リングと前記接触子が離間しているときは少なくとも前記リングと前記電気端子とが導電しないようにされていることを特徴とするスプール位置検出装置付スプール弁。
  2. 請求項1記載のスプール位置検出装置付スプール弁において、
    前記スプールが延出する側の前記本体端面に設けられたケーシングと、
    前記ケーシングに前記軸方向穴と同心に前記本体側に設けられ段付部を有する段付貫通穴と、
    前記段付貫通穴内に前記段付部より順に前記スプールが干渉しないようにされたリング状の第1のスペーサと、
    前記リングと前記接触子及び前記スプールが干渉しないようにされた筒状の第2のスペーサと、
    を有し、
    前記リングが前記ケーシングと電気的に接触しないように順次挟持固定されるように前記ソレノイドガイドの先端が押し込まれ、少なくとも前記第1のスペーサと前記リングの接触部及び前記リングと前記第2のスペーサの接触部が電気的に絶縁されていることを特徴とするスプール位置検出装置付スプール弁。
  3. 請求項2記載のスプール位置検出装置付スプール弁において、
    前記スプールを移動または位置決めする手段が1個または複数個であって、前記リングより外方から該リング内を通り作用するように配置され、前記本体と前記ケーシングとが1の部材から構成されていることを特徴とするスプール位置検出装置付スプール弁。
  4. 請求項2または3に記載のスプール位置検出装置付スプール弁において、
    前記段付貫通穴の軸直角方向に連通路が開けられ、該連通路を密閉するブッシュと、
    前記ブッシュの通し穴内に設けられたシール部材と、
    前記シール部材にシールされながら前記ブッシュの通し穴を非導電状態で貫通する導電性ロッドと、
    を備え、
    前記導電性ロッドの先端が前記リングの軸直角方向に設けられためねじに導電状態で螺着され、前記導電性ロッドの他端が前記検出電気端子とリード線を介して接続されていることを特徴とするスプール位置検出装置付スプール弁。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスプール検出装置付スプール弁において、前記スプールを駆動する手段は、前記スプールの端部に当接可能にされたロッドが設けられ、前記ロッドは可動鉄心に接続され、前記可動鉄心が電磁コイルにより駆動可能にされた電磁弁であることを特徴とするスプール位置検出装置付スプール弁。

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