JP4465622B2 - 成形ボードの製造装置および製造方法 - Google Patents

成形ボードの製造装置および製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4465622B2
JP4465622B2 JP2005363700A JP2005363700A JP4465622B2 JP 4465622 B2 JP4465622 B2 JP 4465622B2 JP 2005363700 A JP2005363700 A JP 2005363700A JP 2005363700 A JP2005363700 A JP 2005363700A JP 4465622 B2 JP4465622 B2 JP 4465622B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mat body
compression
board
molding
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005363700A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007160888A (ja
Inventor
茂樹 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2005363700A priority Critical patent/JP4465622B2/ja
Publication of JP2007160888A publication Critical patent/JP2007160888A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4465622B2 publication Critical patent/JP4465622B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Description

本発明はマトリックス材と樹脂バインダ材とが混合され積層されてなるマット体が加熱加圧されてなる成形ボードを製造する装置および方法に関する。本発明の装置および方法で製造された成形ボードは、例えば車両や建築物の内装材として好ましく使用できる。
車両や建築物の内装材として用いられる成形ボードは、マトリックス材と樹脂バインダ材とが積層されてなるマット体を、加熱加圧し所定形状に形成して得られる。加熱されることでマット体に含まれる樹脂バインダ材が溶融し、マトリックス材同士を接着する。加圧されることで加熱溶融したマット体が所定形状に成形され、成形ボードが得られる。マトリックス材としては、一般に、木質材料や樹脂などを粉体状、繊維状、チップ状などに形成したものが用いられる。樹脂バインダ材としては、一般に、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などを粉体状、繊維状、チップ状などに形成したものが用いられる。
ところで、マトリックス材と樹脂バインダ材との組合わせによっては、溶融した樹脂バインダ材がマトリックス材に充分になじまない場合がある。例えば、マトリックス材として木質材料を用い、樹脂バインダ材としてポリプロピレンを用いる場合には、木質材料が親水基を持つのに対してポリプロピレンが疎水基を持つために、両者の濡れ性が悪い。したがってこの場合には、樹脂バインダ材によってマトリックス材同士を強固に接着できず、得られた成形ボードは強度に劣っていた。特に、成形ボードを薄肉に形成する場合、すなわち、目付量の低い成形ボードを形成する場合には、成形ボードの強度を充分に確保するのが困難であった。
ところで、近年では、木質要素片からなるマトリックス材と樹脂バインダ材とを含むマット体にグロー放電し、マット体の表面を改質する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に紹介されているマット体の改質方法によると、低気圧に設定された放電室内でターゲットたるマット体の表面にグロー放電する。放電室内には、通常、非反応性ガスを充填する。放電室内にてマット体の表面にグロー放電することで、マット体に表出するマトリックス材や樹脂バインダ材にOH基やCOOH基などの種々の官能基を導入してマトリックス材や樹脂バインダ材の親水性を高めることができる。すなわち、マット体の表面を改質できる。改質されたマット体表面では、マトリックス材と樹脂バインダ材との濡れ性が高まるため、成形ボード表面におけるマトリックス材と樹脂バインダ材との接着強度が高まり、表面の強度に優れる成形ボードが得られる。
しかし、グロー放電は放電室内で行う必要があるため、バッチ処理には向いているが、連続処理には不向きである。よって、大型のマット体に連続的にグロー放電するのは困難であった。また、放電室内に収容できるマット体の大きさには限りがあるため、大型のマット体にグロー放電するのは困難であった。バッチ処理は連続処理に比べてコストが高いために、マット体を安価に改質し難い問題もあった。
特開平10−305410号公報
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、マット体全体を改質して成形ボード全体の強度を高め得るとともに、種々の形状のマット体を安価に改質し得る、成形ボードの製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1発明の成形ボードの製造装置は、マトリックス材と樹脂バインダ材とを混合し積層してマット体を形成するマット体形成手段と、マット体を肉厚方向に圧縮するとともに圧縮されたマット体を搬送する圧縮搬送手段と、圧縮され搬送されているマット体を肉厚方向に挟んで配される少なくとも一対の電極を持ち、マット体に対して連続的または断続的に放電する放電手段と、放電を受けたマット体を加熱加圧して成形ボードを形成する成形手段と、を備えることを特徴とする。
第1発明の成形ボードの製造装置は、以下の構成(1)〜(5)の何れかを備えることが好ましい。以下の構成(1)〜(5)の複数を備えることが好ましい。
(1)上記放電手段の上記電極の間隔は8mm以下である。
(2)上記圧縮搬送手段は、上記マット体の対向する2表面を肉厚方向に挟み込む一対のローラ体をもつ圧縮ローラを少なくとも一つ備える。
(3)上記圧縮搬送手段は上記マット体の搬送方向に配列する複数の上記圧縮ローラからなり、同じ上記圧縮ローラを構成するローラ体同士の間隙は、上記マット体の搬送方向に向けて徐々に小さくなる部分を有する。
(4)上記圧縮ローラの少なくとも一つは上記放電手段を構成する。
(5)複数の上記圧縮ローラが上記放電手段を構成する。
上記課題を解決する第2発明の成形ボードの製造方法は、上述した何れかの成形ボードのの製造装置を用いて成形ボードを製造する方法であって、上記マット体形成手段を用いて、上記マトリックス材と上記樹脂バインダ材とを混合し積層して上記マット体を形成するマット体形成工程と、上記圧縮搬送手段を用いて、上記マット体を肉厚方向に圧縮するとともに圧縮された上記マット体を搬送する圧縮搬送工程と、上記放電手段を用いて、圧縮され搬送されている上記マット体に対して肉厚方向に連続的または断続的に放電する放電工程と、上記成形手段を用いて、放電工程後の上記マット体を加熱加圧して成形ボードを形成する成形工程と、を備えることを特徴とする。
第2発明の成形ボードの製造方法は、下記の構成(6)〜(11)の何れかを備えることが好ましい。下記の構成(6)〜(11)の複数を備えることが望ましい。
(6)上記放電手段が放電する間隔は8mm以下である。
(7)上記マトリックス材は、木質材料、樹脂、炭素化合物、ガラスから選ばれる少なくとも一種からなる。
(8)上記マトリックス材は繊維状をなす。
(9)上記樹脂バインダ材は繊維状をなす。
(10)上記マトリックス材はケナフ繊維を含む。
(11)上記樹脂バインダ材は熱可塑性樹脂繊維を含む。
第1発明の成形ボードの製造装置は、圧縮搬送手段によってマット体を圧縮する。そして、圧縮・搬送されているマット体を肉厚方向に挟んで配される放電手段の電極によって、マット体の肉厚方向に放電する。放電手段は少なくとも一対の電極を持ち、圧縮・搬送されているマット体に対して連続的または断続的に放電する。本発明でいう放電とは、上述したグロー放電や、コロナ放電、プラズマ放電等を含む概念である。放電手段が連続的または断続的に放電することで、圧縮・搬送されているマット体を、搬送方向に沿って連続的または断続的に放電処理できる。このため、種々の形状のマット体を改質できる。例えば、グロー放電などの方法を用いて放電室内部でマット体に放電する場合には、放電室に小型の開口を2つ設ける。そして、開口を介してマット体を放電室の内外に搬送しつつ、放電室内にてマット体に連続的または断続的に放電する。このため、放電室の大きさに関係なく種々の大きさのマット体を連続的または断続的に放電処理し得る。よって、上述したようにバッチ処理によってマット体を放電処理する場合に比べて、種々の形状のマット体を安価に改質し得る。また、例えば、コロナ放電などの方法を用いて大気圧下で放電する場合には、放電室が不要であるために、さらに大型のマット体をより安価に改質し得る。また、マット体の肉厚方向に放電することで、マット体の表面のみならず内部に存在するマトリックス材や樹脂バインダ材にも種々の官能基が導入され、マトリックス材と樹脂バインダ材との濡れ性が高められる。したがって、連続的にマット体を製造しながらマット体全体を改質できるため、効率的にマット体を製造できるとともに得られた成形ボードは全体の強度に優れる。マット体の肉厚方向に放電することで、放電により生じたプラズマ等がマトリックス材や樹脂バインダ材の間隙をとおってマット体の内部に到達することによると考えられる。
なお、第1発明の成形ボードの製造装置においては、放電手段にかける電力が少ない場合には電極を8mm以下の間隔で配してマット体を挟んだときに安定して放電する現象がみられる。したがって、少電力における放電時には圧縮搬送手段によってマット体を8mm以下の肉厚に圧縮するのが好ましい。
さらに、対をなす電極同士の間隔は1mm〜8mmであるのが好ましい。望ましくは1mm〜5mmである。
第1発明の成形ボードの製造装置が構成(1)を備える場合には、少電力でより安定した放電処理を行うことができるため、マット体全体をより確実に改質できる。
第1発明の成形ボードの製造装置が構成(2)を備える場合には、マット体をより安価に改質できる利点がある。マット体の圧縮と搬送とを共に行い得る圧縮ローラを用いることで、圧縮搬送手段を簡単な構造にできるためである。
第1発明の成形ボードの製造装置が構成(3)を備える場合には、マット体全体をより確実に改質できる利点がある。マット体を所定の肉厚にまで段階的に圧縮できるためマット体の肉厚をより精密に制御できるためである。また、マット体を急激に薄肉に圧縮する場合に比べて、圧縮搬送手段にかかる負荷が小さくなる利点もある。
第1発明の成形ボードの製造装置が構成(4)を備える場合には、マット体をより安価に改質できる利点がある。放電手段を圧縮搬送手段の一部から構成することで、成形ボードの製造装置の部品点数を低減できるとともに、製造工程を短縮できることによる。
第1発明の成形ボードの製造装置が構成(5)を備える場合には、マット体を改質する際の製造ロスを低減し、かつ、マット体全体をより確実に改質できる利点がある。複数の圧縮ローラによって放電手段を構成することで、マット体に対する放電を多段階で行うことができる。このため、各々の圧縮ローラにおける放電出力を小さくでき、マット体に一度に負荷される電力を低減して、放電時にマット体に焼け穴等が形成されるのを防止できる。このため、マット体をより安価に改質できる。さらに、マット体に対する放電を多段階でおこなうことで、マット体全体にむらなく放電できる。よって、マット体全体をより確実に改質できる。
第2発明の成形ボードの製造方法は、上記の何れかの成形ボードの製造装置を用いて成形ボードを製造する方法であるため、マット体全体を改質して成形ボード全体の強度を高め得るとともに、種々の形状のマット体を安価に改質し得る。
第2発明の成形ボードの製造方法が構成(6)を備える場合には、マット体の肉厚方向全域を少ない電力でむらなく放電でき、マット体全体を確実に改質できる。
第2発明の成形ボードの製造方法が構成(7)を備える場合には、放電によって確実にマトリックス材を改質できる。
第2発明の成形ボードの製造方法が構成(8)を備える場合には、マット材全体をより確実に改質できる。マトリックス材が繊維状をなすことで、マトリックス材の表面積が増加するとともに、マトリックス材同士の間隙を充分に確保でき、放電により生じたプラズマ等がマット体の内部に確実に到達するためである。
第2発明の成形ボードの製造方法が構成(9)を備える場合には、マット材全体をより確実に改質できる。樹脂バインダ材が繊維状をなすことで、マトリックス材の表面積が増加するとともに、樹脂バインダ材同士の間隙を充分に確保でき、放電により生じたプラズマ等がマット体の内部に確実に到達するためである。
第2発明の成形ボードの製造方法が構成(10)を備える場合には、マトリックス材をより確実に改質できる。木質材料の一種であるケナフ繊維は、親水性が高いため、樹脂バインダ材とともに改質でき、接着性能が向上する。さらに、ケナフ繊維の原料となるケナフは一年草であり、栽培が容易である。また、ケナフ繊維は比較的繊維長が長い。このため、ケナフ繊維を用いることで、石油由来の資源を低減できる。
第2発明の成形ボードの製造方法が構成(11)を備える場合には、樹脂バインダ材をより確実に改質できる。熱可塑性樹脂繊維は、放電処理によって親水性が高められるとともに、予備成形工程、本成形工程で容易に溶融させることができるため、成形品の成形および取り扱いが容易である。
本発明における放電は、グロー放電、コロナ放電、プラズマ放電などと呼ばれる放電方法の総称であり、何れの放電方法によっても、マトリックス材や樹脂バインダ材に種々の官能基を導入してマット材の全体を改質できる。例えば、コロナ放電によると、空気中で放電を行うため、空気中に存在するO2、N2などの反応性ガス由来の官能基がマトリックス材や樹脂バインダ材に導入される。グロー放電によると、放電室内で放電を行うため、反応室内やマット体の内部に存在するO2、N2などの反応性ガス由来の官能基がマトリックス材や樹脂バインダ材に導入される。
改質されたマット材において、マトリックス材および樹脂バインダ材には同様の官能基が導入され、マトリックス材と樹脂バインダ材との親水性(濡れ性)が同程度になる。改質後のマット材を加熱して樹脂バインダ材を溶融させると、マトリックス材と樹脂バインダ材とは強固に接合する。よって、改質前のマトリックス材および樹脂バインダ材が濡れ性に劣る場合にも、マトリックス材同士を樹脂バインダ材によって強固に接着でき、得られた成形ボードは強度に優れたものとなる。
マット体の原料たるマトリックス材および樹脂バインダ材としては、放電処理によって各種の官能基を導入し得る種々の材料を選択できる。マトリックス材および樹脂バインダ材は、粉状、チップ状、繊維状などの種々の形状のものを使用できるが、繊維状のものを使用するのが好ましい。マトリックス材や樹脂バインダ材を繊維状にすることで、マトリックス材や樹脂バインダ材の表面積を増大させ得るとともに、間隙を充分に確保し得るためである。また、繊維状をなすマトリックス材および樹脂バインダ材は互いに絡み合うため、強度やハンドリング性に優れるマット材や成形ボードを得られる利点もある。
例えば、マトリックス材としては、木質材料、樹脂、炭素化合物、ガラスから選ばれる少なくとも一種が好ましく用いられる。
木質材料としては、リグノセルロース類、セルロース類などを含む木本植物や草本植物由来の材料を用いるのが好ましい。具体的には、ケナフ繊維、麻繊維、亜麻繊維、ローゼル繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、ヘンプ繊維、油ヤシ繊維、ココヤシ繊維、サトウキビ繊維などの靭皮繊維などが挙げられる。木質材料は、低コストであり比較的強度が高いため、好ましく用いられる。特にケナフ繊維は、リグノセルロースを多く含み、圧縮強さに優れ、低比重であるため、好ましく用いられる。また、ケナフは一年草で栽培が容易であるため、原料コストを低減できる利点もある。
樹脂材料、炭素化合物、ガラスとしては、成形ボードに要求される強度に応じて種々の材料を選択できる。例えば、グラスウールやカーボン繊維などは、強度が高いために好ましく用いられる。
樹脂バインダ材としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れを用いても良い。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。石油資源の利用を低減したり、木質成形体の廃棄処理を容易にするためには、非石油資源から得られる樹脂材料や、生分解性樹脂をバインダとして用いることが特に好ましい。
生分解性樹脂としては、化学変性デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、脂肪族ポリエステル等が挙げられる。化学変性デンプン系樹脂は、デンプンエステルやデンプンエーテルに代表されるものである。デンプンエステルとしては、高置換度エステル化デンプン、エステル化ビニルエステルグラフト重合デンプン、エステル化ポリエステルグラフト重合デンプン等が挙げられる。デンプンエーテルとしては、エーテル化ビニルエステルグラフト重合デンプン、エーテル化ポリエステルグラフト重合デンプン等が挙げられる。その他、ポリエステルグラフト重合デンプンを用いても良い。
セルロース系樹脂としては、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ベンジル化セルロース等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、既知構造の脂肪族グリコール/多塩基酸ポリエステルや、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル(所謂ポリ乳酸樹脂)等が挙げられる。ポリ乳酸樹脂は強度が比較的高く、生分解性に優れるために、特に好ましく用いられる。
なお、樹脂バインダ材として熱可塑性樹脂を選択する場合には、成形工程を予備成形工程と本成形工程との2段階にわけることができる。すなわち、マット体を一旦予備成形した後に本成形すれば、マット体形成工程、圧縮搬送工程、放電工程、および、予備成形工程と、本成形工程とをそれぞれ別の場所で行うこともでき、製造ラインを自由に設計できる利点がある。
マット体形成手段は、エアーレイ法、フリース法、カード法などの既知の方法でマトリックス材と樹脂バインダ材とを混合し積層する。また、ニードルパンチ法などの方法でマトリックス材と樹脂バインダ材とを交絡する交絡装置を、マット体形成手段に設けても良い。
以下、本発明の成形ボードの製造装置および製造方法を図面を基に説明する。
(実施例1)
実施例1の成形ボードの製造装置を模式的に表す説明図を図1〜3に示す。図1はマット体形成手段、圧縮搬送手段、および放電手段を模式的に表す説明図であり、図2および図3は成形手段を模式的に表す説明図である。図4は圧縮搬送手段および放電手段を模式的に表す要部拡大図である。
以下、実施例1の成形ボードの製造方法および製造装置を工程順に説明する。
(マット体形成工程)
ケナフ繊維50重量部とポリプロピレン(PP)繊維50重量部とを混合し積層してマット体用の混合材料を得た。ケナフ繊維はマトリックス材であり、PPは樹脂バインダ材である。マット体形成手段1を用いて、以下に説明する手順にて混合材料を積層してマット体を得た。マット体形成手段1は、図1に示すように、繊維解繊装置2と、ホッパー3と、繊維堆積装置4と、交絡装置5とを備える。繊維解繊装置2、ホッパー3、繊維堆積装置4、および、交絡装置5は既知構造からなる。
先ず、ケナフ繊維とPP繊維とからなる混合材料を繊維解繊装置2に連続的に投入した。繊維解繊装置2は第1の解繊装置6を内蔵する。第1の解繊装置6はローラ状をなし、外周表面に櫛状の突起が形成されている。第1の解繊装置6は図1中反時計回りに回転する。繊維解繊装置2に投入され第1の解繊装置6の外周表面に到達した混合材料は、第1の解繊装置6の回転によって繊維解繊装置2に隣接するホッパー3に搬送されるとともに、第1の解繊装置6に梳かれてほぐされた。
ホッパー3は、ブロワ7と、第2の解繊装置8と、第1の搬送装置9と、押圧装置10とを備える。第2の解繊装置8は第1の解繊装置6とほぼ同形状であり、図1中反時計回りに回転する。繊維解繊装置2からホッパー3に搬送された混合材料は、ブロワ7によって空気搬送され第2の解繊装置8に到達した。第2の解繊装置8に到達した混合材料は、第2の解繊装置8に梳かれてほぐされるとともに、第2の解繊装置8の回転に伴って第2の解繊装置8の下方に配されている第1の搬送装置9上に落下した。第1の搬送装置9はベルトコンベアからなる。第1の搬送装置9の上部には、ローラ状の押圧装置10が配設されている。第1の搬送装置9の上に落下した混合材料は、押圧装置10にて第1の搬送装置9の上面に押しつけられ、搬送された。第1の搬送装置9により輸送された混合材料は、ホッパー3に隣接する繊維堆積装置4に到達した。
繊維堆積装置4はエアーレイ式の装置であり、装置内部の空気を吸引する吸引装置11と、装置内部にて混合材料を搬送する搬送ローラ12と、混合材料を繊維堆積装置4の内外に搬送する第2の搬送装置13とを持つ。吸引装置11は吸引ポンプからなり、第2の搬送装置13はメッシュ状のベルトコンベアからなる。吸引装置11は第2の搬送装置13の下方に配設されている。繊維堆積装置4に到達し、搬送ローラ12に搬送されて吸引装置11付近に到達した混合材料は、吸引装置11によって装置内部の空気とともに第2の搬送装置13の下方に向けて吸引された。空気は第2の搬送装置13を通過して吸引装置11の外部に排出されるが、混合材料は第2の搬送装置13を通過しない、このため、混合材料は第2の搬送装置13の上面に積層し、積層体15が得られた。第2の搬送装置13の上面に積層した積層体15は、繊維堆積装置4に隣接する交絡装置5に輸送された。
交絡装置5は、ニードルパンチ式の装置であり、積層体15を肉厚方向に繰り返し突き刺すニードル16を備える。ニードル16には図略の突起が形成されており、ニードル16に突き刺された(ニードルパンチ処理された)積層体15は、互いに交絡してマット体18となった。実施例1の成形ボードの製造方法では、マット体18に対し針深度1〜3mmで2回のニードルパンチ処理を施した。
以上のマット体形成工程にてマット体18を得た。得られたマット体18は、MD方向(長手方向、図1中左右方向)の破断伸度およびTD方向(長手方向に直交する方向)の破断伸度がともに30mm以上であり、目付(単位面積あたりの重さ)が1900g/m2であり、肉厚が30mmであった。実施例1のマット体形成工程にて得られたマット体18は、繊維解繊装置2、ホッパー3、繊維堆積装置4、および、交絡装置5にて連続的に形成された長尺状をなす。
(圧縮搬送工程、放電工程)
圧縮搬送手段および放電手段を用いて、マット体形成工程で得られたマット体18を改質した。実施例1の成形ボードの製造装置においては、圧縮搬送手段および放電手段は一体化されている。詳しくは、圧縮搬送手段20は、図1および図4に示すように、マット体18の搬送方向(図1および図4中左右方向)に配列する10個の圧縮ローラ(21〜30)を備える。各圧縮ローラ(21〜30)は、マット体18を搬送する搬送空間の上方に配されるローラ体(上側ローラ31)と、搬送空間の下方に配されるローラ体(下側ローラ32)と、ベルト体33とを備える。上側ローラ31と下側ローラ32とは対をなし、搬送空間内を搬送されるマット体18を肉厚方向に挟み込む。上側ローラ31は、ステンレスからなる円柱状のローラ基部(図略)と、ローラ基部の外周表面を被覆する肉厚5mmの弾性層とを持つ。下側ローラ32は上側ローラ31と同様にステンレスからなる円柱状のローラ基部(図略)とその外周表面を被覆する肉厚5mmの弾性層(図略)とからなる。
各上側ローラ31は、それぞれ図略のモータ(上側モータ)に接続され、図1および図4中反時計回りに回転する。各下側ローラ32は、それぞれ図略のモータ(下側モータ)に接続され、各下側ローラ32は図1および図4中時計回りに回転する。各下側ローラ32は、メッシュ状に形成され環状をなすステンレス製のベルト体33によって連結されている。すなわち、下側ローラ32、モータおよびベルト体33は、ベルトコンベアを構成する。
各圧縮ローラ(21〜30)は、既知構造からなるコロナ放電用装置を構成する。詳しくは、各上側ローラ31は、図略のトランスおよび電源をもつ給電装置に接続され、コロナ放電装置の作用電極を構成する。各下側ローラ32は図略のアースに接続されている。実施例1の成形ボードの製造装置においては、上側ローラ31と下側ローラ32とが一対の電極を構成し、一対の電極間において連続的にコロナ放電する。
実施例1の成形ボードの製造装置における各圧縮ローラを、マット体18の搬送方向の上流側(図4中左側)から下流側(図4中右側)に向けて、第1圧縮ローラ21、第2圧縮ローラ22、第3圧縮ローラ23、第4圧縮ローラ24、第5圧縮ローラ25、第6圧縮ローラ26、第7圧縮ローラ27、第8圧縮ローラ28、第9圧縮ローラ29、第10圧縮ローラ30と呼ぶ。実施例1の成形ボードの製造装置においては、各上側ローラ31とベルト体33との間隔は、第1圧縮ローラ21から第10圧縮ローラ30まで全て8mmである。
各圧縮ローラは、上側ローラ31、給電装置、下側ローラ32、アースによって、マット体18に対して肉厚方向に放電する。第1圧縮ローラ21〜第10圧縮ローラ30は、上側ローラ31とベルト体33との間隔が8mm以下である。実施例1の成形ボードの製造装置においては、第1圧縮ローラ21〜第10圧縮ローラ30が放電手段を構成する。すなわち、実施例1の成形ボードの製造装置においては、圧縮搬送手段20と放電手段とが一体化している。
実施例1の成形ボードの製造装置において、上側ローラ31、上側モータ、下側ローラ32、下側モータ、給電装置、アースおよびベルト体33が圧縮ローラ(21〜30)を構成する。圧縮ローラ(21〜30)は、上側ローラ31、上側モータ、下側ローラ32、下側モータ、およびベルト体33によって、マット体18を搬送するとともに肉厚方向に圧縮する。すなわち、圧縮ローラ(21〜30)は圧縮搬送手段20を構成する。
実施例1の成形ボードの製造方法における圧縮搬送工程および放電工程を以下に説明する。
マット体形成工程で得られたマット体18は、圧縮搬送手段20(放電手段)に到達すると、各上側ローラ31と各下側ローラ32との間隙に入り込んだ。マット体18は上面と下面とを上側ローラ31と下側ローラ32とに挟み込まれて搬送されつつ圧縮された。実施例1の成形ボードの製造方法においては、圧縮搬送手段20にてマット体18が搬送される速度は5m/分であった。さらに、圧縮ローラ(21〜30)は上側ローラ31と下側ローラ32とが一対の電極を形成し、一対の電極間で連続的にコロナ放電している。したがってマット体18は、圧縮ローラ(21〜30)により圧縮・搬送されつつ肉厚方向に連続的にコロナ放電を受けた。圧縮搬送手段20によってマット体18を搬送しつつコロナ放電することで、マット体18は長手方向すなわち搬送方向に沿って連続的に放電処理された。このとき、作用電極である各上側ローラ31に印加される電力は800Wであった。参考までに、各トランスの容量は4kWであった。
マット体18は、放電手段である第1圧縮ローラ21〜第10圧縮ローラ30を通過する際に、肉厚方向に8mm以下の間隔でコロナ放電を受けた。よって、実施例1の成形ボードの製造方法においては、マット体18が第1圧縮ローラ21〜第10圧縮ローラ30の間を通過する際に、マット体18の表面および内部が改質された。
(成形工程 予備成形工程)
実施例1の成形ボードの製造方法における成形工程は、予備成形工程と本成形工程との2工程からなる。予備成形工程は、放電を受けたマット体18を加熱加圧して汎用的な形状に成形する工程である。予備成形工程に用いた予備成形手段35は、図2に示すように、マット体18の搬送方向の最上流側に配される第3の搬送装置36と、第3の搬送装置36に隣接する予備加熱装置37と、予備加熱装置37に隣接する圧縮搬送装置38と、圧縮搬送装置38に隣接する第4の搬送装置39とをもつ。第3の搬送装置36および第4の搬送装置39は、それぞれ、マット体18を搬送する搬送空間の上下に配される2つの送りローラ(上側送りローラ40、下側送りローラ41)を持つ。上側送りローラ40は図2中反時計回りに回転する。下側送りローラ41は図2中時計回りに回転する。第3の搬送装置36および第4の搬送装置39は、マット体18を図2中左側から右側に向けて搬送する。予備加熱装置37は、搬送空間の上下に配される一対のコンタクトヒータ43を持つ。圧縮搬送装置38は、搬送空間の上下にマット体18の搬送方向に沿って配列するローラ群44を備える。
予備成形工程においては、圧縮搬送工程および放電工程を経たマット体18を、第3の搬送装置36および第4の搬送装置39によって搬送しつつ、予備加熱装置37および圧縮搬送装置38によって加熱、圧縮、および冷却した。詳しくは、予備加熱装置37によってマット体18を200℃で50秒間加熱し、圧縮搬送装置38によって自然冷却しつつ圧縮した。実施例1の成形ボードの製造装置には、第4の搬送装置39に隣接して図略の裁断装置が配されている。裁断装置によって、予備成形手段35によって得られた長尺の予備成形品45を所定寸法に裁断して短尺の予備成形品46(所謂プレボード)を得た。予備成形工程で得られたプレボード46は板厚3.5mmであった。
(成形工程 本成形工程)
本成形工程は、予備成形工程で得られたプレボード46を再度加熱加圧して、所定の形状に成形する工程である。本成形工程に用いた本成形手段47は、図3に示すように、プレボード46を搬送しつつ加熱する本加熱装置48と、本加熱装置48にて加熱されたプレボード46を所定形状に賦形する賦形型50と、本加熱装置48にて加熱されたプレボード46を賦形型50に搬送するマニプレータ49とを備える。
本成形工程においては、予備成形工程で得られたプレボード46を、本加熱装置48にて200℃で60秒間加熱し、加熱後30秒以内にマニプレータ49にて賦形型50に搬送し、賦形型50にて冷間プレスした。
マット体形成工程、圧縮搬送工程、放電工程、予備成形工程および本成形工程によって、実施例1の成形ボードを得た。実施例1の成形ボードの物性を表1に示す。なお、表1には、後述する実施例2〜7および参考例1〜2の成形ボードの物性を併記する。
Figure 0004465622
(実施例2)
実施例2の成形ボードの製造方法は、樹脂バインダ材としてPPにかえてポリ乳酸(PLA)を用いたこと以外は、実施例1の成形ボードの製造方法と同じである。実施例2の成形ボードの製造方法に用いた成形ボードの製造装置は、実施例1の成形ボードの製造装置と同じである。
(実施例3)
実施例3の成形ボードの製造方法は、実施例1と同数の圧縮ローラを備える圧縮搬送手段20を用いる。実施例3の圧縮搬送手段および放電手段を模式的に表す要部拡大図を図5に示す。実施例3の成形ボードの製造方法は、5つの圧縮ローラでマット体18に放電すること、および、圧縮ローラにおける上側ローラ31と下側ローラ32との間隔(上側ローラ31とベルト体33との間隔)がマット体18の搬送方向に沿って徐々に小さくなっている部分を有すること以外は、実施例1の成形ボードの製造方法と同じである。実施例3の成形ボードの製造装置では、第1圧縮ローラ21〜第5圧縮ローラ25間では上側ローラ31とベルト体33との間隔を30mm〜8mmに徐変させて、マット体18を圧縮した。第6圧縮ローラ26〜第10圧縮ローラ30間では、上側ローラ31とベルト体33との間隔を全て8mmにし、マット体18に放電するようにした。
(実施例4)
実施例4の成形ボードの製造方法は、実施例1と同数の圧縮ローラを備える圧縮搬送手段20を用いる。実施例4の成形ボードの製造方法は、3つの圧縮ローラでマット体18に放電すること以外は、実施例3の成形ボードの製造方法と同じである。実施例4の成形ボードの製造装置は、第1圧縮ローラ21〜第7圧縮ローラ27間では上側ローラ31とベルト体33との間隔を30mm〜8mmに徐変させて、マット体18を圧縮した。第8圧縮ローラ28〜第10圧縮ローラ30間では、上側ローラ31とベルト体33との間隔を全て8mmにし、マット体18に放電するようにした。
(実施例5)
実施例5の成形ボードの製造方法は、実施例1と同数の圧縮ローラを備える圧縮搬送手段20を用いる。実施例5の成形ボードの製造方法は、2つの圧縮ローラでマット体18に放電すること以外は、実施例3の成形ボードの製造方法と同じである。実施例5の成形ボードの製造装置は第1圧縮ローラ21〜第8圧縮ローラ28間では上側ローラ31とベルト体33との間隔を30mm〜8mmに徐変させて、マット体18を圧縮した。第9圧縮ローラ29〜第10圧縮ローラ30間では、上側ローラ31とベルト体33との間隔を全て8mmにし、マット体18に放電するようにした。
(実施例6)
実施例6の成形ボードの製造方法は、実施例1と同数の圧縮ローラを備える圧縮搬送手段20を用いる。実施例6の成形ボードの製造方法は、1つの圧縮ローラでマット体18に放電すること以外は、実施例3の成形ボードの製造方法と同じである。実施例6の成形ボードの製造装置は、第1圧縮ローラ21〜第9圧縮ローラ29間では上側ローラ31とベルト体33との間隔を30mm〜8mmに徐変させて、マット体18を圧縮した。第10圧縮ローラ30では、上側ローラ31とベルト体33との間隔を8mmにし、マット体18に放電するようにした。
(実施例7)
実施例7の成形ボードの製造方法は、樹脂バインダ材としてPPにかえてPLAを用いたこと以外は、実施例6の成形ボードの製造方法と同じである。実施例7の成形ボードの製造装置は、実施例6の成形ボードの製造装置と同じである。
(参考例1)
参考例1の成形ボードの製造方法は、上側ローラ31と下側ローラ32との間隔(上側ローラ31とベルト体33との間隔)が30mm以上である10個の圧縮ローラを備える圧縮搬送手段20を用いたこと、および、樹脂バインダ材としてPPにかえてPLAを用いたこと以外は、実施例1の成形ボードの製造方法と同じである。参考例1の成形ボードの製造装置において、圧縮搬送手段20は10個の圧縮ローラ(第1圧縮ローラ21〜第10圧縮ローラ30)を備える。上側ローラ31とベルト体33との間隔は、第1圧縮ローラ21〜第10圧縮ローラ30まで全て30mmである。
(参考例2)
参考例2の成形ボードの製造方法は、上側ローラ31と下側ローラ32との間隔(上側ローラ31とベルト体33との間隔)が8mmを超える3個の圧縮ローラを備える圧縮搬送手段20を用いたこと以外は、実施例1の成形ボードの製造方法と同じである。参考例2の成形ボードの製造装置において、圧縮搬送装置20は3個の圧縮ローラ(第1圧縮ローラ21〜第3圧縮ローラ23)を備える。上側ローラ31とベルト体33との間隔は、第1圧縮ローラ21〜第3圧縮ローラ23まで全て15mmである。
(各成形ボードの評価)
表1に示すように、実施例1〜7および参考例1〜2の成形ボードは、肉厚、目付および密度がほぼ同じである。しかし、実施例1〜7の成形ボードは、参考例1〜2の成形ボードに比べて、最大曲げ荷重、曲げ強さ、曲げ弾性率および曲げ弾性(勾配)に優れる。これは、実施例1〜7の成形ボードの製造方法では、圧縮搬送手段20によってマット体18を圧縮し、放電手段によってマット体の肉厚方向に8mm以下の間隔で放電したことによると考えられる。すなわち、実施例1〜7の成形ボードは参考例1〜2の成形ボードに比べてマトリックス材と樹脂バインダ材との濡れ性が高められ、樹脂バインダ材によってマトリックス材同士が強固に接着したと考えられる。
なお、実施例1〜7の成形ボードの製造方法における放電工程では、プラズマの発生が確認され、コロナ放電によるプラズマがマット体18の内部にまで到達していることが示唆された。このことから、放電手段によってマット体18の肉厚方向に8mm以下の間隔で放電することにより、より少ない電力でマット体18の全体をより確実に改質できることがわかる。
なお、実施例においては、放電手段が複数の電極を有する場合に、各々の電極の間隔(上側ローラ31とベルト体33との間隔)を一定としたが、各々の電極の間隔を、マット体18の搬送方向に沿って徐々に小さくなるようにしても良い。
また、実施例の成形ボードの製造装置および製造方法では、放電手段と圧縮搬送手段20とを一体化しているが、放電手段と圧縮搬送手段20とは別体であっても良い。さらに、放電手段と成形手段とを一体化しても良い。例えば、予備成形手段35のマット体搬送方向の最上流側に放電手段を設けても良い。或いは、予備成形手段35の予備加熱装置37と圧縮搬送装置38との間に放電手段を設けても良い。圧縮搬送手段20よりもマット体搬送方向の下流側に放電手段を設けても良い。何れの場合にも、放電を受けてマトリックス材および樹脂バインダ材が改質されると両者の濡れ性が高められ、樹脂バインダ材によってマトリックス材同士が強固に接着した成形ボードが得られる。
実施例1の成形ボードの製造装置におけるマット体形成手段、圧縮搬送手段、および放電手段を模式的に表す説明図である。 実施例1の成形ボードの製造装置における成形手段を模式的に表す説明図である。 実施例1の成形ボードの製造装置における成形手段を模式的に表す説明図である。 実施例1の成形ボードの製造装置における圧縮搬送手段および放電手段を模式的に表す要部拡大図である。 実施例3の成形ボードの製造装置における圧縮搬送手段および放電手段を模式的に表す要部拡大図である。
符号の説明
1:マット体形成手段、18:マット体、20:圧縮搬送手段、21〜30:圧縮ローラ、35:予備成形手段、46:プレボード、47:本成形手段

Claims (13)

  1. マトリックス材と樹脂バインダ材とを混合し積層してマット体を形成するマット体形成手段と、
    該マット体を肉厚方向に圧縮するとともに圧縮された該マット体を搬送する圧縮搬送手段と、
    圧縮され搬送されている該マット体を肉厚方向に挟んで配される少なくとも一対の電極を持ち、該マット体に対して連続的または断続的に放電する放電手段と、
    放電を受けた該マット体を加熱加圧して成形ボードを形成する成形手段と、を備えることを特徴とする成形ボードの製造装置。
  2. 前記放電手段の前記電極の間隔は8mm以下である請求項1に記載の成形ボードの製造装置。
  3. 前記圧縮搬送手段は、前記マット体の対向する2表面を肉厚方向に挟み込む一対のローラ体をもつ圧縮ローラを少なくとも一つ備える請求項1または2に記載の成形ボードの製造装置。
  4. 前記圧縮搬送手段は前記マット体の搬送方向に配列する複数の前記圧縮ローラからなり、同じ前記圧縮ローラを構成するローラ体同士の間隙は、前記マット体の搬送方向に向けて徐々に小さくなる部分を有する請求項3に記載の成形ボードの製造装置。
  5. 前記圧縮ローラの少なくとも一つは前記放電手段を構成する請求項4に記載の成形ボードの製造装置。
  6. 複数の前記圧縮ローラが前記放電手段を構成する請求項5に記載の成形ボードの製造装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の成形ボードの製造装置を用いて成形ボードを製造する方法であって、
    前記マット体形成手段を用いて、前記マトリックス材と前記樹脂バインダ材とを混合し積層して前記マット体を形成するマット体形成工程と、
    前記圧縮搬送手段を用いて、前記マット体を肉厚方向に圧縮するとともに圧縮された前記マット体を搬送する圧縮搬送工程と、
    前記放電手段を用いて、圧縮され搬送されている前記マット体に対して肉厚方向に連続的または断続的に放電する放電工程と、
    前記成形手段を用いて、該放電工程後の前記マット体を加熱加圧して成形ボードを形成する成形工程と、を備えることを特徴とする成形ボードの製造方法。
  8. 前記放電手段が放電する間隔は8mm以下である請求項7に記載の成型ボードの製造方法。
  9. 前記マトリックス材は、木質材料、樹脂、炭素化合物、ガラスから選ばれる少なくとも一種からなる請求項7に記載の成形ボードの製造方法。
  10. 前記マトリックス材は繊維状をなす請求項7に記載の成形ボードの製造方法。
  11. 前記樹脂バインダ材は繊維状をなす請求項7に記載の成形ボードの製造方法。
  12. 前記マトリックス材はケナフ繊維を含む請求項7に記載の成形ボードの製造方法。
  13. 前記樹脂バインダ材は熱可塑性樹脂繊維を含む請求項7に記載の成形ボードの製造方法。
JP2005363700A 2005-12-16 2005-12-16 成形ボードの製造装置および製造方法 Expired - Fee Related JP4465622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005363700A JP4465622B2 (ja) 2005-12-16 2005-12-16 成形ボードの製造装置および製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005363700A JP4465622B2 (ja) 2005-12-16 2005-12-16 成形ボードの製造装置および製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007160888A JP2007160888A (ja) 2007-06-28
JP4465622B2 true JP4465622B2 (ja) 2010-05-19

Family

ID=38244313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005363700A Expired - Fee Related JP4465622B2 (ja) 2005-12-16 2005-12-16 成形ボードの製造装置および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4465622B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160366A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 ホクシン株式会社 繊維板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007160888A (ja) 2007-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102294372B1 (ko) 성형체 및 그의 제조방법
KR101348269B1 (ko) 열가소적으로 변형가능한 섬유 강화 반제품의 생산방법
US20110151231A1 (en) Reinforcement textile armature and method for making same
KR20060047327A (ko) 플라스틱 섬유성형체, 플라스틱 섬유성형체의 제조방법 및플라스틱 섬유판의 제조장치
US11525220B2 (en) Process for producing fibrous board
WO2016152563A1 (ja) 炭素繊維強化樹脂複合材料
JP4465622B2 (ja) 成形ボードの製造装置および製造方法
JP6776735B2 (ja) 繊維強化熱可塑性プラスチック作製用プレシートの製造方法
EA017247B1 (ru) Способ и устройство для изготовления формованных деталей, а также применение формованных деталей в качестве теплоизолирующих и/или звукопоглощающих элементов
JP4132304B2 (ja) 繊維積層体ボードおよびその製造方法
JP4242269B2 (ja) 樹脂繊維成形体の製造方法
JP4337430B2 (ja) 積層構造を有するボード材とその製造方法
JP2007239297A (ja) 無機質繊維製断熱マットとその製造方法
JP2004090532A (ja) 防音材及びその製造方法
WO2003103912A1 (ja) 木質成形体の製造方法および木質成形体
JP2020090101A (ja) 繊維強化熱可塑性プラスチック作製用プレシートおよびその製造方法、ならびに繊維強化熱可塑性プラスチック成形品
US8021508B2 (en) Method for producing wood fibre boards
KR101568963B1 (ko) 섬유합판의 제조방법
JP6686283B2 (ja) 繊維強化熱可塑性プラスチック作製用プレシートおよびその製造方法
JP2008272938A (ja) 積層繊維ボードの製造方法
JP2024062592A (ja) 基材、基材の製造方法、及び乗物用内装材の製造方法
JP2004276526A (ja) 木質成形体の製造方法
KR102396756B1 (ko) 천연섬유 복합수지 제조방법 및 이를 이용한 성형품 제조방법
KR102673286B1 (ko) 성형체, 이를 사용하는 샌드위치 패널 및 이의 제조방법
KR20190072078A (ko) 함침성이 우수한 열가소성 복합재의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100128

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees