以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る遊技機全体の正面図である。図2は同遊技機の遊技盤の正面図、図3は画像表示部における各図柄の画像表示の具体例、図4は同遊技機のシステム制御を簡略に示すブロック図、図5は同遊技機の表示制御を簡略に示すブロック図である。
本実施例において、語句の対応は次に示す通りである。当否判定手段,特別遊技実行手段,判定条件成立回数記憶手段,成立回数加減算手段,第一判定結果導出禁止手段(第一判定結果確定停止表示禁止手段),第二判定結果導出禁止手段,成立条件確率向上手段,判定条件成立確率制御手段,変動時間変更設定手段,事前当否判定手段とは、図4に示すメイン制御回路70である。
判定結果表示手段(判定図柄決定手段)とは、図柄表示装置43(図3参照)、メイン制御回路70と表示制御回路90(図5参照)である。表示制御手段とは、メイン制御回路70と表示制御回路90である。判定図柄とは、図3に示す特別図柄TL,TM,TRである。
なお、請求項の語句と本実施例の語句との対応は、上記の通りであるが、本実施例は請求項の一実施例であり、必ずしも請求項の内容が以下の実施例に限定されるものではない。
図1及び図2に示す遊技機(ここではパチンコ遊技機)1は、遊技盤3の縁に遊技球Pの外側誘導レール4及び内側誘導レール5が略円形に立設され、前記内側誘導レール5によって囲まれた遊技領域6の中心線上にその上部から下部に向かって順に表示装置9、始動入賞口10及び可動部材11a,11b、特別電動役物である大入賞口15(可変入賞装置)、アウト口17が配設され、前記表示装置9の上方左右両側にはランプ風車18a,18b、その下方に普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21、さらにその下方に風車22a,22b、その左右に左袖入賞口23と右袖入賞口25、さらには前記大入賞口15の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。前記種々の入賞口に遊技球Pが入賞すると所定数の遊技球が賞品球として払い出される。また、後に詳述する特定の条件で特別遊技状態、この例では大当たり状態、各ラウンド中となると可変入賞装置である大入賞口15が開放され、遊技球の入球が容易となる。また、左,右普通図柄変動開始用ゲート19,21においては遊技球通過の検出信号により、普通図柄が所定値となった場合、始動入賞口10(可動部材11a,11b)が拡開状態となる。
前記遊技盤3の前面側には、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿32、該上側球受け皿32を取り付けるための取付板33、前記上側球受け皿32の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿34、遊技状態を報知するランプ表示器35,36及び飾りランプ39L,39R、音声や効果音を発して遊技状態を遊技者に報知するスピーカ37、発射ハンドルHがそれぞれ組み付けられている。符号2は遊技機1の機枠である。次に所要の各部についてさらに詳述する。なお、前出のランプ表示器35,36及び飾りランプ39L,39R、スピーカ37は、報知手段に相当する。
前記表示装置9には、液晶、ドットマトリックスもしくはLED表示装置等の表示装置からなる図柄表示装置43が中央に設けられる。実施例では、窓枠部49内にカラー表示可能な液晶表示器(TFT−LCDモジュール)等からなる画像表示部(可変表示領域)50が設けられている。前記画像表示部50は、図柄表示装置43と伴って複数の数字、アルファベット、記号あるいは絵(キャラクタ)等からなる図柄を変動可能に表示する。前記画像表示部50に表示される図柄としては、図3に示す通り、大当たり当否判定に用いられる特別図柄(判定図柄)と、小当たり当否判定に用いられる普通図柄がある。実施例の遊技機では、前記特別図柄及び普通図柄は共に前記画像表示部50において変動表示される構成である。
前記始動入賞口10は、表示装置9の真下に設けられ、2つの可動部材11a,11bが背面の始動入賞口用ソレノイドにより、通常遊技状態よりも判定条件成立確率を向上させる状態(遊技球の入球を容易とする状態)、すなわち略V字形の拡大開放状態(図2中破線で図示)と、通常遊技状態である略垂直の狭小開放状態(図2中実線で図示)との間で、入賞領域は変化可能に成立条件確率向上手段(後述するメイン制御回路70(CPU72))により可動制御されている。前記始動入賞口10の拡大開放は、前記普通図柄表示領域41の普通図柄(図3参照)が変動停止して特定の普通図柄が表示された普通図柄当たりとなったときに行われる。
実施例では、後述の通常遊技状態時における普通図柄表示領域41の確定停止普通図柄が当たりである特定図柄の場合には、0.5秒間、始動入賞口10の入賞領域の拡大開放を1回行い、当該拡大開放を強制終了するようにされている。一方、前記成立条件確率向上手段により、通常遊技状態よりも判定条件の成立確率が向上するときにおいて普通図柄表示領域41の確定停止普通図柄が特定図柄の場合、1.7秒間、始動入賞口10の入賞領域の拡大開放を3回行い、当該拡大開放を強制終了するようにされている。
図3に示す通り、この実施例の前記画像表示部50は、横に並ぶ3つの特別図柄表示領域(左特別図柄表示領域51l、中特別図柄表示領域51m、右特別図柄表示領域51r)を有し、それぞれの図柄表示領域で順に左,中,右特別図柄TL,TM,TRが変動表示及び停止表示可能とされている。また、前記画像表示部50には、前記特別図柄等に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっている場合もある。この実施例において前記画像表示部50に表示される左、中、右特別図柄TL,TM,TRについて、全てを図示はしないが各々『1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12』の12通りの数字からなる図柄とされている。個々の特別図柄は、前記特別図柄表示領域を例えば、縦スクロール変動することにより当該特別図柄は変動表示される。この実施例における特別図柄の当たり、いわゆる「大当たり」とは、左,中,右特別図柄表示領域に表示される3つの特別図柄が全て同一の図柄(ぞろ目の図柄)、例えば、『7,7,7』で揃って確定停止することである。
前記遊技盤3の背面には、始動入賞口10に入賞した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチSW1(図示せず)が入賞球の通路に設けられており、該入賞球の検出によって前記図柄表示装置43の図柄変動を開始するようになっている。その際、特別図柄変動中に始動入賞口10に入賞した遊技球の個数、すなわち特別図柄の変動を開始する回数を現在変動中のものを除いて保留記憶数(この例では最高100回(100個))として、図3に示す通り、前記画像表示部50の左側に設けられた特別図柄保留記憶数表示領域48に表示される。保留記憶数の変動は当該表示領域48の表示数値(特別図柄保留記憶数Nt)の数字として表示されるようになっている。実施例における保留記憶数(100個)とは、判定条件成立回数記憶手段(メイン制御回路70(RAM73))において記憶可能な限度記憶回数である。実施例の遊技機1は前記限度記憶回数まで入賞に起因する当否判定条件の成立回数を記憶する構成である。
加えて、前記画像表示部50には普通図柄表示領域41(図3参照)が設けられており、普通図柄FZが変動表示及び停止表示可能とされている。前記普通図柄表示領域41に表示される普通図柄FZについても、全てを図示はしないが各々『OO,OX,XO,XX』の4通りの記号からなる図柄とされている。前記普通図柄は、順次表示が切り替えられる切り替え表示として変動表示される。この実施例における普通図柄の当たり、いわゆる「小当たり」とは、普通図柄表示領域41において変動表示される普通図柄が『OO』で確定停止することである。むろん、変動表示の態様は、特別図柄、普通図柄共にそれぞれ適宜であり、複数種類の変動表示を用いることも可能である。
同じく、前記遊技盤3の背面には、前記左,右普通図柄変動開始用ゲート19,21に対応して普通図柄変動開始スイッチSW2(図示せず)が備えられ、該普通図柄変動開始スイッチで両通過ゲート19,21を通過する遊技球を検出することによって前記普通図柄表示領域41の普通図柄の変動を開始させるようになっている。図3に示す通り、普通図柄保留記憶数表示領域47は、前記特別図柄保留記憶数表示領域48と同じく画像表示部50内に設けられ、前記左,右普通図柄変動開始用ゲート19,21を遊技球が通過することによって取得する図柄変動停止に係わる情報(乱数値)を、現在変動中のものを除いて保留記憶数(この例では最高4回(4個))を表示するものである。前記保留記憶数の変動によって当該表示領域47の表示個数(普通図柄保留記憶数Nf)を変化させる(図においては白丸から黒丸に変更する)ようになっている。
なお、前記左袖入賞口23と右袖入賞口25の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口27と右落とし入賞口29の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口15は始動入賞口10の下方に設けられ、大入賞口開放用ソレノイドと該ソレノイドによって開閉する開閉板61とを備えている。この大入賞口15は、通常は開閉板61が閉じた状態とされ、当該大入賞口15の内部には、該大入賞口15の開放と同時に開放して入賞可能にする特定領域入賞口63を有する。さらに、該特定領域入賞口63には、所定条件時に特定領域開放用ソレノイドにより開閉される開閉扉(図示せず)が設けられている。また、前記特定領域入賞口63には特定入賞球を検出する特定入賞球検出スイッチが設けられ、該入賞球の検出により大入賞口15を再度開ける継続権利が成立するようにされている。また、大入賞口15内の略中央には、前記大入賞口15に入賞しかつ前記特定領域入賞口63に入賞しなかった入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチが設けられている。
前記図柄表示装置43の作動及び大入賞口15の作動、つまり特別遊技実行時(大当たり成立時)の動作について説明する。前記のように始動入賞口10に遊技球が入賞し、特別図柄変動開始スイッチSW1(図4参照)によって入賞球が検出されると、前記特別図柄変動開始スイッチSW1により入賞信号が後述する図4に示すメイン制御回路70へ送られ、それに伴ってメイン制御回路70のラベル−TRND−A等の各種乱数値(Q1等)が取得(抽出)され、当該取得数値がメイン制御回路70のRAM73の各種乱数記憶領域等に一旦格納される。そして、当該格納された各数値に基づいて大当たりの判定、リーチ有無の決定、特別図柄の変動・停止パターン、特別図柄・普通図柄の停止図柄組合せの決定(作成)等が行われ、前記図柄表示装置43における画像表示部50の各所定表示領域で特別図柄の変動を開始する。前記メイン制御回路70は、遊技機1のメイン制御を行うメイン制御手段に相当する。
前記特別図柄は、変動開始から所定時間(各特別図柄変動・停止パターンで定められている時間、この例では最低約2秒から特別図柄保留記憶数が100個になるまでの時間)変動後、停止図柄として特別図柄表示領域(図3に図示)に確定表示される。実施例中の1つの変動態様では、まず、左特別図柄表示領域51l、中特別図柄表示領域51m、右特別図柄表示領域51rにおいて前記特別図柄が変動を開始し、左特別図柄表示領域、右特別図柄表示領域、中特別図柄表示領域の順に特別図柄が変動停止して停止図柄として確定表示される。その際、後述するリーチ決定処理(S120)、確定停止特別図柄決定処理(S130)において決定されたリーチ図柄の表示態様等によっては、リーチ状態が成立することがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示部50の左,中,右特別図柄表示領域において、特別図柄の変動表示が開始された後、表示制御が進行して表示結果が停止表示される前段階において、特定の表示態様、つまり大当たり図柄の組合せ(同一図柄の組合せ)が表示され易い可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示態様をいう。この実施例では、リーチ状態の1つとして、前記画像表示部50の左,中,右特別図柄表示領域のうち、最終停止図柄(ここでは中特別図柄)を表示する表示領域(ここでは中特別図柄表示領域)だけを残して、残りの2つの表示領域で図柄が特定の組合せ(例えば同一図柄)となるように仮停止するリーチ変動表示処理がなされている。
また、前記リーチ状態時には、前記画像表示部50における特別図柄(主に最終停止特別図柄)の変動時間を長くしたり、前記画像表示部50における特別図柄を利用した図柄利用演出や特別図柄の背後に表示されるキャラクタや背景等を表示してリーチアクションが演出されるようになっている。なお、前記リーチ状態になる前に、該リーチ状態になる可能性又は大当たりになる可能性が高いことを報知する予告(予兆)が演出されるようにしてもよい。前記予告としては、画像表示部50上へのキャラクタの表示や残像表示等が挙げられる。
上記の通り、始動入賞口への遊技球の入賞に起因して特別図柄の変動が開始され、当否判定の結果として最終的に特別図柄が確定停止表示される一連の特別図柄の変動を実施例の遊技機では「導出」(「確定停止表示」)とし、このような特別図柄の変動の始点と終点からなる過程を「導出過程」(「確定停止表示過程」)としている。なお、特別図柄の変動の形態は適宜である。例えばスクロール変動等にみられるように、常時の図柄変動を伴う形態とされる他、変動の開始時から変動の終点まで同一の図柄が表示され、確定停止時になり所定の特別図柄の組み合わせが確定停止表示される構成とした態様もあり得る。
前記停止図柄(確定停止した特別図柄)の組合せが、同一図柄等の組合せからなる大当たり図柄組合せとなると、大当たり状態を意味する特別遊技(当たり遊技)に移行する。前記特別遊技(当たり遊技)になると、前記大入賞口15の開閉板61が大入賞口開放用ソレノイドの励磁により開いて遊技領域6表面を落下してくる遊技球を受け止め、大入賞口15へ入賞可能にし、該大入賞口15への入賞があると、図示しない賞球払出装置により所定数の遊技球が賞品球として払い出される。
前記開閉板61は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、あるいは入賞球数カウントスイッチで検出された入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で一旦閉じ、大入賞口への入賞球数を正確(例えば10個)に計測するようにされている。前記開閉板61の開放に伴う遊技球が入賞し易くなる状態は、ラウンドと称され、15回(15ラウンドまで)行われる。なお、前記入賞球数カウントスイッチで検出された入賞球数は、図柄表示装置43の画像表示部50に、0〜10までの数字又は棒グラフのように表示されるようになっている。
また、大入賞口15の開放中又は大入賞口15が閉じてから約2秒以内に、特定領域入賞口63への入賞球を特定入賞球検出スイッチ(継続入賞球検出スイッチ)が検出すると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高15回)、前記開閉板61の開放を繰り返すようになっている。
さらに、この実施例の遊技機1では、大当たり(特別遊技もしくは当たり遊技)終了後に当該大当たりの特典とは異なる特典を遊技者に付与する「特典遊技」が実行される。具体的には、この遊技機1は、時間短縮機能(時短機能)を備えた機種であり、大当たり成立時に確定停止表示される当たり図柄組合せが時短図柄組合せ(‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’,‘11’のいずれかのぞろ目)であるときには、大当たり終了後に時間短縮が生じ、すなわち平時における通常遊技状態よりも短時間で遊技が進行する時短遊技状態に移行される。
当該大当たり後の特典遊技実行による時間短縮状態時には、前記始動入賞口10への入賞率を向上させて大当たり当否判定の機会が増大するようにされている。すなわち、前記普通図柄当たり(小当たり)による始動入賞口10(可動部材11a,11b)の拡大開放時間を長くする他、後述する変動態様決定処理(S150)、小当たり変動決定処理(S280)及び始動入賞口拡大処理(S300)から導かれるように、特別図柄の変動時間が短縮された変動態様(リーチ態様)が選択され、前記普通図柄表示領域41の普通図柄の変動時間を短縮することにより前記始動入賞口10(可動部材11a,11b)の拡開開放状態の発生頻度を多くする構成、すなわち、当否判定条件成立確率を向上する構成である。前記時間短縮状態時に、再び、前記時短図柄組合せで大当たりが成立した場合には、その大当たり終了後に再度時間短縮状態になり、特典遊技回数である特別図柄の100回の変動まで継続する。
一方、確定停止表示される当たり図柄組合せが前記以外の非時短図柄組合せであるときには、特別遊技終了後(大当たり終了後)は、上記の時短遊技状態には移行することはなく、引き続き通常遊技が行われる。
このように、大当たり継続権利発生の可能ラウンド数等の特別遊技実行時における賞価値、時間短縮や判定機会増大等の特典遊技による特典価値等のような、遊技者に与える遊技価値(大当たり態様)が、確定停止表示される当たり図柄組合せにおける図柄によって変化するようにすれば、当たり図柄組合せに対する遊技者の興味を増し、遊技の幅を広げ、遊技をより一層面白くすることができる。
実施例では、通常の始動入賞口10への入賞に起因する特別図柄の変動表示(リーチ態様)に対し、これに関係する音声の発生及び発光が行われ、遊技の演出効果を高めている。
図4には、遊技機1の裏側に設置された遊技系統の主制御を行うメイン制御回路70、及び該メイン制御回路70の制御下で前記図柄表示装置43の画像表示部50における特別図柄、リーチ演出時の各種表示態様の選択や制御等を行う表示制御回路(サブ制御回路)90、スピーカ37の音声制御を行う音声制御回路85、ランプ表示器35,36、飾りランプ39L,39R及びLED等の各種発光体の制御を行う発光体制御回路88、払い出し制御回路110等、当該遊技機1のシステム制御ブロックが示されている。
前記メイン制御回路70は、内部に遊技制御用プログラムに従って制御動作を行うCPU72、該CPU72のワーク用メモリとして機能するRAM73、遊技制御用プログラムを記憶するROM74を備えたワンチップマイクロコンピュータ71と、該コンピュータ71と前記表示制御回路90等を結ぶI/O(入出力)バス75,76、出力ポート77、ドライバ78、バッファゲート79、インターフェイス80、初期リセット回路81、定期リセット回路82等により構成されている。実施例において、前記メイン制御回路70は、当否判定手段,特別遊技実行手段,判定条件成立回数記憶手段,成立回数加減算手段,第一判定結果導出禁止手段(第一判定結果確定停止表示禁止手段),第二判定結果導出禁止手段(第二判定結果確定停止表示禁止手段),成立条件確率向上手段,判定条件成立確率制御手段,変動時間変更設定手段,事前当否判定手段,判定結果表示手段(判定図柄決定手段),表示制御手段に相当する。
前記CPU72は、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たり(特別遊技状態)の発生確率や普通図柄による当たり(始動入賞口10の拡大開放)の発生確率を定める乱数等も生成し、メイン制御回路70と共に当否判定手段,特別遊技実行手段,判定条件成立回数記憶手段,成立回数加減算手段,第一判定結果導出禁止手段(第一判定結果確定停止表示禁止手段),第二判定結果導出禁止手段(第二判定結果確定停止表示禁止手段),成立条件確率向上手段,判定条件成立確率制御手段,変動時間変更設定手段,事前当否判定手段,判定結果表示手段(判定図柄決定手段),表示制御手段に相当する。
前記RAM73は特別図柄変動開始スイッチSW1の検出信号、及び普通図柄変動開始スイッチSW2の検出信号用の記憶領域、CPU72で生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、並びにCPU72の作業領域を備えている。従って、前記RAM73は、始動入賞口10に入賞(入球)した遊技球の個数を記憶することから、当否判定条件の成立回数を限度記憶回数(100個)まで記憶可能な判定条件成立回数記憶手段として作動する。
なお、前記ROM74には、遊技上の制御プログラムや変動時間データ等の制御データ、制御コマンドが書き込まれている他、大当たり及び普通図柄による当たりの判定値等が書き込まれている。
初期リセット回路81は、電源回路87による電源投入時にワンチップマイクロコンピュータ71をリセットするための回路である。初期リセット回路81から送られてきた初期リセットパルスに応答して、ワンチップマイクロコンピュータ71は各種制御情報を初期化する。
定期リセット回路82は、ワンチップマイクロコンピュータ71に対し、定期的(この例では2msec毎)にリセットパルスを与え、ワンチップマイクロコンピュータ71のROM74に記憶されている遊技制御用プログラムを先頭から繰り返し実行させるための回路である。
前記メイン制御回路70から出力される制御信号に基づいて、ドライバ78に接続された始動入賞口10(図示はしないが可動部材11a,11b可動用のソレノイド
)、大入賞口15等が制御されている。その他、ドライバ78及び情報出力回路83を介して、大当たり情報や図柄確定情報、時間短縮情報等の各種遊技情報がホストコンピュータであるホール用の管理装置84に出力されている。
この他、前記ワンチップマイクロコンピュータ71には、前記出力ポート77を介して表示制御回路90が接続される。前記表示制御回路90には、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51r、普通図柄表示領域41、特別図柄保留記憶数表示領域48、普通図柄保留記憶数表示領域47を含む画像表示部50からなる図柄表示装置43が接続され、これらを制御している。また、前記出力ポート77及び表示制御回路90を介し、発光体制御回路88は発光体制御信号を受け取り、当該制御信号に基づき各種発光体であるランプ表示器35,36及び飾りランプ39L,39R等の発光手段の発光制御を行う。
この他、前記ワンチップマイクロコンピュータ71には、I/Oバス75及び表示制御回路90を介して音声制御回路85も接続されている。前記音声制御回路85にはスピーカ37が接続され、当該制御信号に基づき音声発生手段であるスピーカ37の音声発生制御を行う。
さらに、各種入賞口に入賞した遊技球を検出する特別図柄変動開始スイッチSW1、普通図柄変動開始スイッチSW2、入賞球数カウントスイッチ、継続入賞球検出スイッチ(特定入賞球検出スイッチ)、その他の入賞口用検出スイッチ等の各検出器から出力される検出信号は、前記インターフェイス80を介してメイン制御回路70に送信されるようになっている。
その他、前記メイン制御回路70には、電源回路87と、前記発射装置Hによる遊技球の発射を制御するための発射制御回路100と、払い出し装置(図示せず)による賞品球や貸球の払い出しを制御するための払い出し制御回路110が接続されている。
前記表示制御回路90は、前記メイン制御回路70からの制御信号に基づいて所定の表示制御処理を行うサブ制御回路に相当する。また、表示制御回路90は、前記メイン制御回路70と共に当該遊技機1における判定結果表示手段(判定図柄決定手段)、表示制御手段に相当し、前記表示装置9(特には図柄表示装置43の画像表示部50)に表示される遊技画像(特別図柄、普通図柄、図示はしないがキャラクタ、風景等の背景画像等)の表示制御に関する信号をメイン制御回路70から受信し、表示用データを設定して表示制御を行う。
図5に示すように、前記表示制御回路90は、特別図柄及び普通図柄の変動・停止表示データ、特別遊技実行・特典遊技実行のための報知画像等を記憶する画像データROM96、前記メイン制御回路70の制御信号に基づき表示制御データを制御する表示制御用CPU91(制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備える。)を備え、さらに、該表示制御用CPU91は、前記表示装置9に遊技画像を表示するための制御データを記憶する制御データROM92、前記制御データを書き換え可能に記憶する制御データRAM93を備え、前記表示制御用CPU91からの指令(コマンド)に基づいて画像データROM96から必要なデータを読み出し、前記特別図柄、普通図柄、特別図柄保留記憶数、普通図柄保留記憶数等のマップデータを生成するVDP94、該VDP94で生成したデータを格納するVRAM95、リセット回路98等よりなる。当該表示制御回路90においては、VDP94から複合同期信号SYNCを表示装置9の図柄表示装置43に供給し、送信されてきた複合同期信号SYNCに基づいて画像表示部50に画像を表示する。
前出の図4に表す音声制御回路85及び発光体制御回路88についても、図示はしないが、それぞれに制御用CPU、制御データROM、制御データRAMが適式に備えられ、メイン制御回路70及び表示制御回路90から送信される遊技上の各種コマンド(リーチ、大当たり、小当たり等)を受信し、各種コマンドに応答した音声、発光が実行される。
この実施例における前記メイン制御回路70のCPU72の主なカウンタとしては、表1に示すような8種類のカウンタがある。各カウンタの所定時に取得された数値は、メイン制御回路70のRAM73に最高100個(限度記憶回数:100回)まで格納される。なお、前記RAM73に記憶された各カウンタの数値は、該カウンタに基づく一連の遊技動作処理された後にクリアされる。各カウンタの作動については次に示す。
ラベル−TRND−Aは、大当たり及び外れを判定する乱数カウンタであり、当該遊技機1における当否判定手段に相当する。このラベル−TRND−Aは、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、所定の割り込み時間(例えば2msec)毎に1ずつ加算され、数値が‘629’に至ると、再び‘0’に戻って前記加算を繰り返す。ラベル−TRND−Aの数値は、遊技球が始動入賞口10に入賞して特別図柄変動開始スイッチSW1によって検出されたときに取得され、予め決定されている大当たり数値、この実施例では‘5’,‘500’と対比されて大当たりか否か判断される。また、当否の判定が終了するまでの間に、遊技球が始動入賞口10に入賞してラベル−TRND−Aの数値が再び取得されることがあるため、ラベル−TRND−Aの記憶取得値(更新取得数値)は、現在判定中の取得値を含めず最大100個が、前記メイン制御回路70のRAM73に一旦格納され、順次判定に供される。
ラベル−TRND−R1は、前記ラベル−TRND−Aによる大当たり当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態となるか否かを決定し、具体的には前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rのうち最終停止図柄表示領域(この例では中特別図柄表示領域51m)だけを残して、残りの2つの表示領域51l,51rにおいて特別図柄が特定の組合せ(この例では同一図柄)で仮停止表示(停止表示)されるか否かを決定する。ここで、前記仮停止表示とは、リーチにおいて特別図柄が一旦停止表示されたと遊技者に思わせるが、まだ図柄変動中であること、つまり、まだ全特別図柄が確定停止されていないことを示す変動表示である。
このラベル−TRND−R1は、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、前記割り込み時間毎に1ずつ加算され、数値が‘49’になると、再び‘0’に戻って前記加算を繰り返す。当該ラベル−TRND−R1の数値は、前記始動入賞口10への入賞球が特別図柄変動開始スイッチSW1によって検出されたときに取得され、大当たり当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ状態成立か否か判断される。この実施例では、前記リーチ成立数値は‘24’又は‘49’となっており、ラベル−TRND−R1の取得数値が当該リーチ成立数値となった場合には、特別図柄においてリーチ状態が成立する。当該ラベル−TRND−R1の取得数値は、メイン制御回路70のRAM73に所定数、この例では、決定中の数値を含めず最大100個まで格納される。なお、この実施例では、前記ラベル−TRND−Aによる大当たり当否判定結果が大当たりとなる場合、必ず特別図柄にはリーチ状態が成立するようになっているので、このラベル−TRND−R1は使用されない。
ラベル−TRND−AZ1は、大当たり成立時、前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止して揃う確定大当たり特別図柄組合せを決定する。ラベル−TRND−AZ1は、電源投入時に‘0’から始まって前記割り込み時間毎に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると再び‘0’に戻る繰り返しを行う。ラベル−TRND−AZ1の数値は、前記始動入賞口10への入賞球が特別図柄変動開始スイッチSW1によって検出されたときに取得され、変動表示中の図柄に対するものを含めず最大100個までメイン制御回路70のRAM73の特別図柄乱数記憶領域に格納される。前記ラベル−TRND−AZ1の数値には、各数値に対応する確定大当たり停止特別図柄組合せが予め割り当てられている。実施例においては、以下の表2の通り、前記ラベル−TRND−AZ1の取得数値‘0’〜‘11’に対応した特別図柄のぞろ目を確定大当たり停止図柄組合せとして最終的に確定停止表示する。
ラベル−TRND−B1〜B3は、前記ラベル−TRND−Aによる大当たり当否判定結果が外れとなる場合において、各画像表示部51l,51m,51rに確定停止表示する外れ特別図柄組合せの決定に用いられるものである。前記ラベル−TRND−B1は左特別図柄表示領域51lにおける左特別図柄、ラベル−TRND−B2は右特別図柄表示領域51rにおける右特別図柄、ラベル−TRND−B3は中特別図柄表示領域51m(最終停止図柄表示領域)における中特別図柄にそれぞれ対応する。
前記ラベル−TRND−B1は、電源投入時に‘0’から始まって前記割り込み時間毎に‘1’ずつ加算され、‘11’に至った後、再び‘0’から始まって加算が繰り返される。また、前記ラベル−TRND−B2は、電源投入時に‘0’から始まって、前記ラベル−TRND−B1の数値が再び‘0’に戻る際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至った後、再び‘0’から始まって加算が繰り返される。さらに、前記ラベル−TRND−B3は、電源投入時に‘0’から始まって、前記ラベル−TRND−B2の数値が再び‘0’に戻る際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至った後、再び‘0’から始まって加算が繰り返される。これによって、ラベル−TRND−B1〜B3の各乱数範囲が同一であっても、当該ラベル−TRND−B1〜B3が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記ラベル−TRND−B1〜B3の数値には、各数値に対応する図柄が予め割り当てられている。この実施例では、以下の表3の通り、ラベル−TRND−B1〜B3の各取得数値‘0’〜‘11’に対応した特別図柄が割り当てられている。そして、前記特別図柄変動開始スイッチによって入賞球が検出される毎にラベル−TRND−B1〜B3から取得される数値の組合せによって、外れ時に前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに表示される確定停止特別図柄が定まる。また、ラベル−TRND−B1〜B3の取得数値は、メイン制御回路70のRAM73に所定数、この例では、最大100個まで格納される。
この実施例では、外れの際にラベル−TRND−B1〜B3の全ての数値が一致し、かつラベル−TRND−R1の数値によりリーチ状態が成立する場合には、ラベル−TRND−B3の数値に1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B2の数値に割り当てられている各特別図柄が確定停止表示されるようになっている。また、外れの際にラベル−TRND−B1〜B3の全ての数値が一致し、かつリーチ状態が成立しない場合、及びラベル−TRND−B1,B2の2つの数値が一致し(ラベル−TRND−B3の数値は異なる)、かつリーチ状態が成立しない場合には、ラベル−TRND−B2の数値に1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B3の数値に割り当てられている各特別図柄が確定停止表示されるようになっている。さらに、外れの際にラベル−TRND−R1の数値によりリーチ状態が成立するにも係わらず、ラベル−TRND−B1とB2の数値が一致しない場合には、ラベル−TRND−B2の数値をラベル−TRND−B1の数値と同一数値に変更すると共に、ラベル−TRND−B3の数値を前記ラベル−TRND−B1の数値に1加算した数値に変更し、それらの変更した値とラベル−TRND−B1の数値に割り当てられている各特別図柄が確定停止表示されるようになっている。
ラベル−TRND−T1は、それ単独あるいは前記ラベル−TRND−B1〜B3と共に、リーチ状態時のリーチ種類、すなわち、前記リーチ時に前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rで表示される各特別図柄の表示態様等の決定に用いられる。ラベル−TRND−T1の数値は遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、前記割り込み時間毎に1ずつ加算され、数値が‘35’になると、再び‘0’に戻って前記加算を繰り返すようになっている。当該ラベル−TRND−T1の数値は、前記始動入賞口10への入賞球が特別図柄変動開始スイッチによって検出されたときに取得され、変動表示中に対するものを含めず最大100個まで前記メイン制御回路70のRAM73に格納される。なお、このラベル−TRND−T1及びラベル−TRND−B1〜B3の各数値に基づく各リーチ態様についての詳細は後述する。
ラベル−TRND−Fは、普通図柄とその当否判定を決定するときに用いられるものである。ラベル−TRND−Fは、電源投入時に‘0’から始まって前記割り込み時間毎に‘1’ずつ加算され、‘3’に至ると再び‘0’に戻る繰り返しを行う。ラベル−TRND−Fの数値は、前記左,右普通図柄変動開始用ゲート19,21への入賞球(通過球)が普通図柄変動開始スイッチSW2によって検出されたときに取得され、最大4個までメイン制御回路70のRAM73の普通図柄変動パターン乱数記憶領域に格納される。ここで、ラベル−TRND−Fの取得数値Q8と普通図柄との対応を示す。取得数値Q8=0のときの普通図柄は『OO』である。また、Q8=1のときは『OX』、Q8=2のときは『XO』、Q8=3のときは『XX』である。なお、前記RAM73に記憶されたこれらのカウンタの数値(Q1〜Q8)は、当該カウンタに基づく一連の遊技動作処理された後にクリアされる。
また、メイン制御回路70又は表示制御回路90に設けられるカウンタとしては、特別図柄の変動時におけるその他の表示態様、例えば大当たり又はリーチ状態となる可能性が高いことを報知するための予告を演出するか否かを決定するカウンタ、該予告の態様を決定するカウンタ、確定当たり図柄組合せの確定停止表示前に、前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに仮の当たり図柄組合せ(ここではぞろ目)を微妙な揺れ変動等の所定動作態様で仮停止表示し、その後、前記仮停止によって一旦揃った全ての特別図柄を、図柄が揃った状態のまま一緒に所定時間スクロール変動させてから、前記確定当たり図柄組合せを確定停止表示する、所謂再抽選演出を行うか否かを決定するカウンタ等が適宜追加されることがある。
前記メイン制御回路70あるいは表示制御回路90に設けられる複数のフラグとしては、大当たりフラグ(特別遊技フラグ)、特別遊技実行中フラグ、リーチフラグ、時短フラグ(時間短縮フラグ)、小当たりフラグ(普通図柄当たりフラグ)等が挙げられる。なお、これらのフラグは、初期設定時には全てOFF状態にセットされている。
次に、本発明に係る遊技機1において前記メイン制御回路70が行う一連の処理について、前記カウンタとの関係から詳述する。なお、図4に示したメイン制御回路70のCPU72は、割り込み時間(2msec)毎にメイン制御回路70のROMに記憶されている各プログラム(メインルーチン)を実行する。
図6及び図7のフローチャートから理解されるように、メイン処理Mにおいて、まず、電源投入がなされたか否か確認されてから(S10)、初期設定(S20)、出力処理(S30)、入力処理(S40)、乱数更新処理(S50)、始動入賞口10への入賞確認(S60)、特別図柄保留数が100個未満の確認(S70)、乱数取得処理(S80)、保留記憶数加算処理(S90)、大当たり当否判定処理(特別図柄始動条件)の確認(S100)、大当たり当否判定処理(S110)、リーチ決定処理(S120)、確定停止特別図柄決定処理(S130)、特別図柄変動態様決定処理(S150)、保留記憶数減算処理(S180)、特別図柄停止処理(S190)、特別遊技実行及び遊技状態変更処理(S200)、ゲート通過の確認(S220)、普通図柄保留数が4個未満の確認(S230)、乱数取得処理(S240)、普通図柄保留記憶数加算処理(S250)、小当たり当否判定条件成立(普通図柄始動条件)の確認(S260)、小当たり当否判定処理(S270)、普通図柄変動時間決定処理(S280)、普通図柄停止処理(S290)、始動入賞口拡大処理(S300)、その他の処理(S310)が行われる。
初期設定(S20)では、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO,PIO,CTCの設定等を行う。なお、電源投入時のみに必要な処理は1順目のみに実行され、後は実行されることがない。
出力処理(S30)では、図8のフローチャートから理解されるように、前記メイン制御回路70のRAM73中の出力バッファ内に出力データの有無が確認され(S31)、出力データがある場合には、当該出力バッファ内の出力データが出力される(S32)。出力データがない場合には、データの出力は行われず終了する。なお、前記出力データには、特別遊技状態移行コマンド、特別遊技状態終了コマンド、特別図柄停止コマンド、特別図柄変動態様コマンド(A01〜A10)、普通図柄変動コマンド、普通図柄停止コマンド、リーチコマンド、時短遊技移行コマンド、時短遊技終了コマンド、拡大開放コマンド等がある。前記の各コマンドは、表示制御回路90、音声制御回路85、発光体制御回路88等に送信される。
入力処理(S40)では、始動入賞口10、左,右普通図柄変動開始用ゲート19,21、大入賞口15等に取り付けられたスイッチSW1,SW2等に備えられたセンサが遊技球を検出した場合に遊技に関する各種データの入力処理が行われる。
乱数更新処理(S50)では、図9のフローチャートから理解されるように、各カウンタ(ラベル−TRND−B2,B3を除く。)の各数値Qn(n=1〜4,7,8)が前記所定時間毎に1ずつ加算され(S51)、前記各数値Qnが所定最大値X(ラベル−TRND−Aの場合は629、ラベル−TRND−R1の場合は49、ラベル−TRND−AZ1の場合は11、ラベル−TRND−B1の場合は11、ラベル−TRND−T1の場合は35、ラベル−TRND−Fの場合は3)に至ると次に再び‘0’に戻る繰り返しを行う(S52,S53)。そして、各カウンタの更新数値がメイン制御回路70のRAM73の各カウンタと対応する乱数記憶エリアにそれぞれ記憶される(S54)。図9中における『Qn’』は、加算(更新)される前の各カウンタの数値を意味する。なお、各カウンタは割り込み時間(2msec)毎に1ずつ加算され、前記RAMの乱数記憶エリアにそれぞれ記憶される。ラベル−TRND−B2はラベル−TRND−B1に連動して数値Q5が加算され、ラベル−TRND−B3はラベル−TRND−B2に連動して数値Q6が加算され、前記RAMの乱数記憶エリアにそれぞれ記憶される。
前記乱数更新処理(S50)の後、特に始動入賞口に備えられている特別図柄変動開始スイッチSW1の検出信号の有無が確認される(S60)と共に、当該検出信号がある場合には、現時点の特別図柄保留記憶数が100個未満か否かが確認され(S70)、乱数取得処理(S80)が行われる。
乱数取得処理(S80)では、図10のフローチャートから理解されるように、まず、ラベル−TRND−A,ラベル−TRND−R1,ラベル−TRND−AZ1,ラベル−TRND−B1〜B3,ラベル−TRND−T1の更新数値Qn(n=1〜7)が取得され(S81)、次いで、前記取得された各数値Qnを、メイン制御回路70のRAMの取得乱数記憶エリアに各々記憶する(S82)。
保留記憶数加算処理(S90)では、保留記憶数(特別図柄保留記憶数)を前記始動入賞口10に遊技球が1球入賞する毎に1個ずつ加算され、当該加算値がメイン制御回路70内のRAM73(判定条件成立回数記憶手段)に記憶される。なお、この加算は、実施例では100個(限度記憶回数:100回)に至るまで、メイン制御回路70内のCPU72(成立回数加減算手段)により行われる。
前記保留記憶数加算処理(S90)の後、大当たり当否判定条件が成立しているか否かが確認される(S100)。ここで、大当たり当否判定条件が成立しているとは、現在特別遊技実行中でないこと、特別図柄変動中でないこと、及び特別図柄保留記憶数があることをいう。そして、前記大当たり当否判定条件成立と判断された場合には、以降で、大当たり当否判定処理(S110)ないしその他の処理(S310)までの各処理が行われる。一方、前記S100で大当たり当否判定条件不成立と判断された場合は、特別図柄停止処理(S190)に移行し、大当たり当否判定処理(S110)、リーチ決定処理(S120)、確定停止特別図柄決定処理(S130)、特別図柄変動態様決定処理(S150)、保留数減算処理(S180)はなされない。
大当たり当否判定処理(S110)では、図11のフローチャートから理解されるように、まず、前記ラベル−TRND−Aの取得数値Q1が大当たり数値である‘5’,‘500’と対比され(S111)、前記大当たり数値のいずれかであれば特別遊技実行可、つまり大当たりとなり、大当たりフラグがONにセットされると共に、該大当たりフラグ(ON状態)がメイン制御回路70のRAM内に格納される(S112)。一方、前記S111の大当たり数値のいずれかでなければ、大当たりとはならずに終了する。
リーチ決定処理(S120)においては、リーチの有無、つまり、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rでリーチ状態となるか否かの決定がなされる。図12のフローチャートから理解されるように、このリーチ決定処理(S120)では、最初に大当たりフラグがON状態か否か確認され(S121)、大当たりフラグがON状態ではなくOFF状態、つまり大当たり不成立となる場合、前記ラベル−TRND−R1の記憶取得数値Q2が読み出され、その取得数値Q2が‘24’又は‘49’であるか否か判断される(S122)。そして、両値が一致しない場合、リーチ無し(リーチ状態移行不可)となることが決まる。一方、前記取得数値Q2が‘24’又は‘49’である場合、リーチ有り(リーチ状態移行可)となることが決定し、リーチフラグがON状態にセットされると共に、該リーチフラグ(ON状態)がメイン制御回路70のRAM内に格納される(S123)。また、前記S121において大当たりフラグON状態の場合、つまり大当たり(特別遊技実行可)となる場合にも、リーチ有りとなることが決定し、リーチフラグON状態にセットされると共に、メイン制御回路70のRAM内に格納される(S123)。
確定停止特別図柄決定処理(S130)では、前記大当たり当否判定処理(S110)に基づき左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定(最終)停止表示する特別図柄の決定が行われる。図13のフローチャートから理解されるように、この確定停止特別図柄決定処理(S130)では、まず、前記大当たりフラグがON状態か否か判断される(S131)。当該フラグがON状態と判断された場合、すなわち大当たり(特別遊技実行可)となる場合、前記ラベル−TRND−AZ1の記憶取得数値Q3が読み出され、その取得数値Q3に対し、前記した予め決められている図柄の組合せが、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止表示される確定大当たり停止図柄組合せとして決定される(S132)。前記S132において決定された確定大当たり停止特別図柄組合せのデータは、メイン制御回路70(ワンチップマイクロコンピュータ71)内のRAM73の出力バッファに格納される(S133)。
それに対して、前記S131で大当たりフラグがON状態でない、すなわち当該フラグがOFF状態と判断され、外れと判定された場合には、前記ラベル−TRND−B1〜B3の記憶取得数値Q4〜Q6が読み出され、その読み出された全数値Q4〜Q6が一致するか否か判断される(S134)。全数値Q4〜Q6が一致する場合、続いてリーチ有り(前記リーチフラグがON状態)か否か、ここでは前記ラベル−TRND−R1の記憶取得数値Q2が‘24’又は‘49’か否か判断される(S135)。そして、リーチ無し(リーチフラグがOFF状態)と判断された場合、前記ラベル−TRND−B2(右特別図柄用)の取得数値Q5を1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B3の取得数値Q4,Q6に対して予め決められている図柄が、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止表示される外れ特別図柄組合せとして決定される(S136)。一方、前記S135で、リーチ有り(リーチフラグがON状態)と判断された場合、前記ラベル−TRND−B3(中特別図柄用)の取得数値Q6を1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B2の取得数値Q4,Q5に対して予め決められている特別図柄が、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止表示される外れ特別図柄組合せとして決定される(S137)。
また、前記S134において、ラベル−TRND−B1〜B3の取得数値Q4〜Q6のうち、少なくとも1つが異なる数値となる場合には、ラベル−TRND−B1の取得数値Q4とラベル−TRND−B2の取得数値Q5が一致するか否か判断され(S138)、両値が一致する場合、さらにリーチ有り(リーチフラグがON状態)か否か判断される(S139)。そして、リーチ無し(リーチフラグがOFF状態)と判断された場合、前記ラベル−TRND−B2の取得数値Q5を1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B3の取得数値Q4,Q6に対して予め決められている特別図柄が、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止表示される外れ特別図柄組合せとして決定される(S136)。一方、前記S139において、リーチ有り(リーチフラグがON状態)と判断された場合、ラベル−TRND−B1〜B3の取得数値Q4〜Q6に対して予め決められている特別図柄が、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止表示される外れ特別図柄組合せとして決定される(S140)。
さらに、前記S138において、ラベル−TRND−B1の取得数値Q4とラベル−TRND−B2の取得数値Q5が一致しない場合、続いてリーチ有り(リーチフラグがON状態)か否か判断される(S141)。そして、リーチ有り(リーチフラグがON状態)と判断された場合には、ラベル−TRND−B2の取得数値Q5をラベル−TRND−B1の取得数値Q4と同一数値に変更し、かつラベル−TRND−B3の取得数値Q6を前記ラベル−TRND−B1の取得数値Q4に1加算した数値に変更し、それらの数値とラベル−TRND−B1の取得数値Q4に対して予め決められている特別図柄が、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止表示される外れ特別図柄組合せとして決定される(S142)。一方、前記S141において、リーチ無し(リーチフラグがOFF状態)と判断された場合、ラベル−TRND−B1〜B3の取得数値Q4〜Q6に対し、前出の予め決められている特別図柄が、左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに確定停止表示される外れ特別図柄組合せとして決定される(S140)。
前記S136,S137,S140,S142において決定された外れ確定停止特別図柄組合せのデータも、同様にメイン制御回路70(ワンチップマイクロコンピュータ71)内のRAM73の出力バッファに格納される(S133)。
特別図柄変動態様決定処理(S150)では、先に説明した大当たり当否判定処理(S110),リーチ決定処理(S120),確定停止特別図柄決定処理(S130),加えて後述の特別遊技実行及び遊技状態変更処理(S200)に基づいて、前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rにおける特別図柄の変動態様の決定が行われる。
図14及び図15のフローチャートから理解されるように、この特別図柄変動態様決定処理(S150)においては、まず、前記大当たりフラグがON状態か否か判断され(S151)、該大当たりフラグがOFF状態、つまり大当たり不成立(特別遊技実行不可)となる場合、前記メイン制御回路70のRAM73に格納されているリーチフラグがON状態か否か確認される(S152)。前記リーチフラグがOFF状態、つまりリーチ無し(リーチ状態移行不可)の場合、さらに、前記RAM73に格納されている時短フラグ(時間短縮フラグ)がON状態か否か確認され(S153)、前記時短フラグがON状態、つまり時短中の場合、リーチ状態の演出を行うことなく外れ特別図柄組合せで確定停止する変動態様10(コマンドA10)に決定される(S154)。一方、前記時短フラグがOFF状態、つまり時短中ではない場合もリーチ状態の演出を行うことなく外れ特別図柄組合せで確定停止する変動態様1(コマンドA01)に決定される(S155)。決定された変動態様のコマンド(A01,A10、特別図柄の変動及び停止態様を含む。)は、特別図柄変動表示データと共にメイン制御回路70(ワンチップマイクロコンピュータ71)内のRAM73の出力バッファに格納される(S156)。
前記S152において、リーチフラグがON状態の場合、つまりリーチ有り(リーチ状態移行可)である場合、この例では、リーチ種類の決定に供されるラベル−TRND−T1の記憶取得数値Q7により特別図柄の表示態様が決定される。すなわち、前記ラベル−TRND−T1の記憶取得数値Q7が読み出され、その記憶取得数値Q7が‘0’〜‘20’又は‘21’〜‘30’のうちいずれの範囲に属するか否か判断される(S157,S158)。そして、前記記憶取得数値Q7が‘0’〜‘20’のいずれかである場合(S157)には、特別図柄の変動態様として、リーチ状態を構成する変動態様2(コマンドA02)に決定される(S159)。
また、前記記憶取得数値Q7が‘21’〜‘30’のいずれかである場合(S158)には、特別図柄の表示態様は他のリーチ状態を構成する変動態様3(コマンドA03)に決定される(S160)。さらにまた、前記記憶取得数値Q7が‘0’〜‘30’のいずれの範囲でも無い場合、すなわち‘31’〜‘35’のいずれかである場合、特別図柄の表示態様はさらに他のリーチ状態を構成する変動態様4(コマンドA04)に決定される(S161)。
前記S151で大当たりフラグがON状態の場合、つまり大当たり成立(特別遊技実行可)となる場合、さらに、前記RAM73に格納されている時短フラグ(時間短縮フラグ)がON状態か否か確認され(S163)、前記時短フラグがOFF状態、つまり時短中でない場合、前記メイン制御回路70のRAM73に格納されているラベル−TRND−T1の記憶取得数値Q7が読み出され、その記憶取得数値Q3が‘0’〜‘2’又は‘3’〜‘15’のうちいずれの範囲に属するか否か判断される(S164,S165)。そして、前記記憶取得数値Q7が‘0’〜‘2’のいずれかである場合(S164)には、特別図柄の表示態様が変動態様5(コマンドA05)に決定される(S166)。
また、前記記憶取得数値Q7が‘3’〜‘15’のいずれかである場合(S165)には、特別図柄の表示態様が変動態様6(コマンドA06)に決定される(S167)。さらにまた、前記記憶取得数値Q3が‘0’〜‘15’のいずれの範囲でも無い場合、すなわち‘16’〜‘35’のいずれかである場合には、特別図柄の表示態様が変動態様7(コマンドA07)に決定される(S168)。
前記S163で時短フラグがON状態の場合、つまり時短中の場合、続いて保留記憶数(特には、特別図柄保留記憶数)が100個(限度記憶回数:100回)であるか否か確認され(S169)、当該保留記憶数が100個ではない、すなわち第1の禁止期間内の場合、特別図柄の表示態様が変動態様8(コマンドA08)に決定される(S170)。一方、当該保留記憶数が100個となる場合、すなわち第1の禁止期間が終了の場合、特別図柄の表示態様が変動態様9(コマンドA09)に決定される(S171)。
前記の通り、表示態様が変動態様2,変動態様3,変動態様4,変動態様5,変動態様6,変動態様7,変動態様8,変動態様9に決定(S159,S160,S161,S166,S167,S168,S170,S171)された後、大当たりフラグ及びリーチフラグは共にOFFにセットされ(S162)、決定された変動態様のコマンド(A02ないしA09、特別図柄の変動及び停止態様を含む。)は、特別図柄変動表示データと共にメイン制御回路70(ワンチップマイクロコンピュータ71)内のRAM73の出力バッファに格納される(S156)。
ここで、図13及び図14に示される特別図柄の変動態様について簡単に述べる。変動態様1〜10のいずれとも、前出の図3に示すとおり、特別図柄が前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rを縦方向にスクロール変動し、それぞれ異なる変動時間が設定時間として設定されている。前記変動態様10は、2秒間の縦スクロール変動後、リーチ状態となることなく外れ特別図柄組合せとして全ての特別図柄が確定停止する変動態様(第2の設定時間)である。また、変動態様1は、7秒間の縦スクロール変動後、リーチ状態となることなく外れ特別図柄組合せとして全ての特別図柄が確定停止する変動態様(第1の設定時間)である。
前記変動態様2は10秒間、変動態様3は15秒間、変動態様4は45秒間、変動態様5は7秒間、変動態様6は10秒間、変動態様7は15秒間、変動態様9は45秒間の縦スクロール変動後、リーチ状態を伴い大当たりもしくはリーチ外れの特別図柄で確定停止表示する変動表示態様である。
これらに対して、変動態様8の場合、前記保留記憶数が100個(限度記憶回数:100回)に至るまで、当否判定結果の確定停止表示(確定導出)が禁止されている。このため、特別図柄の変動表示は、前記保留記憶数が100個になるまで持続し、不定期の変動時間となる。
加えて、通常遊技中である場合、後述する特別遊技実行及び遊技状態変更処理(S200)から明らかなように時短フラグがONにセットていないため、前記S153の分岐時には変動態様10(第2の設定時間)より変動態様1(第1の設定時間)の設定選択が行われる。特に、時短図柄による大当たり後、特典遊技状態中の時短遊技状態が変動時間変更設定手段(メイン制御回路70(CPU72))により設定されているような場合には、前記第1の設定時間(変動態様1:7秒)より短い第2の設定時間(変動態様10:2秒)が選択される構成である。
上記の変動態様1ないし変動態様10は、特に前記した縦スクロールの変動に限定されるものではなく、種々適宜態様が選択され、さらに個々の変動態様毎に異なる態様とすることもでき、前記左,中,右特別図柄表示領域51l,51m,51rに表示される。また、各変動態様における背景は、演出性を高めるものであればどのようなものであってもよい。同様に、図柄の変動表示時間、音声や発光の態様、発光色の変化等も適宜に設定可能である。
保留記憶数減算処理(S180)では、前記始動入賞口10に遊技球が1球入賞する毎に遊技の当否判定が行われ(ラベル−TRND−A参照)、当該当否判定の結果、当否判定結果の導出(特別図柄の変動開始から確定停止表示まで)が1回行われる毎に、既に累積している保留記憶数(特別図柄保留記憶数)から1ずつ減算され、当該減算値がメイン制御回路70内のRAM73に記憶される。この減算は、実施例では0個(当否判定条件の成立回数:0回)に至るまで、メイン制御回路70内のCPU72(成立回数加減算手段)により行われる。
特別図柄停止処理(S190)では、図16のフローチャートから理解されるように、最初に、所定遊技条件である前記変動態様8が選択されているか(コマンドA08が設定されているか)否か確認され(S191)、変動態様8以外の変動態様の場合、すなわちコマンドA01〜A07,A09,A10が選択されている場合、続いて各変動態様毎に設定された変動時間の経過が確認される(S192)。前記S192において変動時間の経過が確認された場合、特別図柄の変動を停止させる特別図柄停止コマンドが設定される(S193)。
そして、特別図柄の変動回数である特典遊技回数『Y』が0回より多いことが確認され(S194)、当該特典遊技回数が少なくとも1回以上である場合、1ずつの減算が行われる(S195)。ここで、『Y’』は減算(更新)される前の特典遊技回数を意味する。そして、当該特典遊技回数が0回であるか否か確認され(S196)、前記特典遊技回数が0回である場合、時短遊技終了コマンドの設定が行われ、該コマンドは前記RAM73内の出力バッファ内に格納される。前記S192において各変動態様毎に設定された変動時間が経過していない場合、S194において前記特典遊技回数が0回(非時短状態)である場合、S196において前記特典遊技回数が減算の結果0回である場合には、この処理(S190)を終了する。
これに対して、前記S191において前記変動態様8(コマンドA08)が選択されている場合、保留記憶数(特別図柄保留記憶数)が100個であるか否か確認される(S198)。当該保留記憶数が100個である場合、特別図柄停止コマンドが設定される(S193)。この100個とは限度記憶回数に相当するため、これ以上の加算は行われず、当否判定結果の確定導出(確定停止表示)の禁止は、第一判定結果導出禁止手段(第一判定結果確定停止表示禁止手段)(メイン制御回路70(CPU72))により解除され、予め決定されている特別図柄が確定停止表示される。また、前記保留数が100個に満たない場合、当否判定結果の確定導出の禁止は、前記第一判定結果導出禁止手段(第一判定結果確定停止表示禁止手段)により依然として持続されるため、特別図柄の停止は行われずにこの処理(S190)を終了する。なお、前記第一判定結果導出禁止手段(第一判定結果確定停止表示禁止手段)による当否判定結果の確定導出が禁止されている期間は第1の禁止期間とされている。
特別遊技実行及び遊技状態変更処理(S200)では、図17及び図18のフローチャートから理解されるように、最初に、特別遊技実行中フラグがON状態であるか否か確認され(S201)、該フラグがON状態でない、すなわちOFF状態の場合、前記画像表示部50における特別図柄の変動表示終了の確認、すなわち特別図柄の確定停止表示(確定導出)が確認され(S202)、大当たりフラグがON状態であるか否か、つまり大当たりが成立しているか否かが確認される(S203)。続いて、特別遊技状態移行コマンドが前記RAM73内の出力バッファ内に格納され(S204)、前記特別遊技実行中フラグがONにセットされる(S205)と共に、前記大当たりフラグがOFFにセットされる(S156)。
そして、前記した通り大入賞口15が再度開放する継続権利、すなわち前記開閉板61による15回の開放(15ラウンド)からなる特別遊技(当たり遊技)が実行され(S207)、当該特別遊技終了条件の成立(所定の遊技球の入賞等)が確認される(S208)。前記S208において、例えば、大入賞口15への所定数の入賞がある場合等の特別遊技終了条件が成立している場合、特別遊技状態終了コマンドは前記RAM73内の出力バッファ内に格納される(S209)。
ここで、今回決定されている大当たり確定停止特別図柄が前記の時短図柄(時間短縮図柄)であるか否か、具体的には、‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’,‘11’のいずれかのぞろ目からなる特別図柄であるか否かが確認される(S210)。前記S210にて大当たり確定停止特別図柄が時短図柄である場合(つまり、時短図柄組合せである状態)には、時短フラグ(時間短縮フラグ)がONにセットされ(S211)、時短遊技移行コマンドが前記RAM73内の出力バッファ内に格納され(S212)、特典遊技回数『Y』、すなわち、特別図柄の変動回数は100回に設定される(S213)。
一方、前記S210にて大当たり確定停止特別図柄が時短図柄でない場合(つまり、‘2’,‘4’,‘6’,‘8’,‘10’,‘12’のいずれかのぞろ目からなる通常図柄組合せである非時間短縮状態)には、時短フラグ(時間短縮フラグ)がOFFにセットされ(S214)、特典遊技回数『Y』は0回にリセットされる(S215)。
上記の個々の処理を経た後、特別遊技実行中フラグはOFFにセットされ(S216)、当該処理S200は終了する。なお、前記S201において、特別遊技実行中フラグがON状態の場合、S202ないしS206の処理は省略され、そのまま、特別遊技が実行される(S207)。また、前記S202における特別図柄は図柄変動中である場合、S203における大当たりフラグはOFF状態である場合、S208における特別遊技終了条件が成立していない場合にあっては、以下の個々の処理は省略され、そのまま当該処理S200は終了する。
前記特別遊技実行及び遊技状態変更処理処理(S200)の後、遊技球が普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21を通過したか否かが前記普通図柄変動開始スイッチSW2の検出により確認され(S220)、普通図柄保留数が4個未満であるか否かも確認される(S230)。前記普通図柄保留数が4個未満の場合、カウンタの更新数値Qn(実施例ではQ8)が取得され、前記取得された更新数値Qnはメイン制御回路70のRAMの取得乱数記憶エリアに各々記憶される(S240)。続いて、普通図柄保留数加算処理にて前記普通図柄保留数に1回の加算が行われる(S250)。なお、乱数取得処理(S240)は、前記S80の乱数取得処理と同様であるため、図示を省略する。前記S220でゲート通過が確認されない場合、さらに前記普通図柄保留数が4個未満でない(つまり4個)の場合、以降の乱数取得処理(S240)(更新数値)及び普通図柄保留数加算処理(S250)は行われない。
続いて、小当たり当否判定条件が成立しているか否かが確認される(S260)。ここで、小当たり当否判定条件が成立しているとは、現在小当たり実行中でないこと、普通図柄変動中でないこと、及び普通図柄保留記憶数があることをいう。そして、前記小当たり当否判定条件成立と判断された場合には、小当たり当否判定処理(S270)ないしその他の処理(S310)までの各処理が行われる。一方、前記S260で小当たり当否判定条件不成立と判断された場合は、普通図柄停止処理(S290)に移行し、小当たり当否判定処理(S270)、普通図柄変動時間決定処理(S280)はなされない。
小当たり当否判定処理(S270)では、図19のフローチャートから理解されるように、まず、前記ラベル−TRND−Fの取得数値Q8が小当たり数値である‘0’と対比され(S271)、前記小当たり数値であれば小当たり、つまり普通図柄当たりとなり、小当たりフラグがONにセットされると共に、該小当たりフラグ(ON状態)がメイン制御回路70のRAM内に格納される(S272)。一方、前記S181において取得数値Q8が‘0’以外の場合には、普通図柄外れとして当該処理S180を終了する。
普通図柄変動時間決定処理(S280)では、図20のフローチャートから理解されるように、まず、時短フラグがON状態であるか否かが確認される(S281)。前記S281において前記時短フラグがON状態、すなわち時間短縮状態に設定されている場合、普通図柄の変動時間は4秒間に設定され(S282)、前記時短フラグがOFF状態、時間短縮状態に設定されていない場合、普通図柄の変動時間は30秒間に設定される(S283)。それぞれの設定時間に応じた普通図柄変動コマンドが設定されると共に当該コマンドは前記RAM73内に格納される(S284)。
普通図柄停止処理(S290)では、前記普通図柄変動コマンドに応じてそれぞれに設定された時間が経過後、普通図柄停止コマンドが設定され前記RAM73内の出力バッファに格納される。
始動入賞口拡大処理(S300)では、図21のフローチャートから理解されるように、まず、前記S290の普通図柄停止処理において設定された普通図柄停止コマンドが出力されているか否かの確認(S301)、小当たりフラグがON状態であるか否かの確認(S302)が行われ、いずれにおいても確認がされている場合、さらに時短フラグがON状態であるか否かが確認される(S303)。前記S303において時短フラグがON状態の場合、始動入賞口10の入賞領域は1.7秒間を3回とする拡大開放が設定される(S304)。一方、前記S303において、時短フラグがOFF状態の場合、始動入賞口10の入賞領域は0.5秒間を1回とする拡大開放が設定される(S305)。続いて、前記S304,S305に対応する始動入賞口の入賞領域の拡大開放コマンドが設定されると共に前記RAM73内の出力バッファ内に格納され(S306)、小当たりフラグはOFFにセットされる(S307)。なお、前記S301において普通図柄停止コマンドの出力がない場合、S302において小当たりフラグがONでない(OFF状態)場合には、そのまま、当該始動入賞口拡大処理を終了する。
また、メイン処理Mにおいて、上述した各処理の他、遊技状態時に必要となるその他の処理(S310)として、例えば仮停止特別図柄変更決定処理、表示制御回路90に送信されたコマンドに基づき各種画像を図柄表示装置43に表示する表示装置表示処理、スピーカ発声処理、各種発光体発光処理、タイマカウントの値(秒数)からの2msec毎の減算を行うタイマ減算処理、クロック処理及びその他のエラーの処理等が行われ、爾後の処理に備えて待機状態となる。
次に前記表示制御回路90が行うメイン処理について説明する。図19のフローチャートから理解されるように、表示制御回路におけるメインルーチン(SDm)において、まず、電源投入がなされたか否か確認されてから(S410)、初期設定(S420)、コマンド受信処理(S430)、画像データ作成処理(S440)、VDP出力処理(S450)が行われる。
初期設定(S420)は、前記メイン制御回路のメイン処理Mと同様にスタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO,PIO,CTCの設定等を行う。なお、電源投入時のみに必要な処理は1順目のみに実行され、後は実行されることがない。
コマンド受信処理(S430)では、メイン制御回路70から送信される特別遊技状態移行コマンド、特別遊技状態終了コマンド、特別図柄停止コマンド、特別図柄変動態様コマンド(A01〜A10)、普通図柄変動コマンド、普通図柄停止コマンド、リーチコマンド、時短遊技移行コマンド、時短遊技終了コマンド、拡大開放コマンド等各種コマンドの受信が行われ、前記表示制御回路90の制御データRAM93内のコマンドバッファに保存される。さらに、コマンドの解析が行われ、これらの各コマンドの内容に適合した前記制御データROM92に蓄積されている画像データのセットが行われる。
画像データ作成処理(S440)では、前記S430のコマンド受信処理においてセットされた画像データについて、変動パターンに即した画像データが作成される。
VDP出力処理(S450)では、前記S440の画像データ作成処理において作成された画像データを前記VDP94は受信し、VDP内では実際に表示する表示画像として構成された後、前記図柄表示装置43(画像表示部50)に表示画像が出力される。
図23に示すタイムチャートを用い、特別図柄保留数(特別図柄保留記憶数)の変化と、表示/導出(確定停止表示)と、遊技状態との関連を説明する。チャート上の時間の進行は時点T1,時点T2...と下方に進行する。
時点T1の遊技状態J1は、以前の大当たりに起因する特典遊技が持続され、特に時短遊技状態である。時点T1において、前記メイン処理Mを実行の結果、時短図柄で大当たりL1が決定され、表示/導出(確定停止表示)として前記変動態様8が実行される。なお、図示において、時点T1における特別図柄保留数は30個である。
大当たりL1における変動態様8が実行されている場合、前記S280の普通図柄変動時間決定処理及びS290の普通図柄停止処理から理解されるように始動入賞口の拡大開放が行われ易くなり、遊技球の入賞の確率(当否判定条件の成立確率)が向上する。この結果、前記S90の保留数加算処理に示すとおり、保留数が増加し続ける。また、前記S150の特別図柄変動態様決定処理及びS190の特別図柄変動停止処理から理解されるとおり、保留数(特別図柄保留記憶数)が加算されて100個に至るとき、つまり時点T2となると、大当たりL1における変動態様8は終了し、大当たりの確定導出(特別図柄による大当たり判定結果確定停止表示)される。すなわち、当該変動態様8が実行されている間(時点T1〜T2)は、当否判定結果の導出(確定停止表示)が禁止されている第1の禁止期間に相当する。
前記時点T2において変動態様8が終了後、遊技状態J2は、ラウンド演出を伴う特別遊技に移行し、15回のラウンド終了時まで、すなわち時点T3まで持続される。前記遊技状態J2内の特別遊技が実行されている期間(時点T2〜T3)では、当然ながら当否判定条件に関わる当否判定結果の確定導出(当否判定結果の確定停止表示)は行われない。従って、当該期間(時点T2〜T3)は第2の禁止期間に相当する。なお、時点T1〜T2、及び時点T2〜T3の特典遊技回数Y(回)は、S190の特別図柄変動停止処理から自明であるように減少することはない。
前記時点T3において特別遊技が終了後、前記第1の禁止期間である大当たりの確定導出(確定停止表示)及び前記第2の禁止期間である特別遊技状態の終了を契機として、時間短縮を伴う遊技状態J3に移行する。前記遊技状態J3では、100個まで保留されている特別図柄保留記憶数が用いられ、1個ずつ当否判定に供される毎に前記S180の保留記憶数減算処理に示すように減算される。1回の当否判定毎に特別図柄は前記S150に示した変動態様10等の導出(図柄変動と変動停止)を繰り返す。
時点T3〜T4の間は、始動入賞口への遊技球の入賞が1球もなく、当否判定結果が全て外れであるため、100個の保留数は、99,98,97個と順次消耗される。同時に、1回の当否判定毎に特別図柄の変動及び外れ確定導出(外れ判定結果確定停止表示)が行われる。このため、特典遊技回数Y(回)もY−1,Y−2,Y−3(回)と減少する。図示において、時点T4の保留数が62個となった時点で、当否判定が大当たりL2となり、当該時間短縮を伴いながら図柄変動と変動停止を繰り返す遊技状態J3は終了する。この場合、特典遊技回数はY−38(回)まで、減少する。
なお、図示では時点T4の保留数(特別図柄保留記憶数)が62個となった時点で、大当たりL2となるが、そのまま外れが続き保留数の消耗が進む場合、これに伴って特典遊技回数もY−38,Y−39,Y−40(回)と減少し、Y−100(回)、すなわち特典遊技回数がなくなるとき、短縮設定は解除される。ここで、前記時点T1〜T2の第1の禁止期間にあっては、所定数の当否判定条件の成立回数、つまり保留数(特別図柄保留記憶数)は100個に設定されているため、前記時点T3〜T4間の時短遊技状態の当否判定は100回まで導出可能(確定停止表示可能)である。
前記時点T4の保留数が62個となった時点の大当たりL2は、非時短図柄であるとして、大当たりL2における変動態様8が実行され、時間短縮を伴う遊技状態J4となる。当該遊技状態J4においても前記、大当たりL1における変動態様8が実行された場合と同様に、遊技球の入賞の確率(当否判定条件の成立確率)が向上し、保留数(特別図柄保留記憶数)が38個分加算されて100個に至るとき、つまり時点T5となると、大当たりL2における変動態様8は終了し、大当たりの確定導出(特別図柄による大当たり判定結果確定停止表示)される。
前記時点T5において大当たりL2における変動態様8が終了後、遊技状態J5は時点T5〜T6の間、前記遊技状態J2と同様に特別遊技が実行される。また同様に、特典遊技回数もY−38(回)のままで維持される。そして、15回のラウンド終了時(時点T6)に至ると、前記大当たりL2が非時短図柄であるため、遊技状態J6は通常遊技状態として進行し、保留数(特別図柄保留記憶数)は減少し、併せて、特典遊技回数はリセット(Y←0)される。
なお、前記時点T1〜T2の第1の禁止期間にあっては、所定数の当否判定条件の成立回数、つまり保留数(特別図柄保留記憶数)を例えば50回と設定することも可能である。このような場合、保留数が100個から50個に減少したときに、時間短縮状態の設定が解除され、その後通常遊技状態で50回分の判定結果の導出(確定停止表示)が行われる。
さらに、実施例の遊技機は当否判定条件の成立時(時点T1等)に遊技の当否判定及び所定遊技条件(変動態様8)を設定するか否か判断される構成であるが、これに代えて、前記時点T1の当否判定条件成立後(始動入賞口への入賞後)、かつ、当該当否判定結果の確定導出前である時点T1aにおいて、遊技の当否判定及び所定遊技条件(変動態様8)を設定することも、事前当否判定手段(メイン制御回路70)を備えることにより可能である。このような場合においても、当該当たりと判定された当否判定結果の導出開始から当否判定結果導出終了、つまり特別図柄の変動開始から確定停止表示までの設定時間を少なくとも前記当否判定条件成立が限度記憶回数(100回)となるまで、時点T1a〜T2までを第1の禁止期間として延長することもできる。