JP4464479B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い挿入部の基端部に連結された操作部に、この操作部に接続される周辺機器をコントロールするコントロールスイッチが配設された内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡には管腔内に挿入される細長い挿入部の基端部に手元側の操作部が連結されている。ここで、例えば、特開昭61−210315号公報には、内視鏡本体の操作部に例えばTVモニタや、記録装置などの周辺機器をコントロールする多機能スイッチが設けられた構成の内視鏡装置が示されている。
【0003】
さらに、一般的な内視鏡の操作部には挿入部の先端側に配設された湾曲部を遠隔操作するための湾曲ノブが装着されている。そして、使用者は内視鏡の操作部を把持した状態で、湾曲ノブや、多機能スイッチなどを操作するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成の内視鏡では、使用者は内視鏡の操作部を把持した状態で、湾曲ノブや、多機能スイッチなどを操作するようにしていたので、多機能スイッチは使用者が内視鏡を把持する部分に近接した状態で配置されている。この為、内視鏡を把持している時や、湾曲ノブを操作する時などに意図せず多機能スイッチを押圧してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、術者(使用者)が容易に周辺機器を制御することができるうえ、リモートコントロールスイッチを意図せず押してしまうおそれがない内視鏡を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は管腔内に挿入される湾曲部を有した挿入部と、この挿入部の基端側に連結された操作部と、前記操作部の先端部側に配置されたスイッチボックスに設けられ、内視鏡に接続される周辺機器をリモートコントロールするリモートコントロールスイッチと、前記スイッチボックスの基端側に連結され、前記湾曲部を遠隔操作可能な湾曲ノブを有し、前記湾曲ノブは、回動支点が配置される前記操作部の一端面から前記操作部の外周面側に突出しているほぼL字状のレバーを有する湾曲操作部と、前記湾曲操作部の基端部側に配置され、使用者が把持するための把持部とを具備し、前記リモートコントロールスイッチは、前記スイッチボックスにおける前記湾曲操作部の前記湾曲ノブの前記レバーが突出している方向に位置する面に突出していることを特徴とする内視鏡である。
そして、本請求項1の発明では使用者が把持部を把持したままリモートコントロールスイッチを片手で押すことができ、湾曲ノブも簡単に操作することができるとともに、スイッチボックスを操作部および把持部の先端側に配置することにより、リモートコントロールスイッチの視認性を良くするようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1は本実施の形態の内視鏡1全体の概略構成を示すものである。本実施の形態の内視鏡1には管腔内、例えば人体の体腔内に挿入される細長い挿入部2と、挿入部2の基端部に連結された操作部100が設けられている。
【0009】
操作部100は、挿入部2の基端部に連結されるスイッチボックス3と、スイッチボックス3の手元側に連結される湾曲操作部4と、湾曲操作部4の後端側に使用者が把持するためのグリップ(把持部)5とで構成されている。
【0010】
すなわち、本実施の形態の内視鏡1には挿入部2と、スイッチボックス3と、湾曲操作部4と、グリップ5とが順に並んで配置されている。
【0011】
さらに、グリップ5の後端部にはユニバーサルコード6の一端部が連結されている。このユニバーサルコード6の他端部にはライトガイドコネクタ7が設けられている。このライトガイドコネクタ7からはカメラコネクタ8が分岐している。そして、ライトガイドコネクタ7は図示しない光源装置に接続される。さらに、カメラコネクタ8は図示しないビデオプロセッサに接続される。
【0012】
また、挿入部2は、先端側より、先端硬質部9、湾曲部10、可撓性の挿入蛇管部11で構成される。ここで、先端硬質部9には図示しない照明光学系や、観察光学系などが配設されている。
【0013】
また、湾曲操作部4には、湾曲部10を遠隔操作可能な湾曲ノブ12が設けられている。さらに、スイッチボックス3にはライトガイドコネクタ7や、カメラコネクタ8に接続される周辺機器をリモートコントロールする例えば、2個のリモートコントロールスイッチ13a、13bが設けられている。これらのリモートコントロールスイッチ13a、13bは例えば、スイッチボックス3の上面、すなわち湾曲操作部4の湾曲ノブ12が突出している方向に位置する面に図3に示すように挿入部2の軸方向に対して平行に前後に並設されている。さらに、これらのリモートコントロールスイッチ13a、13bは周辺機器、例えば、モニタ画面の明るさの調整スイッチ、光源の調光スイッチ、VTRの録画制御スイッチ、カラープリンタの画像取り込み制御スイッチなどとして機能するようになっている。ここで、周辺機器にはカメラコネクタ8に接続される図示しないビデオプロセッサを介して信号が伝送されるようになっている。
【0014】
また、図2に示すように挿入部2の基端部には略円筒状の接続部材14が固着されている。この接続部材14の後端部にはツナギ部材15a、15bの前端部がネジ固定されている。これらのツナギ部材15a、15bの後端部は略U字状の接続板16の各端縁部にそれぞれネジ固定されている。さらに、接続板16の後端面はネジにより湾曲操作部4の先端面に固定されている。
【0015】
また、スイッチボックス3は湾曲操作部4の先端側に配置され、ツナギ部材15a、15b及び接続板16を覆うようにして設けられている。このスイッチボックス3の先端側には接続部材14を覆うカバー17が設けられている。このカバー17の後端部はスイッチボックス3の先端部に嵌入された状態で固定されている。
【0016】
さらに、カバー17の先端側には円筒状の抑えリング18が設けられる。この抑えリング18の後端部にはネジ穴部が設けられている。そして、この抑えリング18のネジ穴部は接続部材14の外周面の一部に設けられた雄ネジ部に螺合され、抑えリング18は接続部材14に係止されている。
【0017】
また、スイッチボックス3の2つのリモートコントロールスイッチ13a、13bは、高さを変化させた状態で配置されている。例えば、先端側に配置されているリモートコントロールスイッチ13aの高さは後端側に配置されているリモートコントロールスイッチ13bの高さよりも高くなるように設定されている。
【0018】
これらのリモートコントロールスイッチ13a、13bは、ボタン19と、略円筒状のボタン固定部材20と、略棒状のキートップ21とで構成されている。ここで、ボタン固定部材20には円筒体の一端部にフランジ部22が形成されている。さらに、このボタン固定部材20の円筒体の他端部には爪部25が外向きに突設されている。
【0019】
さらに、ボタン19にはボタン固定部材20のフランジ部22と対応する形状の凹部23が形成されている。そして、このボタン19の凹部23にボタン固定部材20のフランジ部22が嵌まり込む状態でボタン19とボタン固定部材20とが一体化されている。
【0020】
また、スイッチボックス3にはボタン固定穴24が形成されている。そして、ボタン固定部材20が嵌め込まれたボタン19は、スイッチボックス3のボタン固定穴24にボタン固定部材20が嵌め込まれるようになっている。このとき、ボタン固定部材20の爪部25がスイッチボックス3の内周面側のボタン固定穴24の周縁部位に引っ掛かることにより、ボタン固定部材20がスイッチボックス3に固定されるようになっている。さらに、ボタン固定部材20の内側にはキートップ21が挿入された状態で装着されている。
【0021】
また、ツナギ部材15aの上面には制御回路基板26が設けられている。この基板26上には、リモートコントロールスイッチ13a、13bによって操作される2つのスイッチ27が設けられている。これらのスイッチ27は各リモートコントロールスイッチ13a、13bのボタン19のキートップ21の直下の位置に配置されている。
【0022】
また、基板26にはリモートコントロールスイッチ信号を図示しないビデオプロセッサに伝送するケーブル28の一端部が半田付けされる。ここで、ツナギ部材15にはケーブル固定穴29が貫通するようにして設けられている。そして、ケーブル28は、ツナギ部材15のケーブル固定穴29に通され、このツナギ部材15の内側に延出されている。さらに、このケーブル28の他端部は湾曲操作部4の内部を通過し、カメラコネクタ8に接続されている。
【0023】
また、ケーブル28は、ケーブル固定穴29の部分でツナギ部材15aに例えば、接着剤により固定される。なお、ケーブル28はツナギ部材15aにネジで固定してもよいし、紐、ストラップ等の固定部材でツナギ部材15aに縛り付けて固定してもよい。
【0024】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡1の使用して手術を行う場合には術者は、内視鏡1のグリップ5を把持して内視鏡1の各種の操作を行う。例えば、内視鏡1の視野方向を変えたい場合には、グリップ5を把持したまま、湾曲ノブ12を操作して、湾曲部10を湾曲させ、視野方向を変化させる。
【0025】
また、内視鏡1の周辺機器を制御したい場合には、グリップ5を把持したまま、リモートコントロールスイッチ13a、または13bのボタン19を押す。このボタン19が押されると、キートップ21が押し下げられてスイッチ27がキートップ21によって押される。これにより、押されたリモートコントロールスイッチ13a、または13bに対応するスイッチ27がオン操作される。
【0026】
ここで、スイッチ27がオン操作されると、ケーブル28を介してビデオプロセッサに制御信号が流れ、図示しないビデオプロセッサから周辺機器制御信号が発せられる。
【0027】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では挿入部2と、リモートコントロールスイッチを備えたスイッチボックス3と、湾曲操作部4と、グリップ5とを順に並べて配置したので、グリップ5を握ったまま、片手で確実にリモートコントロールスイッチ13a、13bを押すことができ、容易に周辺機器を制御できる。
【0028】
また、グリップ5、湾曲操作部4より先端側にリモートコントロールスイッチ13a、13bを設けたので、内視鏡1を把持する際に、リモートコントロールスイッチ13a、13bの周辺部分を把持することが無い。そのため、内視鏡1を把持している時や、湾曲ノブ12を操作する時などに意図せず誤ってリモートコントロールスイッチ13a、13bを押圧してしまうおそれがない。
【0029】
さらに、リモートコントロールスイッチ13a、13bのボタン19をスイッチボックス3のボタン固定穴24に嵌め込んで設けてあるので、意図的にボタン19を押し込んだ時のみスイッチ27がオン操作される。そのため、リモートコントロールスイッチ13a、13bの付近を把持しても、意図せずリモートコントロールスイッチ13a、13bを押してしまうことが無く、意図せずリモートコントロールスイッチ13a、13bを押圧してしまう誤操作を一層確実に防止することができる。
【0030】
また、先端側に設けられるリモートコントロールスイッチ13aの高さを後端側に設けられるリモートコントロールスイッチ13bの高さよりも高くしたので、グリップ5を握ったまま親指等で先端側のリモートコントロールスイッチ13aを押した際に、意図せず後端側のリモートコントロールスイッチ13bも押してしまうことが無い。
【0031】
さらに、グリップ5、湾曲操作部4より先端側にリモートコントロールスイッチ13a、13bを設けるとともに、スイッチボックス3の上面にリモートコントロールスイッチ13a、13bを設けたので、内視鏡1を把持している時もリモートコントロールスイッチ13a、13bの視認性がよい。
【0032】
また、ツナギ部材15a上に基板26を設けたので、スイッチボックス3内のスペースを取ることなく、スペースを有効利用できる。さらに、ケーブル28がケーブル固定穴29でツナギ部材15aに固定されるので、ケーブル28が引っ張られても、基板26上の半田付け部でケーブル28が断線することが無い。
【0033】
また、図4は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図3参照)の内視鏡1の構成を次の通り変更したものである。
【0034】
すなわち、本実施の形態ではスイッチボックス3に設けられる2個のリモートコントロールスイッチ13a、13bをスイッチボックス3の上面に挿入部2の軸方向に対して直角方向に並設したものである。この場合も第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0035】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 挿入部と、前記挿入部の基端側に位置する操作部を有する内視鏡において、前記操作部の先端側にスイッチボックス部を有し、前記スイッチボックス部にリモートコントロールスイッチを設けたことを特徴とする内視鏡。
【0036】
(付記項2) 挿入部と、前記挿入部先端に設けられる湾曲部と、前記湾曲部を遠隔操作可能な湾曲ノブと、前記挿入部の基端側に位置し前記湾曲ノブが設けられる操作部と、を有する内視鏡において、前記操作部の先端側にスイッチボックス部を有し、前記スイッチボックス部にリモートコントロールスイッチを設けたことを特徴とする内視鏡。
【0037】
(付記項3) 前記操作部の後端側にグリップ部を設けたことを特徴とする付記項1、2の内視鏡。
【0038】
(付記項4) 前記リモートコントロールスイッチと前記湾曲ノブが同じ側に突出していることを特徴とする付記項1〜3の内視鏡。
【0039】
(付記項5) 前記リモートコントロールスイッチが前記スイッチボックス部の上面に設けられることを特徴とする付記項1〜4の内視鏡。
【0040】
(付記項6) 前記リモートコントロールスイッチが、挿入部長軸方向に対して平行に直列に設けられたことを特徴とする付記項1〜5の内視鏡。
【0041】
(付記項7) 前記リモートコントロールスイッチが、挿入部長軸方向に対して直角方向に直列に設けられたことを特徴とする付記項1〜5の内視鏡。
【0042】
(付記項1〜7の従来技術) 特開昭61−210315号公報。
【0043】
(付記項1〜7が解決しようとする課題) 特開昭61−210315号公報では、多機能スイッチが内視鏡本体の操作部に設けられた内視鏡装置が示されている。
【0044】
従来の内視鏡では、リモートコントロールスイッチが操作部に設けられており、把持部とリモートコントロールスイッチが近接していた。この為、内視鏡を把持している時や湾曲ノブを操作する時などに意図せずリモートコントロールスイッチを押してしまうことがあるという問題点があった。
【0045】
(付記項1〜7の目的) 術者が容易に周辺機器を制御できるリモートコントロールスイッチを有し、また、リモートコントロールスイッチを意図せず押してしまうことの無い内視鏡を提供する。
【0046】
(付記項1〜7の課題を解決するための手段) 付記項1〜7の構成は、内視鏡を把持したままリモートコントロールスイッチを片手で押すことができるという作用を持つ。また、リモートコントロールスイッチをグリップ、及び、操作部の先端側に設けたので視認性が良いという作用を持つ。
【0047】
(付記項1〜7の効果) 術者が容易に周辺機器を制御できる。リモートコントロールスイッチを意図せず押してしまうことが無い。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば操作部の先端側にリモートコントロールスイッチを、操作部の基端側に把持部を配置したので、術者(使用者)が容易に周辺機器を制御することができるうえ、リモートコントロールスイッチを意図せず押してしまうおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の内視鏡全体の概略構成を示す平面図。
【図2】 第1の実施の形態の内視鏡のスイッチボックスの内部構成を示す縦断面図。
【図3】 第1の実施の形態の内視鏡のリモートコントロールスイッチの配置状態を示す要部の平面図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態の内視鏡におけるリモートコントロールスイッチの配置状態を示す要部の平面図。
【符号の説明】
2 挿入部
3 スイッチボックス
4 湾曲操作部
5 グリップ(把持部)
13a、13b リモートコントロールスイッチ
100 操作部
Claims (1)
- 管腔内に挿入される湾曲部を有した挿入部と、
この挿入部の基端側に連結された操作部と、
前記操作部の先端部側に配置されたスイッチボックスに設けられ、内視鏡に接続される周辺機器をリモートコントロールするリモートコントロールスイッチと、
前記スイッチボックスの基端側に連結され、前記湾曲部を遠隔操作可能な湾曲ノブを有し、前記湾曲ノブは、回動支点が配置される前記操作部の一端面から前記操作部の外周面側に突出しているほぼL字状のレバーを有する湾曲操作部と、
前記湾曲操作部の基端部側に配置され、使用者が把持するための把持部とを具備し、
前記リモートコントロールスイッチは、前記スイッチボックスにおける前記湾曲操作部の前記湾曲ノブの前記レバーが突出している方向に位置する面に突出していることを特徴とする内視鏡。
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