JP4463641B2 - 画像形成装置用クリーニングブレード及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置用クリーニングブレードおよび、その製造方法に関するものである。
普通紙を記録紙として用いる静電式写真複写機では、一般に、感光体の表面に放電により静電荷を与え、その上に画像を露光して静電潜像を形成し、次に、逆極性を帯びたトナーを静電潜像に付着させて現像し、そのトナー像を記録紙に転写し、最後にトナー像が転写された記録紙を加熱加圧しし、トナーを記録紙上に定着させることによって複写を行っている。従って、複数枚の記録紙に順次複写を行うためには、上記工程において、感光体より記録紙にトナー像を転写した後、感光体の表面に残留するトナーを除去する必要がある。その除去方法の一つとして、クリーニングブレードを感光体表面に圧接し、感光体を摺接してクリーニングするブレード・クリーニング方式が知られている。
この種の画像形成装置用クリーニングブレードとしては、ポリウレタン製等の弾性からなるブレードが多く用いられているが、下記の問題が指摘されている。
(1)高温高湿時において摺動振動に基づく鳴き現象が生じやすい。
(2)感光体に対しカウンター方式で使用され残留トナーが少ない領域ではエッジ部が感光体の回転方向に持っていかれるという反転現象が起きやすい。
(3)高画質化のためトナーの球形微細化が進んだ結果、クリーニングブレードの圧接力を大きくしないと残留するトナーの除去が困難となり、感光体の駆動トルク上昇や回転むらが生じやすくなる。
上記問題点を解決するために種々のクリーニングブレードが提案されている。
例えば、特開2000−75743号公報(特許文献1)には、室温状態における硬度と反発性能を調整することによりクリーニング性能を改善させたブレードが記載されている。しかし、室温状態における硬度と反発性能を調整しただけでは、高温高湿時においては、硬度が下がり、反発弾性が上がるため摺動振動に基づく鳴き現象を改善するには至っていない。
また、特開2003−103686号公報(特許文献2)には、ポリウレタンゴム製クリーニングブレードのエッジ部にフレキシブルダイアモンドライクカーボンをプラズマ化学気相蒸着法により形成し、基材となる弾性体の基本特性を損なうことなく、低摩擦係数を実現し、かつ耐摩耗性に優れたクリーニングブレードとしていることが記載されている。
しかしながら、フレキシブルダイアモンドライクカーボンにより低摩擦係数を実現して、摺動振動に基づく鳴き現象は改善されるが、エッジ部にのみフレキシブルダイアモンドライクカーボンを付着しているだけであるため、耐久性や耐摩耗性は余り改善されていないと認められる。さらに、基材である弾性体にフレキシブルダイアモンドライクカーボン層を形成するためプラズマ化学気相蒸着を行う必要があり、製造工程管理が複雑となり、製造コストも上昇する問題がある。
特開2000−75743号公報 特開2003−103686号公報
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、特に、簡単に成形加工でき、かつ、高温高湿時での摺動振動に基づく鳴きを抑制し、残留トナーが少ない領域でのブレード・エッジ部の反転現象の発生を防止し、かつ、高画質化のために球状微細トナーが用いられた場合も感光体表面に残留するトナーを確実に除去できるクリーニングブレードを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、
エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aと、
アイオノマー樹脂からなる成分Bと、
スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、
エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dのうち、
前記成分Cと成分Dは必須とし、成分Aあるいは/および成分Bを含み、少なくとも3成分を含む熱可塑性樹脂組成物から成形されていることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレードを提供している。
前記のように、本発明のクリーニングブレードは、熱可塑性樹脂組成物より成形しているため、従来用いられているウレタンゴムのような熱硬化性樹脂とは異なり、再溶融により流れ性を有することから、押出成形あるいは射出成形でクリーニングブレードを簡単かつ安価に製造することができる。
また、熱可塑性樹脂は振動吸収性に優れているため、高温高湿時において、摺動振動に基づく鳴き現象の発生を抑制できる。
さらに、前記成分A,B,C,Dの配合量を調節することで、所要の硬度を得ることができるため、高画質化のために球状微細トナーが用いられた場合も感光体表面に残留するトナーを確実に除去でき、かつ、耐久性も高めることができる。
さらにまた、前記成分A,B,C,Dの配合量を調節することで、所要の反発性能を得ることができるため、残留トナーが少ない領域でのブレード・エッジ部の反転現象の発生を防止できる。
具体的には、成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂を配合することにより、相溶性が良くなり分散性が向上するので、低摩擦係数として鳴きの低減できる。
成分Aのエステル系熱可塑性樹脂あるいは/およびウレタン系熱可塑性樹脂を配合することにより、反発性能が向上するので、残留トナーが少ない領域でのブレード・エッジ部の反転現象の発生を防止できる。
かつ、成分A,B,C,Dを配合することにより、摩擦係数、反発性が調整されるので、高画質化のために球状微細トナーが用いられた場合も感光体表面に残留するトナーを確実に除去できる。
前記成分A〜Dからなる熱可塑性樹脂については、成分同士で相溶性が悪い場合があるが、本発明では、成分Cのスチレン系熱可塑性樹脂と、成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂とを必須成分として配合していることにより、前記成分A〜Dの4成分を配合する場合、成分A,C,Dあるいは成分B,C,Dの3成分を配合とするいずれの場合においても、これら成分を相溶させて混練物を得て、押出成形あるいは射出成形を可能としている。
具体的には、前記成分A,B、C,Dの4つの成分を含むクリーニングブレードとする場合、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りしておく一方、アイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りしておき、
得られた2種類の混合物を混練りして、前記成分A,B,C,Dを含む混練物を設け、 前記混練物を押出成形あるいは射出成形して成形してクリーニングブレードを製造している。
前記成分A,B,C,Dの4成分を含むクリーニングブレードとする場合、成分Aのエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂と成分Bのアイオノマー樹脂との相溶性は悪い。
しかしながら、本発明者は、成分Bのアイオノマー樹脂と成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂とを加熱混合することにより、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基がアイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基と反応して界面に軟質のブロック共重合体またはグラフト共重合体が生成し、それら共重合体が混練時の剪断力によってアイオノマー樹脂(成分B)のマトリックス中に均一に微分散され、アイオノマー樹脂が軟化されるという知見を得た。得られた混合物はエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含むため、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)と相溶化が可能である。さらに、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)はエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)と相溶化が可能である。よって、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)とを媒介させてエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とアイオノマー樹脂(成分B)とを相溶させて、前記4つの成分A,B,C.Dを含むクリーニングブレードを得ることができる。
また、成分A、B、C、Dの4成分を含む場合、成分A、B,Cをそれぞれ10〜70質量部、前記成分A、成分B、成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合することが好ましい。
前記エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)の配合量を10質量部以上90質量部以下としているのは、成分Aの配合量が10質量部より少ないと反発性や耐久性が低下するおそれがある一方、90質量部より多いとクリーニングブレードの硬度が所望する値より高くなり、感光体を傷つけるおそれがあることに因る。
成分Aの配合量は10質量部以上80質量部以下がより好ましい。
アイオノマー樹脂(成分B)の配合量は10質量部以上90質量部以下としているのは、10質量部より少ないと、アイオノマー樹脂中の遊離カルボキシル基の数が少なくなり、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基との反応が減少するため、当該反応によって生成する軟質のブロック共重合体またはグラフト共重合体の含有量が減少し、前記共重合体が適度に分散できなくなり、耐久性が低下するおそれがあることに因る。一方、90質量部より多いと、アイオノマー樹脂中の遊離カルボキシル基の数が多くなり、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基と過剰に反応するため、硬度が所望する値より高くなり、感光体などの相手部材を傷つけるおそれがあることに因る。成分Bの配合量は、10質量部以上80質量部以下がより好ましい。
スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)の配合量は10質量部以上70質量部以下としているのは、10質量部より少ないと、例えば、末端水酸基変性化したスチレン系熱可塑性樹脂を用いた場合、エポキシ基との反応が低下し適当な分散が得られなくなって耐久性が低下するおそれがある一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より低くなり、感光体とに摺動接触または回転接触する際にクリーニングブレードのエッジ部にめくれが生じるおそれがあることの因る。
エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の配合量を、成分A、B、Cの配合量の合計を100質量部した場合に3質量部以上20質量部以下としているのは、3質量部より少ないと、エポキシ化熱可塑性樹脂中のエポキシ基の数が少なくなり、アイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基との反応が減少するため、当該反応によって生成する軟質のブロック共重合体またはグラフト共重合体の含有量が減少し、前記共重合体が適度に分散できなくなり、ひいては本発明の樹脂組成物全体の適度な分散も得られなくなることから、耐久性が低下するおそれがあることに因る。一方、成分Dの配合量が20質量部より多いと、エポキシ化熱可塑性樹脂中のエポキシ基の数が多くなり、アイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基と過剰に反応するため、硬度が所望する値より高くなり、感光体を傷つけるおそれがあることに因る。
成分Dの配合量は、5質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。
前記成分A,C,Dを3成分とする場合も同様で、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)がエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の双方に相溶化可能であることから、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を介して成分A、成分Cおよび成分Dの3成分を相溶させることができる。
製造時には、成分Aのエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂と、成分Cのスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)と、成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂を加熱混練している。
前記成分A、C、Dの3成分とする場合は、成分Aと成分Cをそれぞれ30〜70質量部、該成分Aと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合することが好ましい。
前記エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)の配合量は30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと反発性や耐久性が低下するおそれがある一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より高くなり、感光体を傷つけるおそれがあることによる。好ましくは、30質量部以上60質量部以下である。
スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)の配合量を30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと適度な分散が得られなくなって耐久性が劣る一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より低くなり、感光体に摺動接触または回転接触する際にクリーニングブレードのエッジ部にめくれが生じ、反転現象の発生につながるおそれがあるためである。好ましくは、30質量部以上60質量部以下である。
エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の配合量は、成分Aおよび成分Cの配合量の合計を100質量部とした場合に3質量部以上20質量部以下としているのは、3質量部より少ないと適度な分散が得られなくなって耐久性が劣る可能性がある一方、20質量部より多いと硬度が所望する値より高くなり、感光体を傷つけるおそれがあることによる。より好ましく、5質量部以上20質量部以下である。
前記成分B、C,Dの3成分を含むクリーニングブレードとする場合も同様で、成分Bのアイオノマー樹脂と成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂を混練しておき、成分Cのスチレン系熱可塑性樹脂を配合すると、該成分Cは成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂と相溶性が可能であるため、これら成分B,C,Dを含むクリーニングブレードを得ることができる。
前記成分B,C,Dの3成分とする場合は、成分Bと成分Cをそれぞれ30〜70質量部、該成分Bと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合することが好ましい。
前記4成分あるいは3成分の樹脂を含むクリーニングブレードの硬度は、JIS−A 55〜85としていることが好ましい。
また、引張強度(MPa)は6.0以上と、反発弾性比(%)は50〜63としていることが好ましい。
本発明の前記樹脂組成物からなる画像形成装置用クリーニングブレードは、前記エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aとアイオノマー樹脂からなる成分Bのうちの一種あるいは成分AとBと、スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dを配合していることにより、これら各成分の配合量を変更することにより物性、特に硬度および反発性を微妙に調整することができる。これによりクリーニングブレードと感光体との摩擦力、クリーニングブレード球状微細トナーとの摩擦力をコントロールし、感光体の駆動トルク上昇や回転むらを生じずに、感光体表面に付着している微細なトナーを効率よく除去できる。かつ、残留トナーが少ない領域でのブレード・エッジ部の反転現象の発生を防止できる。
さらに、振動吸収性に優れた熱可塑性樹脂より成形しているため、高温高湿時における鳴き現象を抑制することができる。
また、本発明のクリーニングブレードを成形する樹脂組成物は熱可塑性であるため、従来のクリーニングブレードとして用いられていたウレタンゴムのような熱硬化性エラストマーとは異なり、再溶融によって流れ性を有するため射出成形や押出成形が可能となる。よって、前記特許文献2に記載されている発明のようにエッジ部分に特殊な加工を施す必要がないので、製造工程が簡略化され工程管理が行いやすく、製造コストも安価に抑えられる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の第1実施形態の画像形成装置用クリーニングブレードは、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)との4成分からなる熱可塑性樹脂組成物を押出成形あるいは射出成形して形成している。
前記成分A、B、C、Dの4成分とする場合、成分A、B,Cをそれぞれ10〜70質量部、前記成分A、成分B、成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合している。
具体的には、下記の態様が挙げられる。
(1)エステル系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
(2)ウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
本発明の第2実施形態では、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とアイオノマー樹脂(成分B)のいずれか一方と、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)との3成分からなるの熱可塑性樹脂組成物を押出成形あるいは射出成形して形成している。
具体的には、下記の態様が挙げられる。
(3)エステル系熱可塑性樹脂(成分A)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
(4)ウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
(5)アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物が挙げられる。
前記成分A、C、Dの3成分とする場合、成分Aを30〜70質量部と成分Cを70〜30質量部、該成分Aと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合している。また、
前記成分B,C,Dの3成分とする場合、成分分Bを30〜70質量部と成分Cを70〜30質量部、該成分Bと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合している。
以下に前記各成分について詳述する。
成分Aのエステル系熱可塑性樹脂としては、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテルを重合単位として含有する共重合体や、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを重合単位として含有する共重合体等が例示される。
上記ハードセグメントにおいては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸もしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと炭素数が1〜25のグリコールまたはそのエステル形成性誘導体を用いることができる。前記炭素数が1〜25のグリコールとしてはエチレングリコールもしくは1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
ソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエーテルとしては例えばポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグリコールを用いることができる。またソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエステルとしては、カプロラクトン、エナンラクトンまたはカプリロラクトンなどのラクトン類を用いることができる。
上記エステル系熱可塑性樹脂の具体例として、東洋紡績(株)から市販の「ペルプレン(Pelprene)」シリーズ、より具体的にはペルプレンP30B、ペルプレンP40B、ペルプレンP40H、ペルプレンP47DもしくはペルプレンP90B;または東レ・デュポン(株)から市販の「ハイトレル(Hytrel)」シリーズ、より具体的にはハイトレル3046、ハイトレル3078、ハイトレルG3548L、ハイトレル4047、ハイトレル4767、ハイトレル4777もしくはハイトレル5077等が挙げられる。
また、成分Aのウレタン系熱可塑性樹脂は、一般にハードセグメントとしてポリウレタン構造を含有し、ソフトセグメントとしてポリエステルまたはポリエーテル構造のポリオール化合物を含有する。前記ポリウレタン構造は一般にジイソシアネートと鎖延長剤としての多価アルコール類またはアミン系等とから成る。本発明においては前記高分子ポリオール化合物や鎖延長剤は特に制限されず、一般的にウレタン系熱可塑性樹脂に使用されるものを適宜用いることができる。
ここで、前記ポリオール化合物としては特に制限されるものではないが、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、コポリエステル系ポリオールまたはポリカーボネート系ポリオール等を挙げることができる。より具体的にはポリエステル系ポリオールとしてポリカプロラクトングリコール、ポリ(エチレン−1,4−アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジペート)グリコール等;ポリエーテル系ポリオールとしてポリオキシテトラメチレングリコール等;コポリエステル系ポリオールとしてポリ(ジエチレングリコールアジペート)グリコール等;ポリカーボネート系ポリオールとして(ヘキサンジオール−1,6−カーボネート)グリコール等を挙げることができる。これらの数平均分子量は約600〜5,000、特に1,000〜3,000であることが好ましい。
前記ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)もしくはナフタリンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート;例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)もしくはリジンジイソシアネート(LDI)等の脂肪族ジイソシアネート;例えば4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)もしくはトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)
等の脂環式ジイソシアネート等を挙げることができ、特にHDI、H12MDI、H6XDIまたはCHDI等が耐変色性(耐黄変性)の点から好ましい。
前記鎖延長剤としては通常多価アルコール類またはアミン類等を用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキシルグリコール、1,3−ブチレングリコール、ジシクロヘキシルメチルメタンジアミン(水素添加MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)等を挙げることができる。
前記ウレタン系熱可塑性樹脂の具体例として、BASFジャパン(株)から市販の「エラストラン」シリーズ、より具体的にはエラストランET880またはエラストランET385等が挙げられる。
前記成分Bのアイオノマー樹脂としては、金属塩で部分的に中和され金属イオンで架橋されている樹脂であれば公知のものを用いることができる。なかでも、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和架橋した二元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂、または、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した三元共重合体系アイオノマー樹脂が好ましい。前記金属イオンとしては、例えばNaイオン、KイオンもしくはLiイオン等のアルカリ金属イオン;例えばZnイオン、CaイオンもしくはMgイオン等の2価金属イオン;例えばAlイオンもしくはNdイオン等の3価金属イオン;およびそれらの混合物が挙げられるが、Naイオン、ZnイオンまたはLiイオン等が反発性、耐久性等から好適に用いられる。
前記二元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン(Hi−milan)1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7318(Na)、ハイミランAM7315(Zn)、ハイミランAM7317(Zn)、ハイミランAM7311(Mg)またはハイミランMK7320(K)などがある。更にデュポン社から市販されているアイオノマー樹脂としては、サーリン(Surlyn)8920(Na)、サーリン8940(Na)、サーリンAD8512(Na)、サーリン9910(Zn)、サーリンAD8511(Zn)、サーリン7930(Li)またはサーリン7940(Li)などがある。またエクソン化学社から市販されているアイオノマー樹脂としては、アイオテック(Iotek)7010(Zn)またはアイオテック8000(Na)などがある。
前記三元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミランAM7316(Zn)等、デュポン社から市販されているサーリンAD8265(Na)、サーリンAD8269(Na)等がある。
なお、前記アイオノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mgなどはこれらの中和金属イオンの金属種を示している。
また、前記例示のものを2種以上混合してもよいし、前記例示の1価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂を2種以上混合して用いてもよい。二元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂と三元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂とを組み合わせて用いてもよい。
前記成分Cのスチレン系熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)または水素添加スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
SBSの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)を使用し、そのブタジエン二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。SISの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)を使用し、そのイソプレン二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。SIBSの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)を使用し、そのブタジエンもしくはイソプレンの二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。
前記スチレン系熱可塑性樹脂としては前記共重合体の変性物であってもよい。なかでも水素添加スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の変性物を用いることが好ましい。前記変性物としては末端に水酸基が付加した共重合体が挙げられる。
前記スチレン系熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば(株)クラレから市販されている「セプトン(SEPTON)」シリーズ、より具体的にはセプトン2002、セプトン2063、セプトン4077、セプトン8007またはセプトンHG−252等が挙げられる。
前記成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂としては、分子鎖中のいずれかにエポキシ基を有するポリマーであればよいが、好ましくは分子鎖中の二重結合をエポキシ化してなる熱可塑性樹脂、例えば末端二重結合をエポキシ化してなる熱可塑性樹脂が挙げられる。
エポキシ化される熱可塑性樹脂は分子鎖中または分子末端に二重結合を有していればよいが、なかでも融点以下では凍結相または結晶相を示すポリマーブロックにより分子運動が拘束されているハードセグメントのポリマーブロックと分子運動が拘束されていないソフトセグメントのポリマーブロックとが結合してなるブロック共重合体が好ましい。
ハードセグメントを構成するポリマーブロック(以下PHブロックと称する)とソフトセグメントを構成するポリマーブロック(以下PSブロックと称する)との結合様式は、PHブロック−PSブロック型、PHブロック−PSブロック−PHブロック型、(PHブロック−PSブロック)n(ただし、nは整数)で表されるマルチブロック型、星型など、特に限定されない。しかし、本発明で用いるエポキシ化熱可塑性樹脂としてはPHブロック−PSブロック−PHブロック型でソフトブロックの二重結合がエポキシ化されたものが好ましい。
エポキシ化される熱可塑性樹脂として具体的には、ハードセグメントがポリスチレンで、ソフトセグメントがポリブタジエン、ポリイソプレンもしくはブタジエンとイソプレンのランダムコポリマーブロックであるブロック共重合体またはこれらの水素添加物であるスチレン系熱可塑性樹脂が好適な例として挙げられる。
前記エポキシ化熱可塑性樹脂としては、例えば、
(1)ポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックを有し、該ポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂;
例えば、ポリスチレンブロック−ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロックのブロック共重合体構造を有し、該ポリブタジエンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂、
ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックのブロック共重合体構造を有し、該ポリイソプレンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂。
(2)イソプレンとブタジエンとのランダムコポリマーブロックを有し、該ランダムコポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂;
例えば、ポリスチレンブロックとイソプレンとブタジエンとのランダムコポリマーブロックのブロック共重合体構造)を有し、該ランダムコポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂。
(3)ポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックの二重結合部分を水素添加してエチレン−ブチレンを構成単位とするポリマーブロックとのブロック共重合体構造(SEBS構造)有し、該ポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂。
(4)ポリスチレンブロックとポリイソプレンブロックの二重結合部分を水素添加してエチレン−プロピレンを構成単位とするポリマーブロックとのブロック共重合体構造(SEPS構造)を有し、該ポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
中でも本発明で用いるエポキシ化熱可塑性樹脂としては、
エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体;
エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体;
エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体;
エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体中のイソプレン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体が好ましい。
前記エポキシ化熱可塑性樹脂の具体例を商品名で例示すると、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体としてダイセル化学工業(株)製「エポフレンドA1005」、「エポフレンドA1010」、「エポフレンドA1020」、「エポフレンドAT501」、「エポフレンドCT310」があり、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体としてダイセル化学工業(株)製「エポフレンドAT018」、「エポフレンドAT019」がある。
前記エポキシ化熱可塑性樹脂において、エポキシ基含有率が0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%であることがより好ましい。
また、エポキシ基の含有割合をみる指標の一つとしてオキシラン酸素濃度が0.5〜2.0質量%であることが好ましい。オキシラン酸素濃度は臭化水素による滴定により求めることができる。具体的にはASTM
D1652法に従って、所定量のポリマーをクロロホルム/クロロベンゼン(1/1混合溶液)に溶解し、クリスタルバイオレット指示薬を加え、臭化水素酢酸溶液で滴定することによって、オキシラン酸素濃度を測定することができる。
エポキシ化される熱可塑性樹脂として上述したスチレン系熱可塑性樹脂を用いる場合、スチレン含有率が10〜60質量%であることが好ましい。
さらに、本発明で用いるエポキシ化熱可塑性樹脂は、23℃におけるJIS−A硬度が70〜90であることが好ましい。JIS−A硬度はJIS K 6253に従って測定できる。
さらに、前記エポキシ化熱可塑性樹脂は、196℃、2.16kgfのメルトフロートレート(MFR)値が2〜10g/10分であることが好ましい。MFR値はJIS K 7210に従って測定できる。
本発明のクリーニングブレードを成形する熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的に反しない限り、本発明で用いられる成分A〜D以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤または架橋剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
前記4成分あるいは3成分を含む樹脂組成物は、一軸押出機、1.5軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーまたは熱ロールなどの混練機を用いて製造することができる。各成分の混練機への添加、混合は下記の方法で行うことが好ましい。
まず、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りする。一方でアイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りする。
その後、得られた2種類の混合物を混練りする。
本来エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とアイオノマー樹脂(成分B)との相溶性は悪いため、まず相溶可能なエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)とを、またアイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)とを混練した後、得られた2種類の混合物を混練りすることにより適度な分散が得られる。
前記成分AとCとの混練温度は180〜200℃、混練時間は0.5〜3分である。
前記成分BとDとの混練温度は190〜210、混練時間は0.5〜3分である。
夫々混練された前記2つの混練物の混練温度は200〜210℃、混練時間は0.5〜3分である。
前記混練物は熱可塑性樹脂組成物からなるため、射出成形あるいは押出成形でクリーニングブレード形状に成形することができる。該クリーニングブレードは、厚さ1〜3mm、幅10〜40mm、長さ200〜500mmの短冊状に成形・加工することが好ましい。
成形されたクリーニングブレードを図1に示す。
クリーニングブレード20は、通常、接着剤により支持部材21に接合されている。支持材21は剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチックまたはセラミック等で形成されたものが用いられるが金属製が好ましい。
クリーニングブレード20と支持部材21とを接合するために用いる接着剤としては、ポリアミド系もしくはポリウレタン系ホットメルト接着剤や、エポキシ系もしくはフェノール系接着剤等を用いている。これらのなかではホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
図1中において、11は帯電ローラ、12は感光体、13は中間転写ベルト、14は定着ローラ、15a〜15dはトナー、16は鏡、17はレザー17、18は被転写体、19aは一次転写ローラ、19bは二次転写ローラ、22はトナー回収ボックスである。
図1に示す画像形成装置において、以下の工程で画像が形成される。
まず、感光体12が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ11によって感光体12が帯電された後に、鏡16を介してレーザー17が感光体12の非画像部を露光して除電し、画線部に相当する部分が帯電した状態になる。次に、トナー15aが感光体12上に供給されて、帯電画線部にトナー15aが付着し1色目の画像が形成される。このトナー画像は一次転写ローラ19aを介して中間転写ベルト13上へ転写される。同様にして、感光体12上に形成されたトナー15b〜15dの各色の画像が中間転写ベルト13上に転写され、転写ベルト13上に4色のトナー15(15a〜15d)からなるフルカラー画像が一旦形成される。このフルカラー画像は二次転写ローラ19bを介して被転写体(通常は紙)18上へ転写され、所定の温度に加熱されている定着ローラ14を通過することで被転写体18の表面へ定着される。
前記工程において、複数枚の記録紙に順次複写を行うために、中間転写ベルト13上へ転写されず感光体12上に残留したトナーは、クリーニングブレード20を感光体12表面に圧接し、感光体を摺擦することにより除去し、トナー回収ボックス22で回収している。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
下記の表1に前記A〜Dの4成分の熱可塑性樹脂を用いた場合の実施例1〜4と、その比較例1、2を示す。
表2に前記成分A,C,Dの3成分の熱可塑性樹脂を用いた場合の実施例5〜8と、その比較例3、4を示す。
表3に前記成分B,C,Dの3成分の熱可塑性樹脂を用いた場合の実施例9〜11と、その比較例5,6を示す。
前記表1、2、3に記載の物性(硬度、引張強度、反発弾性力)、評価(クリーニング時の鳴き、ブレードのめくれ、トナーの掻き取り具合)は下記の方法で測定した。
(1)硬度;JIS K 6253に従って測定し、タイプA デュロメータを用いた。
(2)引張強度;JIS K 6251に準拠して測定し、ダンベル状4号形 引張速度50mm/分とした。
(3)反発弾性;JIS−K−6255のリュプケ式により測定し、試験片はφ27.5、t=12の円柱片を用い、温度23℃での反発弾性を測定した。
前記鳴きの有無、ブレードのめくれ、トナーの掻き取り具合についての評価は下記の方法で行った。
図2に示すように、水平におかれたOPC(自社製のOrganic Photo Conductor)を塗布したガラス23上に粒径10μmの重合トナー(キャノン、富士ゼロックの市販のプリンタより抜きだした市販のトナー)を付着させた。
実施例および比較例で作製したクリーニングブレード20をOPC塗布ガラス23に対し10〜30度の角度で保持し、その角度を保ったまま水平にスライドさせた。その際、鳴きの有無、ブレードのめくれ、トナーの掻き取り具合を観察した。
なお、下記表1〜3においては、鳴きが見られなかった場合を「○」、鳴きが見られた場合を「×」;ブレードのめくれが見られなかった場合を「○」、ブレードのめくれが見られた場合を「×」;実用上十分にトナーが掻き取れた場合を「○」、トナーの掻き取りが不十分な場合を「×」とした。
(実施例1)
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
一方で、アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」と、エポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた2種類の混合物を1.5軸混練押出機(アイペック製 HTM38)を用いて、温度200℃の条件下、スクリュー回転数200rpmで混練押出して、本発明の樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物を用いてクリーニングブレードを作成した。具体的には、射出成形機(NISSEI製 160)を用いて、成形温度2100℃、金型冷却温度80℃、射出時間16秒、冷却時間30秒で射出成形を行い、幅27mm、厚さ2mm、長さ320mmのクリーニングブレードを得た。
得られたリーニングブレードについて上記物性を測定した。また、クロムフリーSECC製の支持部材に得られたクリーニングブレードをホットメルト(ダイヤボンド製材質)を用いて貼り付け、ついで、シート中心部をカットしてクリーニング部材を作製し、上記試験に供した。
(実施例2〜4)
成分Aとして、エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」の代わりにウレタン系熱可塑性樹脂であるBASFジャパン(株)製「エラストランET880」を用い、各成分の配合量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
(比較例1)
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトンHG−252」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物とアイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」とを実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
(比較例2)
スチレン系熱可塑性樹脂として(株)クラレ製「セプトンHG−252」に加えて(株)クラレ製「セプトン2063」をも用い、各成分の配合量を表1に示す通りに変更した以外は、比較例1と全く同様に樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
Figure 0004463641
(実施例5)
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表2に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物とエポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを実施例1と同一の条件で混練押出し、樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
(実施例6)
各成分の配合量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例5と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
(実施例7,8)
成分Aとして、エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」の代わりにウレタン系熱可塑性樹脂であるBASFジャパン(株)製「エラストランET880」を用い、各成分の配合量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例5と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
(比較例3,4)
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表2に示す配合量計量し、実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
Figure 0004463641
(実施例9)
アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」と、エポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを表3に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物とスチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
(実施例10)
各成分の配合量を表3に示す通りに変更した以外は、実施例9と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
(実施例11)
スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」を配合せず、各成分の配合量を表3に示す通りに変更した以外は、実施例9と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
(比較例5,6)
スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」と、アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」とを表3に示す配合量計量し、実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
Figure 0004463641
上記表1、2、3に示すように、本発明の実施例1〜11は、硬度がJIS−A 55〜85、引張強度(MPa)は6.0以上、反発弾性力(%)は50〜63であった。
また、評価において、本発明の実施例1〜11のクリーニングブレードにおいては鳴き現象およびブレードのめくれが見られず、感光体上に付着したトナーを実用上十分に除去することができることが確認できた。
本発明の画像形成装置用クリーニングブレードを搭載したカラー用画像形成装置の模式図である。 実施例および比較例で作製したクリーニングブレードの試験方法を説明するための図である。
符号の説明
11 帯電ローラ
12 感光体
13 中間転写ベルト
14 定着ローラ
15 トナー
19a、19b 転写ローラ
20 クリーニングブレード
21 支持部材
22 トナー回収容器
23 OPC塗布ガラス

Claims (9)

  1. エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aと、
    アイオノマー樹脂からなる成分Bと、
    スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、
    エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dのうち、
    前記成分Cと成分Dは必須成分とし、成分Aあるいは/および成分Bを含み、少なくとも3成分を含む熱可塑性樹脂組成物から成形されていることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレード。
  2. 前記成分A、B、C、Dの4成分からなり、成分A、B,Cをそれぞれ10〜70質量部、前記成分A、成分B、成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で含んでいる請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  3. 前記成分A、C、Dの3成分からなり、成分Aを30〜70質量部と成分Cを70〜30質量部、該成分Aと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で含み、あるいは、
    前記成分B,C,Dの3成分からなり、成分Bを30〜70質量部と成分Cを70〜30質量部、該成分Bと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で含む請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  4. 前記成分Aのエステル系熱可塑性樹脂が、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテルを重合単位として含有する共重合体、または、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを重合単位として含有する共重合体である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  5. 前記成分Cのスチレン系熱可塑性樹脂が、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体および末端水酸基変性した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  6. 前記成分Bのアイオノマー樹脂が、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した樹脂、または/および、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した樹脂である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  7. 前記成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂が、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の少なくとも一部が水素添加されている樹脂、または、エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のイソプレン部分の少なくとも一部が水素添加されている樹脂である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  8. 硬度はJIS−A 55〜85、引張強度(MPa)は6.0以上、反発弾性力(%)は50〜63としている請求項1乃至請求項7のいずれか1項の記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
  9. エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りしておく一方、アイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りしておき、
    得られた2種類の混合物を混練りして、前記成分A,B,C,Dを含む混練物を設け、
    前記混練物を押出成形あるいは射出成形して成形していることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレードの製造方法。
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