JP4463641B2 - 画像形成装置用クリーニングブレード及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)高温高湿時において摺動振動に基づく鳴き現象が生じやすい。
(2)感光体に対しカウンター方式で使用され残留トナーが少ない領域ではエッジ部が感光体の回転方向に持っていかれるという反転現象が起きやすい。
(3)高画質化のためトナーの球形微細化が進んだ結果、クリーニングブレードの圧接力を大きくしないと残留するトナーの除去が困難となり、感光体の駆動トルク上昇や回転むらが生じやすくなる。
例えば、特開2000−75743号公報(特許文献1)には、室温状態における硬度と反発性能を調整することによりクリーニング性能を改善させたブレードが記載されている。しかし、室温状態における硬度と反発性能を調整しただけでは、高温高湿時においては、硬度が下がり、反発弾性が上がるため摺動振動に基づく鳴き現象を改善するには至っていない。
しかしながら、フレキシブルダイアモンドライクカーボンにより低摩擦係数を実現して、摺動振動に基づく鳴き現象は改善されるが、エッジ部にのみフレキシブルダイアモンドライクカーボンを付着しているだけであるため、耐久性や耐摩耗性は余り改善されていないと認められる。さらに、基材である弾性体にフレキシブルダイアモンドライクカーボン層を形成するためプラズマ化学気相蒸着を行う必要があり、製造工程管理が複雑となり、製造コストも上昇する問題がある。
エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aと、
アイオノマー樹脂からなる成分Bと、
スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、
エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dのうち、
前記成分Cと成分Dは必須とし、成分Aあるいは/および成分Bを含み、少なくとも3成分を含む熱可塑性樹脂組成物から成形されていることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレードを提供している。
また、熱可塑性樹脂は振動吸収性に優れているため、高温高湿時において、摺動振動に基づく鳴き現象の発生を抑制できる。
さらに、前記成分A,B,C,Dの配合量を調節することで、所要の硬度を得ることができるため、高画質化のために球状微細トナーが用いられた場合も感光体表面に残留するトナーを確実に除去でき、かつ、耐久性も高めることができる。
さらにまた、前記成分A,B,C,Dの配合量を調節することで、所要の反発性能を得ることができるため、残留トナーが少ない領域でのブレード・エッジ部の反転現象の発生を防止できる。
具体的には、成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂を配合することにより、相溶性が良くなり分散性が向上するので、低摩擦係数として鳴きの低減できる。
成分Aのエステル系熱可塑性樹脂あるいは/およびウレタン系熱可塑性樹脂を配合することにより、反発性能が向上するので、残留トナーが少ない領域でのブレード・エッジ部の反転現象の発生を防止できる。
かつ、成分A,B,C,Dを配合することにより、摩擦係数、反発性が調整されるので、高画質化のために球状微細トナーが用いられた場合も感光体表面に残留するトナーを確実に除去できる。
得られた2種類の混合物を混練りして、前記成分A,B,C,Dを含む混練物を設け、 前記混練物を押出成形あるいは射出成形して成形してクリーニングブレードを製造している。
しかしながら、本発明者は、成分Bのアイオノマー樹脂と成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂とを加熱混合することにより、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)のエポキシ基がアイオノマー樹脂(成分B)中の遊離カルボキシル基と反応して界面に軟質のブロック共重合体またはグラフト共重合体が生成し、それら共重合体が混練時の剪断力によってアイオノマー樹脂(成分B)のマトリックス中に均一に微分散され、アイオノマー樹脂が軟化されるという知見を得た。得られた混合物はエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含むため、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)と相溶化が可能である。さらに、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)はエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)と相溶化が可能である。よって、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)とを媒介させてエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とアイオノマー樹脂(成分B)とを相溶させて、前記4つの成分A,B,C.Dを含むクリーニングブレードを得ることができる。
成分Aの配合量は10質量部以上80質量部以下がより好ましい。
成分Dの配合量は、5質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。
製造時には、成分Aのエステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂と、成分Cのスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)と、成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂を加熱混練している。
前記エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)の配合量は30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと反発性や耐久性が低下するおそれがある一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より高くなり、感光体を傷つけるおそれがあることによる。好ましくは、30質量部以上60質量部以下である。
スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)の配合量を30質量部以上70質量部以下としているのは、30質量部より少ないと適度な分散が得られなくなって耐久性が劣る一方、70質量部より多いと硬度が所望する値より低くなり、感光体に摺動接触または回転接触する際にクリーニングブレードのエッジ部にめくれが生じ、反転現象の発生につながるおそれがあるためである。好ましくは、30質量部以上60質量部以下である。
エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)の配合量は、成分Aおよび成分Cの配合量の合計を100質量部とした場合に3質量部以上20質量部以下としているのは、3質量部より少ないと適度な分散が得られなくなって耐久性が劣る可能性がある一方、20質量部より多いと硬度が所望する値より高くなり、感光体を傷つけるおそれがあることによる。より好ましく、5質量部以上20質量部以下である。
前記成分B,C,Dの3成分とする場合は、成分Bと成分Cをそれぞれ30〜70質量部、該成分Bと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合することが好ましい。
また、引張強度(MPa)は6.0以上と、反発弾性比(%)は50〜63としていることが好ましい。
さらに、振動吸収性に優れた熱可塑性樹脂より成形しているため、高温高湿時における鳴き現象を抑制することができる。
本発明の第1実施形態の画像形成装置用クリーニングブレードは、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)、エポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)との4成分からなる熱可塑性樹脂組成物を押出成形あるいは射出成形して形成している。
(1)エステル系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
(2)ウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
(3)エステル系熱可塑性樹脂(成分A)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
(4)ウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物。
(5)アイオノマー樹脂(成分B)、スチレン系熱可塑性樹脂(成分C)およびエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を含む熱可塑性樹脂組成物が挙げられる。
前記成分B,C,Dの3成分とする場合、成分分Bを30〜70質量部と成分Cを70〜30質量部、該成分Bと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で配合している。
成分Aのエステル系熱可塑性樹脂としては、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテルを重合単位として含有する共重合体や、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを重合単位として含有する共重合体等が例示される。
上記ハードセグメントにおいては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸もしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと炭素数が1〜25のグリコールまたはそのエステル形成性誘導体を用いることができる。前記炭素数が1〜25のグリコールとしてはエチレングリコールもしくは1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
ソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエーテルとしては例えばポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグリコールを用いることができる。またソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエステルとしては、カプロラクトン、エナンラクトンまたはカプリロラクトンなどのラクトン類を用いることができる。
等の脂環式ジイソシアネート等を挙げることができ、特にHDI、H12MDI、H6XDIまたはCHDI等が耐変色性(耐黄変性)の点から好ましい。
前記三元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミランAM7316(Zn)等、デュポン社から市販されているサーリンAD8265(Na)、サーリンAD8269(Na)等がある。
また、前記例示のものを2種以上混合してもよいし、前記例示の1価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂を2種以上混合して用いてもよい。二元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂と三元共重合体系アイオノマー樹脂樹脂とを組み合わせて用いてもよい。
SBSの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)を使用し、そのブタジエン二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。SISの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)を使用し、そのイソプレン二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。SIBSの水素添加物としては、例えばスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)を使用し、そのブタジエンもしくはイソプレンの二重結合部分を水素添加した共重合体を挙げることができる。
エポキシ化される熱可塑性樹脂は分子鎖中または分子末端に二重結合を有していればよいが、なかでも融点以下では凍結相または結晶相を示すポリマーブロックにより分子運動が拘束されているハードセグメントのポリマーブロックと分子運動が拘束されていないソフトセグメントのポリマーブロックとが結合してなるブロック共重合体が好ましい。
ハードセグメントを構成するポリマーブロック(以下PHブロックと称する)とソフトセグメントを構成するポリマーブロック(以下PSブロックと称する)との結合様式は、PHブロック−PSブロック型、PHブロック−PSブロック−PHブロック型、(PHブロック−PSブロック)n(ただし、nは整数)で表されるマルチブロック型、星型など、特に限定されない。しかし、本発明で用いるエポキシ化熱可塑性樹脂としてはPHブロック−PSブロック−PHブロック型でソフトブロックの二重結合がエポキシ化されたものが好ましい。
(1)ポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックを有し、該ポリブタジエンブロックまたはポリイソプレンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂;
例えば、ポリスチレンブロック−ポリブタジエンブロック−ポリスチレンブロックのブロック共重合体構造を有し、該ポリブタジエンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂、
ポリスチレンブロック−ポリイソプレンブロック−ポリスチレンブロックのブロック共重合体構造を有し、該ポリイソプレンブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂。
(2)イソプレンとブタジエンとのランダムコポリマーブロックを有し、該ランダムコポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂;
例えば、ポリスチレンブロックとイソプレンとブタジエンとのランダムコポリマーブロックのブロック共重合体構造)を有し、該ランダムコポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂。
(3)ポリスチレンブロックとポリブタジエンブロックの二重結合部分を水素添加してエチレン−ブチレンを構成単位とするポリマーブロックとのブロック共重合体構造(SEBS構造)有し、該ポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂。
(4)ポリスチレンブロックとポリイソプレンブロックの二重結合部分を水素添加してエチレン−プロピレンを構成単位とするポリマーブロックとのブロック共重合体構造(SEPS構造)を有し、該ポリマーブロックの少なくとも1つの二重結合がエポキシ化されている熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体;
エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体;
エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体;
エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体中のイソプレン部分の二重結合の少なくとも一部が水素添加されている共重合体が好ましい。
また、エポキシ基の含有割合をみる指標の一つとしてオキシラン酸素濃度が0.5〜2.0質量%であることが好ましい。オキシラン酸素濃度は臭化水素による滴定により求めることができる。具体的にはASTM
D1652法に従って、所定量のポリマーをクロロホルム/クロロベンゼン(1/1混合溶液)に溶解し、クリスタルバイオレット指示薬を加え、臭化水素酢酸溶液で滴定することによって、オキシラン酸素濃度を測定することができる。
エポキシ化される熱可塑性樹脂として上述したスチレン系熱可塑性樹脂を用いる場合、スチレン含有率が10〜60質量%であることが好ましい。
さらに、前記エポキシ化熱可塑性樹脂は、196℃、2.16kgfのメルトフロートレート(MFR)値が2〜10g/10分であることが好ましい。MFR値はJIS K 7210に従って測定できる。
まず、エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りする。一方でアイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りする。
その後、得られた2種類の混合物を混練りする。
前記成分BとDとの混練温度は190〜210、混練時間は0.5〜3分である。
夫々混練された前記2つの混練物の混練温度は200〜210℃、混練時間は0.5〜3分である。
クリーニングブレード20は、通常、接着剤により支持部材21に接合されている。支持材21は剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチックまたはセラミック等で形成されたものが用いられるが金属製が好ましい。
クリーニングブレード20と支持部材21とを接合するために用いる接着剤としては、ポリアミド系もしくはポリウレタン系ホットメルト接着剤や、エポキシ系もしくはフェノール系接着剤等を用いている。これらのなかではホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
まず、感光体12が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ11によって感光体12が帯電された後に、鏡16を介してレーザー17が感光体12の非画像部を露光して除電し、画線部に相当する部分が帯電した状態になる。次に、トナー15aが感光体12上に供給されて、帯電画線部にトナー15aが付着し1色目の画像が形成される。このトナー画像は一次転写ローラ19aを介して中間転写ベルト13上へ転写される。同様にして、感光体12上に形成されたトナー15b〜15dの各色の画像が中間転写ベルト13上に転写され、転写ベルト13上に4色のトナー15(15a〜15d)からなるフルカラー画像が一旦形成される。このフルカラー画像は二次転写ローラ19bを介して被転写体(通常は紙)18上へ転写され、所定の温度に加熱されている定着ローラ14を通過することで被転写体18の表面へ定着される。
前記工程において、複数枚の記録紙に順次複写を行うために、中間転写ベルト13上へ転写されず感光体12上に残留したトナーは、クリーニングブレード20を感光体12表面に圧接し、感光体を摺擦することにより除去し、トナー回収ボックス22で回収している。
下記の表1に前記A〜Dの4成分の熱可塑性樹脂を用いた場合の実施例1〜4と、その比較例1、2を示す。
表2に前記成分A,C,Dの3成分の熱可塑性樹脂を用いた場合の実施例5〜8と、その比較例3、4を示す。
表3に前記成分B,C,Dの3成分の熱可塑性樹脂を用いた場合の実施例9〜11と、その比較例5,6を示す。
前記表1、2、3に記載の物性(硬度、引張強度、反発弾性力)、評価(クリーニング時の鳴き、ブレードのめくれ、トナーの掻き取り具合)は下記の方法で測定した。
(2)引張強度;JIS K 6251に準拠して測定し、ダンベル状4号形 引張速度50mm/分とした。
(3)反発弾性;JIS−K−6255のリュプケ式により測定し、試験片はφ27.5、t=12の円柱片を用い、温度23℃での反発弾性を測定した。
図2に示すように、水平におかれたOPC(自社製のOrganic Photo Conductor)を塗布したガラス23上に粒径10μmの重合トナー(キャノン、富士ゼロックの市販のプリンタより抜きだした市販のトナー)を付着させた。
実施例および比較例で作製したクリーニングブレード20をOPC塗布ガラス23に対し10〜30度の角度で保持し、その角度を保ったまま水平にスライドさせた。その際、鳴きの有無、ブレードのめくれ、トナーの掻き取り具合を観察した。
なお、下記表1〜3においては、鳴きが見られなかった場合を「○」、鳴きが見られた場合を「×」;ブレードのめくれが見られなかった場合を「○」、ブレードのめくれが見られた場合を「×」;実用上十分にトナーが掻き取れた場合を「○」、トナーの掻き取りが不十分な場合を「×」とした。
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
一方で、アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」と、エポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた2種類の混合物を1.5軸混練押出機(アイペック製 HTM38)を用いて、温度200℃の条件下、スクリュー回転数200rpmで混練押出して、本発明の樹脂組成物を製造した。
得られたリーニングブレードについて上記物性を測定した。また、クロムフリーSECC製の支持部材に得られたクリーニングブレードをホットメルト(ダイヤボンド製材質)を用いて貼り付け、ついで、シート中心部をカットしてクリーニング部材を作製し、上記試験に供した。
成分Aとして、エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」の代わりにウレタン系熱可塑性樹脂であるBASFジャパン(株)製「エラストランET880」を用い、各成分の配合量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトンHG−252」とを表1に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物とアイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」とを実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
スチレン系熱可塑性樹脂として(株)クラレ製「セプトンHG−252」に加えて(株)クラレ製「セプトン2063」をも用い、各成分の配合量を表1に示す通りに変更した以外は、比較例1と全く同様に樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表2に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物とエポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを実施例1と同一の条件で混練押出し、樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
各成分の配合量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例5と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
成分Aとして、エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」の代わりにウレタン系熱可塑性樹脂であるBASFジャパン(株)製「エラストランET880」を用い、各成分の配合量を表2に示す通りに変更した以外は、実施例5と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
エステル系熱可塑性樹脂である東洋紡績(株)製「ペルプレンP47D」と、スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを表2に示す配合量計量し、実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」と、エポキシ化熱可塑性樹脂であるダイセル化学工業(株)製「エポフレンドCT310」とを表3に示す配合量計量し、ヘンシェルミキサーまたはタンブラーを用いて均一に予備混合した。
得られた混合物とスチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」とを実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
各成分の配合量を表3に示す通りに変更した以外は、実施例9と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」を配合せず、各成分の配合量を表3に示す通りに変更した以外は、実施例9と全く同様に本発明の樹脂組成物およびクリーニングブレードを作製した。
スチレン系熱可塑性樹脂である(株)クラレ製「セプトン2063」および「セプトンHG−252」と、アイオノマー樹脂である三井デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」とを表3に示す配合量計量し、実施例1と同一の条件で混練押出して樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と全く同様にクリーニングブレードを作製した。
また、評価において、本発明の実施例1〜11のクリーニングブレードにおいては鳴き現象およびブレードのめくれが見られず、感光体上に付着したトナーを実用上十分に除去することができることが確認できた。
12 感光体
13 中間転写ベルト
14 定着ローラ
15 トナー
19a、19b 転写ローラ
20 クリーニングブレード
21 支持部材
22 トナー回収容器
23 OPC塗布ガラス
Claims (9)
- エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂からなる成分Aと、
アイオノマー樹脂からなる成分Bと、
スチレン系熱可塑性樹脂からなる成分Cと、
エポキシ化熱可塑性樹脂からなる成分Dのうち、
前記成分Cと成分Dは必須成分とし、成分Aあるいは/および成分Bを含み、少なくとも3成分を含む熱可塑性樹脂組成物から成形されていることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレード。 - 前記成分A、B、C、Dの4成分からなり、成分A、B,Cをそれぞれ10〜70質量部、前記成分A、成分B、成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で含んでいる請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- 前記成分A、C、Dの3成分からなり、成分Aを30〜70質量部と成分Cを70〜30質量部、該成分Aと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で含み、あるいは、
前記成分B,C,Dの3成分からなり、成分Bを30〜70質量部と成分Cを70〜30質量部、該成分Bと成分Cの合計100質量部に対して前記成分Dを3〜20質量部で含む請求項1に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。 - 前記成分Aのエステル系熱可塑性樹脂が、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテルを重合単位として含有する共重合体、または、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを重合単位として含有する共重合体である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- 前記成分Cのスチレン系熱可塑性樹脂が、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体および末端水酸基変性した水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- 前記成分Bのアイオノマー樹脂が、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した樹脂、または/および、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した樹脂である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- 前記成分Dのエポキシ化熱可塑性樹脂が、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の少なくとも一部が水素添加されている樹脂、または、エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のイソプレン部分の少なくとも一部が水素添加されている樹脂である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- 硬度はJIS−A 55〜85、引張強度(MPa)は6.0以上、反発弾性力(%)は50〜63としている請求項1乃至請求項7のいずれか1項の記載の画像形成装置用クリーニングブレード。
- エステル系熱可塑性樹脂または/およびウレタン系熱可塑性樹脂(成分A)とスチレン系熱可塑性樹脂(成分C)を混練りしておく一方、アイオノマー樹脂(成分B)とエポキシ化熱可塑性樹脂(成分D)を混練りしておき、
得られた2種類の混合物を混練りして、前記成分A,B,C,Dを含む混練物を設け、
前記混練物を押出成形あるいは射出成形して成形していることを特徴とする画像形成装置用クリーニングブレードの製造方法。
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