JP4463470B2 - 開閉器 - Google Patents

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JP4463470B2
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俊一 勝部
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性を有する難燃性材料による成形品を用いた開閉器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平8−171847号公報には、開閉器用の難燃性材料として、ポリアミド、ガラス繊維、水酸化マグネシウムを含有させたものが記載されている。
また、実開平2−125943号公報には、照明器具用ソケットの難燃性材料として、ポリエステル、ガラス繊維、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ハロゲン系難燃剤、酸化アンチモンを含有させたものが記載されている。
また、EP−A1−278555には、ポリアミド組成物として、例えばポリアミドが少なくとも40重量%、ガラス繊維5〜50重量%、水酸化マグネシウム50重量%以下、赤燐4〜15重量%を含有させたものが記載されている。
【0003】
特開平8−171847号公報に記載の開閉器用の難燃性材料は、難燃剤として水酸化マグネシウムを含有しており、高い難燃性を付与するものであるが、更なる難燃性の向上は困難である。更に高い難燃性例えば上述したハロゲン系難燃剤や赤燐を含有するものと同等の難燃性を満たすには、多量の水酸化マグネシウムを含有させる必要がある。しかしながら、さらに多量の水酸化マグネシウムを含有させると、成形品の外観が白くなる外観不良や耐圧強度低下が生じる問題があり、開閉器用の難燃性材料としては不適となる。
【0004】
実開平2−125943号公報およびEP−A1−278555に記載された技術は、開閉器用を目的としておらず、本発明とは技術分野が異なるだけでなく、これらの技術は後述するように特に金属接点部品の汚染又は腐食という課題を解決できず、開閉器に用いることができない。
【0005】
実開平2−125943号公報の照明器具用ソケットの難燃性材料は高い難燃性を有するが、次の理由により開閉器用としては適さない。その理由は、この材料はハロゲン系難燃剤を含有しているため、使用するハロゲン系難燃剤の種類によっては、開閉器の部品材料として使用した場合、金属部品例えば接点や電子部品を汚染又は腐食させる問題が生じることがあるからである。この金属部品の汚染又は腐食は、経時的にハロゲン系難燃剤から発生するハロゲンガス即ち汚染付与ガス又は腐食付与ガスが金属部品を汚染又は腐食させるものと推定される。さらにまた、ハロゲン系難燃剤は、ダイオキシン類の発生の可能性が有り環境面でも問題があった。また、難燃助剤として用いられるアンチモンが重金属であり、環境を汚染する危険がある。
【0006】
EP−A1−278555の難燃性材料は、ポリアミドが少なくとも40重量%、ガラス繊維5〜50重量%、水酸化マグネシウム50以下、赤燐4〜15重量%を含有させたものであり、高い難燃性を有するが、次の理由により開閉器用としては適さない。その理由は、この難燃性材料は難燃剤として水酸化マグネシウムと赤燐を含有しており、本発明者らの調査によれば、この難燃性材料は難燃性に優れるが金属部品を汚染又は腐食させる問題があることが判明したからである。この汚染又は腐食の問題は、経時的に赤燐から生じた汚染付与ガス又は腐食付与ガスが金属部品を汚染又は腐食させることに起因すると推定される。
【0007】
ここで、汚染又は腐食とは、金属部品の表面に絶縁物が生じること、金属部品の接触抵抗が増大すること、又は金属表面に反応性の高い元素(ハロゲン元素、燐)が検出されることの少なくともいずれか1つに該当することである。
また、汚染付与ガス又は腐食付与ガスとは、汚染又は腐食を生じさせると推定されるガスのことである。
そして、開閉器の小型化、高遮断容量化を図る上では、上述した金属部品の汚染又は腐食に起因する絶縁抵抗の低下は大きな障害となる。また、開閉器の軽量化を図る上では、薄い厚さでの難燃性が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上述の問題を解決するためになされたもので、難燃性の優れた成形品を有する開閉器を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、樹脂が35〜50重量、強化材が20〜60重量、所定の温度以上で脱水反応する無機化合物が5〜40重量、及び赤燐難燃剤が0.3〜1.8重量を含む難燃性材料から成る成形品を有することを特徴とする開閉器を提供するものである。
また本発明は、赤燐難燃剤が0.5〜1.8重量であることを特徴とする前記の開閉器を提供するものである。
また本発明は、無機化合物が30〜40重量及び赤燐難燃剤が0.5〜1.0重量であることを特徴とする前記の開閉器を提供するものである。
【0010】
また本発明は、樹脂は熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記の開閉器を提供するものである。
また本発明は、熱可塑性樹脂はポリアミドであることを特徴とする前記の開閉器を提供するものである。
また本発明は、筐体のベースの少なくとも1部に成形品を備えたことを特徴とする前記の開閉器を提供するものである。
また本発明は、接点間に発生するアークの近傍に成形品を備え、その他の部分に前記成形品よりも機械的強度の優れる構造用材料を備えたことを特徴とする前記の開閉器を提供するものである。
なお、本明細書においては、重量は所謂重量百分率ではない。即ち、必ずしも上記成分の重量を合計しても100重量部になるとは限らない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に使用される成形品は、1種類以上の熱可塑性樹脂が35〜50重量と、強化材が20〜60重量と、1種類以上の熱可塑性樹脂成形温度(所定の温度)以上で脱水反応する無機化合物が5〜40重量と、赤燐難燃剤が0.3〜1.8重量とを含有している難燃性材料を含み、好ましくは、赤燐難燃剤が0.5〜1.8重量、又は、無機化合物が30〜40重量及び赤燐難燃剤が0.5〜1.0重量である。
【0012】
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、脂肪族ポリケトン、ポリフェニレンサルファイド、これらのアロイ材料等が適用でき、特に、耐熱性、耐圧強度、開閉器のアーク発生後の絶縁性能において、ポリアミドが好ましい。
【0013】
[強化材]
強化材は、耐圧強度向上に用いられ、ガラス繊維、無機鉱物、セラミックス繊維からなる群から選択された1種類以上のものであり、ガラス繊維20重量%以上含有することが好ましい。
【0014】
[無機化合物]
難燃性材料を含有する成形品中に含有され脱水反応する無機化合物は、成形品の難燃性の向上に寄与するものと推定する。
この成形品が高温(例えば340℃以上)にさらされた際に、成形品中の無機化合物が熱分解し発生した水蒸気によって発熱を押さえるとともに、水蒸気が発生する際の吸熱反応によって発熱を奪い取ると考えられる。
また、難燃性材料を含有する成形品中に含有され脱水反応する無機化合物は、ハロゲン系の難燃剤や赤燐難燃剤と異なり金属汚染又は腐食を発生させないだけでなく、本発明者らの実験によれば赤燐難燃剤による金属汚染又は腐食を防止する作用があると推定された。特に、難燃性及び金属汚染又は腐食の両方に優れた成形品の材料組成として、所定の温度以上で脱水反応する無機化合物と赤燐難燃剤との特定の配合割合を見い出した。
【0015】
さらにまた、難燃性材料を含有する成形品中に含有され脱水反応する無機化合物は、開閉器の電極開閉時に電極の接点間でアークが発生した後の絶縁低下の防止に寄与するものと推定する。
開閉器の電極開閉時に、電極の接点間でアークが発生し、通常4000〜6000℃程度の温度になる。この結果、電極、接点および開閉器の内部構成金属部品が加熱され、当該金属から金属蒸気や溶融金属液滴が発生して飛散し、同時に、アークのみならず、これら金属蒸気や溶融金属液滴によって、開閉器の筺体および開閉器の内部構成有機部品が分解され、遊離炭素も発生する。このとき、成形品中に含有された無機化合物から絶縁性付与ガスが発生し、この絶縁性付与ガスは回路遮断器の電極開閉時に難燃性材料による成形品である筺体や内部機構部品等から発生する遊離炭素、及び接点や内部構成金属部品より発生する昇華金属や飛散する溶融金属液滴を絶縁体化し、アーク発生後の絶縁低下の防止に寄与すると考えられる。例えば、脱水反応をする無機化合物が水酸化マグネシウムの場合、発生する絶縁性付与ガスは、HOと推測される。
【0016】
なお、遊離炭素、金属蒸気および溶融金属液滴が絶縁性付与ガスにより絶縁体化される際、接点付近はアークによって高圧蒸気が発生し膨張するため、発生した絶縁性付与ガスは、接点付近に近づくことができず、当該接点部分には遊離炭素、金属蒸気及び溶融金属液滴が絶縁体化した層は形成されず、通電を妨げることはない。
【0017】
脱水反応する無機化合物は、熱可塑性樹脂等と混練する場合、混練時において無機化合物が脱水反応することを防止するため、脱水反応開始温度は250℃以上であることが好ましい。
250℃以上で脱水反応する無機化合物は、カルシウムアルミネート(CaAl(OH)12)、ほう酸亜鉛(2ZnO、3BO、3.5HO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、などが挙げられる。
【0018】
ここで、熱可塑性樹脂がポリアミドの場合、熱可塑性樹脂と強化材と無機化合物と赤燐難燃剤との混練時の設定温度に加えせん断発熱を考慮すると、混練又は成形時に340℃付近まで達する。この場合、混練又は成形時に脱水反応する無機化合物に脱水反応を起こさせないためには、脱水反応する無機化合物の脱水反応開始温度が340℃以上であることが好ましい。一方、一般的に、燃焼直前の高分子分解開始温度は400℃〜550℃の間にあるため、脱水反応開始温度が高すぎると、換言すれば脱水反応する無機化合物の脱水開始温度が高分子分解開始温度よりも高すぎると、難燃効果を充分に発揮できなくなり望ましくない。
【0019】
このような条件を満たす脱水反応する無機化合物として、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
また、単位質量あたりの吸熱量が大きいほど難燃効率が高いので、水酸化マグネシウムが好ましい。
さらにまた、脱水反応する無機化合物のうち、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、水酸化マグネシウムが無毒という点から好ましい。
熱可塑性樹脂の成形温度以上で脱水反応する無機化合物を40重量以上にすると、引張り強度の低下、成形品の表面が白化し開閉器の外観不良が顕在化する傾向がある。
【0020】
[赤燐難燃剤]
赤燐難燃剤は、平均粒径25〜35μmの赤燐をフェノールでコーティングしたものを使用した。
赤燐難燃剤が1.0重量を越えると、通電特性を劣化する傾向があり、特に、1.8重量を超えると顕著である。この傾向は、赤燐難燃剤の割合が増えるにことに起因すると推定される。赤燐難燃剤より金属汚染又は腐食性を有する燐化合物として、フォスフィン(PH)、燐酸(HPO)が発生し、開閉器の接点に絶縁化合物を生成する即ち接点が金属汚染又は腐食されると考えられる。
一方、赤燐難燃剤を0.5重量部、特に0.3重量未満添加した場合では、難燃効果が不十分になる傾向がある。
なお、上記の赤燐難燃剤の重量は、赤燐量を基準にしている。
【0021】
通電特性の劣化即ち金属汚染又は腐食を防ぐため、赤燐難燃剤には、赤燐の表面コーティング及び燐化合物吸着剤の少なくともいずれか1つ含むのが好ましい。
さらに、赤燐難燃剤には、汚染又は腐食防止剤を併用することが好ましい。汚染又は腐食防止剤とは、赤燐による金属汚染又は腐食を抑制する物質で、例えば樹脂がポリアミドの場合、アルカリ性の物質が好ましい。
【0022】
ここで、所定の温度以上で脱水反応する無機化合物を含まず赤燐難燃剤と強化材と熱可塑性樹脂を含む成形品は、アークにさらされた後、アーク発生後の電気抵抗が低下する傾向があった。これは、開閉器の筺体内部表面や開閉器の内部構成部品表面に炭化層が付着したことに起因すると考えられる。
また、赤燐難燃剤は、ハロゲン系難燃剤ではないので、ダイオキシン類を発生させない。
【0023】
以上のように、樹脂と強化材に加え、赤燐難燃剤と所定の温度以上で脱水反応する無機化合物を併用し、特に赤燐難燃剤と無機化合物の配合割合を選択することにより、難燃性と金属汚染又は腐食との両特性に優れた開閉器用の成形品を得ることができた。
つまり、この配合割合は、赤燐難燃剤の添加量が微量であり炭化層の形成量も減り、かつ、脱水反応する無機化合物から発生する絶縁性付与ガスにより炭化層を絶縁体化し、電気抵抗の低下が防止され、アーク発生後の絶縁低下が抑制されるととともに、赤燐難燃剤及び脱水反応する無機化合物の両方により難燃性を高くできると考えられる。
【0024】
極微量(0.3〜1.8重量)の赤燐難燃剤と少量(5重量〜40重量)の所定の温度以上で脱水反応する無機化合物を含むことにより、前記無機化合物単独では多量に添加しなければ到達しない難燃レベルに達することができる。このとき、難燃性及び金属汚染又は腐食の観点から前記無機化合物は、5重量以上と比較的少量でよく、成形品の耐圧強度が低下することなく、薄肉化が可能となる。そして、前記無機化合物を5重量から増やすほど、難燃性の向上する傾向が見られた。
【0025】
また、難燃剤として赤燐難燃剤のみを使用する場合に比較し、赤燐難燃剤と所定の温度以上で脱水反応する無機化合物とを併用することにより、同じ難燃性を維持するとき必要な赤燐量を減らすことができ、耐金属汚染又は腐食性を向上させることができる。
所定の温度以上で脱水反応する無機化合物と赤燐難燃剤を併用する場合、脱水反応する無機化合物が水酸化物等のアルカリ性であるときに、赤燐難燃剤の汚染又は腐食防止剤となり、金属汚染又は腐食を抑制する効果が高いと考えられる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
下記表1に示すように、難燃性を有する各種材料を成形した試験片を用いて、次の燃焼性試験を行った。
図1はこの発明の実施例1の開閉器を側面で切った断面図である。図2は図1の開閉器を平面で切った断面図である。
【0027】
[燃焼試験1(960℃GWFI)]
JIS C0074に記載の燃焼性試験であり、960℃に加熱されたグローワイヤーを30秒試料片にあて、グローワイヤーを取り去った後の状態を評価する。
試料片は75mm角で厚さは任意の一定厚である。
炎または赤熱が30秒以内に消え、かつ、試料の下に置いた包装用薄葉紙に着火しないことが判定基準である。この基準を連続3回以上満足するものが、その一定板厚での合格である。本評価では、合格板厚でランク付けを行う。
【0028】
[燃焼試験2(HWI)]
IEC947−1に記載の燃焼試験であり、試料片に規定ニクロム線を巻き、規定電力を印加し、試料片に火がつくまで加熱を続ける。点火したら、電源を切り、点火までの時間を記録する。各材料5個の試験を行う。本評価では、点火までの時間が30秒以上のものを合格とする。
試料片は、長さ150mm、幅13mm、厚さは任意の一定厚さである。ニクロム線は6mm間隔を置き5回巻きを行う。
【0029】
[金属汚染(腐食)性試験]
実施例1の成形品を用いて、次の金属汚染又は腐食性試験を行った。
成形品は、図1および2における筐体のベース1である。
被汚染体又は被腐食体(以下、被汚染体と称す)は、銅板(C11001/4H)と、この銅板に銀メッキを施した28×14×1mmの板状のものの2種類を使用した。
被汚染体を、アセトンで超音波洗浄を行った後、図2に示すベース底面5の上にこの被汚染体(銅板1枚、銀メッキ板2枚)を置く。
ついで、ベース1の周囲を包装する。これは、ベースから発生する金属汚染ガス又は金属腐食ガスを閉じ込めるとともに、後述する温度槽(環境槽)内のガスを包装内に入りにくくするためである。
【0030】
その後、包装した試料であるベース1を温度槽(120℃)に3000時間放置する。
温度槽で放置後、被腐食体と成形品(ベース1)との非接触面をSEM(走査電子顕微鏡)、XMA(エネルギー分散型X線分析装置)で分析し、金属汚染性又は金属腐食性評価を行った。
ここで、被汚染体の測定部位として、成形品(ベース1)との接触面及び非接触面との両方が考えられるが、次の事前検討により、非接触面を測定し評価することとした。
温度槽で放置後、被汚染体と成形品(ベース1)との接触面、及び被汚染体と成形品(ベース1)との非接触面を、SEM(走査電子顕微鏡)及びXMA(エネルギー分散型X線分析装置)で分析したところ、被汚染体と成形品(ベース1)との非接触面の方に赤燐が多く検出された。この汚染又は腐食は、成形品との接触界面で起こる腐食でなく、成形品から噴出されるガスによる汚染又は腐食であると推測される。したがって、上述したように、金属腐食性評価は、被汚染体の成形品(ベース1)との非接触面で行った。
【0031】
[接触抵抗測定]
接触抵抗の測定は、温度槽で放置後、包装された試料(ベース1)から取り出した2枚の銀メッキの一部を重ね、この重ねた部分に一定の接圧がかかった状態で、2枚の板間に定電流(1A)を流し、試料が重ねられた部分における電圧降下より、接触抵抗を測定する。
接触抵抗測定時の銀メッキ試料の重ねシロは、14×15mm、接圧は約98KPa(約1.0kg/cm)である。
被汚染体の表面分析はSEM及びXMA(電子銃の印加電圧15KV)で行った。なお、XMAの分析領域は約10×7mm角である。
被汚染体の表面分析は、SEM画像及びXMAの検出ピーク(特に、PとAg検出ピークから換算された質量比)による。
【0032】
【表1】
Figure 0004463470
【0033】
[試験結果]
次に試験結果について説明する。表1は、試料1〜試料7の試験結果を示すテーブルである。
試料1〜試料3は、ナイロン6を40〜50重量、強化材としてガラス繊維或はガラス繊維とワラストナイトの混合物を45〜60重量、難燃剤として水酸化マグネシウム5重量及び赤燐を1.2〜5.4重量含む組成を有する。
試料4〜試料6はナイロン6を40〜50重量、強化材としてガラス繊維20重量、難燃材として水酸化マグネシウム30〜40重量及び赤燐を極少量0.3〜1重量含む組成を有する。
試料7は、ナイロン6を50重量、強化材としてガラス繊維20重量、難燃材として水酸化マグネシウムを単独で30重量含む組成を有する。
【0034】
試料1(赤燐5.4重量、水酸化マグネシウム5重量)は、960℃GWFIの試験結果で1.5mmと優れた難燃性を示すものの、金属汚染性又は金属腐食性に問題がある。
120℃×約1000時間放置で、SEM,XMAにより燐系化合物が表面の所々で見られるとともに銀メッキ表面に燐が検出された。また、銀メッキ板を重ね合わせた接触抵抗も、顕著に増大しており燐が検出されたことを表している。この難燃性材料による成形品を、開閉器筐体として使用した際に、固定接点2および可動接点3表面に上記の燐化合物を析出させ導通不良を起こす可能性がある。
なお、銀メッキ板で燐が検出されたので、銀メッキ板よりも燐が検出されやすい銅板のSEM,XMAによる解析は行っていない。
【0035】
試料2(赤燐1.8重量、水酸化マグネシウム5重量)及び試料3(赤燐1.2重量、水酸化マグネシウム5重量)は、960℃GWFIの試験結果で2.0mmと良好な難燃性を示すとともに、銀メッキ板の汚染又は腐食試験においても良好であった。
銅板汚染性又は腐食性において、若干の燐検出(P/Cu=0.03)があるが、微量であり、開閉器の使用上問題のないレベルであった。
【0036】
試料4(赤燐1.0重量、水酸化マグネシウム40重量)及び試料5(赤燐0.5重量、水酸化マグネシウム30重量)は、960℃GWFIの試験結果で1.5mm、かつHWIの試験結果で1.5mmと優れた難燃性を示す。金属汚染性又は腐食性に関しては、試料4及び試料5よりも赤燐の含有割合が高くかつ汚染防止剤又は腐食防止剤としての水酸化マグネシウムの割合が低い試料2及び試料3で銀メッキ板の汚染試験又は腐食試験で燐が検出されていないことから、燐の検出される要因が試料2及び試料3に比較して少ない試料4及び試料5には、銀メッキ板の汚染試験又は腐食試験で燐が検出されないと推定する。
【0037】
試料5は、試料7に僅かな赤燐(0.5重量)添加したものであるが、金属汚染性又は金属腐食性が良好で、かつ試料7より難燃性が格段に向上している。難燃剤として水酸化マグネシウムのみで、同等の難燃性を達成するためには、さらに多量の水酸化マグネシウム(例えば水酸化マグネシウム40重量超)を含有させる必要がある。しかしながら、水酸化マグネシウムを40重量を超えて含有させると、成形品表面が白化するなどの外観不良の顕在化及び耐圧強度低下面で好ましくない。
【0038】
試料6(赤燐0.3重量、水酸化マグネシウム30重量)は、960℃GWFIの試験結果で1.5mmでは不合格かつ2.0mmでは合格、及びHWIの試験結果で1.5mmでは不合格かつ2.0mmでは合格であり難燃性が良好であった。金属汚染性又金属は腐食性に関しては、銀メッキ板及び銅板の何れの場合においても燐は検出されず良好であった。
試料7は、赤燐を含有しない比較例であって、金属汚染性又は金属腐食性に関しては優れていたが、難燃性において試料1〜試料6に劣ることが認められた。
【0039】
以上の結果より、試料2〜試料6の難燃性材料による成形品は、良好な難燃性かつ良好な金属汚染性又は金属腐食性の両特性が得られ、さらに、試料4及び試料5の難燃性材料による成形品は、難燃性かつ金属汚染性又は金属腐食性の両特性においてさらに優れていることが判る。
赤燐が1.8重量以下のとき水酸化マグネシウムが5重量部以上存在すれば、汚染性又は腐食性に問題はなく、汚染防止剤又は腐食防止剤としての効果は十分と推定される。試料4〜試料7で、水酸化マグネシウムが30〜40重量混入されているのは、難燃性を向上させるために、大量に含有させている。
【0040】
(実施例2)
図3はこの実施例2に係る回路遮断器の筐体のベースの一部断面を含む斜視図である。図3において、11は回路遮断器の筐体のベース、13はベース11の外表面を有し、図示しない接点間に発生するアークから離れた位置に設けれたベース基部であり、機械的強度に優れる構造用材料であり例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂単体又はそれらの樹脂に実施例で説明したものと同様の強化材の複合物から成る。15はベース11の図示しない接点間に発生するアークに曝される位置に配置されたベース被アーク部であり、実施の形態1で説明した複合物から成る。なお、説明の都合上ベース被アーク部15はハッチングを付している。
【0041】
ベース11は、ベース基部13の複合材料とベース被アーク部15の複合材料を夫々図示しない金型の所定位置に配置後、両複合材料を加熱加圧成形することによって得ることができる。
以上のように、ベース11のベース被アーク部15に難燃性かつ金属汚染又は腐食に優れる成形品が配置され、一方、アークの発生源から離れたベース基部13は機械的強度に優れる構造用材料からなるので、クリープ性を悪化させることなく、アーク発生後のベース11表面の絶縁抵抗の低下を減少させることができる。
なお、この実施例2では、ベース11の内表面の一部であるベース被アーク部15、特にアークに曝され絶縁抵抗の低下が大きい接点周囲のみに実施例1の混合物を配した例について説明したが、ベース11の内表面全体に実施例1の混合物を配しても有効である。
【0042】
【産業上の利用可能性】
本発明に係る開閉器は、樹脂が35〜50重量、強化材が20〜60重量、所定の温度以上で脱水反応する無機化合物が5〜40重量、及び赤燐難燃剤が0.3〜1.8重量を含む難燃性材料からなる成形品を有するので、難燃性及び金属汚染性又は金属腐食性が良好である。
また、赤燐難燃剤が0.5〜1.8重量であれば、さらに難燃性に優れる。
また、無機化合物が30〜40重量及び赤燐難燃剤が0.5〜1.0重量であれば、さらに金属汚染性又は金属腐食性に優れる。
【0043】
また、樹脂が熱可塑性樹脂であれば、成形が容易であるとともに薄肉化が可能である。
また、熱可塑性樹脂がポリアミドであれば、アーク発生後の絶縁性に優れる。
また、成形品が筐体のベースであれば、難燃性、アーク発生後の絶縁性、機械的強度等に優れ、開閉器を小型化することができる。
また、接点間に発生するアークの近傍に成形品を備え、その他の部分に前記成形品よりも機械的強度の優れる構造用材料を備えれば、耐クリープ性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の開閉器を側面で切った断面図である。
【図2】 図1の開閉器を平面で切った断面図である。
【図3】 本発明の実施例2に係る開閉器の筐体のベースの一部断面を含む斜視図である。

Claims (7)

  1. 樹脂が35〜50重量、強化材が20〜60重量、所定の温度以上で脱水反応する無機化合物が5〜40重量、及び赤燐難燃剤が0.3〜1.8重量を含む難燃性材料から成る成形品を有することを特徴とする開閉器。
  2. 赤燐難燃剤が0.5〜1.8重量であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の開閉器。
  3. 無機化合物が30〜40重量及び赤燐難燃剤が0.5〜1.0重量であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の開閉器。
  4. 樹脂は熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の開閉器。
  5. 熱可塑性樹脂はポリアミドであることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の開閉器。
  6. 筐体のベースの少なくとも1部に成形品を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の開閉器。
  7. 接点間に発生するアークの近傍に成形品を備え、その他の部分に前記成形品よりも機械的強度の優れる構造用材料を備えたことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の開閉器。
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