JP4463285B2 - 誤操作防止機能付スイッチおよびコンピュータ筐体 - Google Patents
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Description
前記受圧部の移動方向に沿って中心部に穿設された貫通孔と前記受圧部に形成された受圧面に当接する係合部とを有して前記受圧部の手前側に配備された押圧操作釦と、
前記押圧操作釦に対する押圧操作を受けて前記受圧部が前記インポジション領域内に到達した時点で前記押圧操作釦の回転姿勢を変化させて前記係合部と前記受圧面との当接を解除する押圧力伝達解除機構と、
前記押圧力伝達解除機構の作動後、前記押圧操作釦に対する押圧操作が解除された時点で、前記押圧操作釦の回転姿勢と位置を初期位置に復帰させて前記係合部を前記受圧面の手前に位置させるリセット機構とを備えたことを特徴とする構成を有する。
そして、スイッチ本体の受圧部がストロークエンド周辺のインポジション領域内に侵入すると、自動復帰式のスイッチ本体が作動状態となる。つまり、スイッチ本体が常開接点を有する構造であれば回路が閉じられ、また、スイッチ本体が常閉接点を有する構造であれば回路が開かれることになる。通常、コンピュータ等の電源スイッチは常開接点を有するスイッチであるから、回路が閉じられた時点(スイッチの作動状態)でマイクロプロセッサとソフトウェア上の処理により押圧操作時間の計測が開始される。常閉接点を有するスイッチを利用した場合であれば、回路が開かれた時点(スイッチの作動状態)で押圧操作時間の計測を開始すればよい。
これと同時に、押圧力伝達解除機構はハードウェアとして独立的に作動し、スイッチ本体の受圧部がストロークエンド周辺のインポジション領域内に到達した時点で押圧操作釦の回転姿勢を変化させ、この姿勢変化によって、少なくとも、受圧部がストロークエンドに到達する以前の段階で押圧操作釦の係合部と受圧部の受圧面との当接状態を解除する。
スイッチ本体は自動復帰式であるから、押圧操作釦の係合部と受圧部の受圧面との当接状態が一旦解除されれば、仮に、押圧操作釦が押し込まれたままの状態に保持されていても、スイッチ本体の受圧部が自動的にストロークエンド周辺のインポジション領域から自動復帰位置に向けて押し戻され、スイッチ本体が再び非作動の状態に戻る。
スイッチ本体が作動状態を維持するのは、自動復帰位置からストロークエンドに向けて移動する受圧部がストロークエンド周辺のインポジション領域に突入してから押圧力伝達解除機構の作動が完了するまでの僅かな時間であるから、この所要時間がスイッチの長押しとして認識されることはない。
なお、理論的には、自動復帰位置からストロークエンドに向けて移動する受圧部をストロークエンド周辺のインポジション領域の端部、つまり、自動復帰位置に近い側のインポジション領域の限界位置に留め置くことによって、受圧部がインポジション領域内に位置し且つ押圧力伝達解除機構が非作動といった状態、要するに、スイッチ本体が作動している状態を継続して維持することが可能であるが、実際には、ON・OFF操作用の受圧部は自動復帰位置に近い側のインポジション領域の限界位置を越えてストロークエンドにまで移動することが可能であり、押圧操作釦を介して手動で押圧される受圧部は、通常、手動操作の勢いによって自動復帰位置に近い側のインポジション領域の限界位置を越えて一気にストロークエンドの近傍にまで移動してしまうので、仮に、押圧操作釦を操作するユーザに其のような意図があったとしても、押圧操作釦の操作によってスイッチ本体の作動状態を継続して維持するといったことは現実的には殆ど不可能である。
つまり、押圧操作釦を用いた操作によって実現が可能なのは、スイッチ本体を瞬間的に作動状態とする操作のみであり、押圧操作釦それ自体を押し続けたとしても、スイッチ本体の受圧部を長押しするといった操作は実際にはできないので、押圧操作釦を用いた実質的なスイッチの長押し操作が完全に防止される。
そして、押圧力伝達解除機構の作動後、押圧操作釦からユーザが手を離すと、リセット機構が作動して押圧操作釦の回転姿勢と位置を初期位置に復帰させ、押圧操作釦の係合部を受圧部の受圧面の手前に位置させて、改めて、押圧操作釦の押圧操作によって受圧部を移動させ得る状態とする。
一方、スイッチの長押し操作が必要とされる状況下においては、受圧部の移動方向に沿って押圧操作釦の中心部に穿設された貫通孔からクリップや針金あるいはボールペン等の先端を突入させ、この先端でスイッチ本体の受圧部を直接的に押圧することで受圧部を自動復帰位置からストロークエンドに向けて移動させ、更に、そのまま押圧状態を維持することによって、受圧部をストロークエンド近傍のインポジション領域内に留め置くようにする。
ストロークエンドはインポジション領域の一部であるから、受圧部を押すクリップや針金あるいはボールペン等に受圧部の自動復帰力を上回る力を定常的に加え続けて押し切り状態を維持するといった簡単な操作によって、比較的に長い時間たとえば数秒に亘って受圧部をインポジション領域内に留め置くことができる。この場合、スイッチ本体が作動状態を維持する時間が長くなるので、マイクロプロセッサとソフトウェア上の処理により、この押圧操作時間がスイッチの長押しとして認識されることになる。
以上に述べた通り、押圧操作釦を押圧操作した場合にはスイッチ本体が必ず瞬間的に作動し、また、スイッチ本体を数秒に亘って作動させるためには、押圧操作釦に穿設された貫通孔からクリップや針金あるいはボールペン等の先端を突入させてスイッチ本体の受圧部を直接的に押圧するといった操作が要求されるので、スイッチの瞬間的な押圧操作を許容しつつ確実に不用意な長押し操作を防止することができる。
前記押圧操作釦の中心から径方向外側へ向かう離間距離が前記受圧面の張り出し量よりも小さく且つ前記受圧部の他部の張り出し量よりも大きい位置から前記受圧部に向けて突出し、前記押圧操作釦の回転姿勢と位置が初期位置にある状態で前記受圧面に当接する突起によって前記係合部を形成し、
前記スイッチ本体を固定するスイッチ基板の側に前記押圧操作釦の外周部先端の輪郭に合わせて形成された固定側テーパ面と、前記押圧操作釦の外周部先端で周方向に沿って形成された可動側テーパ面とによって前記押圧力伝達解除機構を構成し、
前記押圧操作釦の外周部とスイッチの取り付け対象となる装置側固定部とに両端部を接続され、前記押圧操作釦の回転姿勢と位置が初期位置にある状態で弾性変形量が最小となるバネ体によって前記リセット機構を構成するといったことが可能である。
そして、スイッチ本体の受圧部がストロークエンド周辺のインポジション領域に到達すると、自動復帰式のスイッチ本体が作動状態となると共に、押圧操作釦の外周部先端に押圧力伝達解除機構の一部として形成された可動側テーパ面が、スイッチ基板の側に押圧力伝達解除機構の他部として形成された固定側テーパ面に摺接し、可動側テーパ面が固定側テーパ面から押圧操作釦の外周部の周方向に沿った力を受けて、押圧操作釦の回転姿勢の変化が始まる。
受圧部の受圧面が受圧部の中心から径方向外側に向けて張り出す突出領域によって形成される一方、この受圧部に向けて突出する突起から成る押圧操作釦の係合部は、押圧操作釦の中心から径方向外側へ向かう離間距離が受圧面の張り出し量よりも小さく且つ受圧部の他部の張り出し量よりも大きい位置に設けられているので、受圧部に対する押圧操作釦の回転姿勢が相対的に変化すると、押圧操作釦の係合部が受圧部の受圧面から周方向に沿って徐々に移動し、最終的には、係合部が受圧面から完全に離脱して、押圧操作釦の係合部と受圧部の受圧面との当接状態が解除される。
押し込み方向に向けて移動する押圧操作釦の移動量と回転姿勢の変化量との関係は、可動側テーパ面や固定側テーパ面の傾斜角や長さに依存し、厳密に言えば、押圧操作釦の回転姿勢の変化が始まるタイミングは、受圧部がストロークエンド周辺のインポジション領域に到達した瞬間、あるいは、其の前後であっても構わないが、ストロークエンド周辺のインポジション領域の端部、つまり、自動復帰位置に近い側のインポジション領域の限界位置に受圧部が到達してから受圧部がストロークエンドに至るまでの区間で少なくとも瞬間的に押圧操作釦の係合部と受圧部の受圧面との当接状態が確保され、且つ、受圧部がストロークエンドに到達した段階では、押圧操作釦の係合部が受圧部の受圧面から完全に離脱しているように、可動側テーパ面や固定側テーパ面の傾斜角や長さを設計する必要がある。
スイッチ本体は自動復帰式であるから、押圧操作釦の係合部と受圧部の受圧面との当接状態が一旦解除されれば、仮に、押圧操作釦が押し込まれたままの状態に保持されていても、スイッチ本体の受圧部は、押圧操作釦から受圧部に向けて突出する突起から成る係合部の長さの分だけ、自動的にストロークエンド周辺のインポジション領域から自動復帰位置に向けて押し戻され、スイッチ本体が再び非作動の状態に戻る。
スイッチ本体が作動状態を維持するのは、自動復帰位置からストロークエンドに向けて移動する受圧部がストロークエンド周辺のインポジション領域に突入してから押圧操作釦の係合部が受圧部の受圧面から完全に離脱するまでの間、つまり、最長でも受圧部がストロークエンド周辺のインポジション領域に突入してからストロークエンドに到達するまでの僅かな時間であるから、この所要時間がスイッチの長押しとして認識されることはない。
前記と同様、理論的には、自動復帰位置からストロークエンドに向けて移動する受圧部がインポジション領域内に位置し且つ受圧部の受圧面が押圧操作釦の係合部と当接している状態、要するに、スイッチ本体が作動している状態を継続して維持することが可能であるが、実際には、ON・OFF操作用の受圧部は自動復帰位置に近い側のインポジション領域の限界位置を越えてストロークエンドにまで移動することが可能であり、押圧操作釦を介して手動で押圧される受圧部は、通常、手動操作の勢いによって自動復帰位置に近い側のインポジション領域の限界位置を越えて一気にストロークエンドの近傍にまで移動してしまい、受圧部がストロークエンドの近傍に到達する時点では既に押圧操作釦の係合部が受圧部の受圧面から完全に離脱してスイッチ本体が非作動の状態となってしまうので、仮に、押圧操作釦を操作するユーザに其のような意図があったとしても、押圧操作釦の操作によってスイッチ本体の作動状態を継続して維持するといったことは現実的には殆ど不可能である。
つまり、押圧操作釦を用いた操作によって実現が可能なのは、スイッチ本体を瞬間的に作動状態とする操作のみであり、押圧操作釦それ自体を押し続けたとしても、スイッチ本体の受圧部を長押しするといった操作は実際にはできないので、押圧操作釦を用いた実質的なスイッチの長押し操作が完全に防止される。
そして、押圧力伝達解除機構の作動後、押圧操作釦からユーザが手を離すと、リセット機構として機能するバネ体が弾性変形量が最小となる初期の状態に復帰し、その過程で、押圧操作釦の回転姿勢と位置を初期位置に復帰させ、押圧操作釦の係合部を受圧部の受圧面の手前に位置させて、改めて、押圧操作釦の押圧操作によって受圧部を移動させ得る状態とする。
一方、スイッチの長押し操作が必要とされる状況下においては、受圧部の移動方向に沿って押圧操作釦の中心部に穿設された貫通孔からクリップや針金あるいはボールペン等の先端を突入させ、この先端でスイッチ本体の受圧部を直接的に押圧することで受圧部を自動復帰位置からストロークエンドに向けて移動させ、更に、そのまま押圧状態を維持することによって、受圧部をストロークエンド近傍のインポジション領域内に留め置くようにする。
ストロークエンドはインポジション領域の一部であるから、受圧部を押すクリップや針金あるいはボールペン等に受圧部の自動復帰力を上回る力を定常的に加え続けて押し切り状態を維持するといった簡単な操作によって、比較的に長い時間たとえば数秒に亘って受圧部をインポジション領域内に留め置くことができる。この場合、スイッチ本体が作動状態を維持する時間が長くなるので、マイクロプロセッサとソフトウェア上の処理により、この押圧操作時間がスイッチの長押しとして認識されることになる。
前記と同様、押圧操作釦を押圧操作した場合にはスイッチ本体が必ず瞬間的に作動し、また、スイッチ本体を数秒に亘って作動させるためには、押圧操作釦に穿設された貫通孔からクリップや針金あるいはボールペン等の先端を突入させてスイッチ本体の受圧部を直接的に押圧するといった操作が要求されるので、スイッチの瞬間的な押圧操作を許容しつつ確実に不用意な長押し操作を防止することができる。
本発明における誤操作防止機能付スイッチは、押圧操作釦を用いた操作によってスイッチ本体の瞬間的な作動のみを許容し、スイッチ本体の長押し操作を行うためには押圧操作釦に穿設された貫通孔からクリップや針金あるいはボールペン等の先端を突入させてスイッチ本体の受圧部を直接的に押圧する操作を必要とするものであるから、この誤操作防止機能付スイッチをシャットダウンスイッチ兼電源スイッチとして利用すれば、押圧操作釦の操作によって電源のON・OFF操作を行うことが可能であり、また、押圧操作釦それ自体をユーザが不用意に長押ししたりコンピュータの周辺に放置された物品が荷崩れを起こして押圧操作釦に当接したりしても、電源の切断に関わる適切な準備動作が装置内部で行われないまま強制的に電源がシャットダウンされることはなく、動作中のハードディスクの故障やデータの消失等の障害の発生を未然に防止することができる。
また、コンピュータのシャットダウン操作等のように意図的にスイッチの長押し操作が必要とされる場合においては、押圧操作釦の中心部に穿設された貫通孔からクリップや針金あるいはボールペン等の先端を突入させ、この先端でスイッチ本体の受圧部を直接的に押圧することで、スイッチ本体を長い時間たとえば数秒といった時間で作動状態に維持することもできる。
従って、この誤操作防止機能付スイッチをシャットダウンスイッチ兼電源スイッチとしてコンピュータ筐体に実装すれば、押圧操作釦の操作によって電源のON・OFF操作を行うことが可能であり、また、押圧操作釦それ自体をユーザが不用意に長押ししたりコンピュータの周辺に放置された物品が荷崩れを起こして押圧操作釦に当接したりしても、電源の切断に関わる適切な準備動作が装置内部で行われないまま強制的に電源がシャットダウンされることはなく、動作中のハードディスクの故障やデータの消失等の障害の発生を未然に防止することができる。
2 コンピュータ筐体
3 自動復帰式のスイッチ
4 押圧操作釦
5 押圧力伝達解除機構
6 リセット機構
7 受圧部
8 スイッチ本体
9 貫通孔
10 受圧面
11 係合部(突起)
12 バネ体
13 前面パネル(取り付け対象となる装置側の固定部)
14 舌片
15 受圧面(突出領域)
16 受圧部の他部
17 内側円筒部
18 スイッチ基板
19 外側円筒部
20 固定側テーパ面
21 可動側テーパ面
22 部分周壁
23 操作突起
24 部分周壁
Claims (3)
- ON・OFF操作用の受圧部とスイッチ本体とから成り、前記受圧部の移動を該受圧部の自動復帰位置からストロークエンドに至る区間で許容すると共に、前記受圧部が前記ストロークエンド周辺のインポジション領域内に位置する間だけ作動状態を保持する自動復帰式のスイッチと、
前記受圧部の移動方向に沿って中心部に穿設された貫通孔と前記受圧部に形成された受圧面に当接する係合部とを有して前記受圧部の手前側に配備された押圧操作釦と、
前記押圧操作釦に対する押圧操作を受けて前記受圧部が前記インポジション領域内に到達した時点で前記押圧操作釦の回転姿勢を変化させて前記係合部と前記受圧面との当接を解除する押圧力伝達解除機構と、
前記押圧力伝達解除機構の作動後、前記押圧操作釦に対する押圧操作が解除された時点で、前記押圧操作釦の回転姿勢と位置を初期位置に復帰させて前記係合部を前記受圧面の手前に位置させるリセット機構とを備えたことを特徴とする誤操作防止機能付スイッチ。 - 前記受圧部の中心から径方向外側に向けて張り出す突出領域によって前記受圧面が形成される一方、
前記押圧操作釦の中心から径方向外側へ向かう離間距離が前記受圧面の張り出し量よりも小さく且つ前記受圧部の他部の張り出し量よりも大きい位置から前記受圧部に向けて突出し、前記押圧操作釦の回転姿勢と位置が初期位置にある状態で前記受圧面に当接する突起によって前記係合部が形成され、
前記押圧力伝達解除機構は、前記スイッチ本体を固定するスイッチ基板の側に前記押圧操作釦の外周部先端の輪郭に合わせて形成された固定側テーパ面と、前記押圧操作釦の外周部先端で周方向に沿って形成された可動側テーパ面とによって構成され、
前記リセット機構は、前記押圧操作釦の外周部とスイッチの取り付け対象となる装置側固定部とに両端部を接続され、前記押圧操作釦の回転姿勢と位置が初期位置にある状態で弾性変形量が最小となるバネ体によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の誤操作防止機能付スイッチ。 - 請求項1または請求項2記載の誤操作防止機能付スイッチをシャットダウンスイッチ兼電源スイッチとして備えたことを特徴とするコンピュータ筐体。
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