JP4462756B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に直下型バックライトを有する液晶表示装置の輝度ムラの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶(LCD)パネルの広視野角化が進んでいるが、広視野角実現のために薄膜トランジスタの構造変更等を行っており、その透過率を逆に下げてしまう傾向にある。透過率を上げることは現段階では技術的にも困難がある。このため、バックライトとして高輝度タイプのものが要求される。また、液晶表示装置としてはモニター用途としても高輝度が要求されているため、バックライトには比較的容易に高輝度が得られるランプをパネルの直下に複数本並べて配設する直下型バックライトタイプが使用される。しかしながら、直下型バックライトの場合、並べたランプ間に生じる輝度ムラを抑制することが課題である。
【0003】
図2は、従来の直下型バックライトを備える液晶表示装置の断面図である。図2に示すように、液晶パネル21の下方に直線状ランプ23を複数本並べた直下型バックライト22が配設されている。直下型バックライト22のランプ23上方にランプ間の輝度ムラを低減するための拡散板24が配置されている。拡散板24としては、厚みが3〜5mmのアクリル樹脂板などが使われている。ランプ23の直上は光強度が高く、ランプとランプの中間部では光強度が低くなって光強度の不均一、すなわち輝度ムラが生じるのを防止するため、拡散板24のランプ23の直上部分には低透過率部25を設けている。具体的には低透過率部25は、拡散板の表面にランプの直上で密に直上から離れるにつれて粗になるようにカーボンブラックなどのドットパターンを印刷して形成されている。なお、26は異物、27は偏光板である。
【0004】
一方、特開平9−189908号公報には、裏面に拡散板を備えた液晶パネルと、両端面に配置された発光体の端面からの入射光を面方向に導く導光板と、導光板の表面にこの導光板に導かれた光を指向性を持った光として表面側に出射させる多数のドット状導光部が微小ピッチで配列した光学シートを設けてなるバックライトとを備え、バックライトを、その出射面を液晶パネルの裏面の拡散板から離間させて配置した液晶表示装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の直下型バックライトを用いた液晶表示装置では、厚さが3〜5mmのアクリル樹脂などからなる拡散板をバックライト側のランプ直上に近接して配置しており、また熱膨張係数が大きいために、ランプの熱によって横方向には低透過率部にランプとの相対位置のズレが生じ、深さ方向には拡散板の反りによりランプとの距離が変動して設計で狙った通りの、ランプ間輝度ムラの抑制がままならなかった。
【0006】
また、上記した特開平9−189908号公報の液晶表示装置は、液晶パネルの裏面に拡散板を備え、液晶パネルをバックライトから離間させて配置しているが、バックライトは導光板の両端面にランプを配設するエッジ式バックライトであり、本発明のように直下型バックライトではないこと、また液晶パネルの裏面の拡散板は全体が一様でランプに対向した部分に低透過率部を有しない構造であり、本発明の液晶表示装置とは構成が異なる。
【0007】
本発明の目的は、直下型バックライトを備える液晶表示装置において、容易にランプ間の輝度ムラを低減する設計が可能で、熱による相対位置のズレが生じにくい液晶表示装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ランプを複数本並べて配設した直下型バックライトと、その上部に配置した液晶パネルとを有する液晶表示装置において、液晶パネルのバックライト側に低透過率部のある拡散シートを貼り付けることにより、バックライトのランプと拡散シートの低透過率部との相対位置を制御することを容易にし、ランプ間に生じる輝度ムラを低減することを特徴とする。前記拡散シートは、ポリカーボネイトやポリエチレンテレフタレート(PET)などのシートで形成されている。前記拡散シートのランプの直上部分に対向する位置には、ランプの光強度を低減する低透過率部が形成されており、拡散シートの低透過率部は、ランプの直上では密に直上から離れるにつれて徐々に粗になるように黒色のドットパターンを印刷して形成されている。前記直下型バックライトと液晶パネルとは離間して配置されている。
【0009】
また、本発明は、ランプを複数本並べて配設した直下型バックライトと、その上部に配置した液晶パネルとを有する液晶表示装置において、前記液晶パネルのバックライト側偏光板の表面のランプに対向する部分に直接低透過率部を設けたことを特徴とする。前記低透過率部は、ランプ直上では密に直上から離れるにつれて徐々に粗になるように黒色のドットパターンを印刷して形成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態の液晶表示装置は、ランプ4を複数本(図には3本の例を示す)並べて配設した直下型バックライト2の上部に液晶パネル(偏光板含む)1が離間して配置されており、液晶パネル1のバックライト側の表面には熱膨張係数の小さい材料からなる拡散シート3が貼り付けられている。
【0011】
バックライト2のランプ4から出射する光は、液晶パネル1を通して人の目に捉えられるが、そのままでは、並べたランプ4の直上部分の光強度は大きく、直上から離れるにつれて光強度が小さくなって光強度の不均一が生じ、ランプ4間の光の強弱が輝度ムラとして見える。そこで、拡散シート3のランプ4の直上に対向する部分には透過率を下げる低透過率部5が形成されている。この低透過率部5は、具体的にはランプ4の直上に対向する部分は密に、直上から離れるにつれて徐々に粗になるように黒色のドットパターンを印刷して作られている。黒色のドットパターンは、例えばカーボンブラックなどを印刷して形成される。拡散シート3としては、熱膨張係数の小さいポリカーボネイトやポリエチレンテレフタレート(PET)などの厚さが1mm程度のシートが使用できる。このようにしてランプ4間の輝度ムラを低減することが出来る。なお、7は偏光板である。
【0012】
本実施の形態では、ランプ4間の輝度ムラを防ぐために、液晶パネル1に貼り付けてある拡散シート3のランプ直上部分には、透過率を下げる低透過率部5を形成している。従来は、この拡散シートに相当するものとして拡散板(厚み3〜5mm、アクリル樹脂などを使用)がバックライト側のランプ上に配置されており、また熱膨張係数が大きいために、横方向には低透過率部にランプとの相対位置のズレが生じ、深さ方向には拡散板の反りによりランプとの距離が変動して設計で狙った通りの、ランプ間輝度ムラ抑制がままならなかった。しかし、本実施の形態では、熱膨張係数が小さい材料から成る拡散シートを直下型バックライトから離間して配置されているパネルに貼り付けているため、ランプの熱によって拡散シートの低透過率部とランプとの横方向・深さ方向のズレが起きにくく、設計通りのランプ間輝度ムラの抑制が出来る。
【0013】
また、従来使用していた厚み3〜5mm程度あるアクリル樹脂等の拡散板を、厚み1mm程度の拡散シートにすることで、重量を約1/5程度に低減することが出来る。さらに、従来は拡散板上にある異物は、パネルと近距離にあるため、表示上見えやすかったが、本発明では拡散板を不要にしたことで、異物6がバックライトの底部に位置され、パネルとの距離は遠くなり見えにくくする働きもある。
【0014】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、拡散シートを用いないで、低透過率部をバックライト側の液晶パネルを構成する偏光板に直接形成している。低透過率部は、バックライトのランプの直上に対向する部分には密に、直上から離れるにつれて徐々に粗になるように黒色のドットパターンを印刷して形成する。黒色のドットパターンは、たとえば、カーボンブラックなどを印刷して形成する。本実施の形態では、拡散シートを用いず直接液晶パネルの偏光板に低透過率部を設けているので、第1の実施の形態に比べ構造が簡単になるという利点がある。この他この第2の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0015】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、直下型バックライトを有する液晶表示装置において、ランプ間の輝度ムラを低減することが出来る。ランプと液晶パネルとの相対位置を合わせ込むことで、ランプと液晶パネルに貼られている拡散シートの低透過率部との相対位置(横方向・深さ方向)が決まるため、容易にランプ間の輝度ムラを低減する設計が出来、熱等による相対位置のズレが生じにくいという効果が得られる。
【0016】
また、拡散板が不要になったので、重量を低減する事が出来る。従来は、厚み3〜5mm程度あるアクリル樹脂等の拡散板を使用していたが、拡散シートにする事で、重量を従来の約1/5程度に低減する事が出来る。拡散板の不要により、表示上に見える異物を低減する事も出来る。従来は拡散板上にある異物は、パネルと近距離にあるため、表示上見えやすかったが、本発明では拡散板を不要にしたことで、異物がバックライトの底部に落ち込むので、パネルとの距離が遠くなり見えにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】従来の直下型バックライトを備える液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1,21 液晶パネル
2,22 直下型バックライト
3 拡散シート
4,23 ランプ
5,25 低透過率部
6,26 異物
7,27 偏光板
24 拡散板

Claims (3)

  1. 複数のランプからなる直下型のバックライトと、液晶パネルと、偏光板を少なくとも備え、前記偏光板は、前記液晶パネルの前記バックライトと対抗する側の主面に接して配置され、前記ランプの直上部分に対向する位置に低透過率部を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記低透過率部は、ランプの直上では密に、直上から離れるにつれて徐々に粗になるように形成された黒色のドットパターンからなることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記バックライトと前記液晶パネルとは離間して配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置。
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