JP4462296B2 - 背圧規制弁 - Google Patents

背圧規制弁 Download PDF

Info

Publication number
JP4462296B2
JP4462296B2 JP2007175363A JP2007175363A JP4462296B2 JP 4462296 B2 JP4462296 B2 JP 4462296B2 JP 2007175363 A JP2007175363 A JP 2007175363A JP 2007175363 A JP2007175363 A JP 2007175363A JP 4462296 B2 JP4462296 B2 JP 4462296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
valve body
valve
spring
back pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007175363A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009013841A (ja
Inventor
久晴 竹内
正明 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007175363A priority Critical patent/JP4462296B2/ja
Priority to CN2008101295885A priority patent/CN101338720B/zh
Publication of JP2009013841A publication Critical patent/JP2009013841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4462296B2 publication Critical patent/JP4462296B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、インジェクタの弁体に作用する背圧を規制する背圧規制弁に関する(以下、インジェクタの弁体を噴射弁体と呼ぶ)。
従来から、内燃機関に燃料を噴射供給するインジェクタは、噴孔を開閉する噴射弁体を備え、この噴射弁体に作用する燃料圧を操作することで噴孔を開閉して燃料の噴射を開始したり停止したりする。
すなわち、インジェクタには、噴射弁体を開弁方向に付勢する燃料圧を形成するノズル室と、噴射弁体を閉弁方向に付勢する燃料圧(背圧)を形成する背圧室とが設けられている。そして、噴射弁体は、背圧室への燃料の流出入が操作されて背圧が増減することで、開弁方向または閉弁方向に変位して噴孔を開閉する。また、背圧室から流出した燃料は、燃料を貯留するタンクに戻されて、再度、インジェクタに供給される。
近年、環境問題への関心の高まりから、インジェクタに導入されて内燃機関に噴射供給される燃料として液化気体燃料が注目されている。この液化気体燃料とは、圧縮により常温で液化できる気体燃料であり、例えば、ジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(LPG)および液化天然ガス(LNG)等が公知である。
ところで、液化気体燃料は、例えば数MPaのような高圧下でないと液体として存在できず、圧力低下により容易に気化してしまう。そして、背圧を形成する背圧室の液化気体燃料が気化すると、噴射弁体による噴孔の開閉操作が不安定になり、インジェクタによる噴射量のばらつきが大きくなってしまう。
そこで、背圧を高圧に保って背圧室の液化気体燃料が気化するのを阻止するため、背圧室とタンクとを連結する戻り流路に簡易な逆止弁構造の背圧規制弁を配して、背圧が所定の規制値以下に低下するのを阻止する技術が検討されている。この背圧規制弁は、例えば、戻り流路を開閉する弁体と、この弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材としてのスプリングとにより構成され、理想的にはスプリングの設定荷重のみに応じて背圧の規制値、すなわち、開弁圧を定める。
しかし、この背圧規制弁によれば、スプリングの付勢力(つまり、付勢部材の付勢力)以外にも、弁体よりも下流側の燃料圧(以下、下流圧と呼ぶ)による付勢力(以下、「下流圧による付勢力」を下流圧付勢力と呼ぶ)が弁体に対して閉弁方向に作用する。そして、この下流圧は、弁体よりも下流側の戻り流路を介してタンクの内圧と略一致する。
ここで、タンクの内圧は液化気体燃料の飽和蒸気圧と略一致するが、液化気体燃料の飽和蒸気圧は温度変化に伴う変化率が大きい。このため、タンクの内圧は温度変化に伴う変動が著しく、結果的に、下流圧も温度変化に伴う変動が著しくなる。したがって、弁体に対し閉弁方向に作用する付勢力(主に、付勢部材の付勢力と下流圧付勢力との合力:以下、閉弁合力と呼ぶ)が温度に応じて大きく変動するので、背圧規制弁の開弁圧も温度に応じて変動してしまう。
なお、特許文献1には、燃料噴射ポンプからの戻りの燃料圧を規制する調圧弁が開示されているが、この調圧弁でも下流圧が閉弁方向に作用している。このため、液化気体燃料を燃料として使用する場合、上記と同様に開弁圧が変動してしまう。
特開2003−65186号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、液化気体燃料をインジェクタに導入して内燃機関に噴射供給する燃料噴射装置において、インジェクタの背圧室で液化気体燃料の気化を阻止する背圧規制弁の開弁圧が変動するのを回避することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の背圧規制弁は、インジェクタの背圧室から流出した液化気体燃料をタンクに戻すための戻り流路に配されて、インジェクタの噴射弁体を閉弁方向に付勢する背圧を規制するものである。また、この背圧規制弁は、戻り流路を開閉する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、付勢部材の両端の内で弁体に支持される端部とは逆の端部を支持する座部材とを備え、座部材にタンクの内部圧力および大気圧が互いに逆方向に作用する。そして、タンクの内部圧力と大気圧との差分に応じて座部材が変位することで、弁体に作用する付勢部材の付勢力が可変されて弁体の開弁圧が一定に保たれる。
これにより、タンクの内圧に応じて座部材を変位させることで、座部材に一端を支持される付勢部材を伸縮して付勢部材の付勢力を可変することができる。このため、タンクの内圧の変動に伴う下流圧付勢力の変動を、付勢部材の付勢力の変化により相殺することができるので、タンクの内圧が変動しても、閉弁合力を一定に保つことができ、結果的に、背圧規制弁の開弁圧が変動することを回避できる
最良の形態1の背圧規制弁は、インジェクタの背圧室から流出した液化気体燃料をタンクに戻すための戻り流路に配されて、インジェクタの噴射弁体を閉弁方向に付勢する背圧を規制するものである。また、この背圧規制弁は、戻り流路を開閉する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、付勢部材の両端の内で弁体に支持される端部とは逆の端部を支持する座部材とを備え、座部材にタンクの内部圧力および大気圧が互いに逆方向に作用する。そして、タンクの内部圧力と大気圧との差分に応じて座部材が変位することで、弁体に作用する付勢部材の付勢力が可変されて弁体の開弁圧が一定に保たれる。
〔実施例1の構成〕
実施例1の背圧規制弁1の構成を、図面を用いて説明する。
まず、背圧規制弁1、および背圧規制弁1により背圧が規制されるインジェクタ2を備え、内燃機関(図示せず)に燃料を噴射供給する燃料噴射装置3について説明する。なお、燃料噴射装置3は、液化気体燃料であるジメチルエーテル(DME)を内燃機関に噴射供給するものである。
燃料噴射装置3は、図1に示すように、DMEを貯留するタンク5と、タンク5からDMEを吸引して吐出するフィードポンプ6と、フィードポンプ6から吐出されたDMEを高圧化して吐出する高圧ポンプ7と、高圧ポンプ7から吐出されたDMEを高圧状態で蓄圧するとともに複数のインジェクタ2に分配するコモンレール8と、コモンレール8から分配されたDMEを噴射するインジェクタ2と、インジェクタ2等の動作を制御する電子制御装置(ECU)9とを備える。そして、背圧規制弁1は、DMEをインジェクタ2からタンク5に戻すための戻り流路10に配されている。
なお、タンク5は、約90℃で3MPaもの高圧に達するDMEの飽和蒸気圧に耐えうるように高耐圧性に設けられている。そして、タンク5の内部では、DMEの気液2相平衡状態が形成され、タンク5の内部圧力(内圧)Ptは、内部温度に応じた飽和蒸気圧に略一致する。
また、フィードポンプ6、高圧ポンプ7、コモンレール8およびインジェクタ2も、DMEが90℃近い高温でも気化しないように3MPa以上の圧力でDMEを流動させることができるように設けられている。なお、コモンレール8には、蓄圧されたDMEの圧力(レール圧)を検出してECU9に出力するレール圧センサ13、およびレール圧を迅速に低下させるための減圧弁14等が装備されている。
また、ECU9は、制御機能および演算機能を具備するCPU、ROMおよびRAM等の記憶装置、入力装置ならびに出力装置を有する周知のコンピュータとして構成され、レール圧センサ13等の各種センサから得られる検出信号に基づいてインジェクタ2等の動作を制御する。
インジェクタ2は、図2に示すように、噴孔16を開閉する噴射弁体17と、噴射弁体17を閉弁方向に付勢するスプリング18とを有し、噴射弁体17に作用するDMEの液圧を操作することで噴孔16を開閉してDMEの噴射を開始したり停止したりするものである。
すなわち、インジェクタ2には、噴射弁体17を開弁方向に付勢する液圧を形成するとともに噴射弁体17の先端部により噴孔16との間を開閉されるノズル室20と、噴射弁体17を閉弁方向に付勢する液圧(背圧)を形成する背圧室21とが設けられている。そして、噴射弁体17は、背圧室21へのDMEの流出入が操作されて背圧が増減することで、開弁方向または閉弁方向に変位して噴孔16を開閉する。
ここで、背圧室21の流入口は、入側オリフィス22を介してコモンレール8からDMEが流入するように設けられ、背圧室21の流出口は、出側オリフィス23を介して戻り流路10にDMEが流出するとともに電磁弁24により開閉されるように設けられている。また、入側、出側オリフィス22、23は、流出口が開放されているときに、出側オリフィス23を通過するDMEの流量が入側オリフィス22を通過するDMEの流量よりも大きくなるように設けられている。
さらに、電磁弁24は、ECU9からの指令により通電されて磁気吸引力を発生するソレノイドコイル27と、この磁気吸引力により駆動されて背圧室21の流出口を開放する弁機能付きのアーマチャ28と、アーマチャ28を閉弁側(つまり、背圧室21の流出口を閉鎖する方向)に付勢するスプリング29とを有する。
また、ノズル室20は、オリフィス等により絞られることなく、コモンレール8からDMEが流入するように設けられている。
以上により、ソレノイドコイル27に通電が行われると、背圧室21からDMEが流出して背圧が低下するので、噴射弁体17に作用する閉弁方向の付勢力(背圧による付勢力とスプリング18による付勢力との合力)が噴射弁体17に作用する開弁方向の付勢力(ノズル室20の液圧による付勢力)よりも小さくなる。この結果、噴射弁体17は、開弁方向に変位して噴孔16を開放する。
また、ソレノイドコイル27への通電が停止されると、背圧室21からのDMEの流出が止まり背圧が上昇するので、噴射弁体17に作用する閉弁方向の付勢力が開弁方向の付勢力よりも大きくなる。この結果、噴射弁体17は、閉弁方向に変位して噴孔16を閉鎖する。
背圧規制弁1は、図3に示すように、ボール状の弁体31と、大小異径かつ同軸であってシールリング32、33を介して弁ボディ34に摺接する2つの摺動部35、36からなるピストン37と、弁体31とピストン37との間に介在する第1スプリング38と、ピストン37と弁ボディ34との間に介在する第2スプリング39とを有する。
ここで、弁ボディ34には、弁体31、第1スプリング38、ピストン37、および第2スプリング39を収容するシリンダ43が設けられている。そして、シリンダ43には、図示左側から右側に向かって順次に、弁体31、第1スプリング38、ピストン37、および第2スプリング39が直列に収容され、弁体31およびピストン37の変位方向、ならびに第1、第2スプリング38、39の伸縮方向は全て略一致する。
また、シリンダ43は、大小異径かつ同軸の径大部44と径小部45とからなり、径大部44に弁体31、第1スプリング38および径大の摺動部(以下、大径摺動部とする)35が収容され、径小部45に第2スプリング39が収容されている。また、径小の摺動部(以下、小径摺動部とする)36は、径大部44と径小部45とにまたがって収容されている。
そして、径大部44の内部で大径摺動部35により区画され弁体31および第1スプリング38を収容する空間(第1スプリング室47とする)には、戻り流路10の一部をなす2つの開口部48、49が接続している。そして、弁体31は、上流側の開口部48に配され、第1スプリング38により開口部48を閉じる方向に付勢されている。
また、第1スプリング室47には下流側の開口部49からタンク5のDMEが導入され、第1スプリング室47の液圧はタンク5の内圧Ptと略一致する。そして、第1スプリング室47の液圧は、弁体31を図示左方向(つまり、閉弁方向)に付勢するとともに、ピストン37を図示右方向に付勢する。すなわち、タンク5の内圧Ptと略一致する第1スプリング室47の液圧は、弁体31を下流側から付勢する液圧(下流圧)をなす。そして、第1スプリング室47の液圧による弁体31に対する付勢力(下流圧付勢力)は、第1スプリング38による付勢力(第1スプリング力)とともに閉弁合力をなす。
また、径大部44の内部で大径摺動部35により区画される図示右側の空間は、大気に開放されて大気圧と略一致する圧力を示す大気室50をなす。そして、大径摺動部35は、大気室50に導かれた大気圧により図示左方向に付勢される。
さらに、径小部45の内部で小径摺動部36により封鎖され第2スプリング39を収容する空間(第2スプリング室51とする)には、タンク5からDMEを導入するために1つの開口部52が接続している。これにより、第2スプリング室51の液圧はタンク5の内圧Ptと略一致し、第2スプリング室51の液圧は、ピストン37を図示左方向に付勢する。
以上により、戻り流路10は弁体31により開閉され、弁体31は第1スプリング38により閉弁方向に付勢される(つまり、第1スプリング38は、弁体31を閉弁方向に付勢する付勢部材として機能する)。また、ピストン37は、第1スプリング38の両端の内で弁体31に支持される端部とは逆の端部を支持する座部材として機能し、ピストン37の大径摺動部35には、タンク5の内圧Ptおよび大気圧が互いに逆方向に作用する。
そして、タンク5の内圧Ptと大気圧との差分に応じて、つまりタンク5の内圧Ptに応じてピストン37が変位することで第1スプリング力が可変される。なお、タンク5の内圧Ptは、タンク5の内部温度に応じた飽和蒸気圧に略一致するから、第1スプリング力は、タンク5の内部温度に応じても可変する。
そして、この背圧規制弁1によれば、以下の計算に示すとおり、下流圧の値に係わらず(つまり、タンク5の内圧Ptの値に係わらず)、弁体31の開弁圧Pbを一定値にすることができる。
〔実施例1の開弁圧算出〕
実施例1の背圧規制弁1の開弁圧Pbを、各種パラメータを用いて算出する。
この算出に使用するパラメータは、弁体31のシート面積A、第1スプリング室47の液圧の大径摺動部35における受圧面積A1、第2スプリング室51の液圧の小径摺動部36における受圧面積A2、第1スプリング38のバネ定数K1、第2スプリング39のバネ定数K2、第1スプリング38の初期圧縮量X1、第2スプリング39の初期圧縮量X2、およびタンク5の内圧Pt等である(なお、初期圧縮量X1、X2は、第1、第2スプリング室47、51の液圧が大気圧に略一致するときの第1、第2スプリング38、39の圧縮量であり、内圧Ptは大気圧に対する相対圧である)。
そして、図示左右方向にX軸を想定するとともに図示右方向をXの正方向と想定し、第1、第2スプリング室47、51の液圧が大気圧に略一致するときの大径摺動部35の右端の位置をX=0と規定する。
まず、第1、第2スプリング室47、51の液圧が大気圧に略一致するとき、ピストン37は、正方向にK1・X1なる強さの第1スプリング力が作用し、負方向にK2・X2なる強さの第2スプリング39による付勢力(第2スプリング力)が作用して静止する。このため、ピストン37に関する力のバランスから下記の数式1が成立する。
〔数式1〕
K1・X1=K2・X2
次に、第1、第2スプリング室47、51にタンク5の内圧Ptが導入され、ピストン37が正方向にXだけ変位して静止した場合を考える。この場合、第1、第2スプリング室47、51の液圧は内圧Ptに略一致し、ピストン37には、正方向にK1(X1―X)なる強さの第1スプリング力が作用するとともに、Pt・A1なる強さの第1スプリング室47の液圧による付勢力が作用する。また、ピストン37には、負方向にK2(X2+X)なる強さの第2スプリング力が作用するとともに、Pt・A2なる強さの第2スプリング室51の液圧による付勢力が作用する。
このため、ピストン37に関する力のバランスから下記の数式2が成立する。
〔数式2〕
K1(X1―X)+Pt・A1=K2(X2+X)+Pt・A2
そして、数式2をXについて解くと、下記の数式3が得られる。
〔数式3〕
X={Pt(A1−A2)+(K1・X1−K2・X2)}/(K1+K2)
さらに、数式3に数式1を適用すれば、下記の数式4が得られる。
〔数式4〕
X=Pt(A1−A2)/(K1+K2)
また、弁体31には、負方向にK1(X1−X)なる強さの第1スプリング力が作用するとともに、Pt・Aなる強さの下流圧付勢力が作用し、これら負方向の合力(閉弁合力)と同等の力が弁ボディ34および開口部48の液圧(インジェクタ2の背圧に略一致する)により正方向に加えられている。
したがって、開口部48の液圧が大きくなって弁体31が弁ボディ34から離脱するとき、開口部48の液圧(つまり、インジェクタ2の背圧)は開弁圧Pbに略一致するので、弁体31に関する力のバランスから下記の数式5が成立する。
〔数式5〕
Pb・A=K1(X1−X)+Pt・A
そして、数式5を開弁圧Pbについて解くと、下記の数式6が得られる。
〔数式6〕
Pb=K1(X1−X)/A+Pt
さらに、数式6のXに数式4を適用し、内圧Ptを含む項と内圧Ptを含まない項とに分けると下記の数式7が得られる。
〔数式7〕
Pb=K1・X1/A+Pt{1−K1(A1−A2)/(K1+K2)/A}
よって、数式7の内圧Ptを含む項の内、内圧Pt以外の係数の部分がゼロとなるように、すなわち、下記の数式8が成立するように各パラメータを設定すれば、開弁圧Pbは、一定の値K1・X1/Aとなる。
〔数式8〕
A(K1+K2)=K1(A1−A2)
つまり、数式8を満たすように、シート面積A、受圧面積A1、A2、バネ定数K1、K2を設定すれば、タンク5の内圧Ptに係わらず、開弁圧Pbを一定の値K1・X1/Aに設定することができる。
なお、実施例1の背圧規制弁1によれば、受圧面積A1がシート面積Aよりも大きいので、タンク5の内圧Ptの変動に対する開弁圧Pbの応答性が高い。つまり、タンク5の内圧Ptが変動しても、開弁圧Pbは迅速に一定の値K1・X1/Aに収束する。
また、第2スプリング室51にタンク5の内圧Ptが導入されることにより、大気室50におけるピストン37の大気圧の受圧面積は、受圧面積A1と受圧面積A2との差分に等しくなる。
〔実施例1の効果〕
実施例1の背圧規制弁1は、戻り流路10を開閉する弁体31と、弁体31を閉弁方向に付勢する第1スプリング38と、第1スプリング38の両端の内で弁体31に支持される端部とは逆の端部を支持するピストン37とを備える。そして、ピストン37の大径摺動部35に、タンク5の内圧Ptおよび大気圧が互いに逆方向に作用し、タンク5の内圧Ptと大気圧との差分に応じてピストン37が変位することで第1スプリング力が可変される。
これにより、タンク5の内圧Ptの変動に伴う下流圧付勢力の変動を、第1スプリング力の変化により相殺することができる。このため、内圧Ptが変動しても、閉弁合力を一定に保つことができるので、背圧規制弁1の開弁圧Pbが変動することを回避できる。
〔実施例2〕
実施例2の背圧規制弁1によれば、図4に示すように、シリンダ43は単一径に形成され、ピストン37も単一径に設けられている。また、弁体31は、スプール状に設けられてシリンダ43に摺動自在に収容されている。また、シリンダ43の内周面には環状溝55が設けられ、環状溝55に下流側の開口部49が接続している。そして、弁体31の開弁方向への変位により、上流側の開口部48が環状溝55および下流側の開口部49に連通する。
また、シリンダ43は、ピストン37により第1スプリング室47と第2スプリング室51とに区画され、第1スプリング室47は、開口部57により戻り流路10と連結され、第2スプリング室51は大気に開放される。これにより、第1スプリング室47の液圧(下流圧)は、タンク5の内圧Ptに略一致し、第2スプリング室51の圧力は大気圧に略一致する(つまり、第2スプリング室51は大気室50の機能を具備する)。
以上により、戻り流路10は弁体31により開閉され、弁体31は第1スプリング38により閉弁方向に付勢される。また、ピストン37は、第1スプリング38の両端の内で弁体31に支持される端部とは逆の端部を支持する座部材として機能し、ピストン37には、タンク5の内圧Ptおよび大気圧が互いに逆方向に作用する。そして、タンク5の内圧Ptと大気圧との差分に応じて、つまりタンク5の内圧Ptに応じてピストン37が変位することで第1スプリング力が可変される。
また、実施例2の背圧規制弁1によれば、第2スプリング室51に大気圧が導入されているので、数式8において受圧面積A2を実質的にゼロとみなすことで、開弁圧Pbを一定の値K1・X1/Aに設定することができる条件式を下記の数式9のように求めることができる。
〔数式9〕
A(K1+K2)=K1・A1
すなわち、数式9を満たすようにシート面積A、受圧面積A1、およびバネ定数K1、K2を設定すれば、タンク5の内圧Ptに係わらず、背圧規制弁1の開弁圧Pbが変動することを回避できる。
なお、実施例2の背圧規制弁1によれば、第2スプリング室51が大気室50として機能し、第2スプリング室51におけるピストン37の大気圧の受圧面積は受圧面積A1に略一致する。
〔参考例1〕
参考例1の背圧規制弁1は、図5に示すように、自身の温度に応じて伸縮するサーミスタ59と、第1スプリング38の両端の内で弁体31に支持される端部とは逆の端部を支持するとともに、サーミスタ59の伸縮により変位する座部材60とを備える。そして、シリンダ43には、図示左側から右側に向かって順次に弁体31、第1スプリング38、座部材60、第2スプリング39が直列に収容され、サーミスタ59は第1スプリング38と並列に収容され、弁体31および座部材60の変位方向、サーミスタ59および第1、第2スプリング38、39の伸縮方向は全て略一致する。
また、第2スプリング力は、第1スプリング力よりも充分に大きな強さに設定されており、この強力な第2スプリング力により座部材60とサーミスタ59とは常に当接状態を維持する。このため、サーミスタ59が自身の温度に応じて伸縮すると、座部材60が変位して第1スプリング力が可変される。
また、シリンダ43には開口部49を介してタンク5の内圧Ptが導入される。そして、シリンダ43の内部温度(つまり、シリンダ43に満たされたDMEの液温)は、タンク5の内圧Pt、すなわちDMEの飽和蒸気圧に応じて変化するから、結果的に、シリンダ43の内部温度はタンク5の内部温度に応じて変化する。つまり、サーミスタ59の温度はタンク5の内部温度やタンク5の内圧Ptに応じて変化する。
以上により、参考例1の背圧規制弁1は、タンク5の内部温度に応じてサーミスタ59の温度を変化させ、この温度変化に伴うサーミスタ59の伸縮に応じて座部材60を変位させることで、第1スプリング38を伸縮して第1スプリング力を可変する。
なお、参考例1の背圧規制弁1は、タンク5の内部温度とサーミスタ59の温度との間で高い相関を維持する必要があるので、背圧規制弁1とタンク5との距離をできるだけ小さくすることが好ましい。このため、例えば、タンク5の内部温度とサーミスタ59の温度とが略一致するように、背圧規制弁1をタンク5の内部に装備してもよい。
〔参考例2〕
参考例2の背圧規制弁1は、図6に示すように、通電により磁気吸引力を発生するソレノイドコイル62と、第1スプリング38の両端の内で弁体31に支持される端部とは逆の端部を支持して座部材として機能するとともに、ソレノイドコイル62の磁気吸引力により変位するアーマチャ63とを備える。そして、シリンダ43には、図示左側から右側に向かって順次に、弁体31、第1スプリング38、アーマチャ63、および第2スプリング39が直列に収容され、弁体31およびアーマチャ63の変位方向、ならびに第1、第2スプリング38、39の伸縮方向は全て略一致する。
また、ソレノイドコイル62への通電量は、タンク5の内圧Ptを検出する圧力センサ64からの出力に応じてECU9により可変される。すなわち、ECU9は、ソレノイドコイル62、可変抵抗器65および電源66からなる電気回路において、圧力センサ64からの出力に応じて可変抵抗器65の抵抗値を操作することでソレノイドコイル62への通電量を可変する。そして、ソレノイドコイル62への通電量が可変されることでアーマチャ63に作用する磁気吸引力が変化するので、アーマチャ63が変位して第1スプリング力が可変される。
以上により、参考例2の背圧規制弁1は、タンク5の内圧Ptに応じてソレノイドコイル62への通電量を可変し、この通電量の可変に伴う磁気吸引力の変化に応じてアーマチャ63を変位させることで、第1スプリング38を伸縮して第1スプリング力を可変する。
なお、参考例2の背圧規制弁1によれば、ソレノイドコイル62への通電量を増やして磁気吸引力を強化することで、第1スプリング力を強制的に弱めることができる。このため、例えば、エンジン停止時等に、第1スプリング力を強制的に弱めて弁体31を開弁方向に変位させ、戻り流路10のDMEをパージすることができる。つまり、背圧規制弁1をパージ弁として機能させることができる。
〔変形例〕
実施例1の背圧規制弁1によれば弁体31はボール状であり、実施例2の背圧規制弁1によれば弁体31はスプール状であったが、弁体31の形状はこれらの形態に限定されず、実施例1の弁体31をスプール状にしてもよく、実施例2の弁体31をボール状にしてもよい
また、実施例1、2の背圧規制弁1によれば、弁体31を閉弁方向に付勢する付勢部材は、コイル状に設けられて軸方向に付勢力を及ぼす第1スプリング38であったが、このような形態に限定されず、例えば、板バネのように板状に設けられて弾性を発揮する部材を付勢部材として採用してもよく、蛇腹状に設けられて圧縮反力を蓄えることができる部材を付勢部材として採用してもよい。
燃料噴射装置の全体図である(実施例1)。 インジェクタの説明図である(実施例1)。 背圧規制弁の説明図である(実施例1)。 背圧規制弁の説明図である(実施例2)。 背圧規制弁の説明図である(参考例1)。 背圧規制弁の説明図である(参考例2)。
1 背圧規制弁
2 インジェクタ
5 タンク
10 戻り流路
17 噴射弁体
21 背圧室
31 弁体
37 ピストン(座部材)
38 第1スプリング(付勢部材
t 内圧(タンクの内部圧力)

Claims (1)

  1. インジェクタの背圧室から流出した液化気体燃料をタンクに戻すための戻り流路に配されて、前記インジェクタの噴射弁体を閉弁方向に付勢する背圧を規制する背圧規制弁において、
    前記戻り流路を開閉する弁体と、この弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、この付勢部材の両端の内で前記弁体に支持される端部とは逆の端部を支持する座部材とを備え、
    この座部材に前記タンクの内部圧力および大気圧が互いに逆方向に作用し、
    前記タンクの内部圧力と大気圧との差分に応じて前記座部材が変位することで、前記弁体に作用する前記付勢部材の付勢力が可変されて前記弁体の開弁圧が一定に保たれることを特徴とする背圧規制弁
JP2007175363A 2007-07-03 2007-07-03 背圧規制弁 Expired - Fee Related JP4462296B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007175363A JP4462296B2 (ja) 2007-07-03 2007-07-03 背圧規制弁
CN2008101295885A CN101338720B (zh) 2007-07-03 2008-07-02 用于燃料喷射器的背压调节阀

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007175363A JP4462296B2 (ja) 2007-07-03 2007-07-03 背圧規制弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009013841A JP2009013841A (ja) 2009-01-22
JP4462296B2 true JP4462296B2 (ja) 2010-05-12

Family

ID=40212869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007175363A Expired - Fee Related JP4462296B2 (ja) 2007-07-03 2007-07-03 背圧規制弁

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4462296B2 (ja)
CN (1) CN101338720B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5551037B2 (ja) * 2010-09-28 2014-07-16 株式会社ディーゼルユナイテッド ガス噴射弁
CN107524551B (zh) * 2017-08-31 2020-01-31 重庆红江机械有限责任公司 一种带保压结构的微喷电控喷油器
JP6982439B2 (ja) * 2017-09-08 2021-12-17 川崎重工業株式会社 船舶
CN108317031B (zh) * 2018-02-09 2020-07-17 中国第一汽车股份有限公司 燃料供给保持阀
CN109728327A (zh) * 2019-02-26 2019-05-07 河北工业大学 共轨喷射装置以及具有它的燃料电池系统和车辆

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1009528C2 (nl) * 1998-06-30 2000-01-04 Vialle Beheer B V Brandstofsysteem voor vloeibaar gemaakt gas.
DE10158789A1 (de) * 2001-11-30 2003-07-10 Bosch Gmbh Robert Brennstoffeinspritzventil
JP3786002B2 (ja) * 2001-12-14 2006-06-14 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の高圧燃料供給装置
JP2005069135A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Toyota Motor Corp 燃料噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101338720A (zh) 2009-01-07
CN101338720B (zh) 2011-03-02
JP2009013841A (ja) 2009-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9273638B2 (en) Variable pressure gaseous fuel regulator
EP2055925B1 (en) Fuel injection metering valves
EP1264228B1 (en) High volume electronic gas regulator
JP4462296B2 (ja) 背圧規制弁
US7966994B2 (en) System for metering a fuel supply
AU2008206789B2 (en) Pressure regulator
US10612503B2 (en) Dual-fuel injector
JP2013204441A (ja) 気体燃料用圧力制御装置
JP2008215130A (ja) ガスエンジンのインジェクタ制御装置
US8006668B1 (en) Electronic pressure regulator
US8176897B1 (en) Electronic pressure regulator
US6205981B1 (en) Fuel recirculation for direct injection fuel system using a high pressure variable venturi pump
WO2004015262A1 (ja) ガス燃料供給装置
US20150253783A1 (en) Pressure reducing valve and pressure regulating device
US8136506B1 (en) Electronic pressure regulator
JP2009030563A (ja) インジェクタ
WO2012164650A1 (ja) プレッシャレギュレータ
JP4877248B2 (ja) 燃料噴射弁
WO2017145560A1 (ja) 燃料噴射装置
JP5846448B2 (ja) 気体燃料用圧力制御装置
WO2017150978A1 (en) Gaseous fluid conditioning module
JP6270649B2 (ja) 流量調整弁及び圧力調整装置
KR20090008994A (ko) 엘피아이 엔진의 연료시스템용 압력가변형 레귤레이터
JP6828443B2 (ja) 燃料噴射装置
WO2018037713A1 (ja) 燃料噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4462296

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140226

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees