JP4462204B2 - ハイブリッド車両およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両およびその制御方法に関する。
従来から、この種のハイブリッド車両として、第1モータジェネレータ、内燃機関、出力ギヤ、第2モータジェネレータが共線図上でこの順番の回転速度をもつように連結されたラビニョウ型複合遊星歯車列を有するハイブリッド駆動系を搭載したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このハイブリッド車両では、内燃機関の動作点が最適燃費線上にくるように変速比が設定され、この変速比に基づいて算出された第1および第2モータジェネレータの回転速度のうち一方の回転速度が過回転と判断された場合には、内燃機関の回転数を補正して第1または第2モータジェネレータの回転速度を低下させている。なお、従来から、前後輪の何れか一方の車輪を内燃機関によって駆動し、他方の車輪を当該内燃機関により駆動されるオルタネータからの電力により作動する電動モータによって駆動自在な4輪駆動車両も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この車両では、車両のスリップ状態を反映して前後輪の駆動力配分を最適化し、ドライブフィーリングを良好に保つべく、車両のスリップ状態が検出されたときに内燃機関の回転数と車速との少なくとも何れかが閾値を超える場合には、前輪と後輪との回転数との差に応じた発電をオルタネータに行わせる一方、内燃機関の回転数と車速との少なくとも何れかが当該閾値を超えない場合には、内燃機関に対する負荷を抑制させている。また、従来から、複数のモータを駆動源として備えた電気自動車として、瞬間定格での連続運転を回避してモータの焼き付きを抑制すべく、各モータの温度に応じて各別に制限された最大出力を設定すると共に、この最大出力の範囲内で走行に必要な出力を各モータで分担する出力セットを複数設定し、全消費電力が最小となる出力セットに従って各モータに制御指令を出力するものも知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2004−153946号公報 特開2005−153956号公報 特開平7−46721号公報
ところで、従来から、ハイブリッド車両として、何れかの車軸、内燃機関の出力軸、および発電機に接続された3つの回転要素を有する動力入出力装置と、当該車軸に動力を入出力する電動機とを備えたハイブリッド車両が知られている。このようなハイブリッド車両においては、上記何れかの車軸に連結された車輪がスリップすると、電動機の回転数が急速に高まり、それに伴って内燃機関の回転数も高まることになるが、その後スリップが解消されて車輪のグリップ力が回復すると、今度は電動機の回転数が急速に低下し、それに伴い、発電機が一時的に過回転となってその回転数が制御上の許容回転数を超えてしまい、発電機のシャフトや軸受の焼き付き等が発生するおそれが生じる。
そこで、本発明によるハイブリッド車両およびその制御方法は、車輪のスリップに伴って発生するおそれがある電動機の過回転を抑制することを目的の一つとする。また、発明によるハイブリッド車両およびその制御方法は、そのような電動機の過回転を抑制して車両の信頼性を向上させることを目的の一つとする。
本発明によるハイブリッド車両およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による第1のハイブリッド車両は、
内燃機関と、
何れかの車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する動力入出力手段と、
前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、
前記車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
前記第1および第2電動機のそれぞれと電力をやり取り可能な蓄電手段
前記車軸に連結された車輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記スリップ検出手段により前記車輪のスリップが検出されていないときには、第1の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する一方、前記スリップ検出手段により前記車輪のスリップが検出されているときには、前記第1の制約に比べて前記第1電動機の制御上の許容回転数を小さくする第2の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御手段と、を備えるものである。
このハイブリッド車両は、何れかの車軸と内燃機関と第1電動機とに接続される3軸式の動力入出力手段と、当該車軸に動力を入出力可能な電動機とを備えるものである。そして、このハイブリッド車両では、車軸に連結された車輪のスリップが検出されていないときには、第1の制約に従った第1電動機の回転数の設定を伴って走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように内燃機関と第1電動機と第2電動機とが制御される一方、車輪のスリップが検出されているときには、第1の制約に比べて第1電動機の制御上の許容回転数を小さくする第2の制約に従った第1電動機の回転数の設定を伴って要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように内燃機関と第1電動機と第2電動機とが制御される。このように、車軸に連結された車輪のスリップが検出されているときに、車輪のスリップが検出されていないときに比べて第1電動機の制御上の許容回転数を小さくしながら第1電動機の回転数の設定を行えば、スリップが解消されて車輪のグリップ力が回復し、電動機の回転数が急速に低下しても、第1電動機の回転数の過剰な高まりを抑制することができる。これにより、車輪のスリップに起因する第1電動機のトラブルを抑制してハイブリッド車両の信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明による第1のハイブリッド車両は、前記車輪の回転速度である車輪速を検出する車輪速検出手段を更に備えてもよく、前記スリップ検出手段は、前記検出される車輪速に基づいて前記車輪のスリップを検出するものであってもよい。
更に、本発明による第1のハイブリッド車両は、前記第1電動機、前記第2電動機および前記車軸のうちの何れかの回転数を検出する回転数検出手段を更に備えてもよく、前記スリップ検出手段は、前記検出される回転数に基づいて前記車輪のスリップを検出するものであってもよい。
そして、本発明による第1のハイブリッド車両は、前記車輪のスリップの程度に応じて前記第2の制約における前記許容回転数を変更する手段を更に備えてもよい。このように、車輪のスリップの程度に応じて第1電動機の制御上の許容回転数を変更すれば、必要以上に第1電動機の回転数を抑えてしまうことを抑制できるので、要求駆動力に基づく駆動力の出力に際してのエネルギ効率を良好に保つことが可能となる。
本発明による第2のハイブリッド車両は、
内燃機関と、
何れかの車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する動力入出力手段と、
前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、
前記車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
前記第1および第2電動機のそれぞれと電力をやり取り可能な蓄電手段
前記第1電動機、前記第2電動機および前記車軸のうちの何れかの回転角加速度を検出する回転角加速度検出手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記検出された回転角加速度が所定の閾値未満であるときには、第1の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する一方、前記検出された回転角加速度が前記閾値以上であるときには、前記第1の制約に比べて前記第1電動機の制御上の許容回転数を小さくする第2の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えるものである。
一般に、車軸に連結された車輪がスリップすると第1電動機、第2電動機および車軸のうちの何れかの回転角加速度が急速に高まるので、このハイブリッド車両のように、第1電動機、第2電動機および車軸のうちの何れかの回転角加速度が所定の閾値以上であるときに、当該回転角加速度が当該閾値未満であるときに比べて第1電動機の制御上の許容回転数を小さくしながら第1電動機の回転数の設定を行えば、スリップが解消されて車輪のグリップ力が回復し、電動機の回転数が急速に低下しても、第1電動機の回転数の過剰な高まりを抑制することができる。これにより、車輪のスリップに起因する第1電動機のトラブルを抑制してハイブリッド車両の信頼性を向上させることが可能となる。
本発明による第1のハイブリッド車両の制御方法は、内燃機関と、何れかの車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、前記車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1および第2電動機のそれぞれと電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えたハイブリッド車両の制御方法であって、
(a)前記車軸に連結された車輪のスリップを検出するステップと、
(b)ステップ(a)で前記車輪のスリップが検出されていないときには、第1の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する一方、ステップ(a)で前記車輪のスリップが検出されているときには、前記第1の制約に比べて前記第1電動機の制御上の許容回転数を小さくする第2の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御するステップと、
を含むものである。
この方法のように、車軸に連結された車輪のスリップが検出されているときに、車輪のスリップが検出されていないときに比べて第1電動機の制御上の許容回転数を小さくしながら第1電動機の回転数の設定を行えば、スリップが解消されて車輪のグリップ力が回復し、電動機の回転数が急速に低下しても、第1電動機の回転数の過剰な高まりを抑制することができる。これにより、車輪のスリップに起因する第1電動機のトラブルを抑制してハイブリッド車両の信頼性を向上させることが可能となる。
本発明による第2のハイブリッド車両の制御方法は、内燃機関と、何れかの車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、前記車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1および第2電動機のそれぞれと電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えたハイブリッド車両の制御方法であって、
(a)第1電動機、前記第2電動機および前記車軸のうちの何れかの回転角加速度を検出するステップと、
(b)ステップ(a)で検出された回転角加速度が所定の閾値未満であるときには、第1の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する一方、ステップ(a)で検出された回転角加速度が前記閾値以上であるときには、前記第1の制約に比べて前記第1電動機の制御上の許容回転数を小さくする第2の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御するステップと、
を含むものである。
この方法のように、第1電動機、第2電動機および車軸のうちの何れかの回転角加速度が所定の閾値以上であるときに、当該回転角加速度が当該閾値未満であるときに比べて第1電動機の制御上の許容回転数を小さくしながら第1電動機の回転数の設定を行えば、車輪がスリップした後にそのスリップが解消されて車輪のグリップ力が回復し、電動機の回転数が急速に低下しても、第1電動機の回転数の過剰な高まりを抑制することができる。これにより、車輪のスリップに起因する第1電動機のトラブルを抑制してハイブリッド車両の信頼性を向上させることが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係るハイブリッド自動車の概略構成図である。図1に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された車軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70とを備える。
エンジン22は、燃料タンク23からガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。なお、エンジンECU24に入力される信号には、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ121からのクランクポジション、吸気管に設けられた吸気温度センサ122からの吸気温度Tin、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ123からの冷却水温Tw等を示す信号の他に、燃焼室内の圧力である筒内圧力を検出する圧力センサからの筒内圧力、燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジション、スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジション、吸気管に設けられたエアフローメータからの吸入空気量等を示す信号が含まれる。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、何れも発電機として作動することができると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやり取りを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の何れかで発電される電力を他のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2の何れかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになり、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、何れもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tb等が入力されている。バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70やエンジンECU24に出力する。なお、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCも算出している。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッドECU70には、燃料タンク23に設けられた燃料残量計23aからの燃料残量Frや、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速V、各駆動輪39a,39bに設けられて対応する駆動輪39a,39bの回転速度である車輪速を検出する車輪速センサ89a,89bからの車輪速Vwa,Vwb等が入力ポートを介して入力される。ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52と各種制御信号やデータのやり取りを行なっている。
上述のように構成された本実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*が計算され、この要求トルクTr*に対応する動力がリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するように運転制御するモータ運転モード等がある。
次に、本実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2は、本実施例のハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
図2の駆動制御ルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、車速センサ88からの車速V、車輪速センサ89a,89bからの駆動輪39a,39bの車輪速Vwa,Vwb、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、バッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*、バッテリ50の入出力制限Win,Woutといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。この場合、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。充放電要求パワーPb*は、バッテリECU52から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の充電に許容される電力である充電許容電力としての入力制限Winと、その放電に許容される電力である放電許容電力としての出力制限Woutとは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定すると共に、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定可能である。図3に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ステップS100のデータ入力処理の後、入力したアクセル開度Acc、車速VおよびシフトポジションSPに基づいて駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と、走行に際してエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。本実施例では、アクセル開度Accおよび車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accおよび車速Vが与えられると当該マップからこれらに対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。また、本実施例では、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)を乗じたものとバッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*(ただし、充電要求側を正とする)とロスLossとの和として要求パワーPe*を設定するものとした。次いで、ステップS110で設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。本実施例では、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとした。図6に、エンジン22の動作ラインと目標回転数Ne*と目標トルクTe*との相関曲線とを例示する。同図に示すように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定となること示す相関曲線との交点から求めることができる。
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定したならば、例えばステップS100にて入力した車速Vと車輪速Vwa,Vwbとを比較することにより駆動輪39a,39bの少なくとも何れかがスリップしているか否かを判定する(ステップS130)。そして、駆動輪39a,39bの何れもがスリップしていない場合には、モータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxを通常時用の値Nm1max0に設定する(ステップS140)。モータMG1の通常時における制御上の許容回転数Nm1max0は、モータの定格回転数等に基づいて予め定められるものであり、本実施例では例えば13000rpmとされる。続いて、ステップS120にて設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて次式(1)に従いモータMG1の仮目標回転数Nm1tmpを計算し(ステップS150)、計算した仮目標回転数Nm1tmpを許容回転数Nm1maxで制限することによりモータMG1の目標回転数Nm1*を設定する(ステップS160)。このようにしてモータMG1の目標回転数Nm1*を設定することにより、基本的にモータMG1の回転数Nm1が許容回転数Nm1max(=Nm1max0)を超えないようにモータMG1を駆動制御することが可能となる。更に、ステップS160にて設定した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて次式(2)を用いた計算によりモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS170)。
ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に関連する力学的な関係式である。動力分配統合機構30における各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を表す共線図の一例を図7に示す。図中、左側のS軸はモータMG1の回転数Nm1に一致するサンギヤ31の回転数を示し、中央のC軸はエンジン22の回転数Neに一致するキャリア34の回転数を示し、右側のR軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。また、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1からトルクTm1を出力したときにこのトルク出力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。モータMG1の仮目標回転数Nm1tmpを求めるための式(1)は、この共線図における回転数の関係を用いれば容易に導くことができる。なお、式(1)中のρは、動力分配統合機構30のギヤ比(サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数)である。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt …(2)
トルク指令Tm1*を設定したならば、次式(3)および式(4)に従ってステップS100で入力したバッテリ50の出力制限Woutまたは入力制限Winと、設定したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力との偏差をモータMG2の回転数Nm2で除することによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmax,Tminを計算する(ステップS180)。更に、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて次式(5)に従ってモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを計算し(ステップS190)、計算した仮モータトルクTm2tmpをトルク制限Tmax,Tminで制限することによりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS200)。このようにしてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、リングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を基本的にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内に制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、図7の共線図から容易に導き出すことができる。こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS210)、本ルーチンを一旦終了させる。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを得るための制御を実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*に従ってモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*に従ってモータMG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
Tmax=(Wout*−Tm1*・Nm1)/Nm2 …(3)
Tmin=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2 …(4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(5)
ところで、ハイブリッド自動車20の走行中に車軸としてのリングギヤ軸32aに連結された駆動輪39a,39bの少なくとも何れかがスリップすると、図8において一点鎖線で示すように、リングギヤ軸32aに接続されたモータMG2の回転数Nm2が急速に高まると共にエンジン22の回転数Neも高まることになるが、その後スリップが解消されて駆動輪39a,39bのグリップ力が回復すると、今度は、図8において二点鎖線で示すようにモータMG2の回転数Nm2が急速に低下し、それに伴い、モータMG1が同図において二点鎖線で示すように一時的に過回転となってその回転数Nm1が通常時における制御上の許容回転数Nm1max(=Nm1max0)を超えてしまい、それによりモータMG1のシャフトや軸受の焼き付き等が発生するおそれがある。このため、ステップS130にて駆動輪39a,39bの少なくとも何れかがスリップしていると判断された場合には、モータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxを通常時用の値Nm1max0から値γを減じた車輪スリップ時用の値(Nm1max0−γ)に設定する(ステップS220)。本実施例では、ステップS220にて用いられる値γの値が例えば3000rpmと定められており、車輪スリップ時には、許容回転数Nm1maxが10000rpmとされる。そして、ステップS220においてモータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxが設定されると、その後、上述のステップS150〜S210の処理が実行されることになる。
以上説明したように、本実施例のハイブリッド自動車20では、車軸としてのリングギヤ軸32aに連結された駆動輪39a,39bの少なくとも何れかのスリップが検出されていないときには、通常時用の許容回転数Nm1max0を用いるという第1の制約に従ったモータMG1の目標回転数Nm1*の設定(ステップS140〜S160)を伴って走行に要求される要求トルクTr*に基づく駆動力が出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。これに対して、リングギヤ軸32aに連結された駆動輪39a,39bの少なくとも何れかのスリップが検出されているときには、通常時用の許容回転数Nm1max0から値γだけ小さくした制御上の許容回転数Nm1maxを用いるという第2の制約に従ったモータMG1の目標回転数Nm1*の設定(ステップS220,S150,S160)を伴って走行に要求される要求トルクTr*に基づく駆動力が出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。このように、リングギヤ軸32aに連結された駆動輪39a,39bのスリップが検出されているときには、駆動輪39a,39bの何れもがスリップしていない通常時に比べてモータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxを小さくしながらモータMG1の目標回転数Nm1*の設定を行えば、スリップが解消されて駆動輪39a,39bのグリップ力が回復し、モータMG2の回転数Nm2が急速に低下しても、モータMG1の回転数Nm1の過剰な高まりを抑制することができる。これにより、駆動輪39a,39bのスリップに起因するモータMG1の焼き付きといったトラブルを抑制してハイブリッド自動車20の信頼性を向上させることが可能となる。
なお、本実施例においては、リングギヤ軸32aに連結された駆動輪39a,39bの少なくとも何れかのスリップが検出されているときに、制御上の許容回転数Nm1maxを通常時用の許容回転数Nm1max0よりも一定の値γだけ小さくしているが、これに限られるものではない。すなわち、駆動輪39a,39bのスリップの程度に応じて通常時用の許容回転数Nm1max0から減じる値γを変更してもよい。この場合、例えば駆動輪39a,39bの車輪速Vwa,Vwbと車速Vとの偏差と値γとの関係を規定するマップを予め用意しておき、駆動輪39a,39bの少なくとも何れかのスリップが検出されているときには、このマップから当該偏差に対応する値γを導出して設定すればよい。このように、駆動輪39a,39bのスリップの程度に応じてモータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxを変更すれば、必要以上にモータMG1の回転数Nm1を抑えてしまうことを抑制できるので、要求トルクTr*に基づく駆動力の出力に際してのエネルギ効率を良好に保つことが可能となる。
次に、本発明の第2の実施例に係るハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2の実施例のハイブリッド自動車20Bは、第1の実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成を有するものである。従って、以下、重複した説明を回避するために、第2の実施例のハイブリッド自動車20Bについては、第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の符号を用いるものとし、詳細な説明を省略する。第2の実施例において、ハイブリッド自動車20BのハイブリッドECU70は、図2の駆動制御ルーチンに代えて図9の駆動制御ルーチンを実行する。なお、この駆動制御ルーチンも所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行されるものである。
図9の駆動制御ルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、まず、アクセル開度Acc、車速V、モータMG2の回転角加速度αmg2、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、バッテリ50の充放電要求パワーPb*や入出力制限Win,Woutといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS105)。この場合、モータMG2の回転角加速度αmg2は、回転位置検出センサ44により検出されるモータMG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。続いて、要求トルクTr*および要求パワーPe*の設定(ステップS110)と、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*の設定(ステップS120)を行った後、ステップS100で入力したモータMG2の回転角加速度αmg2が予め定められている閾値αref(正の値)以上であるか否かを判定する(ステップS135)。そして、回転角加速度αmg2が閾値αref未満であれば、モータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxを通常時用の値Nm1max0(例えば、13000rpm)に設定する一方(ステップS145)、回転角加速度αmg2が閾値αref以上であれば、モータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxを通常時用の値Nm1max0から値γ(例えば、3000rpm)を減じた車輪スリップ時用の値(Nm1max0−γ)に設定し(ステップS225)、上述のステップS150〜S210の処理を実行する。
すなわち、車軸としてのリングギヤ軸32aに連結された駆動輪39a,39bの少なくとも何れかがスリップするとリングギヤ軸32aに動力を入出力可能なモータMG2の回転角加速度αmg2が急速に高まるので、モータMG2の回転角加速度αmg2が閾値αref以上であるときには、当該回転角加速度αmg2が閾値αref未満であるときに比べてモータMG1の制御上の許容回転数Nm1maxを通常時用の値Nm1max0よりも値γだけ小さくしながらモータMG1の目標回転数Nm1*の設定を行えば、スリップが解消されて駆動輪39a,39bのグリップ力が回復し、モータMG2の回転数Nm2が急速に低下しても、モータMG1の回転数Nm1の過剰な高まりを抑制することができる。これにより、駆動輪39a,39bのスリップに起因するモータMG1の焼き付きといったトラブルを抑制してハイブリッド自動車20の信頼性を向上させることが可能となる。
なお、本実施例においても、モータMG2の回転角加速度αmg2が閾値αref以上であるときに、モータMG2の回転角加速度αmg2の値に応じて通常時用の許容回転数Nm1max0から減じる値γを変更してもよい。この場合、回転角加速度αmg2と閾値αrefとの偏差と値γとの関係を規定するマップを予め用意しておき、駆動輪39a,39bの少なくとも何れかのスリップが検出されているときには、このマップから当該偏差に対応する値γを導出して設定すればよい。これにより、必要以上にモータMG1の回転数Nm1を抑えてしまうことを抑制できるので、要求トルクTr*に基づく駆動力の出力に際してのエネルギ効率を良好に保つことが可能となる。また、本実施例では、モータMG2の回転角加速度αmg2を用いてリングギヤ軸32aに連結された駆動輪39a,39bのスリップの有無を実質的に判定しているが、ステップS135では、モータMG2の回転角加速度αmg2の代わりに、モータMG1の回転角加速度αmg1を用いて判定を行ってもよく、リングギヤ軸32aに回転位置検出センサ等を設けてリングギヤ軸32aの回転角加速度を用いて判定を行ってもよい。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記各実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
すなわち、上記各実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、駆動軸としてのリングギヤ軸32aとモータMG2とがモータMG2の回転数を減速してリングギヤ軸32aに伝達する減速ギヤ35を介して連結しているが、減速ギヤ35の代わりに、例えばHi,Loの2段の変速段あるいは3段以上の変速段を有し、モータMG2の回転数を変速してリングギヤ軸32aに伝達する変速機を採用してもよい。
また、上記各実施例のハイブリッド自動車20、20Bは、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものであるが、図10に示す変形例としてのハイブリッド自動車20Cのように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有する対ロータ電動機230によりエンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換するようにしてもよい。
本発明の第1の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。 第1実施例のハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインと目標回転数Ne*と目標トルクTe*との相関曲線とを例示する説明図である。 動力分配統合機構30における各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を例示する共線図である。 駆動輪39a,39bの少なくとも何れかがスリップしたときに動力分配統合機構30における各回転要素の回転数の変化を例示する共線図である。 本発明の第2実施例に係るハイブリッドECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車20Cの概略構成図である。
符号の説明
20,20B,20C ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 燃料タンク、23a 燃料残量計、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、65 変速機、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89a,89b 車輪速センサ、121 クランクポジションセンサ、122 吸気温度センサ、123 水温センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と、
    何れかの車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する動力入出力手段と、
    前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、
    前記車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
    前記第1および第2電動機のそれぞれと電力をやり取り可能な蓄電手段と、
    前記車軸に連結された車輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記スリップ検出手段により前記車輪のスリップが検出されていないときには、予め定められた回転数を前記第1電動機の制御上の許容回転数とする第1の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する一方、前記スリップ検出手段により前記車輪のスリップが検出されているときには、前記第1の制約に比べて前記許容回転数を小さくする第2の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車両。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両において、
    前記車輪の回転速度である車輪速を検出する車輪速検出手段を更に備え、
    前記スリップ検出手段は、前記検出される車輪速に基づいて前記車輪のスリップを検出するハイブリッド車両。
  3. 請求項1に記載のハイブリッド車両において、
    前記第1電動機、前記第2電動機、および前記車軸のうちの何れかの回転数を検出する回転数検出手段を更に備え、
    前記スリップ検出手段は、前記検出される回転数に基づいて前記車輪のスリップを検出するハイブリッド車両。
  4. 前記車輪のスリップの程度に応じて前記第2の制約における前記許容回転数を変更する手段を更に備える請求項1から3の何れかに記載のハイブリッド車両。
  5. 内燃機関と、何れかの車軸と前記内燃機関の出力軸と回転可能な回転軸とに接続され、これら3軸のうちの何れか2軸に入出力される動力に基づいて定まる動力を残余の軸に入出力する動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な第1電動機と、前記車軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1および第2電動機のそれぞれと電力をやり取り可能な蓄電手段とを備えたハイブリッド車両の制御方法であって、
    (a)前記車軸に連結された車輪のスリップを検出するステップと、
    (b)ステップ(a)で前記車輪のスリップが検出されていないときには、予め定められた回転数を前記第1電動機の制御上の許容回転数とする第1の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って走行に要求される要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する一方、ステップ(a)で前記車輪のスリップが検出されているときには、前記第1の制約に比べて前記許容回転数を小さくする第2の制約に従った前記第1電動機の回転数の設定を伴って前記要求駆動力に基づく駆動力が出力されるように前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御するステップと、
    を含むハイブリッド車両の制御方法。
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