JP4461956B2 - 磁気センサ - Google Patents
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Description
周知のように、ホール素子を用いた磁気センサは、例えば振動・回転する機械等に取り付けられ、非接触で微小な位置変動やモータの回転態様等を検出する。このホール素子は半導体片にリード線を4本取り付けた構造の磁気検出用素子である。このホール素子に電流を流し、電流に対して直角な方向に磁界を加えると、電流と磁界の双方に対して直角方向に電位差を生ずる。この電位差をホール電圧と呼ぶ。
"トランジスタ技術",p107−p112(6,2003) Predrag M.Drljaca,etal,"High Sensitivity Hall Magnetic Sensors Using Planar Micro and Macro Flux Concentrators",TRANSDUCERS’01,EUROSENSORS XV,The 11th International Conference on Soild−State Sensors and Actuators,Munich,Germany,June 2001
一方、近年は、ハイブリッド自動車や、燃料電池自動車等の開発が進み、大容量モータを搭載した自動車が開発されつつある。このため、大容量モータを駆動させるバッテリの充放電の制御を精度良く行う必要性が出てきた。そこで、磁束密度(磁界)の変化をリニアに測定できるといった特性を利用して、電流センサとしてホール素子を使うことが考えられている。なお、このようにホール素子を電流センサとして使う場合には、一様な磁界内においた導体に電流を流すと磁界が変化するといった特性を利用する。
また、上記構成によれば、切り替え手段は、出力される電気信号を測定し、該測定した電気信号がホール素子による測定範囲の限界を超えると判断されるとき、電気信号の増幅倍率を切り替えることとしているため、電気信号の測定範囲の限界から0V付近までのフルレンジを有効に利用して、低磁束密度から高磁束密度までをリニア(線形)に検出することが可能となる。
加えて、上記構成によるように、切り替え手段は、増幅倍率を切り替えたのち、出力される電気信号を再度測定し、該測定した電気信号が前記ホール素子による測定範囲の限界を超えると判断されるとき、駆動電流を切り替えることとすれば、ホール素子による測定範囲の限界を監視しながら、リアルタイムに駆動電流を切り替えることができるようになる。またこれにより、上記電気信号がホール素子による測定範囲の限界を超えると判断される間、繰り返し、駆動電流を切り替えることも可能となる。
この実施の形態にかかる磁気センサは、例えば燃料電池車等の車両に搭載されて、燃料電池や、バッテリと電気的に接続されている導体に流れる電流をホール素子による磁束密度の測定のもとに検出するセンサを想定している。ちなみに、こうして測定される磁束密度とホール電圧とは比例関係にあることから、上記導体を流れる電流に応じて磁束密度が変化すれば、そのときのホール素子を求めることで、この流れる電流量を検出することができる。
まず、図1はこの実施の形態にかかる磁気センサで測定される磁束密度とホール素子から出力されるホール電圧との関係を示したものである。なお、図1において、横軸は測定される磁束密度を示し、左縦軸は出力されるホール電圧を、さらに右縦軸は磁気センサによって測定されるホール電圧を400倍に増幅した出力電圧をそれぞれ示している。また、同図1中、4mA〜32mAとして示される4本の線分は、ホール素子の各駆動電流を示しており、電源電圧5.0Vを測定範囲の限界としている。ちなみに、ホール素子の駆動電流が大きいほど上記線分の傾きは急になり、一方、ホール素子の駆動電流が小さいほど上記線分の傾きはなだらかとなる。そして、上記各駆動電流は出力電圧(ホール電圧)が5.0Vを超えると次第に飽和領域に入り、最終的には傾きがゼロの一定値となる。
図4に示されるように、この磁気センサは、定電流駆動の回路であり、大きくは、抵抗素子Rh1〜Rh4から構成されるホール素子Hと、該ホール素子Hを通じて検出された電気信号を増幅も含めて所要に処理する出力回路10とを備えている。また、上記ホール素子Hから出力される電気信号(電圧)の増幅信号を監視しつつ、上述した駆動電流の切り替えを行う切り替え手段としての切り替え回路20およびスイッチング素子S1〜S4を併せて備えている。すなわち、上述のように、この磁気センサは、ホール素子Hを通じて検出される電気信号を監視して、該電気信号の増幅後の出力電圧が測定範囲の限界(電源電圧)を超えていれば、スイッチング素子S1〜S4を通じてホール素子Hの駆動電流を4段階に切り替えることが可能である。
この処理に際しては、まず、スイッチング素子S1を選択的にオン操作して、上記駆動電流を32mAに設定し、磁束密度を測定する(ステップS101)。そして、切り替え回路20は、ホール素子Hから出力されるホール電圧を出力回路10を通じて例えば400倍に増幅して、その出力電圧が電源電圧(5.0V)を超えたか否かを判断する(ステップS102)。ここで、増幅後の出力電圧が電源電圧以下であると判断される場合(ステップS102がNO)には、駆動電流32mAの電流と検出された磁束密度(出力回路10の出力Vout)との関係から検出対象の電流値が算出される(ステップS103)。
(1)切り替え回路20は、ホール素子Hから出力されるホール電圧を出力回路10を介して監視し、該ホール電圧が測定範囲の限界を超えると判断した場合には、スイッチング素子S1〜S4を操作してホール素子Hの駆動電流を切り替えるようにした。これにより、低磁束密度側では、ホール素子Hの駆動電流を大きくして見かけ上の感度を高くし、ホール電圧を高くすることで必要な精度を確保することができる。一方、高磁束密度側では、ホール素子Hの駆動電流を小さくして見かけ上の感度を低くし、測定可能領域を伸ばすことにより、高磁束密度での磁束密度を高感度に検出することができる。
・上記実施の形態では、ホール素子Hの駆動電流の切り替えは、大きい駆動電流から小さい駆動電流まで4段階に行われるとしたが、このホール素子の駆動電流の切り替えは、4段階に限らない任意の段階に切り替えることとしてもよい。
Claims (4)
- 磁界の変化を電気信号に変換するホール素子を備え、ホール素子が測定対象とする導体に電流が流れることによる磁界の変化とホール素子を駆動する駆動電流との協働によって同ホール素子から出力される電気信号に基づいて前記磁界の変化を測定する磁気センサにおいて、
前記ホール素子から出力される電気信号を監視し、該電気信号が前記ホール素子による測定範囲の限界を超えると判断されることに基づいて前記ホール素子を駆動する駆動電流を切り替える切り替え手段を備え、
前記切り替え手段は、前記出力される電気信号を測定し、該測定した電気信号が前記ホール素子による測定範囲の限界を超えると判断されるとき、前記電気信号の増幅倍率をさらに切り替えるとともに、この増幅倍率の切り替えののち、前記出力される電気信号を再度測定し、該測定した電気信号が前記ホール素子による測定範囲の限界を超えると判断されるとき、前記駆動電流を切り替える
ことを特徴とする磁気センサ。 - 前記切り替え手段は、前記駆動電流の切り替えに際し、大きい駆動電流から順次小さい駆動電流へと切り替えるものである
請求項1に記載の磁気センサ。 - 前記出力される電気信号のうち、同電気信号の前記ホール素子による測定範囲の限界との関係で飽和していない領域の最も大きい駆動電流での値が測定対象となる磁界の変化に対する測定値とされる
請求項2に記載の磁気センサ。 - 前記出力される電気信号が前記ホール素子による測定範囲の限界以下であれば、該電気信号を測定対象とする磁界の変化に対する測定値とする
請求項1または2に記載の磁気センサ。
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