JP4461865B2 - グループiiメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗薬 - Google Patents

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Description

本発明は、2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体を有効成分とする医薬に関する。更に詳しくは、統合失調症、不安及びその関連疾患、二極性障害、てんかん等の精神医学的障害、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患の治療及び予防に有効な新規2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体を有効成分とする医薬に関する。
また、本発明は、代謝活性型(メタボトロピック型)グルタミン酸受容体(mGluR)のサブグループIIに属するmGluR2及びmGluR3のアンタゴニストとして作用する化合物が、うつ症状の治療及び予防効果を奏することに関する。
近年、グルタミン酸受容体遺伝子のクロ−ニングが相次ぎ、グルタミン酸受容体には驚異的な数のサブタイプが存在することが明らかとなった。現在、グルミン酸受容体は「受容体がイオンチャネル型構造を持つイオノトロピック型」及び「受容体がG−タンパク質と共役しているメタボトロピック型」の2つに大きく分類されている(非特許文献1参照)。そして、イオノトロピック受容体は薬理学的にN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソキサゾ−ル−4−プロピオネ−ト(AMPA)及びカイネ−トの3種類に分類され(非特許文献1参照)、メタボトロピック受容体はタイプ1〜タイプ8の8種類に分類される(非特許文献2参照)。
また、メタボトロピックグルタミン酸受容体は薬理学的に3つのグループに分類される。この中で、グループII(mGluR2/mGluR3)は、アデニルサイクラーゼと結合し、サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)のホルスコリン刺激性の蓄積を抑制する(非特許文献3参照)ことから、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に拮抗する化合物は急性及び慢性の精神医学的疾患並びに神経学的疾患の治療又は予防に有効であると考えられる。
さらに、現在、抗うつ薬としては、セロトニン再取込阻害剤(SSRI)及びノルアドレナリン再取込阻害剤などが知られているが、これらは発症原因に基づいて創出されたものではない。そのため、こうした薬剤が奏効しない多くの患者が依然としてうつ病に悩まされ、不自由な日常生活を余儀なくされている。そこで、発症原因に基づき、うつ症状の根幹に作用する薬物の創出が求められている。
Science,258,p.597−603,1992年 J.Neurosci., 13, p.1372-1378, 1993; Neuropharmacol., 34, 1-26, 1995年 Trends Pharmacol. Sci., 14, 13(1993年)
本発明は、統合失調症、不安及びその関連疾患、二極性障害、てんかん等の精神医学的障害の治療及び予防、並びに、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患の治療効果及び予防効果を有する薬物であって、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に拮抗する薬物を提供することを目的とする。
また、本発明は、既存の薬剤が有効に作用しないうつ症状の治療及び予防にも効果がある新しいタイプの抗うつ薬を提供することを目的とする。
本発明者らは2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体について鋭意検討した結果、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に拮抗作用を有する新規2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体を見出すと共に、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗作用を有する化合物を被験薬とする動物実験を通し、この種の化合物がうつ症状の治療に極めて有効であるとの知見を得た。
すなわち、本発明は、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗作用を有する化合物を有効成分とする抗うつ薬、及び、新規2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体を有効成分とするグループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗薬に関する。
本発明の態様の一つは、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗作用を有する化合物を有効成分とする抗うつ薬である。
また、本発明の態様の一つは、式[I]
Figure 0004461865
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水酸基、C1-10アルコキシ基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基、ヒドロキシC2-6アルコキシ基、アミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルキル基によって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルコキシC1-6アルキル基によって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のヒドロキシC2-6アルキル基によって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキル基によって置換されたアミノ基、あるいは、NR6-CHR7-A-CO28(R6及びR7は同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシC1-6アルキル基、ヒドロキシカルボニルC1-6アルキル基、C1-10アルキル基、フェニル基、フェニルC1-6アルキル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシフェニルC1-6アルキル基、ナフチル基、ナフチルC1-6アルキル基、芳香族複素環C1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アミノC2-6アルキル基、グアニジノC2-6アルキル基、メルカプトC2-6アルキル基、C1-6アルキルチオC1-6アルキル基、アミノカルボニルC1-6アルキル基を示し、あるいは、R6及びR7は互いに結合して、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を形成する基を示し、互いに結合して環状アミノ基を形成することもできる。R8は水素原子又はカルボキシル基の保護基を示し、Aは単結合、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を示す。)で表される天然型又は非天然型アミノ酸残基を示し、R3は、C1-10アシル基、C1-6アルコキシC1-6アシル基、ヒドロキシC2-10アシル基、C1-6アルコキシカルボニルC1-6アシル基、ヒドロキシカルボニルC1-6アシル基、又はR9-NH-A-CHR7-CO(R7、Aは前記と同義であり、R9は水素原子又はアミノ基の保護基を示す。)で表されるアミノ酸残基を示し、R4及びR5は同一又は異なって、水素原子、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、フェニル基、ナフチル基、ヘテロ原子を1つ以上含む5員複素芳香環、あるいは、ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基を示す。さらに、R4及びR5は、互いに結合して環状構造を形成することもできる。]で表される2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とするグループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗薬である。
本発明により、メタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗薬がうつ症状に有効であることが明らかとなり、新しいタイプの抗うつ薬を提供することが可能となった。
本発明において使用される用語が以下に定義される。
1-10アルコキシ基とは、炭素原子を1〜10個有する直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基を指し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基である。
1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1-6アルコキシ基とは、1又は2個のフェニル基で置換された炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は炭素原子を3〜6個有する分岐鎖状のアルキル基を示し、例えばベンジル基、ジフェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基である。
1-6アルコキシC1-6アルコキシ基とは、C1-6アルコキシ基で置換されたC1-6アルコキシ基を示し、例えば、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、イソプロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、イソブトキシエトキシ基、t−ブトキシエトキシ基、ペンチルオキシエトキシ基、イソペンチルオキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基、イソプロポキシプロポキシ基、ブトキシプロポキシ基、イソブトキシプロポキシ基、t−ブトキシプロポキシ基、ペンチルオキシプロポキシ基、イソペンチルオキシプロポキシ基である。
ヒドロキシC2-6アルコキシ基とは、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されたC2-6アルコキシ基を示し、例えば、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、2,3−ジヒドロキシプロポキシ基である。
同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルキル基によって置換されたアミノ基とは、例えば、N−メチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−ブチル−N−イソプロピルアミノ基である。
同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルコキシC1-6アルキル基よって置換されたアミノ基とは、例えば、N−3−メトキシプロピルアミノ基、N,N−ビス(2−エトキシブチル)アミノ基、N−(2−ブトキシエチル)−N−(1−エトキシプロピル)アミノ基である。
同一又は異なって1若しくは2個のヒドロキシC2-6アルキル基よって置換されたアミノ基とは、例えば、N−4−ヒドロキシブチルアミノ基、N,N−ビス(3−ヒドロキシペンタチル)アミノ基、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(1−ヒドロキシペンチル)アミノ基である。
同一又は異なって1若しくは2個のC1-6アルコキシカルボニルC1-6アルキル基よって置換されたアミノ基とは、例えば、N−(3−エトキシカルボニルプロピル)アミノ基、N,N−ビス(2−メトキシカルボニルエチル)アミノ基、N−(3−プロポキシカルボニルプロピル)−N−(2−メトキシブチル)アミノ基である。
ヒドロキシC1-6アルキル基とは、少なくとも1個のヒドロキシル基によって置換されたC1-6アルキル基を示し、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシ−2−メチルブチル基である。
ヒドロキシカルボニルC1-6アルキル基とは、少なくとも1個のヒドロキシカルボニル基によって置換されたC1-6アルキル基を示し、例えば、ヒドロキシカルボニルメチル、4-ヒドロキシカルボニルブチル基、2−ヒドロキシカルボニルエチル基、3−ヒドロキシカルボニルプロピル基である。
1-10アルキル基とは炭素原子を1〜10個有する直鎖状、炭素原子を3〜10個有する分岐鎖状、又は炭素原子を3〜10個有する環状アルキル基であり、直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基を、分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、1−エチルプロピル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、イソヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、シクロプロピルメチル基、2−(シクロプロピル)エチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基などを、環状アルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を挙げることができる。
フェニルC1-6アルキル基とは、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、1−メチル−2−フェニルペンチル基である。
ヒドロキシフェニルC1-6アルキル基とは、例えば、4−ヒドロキシベンジル基、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル基、4−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル基である。
ナフチルC1-6アルキル基とは、例えば、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル基である。
芳香族複素環C1-6アルキル基とは、インドール環又はイミダソール環などの芳香族複素環が結合したC1-6アルキル基を示し、例えば、インドール−3−イルメチル基、1H−イミダゾール−4−イルメチル基である。
1-6アルコキシC1-6アルキル基とは、少なくとも1個のC1-6アルコキシ基によって置換されたC1-6アルキル基を示し、例えば、2−メトキシエチル基、3−エトキシペンチル基、3−プロポキシブチル基である。
アミノC2-6アルキル基とは、例えば、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、6−アミノヘキシル基である。
グアニジノC2-6アルキル基とは、例えば、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノプロピル基、4−グアニジノブチル基、5−グアニジノペンチル基、6−グアニジノヘキシル基である。
メルカプトC2-6アルキル基とは、例えば、メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル基である。
1-6アルキルチオC1-6アルキル基とは、メチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、4−メチルチオブチル基、5−メチルチオペンチル基、6−メチルチオヘキシル基である。
アミノカルボニルC1-6アルキル基とは、少なくとも1個のアミノカルボニル基によって置換されたC1-6アルキル基を示し、例えば、アミノカルボニルメチル基、2−アミノカルボニルエチル基、2−アミノカルボニルプロピル基、4−アミノカルボニルブチル基である。
カルボキシル基の保護基とは、例えば、C1-10アルキル基、フェニルC1-6アルキル基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基である(E. Wunsch, "Synthese von Peptiden" in " Houben-Weyl Methoden der Organishen Chemie" Vol. XV/1,2.及びE. Gross. J. Meienhofer, "The Peptides" vol. 1 〜Vol. 5 参照)。
1-10アシル基は、炭素原子を1〜10個有する直鎖状又は分岐鎖状のアシル基を示し、例えば、ホルミル基、アセチル基、1−メチルプロパノイル基、ヘキサノイル基である。
1-6アルコキシC1-6アシル基とは、少なくとも1個のC1-6アルコキシ基によって置換されたC1-6アシル基を示し、例えば、3−エトキシブタノイル基、3−イソプロポキシペンタノイル基、4−エトキシヘキサノイル基である。
ヒドロキシC2-10アシル基とは、少なくとも1個のヒドロキシル基によって置換されたC2-10アシル基を示し、例えば、4−ヒドロキシブタノイル基、2−(ヒドロキシメチル)ブタノイル基である。
1-6アルコキシカルボニルC1-6アシル基とは、例えば、3−メトキシカルボニルプロパノイル基、4−エトキシカルボニルブタノイル基である。
ヒドロキシカルボニルC1-6アシル基とは、例えば、3−ヒドロキシカルボニル−2−メチルブタノイル基、5−ヒドロキシカルボニルプロパノイル基である。
アミノ基の保護基とは、例えば、C1-10アシル基、C1-6アルコキシC1-6アシル基、ベンジルオキシカルボニル基、ニトロベンジルオキシカルボニル基、メトキシベンジルオキシカルボニル基である( E. Wunsch, "Synthese von Peptiden" in " Houben-Weyl Methoden der Organishen Chemie", Vol. XV/1,2 及びE. Gross, J. Meienhofer, "The Peptides" vol. 1 〜Vol. 5 参照)。
2-10アルケニル基とは、少なくとも1個の二重結合を有する、炭素原子を2〜10個有する直鎖状、炭素原子を3〜10個有する分岐鎖状、又は、炭素原子を5〜10個有する環状アルケニル基を示し、例えば、2−プロペニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−2−ヘキセニル基、2−シクロペンテニル基である。
ヘテロ原子を1つ以上含む5員複素芳香環は、同一又は異なって、少なくとも1個のヘテロ原子を環内にもつ芳香族5員環を示し、例えば、チオフェン、ピロール、フラン、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールである。
天然型又は非天然型アミノ酸残基とは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リシン、オルニチン、アルギニンなどの残基であり、天然型アミノ酸残基が好ましい。
ハロゲン原子、C1-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、及びフェノキシ基からなる群より選ばれる1〜5個の置換基で置換されたフェニル基とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1-10アルキル基、環状C3-10アルキル基、C1-10アルコキシ基、環状C3-10アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又はフェノキシ基から選択される1から5個の置換基で置換されたフェニル基を示し、1つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−シクロプロピルフェニル基、3−シクロプロピルフェニル基、4−シクロプロピルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、3−イソプロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−シクロブチロキシフェニル基、3−シクロブチロキシフェニル基、4−シクロブチロキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、3−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−フルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、2−ヒドロキシカルボニルフェニル基、3−ヒドロキシカルボニルフェニル基、4−ヒドロキシカルボニルフェニル基、2−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−フェノキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基であり、2つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,3−ジヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,5−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、3−クロロ−4−フルオロフェニル基、4−クロロ−3−フルオロフェニル基、3−ブロモ−4−フルオロフェニル基、4−ブロモ−3−フルオロフェニル基、4−ブロモ−3−クロロフェニル基、3−ブロモー4−クロロフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、4−クロロ−3−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−フルオロ−3−メトキシフェニル基、3−ブロモ−4−メトキシフェニル基、4−ブロモ−3−メトキシフェニル基、3−クロロ−4−フェノキシフェニル基、4−クロロ−3−フェノキシフェニル基、3−クロロ−4−ニトロフェニル基、4−クロロ−3−ニトロフェニル基、4−ブロモ−3−ニトロフェニル基、3−ブロモー4−ニトロフェニル基、3−アミノ−4−ブロモフェニル基、4−アミノ−3−ブロモフェニル基、3−ブロモ−4−ヒドロキシカルボニル基、4−ブロモ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル基、4−フルオロ−3−ヒドロキシカルボニル基、3−フルオロ−4−ヒドロキシカルボニルフェニル基、4−フルオロ−3−ヒドロキシカルボニル基、3−シアノ−4−フルオロフェニル基、3−シアノ−4−フルオロフェニル基、4−シアノ−3−メチルフェニル基、3−シアノ−4−メチルフェニル基、3−シアノ−4−メトキシフェニル基、4−シアノ−3−メトキシフェニル基があり、3つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,3,4−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、3,5−ジクロロ−4−メトキシフェニル基、又は3,5−ジブロモ−4−メトキシフェニル基がある。4つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,5−ジブロモ−3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−ジブロモ−2,5−ジメトキシフェニル基がある。5つの置換基で置換されたフェニル基としては、例えば、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基がある。
4及びR5が、互いに結合して環状構造を形成する形態とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、オキサシクロブチル基、オキサシクロペンチル基、オキサシクロヘキシル基、オキサシクロヘプチル基、オキサシクロオクチル基、アザシクロブチル基、アザシクロペンチル基、アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、アザシクロオクチル基である。
また、本発明における医薬上許容される塩とは、例えば、硫酸、塩酸、燐酸などの鉱酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩、トリメチルアミン、メチルアミンなどのアミンとの塩、又はナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオンとの塩である。
式[I]で表される化合物のビシクロ[3.1.0]ヘキサン環上には5つの不斉炭素原子が存在する。本発明の好ましい立体は、式[II]及び[III]で表される絶対構造を有する光学活性体であるが、そのエナンチオマー、ラセミ体などのエナンチオマー混合物として存在しうる。すなわち、本発明の化合物は次の式[II]及び[III]で表される化合物の光学活性体、ラセミ体等のエナンチオマー混合物及びジアステレオマー混合物を全て含むものである。
Figure 0004461865
また、本発明化合物は水或いは有機溶媒の溶媒和物として存在しうる。
さらに、式[I]、[II]又は[III]においてR1及びR2の一方若しくは双方が水酸基以外、又はR3が水素原子以外を示すとき、すなわちエステル誘導体及びアミド誘導体はグループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に影響を及ぼさない。しかし、このエステル誘導体及びアミド誘導体は生体内で加水分解され、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体に影響を及ぼす2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体に変わる。したがって、エステル誘導体およびアミド誘導体はプロドラッグとして機能するため、極めて有用な化合物である。
式[I]で表される本発明化合物は、以下に示す製造法により供給される(以下の反応式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は前記と同義である。R10は、メシル基、フェニルスルホニル基、トシル基、トリフルオロメチルスルホニル基などのアリル及びアルキルスルホニル基、ベンゾイル基や4−ニトロベンゾイル基を示す。R11、R12、R13及びR14は、同一又は異なって、C1-10アルコキシ基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、1若しくは2個のフェニル基で置換されたC1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルコキシ基又はヒドロキシC2-6アルコキシ基を示す。R15はアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個の水素原子がC1-6アルキル基よって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個の水素原子がC1-6アルコキシC1-6アルキル基よって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個の水素原子がヒドロキシC2-6アルキル基よって置換されたアミノ基、同一又は異なって1若しくは2個の水素原子がC1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル基よって置換されたアミノ基又は、NR6-CHR7-A-CO28を示す)。
まず、本発明化合物[I]を合成するために必要な合成中間体(6)は、下記のように製造することができる。
Figure 0004461865
工程1:化合物(1)を不活性溶媒中、塩基の存在下、例えば、無水トリフルオロメタンスルホン酸、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)などのトリフルオロメタンスルホニル化剤と反応することにより、化合物(2)へと導くことができる。ここで、不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等のアミン類、水素化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基類、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムヘキサメチルジシラザン等の金属アミド類、ナリトウム メトキシド、カリウム t−ブトキシド等の金属アルコラート類を用いることができる。
工程2:化合物(2)を不活性溶媒中、遷移金属触媒存在下、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、又は炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類の存在下、一酸化炭素及びR2OHと反応することによって化合物(3)へと導くことができる(Tetrahedron Letters 26, 1109(1985) 参照)。ここで遷移金属触媒とは、例えば0価のパラジウム試薬であり、例えば酢酸パラジウム(II)などの2価のパラジウムとトリフェニルホスフィン、2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1−ビナフチル(BINAP)などの配位子を用いて反応系内で調製することができる。また、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等の0価のパラジウム試薬を直接用いることもできる。不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
工程3:化合物(3)を不活性溶媒中、例えば四酸化オスミウムなどを用いた一般的なジオール化反応(M. Hudlicky, "Oxidations in Organic Chemistry" 参照)やAD−mixを試薬とするSharplessの不斉シス−ジヒドロキシル化反応(Sharpless AD)(Tetrahedron Asymmetry 4, 133(1993)、J. Org. Chem. 57, 2768(1992)、J. Org. Chem. 61, 2582(1996)参照)などを用いてジオールへと酸化し、化合物(4)へ導くことができる。ここで、不活性溶媒とは、例えば t−ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
工程4:化合物(4)を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類、又は炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基類の存在下あるいは非存在下、塩化チオニルと反応後、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、過酸化水素、オキソン、三塩化ルテニウム−メタ過ヨウ素酸ナトリウム等の一般的な酸化剤(M. Hudlicky, "Oxidations in Organic Chemistry" 参照)にて酸化し、化合物(5)に導くことができる。
工程5:化合物(5)を例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、アジ化ナトリウムと反応した後、加水分解することによって化合物(6)に導くことができる(J. Am. Chem. Soc. 110, 7538(1988)参照)。
式[III]で表される相対的立体化学配置を有する本発明化合物を合成するために必要な合成中間体(9)は、合成中間体(6)のうち、下記に表される相対配置を有する化合物(7)から下記のように製造することができる。
Figure 0004461865
工程6:R1及びR2が水酸基以外である化合物(7)の水酸基を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、カリウム t-ブトキシド等の塩基の存在下、無水トリフルオロメタンスルホン酸、N-フェニルービス(トリフルオロメタンスルホンイミド)などのトリフルオロメタンスルホニル化剤、または塩化メタンスルホン酸、塩化ベンゼンスルホン酸、塩化トルエンスルホン酸などのアルキル及びアリルスルホニル化剤との反応により、化合物(8)へと導くことができる。
工程7:化合物(8)は例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、水又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、クラウンエーテル存在下または非存在下、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリ、亜硝酸カリウムなどの亜硝酸塩(Tetrahedron Lett., 3183 (1975)参照)、超過酸化カリウム(Tetrahedron Lett. 34, 8029 (1993)参照)と反応することによって中間体(9)へと導くことができる。
さらに、アゾジカルボン酸ジエチルとトリフェニルホスフィンなどの脱水縮合剤存在下の安息香酸誘導体との光延反応(D. L. Hughes, OR, 42, 335 (1992)参照)によって、化合物(7)より直接化合物(9)へと導くこともできる。
得られた合成中間体(6)は下記工程8、9及び10によって、本発明化合物である化合物[I]に導くことができる。
Figure 0004461865
工程8:R1及びR2が水酸基以外である化合物(6)の水酸基を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、又は塩化水素等のブレンステッド酸触媒、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、塩化スズ、又はトリメチルシリル−トリフルオロメタンスルホネート等のルイス酸触媒の存在下、Xが、2,2,2−トリクロロアセトイミドイロキシ基である式R45CHXで表される化合物と反応することにより、化合物(10)に導くことができる(J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 2247(1985)、Synthesis, 568 (1987)参照)。
さらに、R1及びR2が水酸基以外である化合物(6)の水酸基を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、カリウム t-ブトキシド等の塩基の存在下、Xが、2,2,2−トリクロロアセトイミドイロキシ基以外の式R45CHXで表される化合物と反応することにより、化合物(10)に導くこともできる。ここでXは脱離基であり、例えばハロゲン原子、トシルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トリルスルホネート等である。
工程9:化合物(10)は例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、亜リン酸トリエチル、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等によるスタウンジンガー(Staudinger)反応(Bull. Chem. Soc. Fr., 815(1985)参照)、エタノール、メタノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中におけるパラジウム/カーボン、パラジウムブラックなどの金属触媒存在下での水素添加、リチウムアミノボロヒドリド等によるヒドリド還元等に代表される一般的なアジド基の還元反応(A. F. Abdel-Magid , "Reductions in Organic Synthesis" 参照)によって本発明の化合物(11)に導くことができる。
工程10:化合物(11)の式COR1及びCOR2で示される部分を一般的な加水分解反応(T. W. Greene , P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 参照)にてカルボン酸へと変換し、本発明化合物である化合物(I)に導くことができる。
モノエステル誘導体及びモノアミド誘導体である本発明化合物(13)及び(14)は、下記の工程11および12よって、化合物(11)又は(12)より導くことができる。
Figure 0004461865
工程11:化合物(11)の式COR1で示される部分を、短時間又は、低温にて、一般的な加水分解反応(T. W. Greene , P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 参照)にてカルボン酸へと変換し、本発明化合物(13)に導くことができる。
工程12:化合物(12)の6位炭素上のカルボン酸部を、一般的なエステル化反応(T. W. Greene , P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 参照)又は、R15−Hで示される化合物と一般的なアミノ酸のペプチド結合生成反応(E. Gross. J. Meienhofer, "The Peptides"及びJ. P. Greenstein, M. Witntz, "Chemistry of the Amino Acids" 参照)にて、エステル又はアミド結合を生成させることにより、本発明化合物である(14)に導くことができる。
下記の工程13、14、15、16、17及び18よって、化合物(15)又は化合物(18)より、アミド誘導体(17)及び(22)に導くことができる。
Figure 0004461865
工程13:化合物(15)のアミノ基を例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類存在下または非存在下にて、式R3X又は式R3OR3で表わされる化合物と反応させると化合物(16)に導くことができる。ここでXは脱離基であり例えば、ハロゲン原子、エトキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基などでる。さらに、式R3OHで示される化合物との一般的なアミド結合生成反応(E. Gross, J. Meienhofer, "The Peptides"及びJ. P. Greenstein, M. Witntz, "Chemistry of the Amino Acids", Vol. 2. 参照)にて、化合物(16)に導くこともできる。
工程14:化合物(16)のエステル部位およびR3が式COCHR6NHR7である化合物(16)のアミノ基の保護基R7を一般的な脱保護反応(T. W. Greene , P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 参照)にてカルボン酸及びアミノ基へと変換し、2−アミド誘導体(17)に導くことができる。
工程15:化合物(18)の6位炭素上のエステル結合部を、短時間又は、低温にて、一般的な加水分解反応(T. W. Greene, P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 参照)にて、化合物(19)に導くことができる。
工程16:化合物(19)のカルボン酸部位を、式R15−Hで示される化合物と一般的なアミノ酸のペプチド結合生成反応(E. Gross, J. Meienhofer, "The Peptides". 及びJ. P. Greenstein, M. Witntz, "Chemistry of the Amino Acids". 参照)にて、化合物(20)に導くことができる。
工程17:化合物(20)は例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリル、アセトン、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、亜リン酸トリエチル、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等によるスタウンジンガー(Staudinger)反応(Bull. Chem. Soc. Fr., 815(1985)参照)、エタノール、メタノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中におけるパラジウム/カーボン、パラジウムブラックなどの金属触媒存在下での水素添加、リチウムアミノボロヒドリド等によるヒドリド還元等に代表される一般的なアジド基の還元反応(A. F. Abdel-Magid "Reductions in Organic Synthesis" 参照)によって化合物(21)に導くことができる。
工程18:化合物(21)のエステル結合部を、一般的な加水分解反応(T. W. Greene , P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis" 参照)にて、本発明化合物化合物(22)に導くことができる。
本発明において、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗作用を有する化合物とは、mGluR2及びmGluR3のそれぞれを発現させた細胞を使用し、「Mol.Pharmacol.,53,228−233,1998」に掲載されている方法に従い、受容体結合実験において濃度依存的な抑制作用を示し、mGluR2/R3に対する親和性においてグルタミン酸と同等以上の親和性を示し、さらに、cAMP量をcAMP測定キットにより測定したとき、グルタミン酸のフォルスコリン刺激cAMP増加抑制作用に拮抗する化合物をいう。または、GTPγS結合により測定したとき、グルタミン酸誘発GTPγS結合に拮抗する化合物をいう。
本発明化合物は1種又は2種以上の医薬的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤と組み合わされて医薬的製剤とされうる。前記担体、賦形剤及び希釈剤としては、例えば、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、でんぷん、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油などの各種油が挙げられる。
本発明化合物は、これらの担体、賦形剤又は希釈剤、そして、必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤などの添加剤が混合された上で、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤などの経口又は非経口用医薬、特にグループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗薬として調製される。
本発明の化合物は成人患者に対して0.01〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能であるが、使用の容易性及び薬効の点からみて経口投与することが好ましい。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状などにより適宜増減することが可能である。
以下に実施例及び試験例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステルの合成
(1)0℃に冷却したジイソプロピルアミン7.83gのテトラヒドロフラン84mL溶液に2.47Mブチルリチウムヘキサン溶液28.8mLを加え15分間攪拌した。この溶液を−62℃に冷却後、(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸エチルエステル12.0gのテトラヒドロフラン40mL溶液を−62〜−58℃に保ちながら滴下した。1時間後、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)25.3gのテトラヒドロフラン84mL溶液を−62〜−60℃に保ちながら15分かけて滴下した。反応溶液を室温まで自然昇温させ、さらに1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−トリフルオロメタンスルホニルオキシビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボン酸エチルエステルを直ちにN,N−ジメチルホルムアミド195mLに溶解し、酢酸パラジウム389mg、トリフェニルホスフィン910mg、ベンジルアルコール12.5g、次いでトリエチルアミン11.7gを加えた後、一酸化炭素雰囲気下、室温にて4.5時間攪拌した。反応溶液に1N塩酸を添加し、ジエチルエーテルにて2回抽出した。有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200(和光純薬製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1〜1:1)にて精製し、(1R,5R,6R)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル6.42gを得た。
mp 90−91℃
(2)t−ブタノール150mL及び水150mLに懸濁した(1R,5R,6R)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル6.36gにAD−mix−β(アルドリッチ社)29.3g及びメタンスルホンアミド5.96gを加え、4℃にて5日間攪拌した。反応溶液に亜硫酸水素ナトリウムを加え、室温にて15分間攪拌した後、水を加え、酢酸エチルにて3回抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1〜3:2)にて精製し、(1R,2S,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル4.21gを得た。
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.29(3H, t, J=7.2Hz), 2.06-2.21(2H, m), 2.30(1H, dd, J=7.6,2.6Hz), 2.47(1H, dd, J=7.6,13.2 Hz), 2.50 (1H, dd, J=1.2,9.2Hz), 4.02(1H, s), 4.24(2H, q, J =7.2Hz), 4.34-4.46(1H, m), 5.23(1H, d, J=12.5Hz), 5.28(1H, d, J=12.5Hz), 7.27-7.42(5H, m)
MS(ESI)(Pos)m/z; 361(M+Na)+.
[α]D 29= −45.8°(C=0.202%,クロロホルム)
(3)4℃に冷却した(1R,2S,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル3.96gのジクロロメタン20mL溶液に塩化チオニル1.70mLを加えた後、40℃にて13時間攪拌した。溶媒と過剰の試薬を減圧下留去し、残渣を四塩化炭素12mL、アセトニトリル12mL及び水20mLに溶解した。この溶液にメタ過ヨウ素酸ナトリウム3.76g及び三塩化ルテニウム水和物500mgを加え、室温にて20分間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルにて3回抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1〜2:1)にて精製し、(1R,1aR,1bS,4aR,5aR)−1−フルオロ−3,3−ジオキソテトラヒドロ−2,4−ジオキサ−3λ6−チアシクロプロパ[a]ペンタレン−1,1b−ジカルボン酸 1b−ベンジルエステル 1−エチルエステル4.11gを得た。
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.29(3H, t, J=7.2Hz), 2.53-2.61(1H, m), 2.72(1H, ddd, J=0.9,7.6,15.2Hz), 2.78-2.89(1H, m), 2.83(1H, dd, J=2.3,7.2Hz), 4.19-4.31(2H, m), 5.26(1H, d, J=12.1Hz), 5.33(1H, d, J=12.1Hz), 5.45(1H, dt, J=3.8,7.6Hz), 7.28-7.43(5H,m)
MS(ESI)(Pos)m/z; 423(M+Na)+
[α]D 30= +31.3°(C=0.203%,クロロホルム)
(4)N,N−ジメチルホルムアミド37mL及び水3.7mLに溶解した(1R,1aR,1bS,4aR,5aR)−1−フルオロ−3,3−ジオキソテトラヒドロ−2,4−ジオキサ−3λ6−チアシクロプロパ[a]ペンタレン−1,1b−ジカルボン酸 1b−ベンジルエステル 1−エチルエステル3.73gにアジ化ナトリウム1.09gを加え、50℃にて14時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をジエチルエーテル187mL及び水5.2mLに溶解した後、20%硫酸15mLを加え、室温にて8時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルにて3回抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1〜1:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル3.02gを得た。
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.32(3H, t, J =7.2Hz), 2.18-2.54(5H, m), 4.22-4.36(1H, m), 4.26(2H, q, J=7.2Hz), 5.27(1H, d, J=12.2Hz), 5.35(1H, d, J=12.2Hz), 7.31-7.45(5H, m)
MS(ESI)(Pos)m/z; 386(M+Na)+
[α]D 30= −50.2°(C=0.212%,クロロホルム)
実施例1
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−メトキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)ジクロロメタン0.5mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル500mgに2,6−ジ−t−ブチルピリジン158mg、メチルトリフルオロメタンスルホネート113mgを加えた後、室温にて4日間攪拌した。1N塩酸に注ぎ、ジエチルエーテルにて3回抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=9:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−メトキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル42.0mgを得た。
1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.32(3H, t, J=7.2Hz), 2.20-2.50(4H, m), 3.32(3H, s), 3.78-3.86(1H, m), 4.26(2H, q, J=7.2Hz), 5.26(1H, d, J=12.3Hz), 5.34(1H, d, J=12.3Hz), 7.30-7.42(5H, m)
MS(ESI)(Pos)m/z; 400(M+Na)+
(2)酢酸4mL及び水1mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−メトキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル280mgに10%パラジウム/カーボン28mgを加えた後、水素雰囲気下、室温にて18時間攪拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧下濃縮した後、残渣を10%塩酸8mLに溶解し1.5時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した後、残渣をイオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、50%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−メトキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸137mgを得た。
実施例2
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)60%水素化ナトリウム(油性)79.0mgをヘキサンで2回洗浄後、ジエチルエーテル1.9mLに懸濁させ、ジエチルエーテル2.9mLに溶解した 4−フルオロベンジルアルコール2.50gを滴下した。室温にて20分間攪拌後、食塩−氷にて冷却下、トリクロロアセトニトリル2.70gを滴下した。この温度で15分間、氷冷下15分間、水浴下20分間、更に室温にて20分間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、残渣にペンタン1.9mL及びメタノール75μLを加え、室温にて15分間激しく攪拌した。無機塩を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、粗の4−フルオロベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート5.28gを得た。
粗の4−フルオロベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート3.40g及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル3.04gをジクロロメタン9.2mL及びシクロヘキサン18.4mLに溶解した。氷浴にて冷却後、トリフルオロメタンスルホン酸を110μL加えた。室温にて16時間攪拌後、無機塩を濾別し、氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。クロロホルムにて2回抽出した後、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=10:1〜5:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル1.94gを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.32(3H, t, J=7.0Hz), 2.20-2.42(4H, m), 3.96-4.06(1H, m), 4.27(2H, q, J=7.0Hz), 4.40(1H, d, J=11.5Hz), 4.59(1H, d, J=11.5Hz), 5.20(1H, d, J=12.1Hz), 5.34(1H, d, J=12.1Hz), 6.92-7.37(9H, m)
MS(ESI)(Pos)m/z; 494(M+Na)+
(2)テトラヒドロフラン16mL及び水1.6mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル521mgに1Mトリメチルホスフィン/テトラヒドロフラン溶液1.20mLを加え、室温にて18時間攪拌した。ジエチルエーテルにて希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=2:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル338mgを得た。
(3)テトラヒドロフラン6mL及び水3mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル304mgに水酸化リチウム水和物72.0mgを加え、室温にて31時間攪拌した。溶媒を減圧下留去した後、残渣をイオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、50%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(4−フルオロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸195mgを得た。
実施例3
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)60%水素化ナトリウム(油性)23.0mgをヘキサンで2回洗浄後、テトラヒドロフラン0.8mLに懸濁させ、テトラヒドロフラン1.2mLに溶解した1−(ナフタレン−2−イル)エタノール1.00gを滴下した。室温にて20分間攪拌後、食塩−氷にて冷却下、トリクロロアセトニトリル0.58mLを滴下した。この温度で20分間、氷冷下20分間、水浴下30分間、更に室温にて50分間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、残渣にペンタン5mL、メタノール19μL及びテトラヒドロフラン0.5mLを加え、室温にて10分間激しく攪拌した。無機塩を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、粗の1−(ナフタレン−2−イル)エチル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート1.84gを得た。
粗の1−(ナフタレン−2−イル)エチル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート590mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル450mgをジクロロメタン1.5mL及びシクロヘキサン3.0mLに溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸を17μL加えた。室温にて1時間攪拌後、無機塩を濾別し、氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。クロロホルムにて2回抽出した後、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=13:1〜5:1)及び(シリカゲル:M.S.GEL SIL D−75−60A(洞海化学工業製)、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=13:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル(Rf値:0.55、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=3:1、TLC:シリカゲル 60F254)271mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル(Rf値:0.49、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=3:1、TLC:シリカゲル 60F254)301mgを得た。
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル:
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.26(3H, t, J=7.3Hz), 1.35(3H, d, J=6.6Hz), 1.92-2.37(4H, m), 3.85-3.95(1H, m), 4.20(2H, q, J=7.3Hz), 4.77(1H, q, J=6.6Hz), 5.27(1H, d, J=12.2Hz), 5.47(1H, d, J=12.2Hz), 7.31-7.85(12H, m)
MS(ESI)(Pos)m/s; 540(M+Na)+.
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル:
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.27(3H, t, J=7.3Hz), 1.40(3H, d, J=6.4Hz), 2.24-2.49(4H, m), 3.91-4.01(1H, m), 4.22(2H, q, J=7.3Hz), 4.61(1H, q, J=6.4Hz), 5.12(1H, d, J=12.3Hz), 5.32(1H, d, J=12.3Hz), 7.31-7.83(12H, m)
MS(ESI)(Pos)m/s; 540(M+Na)+
(2)実施例2の(2)と同様にして、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル266mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル238mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル164mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル153mgをそれぞれ得た。
(3)実施例2の(3)と同様にして、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル158mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル148mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((R*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸96.0mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−((S*)−1−(ナフタレン−2−イル)エトキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸72.0mgを得た。
実施例4
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−プロピルオキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)水1mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(2−プロペニルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸40mgに、10%パラジウム/カーボン4mgを加えた後、水素雰囲気下、室温にて2日間攪拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧下濃縮した後、テトラヒドロフラン1mLを加え、1時間加熱還流した。さらに室温にて3時間攪拌した後、固体を濾取し、イオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、50%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−プロピルオキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸30mgを得た。
実施例5
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−シクロペンチルオキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)実施例2の(1)と同様に、2−シクロペンテン−1−オールより得た粗の2−シクロペンテニル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート375mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル650mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(2−シクロペンテニルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル339mgを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.32 (3 H, t, J = 7.3 Hz), 1.90-2.52 (8 H, m), 3.94-4.14 (1 H, m), 4.27 (2 H, q, J = 7.3 Hz), 4.52-4.79 (1 H, m), 5.15-5.41 (2 H, m), 5.58-5.82 (1 H, m), 5.88-6.04 (1 H, m), 7.30-7.46 (5 H, m).
MS(ESI)(Pos)m/z; 452 (M+Na)+
(2)酢酸18mLおよび水6mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(2−シクロペンテニルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2−ベンジルエステル 6−エチルエステル331mgに10%パラジウム/カーボン39mgを加えた後、水素雰囲気下、室温にて24時間攪拌した。触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮し後、残渣をテトラヒドロフラン7.36mL及び水3.53mLに溶解し、水酸化リチウム水和物80mgを加え、室温にて4時間攪拌した。溶媒を減圧下留去した後、残渣をイオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、50%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−シクロペンチルオキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸61mgを得た。
実施例6
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−ニトロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−アミノベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−アミノベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
(1)実施例2の(1)と同様に、3−ニトロベンジルアルコールより得た粗の3−ニトロベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート562mg及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル380mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3−ニトロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル279mgを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.32 (3 H, t, J = 7.2 Hz), 1.34 (3 H, t, J = 7.2 Hz), 2.22-2.42 (2 H, m), 2.50 (2 H, dd, J = 2.7, 7.8 Hz), 3.94-4.10 (1 H, m), 4.20-4.46 (4 H, m), 4.58 ( 1 H, d, J = 12.1 Hz), 4.80 ( 1 H, d, J = 12.1 Hz) 7.44-7.66 (2 H, m), 8.03-8.24 (2 H , m).
MS(ESI)(Pos)m/z; 459 (M+Na)+
(2)実施例2の(2)と同様に(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3−ニトロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル275mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−ニトロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル120mgを得た。
(3)酢酸0.21mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−ニトロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル120mgに亜鉛粉末101mgを加えた後、室温にて3時間攪拌した。固体を濾別し、氷冷化飽和炭酸水素ナトリウムを添加した。酢酸エチルにて2回抽出した後、有機層を合わせて、0.5M炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残査をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:クロロホルム−エタノール=30:1)にて精製し(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−アミノベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル96mgを得た。
(4)実施例2の(3)と同様に(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−アミノベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル90mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3−アミノベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸60mgを得た。
実施例7
(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2,6−ジエチルエステルの合成
(1)窒素雰囲気下、ジクロロメタン20mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2,6−ジエチルエステル120mgに、−75℃にてジクロロメタン0.4mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸無水物78μLを滴下した後、氷冷下1.5時間攪拌した。−75℃にて、ピリジン48μLとジクロロメタン0.2mLに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸無水物39μLを滴下した後、氷冷下25分間攪拌した。エーテル10mLを加え、固体を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2、6−ジエチルエステル166mgを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.35 (3 H, t, J = 7.0 Hz), 1.38 (3 H, t, J = 7.0 Hz), 2.35-2.50 (2 H, m), 2.62-2.86 (2 H, m), 4.31 (2 H, q, J = 7.0 Hz), 4.27-4.55 (2 H, m), 4.94-5.10 (1 H, m)
MS(FAB) (Pos)m/z; 434 (M+H)+
[α]D 26=−31.2° (C=0.43%,クロロホルム)
(2)N,N−ジメチルホルムアミド6.9mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2、6−ジエチルエステル701mgに亜硝酸カリウム688mg、18−クラウン−6 428mgを加えた後、窒素雰囲気下、室温にて1.5日攪拌後、更に45℃にて3.5日攪拌した。水を添加後、酢酸エチルにて2回抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)にて精製し、(1R,2R,3S,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 2、6−ジエチルエステル388mgを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm);1.34 (3 H, t, J = 7.0 Hz), 1.36 (3 H, t, J = 7.0 Hz), 2.16 (1 H, dd, J = 2.9 Hz, 14.9 Hz), 2.17-2.30 (1 H, m), 2.44 (1 H,dd, J = 3.1 Hz, 8.1 Hz), 2.61 Hz (1 H, dd, J = 12.3 Hz, 16.0 Hz), 2.80-2.99 (1 H, m), 4.29 (2 H, q, J = 7.0 Hz), 4.34 (2 H, q, J = 7.0 Hz), 4.48-4.64 (1 H, m)
MS(ESI)(Pos)m/z; 324 (M+Na)+
[α]D 25=+6.4° (C=0.96%,クロロホルム)
実施例8
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2、6−ジカルボン酸 2,6−ジエチルエステル及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2、6−ジカルボン酸 2−エチルエステルの合成
(1)実施例2の(1)と同様に、3,4−ジクロロベンジルアルコールより得た粗の3,4−ジクロロベンジル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート3.17g及び(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−ヒドロキシ−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル1.98gより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル1.16gを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.31 (3 H, t, J = 7.3 Hz), 1.33 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.22-2.52 (4 H, m), 3.91-4.05 (1 H, m), 4.29 (2 H, q, J = 7.3 Hz), 4.18-4.44 (2 H, m), 4.42 (1 H, d, J = 11.9 Hz), 4.64 (1 H, d, J = 11.9 Hz), 7.06-7.14 (1 H, m), 7.34-7.50 (2 H, m).
MS(ESI)(Pos)m/z; 482 (M+Na)+
[α]D28=−12.6° (C=1.14%,クロロホルム)
(2)実施例2の(2)と同様に(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル1.11gより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル878mgを得た。
(3)テトラヒドロフラン3.5mL及び水1.7mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2、6−カルボン酸 2−エチルエステル150mgに水酸化リチウム水和物17.8mgを加え、氷冷下2時間攪拌した。1N塩酸0.45mLを加えた後、水で全量50mLに希釈し、イオン交換樹脂(AG 50W−X8 Resin(H型)、展開溶媒:水、50%テトラヒドロフラン水溶液、10%ピリジン水溶液)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2、6−カルボン酸 2−エチルエステル107mgを得た。
実施例9
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3、4−ジクロロベンジルイオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2、6−カルボン酸 6−エチルエステル塩酸塩の合成
(1)実施例2の(3)と同様に(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル304mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸195mgを得た。
(2)エタノール1.1mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸114mg、窒素雰囲気下、室温にて、塩化チオニル88μLを加えた後、50℃にて1時間攪拌し、固体を濾別した後、濾液を減圧下濃縮し、残渣にイソプロピルエーテル1.38mLを加え室温にて17時間攪拌し、固体を濾取した。固体をイソプロピルエーテルで洗浄し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 6−エチルエステル・塩酸塩114mgを得た。
実施例10
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−[(2'S)−(2'−アミノプロピオニル)アミノ]-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2、6−ジカルボン酸・塩酸塩の合成
(1)ジクロロメタン6.9mLに溶解したN−t−ブトキシカルボニル−L−アラニン316mgに、窒素雰囲気下−14℃にて、N−メチルモルホリン184μL及びクロロぎ酸イソブチル218μLを加え1分間攪拌した後、ジクロロメタン6.9mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル691mgを滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応溶液を1N塩酸にて2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=2:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−[(2'S)−(2'−t−ブトキシカルボニルアミノプロピオニル)アミノ]-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2、6−ジカルボン酸 ジエチルエステル902mgを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 1.25 (3 H, t, J = 7.1 Hz), 1.28 (3 H, t, J = 7.1 Hz), 1.34 (3 H, d, J = 7.0 Hz), 1.39 (9 H, s), 2.18-2.31 (1 H, m), 2.32-2.54 (2 H, m), 3.08 (1 H, dd, J = 2.9 Hz, 7.9 Hz), 3.86-4.04 (1 H, m), 4.06-4.16 (5 H, m), 4.42 (1 H, d, J = 11.6 Hz), 4.65 (1 H, d, J = 11.6 Hz), 4.76-4.96 (1 H, m), 7.06-7.24 (1 H, m), 7.12 (1 H, dd, J =2.0 Hz, 8.1 Hz), 7.39 (1 H, d, J = 2.0 Hz), 7.40 (1 H, d, J = 8.1 Hz)
MS(ESI)(Nega)m/z; 630 (M-H)-
[α]D 24=−33.6° (C=0.42%,クロロホルム)
(2)テトラヒドロフラン6mL溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−[(2'S)−(2'−t−ブトキシカルボアミノプロピオニル)アミノ]-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2、6−ジカルボン酸 ジエチルエステル45.5mgに2.5M水酸化リチウム水溶液6mLを添加し、室温にて2日間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルにて3回抽出し、有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、粗の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−[(2'S)−(2'−t−ブトキシカルボニルアミノプロピオニル)アミノ]-3-(3、4−クロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2、6−ジカルボン酸 6−リチウム−2−エチルエステル470mgを得た。
水7.5mLに溶解した粗の(1R,2R,3R,5R,6R)−2−[(2'S)−(2'−t−ブチルオキシアミノプロピオニル)アミノ]-3-(3、4−クロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2、6−ジカルボン酸 6−リチウム 2−エチルエステル375mgに、室温にて、水酸化リチウム水和物135mgを加えた後、45℃にて8日間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで10回洗浄し、氷冷下1N塩酸にてpH2に調整し、この水溶液を酢酸エチルにて3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。
氷冷下にて、残渣に4M塩化水素/酢酸エチル溶液4.6mLを添加し、室温にて15時間攪拌した。析出した固体を、濾取し固体を酢酸エチルにて洗浄し(1R,2R,3R,5R,6R)−2−[(2'S)−(2'−アミノプロピオニル)アミノ]-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2、6−ジカルボン酸・塩酸塩138mgを得た。
実施例11
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−[(1'S)−(1'−ヒドロキシカルボニル−3'−メチルブチルカルバモイル)]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸の合成
(1)N,N−ジメチルホルムアミド8.5mLに溶解した(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸 ジエチルエステル854mg及びロイシン エチエルエステル塩酸塩464mgに、室温にてN−メチルモルホリン261μLを添加後、氷冷下1−ヒドロキシベンゾトリアゾール378mg及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド464mgを添加し、室温にて12時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加えた後、1N塩酸及び飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:ワコウゲルC200、展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=8:1)にて精製し、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−[(1'S)−(1'−エトキシカルボニル−3'−メチルブチルカルバモイル)]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 エチルエステル998mgを得た。
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 0.96 (6 H, d, J = 5.5 Hz), 1.29 (3 H, t, J = 7.0 Hz), 1.30 (3 H, t, J = 7.0 Hz), 1.52-1.80 (3 H, m), 2.26-2.57 (4 H, m), 3.86-4.02 (1 H, m), 4.22 (2 H, q, J = 7.0 Hz), 4.10-4.38 (2 H, m), 4.42 (1 H, d, J = 12.2 Hz), 4.50-4.66 (1 H, m), 4.65 (1 H, d, J =12.2 Hz), 6.79 (1 H, d, J = 8.1 Hz), 7.11 (1 H, dd, J = 2.0 Hz, 8.1 Hz), 7.38 (1 H, d, J = 2.0 Hz ), 7.40 (1 H, d, J = 8.1 Hz)
MS(ESI)(Nega)m/z; 571 (M-H)-
[α]D 28=−20.0° (C=0.39%,クロロホルム)
(2)実施例2の(2)と同様に、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アジド-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−[(1'S)−(1'−エトキシカルボニル−3'−メチルブチルカルバモイル)]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 エチルエステル996mgから(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−[(1'S)−(1'−エトキシカルボニル−3'−メチルブチルカルバモイル)]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2−カルボン酸 エチルエステル
1H-NMR(200MHz,CDCl3)δ(ppm); 0.96 (6 H, d, J = 5.9 Hz), 1.29 (6 H, t, J = 7.1 Hz), 1.52-1.77 (3 H, m), 1.85 (2 H, s), 2.10-2.28 (2 H, m), 2.36-2.48 (2 H, m), 3.69-3.87 (1 H, m), 4.21 (2 H, q, J = 7.1 Hz), 4.15-4.36 (2 H, m), 4.45 (1 H, d, J = 12.1 Hz), 4.64 (1 H, d, J = 12.1), 4.55-4.69 (1 H, m), 6.77 (1 H, dd, J = 3.4, 8.0), 7.10 (1 H, dd, J = 1.8 Hz, 8.4 Hz), 7.38 (1 H, d, J = 1.8 Hz), 7.39 (1 H, d, J = 8.4 Hz)
MS(ESI)(Nega)m/z; 545 (M-H)-
[α]D 22=+2.4° (C=0.65%,クロロホルム)
(3)実施例2の(3)と同様に、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−[(1'S)−(1'−エトキシカルボニル−3'−メチルブチルカルバモイル)]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸 エチルエステル400mgより(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ-3-(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−[(1'S)−(1'−ヒドロキシカルボニル−3'−メチルブチルカルバモイル)]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸250mgを得た。
以下、実施例1、2、3、4、5、6、8、9、10及び11に記載の化合物、並びに同様にして得た化合物の構造と物性データを下表に示す。
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試験例1 被検薬の代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞でのcAMP蓄積に及ぼす効果(拮抗作用)
代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞を、10%透析牛胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地[1% proline, 50 units/ml penicillin,50μg/ml streptomycin,2mM L-glutamine(用時添加)]を用いて 1.26×104cells/well/0.32cm2/150μlの割合で96穴プレートに播種し、37℃、5%CO2下で2日間培養を行った。その後、L-glutamine free 培地に交換し、4時間後に上清を吸引除去し、150μlのPBS(+)−IBMX(10mM PBS(−),1mM MgCl2,1mM CaCl2,1mM IBMX)を添加して、20分間、37℃、5%CO2存在下でインキュベーションを行った。再び上清を吸引除去し、60μlの10-5M Forskolin、30μMグルタミン酸、10-10〜10-4Mの被検体を含有したPBS(+)−IBMXを添加して15分間、37℃で5%CO2存在下インキュベーションを行い、グルタミン酸のForskolin刺激cAMP蓄積量抑制に対する被検薬の拮抗効果の検討を行った(コントロールは、化合物無添加の条件とする。(Tanabe et al, Neuron, 8, 169-179 (1992))。100μlの氷冷エタノールを添付して反応停止し、上清を別のプレートに全量回収した後、エバポレーターで常温乾固し、−20℃で保存した。乾固したサンプルは、cAMP EIA kit(アマシャム社)を用いてcAMP量を定量した。各cAMP量からコントロールの値を差し引いた。10-5M Forskolin刺激によるcAMP増加に対する30μMグルタミン酸の抑制を50%拮抗する被検薬の濃度IC50値を求めた。
本発明化合物式[I]中、R1及びR2が水酸基で、R3が水素原子で示される化合物、すなわち表1中の化合物1−58は本試験例に記載の測定において、IC50値が500nM以下の強い拮抗作用を示した。例えば、化合物1、6、22、28、34、42,52は、それぞれ229nM、131nM、29.1nM、40.8nM、20.0nM、22.7nM、24.4nMのIC50値を示した。
試験例2 被検薬の代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞での[3H]MGS0008受容体結合試験に及ぼす効果
代謝型グルタメート受容体mGluR2安定発現CHO細胞を、10%透析牛胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地[1% proline, 50 units/ml penicillin,50μg/ml streptomycin,2mM L-glutamine(用時添加)]で T−225フラスコに播種し、37℃、5%CO2下で培養を行った。コンフルエントの状態でPBS(−)で2回洗浄してセルスクレ−パ−で細胞を剥離し、4℃、1000×g、15分間遠心分離を行って細胞を回収した。得られた沈さは、−80℃で保存した。用時溶解して、50mM Tris-HCl緩衝液(pH7.4)に懸濁した。懸濁液をホモジナイザ−で20秒間ホモジナイズ後、4℃、48,000×g、20分間遠心分離を行って沈さを得た。上記緩衝液で再度懸濁、ホモジナイズ後に37℃、15分間インキュベ−トし、4℃、48,000×g、20分間遠心分離を行った。さらに得られた沈さを、2回遠心洗浄した後に50mM Tris-HCl緩衝液(2mM MgCl2、pH7.4)でホモジナイズして膜画分を得た。受容体結合試験は、膜濃度50〜200μg/0.5mlassayの範囲で行った。膜画分に被検薬と3nM[3H]MGS0008を添加して、25℃で1時間インキュベ−ションを行った。Brandel cell harvesterを用いて0.3% polyethylenimineに予め浸したWhatman GF/Cフィルタ−上に吸引濾過することによって反応を停止した。吸引濾過後、フィルタ−は氷冷50mM Tris-HCl緩衝液(2mM MgCl2、pH7.4)3mlで3回洗浄した。得られたフィルタ−に10mlのAquasol-2を添加して6時間以上放置して、Beckman LS6000液体シンチレ−ションカウンタ−で蛍光活性を測定した。非特異的結合は10μM LY354740存在下で測定し、各結合量から差し引いた。溶媒による[3H]MGS0008結合量に対して50%抑制する被検薬の濃度IC50値を求めた。
本発明化合物式[I]中、R1及びR2及が水酸基でR3が水素原子で示される化合物、すなわち表1中の化合物1−58は本試験例に記載の測定において、mGluR2受容体に対しIC50値が100nM以下の強い結合作用を示した。
試験例3 ラット強制水泳試験による抗うつ作用の評価
(1) 実験動物には雄性SD系ラット(体重220−240g 日本チャールスリバー)を使用した。
(2)被験薬物には、下記化合物を使用した。
LY341495(Journal of Medicinal Chemistry 1998,41,358−378):(2S)−2−アミノ−2−((1S,2S)−2−カルボキシシクロプロピ−1−イル)−3−(9−キサンチル)プロピオン酸((2S)-2-Amino-2-((1S,2S)-2-carboxycycloprop-1-yl)-3-(9-xanthyl)propanoic acid)
化合物34:(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3、4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2、6−ジカルボン酸 ((1S,2R,3R,5R,6R)-2-amino-3-(3,4-dichlorobenzyloxy)-6-fluorobicyclo[3.1.0]hexane-2,6-dicarboxylic acid)
(3) 強制水泳試験はPorsoltらにより報告された方法に少し修正を加えて実施した(European Journal of Pharmacology 1978, 47, 379−391)。すなわち、ラットを30cmの深さの水の入ったシリンダーに入れ、まず、15分間の強制水泳を実施し、24時間経過後に5分間の強制水泳試験(本試験)を実施した。そして、この本試験における無動化時間を測定し、被験薬物の抗うつ作用を評価した。
なお、投与群には、LY341495及び化合物34の各被験薬を1/15Mのリン酸緩衝液に溶解し、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kgの割合で本試験の24時間前及び1時間前に2度腹腔内投与した。また、溶媒群には、1/15Mのリン酸緩衝のみを同じように腹腔内投与した。
(4)図1及び2における記号*及び**は、それぞれダンネット検定により有意差検定を行ったとき、P<0.05及びP<0.01で1/15Mのリン酸緩衝液である溶媒群と比較して優位差があることを示している。よって、図1及び2より、溶媒群と比較して、被験薬であるLY341495及び化合物34を腹腔内投与した群は、無動化時間を用量依存的に有意に減少させ、優れた抗うつ作用を奏することが明らかとなった。このことは、グループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗作用を有する化合物が抗うつ薬として有用であることを示している。
また、本発明の態様の一つである2−アミノ−3−アルコキシ−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物は、メタボトロピックグルタミン酸受容体の強力な拮抗薬となる。従って、統合失調症、不安及びその関連疾患、二極性障害、てんかん等の精神医学的障害の治療及び予防、薬物依存症、認知障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄障害、頭部障害等の神経学的疾患の治療及び予防に有効な医薬品の提供も可能となった。
抗うつ作用を評価するために、既知のグループIIメタボトロピックグルタミン酸受容体拮抗物質LY341495(Journal of Medicinal Chemistry 1998,41,358−378)を投与したラットを強制水泳させたときの無動化時間を測定したグラフである。 本発明化合物34を投与したラットを強制水泳させたときの無動化時間を測定したグラフである。

Claims (1)

  1. 下記式[I]
    Figure 0004461865
    で表される(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする抗うつ薬。
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