JP4461473B2 - 身体サポート具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、座席や椅子などのシート等に着座する際に使用するもので、ユーザーの着座形状(体形)に合わせた形状を保持し、ユーザー個人の体形に応じたフィット感を得ることができるシートサポートなどの身体サポート具に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、各種の自動車のシートは、平均的なユーザーに適合するように製作されているので、ユーザーによっては多少フィット感に欠けることがある。
【0003】
このような事情に鑑み、これを解決する手段として従来から各種の身体サポート具(シートサポート)が提案され、いくつかは既に実用に供されている。
【0004】
本発明者は、このような身体サポート具の実用性を更に追求し、ユーザーの着座形状に合わせた形状を保持することができ、且つ取り扱いも容易で簡易に構成可能とすべく、柔軟性を有するクッション体を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆体で被覆し、身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用するシートサポートを発明した(特願平11−316012号)。
【0005】
前記発明は、簡単にユーザー個人の着座形状(体形)に形成することができ、しかもこの身体サポート具は、被覆体が硬化して形状を保持するものでありながら中身は柔軟性を有するクッション体であるから、硬いだけでなく適度な柔軟性も得られて、柔軟性を有するクッション体であるから、硬いだけでなく適度な柔軟性も得られて、良好なホールド性と座り心地とが得られることとなり、その上、単に、クッション体を硬化樹脂を含浸させた被覆体で被覆するだけで構成できるため、この構成は簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に優れ、安価な製品を提供可能となるなどの優れた効果を発揮する画期的な身体サポート具となる。
【0006】
ところで、汎用品の被覆体は一定幅の帯状をなしており、例えば、特開2001−128803号公報では、クッション体の周側面部に、二枚の被覆体同士の止着部を位置させ(公報第0035段)、同公報の図4(a)では、止着部をクッション体の上下両側に位置させている(公報第0037段)。このように、帯状をなす被覆体である被覆帯を用いるため、該被覆帯を部分的に重ね合わせてクッション体に巻き付けて覆っている。
【0007】
その巻き付け方の従来例を、図10を参照して説明すると、複数の被覆帯1を幅方向に並べる被覆帯体2によりクッション体5の全周を覆い、その被覆帯体2は被覆帯1,1の幅方向に隣合う縁3,3を重ね合わせた縁重ね部4を有し、同図に示すように、縁重ね部4をクッション体5の各面に配置している。
【0008】
このように、複数の被覆帯1を並べて隣合う縁3,3を重ね合わせることにより、被覆帯1の幅より大きなクッション体5の全周を覆うことができる。しかし、上記のような構造では、クッション体5の角部で被覆帯1を折り曲げるため、縁重ね部4の縁3,3同士が開いて剥がれ易くなる問題がある。また、被覆帯1に含浸した硬化樹脂は、時間経過と共に硬化するため、作業を短時間で行わなければならず、さらに、固まる前の状態では硬化樹脂は粘着性を備えるため、作業中、被覆帯が不要箇所に付かないように、作業を簡単且つ手際よく行う必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、被覆帯を用いてこれより大きなクッション体を確実に被覆することができ、被覆作業を短時間で効率良く行うことができる身体サポート具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、柔軟性を有するクッション体を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆帯で被覆し、身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用する身体サポート具であって、交差する縦横の前記被覆帯を重ね合わせ、これら縦横の被覆帯の少なくとも一方は該被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせ、前記縦横の被覆帯の重ね合わせ部分により前記クッション体の一側を覆い、前記縦横の被覆帯の長さ方向端部側を前記クッション体の他側に巻き付けて前記クッション体を覆ってなるものである。
【0011】
この請求項1の構成によれば、被覆帯を縦横に交差して重ね合わせ、重ね合わせ部分にクッション体の一側を配置し、このクッション体の他側に縦横の被覆帯を巻き付けるから、クッション体の一側及び他側で縦横の被覆帯が重ね合わされているから、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた部分が剥がれ難くなり、確実にクッション体を覆うことができ、被覆帯による安定した被覆構造が得られる。また、被覆帯を重ね合わせ、クッション体に巻く付ける作業が主となるため、作業性に優れ、別個に止着具を用いる必要もない。
【0012】
また、請求項2の発明は、前記縦横の被覆帯をそれぞれ複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦方向被覆帯体及び横方向被覆帯体を備えるものである。
【0013】
この請求項2の構成によれば、縦横寸法がそれぞれ被覆帯の幅より広いクッション体を被覆することができ、被覆帯の隣合う縁同士を重ね合わせた部分が剥がれ難くなり、確実に被覆することができる。
【0014】
また、請求項3の発明は、前記重ね合わせ部分で内側の被覆帯が前記クッション体の他側で内側に位置するものである。
【0015】
この請求項3の構成によれば、内側の被覆帯から巻き付けることにより、製造時における巻き付け作業が容易となる。
【0016】
また、請求項4の発明は、前記クッション体は横寸法が縦寸法より長く形成されると共に、前記クッション体の厚さ方向一側が前記重ね合わせ部分により覆われ、前記横の被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた横被覆帯体を形成し、この横被覆帯体の幅が前記クッション体の縦寸法より大きく、前記横被覆帯体が縦の被覆帯より内側に位置するものである。
【0017】
この請求項4の構成によれば、縦と横の被覆帯が広い面積で接触するから、横被覆帯体の被覆帯の縁重ね部が剥がれ難くなり、被覆帯の幅より大きなクッション体を確実に被覆することができる。
【0018】
さらに、請求項5の発明は、前記縦の被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦被覆帯体を備えるものである。
【0019】
この請求項5の構成によれば、複数の被覆帯を幅方向に並べた縦被覆帯体と横被覆帯体とが重なり合うため、縁重ねあわせ部分が剥がれ難く、縦及び横に広いクッション体を確実に被覆することができる。
【0020】
さらに、請求項6の発明は、前記被覆帯は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成したものである。
【0021】
この請求項6の構成によれば、布材,例えば綿布やポリエステル布には硬化樹脂を非常に含浸させ易いために、被覆帯を一層簡易に構成可能となる極めて実用性に優れたものとなる。
【0022】
【発明の実施形態】
以下、本発明の身体サポート具の第1実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。図1に示すように、シート101の尻や腰や背中や首などの部分が当接する位置、すなわちシートのホールド性が要求される部位と、ユーザーの身体との間に本発明の身体サポート具11をセットし、ユーザーが着座しながらその身体サポート具11を押圧変形させると、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆帯12,13がこの押圧変形した形に硬化して、ユーザー個人の着座形状の身体サポート具11形状に保持形成されることになる。尚、前記被覆帯12,13は同一構成のものが用いられ、縦の被覆帯12と横の被覆帯13とは交差方向をなす。
【0023】
したがって、簡単にユーザー個人の着座形状の身体サポート具11を形成することができる上、この身体サポート具11のシート101側に接する部分もシート101に合った形状で固化するため、シート101に対して、位置ズレし難い状態で設置できることになり、しかも、この身体サポート具11は、前記被覆帯11が硬化して形状を保持するものでありながら、中身は柔軟性を有するクッション体14であるため、硬いだけでなく適度な柔軟性も得られ、良好なホールド性を座り心地とが得られることになる。
【0024】
前記被覆帯12,13は、ほぼ一定厚さの帯状をなすものであって、布材,例えば綿布やポリエステル布に硬化樹脂を含浸させて構成すれば、この布材には硬化樹脂が非常に含浸し易いため、被覆帯12,13を一層簡易に構成可能となる。
【0025】
また、例えば、前記硬化樹脂は、湿気にさらすことで短時間で硬化するか若しくは触媒液を加えることで短時間で硬化するものを採用すれば、身体サポート具11成形に際して身体押し付け時間を短縮でき、例えば長時間着座姿勢を取らずとも良く、ユーザー個人の着座形状に形成することが一層容易に行えることとなる。
【0026】
前記硬化樹脂は、例えば湿気硬化ウレタンなどの水を加えるか水分を含ませるなど湿気にさらすことで短時間で硬化する性質を有する湿気硬化型樹脂を採用している。この他にも、これらの条件を満たし、本実施形態の被覆帯12,13に最適なものとして、例えば、スリーエムヘルスケア(株)製のキャスティング製品が市販されている。このキャスティング製品は、水に浸すと短時間(3〜5分)で強くしっかりと硬化するという性質がある。また、この硬化樹脂としては、他に例えば、主剤に触媒液を加える(噴霧する)ことで短時間で硬化する性質を有するもの(触媒硬化型樹脂)でも良い。
【0027】
前記クッション体14にはスポンジなどの柔軟性と通気性とを有するブロック状の発泡材により構成され、その柔軟性によりスプリングバック(弾性復帰力)する性質がある。
【0028】
次に、前記身体サポート具11の製造方法の一例を説明する。この例のクッション体14は、横寸法Wがこれと交差する縦寸法Hより大きいものである。また、クッション体14の厚さtは、前記縦寸法Hより小さい。尚、製造前において、湿気硬化樹脂を含浸した被覆帯12,13は、防湿袋に収納するなどして、防湿状態に保っておく。防湿袋から出した後は、湿気にさらされるため、粘着性が発生し、短時間で製造し、再度、防湿状態として保管しておく。まず、縦の被覆帯12を幅方向に複数並べ、隣合う被覆帯12の縁同士を重ね合わせて縁重ね部15を設け、これにより縦の被覆帯12が複数並んだ縦被覆帯体121が形成され、縁重ね部15において、縁同士は硬化樹脂の粘着性により連結される。また、以下の作業においても、重ね合わせた被覆帯12,13同士及び被覆帯12,13とクッション体14とは、被覆帯12,13の硬化樹脂の粘着性によりくっ付けることができる。また、この縦被覆帯体121に交差方向で重ね合わせるようにして、横の被覆帯13を幅方向に複数並べ、隣合う被覆帯13の縁同士を重ね合わせて縁重ね部16を設け、これにより横の被覆帯13が複数並んだ横被覆帯体131が形成される。この例では、図2の縦被覆帯体121を例に示すように、幅方向に隣合う被覆帯12,13の縁重ね部15,16は、それぞれ一方の縁の一側面に他方の縁の他側面を重ねてなる。
【0029】
前記横被覆帯体131の縦寸法である幅Yhは、クッション体14の縦寸法Hより大きく、また、縦寸法Hと厚さtとを合わせた寸法よりも多少大きく形成されている(Yh>(H+t))。また、縦被覆帯体131の横寸法である幅Twは、クッション体14の横寸法Wとほぼ同一かやや大きく形成されている。
【0030】
そして、縦横の被覆帯12,13の重ね合わせ部分17に前記クッション体14の厚さ方向の一側14Aを重ね、この一側14Aに接する横被覆帯体131の被覆帯13の長さ方向端部13T側を、クッション体14の厚さ方向の他側14Bに巻き付け、さらに、それら両側の端部13T,13T同士を部分的に重ね合わせて端部重ね合わせ部19を形成する。
【0031】
次に、縦被覆帯体121の被覆帯12の長さ方向端部12Tを、前記横被覆帯体131の上から、クッション体14の他側14Bに巻き付け、さらに、それら両側の端部12T,12T同士を部分的に重ね合わせて端部重ね合わせ部18を形成する。また、横被覆帯体131の幅方向両側縁はクッション体14の側面で重ね合わされて縁重ね合わせ部20,20が形成される。
【0032】
このように、縦被覆帯体121と横被覆帯体131とを、クッション体14の横方向両側面以外で、全面的に重ね合わせた構造とすることにより、各被覆帯体121,131の縁重ね部15,16が剥がれることなく、確実な被覆構造を得ることができる。
【0033】
また、作業においては、縦の被覆帯12を並べて縦被覆帯体121を形成し、この縦被覆帯体121に重ねるようにして、横の被覆帯13を並べて横被覆帯体131を形成し、この横被覆帯体131に重ねるようにして、クッション体14を配置し、端部12T,13Tを巻き付け、このようにクッション体14の他側14Bから作業を行うから、作業の途中でクッション体14の他側14Bと一側14Aとの向きを変えるなどの必要がなく、作業性に優れたものとなり、さらに、縦横の被覆帯12,13を予め重ね合わせ部分17で重ねておいてから、クッション体14を配置し、その後、端部12T,13Tを順次巻き付けるから、作業の途中で、不用意に縦横の被覆帯12,13がくっ付くことがなく、作業手順に優れる。また、別個に止着具を用いる必要がないから、被覆帯12,13に含浸した硬化樹脂により止め具作業が中断するという不具合もない。
【0034】
このように本実施形態では、請求項1に対応して、柔軟性を有するクッション体14を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆帯12,13で被覆し、身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用する身体サポート具11であって、交差する縦横の被覆帯12,13を重ね合わせ、これら縦横の被覆帯12,13の少なくとも一方は該被覆帯12,13を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせ、縦横の被覆帯12,13の重ね合わせ部分17によりクッション体14の一側14Aを覆い、縦横の被覆帯12,13の長さ方向端部12T,13T側をクッション体14の他側14Bに巻き付けてクッション体14の残りの部分を覆ってなるから、クッション体14の一側14A及び他側14Bで縦横の被覆帯12,13が重ね合わされているから、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた部分である縁重ね部15,16が剥がれ難くなり、確実にクッション体14を覆うことができ、被覆帯12,13による安定した被覆構造が得られる。また、被覆帯12,13を重ね合わせ、クッション体14に巻く付ける作業が主となるため、作業性に優れ、別個に止着具を用いる必要もない。
【0035】
また、このように本実施形態では、請求項2に対応して、縦横の被覆帯12,13をそれぞれ複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦方向被覆帯体121及び横方向被覆帯体131を備えるから、縦横寸法がそれぞれ被覆帯12,13の幅より広いクッション体14を被覆することができ、被覆帯12,13の隣合う縁同士を重ね合わせた部分である縁重ね部15,16が剥がれ難くなり、確実に被覆することができる。
【0036】
また、このように本実施形態では、請求項3に対応して、重ね合わせ部分17で内側の被覆帯13がクッション体14の他側14Aで内側に位置するから、内側の被覆帯13から巻き付けることにより、製造時における巻き付け作業が容易となる。
また、このように本実施形態では、請求項4に対応して、クッション体14は横寸法Wが縦寸法Hより長く形成されると共に、クッション体14の厚さ方向一側14Aが重ね合わせ部分17により覆われ、横の被覆帯13を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた横被覆帯体131を形成し、この横被覆帯体131の幅Yhがクッション体14の縦寸法Hより大きく、横被覆帯体131が縦の被覆帯12より内側に位置するから、縦と横の被覆帯12,13が広い面積で接触するから、横被覆帯体131の被覆帯の縁重ね部16が剥がれ難くなり、被覆帯13の幅より大きなクッション体14を確実に被覆することができる。
【0037】
さらに、このように本実施形態では、請求項5に対応して、縦の被覆帯12を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦被覆帯体121を備えるから、複数の被覆帯12,13を幅方向に並べた縦被覆帯体121と横被覆帯体131とが重なり合うため、縁重ね部15,16が剥がれ難く、縦及び横に広いクッション体14を確実に被覆することができる。
【0038】
さらに、このように本実施形態では、請求項6に対応して、被覆帯12,13は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成したから、布材,例えば綿布やポリエステル布には硬化樹脂を非常に含浸させ易いために、被覆帯12,13を一層簡易に構成可能となる極めて実用性に優れたものとなる。
【0039】
さらに、このように本実施形態では、硬化樹脂は、湿気にさらすことで短時間で硬化する性質を有するか若しくは触媒液を加えることで短時間で硬化する性質を有するものであるから、例えば、ユーザーが着座しながらサポート具11を押圧変形させると、短時間で被覆帯12,13がその押圧固定した形で固定化することができる。
【0040】
このように本実施形態では、柔軟性を有するクッション体14を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆帯12,13で被覆し、身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用する身体サポート具11の製造方法であって、交差する縦横の被覆帯12,13を重ね合わせ、これら縦横の被覆帯12,13の少なくとも一方は該被覆帯12,13を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせ、縦横の被覆帯12,13の重ね合わせ部分17にクッション体14の一側14Aを配置し、縦横の被覆帯12,13の長さ方向端部12T,13T側をクッション体14の他側14Bに巻き付ける製造方法であり、被覆帯12,13を重ね合わせ、クッション体14に巻く付ける作業が主となり、別個に止着具を用いる必要もなく、作業性に優れたものとなる。また、クッション体14の一側14A及び他側14Bで縦横の被覆帯12,13が重ね合わされているから、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた部分である縁重ね部15,16が剥がれ難くなり、確実にクッション体14を覆うことができ、被覆帯12,13による安定した被覆構造を得ることができる。
【0041】
このように本実施形態では、縦横の被覆帯12,13をれぞれ複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて縦被覆帯体121及び横被覆帯体131を形成したから、縦横寸法がそれぞれ被覆帯12,13の幅より広いクッション体14を短時間で効率良く被覆することができ、しかも、被覆帯12,13の隣合う縁同士を重ね合わせた部分である縁重ね部15,16が剥がれ難くなり、クッション体14を確実に被覆することができる。
【0042】
このように本実施形態では、重ね合わせ部分17で内側の被覆帯13の長さ方向端部13T側をクッション体14の他側14Bに巻き付けた後、外側の被覆帯12の長さ方向端12T部をクッション体14の他側14Bに巻き付けるから、製造時における巻き付け作業が容易となる。
【0043】
また、このように本実施形態では、クッション体14は横寸法Wが縦寸法Hより長く形成されると共に、クッション体14の厚さ方向一側14Aが重ね合わせ部分17により覆われ、横の被覆帯13を幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた横被覆帯体131を形成し、この横被覆帯体131の幅Yhがクッション体14の縦寸法Hより大きく、横被覆帯体131が縦の被覆帯12より内側に位置するから、縦と横の被覆帯12,13が広い面積で接触するから、横被覆帯体131の被覆帯13の縁重ね合わせ部分である縁重ね部16が剥がれ難くなり、被覆帯13の幅より大きなクッション体14を確実に被覆することができる。
【0044】
また、実施形態上の効果として、前記横被覆帯体131の幅Yhは、クッション体14の縦寸法Hより大きく、また、縦寸法Hと厚さTとを合わせた寸法よりも多少大きく形成されているから、横被覆帯体131の幅方向両側縁はクッション体14の側面で重ね合わされて縁重ね合わせ部20,20が形成し、この上から縦の被覆帯12を巻き付けることにより、縁重ね合わせ部20,20の剥がれも防止できる。
【0045】
さらに、このように本実施形態では、縦の被覆帯12を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて縦被覆帯体121を形成したから、複数の被覆帯12,13を幅方向に並べた縦被覆帯体121と横被覆帯体131とが重なり合うため、縁重ね部15,16が剥がれ難く、縦及び横に広いクッション体14を確実に被覆することができる。
【0046】
さらに、このように本実施形態では、被覆帯12,13は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成したから、この製法により得られた身体サポート具11では、布材,例えば綿布やポリエステル布には硬化樹脂を非常に含浸させ易いために、被覆帯を一層簡易に構成可能となる極めて実用性に優れたものとなる。
【0047】
さらに、このように本実施形態では、前記硬化樹脂は、湿気にさらすことで短時間で硬化する性質を有するか若しくは触媒液を加えることで短時間で硬化する性質を有するものであるから、この製法により得られた身体サポート具11では、ユーザーが着座しながら身体サポート具11を押圧変形させると、短時間で被覆帯12,13がその押圧固定した形で固定化することができる。
【0048】
図7及び図8は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して説明する。縦被覆帯体121を例に説明すると、この縦被覆帯体121は、複数の被覆帯12,12,12の縁を突き合わせて隙間なく並べ、この突き合わせ箇所に他の被覆帯12,12を重ねてなる。したがって、隣合う被覆帯12,12Aの縁重ね部15の幅は、被覆帯12の幅の2分の1となる。また、横被覆帯体131においても、同様に構成することができる。
【0049】
このように複数の被覆帯12,12,12を幅方向に並べ、突き合わせ箇所に他の被覆帯12A,12Aを重ねることにより、汎用品の被覆帯12,12Aを用いて幅広で幅方向の連結強度に優れた被覆帯体121,131を形成することができる。
【0050】
図9は本発明の第3実施形態を示し、上記第1実施形態と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して説明すると、この例では、縦被覆帯体121は2本の縦の被覆帯12からなり、横の被覆帯13を1本用いた例であり、この例のクッション体14Aの縦寸法Hは、被覆帯13の幅より小さい。
【0051】
また、前記クッション体14Aの角部を落として面取部14Kを形成している。したがって、身体サポート具11の面取部14K箇所は角部がなく、着用感に優れたものとなる。
【0052】
そして、縦被覆帯体121の上に横の被覆帯13を重ね、この縦横の被覆帯12,13の重ね合わせ部分17に、前記クッション体14の厚さ方向の一側14Aを重ね、この一側14Aに接する横の被覆帯13の長さ方向端部13T側を、クッション体14の厚さ方向の他側14Bに巻き付け、さらに、それら両側の端部13T,13T同士を部分的に重ね合わせて端部重ね合わせ部19を形成する。次に、縦被覆帯体121の被覆帯12の長さ方向端部12Tを、前記横被覆帯体131の上から、クッション体14の他側14Bに巻き付け、さらに、それら両側の端部12T,12T同士を部分的に重ね合わせて端部重ね合わせ部18を形成する。また、横被覆帯体131の幅方向両側縁はクッション体14の側面で重ね合わされて縁重ね合わせ部20,20が形成される。
【0053】
このように本実施形態においては、請求項1,3,6の身体サポート具11に対応すると共に、上記製造方法に対応して、上記実施例と同様な作用効果を奏する。
【0054】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施形態ではシートサポートに用いるものの例を示したが、靴底に敷く靴底サポータなどにも適用可能である。
【0055】
【発明の効果】
請求項1の発明は、交差する縦横の前記被覆帯を重ね合わせ、これら縦横の被覆帯の少なくとも一方は該被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせ、前記縦横の被覆帯の重ね合わせ部分により前記クッション体の一側を覆い、前記縦横の被覆帯の長さ方向端部側を前記クッション体の他側に巻き付けて前記クッション体を覆ってなるものであり、被覆帯を用いてこれより大きなクッション体を確実に被覆することができ、被覆作業を短時間で効率良く行うことができる身体サポート具を提供することができる。
【0056】
また、請求項2の発明は、前記縦横の被覆帯をそれぞれ複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦方向被覆帯体及び横方向被覆帯体を備えるものであり、被覆帯を用いてこれより大きなクッション体を確実に被覆することができ、被覆作業を短時間で効率良く行うことができる身体サポート具を提供することができる。
【0057】
また、請求項3の発明は、前記重ね合わせ部分で内側の被覆帯が前記クッション体の他側で内側に位置するものであり、被覆帯を用いてこれより大きなクッション体を確実に被覆することができ、被覆作業を短時間で効率良く行うことができる身体サポート具を提供することができる。
【0058】
また、請求項4の発明は、前記クッション体は横寸法が縦寸法より長く形成されると共に、前記クッション体の厚さ方向一側が前記重ね合わせ部分により覆われ、前記横の被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた横被覆帯体を形成し、この横被覆帯体の幅が前記クッション体の縦寸法より大きく、前記横被覆帯体が縦の被覆帯より内側に位置するものであり、被覆帯を用いてこれより大きなクッション体を確実に被覆することができ、被覆作業を短時間で効率良く行うことができる身体サポート具を提供することができる。
【0059】
さらに、請求項5の発明は、前記縦の被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦被覆帯体を備えるものであり、被覆帯を用いてこれより大きなクッション体を確実に被覆することができ、被覆作業を短時間で効率良く行うことができる身体サポート具を提供することができる。
【0060】
さらに、請求項6の発明は、前記被覆帯は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成したものであり、被覆帯を用いてこれより大きなクッション体を確実に被覆することができ、被覆作業を短時間で効率良く行うことができる身体サポート具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、使用状態の概略説明断面図である。
【図2】同上、重ね合わせる前の縦被覆帯体と横被覆帯体とクッション体の断面図である。
【図3】同上、縦被覆帯体と横被覆帯体とクッション体を重ね合わせた状態の平面図である。
【図4】同上、横被覆帯体をクッション体の他側に巻き付けた状態の平面図である。
【図5】同上、縦被覆帯体をクッション体の他側に巻き付けた状態の平面図である。
【図6】同上、図5のA−A線断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示し、被覆帯体の平面図である。
【図8】同上、被覆帯体の断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示し、縦被覆帯体と横被覆帯体とクッション体を重ね合わせた状態の平面図である。
【図10】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
12 縦の被覆帯
12T 長さ方向端部
121 縦被覆帯体
13 横の被覆帯
13T 長さ方向端部
131 横被覆帯体
Yh 幅(横被覆帯体の幅)
14 クッション体
W 横寸法(クッション体の横寸法)
H 縦寸法(クッション体の縦寸法)
14A 一側
14B 他側
17 重ね合わせ部分

Claims (6)

  1. 柔軟性を有するクッション体を、硬化樹脂を含浸させたシート状の被覆帯で被覆し、身体の部分に当接させその部分に合致した形状に硬化させて使用する身体サポート具であって、交差する縦横の前記被覆帯を重ね合わせ、これら縦横の被覆帯の少なくとも一方は該被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせ、前記縦横の被覆帯の重ね合わせ部分により前記クッション体の一側を覆い、前記縦横の被覆帯の長さ方向端部側を前記クッション体の他側に巻き付けて前記クッション体を覆ってなることを特徴とする身体サポート具。
  2. 前記縦横の被覆帯をそれぞれ複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦方向被覆帯体及び横方向被覆帯体を備えることを特徴とする請求項1記載の身体サポート具。
  3. 前記重ね合わせ部分で内側の被覆帯が前記クッション体の他側で内側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の身体サポート具。
  4. 前記クッション体は横寸法が縦寸法より長く形成されると共に、前記クッション体の厚さ方向一側が前記重ね合わせ部分により覆われ、前記横の被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせた横被覆帯体を形成し、この横被覆帯体の幅が前記クッション体の縦寸法より大きく、前記横被覆帯体が縦の被覆帯より内側に位置することを特徴とする請求項1記載の身体サポート具。
  5. 前記縦の被覆帯を複数幅方向に並べると共に、幅方向に隣合う縁同士を重ね合わせて形成した縦被覆帯体を備えることを特徴とする請求項4記載の身体サポート具。
  6. 前記被覆帯は、布材に硬化樹脂を含浸させて構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の身体サポート具。
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