JP4461445B2 - マイクロストリップアンテナ及び高周波センサ装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態にかかる高周波センサ20を説明するための模式図であり、同図(a)及び(b)はそのブロック図、同図(c)は水平放射パターンにおける等ゲイン線、同図(d)は放射パターンを表す模式図である。
図1(a)に表した具体例の場合、送信部12に接続されたアンテナ10からは、例えば、10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。移動物体からの反射波T2は、アンテナ10を経由して受信部14に入力される。アンテナ10は、図1(a)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図1(b)に表したように、送信部12にはアンテナ10aを接続し、受信部14にはアンテナ10bを接続してもよい。
ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c 式(1)
但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×106m/s)
高周波センサ20を液流に向けると、式(1)で表されるように、その流速vに比例した周波数ΔFを含む出力信号を得ることができる。出力信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と液流の流速vとの間には相関関係がある。従って、ドップラー周波数ΔFを測定することにより流速vを求めることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.525GHzまたは24.15GHzの周波数が使用できる。
小便器22の内部には、高周波センサ20と、機能部24が収められている。小便器22の上方には、小便器22のボール部内空間を洗浄するための水を供給する給水部30及び洗浄水吐出口32が設けられている。ボール部内空間の下方には排水口34が設けられている。
差分検出部16の出力信号はアンプ40により増幅され、FFT(Fast Fourier Transform)演算部42に入力される。FFT演算部42により、差分検出部16の出力信号の
周波数スペクトラムをリアルタイムで得ることができる。FFT演算部42の出力は、流量
演算部44に入力され、周波数スペクトラムから流量に換算されることもできる。
本具体例において、パッチ電極を有する給電素子60の励振方向に対して横方向に、パッチ電極を有する無給電素子62が配置されている。このアンテナ10は、給電素子60及び無給電素子62がそれぞれ平面パターンを有するパッチアンテナに属する。アンテナ10の主面はXY座標で表され、水平面内においてX軸からの角度をφで表す。また、この主面と垂直な方向をZ軸とし、垂直面において、Z軸からの角度をθで表す。Y軸は、励振方向に対して平行であり、X軸、Y軸、Z軸、φ及びθに関するこれらの定義は、本願明細書においてすべて同一とする。
無給電素子62と給電素子60との形状は伝送線路64以外の領域においてほぼ等しいものとすることができる。
または、無給電素子62のサイズを給電素子60のサイズよりも少し小さくしてもよい。すなわち、励振周波数は無給電素子62の一辺の長さにより決まるため、無給電素子62を給電素子60よりも小さくすることで、周波数を高く設定することができる。そうすると、無給電素子62の位相を給電素子60に対して遅らせることが可能となり、伝送線路の長さを調整しなくてもアンテナから放射される電波の方向を曲げることが可能となる。
この具体例の場合、給電点Pの横方向、かつY軸負方向の位置が整合点P’となる。伝送線路64の終端から0.3mmの位置にφ0.3mmの導通孔66が設けられており、また伝送線路64の長さをLとする。
ナ利得:dB)のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
Lが伝送線路の4分の1波長である4.8mm近傍において、整合点P’における振幅 が最小となり、位相がプラスからマイナスに急激に変化する。アンテナゲインは約6d
Bと最大となっている。また、位相はLが約8.1mmにおいてマイナスからプラスへと
転じる。これよりLが大きい8.3mm近傍においてアンテナゲインはマイナス10dBとなり最低となる。なお、位相がプラスである場合は無給電素子62は導波器として作用し、マイナスである場合は反射器として作用する。
、反射係数であるS11をシミュレーションで求めた結果を表し、同図(a)はS11の振幅(Mag.;dB)、同図(b)はS11の位相(deg)の周波数特性をそれぞれ表す。
周波数11.05GHzにおいて、伝送線路長が4.7mmの場合に位相は0度となり、3.77mmの場合に位相は110度、5.32mmの場合に位相はマイナス110度となる。
例えば、整合点P’の位相が110度の場合、素子間スペースSが2.2mmにおいて全体アンテナゲインが最大である7.15dBとなることを示している。このとき、角度θはほぼ27度となる。
放射パターンは、メインビームと、これよりゲインの小さいサイドローブ(不要電波)とを含む。ここで、メインビームのゲインのピークより3dB低下した角度領域を半値角と呼ぶことにする。液流を精度よく検知するためには、メインビームのゲインが高く、メインビームとサイドローブとのゲイン差が大きく、かつ3dB利得低下する半値角範囲が0度よりも走査方向側に局在することが好ましい。
整合点位相P’が大きくなるに従い、ゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点位相は120度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が120度の場合、アンテナゲインは約マイナス21dB,半値角範囲はマイナス62乃至マイナス2度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が11dBとなり、高周波センサとしての機能を満たす。
第2具体例においては、無給電素子62は励振方向に沿って給電素子60と隣り合って配置されている。このアンテナ10は、図5(b)と同様の材料を用いて形成することができる。終端短絡の伝送線路は、励振方向と平行な部分を有している。記伝送線路の一端は、無給電素子62の励振方向と直交する端辺の略中央付近に接続されている。また、後に詳述するように、伝送線路の他端は、高周波信号の通過と遮断とのいずれかを選択可能なスイッチの入力端子に接続することができる。この場合、スイッチのオン状態において無給電素子62は、導波器及び反射器のいずれか一方として作用し、スイッチのオフ状態において、無給電素子62は、導波器及び反射器のいずれか他方として作用する。
素子間スペースSが1.0mmの場合、アンテナゲインが6.92dBと最大となり、最大放射角度が約42度となる。
整合点位相P’が大きくなるに従い、ゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点位相は110度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が110度の場合、アンテナゲインはほぼマイナス19dB,半値角範囲はプラス2乃至プラス80度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が10dBとなり、高周波センサとしての機能を備えることが可能となる。
それぞれの位相においてアンテナゲインが最大となる素子間スペースSと、最大放射強度が得られる放射角度θが本図の右端のように得られる。3dB利得低下領域が、給電点Pを含む水平面のX軸に関して、走査したい一方の側(図16においては上側とする)に位置制御される様に、素子間スペースS,整合点P’位相を選択決定することができる。この結果、検知したい液流の領域に応じて高周波センサを動作させることが可能となる。
本具体例においては、給電素子60と隣り合い励振方向に対して横方向の位置に無給電素子62及び63が配置されている。かつ、無給電素子62の終端短絡伝送線路64の電気長はλg/4より短いので整合点の位相はプラス、無給電素子63の終端短絡伝送線路65の電気長はλg/4より長いので整合点の位相はマイナスである。
0度とマイナス90度において、メインビームの放射パターンに大きな変化を生じていない。マイナス90度からマイナス180に変化すると、メインビームのピーク位置がサイドローブに少し接近し、サイドローブゲインを約3dB抑圧できる。
また、図26は、第3具体例の第2変形例であり、同図(a)は伝送線路64の特性インピーダンスが50オームであり、かつ無給電素子62の位相は110度、63の位相はマイナス110度であるアンテナ10の模式平面図、同図(b)はゲインのθ依存性を表す。メインビームのゲインは共にマイナス19dB,ゲインが最大となる角度θは共にマイナス35度である。第2変形例の方がサイドローブを約1dB抑圧できている。
また、図36は、図35に表したそれぞれの伝送線路を備えた無給電素子のE面におけるゲインのθ依存性を表す。終端短絡且つ位相マイナス110度の伝送線路を有する無給電素子が一番高いゲインを有する。終端開放かつ位相110度の伝送線路を有する無給電素子のゲインが最も低い。
図39(c)は、無給電素子74を給電素子60に対してずらすことなく、その伝送線路の終端を接地した具体例を表す。その結果、放射パターンの最大ゲインはθ=36度、φ=186度となり、図39(a)に表した具体例(φ=210度)と比べて、φ=180度の方向に24度も戻ったことが分かる。
素子間スペースSが1.3mmの時アンテナゲインが最大となり、最大放射強度となる角度θは63度となることが分かる。
図44は、素子間スペースSを変化させた場合の水平放射パターンを表す。
無給電素子63の位相を0からマイナス180度まで変化させるにしたがって、サイドローブが低下することが分かる。ただし、メインローブの半値幅はやや拡がる傾向にあり、無給電素子63の位相がマイナス90度付近においてもっとも良好な特性が得られているといえる。
図45は、第9具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は模式底面図である。
本具体例においては、終端短絡伝送線路64と接地68との間に高周波スイッチ100を設けることにより電波ビームの放射パターンを切り替えることができる。伝送線路64は、導通孔66を介して高周波スイッチ100に接続される。高周波スイッチ100は、例えば、GaAsからなるダイオードまたはFETとする。本図はFETを用いた具体例を表し、ゲート電極を伝送線路64から分離できるのでFET電源回路が容易になる。ゲート電極は基板裏面の引き出し電極102に接続され、供給電圧によりオン−オフを制御を行う。
すなわち、図46に表した具体例においては、無給電素子62に終端短絡伝送線路64の一方の端部が接続されており、他方の端部が導通孔66へと接続される。この場合には、伝送線路64はマイクロストリップラインとなる。一方、図47に表した具体例においては、無給電素子62のパターン内部に導通孔66が設けられ、基板の裏面において伝送線路64に接続される。この場合には、伝送線路64は厳密にはマイクロストリップラインではないが、その形状パラメータによってはマイクロストリップラインに近似して取り扱うことができる場合もある。
図48は、高周波スイッチ100の位置精度を改善する構造を例示する模式図であり、同図(a)は基板の裏面側を表し、同図(b)は高周波スイッチのインダクタンス成分を説明するための概念図である。
アンテナ10の励振周波数は高いので、高周波スイッチ100の位置決めには高精度が必要であり、このためにはマーカ104などを設けると良い。また、高周波スイッチ100は、寄生インダクタンスL2,L3を有し、その切替状態により寄生インダクタンスが変化する。
ここで、L1は伝送線路のインダクタンスを表す。また、図49において、CASE1とCASE1'は、それぞれ高周波スイッチ100がオフ状態とオン状態の寄生インダク
タンスを表す。またここでは、高周波スイッチ100がオン状態においても接地されない。このように、高周波スイッチ100のオン−オフにより寄生容量が変化する。このような場合、例えば、CASE1(L1+L2)の状態においてアンテナ特性が最適となるように設計することができる。また、これとは逆に、CASE2(L1+L2+L3)の状態においてアンテナ特性が最適となるように設計してもよい。
図50は、図45に例示したアンテナ10のH面における電波ビームのゲインのθ依存性を表すグラフ図である。
高周波スイッチ100がオン状態においては、マイナス30度付近をピークとしたメインローブと、プラス50度付近をピークとしたサイドローブが表れるが、高周波スイッチ100がオフ状態に遷移すると、0度付近をピークとした単峰性のアンテナ特性が得られる。このように、高周波スイッチ100を切り替えることにより、アンテナ特性を変化させることができる。
本具体例においては、伝送線路64をRにおいて分岐し、一方は導通孔67、高周波スイッチ100a(または100b)を介し接地68と接続し、他方は導通孔66を介して接地68へ直接接続する。
図53は、図51のアンテナのH面におけるゲインのθ依存性を表すグラフ図である。
図54は、第10具体例の第1変形例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は模式底面図、同図(c)はH面におけるゲインのθ依存性である。
導通孔66は、無給電素子62及び63のパターン領域内に設けられ、基板の裏面において伝送線路64が設けられる。伝送線路64と高周波スイッチ100との接続点近傍には終端短絡の伝送線路が分岐されており、高周波スイッチ100のオン−オフ切り替えにより伝送線路長を変化させ、図54(c)のようにゲインのθ依存性を制御できる。なお、図54(c)は、無給電素子62、63の位相がそれぞれ110度、マイナス90度の状態を表す。図53に表した(110、−90)の具体例と同様に、角度θのマイナス側にメインローブ、プラス側にサイドローブが表れていることが分かる。
図56は、第10具体例の第1及び第2変形例の回路構成を表す模式図である。すなわち、同図(a)に表した具体例の場合には、高周波スイッチ100がオンであると無給電素子は導波器となり、オフであると反射器となるようにインダクタンスが変化する。一方、同図(b)に表した具体例の場合には、高周波スイッチ100がオフの時に無給電素子は導波器となり、オンの時は反射器となるようにインダクタンスが変化する。
及び(110度、110度)の4通りとなる。
図57(b)はこれらの組み合わせに対応する放射パターンをそれぞれに表すグラフ図である。例えば、(110度、110度)及び(−180度、-180度)においてはθ
=0°においてゲインが最大となる左右対称の放射パターンが得られる。また、(110度、−180度)と(−180度、110度)とは、それぞれ左右非対称で0度を中心に反転した放射パターンとなる。
伝送線路64の終端が導通孔66を介して接地68に短絡され、伝送線路64の中間に分岐点が設けられ導通孔67を介して高周波スイッチ100と接続されている。無給電素子62と63は、給電素子60をはさんで励振方向に対して横方向に配置されている。また、無給電素子162と163は、給電素子60をはさんで励振方向に配置されている。
これらいずれも、高周波スイッチをオンにした時の無給電素子の位相は110度であり、一方、高周波スイッチをオフにした時の無給電素子の位相はマイナス180度(図59(a))、マイナス90度(図59(b))、または0度(図59(c))とされている。サイドローブを抑制する観点からは、高周波スイッチをオフにした時に無給電素子の位相がマイナス180度のものが有利である。
一方、図61は、第12具体例において無給電素子の一方を110度、他方を170度とした場合のゲインのシータ依存性を表す。図59(a)、図60(a)に表したように、無給電素子の他方の位相をマイナス180度にした場合と近似した特性が得られることが分かる。
導通孔66を介して高周波スイッチ100が基板裏面の終端短絡伝送線路に接続される。本図において、基板裏面には励振方向に対して横方向に延在する終端短絡伝送線路が設けられている。このようにするとアンテナ10を全体として小型化できる。
図63は、アンテナ10の第14具体例の模式平面図である。本具体例においては、無給電素子62及び63は同一位相とする。無給電素子62及び63の位相が同一であり、160乃至マイナス160度まで変化させた場合、各給電素子−無給電素子間スペースSに対するゲイン変化率を(表1)に、最大放射強度方向(θ、φ)を(表2)に表す。
図64は、本具体例の放射パターンを表す模式図である。
また、図66は、本具体例の放射パターンを表す模式図である。
図67は、第16具体例を表し、同図(a)、(b)、(c)、(d)は無給電素子162及び163と給電素子60との励振方向距離をそれぞれに変化させた場合の水平放射パターン、同図(e)はゲインのθ依存性をそれぞれ表す。
伝送線路は終端開放とし、長さを7.1mmとすることにより無給電素子162の位相は90度とする。CASE1は、無給電素子162が、0.8mmのスペース(間隔)S1だけ給電素子60から離れ、給電素子60の中心に関して給電点の反対側に配置される。CASE2〜4は、無給電素子163が、給電素子60の中心に関して給電点側に配置され、スペースS2がそれぞれ0.8、0.6、0.4mmの場合である。
給電素子60の給電点Pがパッチ電極の中心からみて無給電素子163の側に設けられている。そして、この場合、給電素子60と無給電素子162とのスペース(間隔)S1よりも、給電素子60と無給電素子163とのスペースS2を小さくすることにより、放射パターンを対称な形態に近づけることができる。
無給電素子162と給電素子60とのスペースはいずれも2.2mmとし、終端短絡伝送線路により無給電素子62の位相は110度となる。アンテナゲインが最大となるのは、図69(a)においてθ=27度、φ=183度であるのに対し、同図(b)においてθ=30度、φ=174度とビームが回転し、サイドローブもより大きくなる。
導波器としての無給電素子62の位相は110度、反射器としての無給電素子63の位相はマイナス180度とし、スペースは2.4mmとする。また、反射器として作用する無給電素子63の伝送線路は、導波器として作用する無給電素子62の伝送線路の長さである3.8mmにおいて約90度に屈曲させる。
高周波スイッチ100を切り替えることにより、水平面内の放射パターンを制御できることが分かる。本具体例も、人感センサや自動ドアに用いる高周波センサとして適している。また、導通孔67が設けられる分岐点において、伝送線路はほぼ90度に屈曲されている。従って、図58に表した具体例と比較して、励振方向に沿う長さを縮小しアンテナの小型化を容易にする。この場合、屈曲によるビームの回転も抑制できる。
一方、図73は、伝送線路を2本に分けた具体例を表し、同図(a)は表面側の模式図、同図(b)は裏面側の模式図である。すなわち、図73(a)はパッチ電極側を表し、パッチ電極から伝送線路が励振方向に延在し、途中で屈曲して、その終端が導通孔66により接地されている。一方、図73(b)は接地68である裏面を表し、パッチ電極領域内の一点から導通孔166を介して接続され励振方向に対して略平行に延在する伝送線路164と、この伝送線路164に接続された高周波スイッチ100と、が設けられている。この場合にも、裏面の伝送線路164のストライプ状導体の長さ以上の位置において、表側の伝送線路のストライプ状導体が屈曲される。この結果、高周波スイッチ100をオンとしたとき導波器として、オフとしたとき反射器として作用させ、無給電素子62の位相を変化させることができる。
次に、パッチ電極の配置を変えることにより最大放射方向を斜めに向ける具体例について説明する。
図74は、比較例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は水平放射パターン、同図(c)はゲインのθ依存性である。図74(a)のように無給電素子62を励振方向に0.2mmずらし、励振方向に平行なその一辺が給電素子60の平行な一辺とは対向する部分を有さない場合を表す。このようにずらすと、図73(b)のようにビームを曲げることはできるが、幅0.6mmの伝送線路の長さLを変えて位相を調整しても、無給電素子62を導波器として作用させることが困難である。すなわち、L=4.7mmとし位相を0度とすると最大放射強度はθ=36度、φ=297度となる。また、L=4.2mmとし位相を90度とすると最大放射強度はθ=45度、φ=117度となる。しかし図73(c)に例示するようにサイドローブを十分に減衰させるのが困難であり、センサとして好適なビーム放射パターンが得られない。
また、無給電素子と給電素子とはY軸に対して平行な一辺において対向する部分を有し、X軸に平行な他の一辺において対向する部分を有さない。Y軸に対して平行であり対向する部分は、図76及び図77に例示される水平放射パターンのシミュレーション結果よりゼロより大きく4分の1波長より短いことが好ましい。給電素子は励振方向に平行な辺において2分の1波長の長さとされるので、4分の1波長より短い対向部分であれば無給電素子は重なり合わない。破線で表す高周波スイッチSW1,SW2,SW3、SW4は、基板の裏面にそれぞれ配置される。
放射パターンにおけるゲインの最大値となるφ方向は、CASE1で60度、CASE2で120度、CASE3で240度、CASE4で300度であり、Y軸に関してほぼ左右対称にできる。また、ゲインが3dB低下するφ方向半値角は、図79(f)に表すようにほぼ均一とできる。
スイッチを順次切り替えて、CASE1〜4を順次繰り返すことにより、これら4方向を順次スキャンできる。
式平面図、同図(b)は水平放射パターン、同図(c)はφが105度のゲインのθ依存性である。図80(a)に表すように、給電素子60と無給電素子62とは励振方向、すなわちY軸方向に0.2mm離間している。また、励振方向に対して直交する無給電素子の一辺と給電素子の一辺とは対向部分を2.5mm有している。無給電素子62には整合点における位相が110度となるよう長さが3.7mmの終端を短絡した伝送線路が接続されている。また、図80(b)のように、水平放射パターンはφが約105方向に向かって広がっている。さらに、図80(c)のように、φ=105°の面内において最0大放射強度が得られる角度θは39度、メインビームの半値角幅は10乃至80度、サイドローブはメインビームより約9dB低下させることができ、走査方向に局在するメインビームの放射量を多くし、メインビームとサイドローブの差を3dB以上確保できる。
これに対して、第19及び第21具体例においては、φ方向における半値角の幅を揃えることができる。この結果、誤り無く人体などの被検知物を検知できるのでセンサとして適している。この応用として、例えば、人感センサ、自動ドアなどの開閉を制御するセンサ、手の動きを検知するセンサなどに用いると非接触スイッチとでき、機器のリモートコントロールなどに有用である。
次に、高周波スイッチ260の作用について説明する。図83(b)の拡大図において、高周波スイッチ260aとして、例えばHEMT(High Electron Mobility Transistor)やGaAs MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)を用いると、ゲート端子263aに印加する制御電圧によりソース端子262a及びドレイン端子261a間をオンまたはオフに切替えることができる。
例えば、スイッチがオン状態の時に無給電素子が接地され、オフ状態の時にフローティングにされる場合について説明すると、スイッチがオン状態において高周波をアース電極へ逃がすための線路は、無給電素子と伝送線路との接続点からスイッチ内部の電流路を介してアース電極に至る線路である。そして、この線路の線路長は、スイッチがON状態の時に、高周波の基板上での波長λgの2分の1の整数倍の長さであることが望ましい。
一方、スイッチがオフ状態であるとき、無給電素子と伝送線路との接続点からスイッチ内線路の終端に至るまでの伝送線路の線路長は、波長λgの2分の1の整数倍であることが望ましい。
n)M 、サイドローブの放射角度を θ(n)S とすると、 θ(n)M<θ(n)S
となる。
ーブの方向と略一致することになる。すなわち、(n+1)番目に放射されるメインビームの最大放射強度の方向を φ(n+1)M とすると、 φ(n+1)M≒φ(n)S となる。このとき、メインビームの放射角度を θ(n+1)M とすると、 θ(n+1)M <θ(n)S となり放射角度は異なる状態となる。このため、メインビームの放射方向を2方向に切り替えて手が接近する方向に応じて何らかの機能を動作させる非接触スイッチとして使用する場合、メインビームとサイドローブの方向が同じだと手が接近する角度によっては誤検知する可能性がある。
SW1をONした時のメインビームの放射方向は0°サイドローブの放射方向は180°で、SW2をONした時のメインビームの放射方向は90°サイドローブの放射方向は270°で、SW3をONした時のメインビームの放射方向は180°サイドローブの放射方向は0°で、SW4をONした時のメインビームの放射方向は270°サイドローブの放射方向は90°である。
Claims (3)
- 送信波が供給される薄膜矩形状の給電素子と、
前記給電素子の周囲に素子間スペースを介して配置され、前記給電素子により励起される薄膜矩形状の無給電素子と、
前記給電素子と前記無給電素子とに対向して設けられた接地電極と、
を備え、
前記無給電素子の整合点における位相は、伝送線路が接続されるか、前記給電素子と異なる大きさにすることにより、前記給電素子の整合点における位相を基準として前記無給電素子の整合点における位相が120度以下、90度以上となるようにプラス側に調整され、
前記位相がプラス側に調整された前記無給電素子は、前記送信波を前記無給電素子の方向に傾けて放射させたときにアンテナゲインが略最大となる素子間スペースに配置されている
ことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。 - 送信波が供給される薄膜矩形状の給電素子と、
前記給電素子周囲に素子間スペースを介して配置され、前記給電素子により励起される薄膜矩形状の複数の無給電素子と、
前記給電素子と前記複数の無給電素子と対向して設けられた接地電極と、
を備え、
前記複数の無給電素子の整合点における位相は、伝送線路が接続されるか、前記給電素子と異なる大きさにすることにより、前記給電素子の整合点における位相を基準として、一方の無給電素子の整合点における位相が前記無給電素子の整合点における位相が120度以下、90度以上となるようにプラス側、他方の無給電素子の整合点における位相がマイナス側に調整され、
前記位相がプラス側に調整された前記一方の無給電素子を含む前記複数の無給電素子は、前記送信波を前記プラス側に調整された前記一方の無給電素子の方向に傾けて放射させたときにアンテナゲインが略最大となる素子間スペースに配置されている
ことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。 - 送信波を発生する送信部と、
前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信する請求項1または2に記載のマイクロストリップアンテナと、
前記受信波を検知する受信部と、
前記送信波と、前記受信波と、の周波数成分の差を抽出し、ドップラー信号を出力する 差分検出部と、
を備えたことを特徴とする高周波センサ装置。
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