JP2008045978A - 高周波センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射パターンの制御が容易なアンテナを備えた高周波センサ装置を提供すること。
【解決手段】 送信波を発生する送信部と、前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する受信部と、を備え、前記アンテナは、パッチ電極を有する給電素子と、前記給電素子と併設されそれぞれがパッチ電極を有する第1及び第2の無給電素子と、を含み、前記第1の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に延在し導波器として作用する第1の長さの伝送線路を有し、前記第2の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記前記励振方向に対して平行に前記第1の長さだけ延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を有し反射器として作用する第2の長さの伝送線路を有することを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
【選択図】図70
【解決手段】 送信波を発生する送信部と、前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する受信部と、を備え、前記アンテナは、パッチ電極を有する給電素子と、前記給電素子と併設されそれぞれがパッチ電極を有する第1及び第2の無給電素子と、を含み、前記第1の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に延在し導波器として作用する第1の長さの伝送線路を有し、前記第2の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記前記励振方向に対して平行に前記第1の長さだけ延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を有し反射器として作用する第2の長さの伝送線路を有することを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
【選択図】図70
Description
本発明は、高周波を用いた高周波センサ装置に関する。
マイクロ波などの送信波が人体にあたると反射波あるいは透過波を生じる。この反射波あるいは透過波を受信することにより人体の有無を検出するのが高周波センサであり、自動ドア、機器のリモートコントロール、便器洗浄装置などに使用できる。 さらに、移動物体を検出可能な高周波センサもあり、例えば水洗便器などの洗浄を自動化する場合に有用である。この場合、一定時間以上使用者が便器の前に留まっていることを検知し、その後に使用者が便器を離れたことを検知して、一定量の洗浄水を流すようにする。
便器を実際に使用していることを検知して洗浄水を流すには、ドップラー効果を利用することが考えられる。すなわち、電波や音波が移動物体に当り反射すると、反射波の周波数がドップラーシフトする。この反射波と送信波の周波数の差分周波数スペクトラムを求めることにより移動物体が検知される。さらに、この差分に相当するドップラー周波数は物体の移動速度に比例する。従って、尿や洗浄水といったボール面を流れる液流などに向けて送信波を放射することにより、使用状態に応じて適切に洗浄水を供給できる。
送信波として電波を用いる場合、センサを構成するアンテナの放射方向を目的物に向けて精度よく制御することが重要である。すなわち、目的物以外の物体を誤検知しないことが好ましい。
本発明者らは、マイクロ波を利用したドップラーセンサを搭載した便器洗浄装置を開示した(特許文献1)。
特許第3740696号公報
本発明は、放射パターンの制御が容易なアンテナを備えた高周波センサ装置を提供する。
本発明の一態様によれば、 送信波を発生する送信部と、前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する受信部と、を備え、前記アンテナは、パッチ電極を有する給電素子と、前記給電素子と併設されそれぞれがパッチ電極を有する第1及び第2の無給電素子と、を含み、前記第1の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に延在し導波器として作用する第1の長さの伝送線路を有し、前記第2の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記前記励振方向に対して平行に前記第1の長さだけ延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を有し反射器として作用する第2の長さの伝送線路を有することを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、送信波を発生する送信部と、前記送信波を放射するアンテナと、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する受信部と、を備え、前記放射するアンテナと前記受信するアンテナの少なくともいずれかは、パッチ電極を有する給電素子と、前記給電素子と併設されそれぞれがパッチ電極を有する第1及び第2の無給電素子と、を含み、前記第1の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に延在し前記第1の無給電素子を導波器として作用させる第1の長さの伝送線路を有し、前記第2の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に前記第1の長さだけ延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を有し前記第2の無給電素子を反射器として作用させる第2の長さの伝送線路を有することを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、送信波を発生する送信部と、前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する受信部と、を備え、前記アンテナは、パッチ電極を有する給電素子と、パッチ電極を有する無給電素子と、を含み、前記無給電素子は、第1の伝送線路と第2伝送線路とを有し、前記第1の伝送線路は、前記パッチ電極から導通孔を介して接続された裏面側のストライプ状導体により構成され、前記裏面側のストライプ状導体の終端は高周波スイッチを介してれ接地への接続と非接続とが制御可能とされ、前記第2の伝送線路は、前記パッチ電極の辺のうちで前記励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して略平行な方向に延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を含むことを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、送信波を発生する送信部と、前記送信波を放射するアンテナと、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する受信部と、を備え、前記放射するアンテナと前記受信するアンテナの少なくともいずれかは、パッチ電極を有する給電素子と、パッチ電極を有する無給電素子と、を含み、前記無給電素子は、第1の伝送線路と第2伝送線路とを有し、前記第1の伝送線路は、前記パッチ電極から導通孔を介して接続された裏面側のストライプ状導体により構成され、前記裏面側のストライプ状導体の終端は高周波スイッチを介してれ接地への接続と非接続とが制御可能とされ、前記第2の伝送線路は、前記パッチ電極の辺のうちで前記励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して略平行な方向に延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を含むことを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
本発明により、放射パターンの制御が容易なアンテナを備えた高周波センサ装置が提供される。すなわち、アンテナのゲインが最大ゲインから3dB以内の範囲を局在させることにより、近距離において、検知したい方向すなわち電波ビームを傾けた(走査した)方向とは異なる方向にある物体を誤検知しないようにすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる高周波センサ20を説明するための模式図であり、同図(a)、(b)、(c)、(d)はそのブロック図、同図(e)は水平放射パターンにおける等ゲイン図、同図(f)は放射パターンを表す模式図である。
図1(a)に表した具体例の場合、送信部12に接続されたアンテナ10からは、例えば、10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。人体からの反射波または透過波T2は、アンテナ10を経由して受信部14に入力される。アンテナ10は、図1(a)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、同図(b)に表したように、送信部12にはアンテナ10aを接続し、受信部14にはアンテナ10bを接続しても良い。受信波の振幅を検出して得られた出力信号により人体の有無などが推定できる。すなわち、人体などの被検知体が送信波T1を反射することにより、受信される受信波の振幅が増加する。これを検出することにより、人体などの被検知体の存在を検出できる。
また一方、ドップラー効果を利用して被検知体を検知することも可能である。
図1(c)は、本発明の実施の形態にかかる移動物体を検出する高周波センサ20を説明するためのブロック図である。
図1(c)の場合、送信部12に接続されたアンテナ10からは、例えば、10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。移動物体からの反射波T2は、アンテナ10を経由して受信部14に入力される。アンテナ10は、図1(c)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図1(d)に表したように、送信部12にはアンテナ10aを接続し、受信部14にはアンテナ10bを接続してもよい。
図1(c)は、本発明の実施の形態にかかる移動物体を検出する高周波センサ20を説明するためのブロック図である。
図1(c)の場合、送信部12に接続されたアンテナ10からは、例えば、10.525GHzの周波数を有する送信波T1が放射される。移動物体からの反射波T2は、アンテナ10を経由して受信部14に入力される。アンテナ10は、図1(c)に表したように送信側と受信側とを共通としてもよく、または、図1(d)に表したように、送信部12にはアンテナ10aを接続し、受信部14にはアンテナ10bを接続してもよい。
送信波の一部と受信波とは、差分検出部16にそれぞれ入力されその差分のドップラー周波数近傍の出力信号が出力される。すなわち、ドップラー周波数ΔF(Hz)は、下記の式(1)により表すことができる。
ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c 式(1)
但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×106m/s)
高周波センサ20を液流に向けると、式(1)で表されるように、その流速vに比例した周波数ΔFを含む出力信号を得ることができる。出力信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と液流の流速vとの間には相関関係がある。従って、ドップラー周波数ΔFを測定することにより流速vを求めることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.525GHzまたは24.15GHzの周波数が使用できる。
ΔF=Fs−Fb=2×Fs×v/c 式(1)
但し、Fs:送信周波数(Hz)
Fb:反射周波数(Hz)
v:物体の移動速度(m/s)
c:光速(=300×106m/s)
高周波センサ20を液流に向けると、式(1)で表されるように、その流速vに比例した周波数ΔFを含む出力信号を得ることができる。出力信号は周波数スペクトラムを有し、スペクトラムのピークに対応するピーク周波数と液流の流速vとの間には相関関係がある。従って、ドップラー周波数ΔFを測定することにより流速vを求めることができる。なお、日本においては、人体を検知する目的には10.525GHzまたは24.15GHzの周波数が使用できる。
本発明の具体例にかかる高周波センサ20を構成するアンテナ10からの水平放射パターンは、例えば、図1(e)のようになる。アンテナの給電点を通るZ軸と直交するXY面内において、アンテナ10のゲイン(利得)の最大点をQとする。図1(e)においては、ゲインが最大値から3dB低下する領域を実線で表し、10dB低下する領域を破線で表している。Y軸はアンテナ10の給電点を通り励振方向と平行であるが、3dBゲイン低下領域をY軸に関して走査すべき一方の側(図では左側)に局在するように位置制御すると、目的物を正確に検知することができる。図1(f)は、アンテナの水平放射パターンである。アンテナに関しては、後に詳細に説明する。
図2は、図1(c)及び(d)に例示された移動物体を検出する高周波センサ20を備えた小便器の構成を例示する模式図である。
小便器22の内部には、高周波センサ20と、機能部24が収められている。小便器22の上方には、小便器22のボール部内空間を洗浄するための水を供給する給水部30及び洗浄水吐出口32が設けられている。ボール部内空間の下方には排水口34が設けられている。
小便器22の内部には、高周波センサ20と、機能部24が収められている。小便器22の上方には、小便器22のボール部内空間を洗浄するための水を供給する給水部30及び洗浄水吐出口32が設けられている。ボール部内空間の下方には排水口34が設けられている。
図3は、機能部24の構成を例示するブロック図である。
差分検出部16の出力信号はアンプ40により増幅され、FFT(Fast Fourier Transform)演算部42に入力される。FFT演算部42により、差分検出部16の出力信号の周波数スペクトラムをリアルタイムで得ることができる。FFT演算部42の出力は、流量演算部44に入力され、周波数スペクトラムから流量に換算されることもできる。
差分検出部16の出力信号はアンプ40により増幅され、FFT(Fast Fourier Transform)演算部42に入力される。FFT演算部42により、差分検出部16の出力信号の周波数スペクトラムをリアルタイムで得ることができる。FFT演算部42の出力は、流量演算部44に入力され、周波数スペクトラムから流量に換算されることもできる。
コントローラ46は、流量演算部44で演算された流量などをもとに、他の装置を作動させる。洗浄水供給バルブ36はコントローラ46の指示により開閉する。電解水生成部60は、コントローラ46により、例えば、1日に1回電解水を流すことにより排水管における尿石形成を防止する。外部インタフェース52は、尿量などの情報を外部に伝送する。
図1に例示された高周波センサ20は、人体の検知、移動物体の検知、移動速度の検出などが可能である。この結果、自動ドアの開閉などを制御するセンサ、人感センサ、防犯センサ、機器のリモートコントロール、便器洗浄装置などに用いることができる。
説明する。
説明する。
図4は、本発明の高周波センサ20を構成するアンテナ10にかかる第1具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は模式斜視図である。
本具体例において、パッチ電極を有する給電素子60の励振方向に対して横方向に、パッチ電極を有する無給電素子62が配置されている。このアンテナ10は、給電素子60及び無給電素子62がそれぞれ平面パターンを有するパッチアンテナに属する。アンテナ10の主面はXY座標で表され、水平面内においてX軸からの角度をφで表す。また、この主面と垂直な方向をZ軸とし、垂直面において、Z軸からの角度をθで表す。Y軸は、励振方向に対して平行であり、X軸、Y軸、Z軸、φ及びθに関するこれらの定義は、本願明細書においてすべて同一とする。
本具体例において、パッチ電極を有する給電素子60の励振方向に対して横方向に、パッチ電極を有する無給電素子62が配置されている。このアンテナ10は、給電素子60及び無給電素子62がそれぞれ平面パターンを有するパッチアンテナに属する。アンテナ10の主面はXY座標で表され、水平面内においてX軸からの角度をφで表す。また、この主面と垂直な方向をZ軸とし、垂直面において、Z軸からの角度をθで表す。Y軸は、励振方向に対して平行であり、X軸、Y軸、Z軸、φ及びθに関するこれらの定義は、本願明細書においてすべて同一とする。
給電素子60の中心を通り、Y軸の負方向における位置Pが送信波の励振部と接続される給電点とされる。給電素子60は矩形であり励振方向の一辺の長さDは約λg/2(但しλgは波長)とする。また、無給電素子62の中心線上で、励振方向に平行かつY軸正方向には伝送線路64が設けられており、その終端は導通孔66を介して接地68へ接続されている。すなわち、伝送線路64は終端短絡とされている。ここで、「伝送線路」は、基板の主面に形成されたストライプ状導体と、これに対向してその基板の裏面側に設けられた接地と、の組み合わせにより構成されている。
図5は、無給電素子62をより詳細に表し、同図(a)はその模式平面図、同図(b)は同図(a)のAA’に沿った模式断面図である。
無給電素子62と給電素子60との形状は伝送線路64以外の領域においてほぼ等しい。この具体例の場合、給電点Pの横方向、かつY軸負方向の位置が整合点P’となる。伝送線路64の終端から0.3mmの位置にφ0.3mmの導通孔66が設けられており、また伝送線路64の長さをLとする。
無給電素子62と給電素子60との形状は伝送線路64以外の領域においてほぼ等しい。この具体例の場合、給電点Pの横方向、かつY軸負方向の位置が整合点P’となる。伝送線路64の終端から0.3mmの位置にφ0.3mmの導通孔66が設けられており、また伝送線路64の長さをLとする。
このアンテナは、例えば、誘電体の両面を銅板で挟んだガラスエポキシ基板などを用いて形成できる。図5(b)においては、比誘電率(εr)が3.5、tanδが0.004、誘電体厚みが0.75mmの場合を表した。このような基板により構成される伝送線路、すなわちマイクロストリップラインの波長及び特性インピーダンスはεr、誘電体厚み、マイクロストリップラインのストライプ状導体幅及び厚みの関数となる。
図6は、伝送線路64の長さLを変化させた場合、無給電素子62の整合点P’における振幅(Magnitude:dB), 位相(度)及び無給電素子62のアンテナゲイン(アンテナ利得:dB)のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
Lが伝送線路の4分の1波長である4.8mm近傍において、整合点P’における振幅 が最小となり、位相がプラスからマイナスに急激に変化する。これよりLが短い3.7mm近傍においてアンテナゲインは約5.5dBと最大となっている。また、位相はLが約8.1mmにおいてマイナスからプラスへと転じる。これよりLが大きい8.3mm近傍においてアンテナゲインはマイナス10dBとなり最低となる。なお、位相がプラスである場合は無給電素子62は導波器として作用し、マイナスである場合は反射器として作用する。
Lが伝送線路の4分の1波長である4.8mm近傍において、整合点P’における振幅 が最小となり、位相がプラスからマイナスに急激に変化する。これよりLが短い3.7mm近傍においてアンテナゲインは約5.5dBと最大となっている。また、位相はLが約8.1mmにおいてマイナスからプラスへと転じる。これよりLが大きい8.3mm近傍においてアンテナゲインはマイナス10dBとなり最低となる。なお、位相がプラスである場合は無給電素子62は導波器として作用し、マイナスである場合は反射器として作用する。
図7は、アンテナ整合点P’において高周波回路パラメータであるSパラメータのうち、反射係数であるS11をシミュレーションで求めた結果を表し、同図(a)はS11の振幅(Mag.;dB)、同図(b)はS11の位相(deg)の周波数特性をそれぞれ表す。
周波数11.05GHzにおいて、伝送線路長が4.7mmの場合に位相は0度となり、3.77mmの場合に位相は110度、5.32mmの場合に位相はマイナス110度となる。
周波数11.05GHzにおいて、伝送線路長が4.7mmの場合に位相は0度となり、3.77mmの場合に位相は110度、5.32mmの場合に位相はマイナス110度となる。
伝送線路が4.7mmの場合に共振周波数は11.05GHz、位相は0度である。伝送線路長を3.77mmと短くすると共振周波数は11.29GHzに上昇し、11.05GHzにおける位相はプラス110度となる。反対に伝送線路長を5.32mmと長くすると共振周波数は10.88GHzに下降し、11.05GHzにおける位相はマイナス110度となる。このように、無給電素子62に接続する伝送線路64の長さを変えることで無給電素子を導波器または反射器として作用させることができる。
図8は、整合点P’の位相が0乃至140度である無給電素子66を、全体のアンテナゲインが最大となる素子間スペースS(mm)に配置したゲイン(dB)と、最大放射強度が得られる放射角度θ(度)との関係を表すグラフ図である。
例えば、整合点P’の位相が110度の場合、素子間スペースSが2.2mmにおいて全体アンテナゲインが最大である7.15dBとなることを示している。このとき、最大放射強度が得られる角度θはほぼ27度となる。また、整合点P’の位相が120度より大きくなると全体のアンテナゲインが急激に低下し、角度θも小さくなる。
例えば、整合点P’の位相が110度の場合、素子間スペースSが2.2mmにおいて全体アンテナゲインが最大である7.15dBとなることを示している。このとき、最大放射強度が得られる角度θはほぼ27度となる。また、整合点P’の位相が120度より大きくなると全体のアンテナゲインが急激に低下し、角度θも小さくなる。
図9は、H面(φが0−180°である垂直断面)におけるアンテナゲインのθ依存性を、それぞれの整合点P’の位相に対して求めたシミュレーション結果を表すグラフ図である。
放射パターンは、メインビームと、これよりゲインの小さいサイドローブ(不要電波)とを含む。ここで、メインビームのゲインのピークより3dB低下した角度領域を半値角と呼ぶことにする。液流を精度よく検知するためには、メインビームのゲインが高く、メインビームとサイドローブとのゲイン差が大きく、かつ3dB利得低下する半値角範囲が0度よりも走査方向側に局在することが好ましい。
放射パターンは、メインビームと、これよりゲインの小さいサイドローブ(不要電波)とを含む。ここで、メインビームのゲインのピークより3dB低下した角度領域を半値角と呼ぶことにする。液流を精度よく検知するためには、メインビームのゲインが高く、メインビームとサイドローブとのゲイン差が大きく、かつ3dB利得低下する半値角範囲が0度よりも走査方向側に局在することが好ましい。
すなわち、アンテナのゲインが最大ゲインから3dB以内となる半値角範囲が、パッチ電極を含む平面に対して垂直であり給電素子と交差する垂直面により区切られる2つの空間のいずれか一方のみに局在するように無給電素子が配置されていることが特徴とされる。
整合点P’の位相が大きくなるに従い、ゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点P’の位相は120度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が110度の場合、アンテナゲインは約マイナス19dB,半値角範囲はマイナス65乃至マイナス5度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が11dBとなり、高周波センサとしての機能を備えることが可能となる。
図10は、整合点の位相を0乃至140度と変化させ、素子間スペースSを1乃至5mmと変化させた場合の水平放射パターン(XY面)を表している。整合点P’のそれぞれの位相に対してアンテナゲインが最大となる素子間スペースS、最大放射強度となる放射角度θが図10の右端の1列の例示するように得られる。3dB利得低下領域が、給電点Pを含む水平面(XY面)内の軸に関して、走査したい一方の側(図10においては左側とする)に局在するように位置制御される様に、素子間スペースS,整合点P’位相を選択決定することができる。この結果、検知したい液流など目的物の領域に応じて高周波センサを動作させることが可能となる。
また、無給電素子の位相が0度に近づくほどアンテナゲインが低下する。例えば、小便器を洗浄する水を利用して蓄えられた電気エネルギーを利用し人体検知および洗浄バルブの開閉を行うシステムを備えた自動洗浄小便器には発電量に限りがあり効率が求められる。このような場合に、整合点P’の位相が120度以下、90度以上の無給電素子をアンテナゲインが最大となる位置に配置すれば、検知したい方向に集中的に電波を放射し、少ないエネルギーにて必要な情報が得られ、好適である。
図11は、第1具体例において、整合点P’の位相が90乃至130度である無給電素子62を、全体のアンテナゲインが最大となる素子間スペースS(mm)で配置したゲイン(dB)と、最大放射強度が得られる放射角度θ(度)との関係を表すグラフ図である。
この変形例のアンテナ10は、例えば、アルミナのようなセラミック材料を用いることにより形成できる。この場合、比誘電率を9.5、tanδを0.001、厚みを1mmとしてシミュレーションを行っている。Lが4.4mmの場合、アンテナゲインは5.5dBと最大となり、このとき最大放射強度が得られる角度は30度である。
図12は、この具体例において、H面におけるアンテナゲイン(dB)のθ(度)依存性を、それぞれの整合点P’の位相に対して求めたシミュレーション結果を表すグラフ図である。
整合点位相P’が大きくなるに従い、ゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点位相は120度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が120度の場合、アンテナゲインは約マイナス21dB,半値角範囲はマイナス62乃至マイナス2度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が11dBとなり、高周波センサとしての機能を満たす。
整合点位相P’が大きくなるに従い、ゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点位相は120度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が120度の場合、アンテナゲインは約マイナス21dB,半値角範囲はマイナス62乃至マイナス2度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が11dBとなり、高周波センサとしての機能を満たす。
通常、トイレや浴室、洗面所などで使用するセンサは防水ケース等の筐体内に収納し使用することが一般的であるが、センサ前方を遮蔽する障害物が存在すると電波の放射量減衰、放射形態の変化が生じる。アルミナのような比較的高誘電率、低tanδのセラミック材料は高周波特性に優れ、高温高湿環境での使用に適している。従って、セラミック基材に形成されたパッチ電極の表面を金やセラミックの薄膜で被覆しておけば、浴室などの壁面や換気孔にアンテナ面を曝して配置することが可能であり、電波の放射形態の変化を抑止できる。
図13は、アンテナ10の第2具体例の模式平面図である。なお、以下のアンテナの具体例において図4と同様の構成要素には同一番号、同一記号を伏して詳細な説明を省略する。
第2具体例においては、無給電素子162は励振方向に沿って給電素子60と隣り合って配置されている。このアンテナ10は、図5(b)と同様の材料を用いて形成することができる。終端短絡の伝送線路は、励振方向と平行な部分を有している。
図14は、整合点P’の位相が60乃至110度である無給電素子66を、全体のアンテナゲインが最大となる素子間スペースS(mm)に配置したゲイン(dB)と、最大放射強度が得られる放射角度θ(度)との関係を表すグラフ図である。
素子間スペースSが1.0mmの場合、アンテナゲインが6.92dBと最大となり、最大放射強度が得られる角度が約42度となる。
第2具体例においては、無給電素子162は励振方向に沿って給電素子60と隣り合って配置されている。このアンテナ10は、図5(b)と同様の材料を用いて形成することができる。終端短絡の伝送線路は、励振方向と平行な部分を有している。
図14は、整合点P’の位相が60乃至110度である無給電素子66を、全体のアンテナゲインが最大となる素子間スペースS(mm)に配置したゲイン(dB)と、最大放射強度が得られる放射角度θ(度)との関係を表すグラフ図である。
素子間スペースSが1.0mmの場合、アンテナゲインが6.92dBと最大となり、最大放射強度が得られる角度が約42度となる。
図15は、E面(φが90−270°である断面)におけるアンテナゲインのθ依存性を、それぞれの整合点P’の位相に対して求めたシミュレーション結果を表すグラフ図である。
整合点P’の位相が大きくなるに従い、ゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点P’の位相は110度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が110度の場合、アンテナゲインはほぼマイナス19dB,半値角範囲はプラス2乃至プラス80度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が10dBとなり、高周波センサとしての機能を備えることが可能となる。
整合点P’の位相が大きくなるに従い、ゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点P’の位相は110度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が110度の場合、アンテナゲインはほぼマイナス19dB,半値角範囲はプラス2乃至プラス80度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が10dBとなり、高周波センサとしての機能を備えることが可能となる。
図16は、整合点の位相を0乃至150度と変化させ、素子間スペースSを変化させた場合の水平放射パターンを表す。
それぞれの位相においてアンテナゲインが最大となる素子間スペースSと、最大放射強度が得られる放射角度θが本図の右端のように得られる。3dB利得低下領域が、給電点Pを含む水平面のX軸に関して、走査したい一方の側(図16においては上側とする)に位置制御される様に、素子間スペースS,整合点P’位相を選択決定することができる。この結果、検知したい液流の領域に応じて高周波センサを動作させることが可能となる。
それぞれの位相においてアンテナゲインが最大となる素子間スペースSと、最大放射強度が得られる放射角度θが本図の右端のように得られる。3dB利得低下領域が、給電点Pを含む水平面のX軸に関して、走査したい一方の側(図16においては上側とする)に位置制御される様に、素子間スペースS,整合点P’位相を選択決定することができる。この結果、検知したい液流の領域に応じて高周波センサを動作させることが可能となる。
第1具体例と第2具体例では無給電素子の配置が異なり、第1具体例で示した整合点P’の位相が120度以下、90度以上のときの角度θは約24度〜約33度であるのに対し、第1具体例で示した整合点P’の位相が110度以下、90度以上のときの角度θは約42度〜約51度である。センサが小便器のスプレッダーより上方の背面に設置されているとき、大人しか使用しない小便器であれば放射角度が比較的狭いアンテナでも対応でき第1具体例に示したアンテナ構成を採用すれば良い。一方、子供も使用する小便器の場合は、放射角度が比較的広いアンテナが好ましく、第2具体例に示したアンテナ構成を採用すれば良い。このように小便器に排泄される尿の高さに応じて使い分けることも可能である。
図17は、アンテナ10の第3具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は模式斜視図である。
本具体例においては、給電素子60と隣り合い励振方向に対して横方向の位置に無給電素子62及び63が配置されている。かつ、無給電素子62の終端短絡伝送線路64aの電気長はλg/4より短いので整合点の位相はプラス、無給電素子63の終端短絡伝送線路64bの電気長はλg/4より長いので整合点の位相はマイナスである。
本具体例においては、給電素子60と隣り合い励振方向に対して横方向の位置に無給電素子62及び63が配置されている。かつ、無給電素子62の終端短絡伝送線路64aの電気長はλg/4より短いので整合点の位相はプラス、無給電素子63の終端短絡伝送線路64bの電気長はλg/4より長いので整合点の位相はマイナスである。
図18は、無給電素子62における整合点位相を110度に固定し、無給電素子63の位相をマイナス180度から0度と変化した場合、全体のアンテナゲインが最大となる素子間スペースSとゲイン、最大放射強度が得られる放射角度θとの関係を表すグラフ図である。例えば、整合点P’の位相がマイナス90度、素子間スペースが3.4mmの場合、アンテナゲインは7.5dBの最大値となる。また、このとき最大放射強度となる角度は39度である。
図19は、本具体例において無給電素子62を110度、無給電素子63の位相を0度、マイナス90度、マイナス180度とした場合のH面におけるゲインのθ依存性を表すグラフ図である。
0度とマイナス90度において、メインビームの放射パターンに大きな変化を生じていない。マイナス90度からマイナス180に変化すると、メインビームのピーク位置がサイドローブに少し接近し、サイドローブゲインを約3dB抑圧できる。
0度とマイナス90度において、メインビームの放射パターンに大きな変化を生じていない。マイナス90度からマイナス180に変化すると、メインビームのピーク位置がサイドローブに少し接近し、サイドローブゲインを約3dB抑圧できる。
図20は、無給電素子62の位相を110度と固定し、無給電素子の位相をマイナス180乃至0度と変化させ、かつ素子間スペースSを変化させた場合の水平放射パターンを表す。アンテナゲインが最大となる素子間スペースS、最大放射強度となる角度θが本図右端のように得られる。本図において、3dB利得低下領域が一方の側(左側)に制御され、液流が走査したい側で検知できる。
無給電素子63の位相が0度〜マイナス90度の範囲では最大放射強度が得られる角度θが異なっていても半値角のビーム幅でみればほぼ同一レベルであり、位相がマイナス180度に近づくほどサイドローブも小さくなるため、無給電素子63の位相はマイナス90度〜マイナス180度の範囲で選択することが好ましい。
無給電素子63の位相が0度〜マイナス90度の範囲では最大放射強度が得られる角度θが異なっていても半値角のビーム幅でみればほぼ同一レベルであり、位相がマイナス180度に近づくほどサイドローブも小さくなるため、無給電素子63の位相はマイナス90度〜マイナス180度の範囲で選択することが好ましい。
図21は、無給電素子62の位相を80乃至130度と変化させ、無給電素子63の位相を0度またはマイナス180度とした場合の、H面におけるゲインのθ依存性である。無給電素子63の位相は、マイナス180度のほうがサイドローブを4乃至6dB抑圧できるので好ましい。また無給電素子62の位相を90度以上120度以下とすると無給電素子63の位相にかかわらず半値角を0度よりも走査方向側とでき、メインビームとサイドローブとのゲイン差を3dB以上確保できる。
図22は、図21のように位相を変化させた場合の水平放射パターンである。アンテナゲインが最大となる素子間スペースSと、最大放射強度となる放射角度θが本図右端の様に得られ、3dB利得低下領域を一方の側(左側)に制御し液流を検知したい側で走査できることを表している、
図23は、無給電素子62の位相を0度とし、無給電素子63の位相をマイナス180度とした場合のH面における電波ビームのゲインのθ依存性を表す。メインビームとサイドローブとのゲイン差が約4dBと小さいが、半値角を0度より離して走査方向側とするのが容易である。また、無給電素子63の位相をマイナス180度とした場合、図9に示した無給電素子62の位相を0度にしたときの放射パターンとほぼ同じである。これは無給電素子63から放射される電波の放射量が非常に小さく、電波の放射形態に殆ど影響を与えないためである。すなわち、無給電素子63は無いに等しい状態である。
図23は、無給電素子62の位相を0度とし、無給電素子63の位相をマイナス180度とした場合のH面における電波ビームのゲインのθ依存性を表す。メインビームとサイドローブとのゲイン差が約4dBと小さいが、半値角を0度より離して走査方向側とするのが容易である。また、無給電素子63の位相をマイナス180度とした場合、図9に示した無給電素子62の位相を0度にしたときの放射パターンとほぼ同じである。これは無給電素子63から放射される電波の放射量が非常に小さく、電波の放射形態に殆ど影響を与えないためである。すなわち、無給電素子63は無いに等しい状態である。
図24は、無給電素子62の位相を140、150、160度とし、無給電素子63の位相を0度とした場合のH面におけるゲインのθ依存性を表す。無給電素子62の位相を140及び150度とすることにより、3dB利得低下領域を一方の側(左側)に制御し液流を走査したい側で検知できる。この場合、サイドローブとメインビームが連続し広がった放射パターンとなる。
図25は、図17に例示された第3具体例の第1変形例であり、同図(a)は伝送線路64の特性インピーダンスが80オームであり、かつ無給電素子62の位相は110度(伝送線路の長さLは3.8mm)、無給電素子63の位相はマイナス110度(伝送線路の長さLは5.3mm)であるアンテナ10の模式平面図、同図(b)はゲインのθ依存性を表す。
また、図26は、第3具体例の第2変形例であり、同図(a)は伝送線路64の特性インピーダンスが50オームであり、かつ無給電素子62の位相は110度、63の位相はマイナス110度であるアンテナ10の模式平面図、同図(b)はゲインのθ依存性を表す。メインビームのゲインは共にマイナス19dB,ゲインが最大となる角度θは共にマイナス35度である。第1変形例の方が走査方向側に局在するメインビームの放射量が多い。一方、第2変形例の方がサイドローブを約1dB抑圧できている。
また、図26は、第3具体例の第2変形例であり、同図(a)は伝送線路64の特性インピーダンスが50オームであり、かつ無給電素子62の位相は110度、63の位相はマイナス110度であるアンテナ10の模式平面図、同図(b)はゲインのθ依存性を表す。メインビームのゲインは共にマイナス19dB,ゲインが最大となる角度θは共にマイナス35度である。第1変形例の方が走査方向側に局在するメインビームの放射量が多い。一方、第2変形例の方がサイドローブを約1dB抑圧できている。
図27は、第3具体例の第3変形例である。特性インピーダンスを80オームとし、無給電素子の励振方向と直交する一方の辺と整合点P’との距離2.3mmと等しい切り込みを他方の辺に設け、伝送線路64を長くする。図27(b)に例示されるゲインのθ依存性は図20に例示された第1変形例とほぼ同様となる。
また、以上説明した具体例においては、給電素子と無給電素子の形状とサイズを同一としているが、無給電素子の形状は給電素子とは異なっていても良い。形状やサイズを極端に変えなければ、無給電素子の形状を小さくし周波数が高め、逆に形状を大きくし周波数が低めであろうとも伝送線路の長さを調節することにより所望の導波器または反射器として作用させることができる。
図28は、アンテナ10の第4具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)はゲインのφ依存性である。第3具体例において無給電素子62及び63における伝送線路64a及び64bは、X軸に関して給電素子60の給電点Pとは反対側に設けられている。これに対して本第4具体例において、伝送線路64a及び64bはX軸に関して給電点Pと同一側に配置される。図28(b)において、太線で著す本第4具体例と細線で表す第3具体例とのゲインのφ依存性における相違は小さい。従って、センサ形態に応じて伝送線路64の接続位置はどちらか一方に選択すれば良い。
次に、終端解放伝送線路を用いた場合について説明する。
図29は、アンテナ10の第5具体例であり、伝送線路74a及び74bの終端を開放としたアンテナ10の模式平面図である。終端開放の伝送線路は電気長がλg/2で位相が0度である。本図において、無給電素子72における伝送線路74aの電気長をλg/2より短く、無給電素子73における伝送線路74bの電気長をλg/2より長く設定する。無給電素子72,73及び給電素子60の励振方向に沿う長さDをλg/2とする。
図29は、アンテナ10の第5具体例であり、伝送線路74a及び74bの終端を開放としたアンテナ10の模式平面図である。終端開放の伝送線路は電気長がλg/2で位相が0度である。本図において、無給電素子72における伝送線路74aの電気長をλg/2より短く、無給電素子73における伝送線路74bの電気長をλg/2より長く設定する。無給電素子72,73及び給電素子60の励振方向に沿う長さDをλg/2とする。
図30は、無給電素子72,73を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)はBB’に沿った模式断面図である。厚みが0.75mmの基板に対して深さが0.74mmである導通孔77の先端は接地68とは接続されずに開放(オープン)とする。なお、アンテナ10を構成する基板は第1具体例と同様とできるので説明を省略する。
図31は、終端開放の伝送線路の長さLOを変化させた場合、無給電素子72及び73の整合点P’における振幅(dB)、位相(度)、無給電素子のアンテナゲイン(dB)をシミュレーションにより求めたグラフ図である。LOが伝送線路の2分の1波長である7.6mm近傍において整合点P’における振幅が最小となり、位相がプラスからマイナスに急激に変化する。これよりLOが短い7.3mm近傍においてアンテナゲインは約4.4dBと最大になっている。破線で表すアンテナゲインはLOが2.4乃至4.3mmの範囲でマイナスとなり、3.4mm近傍において最小値となる。
図32は、整合点P’における反射係数S11のシミュレーション結果を表し、同図(a)はS11振幅、同図(b)は位相の周波数特性を表す。 終端開放の伝送線路長が7.55mmの場合に共振周波数は11.05GHz、位相は0度である。伝送線路長を6.64mmと短くすると共振周波数は上昇し、11.05GHzにおける位相はプラス110度となる。反対に伝送線路長を8.14mmと長くすると共振周波数は下降し、11.05GHzにおける位相はマイナス110度となる。終端短絡した伝送線路と同様に、無給電素子72及び73に接続する伝送線路74a及び74bの長さを変えることで、アンテナゲインは少し低下するものの無給電素子を72及び73導波器または反射器として作用させることができる。
図33は、最大放射強度が得られる放射角度θにおけるゲインの角度φ依存性を表すグラフである。無給電素子に接続される伝送線路が終端短絡(ショート)である場合を細線で、終端開放(オープン)である場合を太線でそれぞれ表す。細線で表す終端短絡した伝送線路を各無給電素子に接続して一方の無給電素子を導波器、他方の無給電素子を反射器として作用させたほうが角度φに対して対称とできる。
図34は、終端短絡または終端開放の伝送線路を有する無給電素子を、給電素子と隣り合うように励振方向に対して横方向に配置したアンテナ10の水平放射パターンを表す図である。終端短絡した伝送線路を無給電素子に接続し導波器として作用させる(ショート:110度)方が、終端開放した伝送線路を無給電素子に接続し導波器として作用させる(オープン:110度)よりもアンテナゲインを高くすることができる。また、反射器として作用させる無給電素子も終端短絡した伝送線路を接続することで、アンテナを配置するのに必要な面積が減少し、角度φに対して対称に電波を放射できる。
図35は、位相が110度及びマイナス110度となる終端短絡及び終端開放伝送線路の構成を表す模式平面図である。
また、図36は、図35に表したそれぞれの伝送線路を備えた無給電素子のE面におけるゲインのθ依存性を表す。実際のアンテナ構造では無給電素子自体に給電されることはないが、ここでは接続される伝送線路形態による無給電素子の放射形態の違いを把握するため無給電素子の整合点に給電した場合の違いを示す。終端短絡した伝送線路64を接続した無給電素子62、63の方が、終端開放した伝送線路74を接続した無給電素子72、73よりもゲインが高い。特に、終端短絡且つ位相マイナス110度の伝送線路を有する無給電素子が一番高いゲインを有する。逆に、終端開放かつ位相110度の伝送線路を有する無給電素子のゲインが最も低い。また、終端短絡した伝送線路64を接続した無給電素子62、63から放射される電波はほぼ正面方向に放射されるのに対し、終端開放した伝送線路74を接続した無給電素子72、73から放射される電波はマイナス側(伝送線路74が接続された方向とは反対側)に傾いている。無給電素子に終端開放の伝送線路を接続し、導波器または反射器として作用させると角度φに対して対称に放射されなくなるのはこれが原因である。
また、図36は、図35に表したそれぞれの伝送線路を備えた無給電素子のE面におけるゲインのθ依存性を表す。実際のアンテナ構造では無給電素子自体に給電されることはないが、ここでは接続される伝送線路形態による無給電素子の放射形態の違いを把握するため無給電素子の整合点に給電した場合の違いを示す。終端短絡した伝送線路64を接続した無給電素子62、63の方が、終端開放した伝送線路74を接続した無給電素子72、73よりもゲインが高い。特に、終端短絡且つ位相マイナス110度の伝送線路を有する無給電素子が一番高いゲインを有する。逆に、終端開放かつ位相110度の伝送線路を有する無給電素子のゲインが最も低い。また、終端短絡した伝送線路64を接続した無給電素子62、63から放射される電波はほぼ正面方向に放射されるのに対し、終端開放した伝送線路74を接続した無給電素子72、73から放射される電波はマイナス側(伝送線路74が接続された方向とは反対側)に傾いている。無給電素子に終端開放の伝送線路を接続し、導波器または反射器として作用させると角度φに対して対称に放射されなくなるのはこれが原因である。
また図33に例示されるように終端開放伝送線路を用いるとφが240乃至330度の間の範囲でゲインが充分には低下しない。また、図34に例示されるように、終端開放伝送線路を用いると放射パターンがこの角度(φ)近傍で曲がり(すなわち膨らみ)を生じている。この曲がりが生じると、3dB利得低下領域の制御が十分にできない場合がある。しかし、この曲がりは給電素子と無給電素子との励振方向に沿う相対位置をずらすことにより改善できる。
図37は、アンテナ10の第6具体例の模式平面図である。終端開放伝送線路74a及び74bをそれぞれに有する無給電素子72及び73は、給電素子60に対して励振方向かつ給電点とは反対方向に距離Gだけずらして配置されている。この場合は、無給電素子72と73とを同一にGだけずらしているが、同一でなくとも良い。図38に例示されるゲインの角度φ依存性は、図33の終端短絡伝送線路と同様にゲインを減衰させることができる。
図39は、水平放射パターンの回転を説明するための模式図である。図39(a)に表した具体例の場合、終端開放伝送線路を有する無給電素子74は、給電素子60に対してずらして配置されておらず、両者の中心をむすぶ直線は、励振方向に対して垂直とされている。その場合の水平放射パターンを見ると、最大ゲインはθ=30度、φ=210度である。つまり、φ=180度の方向からみて30度も回転している。
これに対して、図39(b)に表した具体例の場合、終端開放伝送線路を有する無給電素子74は、給電素子60に対してずらして配置されている。すなわち、無給電素子74は、その伝送線路が接続されている方向に向かってずらされている。このようにすると、放射パターンのφ方向の回転を抑制できる。具体的には、図39(b)に表した具体例の場合、最大ゲインはθ=27度、φ=180度であり、図39(a)において見られた水平放射パターンの回転が抑制されている。この場合、無給電素子74をずらし量は、λg/4以内に抑えることが望ましい。
一方、水平放射パターンの回転を抑制するもうひとつの方法として、伝送線路を短絡する方法を挙げることができる。
図39(c)は、無給電素子74を給電素子60に対してずらすことなく、その伝送線路の終端を接地した具体例を表す。その結果、放射パターンの最大ゲインはθ=36度、φ=186度となり、図39(a)に表した具体例(φ=210度)と比べて、φ=180度の方向に24度も戻ったことが分かる。
図39(c)は、無給電素子74を給電素子60に対してずらすことなく、その伝送線路の終端を接地した具体例を表す。その結果、放射パターンの最大ゲインはθ=36度、φ=186度となり、図39(a)に表した具体例(φ=210度)と比べて、φ=180度の方向に24度も戻ったことが分かる。
図40は、アンテナ10の第7具体例の模式平面図であり、同図(a)は給電点Pと同方向に2個の終端開放伝送線路74a及び74bが延在する場合、同図(b)は互いに反対方向に延在する場合を表す模式平面図である。また、図40(c)は、ゲインの角度φ依存性を表すグラフ図であり、実線は図40(a)、破線は同図(b)であり、共にφ依存性を変化させることができている。これは、終端開放伝送線路74を接続した無給電素子の放射特性を利用し放射パターンの回転を制御できることを表している。
図41は、第8具体例を表す模式平面図である。励振方向に沿って、給電素子60をはさんで対称位置に無給電素子162及び163が配置されている。本具体例においては、無給電素子162及び163に、終端短絡伝送線路64c及び64dがそれぞれに設けられている。
図42は、一方の無給電素子162の位相を110度に固定し、他方の無給電素子163の位相を0乃至マイナス180度と変化させた場合におけるアンテナゲインが最大となる素子間スペースS、及び最大放射強度となる角度θを表すグラフ図である。
無給電素子163の位相がマイナス90度、素子間スペースSが1.3mmの時アンテナゲインが最大となり、最大放射強度が得られる角度θは63度となることが分かる。
無給電素子163の位相がマイナス90度、素子間スペースSが1.3mmの時アンテナゲインが最大となり、最大放射強度が得られる角度θは63度となることが分かる。
図43は、一方の無給電素子162の位相を110度とし、他方の無給電素子163の位相を0、マイナス90、マイナス180度とした場合のE面におけるゲインのθ依存性である。無給電素子163の位相が0度〜マイナス90度の範囲では最大放射強度が得られる角度θおよび半値角のビーム幅はほぼ同一レベルであり、位相がマイナス180度に近づくほどサイドローブも小さくなるため、無給電素子163の位相はマイナス90度〜マイナス180度の範囲で選択することが好ましい。
図44は、無給電素子163の位相を0からマイナス180度、素子間スペースSを変化させた場合の水平放射パターンを表す。
無給電素子163の位相を0からマイナス180度まで変化させるにしたがって、サイドローブが低下することが分かる。ただし、メインローブの半値幅はやや拡がる傾向にあり、無給電素子163の位相がマイナス90度付近においてもっとも良好な特性が得られているといえる。
図44は、無給電素子163の位相を0からマイナス180度、素子間スペースSを変化させた場合の水平放射パターンを表す。
無給電素子163の位相を0からマイナス180度まで変化させるにしたがって、サイドローブが低下することが分かる。ただし、メインローブの半値幅はやや拡がる傾向にあり、無給電素子163の位相がマイナス90度付近においてもっとも良好な特性が得られているといえる。
次に、伝送線路に高周波スイッチを接続することにより、放射パターンを切り替える具体例について説明する。
図45は、第9具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は模式底面図である。
本具体例においては、終端短絡伝送線路64と接地68との間に高周波スイッチ100を設けることにより電波ビームの放射パターンを切り替えることができる。伝送線路64は、導通孔66を介して高周波スイッチ100に接続される。高周波スイッチ100は、例えば、GaAsからなるダイオードまたはFETとする。本図はFETを用いた具体例を表し、ゲート電極を伝送線路64から分離できるのでFET電源回路が容易になる。すなわち、高周波回路と低周波回路を分離するスタブやコンデンサが不要となり、製造のバラツキによる不具合を抑制、使用部品の削減によるコストダウンが図れ生産性が向上する。ゲート電極は基板裏面の引き出し電極102に接続され、供給電圧によりオン−オフの制御を行う。本具体例では引き出し電極102を直線で形成しているがアンテナ面積に応じ屈曲させても良い。
図45は、第9具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は模式底面図である。
本具体例においては、終端短絡伝送線路64と接地68との間に高周波スイッチ100を設けることにより電波ビームの放射パターンを切り替えることができる。伝送線路64は、導通孔66を介して高周波スイッチ100に接続される。高周波スイッチ100は、例えば、GaAsからなるダイオードまたはFETとする。本図はFETを用いた具体例を表し、ゲート電極を伝送線路64から分離できるのでFET電源回路が容易になる。すなわち、高周波回路と低周波回路を分離するスタブやコンデンサが不要となり、製造のバラツキによる不具合を抑制、使用部品の削減によるコストダウンが図れ生産性が向上する。ゲート電極は基板裏面の引き出し電極102に接続され、供給電圧によりオン−オフの制御を行う。本具体例では引き出し電極102を直線で形成しているがアンテナ面積に応じ屈曲させても良い。
図46及び図47は、無給電素子から伝送線路への接続構造の2つの具体例を表す。
すなわち、図46に表した具体例においては、無給電素子62に終端短絡伝送線路64の一方の端部が接続されており、他方の端部が導通孔66を介して高周波スイッチ100へと接続される。この場合には、伝送線路64はマイクロストリップラインとなる。マイクロストリップラインはストライプ状導体とこれに対向する接地とから構成される。一方、図47に表した具体例においては、無給電素子62のパッチ電極内部に導通孔66が設けられ、基板の裏面である接地68において伝送線路164に接続され、さらに高周波スイッチ100へ接続される。この伝送線路164としては、例えば、コプレーナ線路を用いることができる。コプレーナ線路は、ストライプ状導体とこれに略同一平面で対向する接地面から構成され、その形状パラメータによってはマイクロストリップラインに近似して取り扱うことができる。伝送線路64、164もアンテナとして作用するため、無給電素子と同一面に伝送線路64を配置した方がアンテナ前方に効率良く電波を放射できる。
すなわち、図46に表した具体例においては、無給電素子62に終端短絡伝送線路64の一方の端部が接続されており、他方の端部が導通孔66を介して高周波スイッチ100へと接続される。この場合には、伝送線路64はマイクロストリップラインとなる。マイクロストリップラインはストライプ状導体とこれに対向する接地とから構成される。一方、図47に表した具体例においては、無給電素子62のパッチ電極内部に導通孔66が設けられ、基板の裏面である接地68において伝送線路164に接続され、さらに高周波スイッチ100へ接続される。この伝送線路164としては、例えば、コプレーナ線路を用いることができる。コプレーナ線路は、ストライプ状導体とこれに略同一平面で対向する接地面から構成され、その形状パラメータによってはマイクロストリップラインに近似して取り扱うことができる。伝送線路64、164もアンテナとして作用するため、無給電素子と同一面に伝送線路64を配置した方がアンテナ前方に効率良く電波を放射できる。
図48は、高周波スイッチ100の位置精度を改善する構造を例示する模式図であり、同図(a)は基板の裏面側を表し、同図(b)は高周波スイッチのインダクタンス成分を説明するための概念図である。
アンテナ10の励振周波数は高いので、高周波スイッチ100の位置決めには高精度が必要であり、このためにはマーカ104などを設けると良い。また、高周波スイッチ100は、寄生インダクタンスL2,L3を有し、その切替状態により寄生インダクタンスが変化する。
アンテナ10の励振周波数は高いので、高周波スイッチ100の位置決めには高精度が必要であり、このためにはマーカ104などを設けると良い。また、高周波スイッチ100は、寄生インダクタンスL2,L3を有し、その切替状態により寄生インダクタンスが変化する。
図49は、高周波スイッチ100のオン−オフに伴うインダクタンスの変化を説明する模式図である。
ここで、L1は伝送線路のインダクタンスを表す。また、図49において、CASE1とCASE1'は、それぞれ高周波スイッチ100がオフ状態とオン状態の寄生インダクタンスを表す。またここでは、高周波スイッチ100がオン状態においても接地されない。このように、高周波スイッチ100のオン−オフにより寄生容量が変化する。このような場合、例えば、CASE1(L1+L2)の状態においてアンテナ特性が最適となるように設計することができる。また、これとは逆に、CASE2(L1+L2+L3)の状態においてアンテナ特性が最適となるように設計してもよい。
ここで、L1は伝送線路のインダクタンスを表す。また、図49において、CASE1とCASE1'は、それぞれ高周波スイッチ100がオフ状態とオン状態の寄生インダクタンスを表す。またここでは、高周波スイッチ100がオン状態においても接地されない。このように、高周波スイッチ100のオン−オフにより寄生容量が変化する。このような場合、例えば、CASE1(L1+L2)の状態においてアンテナ特性が最適となるように設計することができる。また、これとは逆に、CASE2(L1+L2+L3)の状態においてアンテナ特性が最適となるように設計してもよい。
また、高周波スイッチ100がオン状態において接地される場合(CASE3’とCASE4)にも同様に、高周波スイッチ100がオフ状態(CASE3)においてアンテナ特性が最適となるように設計してもよく、または、高周波スイッチ100がオン状態(CASE4)においてアンテナ特性が最適となるように設計してもよい。
これらいずれの場合も、高周波スイッチ100のオン−オフの切替に伴って寄生インダクタンスが変化するので、アンテナ特性を切り替えることができる。
図50は、図45に例示したアンテナ10のH面における電波ビームのゲインのθ依存性を表すグラフ図である。
高周波スイッチ100がオン状態においては、無給電素子62が導波器として作用しマイナス30度付近をピークとしたメインローブと、プラス50度付近をピークとしたサイドローブが表れるが、高周波スイッチ100がオフ状態に遷移すると、無給電素子62のアンテナゲインが極端に小さくなり0度付近をピークとした単峰性のアンテナ特性が得られる。このように、高周波スイッチ100を切り替えることにより、アンテナ特性を変化させることができる。すなわち、アンテナから放射される電波の放射方向を2段階に切り替えることができる。
図50は、図45に例示したアンテナ10のH面における電波ビームのゲインのθ依存性を表すグラフ図である。
高周波スイッチ100がオン状態においては、無給電素子62が導波器として作用しマイナス30度付近をピークとしたメインローブと、プラス50度付近をピークとしたサイドローブが表れるが、高周波スイッチ100がオフ状態に遷移すると、無給電素子62のアンテナゲインが極端に小さくなり0度付近をピークとした単峰性のアンテナ特性が得られる。このように、高周波スイッチ100を切り替えることにより、アンテナ特性を変化させることができる。すなわち、アンテナから放射される電波の放射方向を2段階に切り替えることができる。
図51は、第10具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)はCC’に沿う模式断面図である。
本具体例においては、伝送線路64a及び64bを分岐点Rにおいて分岐し、一方は導通孔67a及び67bを介して高周波スイッチ100)へ接続され、オン状態で接地68と接続され、オフ状態で接地と非接続とされる。また、他方は導通孔66a及び66bを介して接地68へ直接接続される。
本具体例においては、伝送線路64a及び64bを分岐点Rにおいて分岐し、一方は導通孔67a及び67bを介して高周波スイッチ100)へ接続され、オン状態で接地68と接続され、オフ状態で接地と非接続とされる。また、他方は導通孔66a及び66bを介して接地68へ直接接続される。
図52は、図51のアンテナの回路構成を表す図であり、無給電素子62及び63の整合点P’の位相を110度とする時は高周波スイッチ100a(または100b)をオンとし、マイナス90度とする時は高周波スイッチをオフとすればよいことを表す。従って、高周波スイッチ100a(または100b)のオン−オフを切り替えることにより接地への接続経路を切り替えて、アンテナ特性を変化させることができる。
図53は、図51のアンテナのH面におけるゲインのθ依存性を表すグラフ図である。 同図において、例えば(110、−90)とは、無給電素子62の整合点P’における位相が110度で、無給電素子63の整合点P’における位相がマイナス90度であることを表す。すなわち、この時、高周波スイッチ100aはオン状態で、高周波スイッチ100bはオフ状態である。
図53は、図51のアンテナのH面におけるゲインのθ依存性を表すグラフ図である。 同図において、例えば(110、−90)とは、無給電素子62の整合点P’における位相が110度で、無給電素子63の整合点P’における位相がマイナス90度であることを表す。すなわち、この時、高周波スイッチ100aはオン状態で、高周波スイッチ100bはオフ状態である。
図53から、高周波スイッチ100a、100bがいずれもオン状態(110、110)またはオフ状態(−90、−90)においては、放射パターンは0度を中心として左右対称であるが、高周波スイッチ100a、100bの一方をオン状態、他方をオフ状態として切り替えると、放射パターンは0度を中心として反転することが分かる。すなわち、(110、−90)と(−90、110)とは、放射パターンの角度分布が反転している。従って、高周波スイッチ100a、100bを切り替えることにより、例えば、(110、110)あるいは(−90、−90)のように幅広い放射パターンを得たり、あるいは(110、−90)や(−90、110)のように局在的な放射パターンを選択することが可能となる。
図54は、第10具体例の第1変形例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は模式底面図、同図(c)はH面におけるゲインのθ依存性である。
導通孔66a及び66bは、無給電素子62及び63のパッチ電極領域内に設けられ、基板の裏面において伝送線路165と接続される。伝送線路165と高周波スイッチ100との接続点近傍には終端短絡の伝送線路が分岐されており、高周波スイッチ100のオン−オフ切り替えにより伝送線路長を変化させ、図54(c)のようにゲインのθ依存性を制御できる。なお、図54(c)は、無給電素子62、63の位相がそれぞれ110度、マイナス90度の状態を表す。図53に表した(110、−90)の具体例と同様に、角度θのマイナス側にメインローブ、プラス側にサイドローブが表れていることが分かる。
導通孔66a及び66bは、無給電素子62及び63のパッチ電極領域内に設けられ、基板の裏面において伝送線路165と接続される。伝送線路165と高周波スイッチ100との接続点近傍には終端短絡の伝送線路が分岐されており、高周波スイッチ100のオン−オフ切り替えにより伝送線路長を変化させ、図54(c)のようにゲインのθ依存性を制御できる。なお、図54(c)は、無給電素子62、63の位相がそれぞれ110度、マイナス90度の状態を表す。図53に表した(110、−90)の具体例と同様に、角度θのマイナス側にメインローブ、プラス側にサイドローブが表れていることが分かる。
図55は、第10具体例の第2変形例を表し、同図(a)はその模式平面図、同図(b)はその底面拡大図である。無給電素子62及び63の裏面において、伝送線路64は導通孔66を介して高周波スイッチ100へ接続される。この裏面の接続点からは終端短絡の伝送線路が分岐されており、高周波スイッチ100のオン−オフにより伝送線路長を変化させる。
図56は、第10具体例の第1及び第2変形例の回路構成を表す模式図である。すなわち、同図(a)に表した具体例の場合には、高周波スイッチ100がオンであると無給電素子は導波器となり、オフであると反射器となるようにインダクタンスが変化する。一方、同図(b)に表した具体例の場合には、高周波スイッチ100がオフの時に無給電素子は導波器となり、オンの時は反射器となるようにインダクタンスが変化する。
図56は、第10具体例の第1及び第2変形例の回路構成を表す模式図である。すなわち、同図(a)に表した具体例の場合には、高周波スイッチ100がオンであると無給電素子は導波器となり、オフであると反射器となるようにインダクタンスが変化する。一方、同図(b)に表した具体例の場合には、高周波スイッチ100がオフの時に無給電素子は導波器となり、オンの時は反射器となるようにインダクタンスが変化する。
図57は、第11具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)はゲインのθ依存性である。伝送線路64a及び64bは分岐されており、導通孔67a及び67bは図示しない高周波スイッチを介して接地され、導通孔66a及び66bは直接接地される。図示しない高周波スイッチを適宜切り替えると、無給電素子62、63における位相の組み合わせは、(110度、−180度)、(−180度、110度)、(−180度、-180度)、及び(110度、110度)の4通りとなる。
図57(b)はこれらの組み合わせに対応する放射パターンをそれぞれに表すグラフ図である。例えば、(110度、110度)及び(−180度、-180度)においてはθ=0°においてゲインが最大となる左右対称の放射パターンが得られる。また、(110度、−180度)と(−180度、110度)とは、それぞれ左右非対称で0度を中心に反転した放射パターンとなる。
図51で示したアンテナと比較すると、左右対称の放射パターンはメインビームの角度θは小さくなるものの、サイドローブが3dB低下している。また、θ=0°におけるゲインが約1dB増加している。このように、無給電素子を反射器として作用させるときの位相を変えることで電波の放射形態を制御することができる。
図57(b)はこれらの組み合わせに対応する放射パターンをそれぞれに表すグラフ図である。例えば、(110度、110度)及び(−180度、-180度)においてはθ=0°においてゲインが最大となる左右対称の放射パターンが得られる。また、(110度、−180度)と(−180度、110度)とは、それぞれ左右非対称で0度を中心に反転した放射パターンとなる。
図51で示したアンテナと比較すると、左右対称の放射パターンはメインビームの角度θは小さくなるものの、サイドローブが3dB低下している。また、θ=0°におけるゲインが約1dB増加している。このように、無給電素子を反射器として作用させるときの位相を変えることで電波の放射形態を制御することができる。
図58は、第12具体例を表し、同図(a)はその模式平面図、同図(b)はその模式底面図である。
伝送線路64の終端が導通孔66を介して接地68に短絡され、伝送線路64の途中に分岐点が設けられ導通孔67を介して高周波スイッチ100と接続されている。無給電素子62と63は、給電素子60をはさんで励振方向に対して横方向に配置されている。また、無給電素子162及び163は、給電素子60をはさんで励振方向に平行な方向に配置されている。
伝送線路64の終端が導通孔66を介して接地68に短絡され、伝送線路64の途中に分岐点が設けられ導通孔67を介して高周波スイッチ100と接続されている。無給電素子62と63は、給電素子60をはさんで励振方向に対して横方向に配置されている。また、無給電素子162及び163は、給電素子60をはさんで励振方向に平行な方向に配置されている。
図59は、第1の高周波スイッチ(SW1)100a,第2の高周波スイッチ(SW2)100b、第3の高周波スイッチ(SW3)100c、第4の高周波スイッチ(SW4)100dをそれぞれにオン−オフした場合におけるゲインのθ依存性を表し、それぞれ左側はH面、右側はE面である。
これらいずれも、高周波スイッチをオンにした時の無給電素子の位相は110度であり、導波器として作用する。一方、高周波スイッチをオフにした時の無給電素子の位相はマイナス180度(図59(a))、マイナス90度(図59(b))、または0度(図59(c))であり反射器として作用する。4つの高周波スイッチのうちいずれか1つをオンとし、あとの3つをオフとして電波の放射方向を切り替えるとき、接続された高周波スイッチがオフしている無給電素子の位相がマイナス90度(図59(b))、または0度(図)59(c))の場合、θ=0°付近にもサイドローブが生じる。サイドローブを抑制する観点からは、高周波スイッチをオフにした時に無給電素子の位相がマイナス180度のものが有利である。
図60(a)、(b)、(c)は、図59(a)、(b)、(c)とそれぞれに対応したH面及びE面における垂直放射パターンを表しており、H面はXZ平面、E面はYZ平面である。
一方、図61は、第12具体例において無給電素子の一方を110度、他方を170度とした場合のゲインのシータ依存性を表す。図59(a)、図60(a)に表したように、無給電素子の他方の位相をマイナス180度にした場合と近似した特性が得られることが分かる。これは、無給電素子63の位相をマイナス180度にした場合と170度にした場合ともに、無給電素子63から放射される電波の放射量が非常に小さく、電波の放射形態に殆ど影響を与えないためである。すなわち、無給電素子63は無いに等しい状態である。
一方、図61は、第12具体例において無給電素子の一方を110度、他方を170度とした場合のゲインのシータ依存性を表す。図59(a)、図60(a)に表したように、無給電素子の他方の位相をマイナス180度にした場合と近似した特性が得られることが分かる。これは、無給電素子63の位相をマイナス180度にした場合と170度にした場合ともに、無給電素子63から放射される電波の放射量が非常に小さく、電波の放射形態に殆ど影響を与えないためである。すなわち、無給電素子63は無いに等しい状態である。
図62は、アンテナ10の第13具体例を表す模式図である。
導通孔66を介して高周波スイッチ100が基板裏面の終端短絡伝送線路164に接続される。本図に例示されるように、基板裏面には励振方向に対して横方向に延在する終端短絡伝送線路164が設けられている。基板裏面に設けられたこの伝送線路164は、図47における基板裏面の伝送線路164と同様に、例えば、コプレーナ線路とする。このようにするとアンテナ10を全体として小型化できる。
導通孔66を介して高周波スイッチ100が基板裏面の終端短絡伝送線路164に接続される。本図に例示されるように、基板裏面には励振方向に対して横方向に延在する終端短絡伝送線路164が設けられている。基板裏面に設けられたこの伝送線路164は、図47における基板裏面の伝送線路164と同様に、例えば、コプレーナ線路とする。このようにするとアンテナ10を全体として小型化できる。
次に、位相が同一の複数の無給電素子を設けた具体例について説明する。
図63は、アンテナ10の第14具体例の模式平面図である。本具体例においては、励振方向に対して直交方向に配置された無給電素子62及び63は同一位相とする。無給電素子62及び63の位相が同一であり、160乃至マイナス160度まで変化させた場合、各給電素子−無給電素子間スペースSに対するゲイン変化率を(表1)に、最大放射強度方向(θ、φ)を(表2)に表す。
図63は、アンテナ10の第14具体例の模式平面図である。本具体例においては、励振方向に対して直交方向に配置された無給電素子62及び63は同一位相とする。無給電素子62及び63の位相が同一であり、160乃至マイナス160度まで変化させた場合、各給電素子−無給電素子間スペースSに対するゲイン変化率を(表1)に、最大放射強度方向(θ、φ)を(表2)に表す。
図64は、本具体例の放射パターンを表す模式図である。
無給電素子の整合点P‘における位相が170度から180度、マイナス180度からマイナス173度までの範囲では、素子間スペースに関係なく、給電素子を1つだけ基板上に配置したアンテナとほぼ同様の方向に電波が放射されることがわかる。さらに、無給電素子のアンテナゲインが最小となる176度の位相を有した無給電素子を給電素子の周囲に配置したとき、給電素子が1つだけ基板上に配置したアンテナとほぼ同様のゲインとなることがわかる。無給電素子の位相が170度から180度までの範囲は、図6に例示されるようにアンテナゲインがマイナスとなる領域である。本具体例におけるように、導波器−導波器として作用する無給電素子62及び63によっても放射パターンが制御可能である。
無給電素子の整合点P‘における位相が170度から180度、マイナス180度からマイナス173度までの範囲では、素子間スペースに関係なく、給電素子を1つだけ基板上に配置したアンテナとほぼ同様の方向に電波が放射されることがわかる。さらに、無給電素子のアンテナゲインが最小となる176度の位相を有した無給電素子を給電素子の周囲に配置したとき、給電素子が1つだけ基板上に配置したアンテナとほぼ同様のゲインとなることがわかる。無給電素子の位相が170度から180度までの範囲は、図6に例示されるようにアンテナゲインがマイナスとなる領域である。本具体例におけるように、導波器−導波器として作用する無給電素子62及び63によっても放射パターンが制御可能である。
図65は、第15具体例の模式平面図である。
本具体例においては、無給電素子162及び163の位相を同一とし、給電素子60をはさんで励振方向に沿って平行に配置されている。無給電素子162及び163の位相を変化させた場合、給電素子−無給電素子間スペースにおけるゲイン変化率を(表3)に、最大放射強度方向(θ、φ)を(表4)に表す。
本具体例においては、無給電素子162及び163の位相を同一とし、給電素子60をはさんで励振方向に沿って平行に配置されている。無給電素子162及び163の位相を変化させた場合、給電素子−無給電素子間スペースにおけるゲイン変化率を(表3)に、最大放射強度方向(θ、φ)を(表4)に表す。
図66は、本具体例の放射パターンを表す模式図である。
無給電素子の整合点P‘における位相が160度から180度、マイナス180度からマイナス160度までの範囲では、素子間スペースに関係なく、給電素子を1つだけ基板上に配置したアンテナとほぼ同様の方向に電波が放射されることがわかる。本具体例におけるように、導波器−導波器として作用する無給電素子162及び163によっても放射パターンが制御可能である。
無給電素子の整合点P‘における位相が160度から180度、マイナス180度からマイナス160度までの範囲では、素子間スペースに関係なく、給電素子を1つだけ基板上に配置したアンテナとほぼ同様の方向に電波が放射されることがわかる。本具体例におけるように、導波器−導波器として作用する無給電素子162及び163によっても放射パターンが制御可能である。
次に、励振方向に対して平行に配置され、スイッチにより伝送線路の位相を切り替え可能な無給電素子162、163を配置することにより、より均一なビームが得られることを説明する。
図67は、第16具体例を表し、同図(a)、(b)、(c)、(d)は無給電素子162及び163と給電素子60との励振方向距離をそれぞれに変化させた場合の水平放射パターン、同図(e)はゲインのθ依存性をそれぞれ表す。
伝送線路は終端開放とし、長さを7.1mmとすることにより無給電素子162の位相は90度とする。CASE1は、無給電素子162が、0.8mmのスペース(間隔)S1だけ給電素子60から離れ、給電素子60の中心に関して給電点の反対側に配置される。CASE2〜4は、無給電素子163が、給電素子60の中心に関して給電点側に配置され、スペースS2がそれぞれ0.8、0.6、0.4mmの場合である。
図67は、第16具体例を表し、同図(a)、(b)、(c)、(d)は無給電素子162及び163と給電素子60との励振方向距離をそれぞれに変化させた場合の水平放射パターン、同図(e)はゲインのθ依存性をそれぞれ表す。
伝送線路は終端開放とし、長さを7.1mmとすることにより無給電素子162の位相は90度とする。CASE1は、無給電素子162が、0.8mmのスペース(間隔)S1だけ給電素子60から離れ、給電素子60の中心に関して給電点の反対側に配置される。CASE2〜4は、無給電素子163が、給電素子60の中心に関して給電点側に配置され、スペースS2がそれぞれ0.8、0.6、0.4mmの場合である。
この場合、図67(e)に表すゲインにおいて、破線で表すCASE2のほうが太い実線で表すCASE1よりもゲインが約1dB高い。CASE1においてS1=0.8mm、CASE2においてS2=0.8mmとスペースは同一であっても、均一にビームが放射されないことを意味している。S2=0.6mmであるCASE3において、ゲインをほぼCASE1と等しくできておりCASE1に対してY軸逆方向にほぼ均一な放射パターンが得られている。S2=0.4mmであるCASE4においては、ゲインがますます低下して、図67(d)の様にCASE1とは異なった水平放射パターンとなる。すなわち、給電素子60をはさんでペア状に配置された無給電素子において、伝送線路の長さをスイッチにより変化させ、放射パターンを切り替える場合、スペースを変えることによりより均一な放射パターンにできる。例えば、給電素子60の中心より給電点側に配置する無給電素子163とのスペースS2を反対側の無給電素子162とのスペースS1より小さくすることにより、均一なビームにできる。
図68は、終端短絡の場合のアンテナ10の模式平面図である。
給電素子60の給電点Pがパッチ電極の中心からみて無給電素子163の側に設けられている。そして、この場合、給電素子60と無給電素子162とのスペース(間隔)S1よりも、給電素子60と無給電素子163とのスペースS2を小さくすることにより、放射パターンを対称な形態に近づけることができる。
給電素子60の給電点Pがパッチ電極の中心からみて無給電素子163の側に設けられている。そして、この場合、給電素子60と無給電素子162とのスペース(間隔)S1よりも、給電素子60と無給電素子163とのスペースS2を小さくすることにより、放射パターンを対称な形態に近づけることができる。
またこの具体例において、S1>S2とし、スイッチを切り替えることにより、一方の無給電素子を導波器とし、他方を反射器とし均一なビームにできる。図67(e)に例示されるように、ゲインが最大となるθはE面においてプラス、マイナス両側において約60度であり、図4に例示される第1具体例よりも大きくできる。このアンテナ10からの大きな放射角度θを有するビームにより、より広範囲な場所にいる人間の存在を精度良く検知できる。この結果、自動ドアなどにおけるセンサとしても有用である。
次に、伝送線路が接続された無給電素子の小型化を実現できる構造について説明する。
整合点の位相がマイナスである反射器として作用する無給電素子62における伝送線路は、導波器の場合より長くなることが多い。長い伝送線路が励振方向に延在するとアンテナが大型化する。そこで、導波器として作用させる伝送線路は励振方向に沿って直線状に配置し、反射器として作用させる伝送線路は伝送線路の終端側を屈曲させることによりアンテナの小型化を図ることができる。
まず、図69は、比較例にかかるアンテナを説明する図であり、同図(a)は導波器として作用する幅が0.6mm、長さが3.8mmである伝送線路が直線状に延在したCASE1の模式図、同図(b)はこの伝送線路を屈曲したCASE2の模式図、同図(c)はゲインのφ依存性を表す。
無給電素子162と給電素子60とのスペースはいずれも2.2mmとし、終端短絡伝送線路により無給電素子62の位相は110度となる。アンテナゲインが最大となるのは、図69(a)においてθ=27度、φ=183度であるのに対し、同図(b)においてθ=30度、φ=174度とビームが回転し、サイドローブもより大きくなる。
無給電素子162と給電素子60とのスペースはいずれも2.2mmとし、終端短絡伝送線路により無給電素子62の位相は110度となる。アンテナゲインが最大となるのは、図69(a)においてθ=27度、φ=183度であるのに対し、同図(b)においてθ=30度、φ=174度とビームが回転し、サイドローブもより大きくなる。
図70は、アンテナの第17具体例を表す。図70(a)は無給電素子62に幅0.6mm、長さ3.8mmである終端短絡伝送線路が、無給電素子63に幅0.6mm、長さ8.1mmである終端短絡伝送線路がそれぞれ直線状に延在するCASE3の場合の模式図である。また、図70(b)は屈曲したCASE4の場合の模式図、同図(c)はゲインのφ依存性である。
導波器としての無給電素子62の位相は110度、反射器としての無給電素子63の位相はマイナス180度とし、スペースは2.4mmとする。また、反射器として作用する無給電素子63の伝送線路は、導波器として作用する無給電素子62の伝送線路の長さである3.8mmにおいて約90度に屈曲させる。
導波器としての無給電素子62の位相は110度、反射器としての無給電素子63の位相はマイナス180度とし、スペースは2.4mmとする。また、反射器として作用する無給電素子63の伝送線路は、導波器として作用する無給電素子62の伝送線路の長さである3.8mmにおいて約90度に屈曲させる。
ゲインが最大となるのは、図70(a)において、θ=30度、φ=180度であるのに対し、同図(b)において、θ=30度、φ=186度である。図70(c)に例示されるように、ゲインのφ依存性は殆ど一致し、ビームの回転を抑制できることを表している。
図71は、第17具体例の第1変形例を表し、無給電素子63の伝送線路の長さを5.1mmとし位相をマイナス90度とした場合を表す。図71(a)は伝送線路が直線状に延在するCASE5、同図(b)は屈曲したCASE6を表す。アンテナゲインが最大となるのは、図71(a)においてθ=39度、φ=180度、同図(b)においてθ=39度、φ=180度である。また。図70(c)に例示されるようにゲインのφ依存性は殆ど一致し、ビームの回転を抑制できることを表している。
図72は、第17具体例の第2変形例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)、(c)、(d)、(e)は水平放射パターン、同図(f)はゲインのφ依存性である。無給電素子62及び63が給電素子60を挟んで励振方向と直交する方向に配置され、給電素子60と無給電素子62、63とのスペースはいずれも2.4mmとした。また、無給電素子162及び163が給電素子60を挟んで励振方向に沿って平行方向に配置されている。給電素子60と無給電素子162とのスペースは0.8mm、給電素子60と無給電素子163とのスペースは0.7mmとした。
伝送線路の終端は導通孔66により接地されており、分岐点の導通孔67により高周波スイッチ100へ接続される。高周波スイッチ100がオンの場合は分岐点で接地となり、オフの場合は伝送線路の終端66で接地となる。無給電素子62の導通孔67aに裏面で接続される高周波スイッチ100a(SW1)、及び無給電素子63の導通孔67bに裏面で接続される高周波スイッチ100b(SW2)はオン状態で位相が110度、オフ状態でマイナス180度となるよう伝送線路の長さを決める。また、導通孔67cに裏面で接続される高周波スイッチ100c(SW3)、及び導通孔67dに裏面で接続される高周波スイッチ100d(SW4)はオン状態で90度、オフ状態でマイナス180度となるように伝送線路の長さを決める。
図72(b)は高周波スイッチ100aのみがオンであるCASE1、同図(c)は100bのみがオンであるCASE2,同図(d)は100cのみがオンであるCASE3、同図(e)は100dのみがオンであるCASE4の場合の水平放射パターンを表す。また、図72(f)はH面におけるゲインのφ依存性をCASE1及びCASE2について表し、同図(g)はE面におけるゲインのφ依存性をCASE3及びCASE4について表す。
高周波スイッチ100を切り替えることにより、水平面内の放射パターンを制御できることが分かる。本具体例も、人感センサや自動ドアに用いる高周波センサとして適している。また、導通孔67が設けられる分岐点において、伝送線路はほぼ90度に屈曲されている。従って、図58に表した具体例と比較して、励振方向に沿う長さを縮小しアンテナの小型化を容易にする。この場合、屈曲によるビームの回転も抑制できる。
高周波スイッチ100を切り替えることにより、水平面内の放射パターンを制御できることが分かる。本具体例も、人感センサや自動ドアに用いる高周波センサとして適している。また、導通孔67が設けられる分岐点において、伝送線路はほぼ90度に屈曲されている。従って、図58に表した具体例と比較して、励振方向に沿う長さを縮小しアンテナの小型化を容易にする。この場合、屈曲によるビームの回転も抑制できる。
図72に表した具体例においては、一本の伝送線路の途中に高周波スイッチが設けられ、位相を可変にしている。
一方、図73は、伝送線路を2本に分けた具体例を表し、同図(a)は表面側の模式図、同図(b)は裏面側の模式図である。すなわち、図73(a)はパッチ電極側を表し、パッチ電極から伝送線路が励振方向に延在し、途中で屈曲して、その終端が導通孔66により接地されている。一方、図73(b)は接地68である裏面を表し、パッチ電極領域内の一点から導通孔166を介して接続され励振方向に対して略平行に延在する伝送線路164と、この伝送線路164に接続された高周波スイッチ100と、が設けられている。この場合にも、裏面の伝送線路164のストライプ状導体の長さ以上の位置において、表側の伝送線路のストライプ状導体が屈曲される。この結果、高周波スイッチ100をオンとしたとき導波器として、オフとしたとき反射器として作用させ、無給電素子62の位相を変化させることができる。
一方、図73は、伝送線路を2本に分けた具体例を表し、同図(a)は表面側の模式図、同図(b)は裏面側の模式図である。すなわち、図73(a)はパッチ電極側を表し、パッチ電極から伝送線路が励振方向に延在し、途中で屈曲して、その終端が導通孔66により接地されている。一方、図73(b)は接地68である裏面を表し、パッチ電極領域内の一点から導通孔166を介して接続され励振方向に対して略平行に延在する伝送線路164と、この伝送線路164に接続された高周波スイッチ100と、が設けられている。この場合にも、裏面の伝送線路164のストライプ状導体の長さ以上の位置において、表側の伝送線路のストライプ状導体が屈曲される。この結果、高周波スイッチ100をオンとしたとき導波器として、オフとしたとき反射器として作用させ、無給電素子62の位相を変化させることができる。
以上説明した具体例においては、水平放射パターンにおける最大放射方向がXまたはY軸(励振方向に対して平行)となる様にパッチ電極はほぼ十字状に配置される。
次に、パッチ電極の配置を変えることにより最大放射方向を斜めに向ける具体例について説明する。
次に、パッチ電極の配置を変えることにより最大放射方向を斜めに向ける具体例について説明する。
図74は、比較例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)は水平放射パターン、同図(c)はゲインのθ依存性である。図74(a)のように無給電素子62を励振方向に0.2mmずらし、励振方向に平行なその一辺が給電素子60の平行な一辺とは対向する部分を有さない場合を表す。このようにずらすと、図73(b)のようにビームを曲げることはできるが、幅0.6mmの伝送線路の長さLを変えて位相を調整しても、無給電素子62を導波器として作用させることが困難である。すなわち、L=4.7mmとし位相を0度とすると最大放射強度はθ=36度、φ=297度となる。また、L=4.2mmとし位相を90度とすると最大放射強度はθ=45度、φ=117度となる。しかし図73(c)に例示するようにサイドローブを十分に減衰させるのが困難であり、センサとして好適なビーム放射パターンが得られない。
図75は、アンテナの第18具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)及び(c)は水平放射パターン、同図(d)はゲインのθ依存性を表す。給電素子60のひとつの角部を図75(a)に例示するような原点(0,0)となるようなXY座標を用い、無給電素子62のひとつの角部の座標を(x、y)と表す。無給電素子62には、図75(a)のように長さLである伝送線路が接続されている。図75(b)は無給電素子62の角部座標が(−0.2,−1)であり位相が90度の場合、同図(c)は角部座標が(−0.2,−0.5)の場合の水平放射パターンである。位相が110度であるとサイドローブをメインビームより約8dB低下でき、ゲインが最大となるφも120度とでき、斜め方向へのビーム制御が可能となる。
図76は、第18具体例において無給電素子62の位相が90度の場合の水平放射パターンを表す。左側はx=−1、すなわちスペースがX軸方向に1mmの場合であり、下方に向かって対向する部分が多くなることを表している。また、中央はx=−0.5,その右側はx=−0.2の場合である。最も右側は、それぞれのy座標においてゲインが最大となるx座標と放射パターンを表す。X軸方向のスペースを小さくする方が、またY方向で対向部分を大きくする方がサイドローブを小さくできる。また、y座標を固定した場合、ゲインが最大となるx座標は変化する。
図77は、第18具体例において無給電素子62の位相が110度の場合の水平放射パターンを表す。図76と同様に、左側からx座標が−1、−0.5,−0.2の順であり、それぞれの列において下方に向って給電素子60との対向部分が多くなる。この場合にも、X軸方向スペースが小さく、Y軸に沿う対向部分が大きくなるに従いサイドローブを小さくできる。
図77は、第18具体例において無給電素子62の位相が110度の場合の水平放射パターンを表す。図76と同様に、左側からx座標が−1、−0.5,−0.2の順であり、それぞれの列において下方に向って給電素子60との対向部分が多くなる。この場合にも、X軸方向スペースが小さく、Y軸に沿う対向部分が大きくなるに従いサイドローブを小さくできる。
図78は、アンテナの第18具体例において位相が110度であり、無給電素子62の角部座標が、(−0.2,−0.5)及び(−1.1、−2.5)の場合のゲインのφ依存性を表す。ビームの放射方向を、最大放射強度ではなく半値角のビーム幅の中心値にて設定することにより、人間などの被検知物を精度よく検知することができる。例えば、最大放射強度で放射強度を135度と設定すると、半値角の範囲は75乃至225度となる。一方、半値角のビーム幅の中心値を120度と設定すると半値角の範囲が65乃至205度となりより精度の高い検知ができる。
図79は、第19具体例を表し、同図(a)は模式平面図、同図(b)、(c)、(d)、(e)は水平放射パターン、同図(f)はゲインのφ依存性を表す。図79(a)に例示されるように、給電素子を中心として千鳥格子状あるいはX字状に4個の無給電素子が配置される。無給電素子には伝送線路が設けられ、その途中には導通孔が設けられる。伝送線路のストライプ状導体は線路の途中に導通孔を介して基板の裏面の高周波スイッチと接続される。高周波スイッチのオン−オフにより無給電素子の位相を変えることができる。
また、無給電素子と給電素子とはY軸に対して平行な一辺において対向する部分を有し、X軸に平行な他の一辺において対向する部分を有さない。Y軸に対して平行であり対向する部分は、図76及び図77に例示される水平放射パターンのシミュレーション結果よりゼロより大きく4分の1波長より短いことが好ましい。給電素子は励振方向に平行な辺において2分の1波長の長さとされるので、4分の1波長より短い対向部分であれば無給電素子は重なり合わない。破線で表す高周波スイッチSW1,SW2,SW3、SW4は、基板の裏面にそれぞれ配置される。
また、無給電素子と給電素子とはY軸に対して平行な一辺において対向する部分を有し、X軸に平行な他の一辺において対向する部分を有さない。Y軸に対して平行であり対向する部分は、図76及び図77に例示される水平放射パターンのシミュレーション結果よりゼロより大きく4分の1波長より短いことが好ましい。給電素子は励振方向に平行な辺において2分の1波長の長さとされるので、4分の1波長より短い対向部分であれば無給電素子は重なり合わない。破線で表す高周波スイッチSW1,SW2,SW3、SW4は、基板の裏面にそれぞれ配置される。
図79(b)は、SW1のみをオンとし他をオフとするCASE1,同図(c)はスイッチ2のみオンとするCASE2,同図(d)はSW3のみをオンとするCASE3,同図(e)はSW4のみをオンとするCASE4の水平放射パターンをそれぞれに表し、同図(f)はそれぞれCASEのゲインのφ依存性を表す。
放射パターンにおけるゲインの最大値となるφ方向は、CASE1で60度、CASE2で120度、CASE3で240度、CASE4で300度であり、Y軸に関してほぼ左右対称にできる。また、ゲインが3dB低下するφ方向半値角は、図79(f)に表すようにほぼ均一とできる。
スイッチを順次切り替えて、CASE1〜4を順次繰り返すことにより、これら4方向を順次スキャンできる。
第18及び第19具体例において、無給電素子と給電素子とはY軸に対して平行な一辺において対向部分を有した。しかし本発明はこれに限定されず、X軸に対して平行な一辺において対向部分を有していても良い。
放射パターンにおけるゲインの最大値となるφ方向は、CASE1で60度、CASE2で120度、CASE3で240度、CASE4で300度であり、Y軸に関してほぼ左右対称にできる。また、ゲインが3dB低下するφ方向半値角は、図79(f)に表すようにほぼ均一とできる。
スイッチを順次切り替えて、CASE1〜4を順次繰り返すことにより、これら4方向を順次スキャンできる。
第18及び第19具体例において、無給電素子と給電素子とはY軸に対して平行な一辺において対向部分を有した。しかし本発明はこれに限定されず、X軸に対して平行な一辺において対向部分を有していても良い。
図80は、アンテナの第20具体例を表し、同図(a)は1つの無給電素子の場合の模式平面図、同図(b)は水平放射パターン、同図(c)はφが105度のゲインのθ依存性である。図80(a)に表すように、給電素子60と無給電素子62とは励振方向、すなわちY軸方向に0.2mm離間している。また、励振方向に対して直交する無給電素子の一辺と給電素子の一辺とは対向部分を2.5mm有している。無給電素子62には整合点における位相が110度となるよう長さが3.7mmの終端を短絡した伝送線路が接続されている。また、図80(b)のように、水平放射パターンはφが約105方向に向かって広がっている。さらに、図80(c)のように、φ=105°の面内において最大放射強度が得られる角度θは39度、メインビームの半値角幅は10乃至80度、サイドローブはメインビームより約9dB低下させることができ、走査方向に局在するメインビームの放射量を多くし、メインビームとサイドローブの差を3dB以上確保できる。
図81は、アンテナの第21具体例を表す模式平面図である。給電素子を中心として千鳥格子状あるいはX字状に4個の無給電素子が配置される。この無給電素子は第19具体例と同様の形状をそれぞれに有している。無給電素子と給電素子とはX軸に対して平行な一辺において対向する部分を有し、Y軸に平行な他の一辺において対向する部分を有さない。X軸に平行な対向部分は、第19具体例と同様に、ゼロより大きく4分の1波長より短いことが好ましい。本具体例においても、破線で表す基板裏面に設けられた高周波スイッチSW1、SW2、SW3、SW4を順次切り替えて、4方向を順次スキャンすることができる。
図82は、比較例を表し、同図(a)は模式平面図及び水平放射パターン、同図(b)はゲインのφ依存性を表す。図82(a)に表したように、4つの無給電素子を十字状に配置した場合、同図(b)に表したようにY軸方向における半値角は90度であるが、X軸方向における半値角は約150度と大きい。ビームをX軸のプラスまたはマイナス方向に曲げようとする場合、検知範囲が広すぎて、例えば、斜め方向の人を誤って検知する可能性がある。また、例えば、図74(b)に例示するようにサイドローブを低減できずセンサに適したビームを得ることが困難である。
これに対して、第19及び第21具体例においては、φ方向における半値角の幅を揃えることができる。この結果、誤り無く人体などの被検知物を検知できるのでセンサとして適している。この応用として、例えば、人感センサ、自動ドアなどの開閉を制御するセンサ、手の動きを検知するセンサなどに用いると非接触スイッチとでき、機器のリモートコントロールなどに有用である。
本発明は、これらに限定されない。高周波センサを構成するアンテナ、送信部、受信部、差分検出器、給電素子、無給電素子、伝送線路、高周波スイッチなどの材質、形状、サイズに関して各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
本発明は、これらに限定されない。高周波センサを構成するアンテナ、送信部、受信部、差分検出器、給電素子、無給電素子、伝送線路、高周波スイッチなどの材質、形状、サイズに関して各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
また、本実施形態の高周波センサは、図2に例示したような小用便器のみならず、腰掛便器や、その他、トイレ、洗面所、浴室、キッチンをはじめとして、各種の用途において設けることができる。さらに、人感センサ、自動ドアセンサ、非接触スイッチなどにも有用である。
またさらに、本発明の高周波センサは、非接触型の入力インタフェースなどにも応用が可能である。例えば、図68や図79などに関して前述したように、複数の無給電素子をスイッチで順次切り替えて複数の方向をスキャンできるアンテナを用いると、人間の手の動きなどを検知できる。つまり、アンテナで空間をスキャンし、手などの動きを検知し、その方向や速度に応じて、情報を入力したり機器をリモート操作できる。例えば、ドアの前に立った人間が、手を下から上に振った場合に高周波センサがこの動作を検知し、ドアを自動的に開かせることが可能である。
また例えば、自動券売機や各種の入力端末において、「はい」と「いいえ」の二択に対して、高周波センサが利用者の首の動きをモニタし、利用者が首を縦に振ったら「はい」、首を横に振ったら「いいえ」のように非接触式に入力することが可能となる。
10 アンテナ、12 送信部、14 受信部、16 差分検出器、20 高周波センサ装置、60 給電素子、62、63、72、73 無給電素子、64、74 伝送線路、66、67、77 導通孔、100 高周波スイッチ、102 引き出し電極
Claims (7)
- 送信波を発生する送信部と、
前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、
前記受信波を検知する受信部と、
を備え、
前記アンテナは、パッチ電極を有する給電素子と、前記給電素子と併設されそれぞれがパッチ電極を有する第1及び第2の無給電素子と、を含み、
前記第1の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に延在し導波器として作用する第1の長さの伝送線路を有し、
前記第2の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記前記励振方向に対して平行に前記第1の長さだけ延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を有し反射器として作用する第2の長さの伝送線路を有することを特徴とする高周波センサ装置。 - 送信波を発生する送信部と、
前記送信波を放射するアンテナと、
前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、
前記受信波を検知する受信部と、
を備え、
前記放射するアンテナと前記受信するアンテナの少なくともいずれかは、パッチ電極を有する給電素子と、前記給電素子と併設されそれぞれがパッチ電極を有する第1及び第2の無給電素子と、を含み、
前記第1の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に延在し前記第1の無給電素子を導波器として作用させる第1の長さの伝送線路を有し、
前記第2の無給電素子は、前記パッチ電極の辺のうち励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して平行に前記第1の長さだけ延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を有し前記第2の無給電素子を反射器として作用させる第2の長さの伝送線路を有することを特徴とする高周波センサ装置。 - 前記第2の無給電素子の前記延在した部分と前記屈曲した部分との交点に高周波スイッチが設けられ、前記高周波スイッチを切り替えることにより、前記第2の無給電素子が導波器としても反射器としても作用可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の高周波センサ装置。
- 前記第2の長さの伝送線路を構成するストライプ状導体は前記パッチ電極と同一の主面に設けられ、前記高周波スイッチは前記主面に対して裏面側に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の高周波センサ装置。
- 前記パッチ電極と前記高周波スイッチとの間の伝送線路のストライプ状導体は前記パッチ電極と同一の主面に設けられ、
前記高周波スイッチ及び前記伝送線路の終端側のストライプ状導体は前記主面に対して裏面側に設けられたことを特徴とする請求項3または4に記載の高周波センサ装置。 - 送信波を発生する送信部と、
前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、
前記受信波を検知する受信部と、
を備え、
前記アンテナは、パッチ電極を有する給電素子と、パッチ電極を有する無給電素子と、を含み、
前記無給電素子は、第1の伝送線路と第2伝送線路とを有し、
前記第1の伝送線路は、前記パッチ電極から導通孔を介して接続された裏面側のストライプ状導体により構成され、前記裏面側のストライプ状導体の終端は高周波スイッチを介してれ接地への接続と非接続とが制御可能とされ、
前記第2の伝送線路は、前記パッチ電極の辺のうちで前記励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して略平行な方向に延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を含むことを特徴とする高周波センサ装置。 - 送信波を発生する送信部と、
前記送信波を放射するアンテナと、
前記送信波の物体による反射波及び透過波の少なくともいずれかを受信波として受信するアンテナと、
前記受信波を検知する受信部と、
を備え、
前記放射するアンテナと前記受信するアンテナの少なくともいずれかは、パッチ電極を有する給電素子と、パッチ電極を有する無給電素子と、を含み、
前記無給電素子は、第1の伝送線路と第2伝送線路とを有し、
前記第1の伝送線路は、前記パッチ電極から導通孔を介して接続された裏面側のストライプ状導体により構成され、前記裏面側のストライプ状導体の終端は高周波スイッチを介してれ接地への接続と非接続とが制御可能とされ、
前記第2の伝送線路は、前記パッチ電極の辺のうちで前記励振方向に対して直交する辺の中央近傍から前記励振方向に対して略平行な方向に延在する部分と、前記延在する部分に対して略垂直に屈曲した部分と、を含むことを特徴とする高周波センサ装置。
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