JP2008164354A - 高周波センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電波ビームの放射方向を精度良く制御できる高周波センサ装置を提供する。
【解決手段】送信波を発生する発振回路と、前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波を受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する検波回路と、を備え、前記アンテナは、基板の第1の主面に設けられ、パッチ電極を有する給電素子及び無給電素子を含み、前記無給電素子には前記第1の主面に設けられた伝送線路が接続され、前記伝送線路の終端部は高周波スイッチの一方の端子に接続され、前記高周波スイッチの他方の端子は前記基板の第2の主面に設けられた接地電極に接続され、前記高周波スイッチをオンまたはオフに切替える電圧を供給する制御線と、前記高周波スイッチと、が前記第1の主面に配置されたことを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波センサ装置に関する。
マイクロ波などが人体にあたると反射波あるいは透過波を生じる。この反射波または透過波を受信し人体の有無を検出するのが高周波センサ装置であり、自動ドア、機器のリモートコントロール、便器洗浄装置などに使用できる。さらに、移動物体を検出する高周波センサ装置もあり、例えば水洗便器の自動洗浄などに有用である。
人体を含む移動物体を検知するには、ドップラー効果を利用することができる。すなわち、電波や音波が移動物体に当たり反射すると、反射波の周波数がドップラーシフトする。反射波及び送信波の差分周波数スペクトラムを求めることにより移動物体が検知される。さらにドップラー周波数は物体の移動速度に比例するので、移動速度を知ることもできる。
送信波として電波を用いる場合、センサを構成するアンテナからの電波放射方向を目的物に向けて精度良く制御することが重要である。給電素子及びこれを取り囲む無給電素子をパッチ電極で構成し、高周波スイッチにより電気的にスキャンを行うアンテナにおいては、高周波スイッチのオン及びオフを切替えるために設ける制御線が、アンテナの接地特性に影響を及ぼし、電波ビームの放射方向を精度良く制御することを困難にすることがある。
無給電素子が基板内のスルーホール式の制御線を通じて基板の背面上に設けられた高周波スイッチに接続され、電波ビームの放射方向を切替えるマイクロストリップアンテナ及びこれを用いた高周波センサに関する技術開示例がある(特許文献1)。
国際公開番号WO2006/035881A1号
本発明は、電波ビームの放射方向を精度良く制御できる高周波センサ装置を提供する。
本発明によれば、送信波を発生する発振回路と、前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波を受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する検波回路と、を備え、前記アンテナは、基板の第1の主面に設けられ、パッチ電極を有する給電素子及び無給電素子を含み、前記無給電素子には前記第1の主面に設けられた伝送線路が接続され、前記伝送線路の終端部は高周波スイッチの一方の端子に接続され、前記高周波スイッチの他方の端子は前記基板の第2の主面に設けられた接地電極に接続され、前記高周波スイッチをオンまたはオフに切替える電圧を供給する制御線と、前記高周波スイッチと、が前記第1の主面に配置されたことを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、送信波を発生する発振回路と、前記送信波を放射するアンテナと、前記送信波の物体による反射波を受信波として受信するアンテナと、前記受信波を検知する検波回路と、を備え、前記放射するアンテナ及び前記受信するアンテナは、基板の第1の主面に設けられ、パッチ電極を有する給電素子及び無給電素子を含み、前記無給電素子には前記第1の主面に設けられた伝送線路が接続され、前記伝送線路の終端部は高周波スイッチの一方の端子に接続され、前記高周波スイッチの他方の端子は前記基板の第2の主面に設けられた接地電極に接続され、前記高周波スイッチをオンまたはオフに切替える電圧を供給する制御線と、前記高周波スイッチと、が前記第1の主面に配置されたことを特徴とする高周波センサ装置が提供される。
本発明により、電波ビームの放射方向を精度良く制御できる高周波センサ装置が提供される。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる高周波センサ装置の高周波部90を表し、図1(a)はその模式平面図、図1(b)はA−A線に沿った模式断面図、図1(c)は接地導体側から見た模式平面図である。
図1(a)において、高周波部90を構成するアンテナ93は、基板10の略中心に給電素子20と、給電素子20を中心にX字型に配置された無給電素子30と、を有している。給電素子20及び無給電素子30は、基板10の一方の主面に設けられたパッチ電極を有する。基板10の他方の主面、すなわちパッチ電極の裏面は接地電極12とする。
給電素子20は、図1(a)における左右対称軸上の中間点よりずれた点を給電点Pとする。図1(b)のように接地電極12に設けられた開口部を介して、給電点Pは給電線24によりアンテナ93を励振する給電部26へ接続される。この結果、アンテナ93は図1(a)の矢印の向きに送信波を放射しかつ反射波を受信する。
無給電素子30は、30a、30b、30c、30dからなる。励振方向と90度をなす無給電素子30の略中央には伝送線路40(40a、40b、40c、40dを含む)が励振方向と平行方向にかつ互いに逆向きに延在している。伝送線路40の終端には高周波スイッチ60が接続されており、それぞれの高周波スイッチ60は電気的にオンまたはオフに制御可能となっている。高周波スイッチ60は、60a(SW1)、60b(SW2)、60c(SW3)、60d(SW4)を含む。
4つの高周波スイッチ60のうちいずれかひとつをオフ(開放状態)とし、他をオン(短絡状態)とすることにより電波ビームを必要な方向に精度良く制御できる。4つの高周波スイッチ60を順番にオフとして行くと、電波ビームの方向をこの順番に変えて行くことができ、物体またはその移動スピードが検知できる。高周波スイッチ60により電波ビームの放射方向を制御する作用については後に説明する。
本実施形態において、高周波スイッチ60は接地電極12の側ではなくパッチ電極側に設けられ、高周波スイッチ60を制御するための電圧は無給電素子30との間の影響を低減するように基板10の周辺部に配置された制御線42を介して供給される。この場合、制御線42のパターン幅を例えば0.1〜0.5mm程度に細くし、励振方向と平行する無給電素子30の端辺とその端辺に対向する位置に配置された制御線42との間隔をλg/3(但しλgは使用周波数における基板上の波長)以上とすることが好ましい。この間隔が狭すぎると無給電素子30の位相に影響を与え所定の方向、所定の角度に電波ビームを放射できなくなる。また、高周波スイッチ60a、60b、60c、60dにそれぞれに接続された制御線42a、42b、42c、42dは、基板10の端部に近接した配置された制御端子70a、70b、70c、70dを介して制御部92へと接続される。
図1(b)に表すように、基板10は固定ネジ15によりシールドケース16へ固定される。給電部26は、FETのような発振素子80を含み送信波を発生する発振回路94、及び検波素子86を含みアンテナ93で受信した反射波を検波する検波回路95を有する。発振素子80からの送信波の周波数を調整するために発振回路94は誘電体共振器82及び周波数調整ネジ84を有する。シールドケース16は、アンテナ93及び給電部26を含む高周波部90を電磁シールドする。
図1(c)は、高周波部90のシールドケース16側から見た模式平面図である。基板10の端部には、給電部26の発振素子80などへ供給するための電圧Vcc端子72、接地端子74、ドップラー信号の出力端子76が設けられている。
図2は、高周波部90及び制御部92を一体とした高周波センサ装置の模式正面図である。図1(c)のシールドケース16側の表面に、制御部92が配置された回路基板がリードフレーム17などを用いて固定及び接続がされる。高周波スイッチ60a及び60b、及び図示しない60c及び60dをオン及びオフ状態に遷移させ、図2の下方にスキャンされた電波ビームを放射する。
図3は、高周波センサ装置のブロック図を表す。高周波センサ装置は、高周波部90及び制御部92を含む。高周波部90は、給電素子20及び無給電素子30などからなるアンテナ93、送信波を発生する発振回路94、受信波からドップラー信号を取り出す検波回路95を含む。
アンテナ93から放射された送信波は、人体などの物体に当たり反射波を生じ、給電素子20で受信される。アンテナ93は送受信共用でもよいし、送信用と受信用とを別にしてもよい。人体検知用の高周波センサ装置において使用可能な送信波の周波数は、10.525及び24.15GHzである。
移動物体の場合、ドップラー信号が高周波部90の出力端子76から出力される。このドップラー信号は、制御部92の増幅器96を介して人体検知判断回路97へ入力される。また、増幅器96の他の出力は、比較器98を介してスイッチ操作判断回路100へ入力される。その出力は、負荷制御回路101及び電波走査制御回路99へ入力される。電波走査制御回路99は、スイッチ操作判断回路100及び人体検知判断回路97からの信号により無給電素子30の電波ビームの放射方向を変える制御信号を出力する。
このように、アンテナ93は制御部92からの制御信号により電波ビームの放射方向を変化させることができる。この場合、アンテナ93の給電素子20及び無給電素子30の配置は図1(a)に限定されない。図4は、本実施形態にかかるアンテナ93の変形例の模式平面図を表し、図4(a)は第1変形例、図4(b)は第2変形例である。図4(a)の第1変形例は、励振方向と略直交するX方向に無給電素子30が給電素子20と隣接して配置されている。無給電素子30に設けられた伝送線路40の終端は高周波スイッチ60の一方の端子に接続され、高周波スイッチ60の他方の端子はスルーホールを介して基板10の裏面の接地電極に接続されている。この場合もパッチ電極、高周波スイッチ60、接続線42は共に基板10の同一主面上に形成される。
図4(b)の第2変形例において、X方向に無給電素子30aが無給電素子20aと、無給電素子30bが給電素子20bと隣接して対置されている。無給電素子30a及び30bは2つの給電素子20a及び20bを挟むように配置されている。無給電素子30a及び30bに伝送線路40a及び40bの終端は高周波スイッチ60a及び60bの一方の端子にそれぞれ接続され、他方の端子はスルーホールを介して基板10の裏面の接地電極にそれぞれ接続されている。給電素子20aの給電点P1及び給電素子20bの給電点P2は基板10に設けられたスルーホールを介して互いに接続され、給電される。この場合も接続線42a及び42b、パッチ電極、高周波スイッチ60a及び60bはともに基板10の同一主面上に設けられる。
次に、高周波スイッチ60の作用について説明する。図5は、図1(a)の高周波スイッチ60a(SW1)を表し、図5(a)は伝送線路40aの終端部近傍を表す模式平面図、図5(b)はその構成である。高周波スイッチ60aとして、例えばHEMT(High Electron Mobility Transistor)やGaAs MESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)を用いると、ゲート端子63aに印加する制御電圧によりソース端子62a及びドレイン端子61a間をオンまたはオフに切替えることができる。
伝送線路40aの終端部は、ドレイン端子61aに接続され、ソース端子62aは基板10の導電パターン18及びスルーホール19を介して基板10の裏面である接地電極12に接続される。ゲート端子63aは制御線42aを介して基板10の端部の制御端子70aへ接続される。
ゲート端子63aをゲート電圧により制御しソース端子62a及びドレイン端子61aを導通とし高周波スイッチ60aをオンとすると、伝送線路40aは終端短絡線路として作用する。一方、ゲート電圧を制御しドレイン端子61a及びソース端子62a間を非導通とし高周波スイッチ60aをオフとすると、伝送線路40aは長さJ3の終端開放線路として作用する。この場合、周波数が10GHz以上と高いために、図5(b)のように高周波スイッチの電極(長さJ1及びJ2)、外部の導電パターン18、スルーホール19などにより寄生インダクタンスを考慮した伝送線路設計が必要である。
本実施形態において、4つ高周波スイッチ60のうちいずれかひとつをオフとし導波器とし、他の3つをオンとし反射器とすることにより電波ビームの放射方向を制御し、オフとする高周波スイッチ60を順番に遷移させることにより電波ビームのスキャンが可能となる。この作用について、以下で詳細に説明する。
まず、図6は給電素子20及び無給電素子30が励振方向に対して略垂直な方向に隣接して配置されているアンテナの基本構成を表す。図6(a)は、模式平面図、図6(b)は模式斜視図、図6(c)は終端短絡伝送線路の模式断面図、図6(d)は終端開放伝送線路の模式断面図である。
図6(a)において、給電素子20の中心を通りY軸の負方向における位置が送信波の励振部と接続される給電点Pとする。給電素子20は正方形とし励振方向の一辺の長さは約λg/2(但しλgは波長)とする。無給電素子30及び給電素子20の形状は伝送線路40以外の領域においてほぼ等しい。
また、給電点Pの横方向、かつY軸負方向の位置が整合点Qとする。無給電素子30の中心線上で、励振方向に平行かつY軸正方向には長さがLの伝送線路40が設けられている。ここで、「伝送線路」は、基板10の主面に設けられたストライプ状導体と、これに対向してその基板の裏面側に設けられた接地電極12と、の組み合わせにより構成されている。
図6(b)のように、アンテナの主面はXY座標で表され、水平面内においてX軸からの角度をφで表す。また、この主面と垂直な方向をZ軸とし、垂直面において、Z軸からの角度をθで表す。Y軸は、励振方向に対して平行であり、X軸、Y軸、Z軸、φ及びθに関するこれらの定義は、本願明細書においてすべて同一とする。
このアンテナは、例えば、誘電体の両面を銅板で挟んだガラスエポキシ基板などを用いて形成できる。このような基板により構成される伝送線路、すなわちマイクロストリップラインの波長及び特性インピーダンスは誘電体の比誘電率ε、誘電体厚み、マイクロストリップラインのストライプ状導体幅及び厚みの関数となる。基板としては、例えばεを3.5、誘電体損失を表すtanδを0.004、誘電体厚みを0.75mmとする。
なお、伝送線路40の終端部は短絡または開放のいずれかの状態とする。図6(c)は終端短絡、図6(d)は終端開放の伝送線路40をそれぞれに表し、図6(a)のB−B線に沿った模式断面図である。本実施形態においては高周波スイッチ60の一方の端子は、パッチ電極側において伝送線路40の終端部と接続される。
また、高周波スイッチ60の他方の端子は、導電パターン18及びスルーホール19の導電性側壁を介して接地電極12へ接続される。なお、図6(d)の終端開放伝送線路の場合、スルーホール19を用いた導電部を形成しなくともよい。
図7は、終端短絡の伝送線路40の長さLを変化させた場合、無給電素子20の整合点Qにおける振幅(Magnitude:dB)、位相(度)及び無給電素子62のアンテナゲイン(アンテナ利得:dB)のシミュレーション結果を表すグラフ図である。Lが伝送線路の4分の1波長である4.8mm近傍において、整合点Qにおける振幅 が最小となり、位相がプラスからマイナスに急激に変化する。これよりLが短い3.7mm近傍においてアンテナゲインは約5.5dBと最大となっている。
また、位相はLが約8.1mmにおいてマイナスからプラスへと転じる。これよりLが大きい8.3mm近傍においてアンテナゲインはマイナス10dBとなり最低となる。なお、位相がプラスかつ利得がプラスである場合は無給電素子30は導波器として作用し、利得がゼロ及びマイナスである場合は反射器として作用する。
図8は、整合点Qの位相が0乃至140度である無給電素子30を、全体のアンテナゲインが最大となる素子間スペースS(mm)に配置したゲイン(dB)と、最大放射強度が得られる放射角度θ(度)との関係を表すグラフ図である。例えば、整合点Qの位相が110度の場合、素子間スペースSが2.2mmにおいて全体アンテナゲインが最大である7.15dBとなることを示している。このとき、最大放射強度が得られる角度θはほぼ27度となる。また、整合点Qの位相が120度より大きくなると全体のアンテナゲインが急激に低下し、角度θも小さくなる。
図9は、H面(φが0−180°である垂直断面)におけるアンテナゲインのθ依存性を、整合点Qの位相に対して求めたシミュレーション結果を表すグラフ図である。放射パターンは、メインビームと、これよりゲインの小さいサイドローブ(不要電波)とを含む。ここで、メインビームのゲインのピークより3dB低下した角度領域を半値角と呼ぶことにする。物体を精度よく検知するためには、メインビームのゲインが高く、メインビームとサイドローブとのゲイン差が大きいことが好ましい。
図9に表すように、整合点Qの位相が大きくなるに従いゲインは増加するが、半値角が0度を越えるようになる。従って、整合点Qの位相は120度以下、90度以上が好ましい。例えば、整合点位相が110度の場合、アンテナゲインは約マイナス19dB、半値角範囲はマイナス65乃至マイナス5度、メインビームとサイドローブとのゲイン差が11dBとなり、高周波センサ装置としての機能を備えることが可能となる。
図10は、終端開放の伝送線路40の長さLを変化させた場合、無給電素子30の整合点Qにおける振幅(dB)、位相(度)、無給電素子のアンテナゲイン(dB)をシミュレーションにより求めたグラフ図である。Lが伝送線路の2分の1波長である7.6mm近傍において整合点Qにおける振幅が最小となり、位相がプラスからマイナスに急激に変化する。これよりLが短い7.3mm近傍においてアンテナゲインは約4.4dBと最大になっている。破線で表すアンテナゲインはLが2.4乃至4.3mmの範囲でマイナスとなり、3.4mm近傍において最小値となる。
図5の本実施形態において、まず高周波スイッチ60aがオンの場合、ソース端子62aの位置においてスルーホール19aを介して接地され終端短絡伝送線路となる。この状態の無給電素子30aのアンテナゲインゼロまたはマイナスとすると反射器として作用する。さらに位相をマイナス170〜マイナス180度の間とするとより好ましい。これに対応するLは、7.0以上8.0mm以下の範囲である。
一方、高周波スイッチ60aがオフの場合、伝送線路40aは終端開放となる。この状態の無給電素子30aの位相及びアンテナゲインを正とすると導波器として作用する。さらに、位相を90〜120度とするとより好ましい。これに対応するLは、6.5以上7.0mm以下の範囲である。伝送線路61aの長さJ3を6.5〜7.0mmの間で選択する場合、高周波スイッチ60a内の電極部(J1+J2)及びスルーホール部の長さが加算されて終端短伝送線路となる。この場合、加算される分として0〜1.5mmの長さが許容されるので十分実現可能である。
以上のように伝送線路40aの長さを選択すると、高周波スイッチ60のオンおよびオフの切替えにより無給電素子30を反射器または導波器に容易に切替えることができる。なお、ゲート端子63aは伝送線路40aとは接続されないため高周波特性への影響は小さい。また、制御線42aは無給電素子30aから離して配置することが好ましい。
ここで、本実施形態にかかる高周波センサ装置のアンテナ93におけるパッチ電極の配置について説明する。図6に表したアンテナ93は基本構成であり無給電素子30は1つである。しかし、給電素子20を中心にした2軸上に無給電素子30を配置すると電波ビームの放射方向の制御が容易になる。この場合、ひとつの無給電素子30を導波器とし、他の3つの無給電素子30を反射器とする。2軸は、励振方向への平行軸及び垂直軸の組み合わせでもよいし、励振方向に対して平行でもなく、垂直でもないX字状に配置された2軸の組み合わせでもよい。
図1(a)のアンテナにおいて、無給電素子30と給電素子20とはY軸に対して平行な一辺において長さがFである対向する部分を有する。またX軸に平行な他の一辺において対向する部分を有さず、パッチ電極間にはスペースがEだけ設けられている。Y軸に対して平行であり対向する部分Fは、ゼロより大きく4分の1波長より短いことが好ましい。給電素子20は励振方向に平行な辺において2分の1波長の長さとされるので、4分の1波長より短い対向部分であれば無給電素子30は重なり合わない。
図11は、本発明の実施の形態にかかる高周波センサ装置に設けられた図1(a)に表すアンテナ93の特性を表し、図11(a)、(b)、(c)、(d)はXY面と平行な面における水平放射パターン、図11(e)はゲインのφ依存性を表す。図11(a)は、SW4のみをオフとし他をオンとするCASE4、図11(b)はSW1のみオフとし他をオンとするCASE1、図11(c)はSW2のみをオフとし他をオンとするCASE2、図11(d)はSW3のみをオフとし他をオンとするCASE3の水平放射パターンをそれぞれに表し、図11(e)はそれぞれのCASEのゲインのφ依存性を表す。なお、対向する部分Fは0.1mm、パッチ電極間隔Eは0.2mmとした。
放射パターンにおけるゲインの最大値となるφ方向は、CASE4で60度、CASE1で120度、CASE2で240度、CASE3で300度であり、Y軸に関してほぼ左右対称にできる。また、ゲインが3dB低下するφ方向の半値角は、図11(e)に表すようにほぼ均一とできる。
高周波スイッチ60を順次切替えて、CASE1〜4を順次繰り返すことにより、これら4方向を順次スキャンできる。そして、いずれかの無給電素子30のゲインかつ位相がプラスの時に他の3つの無給電素子30のゲインがゼロまたはマイナスとすることにより、サイドローブを抑制して電波ビームを所定の方向に放射できる。 なお、本実施形態においては、無給電素子30と給電素子20とはY軸に対して平行な一辺において対向部分を有した。しかし、X軸に対して平行な一辺において対向部分を有していても良い。
次に、比較例にかかる高周波センサ装置について説明する。図12は、比較例の高周波センサ装置の模式断面図である。高周波センサ装置において、アンテナ150と、ディジタル回路部156と、アナログ回路部158とは、スペーサ152、154をそれぞれに挟んでネジ162により固定されている。
アンテナ150は、基板110の表面に給電素子120及び無給電素子130を有し、基板110の裏面に接地電極700及び高周波スイッチ125を有している。給電素子120の給電点Pは、基板110のスルーホールを貫通する給電線160を介して発振回路159に接続される。
また、図13は、それを構成するアンテナ150が設けられた基板110であり、図13(a)は模式平面図、図13(b)は模式底面図、図13(c)は模式断面図である。アンテナ150の基板110は表面に給電素子120及び4つの無給電素子130が配置されている。無給電素子130は、伝送線路140をそれぞれに有し、伝送線路140の中間にはスルーホールが設けられ、スルーホールを介して高周波スイッチ160の一方の端子に接続されている。高周波スイッチ160の他方の端子は接地電極700に接続されており、制御電圧により高周波スイッチ160をオン、オフと切替え、伝送線路140の長さを変化し、無給電素子130の位相及び利得を変化させている。この結果、電波ビームの放射方向を制御している。
本比較例において、図13(b)のように高周波スイッチ160は基板110の裏面に配置され、制御電極への制御線160も接地電極700を切り欠いて配置される。図13(c)は、図13(a)においてC−C線に沿った断面を表す。伝送線路140は途中で分岐されており、スルーホール119を介して裏面に設けられた高周波スイッチ160へ接続されている。制御線142により制御された高周波スイッチ160により、長さの異なるいずれかの線路を経由して接地へ接続される。比較例の場合、オンであるひとつの高周波スイッチを備えた無給電素子130は導波器、オフである3つの高周波スイッチを備えた無給電素子130は反射器として作用する。
無給電素子130が4つの場合、図13(b)のように制御端子170を設けるために、接地電極700は一つの辺以外は切り欠きを生じる。接地電極700が4方に均等に広がっていないと高周波インピーダンスがゼロとならない。例えばSW2及びSW3は切り欠きにより生じた島状パターンの端部近傍に位置することになり、接地点の高周波電位がSW1及びSW4の接地点と同一とは言えない。このために電波ビームの放射方向を含めた高周波特性が変化する。
この影響を低減するためにはアンテナ150及び装置の接地構造の調整を行うことが必要となる。例えば、切り欠き部において、制御線142の上にブリッジ状に接続する。また、基板700の裏面に配置された高周波スイッチ160への制御線160の接続及び取り出しのために実装工程が複雑となり、薄型化にとっても不利である。
これに対して、本実施形態においては、パターン幅を細くした制御線42を、これと平行する無給電素子30の端辺との間隔を離して配置し無給電素子30の位相への影響を低減できる。また、接地電極12の切り欠きを削除して4つの高周波スイッチ60の接地点の高周波電位を同一とする。このため電波ビームの放射方向を所定の方向、所定の角度に精度よく制御することができる。なお、第1及び第2の変形例であるアンテナを備えた高周波センサ装置においても、パターン幅を細くした制御線42を無給電素子30と離して配置し、無給電素子30の位相への影響を低減できる。また、接地電極の切り欠きを削除して接地電極の高周波電位を均一とできる。このため電波ビームの放射方向を所定の方向、所定の角度に精度よく制御することができる。 さらに、高周波スイッチ60及び制御線42を基板10のパッチ電極側に配置するので構造が簡素となり、制御端子70への接続も容易となり装置の薄型化が容易となる。
以上、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。高周波センサ装置を構成するアンテナ、高周波スイッチ、発振回路、検波回路、制御部などの形状、サイズ、配置などに関して当業者が設計変更を行ったものであっても本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態にかかる高周波センサ装置の高周波部を表す模式図である。 本発明の実施の形態にかかる高周波センサ装置の模式正面図である。 本発明の実施の形態にかかる高周波センサ装置のブロック図である。 本実施の形態の高周波センサ装置にかかるアンテナの変形例を表す模式平面図である。 高周波スイッチを説明する模式図である。 アンテナの基本構成を説明する模式図である。 終端短絡伝送線路を有する無給電素子の位相及びアンテナゲインを表すグラフ図である。 素子間スペースと、最大ゲイン及びθとの関係を表すグラフ図である。 図6のアンテナのゲインのθ依存性を表すグラフ図である。 終端開放伝送線路を有する無給電素子の位相及びアンテナゲインを表すグラフ図である。 本実施形態の電波ビームの放射パターンを表すグラフ図である。 比較例にかかる高周波センサ装置を表す模式図である。 比較例にかかる高周波センサ装置のアンテナを表す模式図である。
符号の説明
10 基板、12 接地電極、20 給電素子、30 無給電素子、40 伝送線路、42 制御線、60 高周波スイッチ、61 ドレイン端子、62 ソース端子、93 アンテナ、94 発振回路、95 検波回路

Claims (4)

  1. 送信波を発生する発振回路と、
    前記送信波を放射し、前記送信波の物体による反射波を受信波として受信するアンテナと、
    前記受信波を検知する検波回路と、
    を備え、
    前記アンテナは、基板の第1の主面に設けられ、パッチ電極を有する給電素子及び無給電素子を含み、
    前記無給電素子には前記第1の主面に設けられた伝送線路が接続され、
    前記伝送線路の終端部は高周波スイッチの一方の端子に接続され、前記高周波スイッチの他方の端子は前記基板の第2の主面に設けられた接地電極に接続され、
    前記高周波スイッチをオンまたはオフに切替える電圧を供給する制御線と、前記高周波スイッチと、が前記第1の主面に配置されたことを特徴とする高周波センサ装置。
  2. 送信波を発生する発振回路と、
    前記送信波を放射するアンテナと、
    前記送信波の物体による反射波を受信波として受信するアンテナと、
    前記受信波を検知する検波回路と、
    を備え、
    前記放射するアンテナ及び前記受信するアンテナは、基板の第1の主面に設けられ、パッチ電極を有する給電素子及び無給電素子を含み、
    前記無給電素子には前記第1の主面に設けられた伝送線路が接続され、
    前記伝送線路の終端部は高周波スイッチの一方の端子に接続され、前記高周波スイッチの他方の端子は前記基板の第2の主面に設けられた接地電極に接続され、
    前記高周波スイッチをオンまたはオフに切替える電圧を供給する制御線と、前記高周波スイッチと、が前記第1の主面に配置されたことを特徴とする高周波センサ装置。
  3. 前記伝送線路は、前記パッチ電極の辺のうちで励振方向に対して直交する辺の中央付近から前記励振方向に対して略平行に延在する部分を含み、
    前記伝送線路は、前記高周波スイッチをオンとすると前記接地電極に接続され、オフとすると前記接地電極に非接続とされ、
    前記高周波スイッチをオン及びオフのうちいずれか一方とすることによりアンテナゲインがゼロまたはマイナスである状態とし、いずれか他方とすることによりアンテナゲインがプラスで且つ位相がプラスである状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波センサ装置。
  4. 前記高周波スイッチの前記他方の端子は、前記基板を貫通して設けられたスルーホールを介して前記接地電極と接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかひとつに記載の高周波センサ装置。
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