JP4460771B2 - マイクロメカニック構造部品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、犠牲層中でエッチング除去される中空を有するマイクロメカニック構造部品の製造方法に関する。
【0002】
例えばCMOS法の枠内で製造することができるマイクロメカニック構造部品を製造する際に、例えば圧力センサーの場合に、しばしば膜等として用意されたポリシリコン層の下に、犠牲層中に、中空をエッチング除去することが必要である。ポリシリコン層中のエッチングホールは一般に、典型的にホール間隔5μmの格子に配置されている。より大きな間隔は、認められないほど長いエッチング時間を生じ、製造すべき構造を形成するために用意され、維持されなければならない層での許容されない強いエッチング腐食を生じる。例えば圧力センサーの場合に、エッチングホールを閉鎖しなければならない場合は、閉鎖材料は膜中の不均一性を生じ、センサーの長時間安定性を劣化する。体積弾性波共鳴器用の音響的防音材としてこの種の膜を使用する場合に、付加的な閉鎖層を被覆しなくてよい、薄い大きな面積の膜が必要である。10μmより大きいアンダーエッチング半径はケイ素/酸化珪素の材料系において従来は実施できなかった。
【0003】
ドイツ特許出願公開第4336774号明細書からマイクロメカニック構造の製造方法が公知であり、この場合に可動するマイクロメカニック構造をアンダーエッチングするためのエッチング開口がその縁部領域にのみ備えられ、犠牲層に備えられた溝によりアンダーエッチング工程が促進される。これらの溝は、SOI基板を製造するために2つの基板を結合する前に、絶縁層中に、使用される基板の表面に製造される。
【0004】
本発明の課題は、通常のエッチング法を用いて膜層が十分に均一に製造できる、膜層の下方に中空を有するマイクロメカニック構造部品の製造方法を提供することである。
【0005】
前記課題は、請求項1の特徴部分に記載の製造方法により解決される。請求項2には実施態様が示される。
【0006】
本発明の方法は、エッチング開口が、以下に一貫して膜層と記載する、機能部品として、例えば膜として備えられた構造層の部分の縁部領域に、エッチング除去した中空上に存在することにより従来の方法と異なり、その際この縁部領域はこの中空の側面の壁または縁から測定して機能部品、例えば膜の直径の最大で10分の1の直径を有する。これにより膜の中心を通過するすべての方向で膜の5分の4が不均一性を有しないことが達成される。
【0007】
この構造にもとづき、犠牲層中に存在する中空を有するマイクロメカニック構造部品を製造する通常のエッチング法を用いて構造部品を製造することができる。この目的のために、膜層が被覆されている犠牲層に、溝状の中空からなる連続するネットを形成する。これはなお膜層を堆積する前に行う。その後膜層に、前記の縁部領域に、エッチングホールを製造する。犠牲層を予定される範囲で除去し、その際製造すべき中空の全部の領域で犠牲層が除去されるが、用意された中空の縁をこえてエッチング腐食が行われないかまたは膜層が損傷しないように、エッチング剤が溝状の中空により急速に拡散する。溝状の中空は、犠牲層の上に被覆される補助層の開口による犠牲層のエッチング除去により製造することができる。膜層を堆積する前に、補助層を、有利には平坦化層で平らにし、これによりエッチング開口が閉鎖される。
【0008】
以下に本発明の製造方法の実施例を図1〜7により詳細に説明する。
【0009】
図1aおよび1bは構造部品の2つの断面図を示し、図2〜7は本発明の製造方法の種々の工程による構造部品の中間生成物の横断面図を示す。
【0010】
図1aには中空8上に膜層7を有する基板1上の構造部品が横断面で示されている。この中空は犠牲層の残りの部分により側面で境界をなし、犠牲層はこの場合に具体的に以下に図2〜7に記載される製造方法により3つの層、すなわち犠牲層2、酸化される補助層30および平坦化層6からなる。膜層7中に、膜として機能する部分の縁部領域に、中空8の上にエッチング開口9が存在し、該開口は後で膜層の材料(例えばポリシリコン)でまたは、例えば酸化物で閉鎖することができる。ここで例として記載される閉鎖層10を全面に被覆することができ、該層はエッチング開口9を覆うかまたは充填する。
【0011】
図1bは下から膜に向かう方向で図1aに記載される断面を示す。膜層7およびそのまわりに(切断した)平坦化層6が認められる。この場合にエッチング開口9は例としてこの場合に長方形の膜の両側の幅の狭い側に記載されている。膜は円形または正方形または他のいずれの形で縁をつけていてよい。平坦化層6の縁部60は膜層7の膜を形成する部分の縁部を決定する。エッチング開口が点線の円16を示すために、この円は、エッチング腐食が縁部60で中断する場合に、犠牲層中にエッチング剤が等方性に拡散する際に、この開口の下にエッチング除去される中空がどこまで達するかを明らかにする。
【0012】
従来のエッチング法で構造部品を製造するために、溝状の中空を用いて犠牲層を構造化する。これはSiO2およびポリシリコンを使用し、これらの材料の間の良好なエッチング選択率を利用することにより最もよく行われる。
【0013】
図2は製造すべき中空の中心領域の下の基板1の断面を横断面図で示す。有利には酸化珪素、例えばTEOS(テトラエチルオルトシリケート)からなる犠牲層2を、全面に被覆するかまたは基板表面の熱酸化により製造する。この犠牲層2上に、犠牲層の材料を選択的にエッチング除去することができ、例えばポリシリコンであってもよい、補助層3を被覆し、開口4を用意する。この開口4は、例えば1種以上のホール列またはスリットであってもよい。このホール列またはスリットを通過して犠牲層2の材料をエッチング除去し、従って図3に相当して犠牲層中に溝5が形成される。エッチング率およびエッチング時間により溝の幅を調節することができる。
【0014】
犠牲層2に酸化珪素をおよび補助層3に珪素を使用することは、引き続く工程で補助層4を熱酸化することができ、従って酸化珪素が形成され、これを後で同じエッチング工程で犠牲層2の酸化物と一緒に除去できるという特別の利点を有する。熱酸化された補助層30は図4に示され、その際補助層の材料の容積が酸化の際にかなり増加することが認められる。
【0015】
この容積の増加の際に開口4がなお閉鎖されていない場合は、これは平坦化層6を被覆することにより行う(図5)。引き続き被覆すべき膜層の平滑性に特別の要求がある場合は、平坦化層6にドープした酸化物を使用し、引き続く熱処理工程で流動し、すなわち付加的に平らにする。
【0016】
図6に相当して膜層7を被覆する。エッチング開口を、膜層に、図2〜7に示されていない縁部領域にのみ製造する。従って膜の主な部分は図7に示されるように十分に均一に残る。膜層は、例えばポリシリコンであり、これを従来の方法で堆積する。犠牲層2の溝5および(場合により酸化された)補助層3、30および平坦化層6のかなり少ない厚さにより、エッチング剤(または前記層に種々の材料を使用する場合には2種以上の必要なエッチング剤)が十分に速く膜の全部の領域に分配される。従って用意された全部の中空を短時間に少ないエッチング開口を使用して縁部領域にエッチング除去することができ、こうして中空上に大部分均一に形成される膜を有する本発明により製造される構造部品が得られる。
【0017】
要約すると、本発明の利点は以下のように表すことができる。公知方法での少ない付加工程により、犠牲層に膜層を堆積する前に溝状の中空からなる連続するネットを形成し、従って膜層にエッチング剤のためのきわめて少ない、側面に備えられた流入開口のみが必要である。これらの開口は、後で被覆すべき閉鎖層が膜の機能にマイナスに影響しないところに備えることができる。犠牲層の材料に有利に酸化珪素を使用する場合に、溝はこの酸化物の親水性のために全部のエッチング除去すべき領域への(液体の)エッチング剤のきわめて急速な分配を生じる。これによりエッチング腐食のフロントの有効な長さをかなり増加することができ、時間単位当たりのエッチングされた容積が相当して著しく増加する。従ってエッチング時間はエッチング開口の間隔にほとんど依存しない、それというのもエッチング工程の進行が反応速度によってのみ限定され、拡散時間に限定されないからである。典型的に10μmの溝の間隔の場合に、マイクロメカニック構造部品の典型的な寸法を有する事実上任意の構造を、許容される時間でエッチング除去することができる。他の利点は、エッチング溝の適当な配置によりアンダーエッチングを方向に依存して調節できるという事実から生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による構造部品の断面図である。
【図2】 製造すべき中空の中心領域の下の基板の横断面図である。
【図3】 犠牲層に溝を形成した図である。
【図4】 熱酸化された補助層が配置された構造部品の図である。
【図5】 基板に平坦化層を被覆した図である。
【図6】 基板に膜層を堆積した図である。
【図7】 中空の犠牲層を除去した図である。

Claims (2)

  1. 少なくとも一部が中空(8)上に配置されている膜層(7)を有するマイクロメカニック構造部品の製造方法において、
    第1工程で基板(1)の表面上に犠牲層(2)を被覆し、
    第2工程でこの犠牲層(2)の上に、犠牲層(2)を選択的にエッチングできる材料からなる補助層(3)を被覆し、
    第3工程でこの補助層(3)中に開口(4)を製造し、
    第4工程でこの開口(4)を使用して犠牲層中に溝(5)をエッチングし、
    第5工程で平坦化層(6)を被覆し、開口(4)を閉鎖し、
    第6工程で膜層(7)を被覆し、
    第7工程で膜層(7)の縁部領域にエッチング開口(9)を製造し、かつ
    第8工程でこのエッチング開口(9)および第4工程で製造した溝(5)を使用して、製造すべき中空(8)の領域内の犠牲層(2)、補助層(3)および平坦化層(6)を除去することを特徴とする、マイクロメカニック構造部品の製造方法。
  2. 犠牲層(2)および平坦化層(6)を酸化珪素から製造し、かつ補助層(3)を珪素から製造し、第4工程と第5工程の間に補助層(3)の珪素を熱により酸化する請求項1記載の方法。
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