JP4460704B2 - ジスチリルアリーレン誘導体および有機電界発光素子 - Google Patents

ジスチリルアリーレン誘導体および有機電界発光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジスチリルアリ−レン誘導体および有機電界発光素子に関する。さらに詳しくは、本発明は、有機化合物からなる発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイス、すなわち平面光源や表示に使用可能な有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電界発光素子としては、II−IV族化合物半導体であるZnS、CaSまたはSrSなどに、発光中心であるMnや希土類元素をドープした無機化合物を用いた無機電界発光素子が一般的であった。しかし、無機電界発光素子は、交流駆動を必要とする、駆動電圧が高い、フルカラー化が困難であるという問題点を有していた。
【0003】
一方、有機化合物を用いた有機電界発光素子は、無機電界発光素子に比べて駆動電圧が高い、発光輝度や発光効率が低い、特性劣化が著しいという問題点を有し、実用化には至っていなかった。
しかし、近年、駆動電圧を低電圧化し得る電界発光素子用の有機化合物の研究がなされている(例えば、C. W. Tang and S. A. VanSlyke, Appl. Phys. Lett., 51, 913 (1987)参照)。
【0004】
一般に電界発光素子は、発光層を挟んだ一対の対向電極から構成される。
そして、発光は、対向電極間に電界が印加されることにより、陰極側から注入される電子と陽極側から注入される正孔とが、発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出することにより発現する。
【0005】
したがって、有機電界発光素子の場合、その発光層に用いる有機化合物の分子構造を変化させることにより、任意の発光色を容易に得ることができることから、フルカラー表示素子としての用途が有望視されている。
また、有機電界発光素子は、自己発光型の表示が鮮明であり、その実用化の研究が積極的になされている(例えば、特許公報第2554771号参照)。
【0006】
しかしながら、現在までの有機電界発光素子は、構成の改善により発光強度は改良されてきているが、未だに十分な発光輝度を有していない。また、低分子の有機化合物を用いる場合、駆動時のジュール熱のために有機化合物が結晶化して層が剥離するなど、繰り返し使用時の安定性に劣るという大きな問題を有している。
したがって、より大きな発光輝度を有し、繰り返し使用時の安定性に優れた発光物質、電荷輸送(注入)物質および有機電界発光素子の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低電圧駆動ができ、任意の発光色を得ることができる、大きな発光輝度を有し、繰り返し使用時の安定性(発光寿命および発光安定性)に優れた有機電界発光素子を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述のような優れた特徴を有する有機電界発光素子を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、中心骨格にビナフチレン基を有するジスチリルアリーレン誘導体を用いた有機電界発光素子が、大きな発光輝度を有し、発光強度が強く、繰り返し使用時においても安定性に優れていることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
かくして、本発明によれば、一般式(I):
【0010】
【化2】
Figure 0004460704
【0011】
(式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子炭素数1〜6のアルキル基;ハロゲン原子、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アミノ基およびヒドロキシ基から選択される置換基で置換された炭素数6〜20のアリール基またはピリジル基、キノリル基、カルバゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基およびチエニル基から選択される炭素数2〜18の芳香族複素環基であり;R3〜R8は同一または互いに異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはヒドロキシ基である)
で表されるジスチリルアリーレン誘導体が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、前記有機層が、上記のジスチリルアリ−レン誘導体を含有することを特徴とする有機電界発光素子が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のジスチリルアリ−レン誘導体は、一般式(I)で表される。
一般式(I)におけるR1 およびR2 の「炭素数1〜6のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、 tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、 tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。
【0014】
一般式(I)におけるR1 およびR2 の「炭素数6〜20のアリ−ル基」としては、例えば、フェニル基、(1−または2−)ナフチル基、(1−,2−または9−)アントリル基、(1−,2−,3−,4−または9−)フェナントリル基、(1−または2−)ピレニル基、(2−,3−または4−)ビフェニリル基、テルフェニル基、(1−,2−または3−)ペリレニル基などが挙げられる。
置換基としては、ハロゲン原子、炭素数6〜20のアリ−ル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアミノ基、およびヒドロキシ基が挙げられる。
【0015】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子などが、炭素数6〜20のアリ−ル基としては、R1 およびR2 に例示のものが、また、炭素数1〜6のアルキル基としては、R1 およびR2 に例示のものが挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、 tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、 tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基などが挙げられる。
【0016】
炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、トルイルメチル基、フェニルエチル基などが、炭素数6〜18のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基などが挙げられる。
置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
【0017】
この「アリール基の置換基」はモノ置換体に限らず、ジ置換体およびトリ置換体であってもよい。複数の置換基は同一または異なる置換基であってもよく、その置換位置は、立体障害があり、かつ合成面で問題があるオルト位ではなく、パラ位およびメタ位が好ましい。
置換基としては、電子供与基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基やエトキシ基などのアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニル基などが挙げられる。
【0018】
一般式(I)におけるR1 およびR2 の「芳香族複素環基」としては、例えば、ピリジル基、キノリル基、カルバゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、チエニル基などが挙げられる。
一般式(I)におけるR1 およびR2 としては、上記の置換基の中でも、水素原子、メチル基、フェニル基、p−トリル基、4−メトキシ−フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基および4−ビフェニリル基が好ましく、フェニル基およびp−トリル基が特に好ましい。
【0019】
一般式(I)におけるR3 〜R8 の「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
一般式(I)におけるR3 〜R8 の「炭素数1〜6のアルキル基」としては、R1 およびR2 に例示のものが挙げられる。
【0020】
一般式(I)におけるR3 〜R8 の「炭素数1〜6のアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、 tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、 tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基などが挙げられる。
一般式(I)におけるR3 〜R8 としては、上記の置換基の中でも、水素原子が特に好ましい。
【0021】
一般式(I)で表されるジスチリルアリ−レン誘導体は、1分子中に2つの=C=CH−基を有し、この基に結合する置換基R1 およびR2 が異なる場合、4通りの組み合わせ(シス−シス、トランス−シス、シス−トランスおよびトランス−トランスの組み合わせ)の幾何異性体が存在する。
本発明のジスチリルアリ−レン誘導体は、上記のいずれの幾何異性体であってもよく、またこれらの混合物であってもよい。
【0022】
一般式(I)で表されるジスチリル誘導体の具体例を以下に示す。しかしながら、これらの化合物の例示によって、本発明が限定されるものではない。
【0023】
【化3】
Figure 0004460704
【0024】
上記の例示化合物の中で、R1 およびR2 がフェニル基であり、かつR3 〜R8 が水素原子である化合物(1)、ならびにR1 およびR2 がp−トリル基であり、かつR3 〜R8 が水素原子である化合物(2)が特に好ましい。
【0025】
本発明のジスチリル誘導体の合成法については、それ自体公知の方法を利用することができるが、以下の2つの合成法が収率の点で特に有利である。
【0026】
(第1の合成法)
一般式(II):
【0027】
【化4】
Figure 0004460704
【0028】
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり;R3 〜R8 は一般式(I)と同義である)
で表されるホスホン酸エステルと、一般式(III):
【0029】
【化5】
Figure 0004460704
【0030】
(式中、R1 およびR2 は一般式(I)と同義である)
で表されるカルボニル化合物とを、塩基の存在下で縮合反応させること(Wittig反応またはWittig-Horner反応)により、本発明のジスチリル誘導体を合成することができる。
【0031】
一般式(II)におけるRの「炭素数1〜4のアルキル基」としては、一般式(I)のR1 およびR2 に例示のアルキル基のうち、炭素数1〜4のものが挙げられる。
【0032】
なお、一般式(II)のホスホン酸エステルは、例えば、次のようにして得られる。
まず、1−ハロ−4−メチルナフタレン誘導体を、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル中でマグネシウムと反応させて、対応するグリニャール化合物に転化し、次いでNi(PPh3)2 Cl2 やNi(PPh3 2 Br2 などのニッケル含有触媒の存在下で還元的にカップリング反応させて、4,4’−ジメチル−1,1’−ビナフチル誘導体を得る。
【0033】
次いで、得られた4,4’−ジメチル−1,1’−ビナフチル誘導体のメチル基をハロゲンまたはN−ハロスクシンイミドなどでハロゲン化して、4,4’−ビス(ハロメチル)−1,1’−ビナフチル誘導体を得る。
さらに、4,4’−ビス(ハロメチル)−1,1’−ビナフチル誘導体と亜リン酸トリメチルなどとを反応させて、ホスホン酸エステルを得る。
【0034】
(第2の合成法)
一般式(IV):
【0035】
【化6】
Figure 0004460704
【0036】
(式中、R3 〜R8 は一般式(I)と同義である)
で表されるカルボニル化合物と、一般式(V):
【0037】
【化7】
Figure 0004460704
【0038】
(式中、Rは一般式(II)と同義であり;R1 およびR2 は一般式(I)と同義である)
で表されるホスホン酸エステルとを、塩基の存在下で縮合反応させること(Wittig-Horner反応)により、本発明のジスチリル誘導体を合成することができる。
【0039】
なお、一般式(IV)の化合物は、一般式(I)の前駆体である4,4’−ビス(ハロメチル)−1,1’−ビナフチル誘導体を、脂肪族ニトロ化合物のナトリウム塩(例えば、2−ニトロプロパンのナトリウム塩)と反応させ、ハロメチル基をアルデヒド基に置換させることにより得ることができる。
【0040】
上記の合成法1および合成法2においては、通常、反応溶媒が用いられる。
反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノールなどのアルコール類、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(エチレン尿素)などが挙げられ、中でもテトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドが好ましい。
【0041】
また、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアミド、n−ブチルリチウム、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどが挙げられ、n−ブチルリチウムおよびカリウムt−ブトキシドが特に好ましい。
【0042】
反応温度は、使用する原料の種類などにより異なり、一概に定めることはできないが、通常0〜100℃の範囲、好ましくは0℃〜室温の範囲で選ばれる。
【0043】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層されて構成される。有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子注入層などが挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、これらの有機層のいずれかの1つの層が発光物質として本発明のジスチリルアリーレン誘導体を含有するものである。
本発明のジスチリルアリーレン誘導体は強い発光強度を有するので、いずれの有機層に含有されていてもよいが、発光層および電子注入層が好ましく、発光層が特に好ましい。
有機電界発光素子は多層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防止することができる。
図1〜3に、本発明の有機電界発光素子の積層構造の一例を示す。
【0044】
本発明の有機電界発光素子における好ましい構成としては、有機層が、正孔注入層および正孔輸送層から選択される少なくとも1層、発光層および少なくとも1層の電子注入層からなり、かつ前記有機層のいずれか1つの層が本発明のジスチリルアリ−レン誘導体を含有するものが挙げられる。
【0045】
また、本発明の有機電界発光素子における他の好ましい構成としては、正孔注入層および正孔輸送層から選択される少なくとも1層、発光層からなり、かつ前記有機層のいずれか1つの層が本発明のジスチリルアリ−レン誘導体を含有するものが挙げられる。
【0046】
基板としては、通常、有機電界発光素子に用いられている透明なものであれば、特に限定されない。その材質としては、例えば、ガラス、石英、透明プラスチック(ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリサルホン基板など)などが挙げられる。また、これらの基板上に所望の絶縁層や、素子、回路、所望の絶縁膜などが形成されていてもよい。
【0047】
本発明における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)ものが好ましい。具体的には、アルミニウム、バナジウム、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金などの金属ならびにそれらの合金、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属酸化物ならびにそれらの混合物などが挙げられる。中でも、陽極側から発光を取り出すことが一般的であるため、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)などの透明導電性化合物が好ましい。
陽極は、上記電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により薄膜状に形成することができる。
また、陽極の膜厚は、使用する電極物質によって異なるが、例えば、10nm〜1μm程度が好ましい。
【0048】
本発明における各種の有機層は、真空蒸着やスパッタリングなどの乾式成膜法、スピンコーティングやディッピングなどの湿式成膜法のいずれかの方法により形成することができる。
各層の膜厚については、特に制限はないが、状況に応じて適切な膜厚に設定する必要がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になり、効率が悪くなる。一方、膜厚が薄すぎると、ピンホールなどが発生して、電界を印加しても十分な発光輝度が得られない。このため膜厚は通常、5nm〜5μm程度の範囲で選ぶことが好ましい。
【0049】
湿式成膜法の場合、各層を形成する物質をクロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの適切な溶媒に溶解または分散させた液を使用する。また、成膜性向上、膜のピンホール防止などのために、必要に応じて高分子化合物や添加剤を使用してもよい。
【0050】
以下、各有機層について説明する。
本発明における正孔注入層は、正孔注入物質からなる層であり、陽極から注入された正孔を後述する正孔輸送層および発光層まで伝達する機能を有している。
また、本発明における正孔輸送層は、正孔輸送物質からなる層であり、陽極から注入された正孔を後述する発光層まで伝達する機能を有している。
このような構造により、陽極から発光層への正孔輸送効率が向上して、発光輝度や発光効率を増加させることができる。
【0051】
正孔注入物質および正孔輸送物質としては、有機化合物、無機化合物のいずれであってもよく、従来、光伝導材料において正孔の電荷輸送物質として慣用されているものや電界発光素子の正孔輸送物質に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0052】
有機化合物としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ビフェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどの高分子物質が挙げられる。
【0053】
また、無機化合物としては、p型水素化非晶質シリコン、p型水素化非晶質炭化シリコン、p型水素化微結晶性炭化シリコン、p型硫化亜鉛、p型セレン化亜鉛などが挙げられる。
正孔注入層および正孔輸送層の膜厚は、使用する正孔注入物質および正孔輸送物質の種類にかかわらず、通常、5nm〜5μm程度の範囲で選ぶことが好ましい。
【0054】
本発明における発光層は、固体状態で発光性を有する発光物質からなり、少なくとも(1)電界印加時に、陽極または正孔注入(輸送)層より正孔を注入することができる注入機能、および陰極または電子注入(輸送)層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子または正孔、通常は正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、ならびに(3)電子と正孔の再結合の場を提供し、これにより発光をもたらす機能のいずれか1つ、好ましくはすべての機能を有するものである。なお、正孔の注入されやすさと、電子の注入されやすさとに違いがあっても良いし、電子と正孔の移動度で表わされる輸送機能に大小があってもよいが、少なくともどちらか一方の電荷を移動させることができることが好ましい。発光層の膜厚は、5nm〜5μm程度の範囲で選ぶことが好ましい。
【0055】
また、上記(3)の発光機能については、固体状態での発光性が強いことが望ましい。
【0056】
上記の発光層を構成する発光物質としては、高発光特性を達成できる本発明のジスチリルアリ−レン誘導体が好ましく、他の発光物質と混合して用いてもよい。
また、本発明のジスチリルアリ−レン誘導体を、発光層のホスト材料または発光層のドーパント材料として用いてもよい。
【0057】
他の公知の発光物質およびドーパント材料としては、例えば、金属オキシノイド化合物(8−ヒドロキシキノリン金属錯体)、ブタジエン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、フルオレッセイン誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、アミノピレン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、スチリルアミン誘導体、ビススチリルベンゼン誘導体、トリススチルベンゼン誘導体などが挙げられる。
【0058】
本発明における電子注入層は、電子注入物質からなるものであって、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有している。
このような構造により、陰極から発光層への電子注入効率が向上して、発光輝度や発光効率を増加させることができる。
電子注入物質としては、有機化合物、無機化合物のいずれであってもよく、従来、光伝導材料において電子注入物質として慣用されているものや電界発光素子の電子注入物質に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0059】
有機化合物としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントキラキノン誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、金属オキシノイド化合物(8−ヒドロキシキノリン金属錯体)などが挙げられる。また、無機化合物としては、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子注入層の膜厚は、通常、5nm〜5μm程度の範囲で選ぶことが好ましい。
【0060】
本発明における陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)ものが好ましい。具体的には、リチウム、マグネシウム、カルシウム、チタニウム、イットリウム、ルテニウム、マンガン、銀などの金属ならびにそれらを用いた合金、または混合物などが挙げられる。例えば、マグネシウムと銀を含有するもの、マグネシウムとインジウムを含有するもの、リチウムとアルミニウムを含有するものなどが挙げられる。
陰極は、上記電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により薄膜状に形成することができる。
また、陰極の膜厚は、使用する電極物質によって異なるが、例えば、10nm〜1μm程度が好ましい。
【0061】
本発明のジスチリルアリ−レン誘導体を含有する有機電界発光素子は、発光効率と発光輝度が高く、熱や電流に対して非常に安定であり、各種の表示素子として使用することができる。
【0062】
【実施例】
本発明を合成例および実施例によりさらに詳細に説明するが、これらの合成例および実施例により本発明が限定されるものではない。
【0063】
合成例1〔化合物(1)の合成〕
(合成工程1)
下記の反応式にしたがってホルミル体を合成した。
【0064】
【化8】
Figure 0004460704
【0065】
まず、1−ブロモ−4−メチルナフタレンをマグネシウムと反応させて対応するグリニャール化合物に転化し、次いでニッケル含有触媒としてNi(PPh3)2 Cl2 を用いて還元的にカップリング反応をさせて、4,4’−ジメチル−1,1’−ビナフチルを得た。
得られた4,4’−ジメチル−1,1’−ビナフチルのメチル基をN−ブロモスクシンイミドを用いて臭素化して、4,4’−ビス(ブロモメチル)−1,1’−ビナフチル20gを得た。
【0066】
4,4’−ビス(ブロモメチル)−1,1’−ビナフチル10.0g(2.27×10-2mol)をジメチルスルホキシド(DMSO)140mlに懸濁し、これに2−ニトロプロパン7.38g(8.29×10-2mol)と金属ナトリウム1.32g(5.74×10-2mol)のエタノール溶液80mlを加えて60℃で反応させた後、エタノールで洗浄し、ホルミル体の黄色粉末1.02g(収率14.5%)を得た。
【0067】
(合成工程2)
下記の反応式にしたがってジスチリルアリーレン誘導体〔化合物(1)〕を合成した。
【0068】
【化9】
Figure 0004460704
【0069】
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)30mlに塩基としてカリウムt−ブトキシド1.16g(1.03×10-2mol)を加え、続いてジフェニルメチルホスホン酸ジエチル3.13g(1.03×10-2mol)を氷冷下0℃で加えた。この溶液を合成工程1で得られたホルミル体800mg(2.58×10-3mol)のDMF溶液20mlに氷冷下0℃で滴下し、室温まで戻した後、10時間撹拌した。
得られた反応混合物を一晩放置した後、メタノール40mlと水10mlとの混合液を添加し、次いで生じた沈殿を濾取した。得られた固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色粉末418mg(収率26.5%)を得た。
【0070】
得られた黄色粉末の化合物は、下記の分析結果から化合物(1)であることが確認された。
(1)質量分析(FD−MS)
m/z=610
(2)元素分析 C4834として
計算値(%) C:94.39 H:5.61
実測値(%) C:94.26 H:5.74
【0071】
合成例2〔化合物(2)の合成〕
下記の反応式にしたがってジスチリルアリーレン誘導体〔化合物(2)〕を合成した。
【0072】
【化10】
Figure 0004460704
【0073】
合成例1の合成工程1で得られた4,4’−ビス(ブロモメチル)−1,1’−ビナフチル10.0g(2.27×10-2mol)と亜リン酸トリエチル9.06g(5.45×10-2mol)とを150℃で反応させた後、n−ヘキサン100mlで洗浄し、ホスホン酸エステルの白色沈澱9.32g(収率74%)を得た。
ホスホン酸エステル1.50g(2.70×10-3mol)と4,4’−ジメチルベンゾフェノン1.25g(5.95×10-3mol)とをDMF30mlに懸濁し、さらに塩基としてカリウムt−ブトキシド673mgを加え、室温にて反応させた。
得られた反応混合物を一晩放置した後、メタノール40mlと水10mlとの混合液を添加し、次いで生じた沈殿を濾取した。得られた固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色粉末306mg(収率17%)を得た。
【0074】
得られた黄色粉末の化合物は、下記の分析結果から化合物(2)であることが確認された。
(1)質量分析(FD−MS)
m/z=666
(2)元素分析 C5242として
計算値(%) C:93.65 H:6.35
実測値(%) C:93.44 H:6.56
【0075】
合成例3〜8〔化合物(3)〜(8)の合成〕
表1に記載のカルボニル化合物とホスホン酸エステルを用いる以外は合成例12と同様にして、化合物(3)〜(8)の合成を得た。
【0076】
【表1】
Figure 0004460704
【0077】
実施例1
以下の有機電界発光素子の作製は、図1を参照して説明する。
ITOを蒸着法により20mm×50mm×1.1mmのガラス基板1上に160nmの厚さで製膜したものを透明電極(陽極2)基板とした。これをイソプロピルアルコール中で10分間超音波洗浄し、乾燥窒素ガスを吹きつけて乾燥した。
次いで、ITOからなる陽極2上に、下記の式で表されるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの正孔輸送層4を形成した。
【0078】
【化11】
Figure 0004460704
【0079】
次に、正孔輸送層4上に、化合物(1)を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの発光層5を形成した。
次いで、発光層5上に、下記の式で表されるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(Alq3 )を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの電子注入層6を形成した。
【0080】
【化12】
Figure 0004460704
【0081】
最後に、電子注入層6上に、MgとAgとの比率が10:1の合金になるように、MgとAgとを同時蒸着して、膜厚1000Åの陰極7を形成した。
なお、上記の蒸着はいずれも真空度4.0×10-6Torrで行なった。
このようにして作製した有機電界発光素子(EL1)について、ITO電極をプラス、Mg:Ag電極をマイナスにバイアスして、発光させたときの輝度(cd/m2 )および発光色を測定した。得られた結果を、印加電圧および電流密度(mA/cm2 )と共に表2に示す。
【0082】
発光色は青緑色であり、分光測定を行った結果、図4に示す482nmに発光極大を有するスペクトルを得て、化合物(1)のELスペクトルと同じことから発光が化合物(1)によるものであることを確認した。
また、EL1を大気中に放置したところ、1ヶ月間経過後においても結晶化は観測されず、EL1中の含有化合物が結晶化していないことがわかった。
【0083】
【表2】
Figure 0004460704
【0084】
実施例2〜8
発光層5として化合物(1)の代わりに化合物(2)〜(8)を用いる以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子(EL2〜8)を作製した。
作製したEL2〜8を実施例1と同様にして、輝度(cd/m2 )および発光色を測定した。得られた結果を、印加電圧および電流密度(mA/cm2 )と共に表2に示す。
また、EL2〜8を大気中に放置したところ、1ヶ月間経過後においても結晶化は観測されず、EL2〜8中の含有化合物が結晶化していないことがわかった。
【0085】
実施例9
以下の有機電界発光素子の作製は、図2を参照して説明する。
ITOを蒸着法により20mm×50mm×1.1mmのガラス基板1上に160nmの厚さで製膜したものと透明電極(陽極2)基板とした。これをイソプロピルアルコール中で10分間超音波洗浄し、乾燥窒素ガスを吹きつけて乾燥した。
次いで、ITOからなる陽極2上に、下記の式で表されるα−銅フタロシアニン(α−CuPc)を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚250Åの正孔注入層3を形成した。
【0086】
【化13】
Figure 0004460704
【0087】
次に、正孔注入層3上に、実施例1で用いたα−NPDを真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚250Åの正孔輸送層4を形成した。
次に、正孔輸送層4上に、化合物(1)を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの発光層5を形成した。
次いで、発光層5上に、実施例1で用いたAlq3 を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの電子注入層6を形成した。
最後に、電子注入層6上に、MgとAgとの比率が10:1の合金になるように、MgとAgとを同時蒸着して、膜厚1000Åの陰極7を形成した。
なお、上記の蒸着はいずれも真空度4.0×10-6Torrで行なった。
作製した有機電界発光素子(EL9)について実施例1と同様にして、輝度(cd/m2 )および発光色を測定した。得られた結果を、印加電圧および電流密度(mA/cm2 )と共に表2に示す。
また、EL9を大気中に放置したところ、1ヶ月間経過後においても結晶化は観測されず、EL9中の含有化合物が結晶化していないことがわかった。
【0088】
実施例10
以下の有機電界発光素子の作製は、図3を参照して説明する。
ITOを蒸着法により20mm×50mm×1.1mmのガラス基板1上に160nmの厚さで製膜したものを透明電極(陽極2)基板とした。これをイソプロピルアルコール中で10分間超音波洗浄し、乾燥窒素ガスを吹きつけて乾燥した。
次いで、ITOからなる陽極2上に、実施例1で用いたα−NPDを真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの正孔輸送層4を形成した。
【0089】
次に、正孔輸送層4上に、化合物(1)を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの発光層5を形成した。
最後に、発光層5上に、MgとAgとの比率が10:1の合金になるように、MgとAgとを同時蒸着して、膜厚1000Åの陰極7を形成した。
なお、上記の蒸着はいずれも真空度4.0×10-6Torrで行なった。
作製した有機電界発光素子(EL10)について実施例1と同様にして、輝度(cd/m2 )および発光色を測定した。得られた結果を、印加電圧および電流密度(mA/cm2 )と共に表2に示す。
また、EL10を大気中に放置したところ、1ヶ月間経過後においても結晶化は観測されず、EL10中の含有化合物が結晶化していないことがわかった。
【0090】
実施例11
以下の有機電界発光素子の作製は、図1を参照して説明する。
ITOを蒸着法により20mm×50mm×1.1mmのガラス基板1上に160nmの厚さで製膜したものを透明電極(陽極2)基板とした。これをイソプロピルアルコール中で10分間超音波洗浄し、乾燥窒素ガスを吹きつけて乾燥した。
次いで、ITOからなる陽極2上に、実施例1で用いたα−NPDを真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの正孔輸送層4を形成した。
次に、正孔輸送層4上に、化合物(1)と下記の式で表されるクマリン6とを真空蒸着によって蒸着速度比30:1で製膜して、膜厚500Åの発光層5を形成した。
【0091】
【化14】
Figure 0004460704
【0092】
次いで、発光層5上に、実施例1で用いたAlq3 を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの電子注入層6を形成した。
最後に、電子注入層6上に、MgとAgとの比率が10:1の合金になるように、MgとAgとを同時蒸着して、膜厚1000Åの陰極7を形成した。
なお、上記の蒸着はいずれも真空度4.0×10-6Torrで行なった。
作製した有機電界発光素子(EL11)について実施例1と同様にして、輝度(cd/m2 )および発光色を測定した。得られた結果を、印加電圧および電流密度(mA/cm2 )と共に表2に示す。
また、EL11を大気中に放置したところ、1ヶ月間経過後においても結晶化は観測されず、EL11中の含有化合物が結晶化していないことがわかった。
【0093】
実施例12
以下の有機電界発光素子の作製は、図1を参照して説明する。
ITOを蒸着法により20mm×50mm×1.1mmのガラス基板1上に160nmの厚さで製膜したものを透明電極(陽極2)基板とした。これをイソプロピルアルコール中で10分間超音波洗浄し、乾燥窒素ガスを吹きつけて乾燥した。
次いで、ITOからなる陽極2上に、実施例1で用いたα−NPDを真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの正孔輸送層4を形成した。
次に、正孔輸送層4上に、実施例1で用いたAlq3 を真空蒸着によって蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの発光層5を形成した。
【0094】
次いで、発光層5上に、化合物(1)を真空蒸着によって蒸着速度1〜4Å/秒で製膜して、膜厚500Åの電子注入層6を形成した。
最後に、電子注入層6上に、MgとAgとの比率が10:1の合金になるように、MgとAgとを同時蒸着して、膜厚1000Åの陰極7を形成した。
なお、上記の蒸着はいずれも真空度4.0×10-6Torrで行なった。
作製した有機電界発光素子(EL12)について実施例1と同様にして、輝度(cd/m2 )および発光色を測定した。得られた結果を、印加電圧および電流密度(mA/cm2 )と共に表2に示す。
また、EL12を大気中に放置したところ、1ヶ月間経過後においても結晶化は観測されず、EL12中の含有化合物が結晶化していないことがわかった。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、低電圧駆動ができ、任意の発光色を得ることができる、大きな発光輝度を有し、繰り返し使用時の安定性(発光寿命および発光安定性)に優れた有機電界発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の模式断面図である(実施例1〜8、11および12)。
【図2】本発明の有機電界発光素子の模式断面図である(実施例9)。
【図3】本発明の有機電界発光素子の模式断面図である(実施例10)。
【図4】本発明の有機電界発光素子の発光スペクトルである(実施例1)。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子注入層
7 陰極
8 有機層

Claims (9)

  1. 一般式(I):
    Figure 0004460704
    (式中、R1およびR2は同一または異なって、水素原子炭素数1〜6のアルキル基;ハロゲン原子、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アミノ基およびヒドロキシ基から選択される置換基で置換された炭素数6〜20のアリール基またはピリジル基、キノリル基、カルバゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基およびチエニル基から選択される炭素数2〜18の芳香族複素環基であり;R3〜R8は同一または互いに異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはヒドロキシ基である)
    で表されるジスチリルアリーレン誘導体。
  2. 一般式(I)において、R1およびR2がフェニル基であり、かつR3 〜R8 が水素原子である請求項1記載のジスチリルアリーレン誘導体。
  3. 一般式(I)において、R1およびR2がp−トリル基であり、かつR3 〜R8 が水素原子である請求項1記載のジスチリルアリーレン誘導体。
  4. 基板上に陽極、少なくとも1層の有機層および陰極がこの順で積層された有機電界発光素子であって、前記有機層が、請求項1〜3のいずれか1つに記載のジスチリルアリーレン誘導体を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
  5. ジスチリルアリーレン誘導体が、発光物質として用いられる請求項4記載の有機電界発光素子。
  6. 有機層が、正孔注入層および正孔輸送層から選択される少なくとも1層、発光層および少なくとも1層の電子注入層からなり、かつ前記有機層のいずれか1つの層がジスチリルアリーレン誘導体を含有することを特徴とする請求項4または5に記載の有機電界発光素子。
  7. 発光層が、ジスチリルアリーレン誘導体を含有する請求項6記載の有機電界発光素子。
  8. 有機層が、正孔注入層および正孔輸送層から選択される少なくとも1層、発光層からなり、かつ前記有機層のいずれか1つの層がジスチリルアリーレン誘導体を含有することを特徴とする請求項4または5に記載の有機電界発光素子。
  9. 発光層が、ジスチリルアリーレン誘導体を含有する請求項8記載の有機電界発光素子。
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