JP4459838B2 - ハイブリッド鉄道車両 - Google Patents

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Description

本発明は、バッテリ等の蓄電装置とディーゼルエンジン発電機等の発電装置を搭載したハイブリッド鉄道車両に関する。
特許文献1には、エンジン発電機のほかにバッテリ等の蓄電装置を搭載したハイブリッド鉄道車両において、動力を分散させた複数のエンジンを、列車の負荷に応じ、燃費が最小となるように、個別に制御することが開示されている。すなわち、エンジンの出力が不足した場合、不足したエネルギーをバッテリから補充するものである。
特開平8−198102号公報(全体)
しかし、上記従来の技術は、エンジンの出力が不足した場合にエネルギーをバッテリから補充するものであり、急峻なエネルギー授受によるバッテリの劣化の問題がある。
バッテリの急峻なエネルギー授受によるエネルギーロスは、そのままバッテリの温度変化につながり、それがバッテリの内部材料の物性を変化させて、バッテリの最大蓄電量の低下や、蓄電速度の遅延を招く。
また、列車のブレーキ時には、バッテリへの電力回生によりブレーキ力を発生させ、バッテリを充電する良い機会であるが、バッテリ充電量が満杯の場合には、これ以上の回生が望めないため、空気ブレーキを作動させる必要がある。しかし、空気ブレーキによるブレーキは摩擦を伴うため、ブレーキシュー等の磨耗により、列車のメンテナンスや部品交換の手間がかかるという問題が生じる。
そこで本発明の望ましい実施態様の目的は、バッテリ等の蓄電装置を用いて回生電力を吸収し、力行時に放出して省エネルギーを図るとともに、バッテリ等の蓄電装置の長寿命化を図ることのできるハイブリッド鉄道車両を提供することである。
また、本発明の望ましい実施態様の他の目的は、より高効率運転を実現できるハイブリッド鉄道車両を提供することである。
さらに、本発明の望ましい実施態様の他の目的は、空気ブレーキの使用を抑制してメンテナンスの手間を軽減できるハイブリッド鉄道車両を提供することである。
本発明の望ましい実施態様においては、バッテリ等の蓄電装置の出力電力と運転中の発電装置の出力電力の和が走行に必要な電力となるように、蓄電装置の充放電電力を制御し、蓄電装置の出力電力が所定の閾値を上回る度に、複数のエンジン発電装置のうち未起動の発電装置を順次起動させる。
また、本発明の望ましい実施態様においては、全ての発電装置が起動するまでは、全ての発電装置を高効率点で運転させ、その後、蓄電装置の出力電力が所定の閾値を上回る度に、複数の発電装置を順次最大出力点に切換えて運転させる。
好ましくは、少なくとも1つの発電装置が運転している場合であって、蓄電装置の入力電力が所定の閾値を上回る度に、最大出力点で運転している発電装置を順次高効率点に切換えて運転させ、また、全ての発電装置が高効率点で運転している場合には、蓄電装置の入力電力が所定の閾値を上回る度に、順次停止又はアイドル状態にさせる。
本発明の望ましい他の実施態様においては、ハイブリッド鉄道車両の運転モードの移行時の初期の発電装置の運転台数及び/又は出力を予め設定する。好ましくは、蓄電装置の充電電力量状態に応じて設定し、さらに、その後の運転台数及び/又は出力の許容変更範囲を設定する。
本発明の望ましいさらに他の実施態様においては、ハイブリッド鉄道車両の蓄電装置の充電電力量状態の複数レベル間の変動時の初期の発電装置の運転台数及び/又は出力を予め設定する。好ましくは、運転モード毎に設定し、さらに、その後の運転台数及び/又は出力の許容変更範囲を設定する。
本発明の望ましい実施態様によれば、バッテリ等の蓄電装置の急峻なエネルギー授受を軽減し、バッテリ等の蓄電装置の長寿命化を図ることができる。
また、本発明の望ましい実施態様によれば、複数の発電装置の制御と充放電制御により、より高効率な運転を実現できる。
さらに、本発明の望ましい実施態様によれば、列車のメンテナンスや部品交換の手間を省くことができる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態によって明らかになる。
図1は、本発明の一実施形態によるハイブリッド鉄道車両の概略構成図である。図では、編成列車中の先頭車両11と2つの中間車両12及び13のみを示している。各車両に各1台の電動機21〜23が搭載され、これらの電動機によって列車全体が駆動される。電動機21〜23としては、3相交流電動機(誘導電動機又は同期電動機)が一般的である。なお、電動機の数は、各車両に1台とは限らず、その構成は自由であることは言うまでもない。これらの電動機に電力を供給するために、ディーゼルエンジンと発電機で構成されるような発電装置31〜33と、その出力電力を順変換する第1の電力変換器41〜43、さらには逆変換する第2の電力変換器51〜53を搭載している。これらの発電装置、第1の電力変換器、及び第2の電力変換器は、直接的にはそれぞれ制御装置61〜63、71〜73、及び81〜83によって制御される。発電装置31〜33のエンジンは、排気を制御することによって、排気ブレーキとして働かせることが可能である。もちろん、発電装置は、ディーゼルエンジンと発電機の組合せに限られるものではなく、例えば、燃料電池を採用しても良い。また、これらの発電装置を制御する制御装置61〜63は、エンジンの燃料消費量や残存燃料量を監視する機能を備えていることが望ましい。
先頭車両11には、蓄電装置9と、その制御装置10を搭載している。蓄電装置9としては、2次電池、電気二重層キャパシタ等があり、2次電池としては、ニッケルカドミウムバッテリ、リチウムイオンバッテリ、鉛バッテリなどが用いられる。このバッテリ等の蓄電装置(以下、単にバッテリと呼ぶ)9を制御する制御装置10は、バッテリ9の蓄電量を、例えばバッテリの入出力電流を検出して、それを積算することなどにより電力を把握する機能を有する。
通常、バッテリ等の蓄電装置9の直流電力は、第2の電力変換器51〜53で交流化(逆変換)して交流電動機21〜23に供給される。また、この電力変換器51〜53には、バッテリ9からの電力のみならず、発電装置31〜33から第1の電力変換器41〜43を介して電力が供給される。
先頭車両には、運転台14と、この運転台から運転手の指令を受取って、全体を制御する列車制御装置15が設けられている。列車制御装置15は、発電装置31〜33の制御装置61〜63、第1の電力変換器41〜43の制御装置71〜73、第2の電力変換器51〜53の制御装置81〜83、バッテリ制御装置10、さらに図示しない空気ブレーキ制御装置を制御する。バッテリ9や列車制御装置15は、運転台14のある先頭車両に搭載されていなくても良い。
図2は、エンジン特性の一例グラフで、発電装置の動力制御ノッチとその動力装置回転数、出力、及び燃料消費率の関係を示す。
図3は、同じく発電装置のエンジンの動力制御ノッチとその動力装置回転数、出力、及び燃料消費率の具体的数値例を示す。これらの特性はエンジンによって異なるが、ここで挙げた例では、動力制御ノッチが2のとき一番燃料消費率が良い。そこで、ノッチ2を高効率点とする。また、動力制御ノッチ3のときが最大出力点である。この実施形態で設定したノッチは、アイドルを含めて4ポジションであるが、用途に応じてポジション数は変り、いずれであっても本発明は適用可能である。
ここでは、バッテリ充電量を調整する出力点として1ノッチを設定し、また、出力10kw、動力装置回転数600rpmの点をアイドルとした。以下の実施形態ではこの2つのノッチ位置について言及しないが、バッテリ9の充電状態や、列車の運転状態により、任意に使用可能である。例えば、以下の説明で「停止」としたところを、アイドルノッチに置き換えることが可能である。
以下、図4〜図6を参照して本発明の一実施形態の動作を説明する。
図4は、本発明の一実施形態による列車制御装置の制御処理フロー図である。
図5は、本発明の一実施形態による運転台14の指令とその運転状態、バッテリ充放電の制御指令、発電装置の制御指令の関係を示す。
図6は、本発明の一実施形態による動作状況タイムチャートである。
図6における期間A、B、Cは力行状態を示す。この状態は、図5における運転台14の指令がパワーノッチの場合又は定速ボタンON状態での平地又は登坂時の場合である。
まず、力行期間前半Aについて説明する。
運転士が、運転台14において、図5のパワーノッチあるいは定速ボタンを運転状態に操作したものとする。すると、列車制御装置15は、バッテリ9と各発電装置31〜33の出力電力の和が、運転台14からの指令によって求まる列車の運転に必要な電力となるように、制御装置10,81〜83及び第2の電力変換器51を介してバッテリ9の放電電力を制御する。このとき、各発電装置31〜33は停止しているものとすると、必要電力は、専らバッテリ9から第2の電力変換器51〜53を介して、駆動電動機21〜23に給電され、列車が起動される。
ここで、図4の処理フローにおいて、ステップ601で運転台14の指令がブレーキであるかどうかを判断する。この例の力行状態の場合、ブレーキ指令ではないので、ステップ602に進む。ステップ602では、バッテリ9の出力電力が第1の閾値αを上回ったかどうかを判断する。第1の閾値αは、1台の発電装置が、図2に示したノッチ2の高効率点で運転したときに賄えるエネルギーに相当する電力以下に設定することが望ましい。つまり、図3の例であれば、α=150〜300kWであるが、その他の値を採ることも可能である。
ステップ602で、バッテリ9の出力電力が閾値αを上回ったと判断した場合には、ステップ603に進んで、起動していない発電装置31〜33があるかどうか判断する。起動していない発電装置があった場合には、ステップ604で、起動していない発電装置を1台だけ起動し、それを高効率点、いわゆる最適出力点である動力制御ノッチ2で運転させる。この様子を、図6の期間Aに示している。すなわち、バッテリ(蓄電装置)9の出力電力が上昇し、第1の閾値α(この例では150kW)に達する度に、順次、発電装置を起動し、高効率点すなわち最適出力で運転させている。1台の発電装置が起動され、すぐにその最適出力300kWを出力できれば、この瞬間に、バッテリ9は150kWの放電状態から150kWの充電状態に切換わる。その後、次第に充電電力が減って放電方向に移行し、その放電電力が再び、閾値αを上回り、前述した動作を繰り返すこととなる。高効率点での運転とは、図2及び図3の例では、エンジン回転数1600rpm、出力300kWのノッチ2での最適出力運転を意味している。
次に、ステップ605では、起動指令が出ている発電装置が期待通りの所要電力を出力しているか否かを確認する。これは、エンジン発電機を起動した場合、すぐに期待通りの出力が得られるとは限らないからである。所要電力を出力していることが確認できれば、ステップ606に進んで、指令通り発電装置を運転する。そして、ステップ607において、所望の電動機出力を得るために、運転中の発電装置では不足する電力分を、バッテリ9から出力しながら加速する。つまり、前述したように、バッテリ9の出力電力と起動済みの発電装置31〜33の出力電力の和が、運転台14からの駆動指令に基づいて求められる列車の走行に必要な必要電力となるように、バッテリ9の出力電力を制御するのである。
さて、起動した発電装置31〜33の動力制御ノッチを2で運転させる指令が出されてから、実際に当該発電装置の出力が得られるまでに時間がかかり、ステップ605の判定がNoとなった場合には、ステップ608に進む。このステップ608では、起動済みの発電装置の出力を調整し、列車の必要電力を遅れなく供給する。この例では、図6の期間Aにおいて、1,2台目のエンジン運転パターンに破線で示したように、既に運転中の1、2台目の発電装置31、32の出力を、図2のノッチ2の高効率点からノッチ3の最高出力点に過渡的に切換えて運転させている。すなわち、3台目及び4台目の発電装置の起動時の出力電力の立ち上がり遅れを補い、列車全体の加速力を確保している。発電装置の起動に時間がかかる場合、この制御を行わないと、列車編成全体の所要発電電力に達しない時間が生じる。編成全体の所要電力が増加し続けている加速時などでは、バッテリ9の出力電力が閾値αを次々に上回るため、発電装置が起動準備をしている間に他の発電装置に起動指令が次々に出されて、ある時間が経過した後に、一斉に発電し始めることが考えられる。また、発電装置が一斉に発電し始めるまでの間、バッテリ9の出力が増大し、発電装置が一斉に発電し始めるとバッテリ9の出力が急激に変動することが考えられる。
この制御は、バッテリ9の出力電力の変動をより小さく抑えることができ、バッテリ9のさらなる長寿命化が可能である。
以上の図6の期間Aの動作は、全ての発電装置が高効率点(最適出力)で運転するまで継続される。
次に、力行期間中盤Bについて説明する。
図4のステップ602でバッテリ9の出力電力が閾値αを上回り、かつステップ603で全ての発電装置が起動済みであった場合には、ステップ609に進む。ステップ609では、起動済み発電装置のうち最適出力(高効率)点で運転しているものがあるか否かを判断し、ステップ610では、最適出力点で運転している発電装置のうち1台を最大出力点に切換えて運転させる。この動作を、全ての発電装置が最大出力となるまで繰り返す。この場合、運転中の各発電装置を、その最適出力から最大出力へ切換えるのであり、この切換えによるバッテリ9の入出力電力の変化幅は、図6に示すように、力行期間前半Aよりも小さい範囲で推移する。
次に、力行期間後半Cについて説明する。
図6において、期間Cの蓄電装置入出力電力に示すように、全ての発電装置が最大出力点で運転されている場合には、バッテリ9の出力電力が閾値αを超えたとしても、不足するエネルギーはバッテリ9から供給しなければならない。図6の例では、バッテリ9の放電出力電力がその最高出力に達している。
このように、バッテリ出力電力が発電装置1台の出力追加に見合う値に達する度に、その出力電力を未起動発電装置に肩代わりさせる形で順次起動することによって、バッテリの長時間の連続放電を抑制し、その長寿命化を図ることができる。
また、必要な電力に見合って発電装置を順次起動させることにより、発電装置を一括起動した場合に比べ、起動台数を少なくすることができ、燃費向上が可能となる。さらに、各発電装置は、可能な限り高効率点で運転できるため、さらなる燃費向上が期待できる。
なお、発電装置の起動順序や、最大出力点への移行順序は、各発電装置の制御装置61〜63が把握しているエンジンの燃料消費量や残存燃料量に基づき決定することが望ましい。すなわち、燃料消費量が相対的に多い発電装置よりも、燃料消費量が少い発電装置を優先的に起動又は最大出力点運転とする。また、残存燃料量が多い発電装置を優先的に起動又は最大出力点運転とすることにより、各発電装置の燃料消費や発熱の偏りを回避し、各装置の長寿命化を図ることができ、燃料供給時期の調整にも有利である。さらに、必要運転台数が少数で済むとき、燃費の良い発電装置を優先的に使用することになるので、この意味でも、列車全体としての燃費を向上することができる。
次に、図6における惰行期間D、Eについて説明する。この惰行期間D、Eは、図5に示す運転台14の指令が0(ゼロ)の場合である。
まず、惰行期間開始直後Dについて説明する。分り易くするため、この期間Dのみ、図6の時間軸を拡大して示しており、実際には、この期間Dは、以下に述べる5回の切換えの制御遅れ時間だけの短時間で終了する。
列車が十分に加速し、運転士が、ノッチオフ(ゼロ指令)すると、駆動電動機21〜23への電力供給は絶たれる。したがって、運転中の発電装置の出力はバッテリ9へ充電される状態となる。この状態で、図4のステップ601の判定において、運転台14の指令はブレーキではなく、また、ステップ602の判定において、バッテリの出力電力は当然ながら第1の閾値αを上回らない。したがって、ステップ611に進み、ここでは、前述とは逆に、バッテリ9が充電状態にあり、かつ、その充電電力が第2の閾値βを上回っていないかを判定する。そして、この閾値βを上回っていない場合はステップ612に進み、余剰の電力をバッテリ9に充電する。つまり、前述したように総合出力電力が列車の必要電力と一致するようにバッテリ9の充放電を制御する結果として、余剰の電力が、バッテリ9に充電される。
さて、ステップ611で、バッテリ9の入力電力が第2の閾値βを上回ったと判断する度に、ステップ613、614で、起動済みの発電装置のうち最大出力点で運転しているものを順次、高効率点運転に切換えて運転させる。この様子は、図6の惰行期間開始直後Dに時間軸を拡大して示されている。すなわち、惰行での消費電力は非常に少なく、この例のように、4台の発電装置が運転中のまま惰行に移行した場合には、図示するように蓄電装置入出力電力は、瞬間的に大きくなる。この入力側の充電電力が第2の閾値βを超えたことを検出し、エンジン運転パターンの1台目が最大出力から最適出力(高効率)運転に切換っている。引続き、入力側の充電電力は第2の閾値βを超えており、エンジン運転パターンの2台目〜4台目も最大出力から最適出力運転に切換っている。
しかし、なおも、バッテリ入力電力は第2の閾値βを超えており、惰行開始期間Dの最後には、1台目の発電装置を停止(又はアイドル)させることになる。これを、図4の処理フローで説明する。
ステップ611でバッテリの入力電力が閾値βを上回っていると判断し、かつステップ613の判定で、最高出力で運転中の発電装置が無く、すべての発電装置が高効率運転している場合、ステップ615に進む。ステップ615では、運転中の発電装置を順次停止又はアイドル状態に切換える。ここで、停止させる順序は、燃料が一番少ない、又は燃料消費量最大のものから選択することが望ましい。この例では、1台目の発電装置から停止させている。これによって、期間Dの終端では、バッテリ9は、入出力電力ゼロの状態に移行している。
続いて、惰行期間の後半(実際には惰行期間の大半を占める)Eについて説明する。
列車が惰行中、上記したバッテリ9の入出力電力ほぼゼロの状態から、2台目〜4台目の発電装置の最適出力運転によって、充電電力が緩やかに増えている。しかし、この例では閾値βに達する前に、運転士のブレーキノッチ投入があり、以下に述べるブレーキ期間に移行している。
ここまでに述べた第2の閾値βは、1台の発電装置が、図2に示したノッチ2の高出力点で運転したときに賄える電力であることが望ましい。本実施形態では300kwであるが、その他の値を取ることも可能である。
図6におけるブレーキ期間F、Gについて説明する。
図6の期間Eの末尾のタイミングで、運転台14の運転士が、図5のブレーキノッチを投入したものとする。ブレーキ状態は、ブレーキノッチ投入時だけでなく、定速ボタンON状態における下り坂の場合にも起こり得る。
まず、ブレーキ期間前半Fについて説明する。
図4のステップ601において、運転台の指令がブレーキであるかどうかが判断される。ブレーキ状態の場合は指令がブレーキであり、ステップ616に移って、全ての発電装置の出力を停止(又はアイドル状態)とする。これが、図6におけるブレーキ期間前半Fの開始点である。この時点で、バッテリ9は、これまでの充電状態からほぼ入出力電力ゼロの状態に一旦切換わり、ここから回生ブレーキが始まり、回生エネルギーは、駆動電動機21〜23から第2の電力変換器51〜53を介してバッテリ9への充電電力となって蓄電される。
その後、ステップ617で、バッテリ9が充電可能かどうか、つまり、(1)満充電状態、あるいは(2)充電電力は最高入力電力(入力限界)に達していないかを判断する。そして、充電可能の場合は、ステップ612で余剰の電力をバッテリに充電する。図6の実線で示す実施形態においては、バッテリ9の入力電力が最高入力状態になっても、その状態のまま回生ブレーキを続行し、バッテリ9が100%の満杯充電状態となるまで継続させている。
最後に、ブレーキ期間後半Gについて説明する。
ステップ616において、バッテリが充電不可能、すなわちバッテリの充電量が満杯になった場合あるいは充電電力が限界に達した場合は、これ以上、回生できないため、他の手段によってブレーキ力を発生する必要がある。このとき、ステップ618で、空気ブレーキよりも優先的に、発電装置の排気ブレーキを作動させる。図6の期間Gに実線で示したように、各発電装置に順次排気ブレーキを作動させる。
なお、充電電力が限界値に達したことにより、図6のブレーキ期間前半F以降に破線で示したように1台目の排気ブレーキを徐々に立ち上げ、以下、バッテリ9が満杯となったブレーキ期間後半Gの始点で2〜4台目の発電装置の排気ブレーキを一斉に開始しても良い。排気ブレーキの吸収馬力を連続的に変化させた場合、バッテリ9の入力電力を減少させることなく、余剰の回生電力を吸収させることができる。
また、前記発電装置の排気ブレーキの作動にあたり、発電装置の吸収馬力を複数段階設けるか、あるいは連続的に変化させることによって、列車編成全体の排気ブレーキ力を調整することも考えられる。
このようにブレーキシュー等の磨耗を伴う空気ブレーキよりも優先的に排気ブレーキを使用することにより、列車のメンテナンスや部品交換の手間を軽減することができる。
本実施形態によれば、バッテリの急峻なエネルギー授受を回避し、バッテリの長寿命化を図ることができる。また、複数の発電装置は必要な台数だけ起動し、かつ、可能な限り最適出力点で運転させることにより、低燃費を実現できる。さらに、列車のメンテナンスや部品交換の手間を省くこともできる。
次に、図7〜図11を参照して、本発明による他の実施形態を説明する。
まず、図1のハイブリッド鉄道車両において、図2及び図3のように動力制御ノッチに対する動力装置の回転数及び出力が設定され、かつ図5のように運転台指令と運転状態が設定されている場合に、図7のような発電装置出力テーブルが与えられているものとする。
図7は、本発明の他の実施形態によるステップ番号毎の動力制御ノッチすなわち発電装置の運転状態の設定テーブルである。ここでは発電装置が4台存在する場合である。ステップ番号0(ゼロ)時の動作は、発電装置をアイドル又は停止状態とする。ここから、ステップ番号の増加とともに、1台ずつ最適出力すなわち高効率運転(動力制御ノッチ2)する発電装置の台数を増やしていき、全ての発電装置が高効率運転をしたら、順次最大出力点(動力制御ノッチ3)で運転させる。
図8は、発電装置の稼働決定に使用する速度対バッテリSOC( State of charge )座標上のバッテリの充放電領域を示すグラフである。運転モード(力行、惰行、定速、ブレーキ、停車)相互間の移行時の初期の発電装置の運転状態と、その後に変更できる発電装置の運転状態の範囲を予め設定する。これによって、運転モード移行時の蓄電装置出力の平準化と、力行に必要な蓄電装置の電力量の確保を図ることにより、蓄電装置の劣化の抑制及び走行性能を確保できる。
まず、速度とSOCで決定される、SOCエリアを(1)〜(5)の部分に分割し、設定する。各境界線BL1〜BL4は以下の要素で決定する。
BL1:蓄電装置の充電限界
BL2:上方制御目標線
BL3:下方制御目標線
BL4:蓄電装置の放電限界
上方制御目標線BL2及び下方制御目標線BL3は、力行電力量の確保及び回生電力量の吸収の双方を満足するように設定するのが望ましい。
次に、各SOC領域(1)〜(5)を簡単に説明しておく。
(1)充電不可領域:蓄電装置への充電をしないことが望ましい領域
(2)充電許容上限領域:回生電力の吸収を許容する領域
(3)理想充電領域:制御の目標となるバッテリにとって理想の充電領域
(4)充電不足領域:力行のために最低限確保すべき充電領域
(5)放電不可領域:蓄電装置の放電をしないことが望ましい領域
図9は、SOCエリアが変化せずに運転モードが移行した場合にどのステップ番号を採るかを示した状態遷移図である。3段階のバッテリのSOCに応じてそれぞれ設定する。
各運転モード移行を示す矢印に沿って、選択されるステップ番号0〜4のいずれかを示している。ここで、単に、あるステップ番号「X」を記載しているケースは、モード移行時にステップ番号をXに固定し、他のステップへは移行させないことを表わしている。あるステップ番号「X」に「〜」を付加し、「X〜」と記載したケースでは、モード移行時にステップ番号をXとし、その後は前述した実施形態により、図4の処理フローに沿って、バッテリの出力に応じて運転することを示している。「X〜(X以上を確保)」と表示したケースは、モード移行時にステップ番号をXとし、その後はバッテリ出力に応じて、前述実施形態に沿って運転するものの、ステップ番号はX以上を確保することを意味する。最後に、「ステップ引継〜」と記載しているケースは、前の発電装置のステップ番号を引き継ぎ、その後はバッテリの出力に応じて前述実施形態に沿って運転するものとする。
以下、(A)〜(C)の各SOC領域毎に、各状態遷移を説明する。
(A)SOC領域(1)、(2)の場合:
SOC領域(1)は充電が不可能な領域であり、SOC領域(2)は回生電力を吸収する必要がある領域である。したがって、この領域ではどのモード移行時にも、発電装置の出力をアイドル又は停止とするように、ステップ番号を0(ゼロ)にする。
(B)SOC領域(3)の場合:
SOC領域(3)は、SOCの制御目標領域である。例えば、力行モードから惰行・定速モードに移行する場合、力行モードに比べて惰行・定速モードでは所要電力が小さい。このため、バッテリの急激な出力変動を抑制するために、ステップ番号を2とし、その後はバッテリ出力に応じて、図4の処理フローに沿って運転する。
また、惰行・定速モードから力行モードに移行する場合は、惰行・定速モードに比べて力行モードの所要電力が増大するため、バッテリの急激な出力変動を抑制するために、ステップ番号を4とし、その後はバッテリ出力に応じ、図4の通りに運転する。
また、惰行モードと定速モードの相互間の状態遷移においては、バッテリの急激な出力変動を避けるため、ステップ番号を2とし、その後はバッテリ出力に応じ、図4の通りに運転する。
定速あるいは惰行時からブレーキに移行する際には、回生電力を最大限に吸収するために、ステップ番号を0(ゼロ)にする。
ブレーキから惰行・定速モードに移行するときには、入力状態にあるバッテリ電力を急激に出力状態にすることを避けるため、ステップ番号を2とし、その後はバッテリ出力に応じ、図4の通りに運転する。
ブレーキから停車状態に移行するときは、所用電力が極めて小さいので、ステップ番号を0(ゼロ)のままとする。
停車状態から力行モードに移行する際には、バッテリ及び発電装置の急激な出力変動を避け、所要電力に応じた高効率な発電装置の運転をさせるために、ステップ番号0(ゼロ)から、図4に記載する制御を行う。
(C)SOC領域(4)、(5)の場合:
SOC領域(4)、(5)は力行に必要な電力量が不足している領域である。
力行モードから惰行・定速モードに移行するときには、力行モードに比べて惰行・定速モードの所要電力が小さい。したがって、バッテリへの急激な出力変動を避けるため、ステップ番号を4とし、その後はバッテリ出力に応じて図4の通りに運転するが、ステップ番号は4以上を確保する。
また、惰行・定速モードから力行モードに移行する場合は、惰行・定速モードに比べて力行モードの所要電力が大きい。しかし、ステップ番号は4以上を確保しているため、ステップ番号を引き継ぎ、その後はバッテリ出力に応じて、図4の通りに運転するものの、ステップ番号は4以上を確保する。
惰行・定速モードからブレーキモードに移行するときには、回生電力を最大限に吸収するために、ステップ番号を0(ゼロ)にする。
また、ブレーキモードから惰行・定速モードに移行するときには、力行に必要なバッテリの電力量を確保するため、ステップ番号を4とし、その後はバッテリ出力に応じて、図4の通りに運転するものの、ステップ番号は4以上を確保する。
ブレーキモードから停車モードに移行するときは、停車モードの所用電力が極めて小さい。しかし、力行に必要なバッテリの電力量を確保するため、ステップ番号を4とする。
停車モードから力行モードに移行するときには、力行モードの所要電力が大きい。したがって、力行に必要なバッテリの電力量を確保するため、ステップ番号を4とし、その後はバッテリ出力に応じて、図4の通りに運転するものの、ステップ番号は4以上を確保する。
次に、運転モードが移行せずに、SOCエリアが変化した場合について説明する。
図10は、運転モードが移行せずに、SOCエリアが変化した場合に、どのステップ番号を採るかを示した状態遷移図である。各運転モード毎にそれぞれ設定する。
力行モードにおいて、SOC領域(1)あるいは(2)の状態からSOC領域(3)の状態に変化した場合、力行に必要なバッテリの電力量を確保し、バッテリの急激な出力変動を避ける必要がある。このため、ステップ番号0(ゼロ)から、バッテリの出力に応じて、図4の通りに運転制御を行う。
力行モードにおいて、SOC領域(3)からSOC領域(4)あるいは(5)の状態に変化した場合、力行に必要なバッテリの電力量を確保する必要がある。そこで、ステップ番号を4とし、その後はバッテリ出力に応じて、図4に沿って運転するが、ステップ番号は4以上を確保する。
力行モードにおいて、SOC領域(4)あるいは(5)の状態からSOC領域(3)に変化した場合、バッテリの急激な出力変動を避けるため、前のステップ番号を引き継ぎ、その後はバッテリ出力によって、図4に沿って運転する。
力行モードにおいて、SOC領域(3)の状態からSOC領域(1)あるいは(2)の状態に変化した場合、回生電力の吸収に必要な領域を確保するために、発電装置のステップ番号を0(ゼロ)とする。
惰行・定速モードにおいて、SOC領域(1)あるいは(2)からSOC領域(3)に変化した場合、力行に必要なバッテリの電力量を確保し、バッテリの急激な出力変動を避けるため、ステップ番号0(ゼロ)から、図4のフローに沿った制御を行う。
惰行・定速モードにおいてSOC領域(3)からSOC領域(4)あるいは(5)に変化した場合、力行に必要なバッテリの電力量を確保する必要がある。このため、ステップ番号を4とし、その後はバッテリ出力に応じて図4のフローに沿って運転するが、ステップ番号は4以上を確保する。
惰行・定速モードにおいて、SOC領域(4)あるいは(5)からSOC領域(3)に変化した場合、バッテリの急激な出力変動を避けるため、前のステップ番号を引き継ぎ、その後はバッテリ出力に応じて図4のフローに沿って運転する。
惰行・定速モードにおいて、SOC領域(3)からSOC領域(1)あるいは(2)に変化した場合、回生電力の吸収に必要な領域を確保するために、発電装置のステップ番号を0(ゼロ)とする。
ブレーキモードにおいては、SOC領域が変化した場合においても、回生電力を最大限に吸収するために、ステップ番号を0(ゼロ)にする。
停車モードにおいては、SOC理想充電電力量領域(3)から充電電力量が不足するSOC領域(4)あるいは(5)に変化した場合、その後の起動に備えて、力行に必要なバッテリの電力量を確保するため、ステップ番号を4とする。また、SOC領域(4)あるいは(5)からSOC領域(3)に変化した場合にも、力行に必要な電力量を高レベルで保持するため、ステップ番号を4とする。
それ以外の停車モードにおけるSOC変化については、停車モードでの所用電力が極めて小さいので、ステップ番号を0(ゼロ)のままとする。
図11は、本発明の他の実施形態による動作状況タイムチャートである。
この実施形態は、理想のバッテリ9のSOC領域(3)から列車を運転した場合である。
まず、力行期間前半A〜Cについて説明する。
運転士が、運転台14において、図5のパワーノッチあるいは定速ボタンを運転状態に操作したものとする。運転モードを停車から力行に移行したときは、図9(B)の理想のバッテリSOC(3)領域の場合に「0〜」で示すように、ステップ0(ゼロ)からスタートし、以降、図4の処理フローに沿って運転される。したがって、詳細に説明するまでもなく、期間Aでは、前述実施形態と同じく、バッテリ9の出力電力が第1の閾値αを上回る度に、発電装置を順次起動し、それぞれを最適出力で運転させる。また、期間Bでは、バッテリ9の出力電力が第1の閾値αを上回る度に、起動済みの発電装置を順次、最大出力に切換えてゆく。さらに、期間Cでは、全台の発電装置が最大出力に達しているため、バッテリ9の出力電力が閾値αを超えたとしても、不足するエネルギーはバッテリ9から供給し、図6の例と同じく、バッテリ9の放電出力電力がその最高出力に達している。
次に、惰行期間D,Eすなわち、運転士が、図5に示す運転台14の指令を0(ゼロ)に操作し、列車を惰行させた場合について説明する。
まず、図11における惰行期間の初期D、について説明する。
前述実施形態と同様、惰行期間開始直後Dは、分り易くするため、時間軸を拡大して示しているが、実際には、より短時間で終了する。図9(B)に示すように、SOC(3)の場合に運転モードを力行から惰行へ移行させた場合の初期設定ステップ番号は「2〜」であり、図7に示すように、2台がノッチ2で運転、残りの2台が停止(又はアイドル)である。したがって、前述の実施形態とは異なり、図11の期間Dに示すように、1,2台目の発電装置を停止(又はアイドル)させ、3,4台目は最適出力に切換えている。
図9(b)の考え方は、惰行モードでの必要電力は小さいため、2台の発電装置の最適出力状態から惰行運転を始めるものとして設定している。しかし、図11の蓄電装置入出力電力の変化から判るように、この実施形態においては、バッテリ9から閾値αを超える放電電力を必要としている。このため、すぐに図4のステップ602→603→604の径路で、起動していない、この例では2台目の発電装置を再起動し、この発電装置を最適出力で運転させることとなる。したがって、期間Dの末尾では、図4の処理フローに沿った制御の結果として、3台が最適出力、1台停止(又はアイドル)のステップ3に移行する。
次に、惰行期間の大半となる後半Eにつき説明する。
図11の蓄電装置入出力電力の変化から判るように、この実施形態においては、この期間Eでは、バッテリ9の放電状態から、緩やかに、充電状態に変化しており、充電電力は第2の閾値βに達していない。したがって、この期間にさらなる発電装置の出力状態の切換えは生じない。
このあとの、ブレーキモードでの電力回生及び排気ブレーキに関しては、前述実施形態と同一となるので、説明は省略する。
以上の結果は、図11の最下部にステップ番号の変遷を示すように推移し、前述実施形態と同一の効果を達成するとともに、バッテリの急激な入出力電力状態をさらに速やかに収め、高効率運転へ復帰させることができる。
なお、図中のステップ番号は、走行線区や特急あるいは普通列車といった列車種別によって適宜変更することが可能である。さらに、いくつかの運転モードを統合したり、SOC領域を統合した制御方法も考えられる。
また、前述した発電装置出力テーブルの閾値α、閾値β、動力制御ノッチの設定値は様々な値を取ることが可能である。
また、バッテリの出力電力が閾値αの数倍、あるいはバッテリの入力電力が閾値βの数倍である場合、ステップ番号を1づつ増減させるのではなく、閾値の倍数分だけ増減させることも考えられる。例えば、バッテリの入出力電力が閾値αあるいは閾値βの2倍であるなら、ステップ番号を2増加あるいは2減少させることである。これにより、所要電力が急激に変動した場合でも、すぐに所要発電電力を得ることが可能となり、バッテリの入出力変動を抑制することができる。
本発明の一実施形態によるハイブリッド鉄道車両の概略構成図。 本発明の一実施形態における発電装置の動力制御ノッチとその動力装置回転数、出力、及び燃料消費率の関係を示すグラフ。 本発明の一実施形態における発電装置の動力制御ノッチとその動力装置回転数、出力、及び燃料消費率の具体的数値関係図。 本発明の一実施形態によるハイブリッド鉄道車両における列車制御装置の制御処理フロー図。 図1の実施形態における、運転台の指令とその運転状態、バッテリの制御指令、発電装置の制御指令の関係図。 本発明の一実施形態による動作状況タイムチャート。 本発明の他の実施形態によるステップ番号毎の動力制御ノッチすなわち発電装置の運転状態の設定テーブル図。 本発明の他の実施形態における速度対バッテリSOC座標上のバッテリの充放電領域を示すグラフ。 本発明の他の実施形態における運転モードが移行した場合にどのステップ番号を採るかを示した状態遷移図。 本発明の他の実施形態におけるSOCエリアが変化した場合に、どのステップ番号を採るかを示した状態遷移図。 本発明の他の実施形態による動作状況タイムチャート。
符号の説明
11〜13…鉄道車両、21〜23…駆動電動機、31〜33…発電装置(ディーゼルエンジン+発電機等)、41〜43…第1の電力変換器、51〜53…第2の電力変換器、61〜63,71〜73,81〜83,10…制御装置、9…蓄電装置(バッテリ)、14…運転台、15…列車制御装置。

Claims (15)

  1. 燃料により発電する複数の発電装置と、電力を蓄える蓄電装置と、車両を駆動する電動機と、前記発電装置の発電電力と前記電動機の回生電力及び/又は前記蓄電装置の電力を相互に変換する第1の電力変換器と、この第1の電力変換器の出力電力及び/又は前記蓄電装置の電力と前記電動機の電力とを相互に変換する第2の電力変換器を備えたハイブリッド鉄道車両において、前記蓄電装置の出力電力と運転中の前記発電装置の出力電力の和が走行に必要な電力となるように、前記蓄電装置の充放電電力を制御する充放電制御手段と、前記蓄電装置の出力電力が所定の閾値を上回る度に、複数の前記発電装置のうち未起動の発電装置を順次起動させる起動制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  2. 請求項1において、起動した発電装置を所定の高効率点で運転させる高効率運転制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  3. 請求項1又は2において、運転台からの指令を入力し、前記発電装置並びに前記第1及び第2の電力変換器を統括制御する列車制御装置を備え、前記充放電制御手段は、前記蓄電装置の出力電力と運転中の前記発電装置の出力電力の和を、前記運転台からの駆動指令に基づいて求めた前記鉄道車両の走行に必要な電力となるように、前記蓄電装置の充放電電力を制御するように構成したことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、全ての前記発電装置が運転され、少なくとも1台の発電装置が所定の高効率点で運転中に、前記蓄電装置の出力電力が所定の閾値を上回る度に、高効率点で運転中の発電装置を順次最大出力点に切換えて運転させる最大出力切換手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、少なくとも1台の発電装置が最大出力点で運転中に、前記蓄電装置の入力電力が所定の閾値を上回る度に、最大出力点で運転している発電装置を順次所定の高効率点に切換えて運転させる高効率切換手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、少なくとも1台の発電装置が運転中で、最大出力点で運転している発電装置が無い場合に、前記蓄電装置の入力電力が所定の閾値を上回る度に、運転中の発電装置を順次停止又はアイドル状態にさせる停止又はアイドル状態にする制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、複数の前記発電装置の起動順序を、各発電装置の燃料消費量及び/又は残存燃料量に基づいて決定する起動順序決定手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、車両のブレーキ時に、前記蓄電装置への充電が予定の限界に達したことを検出する充電限界検出手段と、この検出に基いて前記発電装置の排気ブレーキを作動させる排気ブレーキ制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  9. 請求項8において、前記充電限界検出手段は、前記蓄電装置の蓄電量が所定の充電電力量に達したこと及び/又は前記蓄電装置への入力電力が所定の電力値に達したことを検出するように構成したことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、力行、惰行及びブレーキを含む運転モードが相互間に移行したときの初期の発電装置の運転台数及び/又は出力を予め設定する手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  11. 請求項10において、前記運転モード移行後の運転台数及び/又は出力の許容変更範囲を予め設定する手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  12. 請求項10又は11において、前記設定手段は、前記蓄電装置の複数の充電電力量毎に設定する手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  13. 請求項1〜12のいずれかにおいて、前記蓄電装置の充電電力量に対する複数のレベルを設定する手段と、前記蓄電装置の充電電力量が、前記複数のレベル相互間に移行したときの初期の発電装置の運転台数及び/又は出力を予め設定する手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  14. 請求項13において、前記レベル相互間移行後の運転台数及び/又は出力の許容変更範囲を予め設定する手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
  15. 請求項13又は14において、前記設定手段は、前記鉄道車両の力行、惰行及びブレーキを含む複数の運転モード毎に設定する手段を備えたことを特徴とするハイブリッド鉄道車両。
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