JP4459808B2 - 化粧学及び治療学におけるアスパラギン酸プロテアーゼの利用 - Google Patents

化粧学及び治療学におけるアスパラギン酸プロテアーゼの利用 Download PDF

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Description

本発明は、主として、化粧学及び治療学における、SASPアーゼと呼ばれる新規なアスパラギン酸プロテアーゼ、該タンパク質の切頭(端の切取られた)又は誘導された形状、又はこれらのプロテオリシスにより誘導されるポリペプチド混合物の、特に細胞増殖及び/又は分化の機能不全と関連する状態を治療するための使用に関するものである。
本発明は、また該アスパラギン酸プロテアーゼ:SASPアーゼ及びその「活性化された」形状をコードするデオキシリボ核酸配列、対応するポリペプチド配列、及び該デオキシリボ核酸配列の使用にも関連する。
プロテアーゼは、ペプチド結合を開裂することのできる、加水分解酵素である。その数多くのものが、今日、表皮生理の平衡化において本質的な役割を演じていることは、公知である。
表皮は、従来表皮の胚芽性の層を構成する、ケラチノサイトの基底層、該胚芽性層の上に配置された、多面性の細胞を含む幾つかの層からなる、「有棘」層、別々の細胞質封入体、即ちケラトヒアリン顆粒を含有する扁平細胞からなる、1〜3層の「顆粒」層、及び最後に角質層(stratum corneum)と呼ばれ、コルネオサイト(corneocytes)と呼ばれる表皮分化の最終段階における、ケラチノサイトからなる、一組の上部層に分割されている。
コルネオサイトは、ケラチン化皮膜によって包囲された、サイトケラチンを含む繊維物質で主として構成される、徐核細胞である。落屑と呼ばれるメカニズムに従って、該ケラチン化層における表皮細胞の継続的な喪失を補うために、新たなケラチノサイトの永続的な生産が見られる。該基底層における細胞の生産と、落屑速度との間の不釣合いは、特に皮膚表面における鱗屑の生成を結果する恐れがある。
生憎と、多くの皮膚の病理的状態は、厚いケラチン化層の形成及び異常な落屑、即ち角質増殖症によって特徴付けられる。例としては、以下に列挙するものを挙げることができる:
・乾燥症、
・魚鱗癬、
・乾癬、
・ある種の良性又は悪性腫瘍の病巣、及び
・反応性角質増殖症。
逆に、幾つかの病理的な顕示は、表皮及びより具体的には該ケラチン化層の薄化をもたらす。この型の顕示は、次に皮膚被覆の過度の脆弱化をもたらす。これらの状態の表示のために、特に免疫起源の、一般的には1種以上の外因性の薬剤の存在又は該薬剤との接触によって誘発される、様々な反応を挙げることができる。
結局、コルネオサイト間の凝集に関与するポリペプチドに関する知見は、特に皮膚表面における、1種以上のこの種のポリペプチドの過剰さ、又はその欠乏による作用を排除するための製品の開発を可能とする、経路の一つである。
本発明の目的の一つは、正確には、化粧学及び/又は治療学的目的のために、表皮の分化/増殖現象の調節に関与するポリペプチドの利用を提案することにある。
より正確には、本発明は、ヒトケラチノサイトにおける、配列:FLVDSGAQVSVV (SEQ ID NO:1)を、ペプチド配列(SEQ ID NO:5)内に持つ、単離されかつ精製されたポリペプチドの存在を明らかにし、これは「アスパラギン酸」プロテアーゼ群に属するプロテアーゼ活性サイトの、PROSITEサインPS00141に対応する。
以下においてSASPアーゼタンパク(質)とも呼ばれるこのポリペプチドは、さらにそのペプチド配列における、以下の配列の存在によって特徴付けられる:
・AQFLVANASAEEAIIGTDVLQ (SEQ ID NO:2)及び
・ILGVWDTAV (SEQ ID NO:3)。
予想外のことに、本発明者等は、SASPアーゼタンパクとも呼ばれる上記配列:SEQ ID NO:5によって表されるタンパク質が、有意なプロテオリシス活性を有し、また特に、以下の実施例において示すように、カゼイン及びインシュリンに対して活性を示すことを明らかにした。
本発明者等は、さらにこのSASPアーゼタンパクが、自触媒作用性であり、かつ3〜7なる範囲のpHにて、及び好ましくは4.5以上のpHにおいて、順にダイマー化を可能とする、配列:SEQ ID NO:6に相当する、「活性化SASPアーゼ」と呼ばれる切頭型を生成する。
従って、本発明の一局面は、アスパラギン酸プロテアーゼ群に属する、単離されかつ精製されたポリペプチドに係り、該ポリペプチドは、配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27で表されるペプチド配列を持つことにより特徴付けられる。
SEQ ID NO:6は、SEQ ID NO:5の活性化型に相当する。
SEQ ID NO:16は、初めの2つのアミノ酸が削除された、該配列:SEQ ID NO:6に相当する。
該配列:SEQ ID NO:25は、SEQ ID NO:5の、もう一つの活性化型である。SASPアーゼ(SEQ ID NO:36)から、配列:FANS(SEQ ID NO:29)をコードするサイトが除去された、該SASPアーゼの切頭型から得られる。これは、より詳細には、アセテートバッファー中で、pH 5.00において生成される。
該配列:SEQ ID NO:27は、該配列:SEQ ID NO:25から、そのC-末端フラグメントを除去した配列に相当する。
一般に、本発明は、上記の様々なポリペプチド又はペプチド配列の、あらゆる同族体にも拡張される。従来、「ポリペプチド又はペプチド配列の同族体」なる表現は、少なくとも85%、とりわけ少なくとも90%、及び特に少なくとも95%の配列相同性を有し、かつ適当な場合には、該ポリペプチド又は該ペプチド配列と同一の型の生物学的な活性を持つ、任意のポリペプチド又は任意のペプチド配列を意味するものとする。
これらの同族体型は、以下に定義する変異体をも包含する。
本発明は、特に上記ポリペプチドの同族体型、即ち同一の生物学的活性を示し、かつ少なくとも85%、とりわけ少なくとも90%、及び特に少なくとも95%の、配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27との配列相同性を有する形状にも拡張される。
同様に、本発明は、配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27に含まれる、活性サイト:SEQ ID NO:1の配列との相同性が、少なくとも80%であることを条件に、配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16又はSEQ ID NO:25との、少なくとも30%なる相同性を持つタンパク質に拡張される。
本発明は、またPROSITE単位参照番号:PS50175として定義された、「アスパルチルプロテアーゼレトロウイルス型」単位及び例えば、特にPRED-TMR2、TMHMM、TMpred及びSOSUI等を列挙できる、このような検出に対して認識されているアルゴリズムによって予想されるような、少なくとも一つの貫膜ドメイン両者を持つタンパク質にも拡張される。
本発明による、突然変異型又は変更とも呼ばれる修飾は、該配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27の、1以上のアミノ酸を除去する(欠失)か、あるいは該配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27に、1以上のアミノ酸を付加することにより、あるいはさらに該配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27に対する、1以上のアミノ酸の置換により導くことができる。これらの対応する配列は、本発明との関連では、「変異型」とも呼ばれる。
欠失変異型の例としては、より具体的には、以下のペプチド配列を挙げることができる:
・N-末端フラグメントΔ1-84について切頭状態にある、SEQ ID NO:5に相当する配列:SEQ ID NO:4;
・該SASPアーゼタンパク(SEQ ID NO:5)のN-末端部分の配列に対応する、配列:SEQ ID NO:7。このフラグメントと生物学的なリガンドとの相互作用は、該SASPアーゼタンパクの活性化のための、また特にその活性化型(SEQ ID NO:6)の生成における重要な段階であると考えられる;
・該SASPアーゼタンパク(SEQ ID NO:5)の「貫膜」部分の配列に対応する、該配列:SEQ ID NO:8;
・該SASPアーゼタンパク(SEQ ID NO:5)のC-末端部分から誘導されるペプチドの配列に相当する、該配列:SEQ ID NO:9;
・2つの活性化サイトに相当する、該配列:SEQ ID NO:29及びSEQ ID NO:30。
同様に、「変異型」なる用語によりカバーされるものは、該SASPアーゼタンパク(SEQ ID NO:5)、又はその活性化型SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27と、他のポリペプチド、親水性又は疎水性ターゲティング剤又は生物転化プリカーサとの融合により得られるタンパク質である。後者は、特に該タンパク質の活性化を制御できるものである。
ポリペプチドを、翻訳後の修飾、例えばジスルフィド結合の生成、特異的プロテオリシスによる開裂、炭水化物の付加(グリコシル化)、ホスホリル化、特にセリン及び/又はスレオニン及び/又はチロシンにおけるホスホリル化、及び/又は脂質との会合に掛けることができることは、公知である。
本発明のポリペプチドは、1以上の翻訳後の修飾を受けることができる。特に、本発明によるポリペプチドは、N-グリコシル化、ホスホリル化、ミリストイル化、アミド化及び/又はシトリリネート化(citrilinated)することができる。
このように、本発明は、また特許請求されたポリペプチドにも係り、これは翻訳後の修飾処理されていても、されていなくても良い。
本発明は、また該ペプチド配列:SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27のマルチマー型、及び好ましくはダイマー型にまで拡張される。該ペプチド配列:SEQ ID NO:6のダイマー型は、特に以下の実施例Vによって特徴付けされる。これは、特にそのモノマー型のものを分子結合することにより、あるいは2つのモノマー部分間に、結合剤によって、2〜6個のアミノ酸で構成される単位を組込んだ、活性ダイマーをコードするcDNAの発現により、得ることができる。
特許請求したポリペプチドは、天然起源のもの又は合成したものであり得る。ここで、用語「合成」とは、化学的に得た、あるいはある生物に、その生産に必要な要素を組込んだ後に該生物内で生産される、あらゆるポリペプチドを意味するものとする。
これらは、任意の可能な源、即ち動物、特に哺乳動物又はより一層具体的にはヒト起源から、あるいは植物起源、又は微生物(例えば、特にウイルス、ファージ、バクテリア、酵母)あるいはさらに真菌から誘導でき、又は真核生物系、例えば哺乳動物細胞における過剰発現により誘導でき、該起源生物中に天然に存在するか否かに関しては、如何なる先入観も無関係である。
特に、本発明によるポリペプチドは、天然起源の、哺乳動物組織、より具体的には哺乳動物の皮膚から精製されたものである。
特に、これらポリペプチドは、ヒトの皮膚から精製され、及びより一層具体的にはヒトの表皮から精製されたものである。
ポリペプチドにおいて、1種以上のアミノ酸残基が、同様の疎水親水指数を持つが、該ポリペプチドの生物学的特性を変更することのない、アミノ酸残基で置換できることは公知である。この疎水親水指数は、アミノ酸の疎水性及びその電荷の関数として、該アミノ酸に割当てられる指数である(Kyte等, J. Mol. Biol., 1982, 157:105)。
従って、本発明の課題は、また上記のようなポリペプチドであって、そこで少なくとも1種のアミノ酸残基が、同様の疎水親水指数を持つ、アミノ酸残基で置換されている該ポリペプチドである。
該ポリペプチドは、またその等電点によって分類することも可能である。
ポリペプチドの理論的な等電点は、そのアミノ酸連鎖から演繹することができる。本発明のポリペプチドは、理論的には酸性ポリペプチドである。
かくして、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6又はSEQ ID NO:16を持つポリペプチドは、3〜9なる範囲、より詳細には4〜6なる範囲、及び特に約5.8なる等電点を持つ。
一次アミノ酸配列及びポリペプチドに対して行った様々な翻訳後の修飾は、該ポリペプチドが、キロダルトンで表示した見かけ上の分子量によって特徴付けできることも、公知である。
該用語「見かけ上の分子量」とは、ポリアクリルアミド/ドデシル硫酸ナトリウムゲル上での、特定のポリペプチドの電気泳動移動度を、既知の分子量を持つ基準タンパク質の電気泳動移動度と比較することによって得られる、あるいはまた、排除クロマトグラフィーにおける、特定のポリペプチドの溶出体積(elution volume)を、既知の分子量を持つ基準タンパク質のそれと比較することによって得られる、分子量を意味するものとする(“タンパクの精製(Protein Purification)”, J-C. Janson & L. Ryden, VCH Publisher Inc. N.Y., 1989に記載された技術による)。(本発明との関連で選択される方法は、電気泳動移動度に基く方法である)。
本発明のポリペプチドのアミノ酸連鎖に関する知見は、その理論的な分子量の決定を可能とする。
従って、本発明は、5〜30キロダルトン(kD)、特に9〜15kD、及びより特定的には11〜14kDなる範囲の見かけ上の分子量を持つ、SEQ ID NO:6の配列を持つポリペプチドに関する。特に、本発明のこのポリペプチドは、12kD程度の見かけ上の分子量を持つ。
以下に示される実施例から明らかになるように、本発明者等は、数多くのヒトの生体組織、例えば胎児肝臓、胎盤、筋肉、肺又は小腸、及び特に脳及び心臓、及びより特定的には発現が特に高い表皮における、配列:SEQ ID NO:5によって表される配列を持つポリペプチドの発現を特徴付けした。
さらに、SEQ ID NO:5の配列を持つ該SASPアーゼは、落屑のマーカーであるコルネオデスモシン(corneodesmosin)を分解することが認められた。
最後に、該ポリペプチド配列における、タイプ1、2及び9MMPsを活性化することのできる、マトリライシン型のプロテアーゼについて記載された、サイトに対応する、自触媒性サイトの該SASPアーゼ(SEQ ID NO:5)の存在は、該SASPアーゼの、またその活性化された型(SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27)又はそのフラグメントの、内在性の基質に対する潜在的な活性、及びその結果としての、該タンパク質及びその様々な活性化された形状又はフラグメントに関連する、瘢痕化、再度の上皮化、老化、血管形成及び癌発生(侵襲過程)を反映している。
従って、これらの情報全ては、本発明のポリペプチドの、細胞増殖及び/又は分化の過程における関与を確実なものとし、またこれを、新規な皮膚科学的/化粧学的及び治療学的なターゲットであると認識させる。
結局、本発明の第二の局面は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の精製された天然又は合成ポリペプチド及びその同族体を含み、そのペプチド配列は、完全に又は部分的に、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択される少なくとも1種の配列によって表される、少なくとも1種のペプチド配列を含むことを特徴とする、化粧料組成物又は薬理組成物に関連する。
特に、本発明は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の精製された天然又は合成ポリペプチド又はその同族体を含み、該ポリペプチドのペプチド配列が、完全に又は部分的に、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表されるものであり、及び得に、該配列がSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表されるものであることを特徴とする、化粧料組成物又は薬理組成物に関連する。
本発明は、また少なくとも1種の精製された天然又は合成ポリペプチド及びその同族体を含み、そのペプチド配列は、完全に又は部分的に、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択される少なくとも1種の配列によって表されるものであり、また特に、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つ少なくとも1種のポリペプチドを含み、該ポリペプチドプチがマルチマー形状、及び特にダイマー形状にあることを特徴とする、化粧料組成物又は薬理組成物に関連する。
本発明の目的にとって、及び特に述べない限り、該用語「ポリペプチド」とは、該特許請求された組成物において、プロテオリシスによって、又は合成によって得たかとは無関係に、天然又は合成ポリペプチド、その様々な翻訳後の修飾処理に付したもの、特に上記したもの、あるいはまた配列が、完全に又は部分的に上記配列からなる、任意の天然又は合成ポリペプチド、例えば上記の変異型を含むものとする。
本発明は、また上記ポリペプチドが、別のポリペプチド、親水性又は疎水性ターゲティング剤又は生物転化(bioconversion)プリカーサと縮合された、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つポリペプチドの形状にある、化粧料組成物又は薬理組成物に関連する。
さらに、ポリペプチドの一次アミノ酸配列が、プロテアーゼによって特異的に認識されるサイトを決定することも公知であり、該プロテアーゼは、これらサイトの認識が、一旦有効なものとなれば、該ポリペプチドとの結合の有無に拘らず、プロテオリシスによるその開裂を誘発するであろう。
結果的に、本発明は、また生理的に許容される媒体中に、ポリペプチド若しくはその同族体のプロテオリシスによって誘導された、少なくとも1種のポリペプチド混合物を含み、該ポリペプチドの配列は、完全に又は部分的に、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表されるものであり、及びより具体的には、該配列はSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表されるものであることを特徴とする、化粧料組成物又は薬理組成物に関連する。
本発明の組成物に含まれるポリペプチドの量は、勿論、所望の効果に依存し、また結果として広い範囲で変えることができる。
その大きさの程度を与えるとすれば、本発明の組成物は、本発明によるポリペプチドを、該組成物全質量に対して、0.00001〜50%なる範囲の量、及び好ましくは該組成物全質量基準で、0.001〜10%なる範囲の量、及びより一層好ましくは該組成物全質量基準で、0.1〜1%なる範囲の量で含むことができる。
上記の如く、多数の障害が、細胞分化及び/又は細胞増殖状態と関連している。本発明によるポリペプチドが、これら2つの現象の調節に関与している限りにおいて、これらは、細胞増殖又は細胞分化、特に表皮の細胞増殖又は細胞分化に起因するあらゆる障害を治療するための、有利な、潜在的なターゲットとなる。結局、本発明のポリペプチドが、化粧料組成物又は薬理組成物における活性物質として、直接使用できるという事実にも拘らず、これらは、また化粧学的又は薬理的な治療におけるターゲットとして機能し、あるいは診断用の手段としても利用できる。
さらに、本発明者等は、部分的にはN-末端部分に局在した、上記ペプチド配列:SEQ ID NO:5における開裂サイトの存在、及び活性な形状:SEQ ID NO:6及びSEQ ID NO:16における存在及び部分的なそのC-末端部分における存在並びに活性な形状: SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27における存在を特徴付けした。より正確には、該SASPアーゼ自体の自己活性化のために推定された開裂サイトは、F/A、N/S、E/L、A/L、R/F、H/S、F/E、E/Aである。明らかに、これらの開裂サイトは、該タンパクの活性化における、あるいはその活性化を遮断するための、若しくは逆にその加水分解を促進するための、決定的因子であり得る。
より正確には、N-末端領域に位置するこれら関連サイトは、F/A及びN/Sであり、またSEQ ID NO:29として言及するFANS配列中に現れる。これらは、特にSEQ ID NO:25で表される、活性化形状の生成に関与するものと考えられる。
該SASPアーゼタンパク質:SEQ ID NO:5の活性化又は不活化のための、第二の有力な領域に関連して、これはより詳しくは、SEQ ID NO:30として示される配列:DLELIEに対応し、また特に該開裂サイトE/Lを含む。
これら開裂サイトに基いて、修飾されているか、あるいは抑制された発蛍光団を持ち、及び基質又は阻害剤として機能するであろう、様々な型のペプチドの合成をもくろむことが可能である。
使用できる最小の配列は、明らかにジペプチドであり得る(該開裂サイトの何れかの側のアミノ酸)が、一般的には該開裂サイトが中心位置にある、8〜12アミノ酸を含むペプチドを使用する。例えば、該SASPアーゼは、インシュリンをそのE/A位置において開裂することが知られている。従って、この開裂サイトを組込んだ、ペプチド-型の基質を開発し、これをその各末端において、Abz(NO2)Try (N-末端:アミノ安息香酸;C-末端:ニトロチロシン(アミド))型の抑制された発蛍光団で、化学的に修飾することを想像することができる。このペプチドの該プロテアーゼによる加水分解は、該発蛍光団及びその抑制剤を分離し、かつ結果的に蛍光における増加を伴うであろう。
もう一つの化学的な対、例えばDabcyl/EDANSを、他の型の抑制された基質を生成するのに使用できる。
また、該ペプチドとp-ニトロアニリド基とを結合させて、色素産生の基質を工夫することも可能である。
同様にして、このようなペプチドのアミノ酸の一つを置換することにより、該ペプチド結合を修飾することにより、あるいは該結合を該酵素により加水分解不可能なものとするが、該ペプチドが依然として該活性サイトに対してアフィニティーを持つように、化学的な基を付加することにより、SASPアーゼ-特異的阻害剤の開発を工夫することも可能である。例えば、非-天然産のアミノ酸を付加して、該ペプチド結合を還元するか、あるいはアルデヒド、クロロメチルケトン又はジアゾメチルケトン型の化学基を付加する。
本発明者等は、特にSEQ ID NO:30によって表されるペプチド基質内に導入した、点修飾が、該酵素に対する該ペプチドのアフィニティーに、多大な効果を及ぼし得ることを明らかにした。
より正確には、この対応する修飾された配列は、有力なSASPアーゼ阻害剤又は活性化剤を構成できることを立証している。
これらの有力なモジュレータを例示するために、より詳しくは、少なくとも以下の配列をもつペプチド基質を、提案することができる:
EFDLELIEED SEQ ID NO: 31
EFDLDLIEED SEQ ID NO: 32
EFDLDLIEWD SEQ ID NO: 33
EFDLDLIHWD SEQ ID NO: 34
EPNLDLIEED SEQ ID NO: 35
該配列:SEQ ID NO: 31及びSEQ ID NO: 32で表される基質の活性化剤としての効果を、特に注目した。
結果として、本発明は、またポリペプチド及びその同族体と相互作用させるための、組成物の製造における、化学的な又は生物学的な化合物の使用にも関連し、該ポリペプチドのペプチド配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:30から選択される少なくとも1種の配列を含み、またより特定的には配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27又はSEQ ID NO:30を持つポリペプチドと相互作用させ、あるいはこれらの生物学的な活性を変調するための、上記化合物の使用に関する。
この生物学的な化合物は、特に該ポリペプチド及び好ましくは一次配列として上記配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つポリペプチドのアミノ酸配列内の、認識及び/又は結合及び開裂のための、特異的なサイトを持つプロテアーゼであり得る。
偶然にも、レトロペプシン型のプロテアーゼ阻害剤が、該SASPアーゼタンパクの活性に関連して、ある作用を示すことを見出した。本発明により使用できる阻害剤の例としては、特にレトロペプシン阻害剤、特にバケム(Bachem)によって販売されている阻害剤を挙げることができる。
この阻害剤は、また該SASPアーゼ(SEQ ID NO:5)又はSEQ ID NO:6、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表される、その活性化型の1種の二量体化を、これらがプロテオリシスに対して活性化する前に、妨害するように選択することもできる。この阻害剤は、また該SASPアーゼ又はその自己活性化を特異的に阻害できる内在性の阻害剤であり得る。
同様に、この生物学的な化合物は、活性化剤でもあり得る。その例示のためには、特に以下の実施例VIIIにおいて特徴付けされる、RP3レトロペプシンモジュレータを列挙することができる。
これは、また該ポリペプチドに対して、抗体特異的であり得る。
同様に、本発明は、生物学的又は化学的な化合物の、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つポリペプチドのダイマー化を阻害するための組成物の製造における利用にまで拡張される。
本発明の課題は、またポリペプチドの、該SASPアーゼの活性を変調するための組成物の製造における使用であり、該ポリペプチドの配列は、少なくともSEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34及びSEQ ID NO:35、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:30から選択される配列を含み、及び特にこれらから選択される配列で表される。
本発明により特許請求され、かつ考察された薬理組成物又は化粧料組成物は、化粧学、皮膚科学、皮膚化粧学及び薬理学の分野において使用される組成物であり得る。
生理的に許容される媒体は、本発明によれば、皮膚、粘膜及びツメ及び/又は毛髪と相溶性の、化粧学的に又は薬学的に許容される媒体である。
本発明の組成物は、ツメ、毛髪、及びより具体的には皮膚並びに粘膜に対して適用できる。
これらは、特に1又はそれ以上の表皮に係るメカニズム、例えばタンパク質の劣化、酵素の活性化、及び/又は表皮の分化/増殖現象に作用させることが有利である。
偶然にも、本発明の組成物は、表皮の分化/増殖における不釣合いを保証する上で、特に有用である。より詳しくは、これら組成物は、湿潤化、炎症化、メラニン形成及び/又は落屑現象を調節するために、老化現象、防御メカニズム、幾つかの型の細胞及び皮膚:ケラチノサイト、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、セボサイト(sebocytes;皮脂細胞)、脂肪細胞における分化/増殖の調節、さらにまた分泌現象並びに侵襲過程の制御のために有用であり得る。
より正確には、特許請求した組成物は、以下の領域において有利であることが立証されている:
・分化及び増殖と係る、ケラチン生成(角化)状態に関連する皮膚科学的な徴候、疾患の治療、特に尋常性アクネ、コメド型(comedo-type)アクネ、多形性アクネ、シュサ、結節嚢胞性(nodulocystic)アクネ、球状アクネ、老年期のアクネ、及び二次的アクネ、例えば太陽光、薬物-関連又は職業的なアクネの治療;
・他の型のケラチン生成(角化)の治療、特に魚鱗癬、魚鱗癬様状態、ダリエ病、パルモプランタ(palmoplantar)角皮症、白斑症及び白斑症様状態、及び皮膚又は粘膜(口腔)苔癬の治療;
・ケラチン生成(角化)状態、炎症性及び/又はイムノアレルギー性(immuno-allergic)成分に関連するその他の皮膚科学的な徴候、疾患の治療、及び特に乾癬のあらゆる形態、例えば皮膚、粘膜又はツメの乾癬、及び乾癬性のリウマチ、又は交代性の皮膚アトピー、例えば湿疹、又は蕁麻疹又は歯肉肥大の治療、ここで該化合物は、如何なる角化状態をも示さない、幾つかの炎症性の軽度の障害においても使用できる;
・良性であれ、悪性であれ、ウイルス起源であろうがなかろうが、あらゆる皮膚又は表皮の増殖の処置、例えば尋常性ユウゼイ、扁平性ユウゼイ及びユウゼイ状表皮異形成、口腔又は開花性の乳頭腫症、及び紫外光により誘発される可能性のある細胞増殖、特に基底層細胞及び有棘細胞の上皮腫の治療;
・他の皮膚科学的な諸疾患、例えば水泡性皮膚疾患及び膠原病の治療;
・光誘発性であれ、経年性であれ、皮膚の老化の修復又は除去、あるいは紫外線角化症及び色素沈着の軽減、又は経年性の又は紫外線誘発性の老化に関連するあらゆる病理的な状態の治療;
・局所的な又は全身的なコルチコステロイドによって誘発される、表皮及び/又は皮膚の萎縮の諸徴候の予防又は治癒あるいは皮膚萎縮のあらゆる他の形状の予防又は治癒;
・瘢痕化状態の予防又は治療又は妊娠線の排除又は修復;及び
・皮腺機能状態、例えばアクネの過度の脂漏症(hyperseborrhea)又は単純な脂漏症の排除。
化粧料の分野における、特に身体及び毛髪の衛生のために適用する場合、本発明による組成物は、アクネに罹り易い皮膚の治療のため、毛髪の再成長のため、毛髪喪失防止のため、皮膚又は毛髪の脂ぎった外観を除去するため、日光の有害な特徴からの防御又は生理的な乾燥肌(ドライスキン)の治療において、光誘発性又は経年性の老化の予防及び/又は除去のために有用である。これらは、また修復された皮膚の改善のためにも有用であり得る。該ポリペプチド及び/又はその誘導体及び/又はその活性又はその活性化のモジュレータも、直接培地内で使用できる。
本発明の毛一つの課題は、細胞増殖及び/又は分化の機能不全に関連する皮膚の状態、特に乾燥肌、角質増殖症、錯角化症、脂肪生成状態、新形成及び/又は皮膚老化の徴候を除去することを目的とする、化粧学的処置方法であって、この方法は、少なくとも1種のポリペプチドを含む化粧料組成物、ここでそのペプチド配列はSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択される少なくとも1種の配列を含み、及び特に該ポリペプチドの配列は、完全に又は部分的に、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表される配列を持ち、及びより具体的には、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持ち、あるいは該ポリペプチドのプロテオリシスにより誘導される混合物を含む化粧料組成物を、皮膚、粘膜及び/又はケラチン繊維に適用することを特徴とする。
本発明の処置(治療)方法は、表皮の増殖及び/又は分化状態を経験する個人の審美的な外観を改善するための、化粧学的方法である。
本発明は、またペプチド配列が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択される少なくとも1種の配列を含む、及び得に該ペプチド配列が、全体的に又は部分的に、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表されるものであり、及びより具体的には配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つポリペプチドの、又は1種の該ポリペプチドをプロテオリシスに付すことにより誘導された混合物の、皮膚科学的な疾患、及び特に上記した諸疾患を治療するための薬理組成物の製造における使用にも関連する。
特に、本発明は、ポリペプチド又は上記のような混合物の、魚鱗癬、乾癬、又は角質増殖症又は錯角化症を包含する、又は炎症性の成分を含む任意の病理的状態の治療を目的とする薬理組成物の製造における使用に関連する。これらは、また鎮痛性組成物、又はある種の皮膚疾患、例えば湿疹、シュサ、苔癬、掻痒症、又は重度の掻痒症を治療するための組成物でもあり得る。
配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つ該ポリペプチドが、実施例及び図4に示すように、レトロウイルスタンパク、特にヒト免疫不全症ウイルスとかなりの構造上の相同性を持つ場合、これらは、ウイルス感染を変調することができ、又は幾つかのウイルスアンチプロテアーゼによって変調され得る薬物の如く、挙動することができる。
結果として、本発明の課題は、またペプチド配列が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択される少なくとも1種の配列を含むポリペプチド、及びその同族体の、抗-ウイルス性組成物を製造するための使用にも係り、ここで該ポリペプチドの配列は、特に完全に又は部分的に、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27で表され、及びより詳しくは、該ポリペプチドは、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を有する。
これら組成物は、特に乳頭腫ウイルス、ヘルペス又はHIV型のウイルスに関連する、表皮の病理的状態を治療するのに有用であり得る。
同様に、このような組成物は、これらウイルス又は他の病理学的なウイルスに対する医薬製品による、内在性SASPアーゼの阻害に関連する副作用を処置する上で、有利であり得る。より具体的には、本発明のポリペプチドのこの特定の用途は、以下の実施例において例示されるように、該SASPアーゼとウイルスのレトロペプシンとの間に観察される、構造上の相同性を利用している。
この治療は、一般的に上記のような組成物を、治療すべき個体の皮膚に適用することを含む。
本発明の課題は、またあるポリペプチドの、診断又はスクリーニング法における手段としての、あるいは診断用の手段を製造するための使用にも係り、ここで該ポリペプチドのペプチド配列は、配列:SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27から選択されるものである。
より正確には、本発明は、ポリペプチド及びその同族体の、又はそのプロテオリシスにより得たフラグメント及びその配列から演繹された配列を持つ合成ペプチドの、場合によっては表皮から、可能なリガンドとの相互作用を変調することのできる任意の分子を製造し、若しくは精製するための使用を目的とし、ここで該ポリペプチドのペプチド配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択されるものであり、より具体的には該ポリペプチドは、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つものである。
さらに、本発明は、ポリペプチド及びその同族体の、そのプロテオリシスにより得たフラグメント又はその配列から演繹された配列を持つ合成ペプチドの、より少ない副作用を持つ、新規な抗-ウイルス分子を選別するための使用を目的とし、ここで該ポリペプチドのペプチド配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択されるものであり、より具体的には該ポリペプチドは、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つものである。
本発明の課題は、またポリペプチド及びその同族体、そのプロテオリシスにより得たフラグメント又はその配列から演繹された配列を持つ合成ペプチドの、特に該ポリペプチド及びそのフラグメントの精製、又はその活性の変調のための、特異的な抗-血清及び/又はモノクローナル抗体の製造における使用であり、ここで該ポリペプチドのペプチド配列は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25及びSEQ ID NO:27から選択されるものであり、及びより具体的には該ポリペプチドは、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27を持つものである。
拡張により、本発明の課題は、また組換え抗体又は抗体フラグメントを製造するための、該配列の任意の使用に係り、ここで使用した生物学的な系が該抗体又はフラグメントを製造するか否かは無関係である。
本発明の課題は、さらにペプチド配列が、完全に又は部分的に、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27で表されるポリペプチド、及びより具体的には、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27からなるポリペプチドを、特異的に認識することを特徴とする、ポリクローナル又はモノクローナル抗体にある。
本発明は、またこの抗体の、SASPアーゼタンパク(SEQ ID NO:5)の欠乏又は過剰発現の診断を目的とする組成物を製造するための使用をも、目的とする。
本発明は、さらにこの抗体の、SASPアーゼの過剰発現及び/又は病的に過大な活性によって特徴付けられる、病理的状態を治療する際の、該SASPアーゼの活性を遮断し及び/又はその活性化を目的とする、組成物を製造するための使用にも関連する。
この抗体は、抗体生成の目的で使用できる任意の動物種、特にウサギの免疫化によって製造できる抗体であり得る。この抗体は、本発明のポリペプチドを用いて免疫化することによって製造でき、該ポリペプチドは、天然産、合成品又は組換え起源の何れであっても良く、好ましくは精製されたものである。
タンパク質が、これをコードするデオキシリボ核酸(DNA)マトリックスに基いて、細胞内で合成されることは、公知である。同様に、遺伝子コードが縮重していることも公知である。従って、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列は、様々なデオキシリボ核酸配列から誘導でき、該核酸は天然又は合成品何れであっても良い。用語「合成デオキシリボ核酸配列」とは、ここでは化学的に又は遺伝子操作によって得られる、任意の配列を意味する。
該デオキシリボ核酸配列は、任意の可能な起源、即ち動物、特に哺乳動物、及びより一層具体的にはヒト起源の、又は植物起源、又は微生物(特に、ウイルス、ファージ、バクテリア)、あるいはまた真菌から、これらが元々該起源となる生物中に存在するか否かに関する先入観無しに、誘導することができる。
こうして、本発明は、該特許請求されたポリペプチドをコードする、単離され、かつ精製されたデオキシリボ核酸フラグメントに関する。
これらの研究中に、本出願人は、配列:SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27をもつポリペプチドの、一次アミノ酸配列をコードする、デオキシリボ核酸フラグメントを、ヒトの皮膚から単離し、かつ精製した。
本発明の課題は、単離され、かつ精製されたデオキシリボ核酸フラグメントを提供することにあり、その核酸配列は、少なくともコードヌクレオチド配列:SEQ ID NO:24を含み、また特にコードヌクレオチド配列:SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26又はSEQ ID NO:28によって表される。
本発明によるこの核酸配列は、特に対応するセンス又はアンチセンスリボ核酸配列を製造するのに使用できる。
本発明の課題は、また任意のポリヌクレオチド、リボ核酸又はデオキシリボ核酸を提供することにあり、これらはセンス又はアンチセンスの、特に少なくとも該コードヌクレオチド配列:SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26又はSEQ ID NO:28に対応する、「小さな干渉性RNA」であり得る。
本発明の核酸配列は、また高いストリンジェンシー条件下で、配列:SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26及びSEQ ID NO:28とハイブリッド化する、オリゴヌクレオチドプライマーを製造するのに利用できる。
これらのセンス及び/又はアンチセンスオリゴヌクレオチドプライマーは、「PCR」(ポリメラーゼ連鎖反応)技術、あるいはその任意の他の変法に従って、配列:SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:25又はSEQ ID NO:27によって表されるポリペプチドをクローニングし、同定し、あるいは診断するための、配列決定反応又は特異的増幅反応にとって有用であり得る。
特に、本発明のプローブ又はプライマーは、その使用前に標識される。そのためには、幾つかの技術が、当業者の実施の範囲内にあり、例えば蛍光標識、放射線標識、化学発光標識又は酵素標識がある。
これらのヌクレオチドプローブを、本発明によるポリペプチドをコードする核酸配列の合成を検出するために使用する、インビトロ診断法は、本発明の範囲内に含まれる。
配列:SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26又はSEQ ID NO:28に対応するDNAフラグメントも、発現ベクターに組込むことができ、かくして対応する「組換え」タンパクの合成が可能となる。
従って、本発明の課題は、また該コードヌクレオチド配列:SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26又はSEQ ID NO:28の全て又は一部を含む、組換え発現ベクターを提供することにある。
本発明の課題は、さらに生理的に許容される媒体中に、本発明によるポリペプチドの一次アミノ酸配列をコードする、天然又は合成デオキシリボ核酸配列、又は上記配列:SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26又はSEQ ID NO:28に対応する、センス又はアンチセンスリボ核酸配列、特に干渉性アンチセンスリボ核酸を含む、化粧料組成物又は薬理組成物を提供することにある。
一般に、本発明の任意の組成物は、摂取し、注射し、又は皮膚(身体の任意の皮膚領域)に、あるいは粘膜(口腔、頬、歯肉、生殖器、結膜等)に適用することができる。
好ましくは、本発明の組成物は、皮膚又は粘膜に適用する。
考察中の投与方法によれば、該組成物は、通常使用されている医薬形状の何れであっても良い。
皮膚に対する局所的な適用のためには、本発明の組成物は、水性又は油性溶液、又はローション又は血清型の分散物、脂肪層を水性層に分散(O/W)させ、あるいはその逆(W/O)によって得られる、ミルク型の液状又は半液状のコンシステンシーを持つエマルション、水性又は無水クリーム若しくはゲル型の柔軟なコンシステンシーを持つ懸濁液又はエマルション、あるいはさらにマイクロカプセル又は微細粒子、あるいはイオン性及び/又は非-イオン性の小胞分散物、又はフォーム等の形状を持つことができる。これらの組成物は、通常の方法で製造できる。
注射のためには、該組成物は、水性又は油性ローション、又は血清形状であり得る。目に対しては、該組成物は、点眼液の状態であり得、また摂取する場合には、カプセル又は顆粒、又はシロップ若しくは錠剤の形状を持つことができる。
本発明の組成物の上記種々の成分の量は、考察中の各分野において従来使用されているような量である。
化粧料の分野では、これらの組成物は、特にクレンジング、保護、トリートメント又は顔面、手、足、大きな解剖学的なヒダ又は身体用ケアクリーム(例えば、デイクリーム、ナイトクリーム、メークアップ除去用クリーム、ファンデーションクリーム、日焼け防止クリーム)、液状ファンデーション、メークアップ除去用ミルク、保護用ボディーミルク又はボディーケアミルク、日焼け防止ミルク、スキンケアローション、ゲル又はフォーム、例えばクレンジングローション、日焼け防止ローション、人工日焼けローション、浴用組成物、殺菌剤を含むデオドラント(脱臭)組成物、アフターシェービングゲル又はローション、脱毛クリーム、虫除け組成物、鎮痛組成物、又は幾つかの皮膚疾患、例えば湿疹、シュサ、乾癬、苔癬及び重度の掻痒症を治療するための組成物を構成する。
本発明の組成物は、またクレンジング石鹸又はバーを構成する、固体処方物からなっていてもよい。
本発明の組成物は、さらに加圧された噴射剤をも含む、エーロゾルとして包装することもできる。
本発明の組成物は、また頭皮用ケア組成物、特にシャンプー、セット用ローション、トリートメント用ローション、スタイリングクリーム又はゲル、場合によっては着色シャンプーとしての、染料組成物(特に、酸化染色用の)、毛髪用の再構成ローション、パーマネントウエーブ組成物(特に、パーマネントウエーブ作業の第一段階用の組成物)、脱毛防止用のローション又はゲル、駆虫性シャンプー、フケ防止用シャンプー等であり得る。
組成物は、また口腔歯科学的用途、例えば歯磨き粉であってもよい。この場合、該組成物は、口腔用途の組成物にとって有用な、アジュバント及び添加剤、及び特に界面活性剤、増粘剤、湿潤剤、研磨剤、例えばシリカ、様々な活性成分、例えばフッ素化物、特にフッ素化ナトリウム、及び場合によりサッカリンナトリウム等の甘味料を含むことができる。
この組成物がエマルションである場合、その脂肪層の割合は、該組成物全質量に対して、約5〜80質量%なる範囲及び好ましくは約5〜50質量%なる範囲であり得る。エマルション状態にあるこの組成物において、オイル、ワックス、乳化剤及び補助乳化剤は、化粧品の分野において従来使用されているものから選択される。該乳化剤及び補助乳化剤は、該組成物中に、該組成物全質量に対して、0.3〜30質量%なる範囲及び好ましくは0.5〜20質量%なる範囲の割合で存在する。このエマルションは、また脂質小嚢を含むこともできる。
この組成物が、油性の溶液又はゲルである場合、その脂肪相は、該組成物全質量の90%以上を占めることができる。
公知の方法で、この化粧料組成物は、化粧品の分野において一般的なアジュバント、例えば親水性又は親油性ゲル化剤、親水性又は親油性添加剤、保存剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、遮断剤、脱臭剤及び色素を含むこともできる。これら様々なアジュバントの量は、化粧品の分野において従来使用されている量であり、例えば該組成物全質量に対して、0.01〜10質量%なる範囲にある。その特性に依存して、これらのアジュバントは、脂肪相、水性相及び/又は脂質球状体に導入することができる。
本発明において使用できるオイル又はワックスは、無機オイル(液状石油ゼリー)、植物オイル(カライト(karate)バターの液状部分、又はヒマワリオイル)、動物オイル(パーヒドロスクアレン)、合成オイル(パーセリン(Purcellin)オイル)、シリコーンオイル又はワックス(シクロメチコン(cyclomethicone))、及びフッ素含有オイル(パーフルオロポリエーテル)、蜜蝋、カルナウバロウ又はパラフィンワックスから作ることができる。脂肪アルコール又は脂肪酸(ステアリン酸)を、これらオイルに添加することができる。本発明において使用できる乳化剤としては、例えばグリセリルステアレート、ポリソルベート60及びGattefosse社によってテフォス(TefoseTM) 36なる名称の下で市販されている、混合物PEG-6/PEG-32/グリコールステアレートを挙げることができる。
本発明において使用できる溶媒としては、低級アルコール、特にエタノール及びイソプロパノール、並びにプロピレングリコールを挙げることができる。
本発明において使用できる親水性のゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー(カルボマー(CarbomerTM)、アクリル系コポリマー、例えばアクリレート/アルキルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、多糖類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガム及びクレーを挙げることができ、また親油性ゲル化剤としては、変性クレー、例えばベントン(bentones)、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム及び疎水性シリカ、エチルセルロース及びポリエチレンを挙げることができる。
本発明の組成物は、他の親水性活性剤、例えばタンパク質又はタンパク質水解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖及び糖の誘導体、水溶性ビタミン、植物抽出物及びオキシ酸を含むことができる。
本発明において使用できる親油性活性剤は、レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、必須脂肪酸、セラミド、精油、及びサリチル酸並びにその誘導体を包含する。
本発明によれば、この組成物は、特に皮膚疾患の予防及び/又は治療を目的とする、少なくとも1種の他の活性薬剤と組み合わせることができる。これら活性薬剤としては、その例として以下に列挙するものを挙げることができる:
・皮膚の分化及び/又は増殖及び/又は色素沈着を減じる薬剤、例えばレチノイン酸及びその異性体、レチノール及びそのエステル、ビタミンD及びその誘導体、エストロゲン、例えばエストラジオール、コウジ酸又はヒドロキノン;
・抗菌剤、例えばクリンダマイシンリン酸塩又はエリスロマイシン又は抗生物質であるテトラサイクリン群;
・駆虫薬、とりわけメトロニダゾール、クロタミトン又はピレスリノイド(pyrethrinoids);
・抗-真菌剤、特にイミダゾール群に属する化合物、例えばエコナゾール、ケトコナゾール、又はミコナゾール又はこれらの塩、ポリエン化合物、例えばアンホテリシンB、アリルアミン群の化合物、例えばテルビナフィン、あるいはまたオクトピロックス(Octopirox;ピロクトン);
・抗-ウイルス剤、例えばアシクロビル;
・ステロイド系抗-炎症剤、例えばヒドロコルチゾン、ベータメタゾンバレレート又はプロピオン酸クロベタゾール、又は非-ステロイド系抗-炎症剤、例えばイブプロフェン及びその塩、ジクロフェナク及びその塩、アセチルサリチル酸、アセタミノフェン又はグリチルリチン酸;
・麻酔薬、例えばリドカイン塩酸塩及びその誘導体;
・抗-掻痒化剤、例えばテナリジン、トリメプラジン(酒石酸アリメマジン)又はシプロヘプタジン;
・角質溶解剤、例えばα-及びβ-ヒドロキシカルボン酸又はβ-ケトカルボン酸、その塩、アミド又はエステル、及びより具体的にはヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸及び一般的なフルーツ酸、及び5-n-オクタノイルサリチル酸;
・フリーラジカルスカベンジャー、例えばα-トコフェロール又はそのエステル、スーパーオキシドジスムターゼ、幾つかの金属キレート化剤、又はアスコルビン酸及びそのエステル;
・抗-脂漏剤、例えばプロゲステロン;
・フケ防止剤、例えばオクトピロックス又はピリチオン亜鉛;
・抗-アクネ剤、例えばレチノイン酸又はベンゾイルパーオキシド。
このように、特定の態様によれば、本発明の組成物は、また抗菌剤、駆虫薬、抗-真菌剤、抗-ウイルス剤、抗-炎症剤及び抗-掻痒化剤、麻酔剤、角質溶解剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗-脂漏剤、フケ防止剤、抗-アクネ剤及び/又は皮膚の分化及び/又は増殖及び/又は色素沈着を減じるための薬剤から選択される少なくとも1種をも含む。
実施例
物質:様々な実験において使用するオリゴヌクレオチドを、以下の表1に与える:
Figure 0004459808
Not I-(dT)18は、Aの一連の長いもの、例えばポリA+シリーズと結合するように設計されている。逆転写反応で使用した場合、Not I-(dT)18は、該ポリA+と結合する。
実施例I:二次元電気泳動法及び配列決定法による、SASPアーゼの同定及び単離
a) ヒト表皮からの調製
バッファー:
I:0.3%のSDS、28mMのTris-HCl、22mMのTris塩基
2D:8Mの尿素、2%(w/v)の3-[(3-コラミドプロピル(cholamidopropyl))-ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)、20mMのジチオスレイトール、アマーシャムファルマーシアバイオテック社により市販されている、0.5%(v/v)のバッファーインモビリン(Imobiline) (pH勾配) (IPG)、pH=3 9-10、18cm。
復元されたヒト表皮の抽出液を、D13エピスキン(Episkin)キット30単位から調製する。15mlのバッファーIを、30個の復元した表皮に添加し、この混合物全体を、ポッター(Potter)ホモジナイザーで均質化し、10分間煮沸させ、次いで再度ポッターホモジナイザーで均質化する。次に、この溶液を10000gにて10分間遠心分離処理する。得られた上澄みを集め、0.22μmのメンブランフィルターを介して濾過する。このようにして12mlの上澄みSIを得る。次に、冷アセトン(10v/2v)を、この上澄みSIに添加する。20分間インキュベートした後、この得られた混合物を、9400gにて10分間遠心分離処理する。次いで、上澄みを除去し、ペレットを周囲温度にて20分間乾燥させる。次に、このペレットを、2mlの2Dバッファーに分散させる。このように、抽出液EIを得る。その最終的なタンパク質濃度は、11mg/mlである。
b) 二次元ゲル
該抽出液EI中に含まれるタンパク質の二次元分離は、ファルマーシア製のデバイス(モデルマルチフォア(Multiphor) II)で行う。このタンパク質の二次元分離は、該デバイスの供給元の薦めに従って行ったが、一次元方向における移動後の、該IPGゲルの再度の平衡化のために、ヨードアセタミドの使用を省略した。スポットの染色、その回収及びこれらスポットの含有するポリペプチドの配列決定は、Mehul B, Bernard D, Simonetti L, Bernard MA, Schmidt R: ヒト表皮由来の新規カルモジュリン-様タンパクの同定及びクローニング(Identification and cloning of a new calmodulin-like protein from human epidermis), J. Biol. Chem., 2000, 275:12841-12347あるいはまた微量配列決定のための、タンパク及びペプチド精製に関する実務ガイド(A practical guide to protein and peptide purification for micro-sequencing) (Paul Matsudaira編, 第二編, 1993)に記載されている技術に従って行った。対応する電気泳動用ゲルを図1に示した。
該タンパク質は、アミドブラック染色により検出した。エドマン(Edman)配列決定により同定されたタンパク質に対応するスポットは、これらタンパク質の名称と共に、所定の位置におかれる。SASPアーゼと呼ぶスポットは、見かけのMW12kD及び5.8なるpIを持つタンパクの表皮型を探し出すことを可能にする。
得られた結果は、配列:SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びSEQ ID NO:3の特徴付けを可能とした。
実施例II:ヒトケラチノサイト由来のSASPアーゼをコードするcDNAの単離及びSASPアーゼ(SEQ ID NO:5)及びその切頭(Δ1-84)型(SEQ ID NO:4)の発現
a) cDNAの調製
培養13日後の、再生されたヒト表皮由来のケラチノサイトの全RNAを、RNAを製造するための「RNイージーキット(RNeasy kit)」を用いて調製し、キアゲン(Qiagen)社によって市販されている「キアシュレッダーカラム(QIAshredder columnTM)」キットを、該供給元の指示に従って精製した。
このようにして調製したRNAの相補的DNA(cDNA)は、アマーシャムファルマーシアバイオテック社により市販されている「ファーストストランドcDNA合成(First Strand cDNA SynthesisTM)」キットを用いて、該供給元の指示に従って、またプライマーとしてオリゴヌクレオチドNot I-(dT)18を用いて、合成した。
このようにして得た完全なSASPアーゼをコードするcDNAフラグメントを、パーキン-エルマー(Perkin-Elmer)者により市販されている「サーモサイクラー(ThermocyclerTM)」デバイス内で、プロメガ(Promega)社により市販されているDNAポリメラーゼpfu及びプライマーとしてオリゴヌクレオチド対SC140 (SEQ ID NO:10)/SC131 (SEQ ID NO:11)を用いて、以下のような条件下で、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRs)によって増幅した:1サイクル(95℃にて2分間)、35サイクル(94℃にて30秒、65℃にて30秒、72℃にて2分間)及び1サイクル(72℃にて7分間)。
同様に、該SASPアーゼの84N-末端アミノ酸が欠けている、Δ1-84と呼ばれる、切頭型SASPアーゼ(SEQ ID NO:4)をコードするcDNAフラグメントは、プライマーとしてオリゴヌクレオチド対SC131/SC130 (SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:12)を用いて、PCRによって増幅した。
b) 組換えSASPアーゼ(rSASPアーゼ)の構築及び発現
上で得たSASPアーゼcDNAを、BamH-1/EcoRI制限サイトにおける開裂/連結によって、アマーシャムファルマーシアバイオテック社により市販されている、プラスミドベクターpGex-4T-3内に導入する。読取り枠の相内に、該SASPアーゼのコード配列(SEQ ID NO:5)及びグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)のコード配列を含む、この組換えプラスミドを、アマーシャムファルマーシアバイオテック社により市販されている、E.コリ菌株BL21(DE3)に導入する。このバクテリアにより発現される組換え融合タンパクは、穏やかな条件下でトロンビンによって開裂することができ、従ってその構築は、得られる該融合タンパクが、このプロテアーゼにより開裂されるサイトを持つように行われる。
この発現生成物を、グルタチオン-セファロースカラム上でのアフィニティークロマトグラフィーによって精製する。
これらの実験全ては、上記供給元からの様々なプロトコールを、厳密に適用することによって行った。
上記方法を実施することにより得た、発現生成物のアリコート部分の、SDS-PAGEゲル電気泳動分析は、この方法が、十分な量の該組換え融合タンパクGST-SASPアーゼの製造を可能とすることを示す。
同様に、十分な量での、該組換え融合タンパクGST-切頭SASPアーゼΔ1-84 (SEQ ID NO:4)の発現が達成された。
実施例III:活性化されたSASPアーゼ(SEQ ID NO:6)の製造
実施例IIで得た、グルタチオン-セファロースカラムから溶出された、該組換え融合タンパクGST-SASPアーゼΔ1-84 (SEQ ID NO:4)を、PBSバッファー中で、トロンビンと共に、pH 8にて、22℃で18時間インキュベートする。このバッファーは、バイオラド(Biorad) G25TMゲルで濾過することによって、pH 4.5の100mMアセテート溶液で置換する。かくして得たこの混合物を、NaCl勾配(0〜1M NaCl)を用いた、カチオン性クロマトグラフィーにかける。該GST及びトロンビンを含む画分を除去し、また750mMのNaCl溶液で溶出した画分を回収する。カゼイン分解(caseinolytic)活性を含む(データは示さず)、750mMのNaCl溶液で溶出した画分について行った、SDS-PAGEゲル電気泳動分析は、分子量マーカーとの比較により、見かけ上の分子量12kDを持つ大きな主バンド、及び該切頭SASPアーゼ型Δ1-84(SEQ ID NO:4)に対応する小さなバンドの存在を示す。
この12kDの形状は、該SASPアーゼの活性化型に対応する。該エドマンの配列決定は、単離された生成物が、この活性化されたSASPアーゼ(SEQ ID NO:6)に相当することを示す。
実施例IV:活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:25)の獲得
クイックチェンジサイト-選択性突然変異誘発(Quick Change Site-directed Mutagenesis)キット(ストラタジーヌ(Stratagene))及び適当なプライマーを用いた、該切頭型のSASPアーゼ(SEQ ID NO:4)上のFANS配列をコードするサイトの欠失操作を、DNAマトリックスとして、該SASPアーゼC27配列(SEQ ID NO:4)を用いて、ベクターpGEX-4T3内で行う。
SEQ ID NO:36で表されるタンパク配列を持つタンパク質を得る。
この新規なタンパクを、pH 5.00において、アセテートバッファー中でインキュベートした後に、驚いたことに、低分子量のフラグメント(SDS-PAGE電気泳動分析によれば、約21kD)の生成が見られ、理論的な質量18731.44を持つ、せいぜい配列:SEQ ID NO:25を持つに過ぎない。
理論的な質量16794.43を持つ、SEQ ID NO:27は、SEQ ID NO:6型と同一のC-末端活性化を仮定して、SEQ ID NO:25から得られる。
実施例V:該SASPアーゼタンパクのプロテオリシス活性の特徴付け
a) 基質に対する活性
この活性は、以下のプロトコールに従って立証した。
インシュリン(シグマ(Sigma)社)の酸化されたβ-鎖を基質として使用する。濃度は、pH 5.0の0.1Mアセテートバッファー1.5ml中で、50μgである。ゲル濾過により精製された、50μlの12kDのSASPアーゼ(SEQ ID NO:6) (約1 mg/ml)を添加して、この加水分解を開始させる。酵素又は基質のないコントロールを使用する。経時(37℃にて1〜24時間)に従って、HPLCを行って、該加水分解を追跡する。迅速に出現するピークは、主加水分解サイトに対応し、また24時間後においてのみ現れるピークは、二次サイトに対応するものである。これらのピークを、分画終了後に集めたが、N-末端配列である(パスツールインスティチュート(Pasteur Institute)、エドマン(EDMAN)の配列決定)。
FVNQHLCGSHLVEALYLVCGERGFF (SEQ ID NO: 15)
主サイト:E/A (ペプシン-様)
二次サイト:L/Y及びY/L (ペプシン-様)
これらの結果は、該活性化されたSASPアーゼが、インシュリンを分解できることを示している。該SASPアーゼの熱変性(95℃にて10分間)は、そのインシュリン分解活性を壊滅させる。さらに、そのカゼイン分解活性も、明らかとなった(結果は示さず)。
b) 自触媒活性
この第二のアッセイでは、自身が自触媒作用による基質として利用されるのは、該GST-SASPアーゼタンパク(SEQ ID NO:4)である。
50%のグリセロールを含む、pH 7.0の0.1Mリン酸バッファー中で3mg/mlなる濃度において、該GST-SASPアーゼは、pH 4.5の1Mアセテートバッファーによって、急速にpH 5.0まで酸性化される。37℃にて、各インキュベート時間において、アリコートを採取し、等量のDTTを含まない、ラエムリ(Laemmli)バッファーの添加により、該反応を遮断させる。この反応の終点において、各サンプルをSDS-PAGE電気泳動 (15%アクリルアミドゲル)で分析したが、その結果は、該融合タンパクの消失に引続き、12kDなる見かけのMWにて移動する、主ピークが徐々に出現することを立証している。
このアッセイは、該組換え融合タンパクGST-rSASPアーゼΔ1-84又は実施例Iで得たGST-SASPアーゼを、pH3〜6、好ましくは4〜6の酸性とし、次いでゲル濾過(G75)精製処理することにより、直接該活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:4)を得ることができることをも示している。
さらに、該活性化溶液の、エドマン配列決定及びQTOFマススペクトル分析による解析は、該自己活性化プロテアーゼに関して、確率において多少とも等価である、3つの開裂サイトを与える:
F/A (皮膚内の幾つかのメタロプロテアーゼと類似);
N/S (掲載されていない開裂サイト);
E/L (ウロキナーゼ及びMMPs1、2及び9を活性化できる、マトリライシンについてのみ説明されている)。
実施例VI:該SASPアーゼが、アスパラギン酸プロテアーゼ群に属するものであることを立証する、該SASPアーゼの活性サイトにおけるサイト-特異的突然変異
このSASPアーゼの突然変異体を製造するために、クイックチェンジサイト-選択性突然変異誘発キット(ストラタジーヌ製)を使用する。
該SASPアーゼ配列SEQ ID NO:5は、アスパラギン酸No.212、即ちその潜在的な活性サイトにおいて、修飾される。そのために、アミノ酸212が、アラニン(変異体A/D)又はグルタミン酸(変異体E/D)の何れかで置換されるように、2つのオリゴヌクレオチドを合成する。
PCR増幅を、各突然変異させたオリゴヌクレオチド対を用いて実施し、またベクターpGEX-4T3内の、該SASPアーゼC27配列を含むプラスミド構築物を、DNAマトリックスとして使用する。
コンピーテントバクテリア(XL1ブルー)を、次に各PCR生成物で形質転換する。幾つかのクローンを増幅し、かつ配列決定して、所定の突然変異及びその突然変異のみの存在を確認する。
該SASPアーゼC27及びその突然変異体の自己開裂
これら突然変異組換えタンパク質は、野生型形状のSASPアーゼC27(SEQ ID NO:4)と同様なプロトコールに従って製造する。
次いで、融合タンパク質形状で製造した各組換えタンパク質を、pH4.5の1Mアセテートバッファー中で、37℃にてインキュベートする。経時でサンプルを採取し、SDS-PAGEにより分析する。
GST-SASPアーゼC27の完全型における減少を、経時にて観測し、これは、自己開裂及び結果的に自己活性化であることが明らかとなり、多数の低分子量バンドが出現する。これらの部分である、該突然変異型(A/D)及び(E/D)は自己活性化しない。
この実験は、該SASPアーゼの活性サイトにおける、アスパラギン酸No.212の関与を明らかにしている。
実施例VII:ヒト組織及びケラチノサイトにおける、ノーザンブロッティング、RT-PCRによるSASPアーゼ発現の解析
この分析は、市販のpolyA + RNAブロット膜(アンビオン(AmbionTM))を使用して、その製造業者の記載したプロトコールに従って、ノーザンブロッティング法により、及びオリゲンテクノロジーズ社(OriGene Technologies, Inc.)によって市販されている、ヒト「ラピッド-スキャン(rapid-scanTM)」膜のcDNAコレクションを用いて、RT-PCRによって行った。
該ノーザンブロッティング分析は、プローブとして、実施例IIにおいて調製した組換えプラスミドから単離した、該SASPアーゼ(SEQ ID NO:4)の(切頭Δ1-84)型をコードするcDNAを使用し、また様々なRNAサンプルを含有する膜を用いて行った。
このPCRは、プロメガ社によって市販されているTaqポリメラーゼ、及びプライマーとしてオリゴヌクレオチド対SC134 (SEQ ID NO:13)/SC135 (SEQ ID NO:14)を用いて、以下の条件下で行う:
・94℃にて3分間の1サイクル;
・25〜30サイクル(94℃にて30秒、53℃にて30秒、72℃にて60秒);及び
・72℃にて5分間の1サイクル。
得られるPCR製品は、2%(質量/体積)アガロースゲル上で分離した後、エチジウムブロミド染色によって可視化する。
これら結果から、該SASPアーゼが、事実上テストした組織全体において実質的に、胎児肝臓、胎児の脳、卵巣、副腎、甲状腺、胎盤、精巣、胃、筋肉、肺、脾臓及び心臓において低レベルにて、及び骨髄、膵臓、唾液及び小腸においてさらに低レベルにて発現されることが明らかとなる。この発現は、他方において、脳において顕著であり及び皮膚内において特に高い。
実施例VIII:架橋剤を用いたSASPアーゼのオリゴマー化
使用するプロトコールは、T.D. Meek等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.86, pp. 1841-1845, 1989, 3月に記載された技術に基いている。
BS3(ピアース(Pierce))を使用した架橋の研究は、該組換え融合タンパク質GST-SASPアーゼΔ1-84の排除クロマトグラフィー(ゲル濾過)により酸性化しかつ精製することにより得た、活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:6)について行う。
pH 7で、150mMのNaCl、0.1%のTX100及び5mMのEDTAを含む、60μlの50mMリン酸バッファー中の、1μgのBS3を、氷中に置かれた、実施例IIIにおいて得た活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:6)に添加する。BS3を含まないコントロールサンプルも、調製する。90分後に、2μlの1M Tris-HCl(pH 8)を反応媒体中に導入して、該反応を停止させる。次いで、得られた生成物を、ゲル濾過及びSDS-PAGE電気泳動法により分析する。
BS3とインキュベートしたこの活性化SASPアーゼは、安定なマルチマー状の複合体を形成し、これはゲル濾過によれば、3つの主なピークに分離する。3つの異なるバンドは、SDS-PAGE電気泳動後のゲル上にも観測でき、これらバンドの見かけ上の分子量は、分子量マーカーとの比較により決定され、夫々12kD、及び10-14kD、30-45kD及び60-100kDなる範囲内にある。
実施例IX:SASPアーゼのプロテオリシス活性に対するpHの影響
実施例IIで得たGST-SASPアーゼΔ1-84融合タンパク質10μl(約3mg/ml)を、モレキュラープローブズ(Molecular Probes)社により、エンズチェク(EnzchekTM)なる名称の下で市販されているカゼイン基質の存在下で、様々なpHに調節した、0.1Mアセテートバッファー200μl中で、インキュベートし、供給元の推奨する濃度で使用する。
各アッセイは3回繰り返す。
37℃にて20時間インキュベートした後、蛍光を、モレキュラープローブズ社によりバイオルーミン(BioluminTM)なる名称の下で市販されているプレートリーダーで、励起/発光カップル: 485/535 nmを用いて測定する。結果を図2に示す。
これらの結果は、選択した実験条件下で、該SASPアーゼの酵素活性が、pH-依存性であり、また至適pHが5であることを示す。さらに、ここに示されていないアッセイは、6〜7.5なる範囲のpHを持つ0.1Mリン酸バッファーにおいて、弱い残留活性のみの存在を示す。
該自己活性化に及ぼすpHの影響も測定したが、これは至適pHが3〜6.9なる範囲、及び好ましくは4〜6なる範囲にあることを示す。
実施例X:該アスパラギン酸プロテアーゼ群の様々な阻害剤の、該活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:6)のカゼイン分解活性に及ぼす効果に関する研究
自己活性化されている、10μlの活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:6) (約3mg/ml)を、レトロペプシン阻害剤を含む20μlのDMSOを含有する、200μlの0.1Mアセテートバッファー(pH 5.5)に添加する。コントロールアッセイを、阻害剤の不在下で、同一の条件下で行う。
この混合物を、4℃にて1時間予備インキュベートし、次いでモレキュラープローブズ社により、エンズチェク(登録商標)なる名称の下で市販されているカゼイン基質を十分な量で添加して、供給元により推奨された濃度を達成し、この溶液を予め37℃に加熱する。
このカゼインの加水分解を、モレキュラープローブズ社によりバイオルーミン(登録商標)なる名称の下で市販されているプレートリーダーで、励起/発光カップル: 485/535 nmを用いて、蛍光を測定することによって追跡する。
得られた結果を、図3に与える。RP1及びRP2レトロペプシン阻害剤の存在下における、カゼインの加水分解の速度は、コントロールにおけるそれよりも遅いことが分かる。従って、該SASPアーゼの活性は、これらの阻害剤により阻害されている。
・RP1は、配列:Ac-Leu-Val-Phe-アルデヒドに相当し、またバケム社から参照番号N 1395.0005の下で市販されており;
・RP2は、配列:Ac-Leu-Leu-Met-アルデヒドに相当し、またバケム社から参照番号N 1315.0005の下で市販されており;また
・RP3は、配列:Ac-Leu-Leu-Nle-アルデヒドに相当し、またバケム社から参照番号N 1320.0005の下で市販されている。
同様に、RP3レトロペプシン阻害剤の存在下における、カゼインの加水分解の速度は、コントロール条件下におけるよりも著しく速いことが分かる。従って、該SASPアーゼの活性は、この阻害剤によって刺激されるものと思われる。
実施例XI:該活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:6)の、ヒト角質層から抽出された角質結合組織(corneodesmosin)の劣化に及ぼす効果に関する研究
a) 原理
角質結合組織は、落屑のマーカーである。というのは、角質接着斑(corneodesmosomes; コルネオデスモソーム)におけるコルネオサイトの凝集に関与しているからである。このタンパクが分解されればされるほど、該コルネオサイトの脱離がより顕著になる。角質結合組織の劣化は、従って落屑の重要な段階となる。
従って、この研究において使用したテストは、被検物質の存在下で、その劣化を追跡することからなる。
b) サンプルの調製
乾燥肌を患っている志願者の足の下部から採取した、ストリッピングバーニッシュ(stripping varnish)を使用して、角質層のアセトン粉末を調製する(Mehul B, Bernard D, Simonetti L, Bernard MA, Schmidt R:ヒト表皮由来の新規なカルモジュリン-様タンパクの同定及びクローニング(Identification and cloning of a new calmodulin-like protein from human epidermis), J. Biol. Chem., 2000, 275:12841-12347)。角質層粉末2mgからなるアリコート部分を、別々にエッペンドルフ(Eppendorf)チューブに入れ、次いで100μl/mgなる割合で、テスト溶液中に浸漬する。これら溶液は、pH 5のアセテートバッファー中で調製する。角質結合組織の自然な分解を評価するために、プロテアーゼを含まないコントロールを、並行して調製する。各テストに対して、3個のサンプルを調製する。試験用及びコントロール用のこれらサンプルを、撹拌しつつ、30℃にて24時間に渡りインキュベートする。
c) タンパク質の抽出、分離及び検出
これらのタンパクを、完全ラエムリバッファーで抽出する。これらタンパクを、ブラッドフォード法(バイオ-ラド(Bio-RadTM)キット)によりアッセイする。各サンプルの濃度を、これらサンプルの比較が可能となるように調節する。これらポリペプチドを、15%アクリルアミドゲル上でのSDS-PAGE電気泳動により分離し、次いでPVDF膜に転写する。1/12,500にて使用した、抗-角質結合組織抗体及びパーオキシダーゼと結合した第二抗体を含む溶液は、該角質結合組織の可視化を可能とする。化学発光により検出されたバンドを、バイオラド(Biorad)社から入手したプログラムクオンティティーワン(Quantity OneTM)を用いて定量化する。次いで、これらの膜を、アミド-ブラックで染色し、次いで走査する。さらに、コルネオサイト抽出液の主なタンパク質であるケラチンを定量して、全てのサンプルが、0.6mg/mlに調節されたことを確認する。
劣化に対する正のコントロール(+)を、5mMのEDTAを用いて調製する。一つの実験を、活性化されたSASPアーゼ60μgの存在下で行う。負のコントロールは、該テストの操作条件下における、角質結合組織の自然の分解を表す。
d) 結果
Figure 0004459808
残留角質結合組織の割合における顕著な減少が、該コントロールと比較して、角質層アセトン粉末を、該活性化SASPアーゼ(SEQ ID NO:6)と接触させた際に観測される。
実施例XII:該SASPアーゼ活性を明らかにするための、基質の検討
Abz/(NO2)Tyr蛍光系を用いて抑制した、考察中のペプチド基質(SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34又はSEQ ID NO:35)を、DMSO中で、100μMで使用し、次いで10μlのこの基質の母液を、pH 5.00の0.1Mアセテートバッファー100μlにつき添加する。
10μlのGST-C27(PBS中1mg/mlでの融合タンパク質)を添加する。37℃にてインキュベートする。蛍光を、種々の時間において、バイオルーミンプレートリーダーで、340/450 nmにおいて読み取る。得られた結果を図5に示す。
天然ペプチド(wt)は、該SASPアーゼにより効果的に加水分解されるが、このペプチドの配列内における、アミノ酸置換が、該SASPアーゼがより高いアフィニティーを示す、基質を生成し得ることが明らかとなる。
該SASPアーゼによって加水分解され又は加水分解し得るペプチド結合(位置P1に見られる様々なアミノ酸と、該SASPアーゼにより加水分解される配列の位置P2に見られるアミノ酸との組み合わせ)を開裂することのできる、様々なプロテアーゼの探索(MEROPSベース)は、レトロウイルス型のプロテアーゼ、皮膚にとって重要であるものと説明されてきたプロテアーゼ:SCCE(落屑、proIL1Bの転化)、MMP1、MMP2及びMMP9(瘢痕化等)、muカルパイン(Calpain)(ケラチン化被膜の突然変異、フィラグリン処理)、トロンビン(プロテアーゼ活性化レセプタの活性化)、コンベルターゼ1、2、4、5及び7(フィラグリン処理、分化の調節等)等と同時に明らかとなる。
これらの観測は、該SASPアーゼが、皮膚の生理学において重要な役割を演じているという、認識を支持している。
実施例Iに従って得た、2D電気泳動ゲルの写真である。 SASPアーゼのプロテオリシス活性に及ぼすpHの影響を示す図である。 SASPアーゼのプロテオリシス活性に対する、幾つかの従来のモジュレータの活性の分析結果を示す。 SASPアーゼとプロテアーゼとの間の、構造上の相同性を示す図である。 配列:SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34及びSEQ ID NO:35で示される基質の、SASPアーゼによる加水分解を示す図である。

Claims (13)

  1. 生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種の精製された天然又は合成ポリペプチドを含み、該ペプチド配列が、SEQ ID NO:6によって表される少なくとも1種の配列から成る、コルネオデスモシンの劣化をともなう細胞増殖及び/又は分化の機能不全に関連する皮膚の状態を排除するための化粧料組成物又は薬理組成物。
  2. 該ポリペプチドがマルチマー形状、好ましくはダイマー形状にある、請求項1記載の組成物。
  3. 該ポリペプチドが、1又はそれ以上の翻訳後の修飾処理に掛けられている、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 該ポリペプチドが、別のポリペプチド、親水性又は疎水性ターゲティング剤又は生物転化プリカーサと縮合した、配列SEQ ID NO:6を持つポリペプチドの形状にある、請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
  5. 生理的に許容される媒体中に、ポリペプチドのプロテオリシスによって誘導された、少なくとも1種のポリペプチド混合物を含み、該ポリペプチドの配列がSEQ ID NO:6から成ることを特徴とする、コルネオデスモシンの劣化をともなう細胞増殖及び/又は分化の機能不全に関連する皮膚の状態を排除するための化粧料組成物又は薬理組成物。
  6. ペプチド配列がSEQ ID NO:6によって表される少なくとも1種の配列から成る少なくとも1種のポリペプチド、又は該ポリペプチドのプロテオリシスにより誘導される混合物の、コルネオデスモシンの劣化をともなう細胞増殖及び/又は分化の機能不全に関連する皮膚の状態を排除するための化粧料組成物の調製のための使用。
  7. 乾燥肌、角質増殖症、錯角化症、脂肪生成状態、新形成及び/又は皮膚老化の徴候から選択する、コルネオデスモシンの劣化をともなう皮膚の状態を処置することを目的とする、請求項6記載の使用。
  8. ペプチド配列が、SEQ ID NO:6によって表される少なくとも1種の配列から成るポリペプチド、又は該ポリペプチドのプロテオリシスにより誘導された混合物の、コルネオデスモシンの劣化をともなう皮膚科学的な感染症を治療するための薬理組成物の製造における使用。
  9. 該薬理組成物が、魚鱗癬、乾癬、湿疹、シュサ、苔癬、掻痒症、又は角質増殖症又は錯角化症を包含する、又は炎症性の成分を含む任意の病理的状態であって、コルネオデスモシンの劣化をともなう状態の治療を目的とするものである、請求項8記載の使用。
  10. 生理的に許容される媒体中に、請求項1〜4に定義した如きポリペプチドをコードする、少なくとも1種のヌクレオチド配列、又は該ヌクレオチド配列に対応するセンス又はアンチセンス配列を含むことを特徴とする、化粧料組成物又は薬理組成物。
  11. 該ヌクレオチド配列が、コードヌクレオチド配列SEQ ID NO:20からなる、請求項10記載の組成物。
  12. ペプチド配列が、SEQ ID NO:6で表されるポリペプチドの、表皮の細胞分化及び/又は細胞増殖状態をともなう障害を検出することを目的とする診断手段を製造するための使用。
  13. 配列SEQ ID NO:6を持つポリペプチドの診断用組成物であって、表皮の細胞分化及び/又は細胞増殖状態をともなう障害を検出することを目的とする組成物を製造するための、コードヌクレオチド配列SEQ ID NO:20に少なくとも対応する少なくとも1種のセンス又はアンチセンス配列の使用。
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