JP4459434B2 - チャネル衝撃応答の長さの決定 - Google Patents

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Description

【0001】
背 景
近年になって、デジタル無線通信システムが用いられて多くの場所の間で様々な情報を伝達するようになった。デジタル通信を用いると、情報は通信のためにデジタル或いはバイナリ形式、即ち、ビットに変換される。送信機はこのビットストリームを変調されたシンボルストリームにマップする。このシンボルストリームはデジタル受信機で検出されて逆マップされてビットと情報に戻される。
【0002】
デジタル無線通信では、無線環境が良好な通信を妨げる多くの障害を引き起こす。例えば、受信機に到達する前に無線信号が通過する多くの信号経路が原因となるものがある。複数の信号経路の長さが非常に異なるときに、1つの障害が発生する。この場合、時間分散が発生し、多数の信号の像が異なる時刻に受信機に到達し、信号エコーを生じさせる。これは、シンボル間干渉(ISI)の原因となり、この場合、1つのシンボルのエコーがこれに続くシンボルと干渉する。
【0003】
時間分散は等化器を用いることにより軽減することができる。一般的な形の等化は線形等化器、判定帰還等化器、最尤系列推定(MLSE)等化器によって提供される。線形等化器は受信信号をフィルタリングすることによってチャネル効果を元に戻すように試みる。判定帰還等化器は以前のシンボル検出を活用して、これら以前のシンボルのエコーからシンボル間干渉をキャンセルする。最後に、MLSE等化器は種々の送信シンボルシーケンスを仮定し、そして、分散チャネルのモデルを用いてどの仮定が受信データに最も良く合致しているかを決定する。これらの等化技術は当業者には公知であり、1989年、ニューヨーク、マックグロウ−ヒル(McGraw-Hill)社出版、J.G.Proakis著、デジタル通信(Digital Communication)第2版のような標準的な教科書に見出すことができる。等化器はD−AMPSやGSMのようなTDMAシステムでは一般的に用いられている。
【0004】
3つの一般的な等化技術の内、性能の観点からすれば、MLSE等化が好ましい。MLSE等化器では、可能性のある全ての送信シンボルシーケンスが考慮される。仮定系列各々に関し、受信信号サンプルがマルチパスチャネルのモデルを用いて予測される。予測受信信号サンプルと実際の受信信号サンプルとの差は予測誤りとして言及されるが、この差によって特定の仮定がどれほど良いものであるかを示すことができる。予測誤りの二乗は、特定の仮定を評価するのに指標として用いられる。この指標は異なる仮定について累積され、どの仮定がより良いものであるのかを決定するのに用いられる。この処理はビタビアルゴリズムを用いて効率的に実現される。このアルゴリズムは動的プログラミングの形式をしている。そのようなシステムの一例は国際特許出願公開公報WO97/24849に見ることができる。
【0005】
しかしながら、ある動作条件では、受信機に到達する信号がシンボル間干渉の重大なレベルになっていないことがある。ISIが重大な問題になっていなかったり、或いは、ISIがないとき、特にチャネルが高速に変化するとき、等化器は実際には検出統計から雑音を取り除くより雑音を加えてしまう。これらの条件では、他の検出器、例えば、時間分散のない条件下ではより良い動作をする差分検出器に有利なように等化器の動作をオフにすることが望ましい。さらにその上、等化器は差分検出器と比較して計算実行上で相対的に複雑である。従って、差分検出器に有利なように定期的に等化器のスイッチを切ることでMIPSを削減し、その結果、バッテリの消費を削減している。
【0006】
別の例として、直接拡散CDMAシステムでは、レイク(RAKE)受信機が一般的に用いられている。しかしながら、もし、あまりにも多くのRAKEタップが用いられると、性能は低下する。
【0007】
従って、適切な検出技術が動的に識別されて組み込まれる受信機、例えば、適切な数のチャネルタップを用いる検出器を備えることが望ましい。
【0008】
要 約
本発明の代表的な実施形態に従えば、無線チャネルの特性が検出器に組込むための適切な検出方針を決定するために測定される。例えば、無線チャネルが非発散性であることが判定されたなら、差分検出器がシンボル検出器として運用のために選択される。或いは、時間分散チャネルが検出されたなら、等化器が受信機で受信される情報シンボルを検出するために用いられる。同様に、CDMAについて言えば、無線チャネルが非発散性であれば、相関検出器が選択される。或いは、時間分散チャネルが検出されたなら、レイク(RAKE)受信機が用いられる。
【0009】
本発明に従って種々のタイプの検出器コントローラが組込まれ、特定の受信信号について適切な検出方式を選択する。例えば、雑音パラメータに対する受信信号の比が評価されて閾値と比較される。その比較結果に基づいて、適切な検出方式が組込まれる。例えば、単純な場合では、その比較によってチャネルが時間発散性のものであるか、或いは、非時間発散性ののであるかが示唆される。他の代表的な実施形態に従えば、特定の無線チャネルを正確にモデリングする具体的な数のチャネルタップが識別され適切な検出方式を決定するために用いられる。
【0010】
本発明の他の代表的な実施形態に従えば、付加的な或いは二次的な輻射のエネルギー総計に対する主輻射エネルギーの比を計算してチャネルが発散性のものであるか或いは非発散性のものであるかを決定しても良い。フェーディングによるばらつきを避けるために、閾値と比較される前に、そのエネルギーは重み付けされたり、平滑化されても良い。
【0011】
詳細な説明
さて、本発明の種々の特徴を図面と関連して説明する。なお、図面において同様の部分は同じ参照記号によって識別される。次の説明は非拡散システムの環境としてなされているが、当業者であれば本発明は同様に拡散システム(例えば、CDMA)にも等しく適用可能であることが認識できる。
【0012】
図1は、D−AMPSのような典型的なセルラ電話ネットワーク100(ここでは“セルラネットワーク”として言及される)における10個のセル(C1−C10)の間の関係を描写した図である。一般に、セルラネットワークは10よりはるかに多いセルを有しているが、説明の目的のためであれば、10個で十分であろう。
【0013】
各セルC1−C10には、基地局B1−B10がある。図1は各セルの中心に位置した基地局を示しているが、基地局はセル内のどこに位置しても良い。セル中心に位置した基地局は通常、無指向性のアンテナを採用するが、セル境界に位置する基地局は通常、指向性アンテナを採用する。
【0014】
図1に図示されたセルラネットワーク100はまた、移動局交換センタ(MSC)を有している。ケーブル、無線リンク、或いは、その両方(図1では不図示)によって、MSCは各基地局に接続されている。MSCはまた固定電話交換ユニット(図1には不図示)にも接続されている。移動局M1−M10は移動電話ユニットを表している。もちろん、移動局は1つのセル内を移動することができ、或いは、1つのセルから別のセルへと移動することができる。通常は、10個をはるかに越える移動局がある。しかし、説明の目的からすれば、10個の移動局を示すだけで十分である。
【0015】
各移動局は、その移動局が現在聴取している基地局から空中をインタフェースとして送信される信号を受信する受信機(図1では不図示)を含んでいる。受信機は受信信号シンボルを、例えば、復調検出技術を用いて処理し、受信信号に含まれる情報シンボルを抽出する。
【0016】
従来、これらの受信機は例えば、等化器や差分検出器のような検出機器を含んでおり、これを用いて受信信号ストリームの情報シンボルを認識する。例えば、ある所定の、固定数のチャネルタップを有した等化器のような受信機に内蔵される特定の検出機器の選択が、通常、受信機が動作するように意図された無線環境に基づいてなされる。しかしながら、本発明では別のアプローチがなされる。
【0017】
図2には、本発明に従う移動局の概略ブロック図が図示されている。そこでは、受信信号ストリームが移動局のアンテナ20で受信される。それから、この信号ストリームが処理、例えば、公知技術に従って、無線受信機22において増幅され、フィルタされ、ダウンコンバートされ、複雑な、ベースバンド信号サンプルのストリームを生成する。この結果得られるストリームは検出器コントローラ24と検出器26の両方にフィードされる。検出器コントローラ24は、受信信号ストリームを処理し、後で詳細に説明するように、そのストリームにおける情報シンボルの検出を実行するためにの最適な技術を決定する。この処理の結果に従って、検出器コントローラ24は適切なコマンドを検出器26に送信し、検出器26が選択された検出技術を組み込んで実行するようにする。検出器26の出力は、さらに下流側へと処理されてユーザ情報(例えば、音声やデータ)を出力したり、或いは、オーバヘッド制御情報(例えば、呼び出しメッセージ)に応答する情報シンボルストリームである。検出器コントローラ24が動作して特定の検出技術を選択する方法について説明する。
【0018】
1セットの公知の同期シンボルが受信されたとき、受信機は対応する受信データを用いて検出器コントローラ出力信号を形成する。例えば、同期信号は最小二乗チャネル推定や同期シンボルと受信データとの間の相関を用いたチャネル推定を実行するために用いられる。チャネル推定情報はJチャネルタップを含むように無線チャネルをモデリングするために用いられる。例えば、信号電力Sestは、チャネルタップの二乗を総計することにより推定される。
【0019】
【数1】
Figure 0004459434
【0020】
ここで、c(j)はチャネル係数推定を表す。同時に、チャネル係数推定とその知られたシンボルは受信データ推定を形成するのに用いられる。その推定は以下の通りである。
【0021】
【数2】
Figure 0004459434
【0022】
ここで、s(k)は公知の同期シンボルである。これら受信データ推定は次に、受信syncデータに関してr(k)−rest(k)の二乗を平均することによって雑音電力推定Nest(J)を形成するために用いられる。従って、Sest(J)とNest(J)の両方は、J(例えば、J=1....Jmax)についての種々の候補となる値に関して決定される。システム性能は通常、これらの量に関係しているのであるから、比較を行う機器がいくつのチャネルタップが望まれる程度のシステム性能を備えるためにモデリングされる必要があるのかを決定するために用いられる。なお、公知のシンボルがない場合、その代わりに、仮のシンボルが用いられる。また、用いられるタップの数は時間(例えば、TDMAタイムスロットの中で)によって変化しうる。従って、検出器コントローラは受信中に動的に用いられるタップの数を変更できる。本発明に従う代表的な受信機構造についての概観を提供したので、所望の検出方式を決定するための種々の技術や構造を次に説明する。
【0023】
検出器コントローラ24の1つの代表的な実施形態が図3に示されており、これは分散が存在するかどうかを(即ち、J>1であるかJ=1であるかどうか)決定するために設計されている。この情報は適切な検出機構を選択するために用いられる。例えば、DQPSK変調を用いたチャネルに関し、J=1であれば差分検出器が選択され、J>1であれば等化器が選択される。
【0024】
図3において、受信データは同期ユニット30を通過するが、同期ユニット30ではチャネルが非発散性であることを仮定して(即ち、“1”からSYNCブロック30に伸びた矢によって示されているようにJ=1を仮定して)、復調のために同期動作を実行する。同期がとられたデータは、チャネル推定ユニット32において非発散性チャネルに関連した単一チャネル係数c(0)の推定値を、例えば、上述した公知の技術のいずれかを用いて、決定するために用いられる。チャネル推定と同期データとは雑音電力推定器34によって同期フィールドに関して、Nest(1)と印がつけられている雑音電力の推定値を生成するために用いられる。これは、送信同期シンボルs(k)が公知であるために、同期フィールドに関して|r(k)-c(0)s(k)|2を平均化することによって達成される。このチャネル推定はまた、信号電力推定器36にわたされ、そこでチャネル係数の二乗|c(0)|2を形成することによってSest(1)を出力する。Nest(1)とSest(1)とは比較器38にわたされ、そこで信号−雑音比が所定の閾値T(この閾値は適当な通信性能に関して受容可能な最小SNRによって決定され、次に、当業者によって認識されるような経験的なテストによって決定される)を越えているかどうか、即ち、Sest(1)/Nest(1)>T?を判断する。
【0025】
この評価は割り算を避けるために種々の方法によって実行され、例えば、割り算の代わりに、Sest(1)>Nest(1)T?という比較を行うことによってなされる。
【0026】
もし、その閾値を越えているなら、検出器コントローラ24(図2)は制御信号を制御される検出器24に送信して、非発散性信号検出の形式、例えば、差分検出やシングルタップコヒーレント検出を用いることができることを示唆する。さもなければ、その制御信号は発散性信号検出の形式、例えば、マルチタップ等化が必要であることを示唆する。従って、検出器コントローラ24の代表的な実施形態では、チャネルが発散性であるか(J>1)或いはそうではないか(J=1)を決定する。
【0027】
検出器コントローラ24の第2の代表的な実施形態が図4に図示されている。この実施形態では、コントローラ24はどの程度発散が存在しているのか(即ち、Jの値、チャネルタップの数)を判断する。同期ユニット40とチャネル推定ユニット42とは共に、チャネルタップのある最大値(Jmax)、例えば、5タップが存在するという仮定の下に動作する。チャネルタップとデータとは複数の雑音電力推定器に備えられており、その推定器の1つ1つがJの有り得べき値各々に対応している。図面を簡略化するために、そのような雑音電力推定器の2つだけ、即ち、44と46とが図示されており、44はタップ1に46はタップJmaxに対応している。例えば、J個のタップを仮定した各推定器を用いると、雑音電力は、r(k)とc(0)S(k)+……+c(j-1)s(k-j+1)との間の差分を用いて推定される。これらの推定値は閾値Tを用いて比較器48で互いに比較される。それからJの値はNest(J+1)>TNest(J)であるように決定される。ここで、Tは経験的に決定される0と1との間の値をとる設計パラメータであり、通常は1よりわずかに小さい、例えば、0.9のような値である。これによって、検出器26によってモデリングされるチャネルタップの数が与えられる。なお、この代表的な実施形態は変形されて、Jの有り得べき値各々に関して付加的にSest(J)(例えば、図3に関して説明されているように)を形成し、比較器においてNest(J)とSest(J)の両方を用いるようにもできる。即ち、
TSest(J+1)/Nest(J+1)<Sest(J)/Nest(J)
であり、これは以下の比較動作、即ち、
Sest(J)Nest(J+1)>TSest(J+1)Nest(J)
と同等である。
【0028】
検出器コントローラの第3の代表的な実施形態が図5に図示されている。図示されない付加的な分岐を示すために図4で見られた省略符号を用いて、J=1とJ=Jmaxとに関連したブロックのみが示されてこの図を簡略化している。当業者であれば、類似の分岐がJ=2,3,4,……等に関連しても備えられていることを認識できる。この実施形態では、異なる同期基準が考慮され、その基準各々はチャネルタップ係数の数Jに関して異なるが有り得べき値に対応している。例えば、syncユニット50と52が実行されて、第1及び最後(Jmax)のチャネル係数夫々におけるエネルギーが最大化されるように同期を見出す。各分岐における(即ち、ブロック54と56とで実行される)これに続くチャネル推定もまた、雑音電力推定器、例えば、ブロック58と60がそうであるように、J個のタップを仮定する。それから、図4のように、その推定値は図4について説明したのと類似な方法で比較される。再び、信号電力推定もまた図4について説明したのと類似な方法で性能を改善するために用いられる。
【0029】
本発明のさらに別な代表的な実施形態に従えば、主要輻射に関連したエネルギーに対するシンボル間干渉(ISI)に関連したエネルギーの比は、受信信号の遅延拡散量を推定するために用いられる。例えば、Lタップチャネルモデルを仮定すると、
C(z)=C0+C1-1+……+CL-1(L-1)
であり、遅延は次の比を数値計算することにより推定される。
【0030】
【数3】
Figure 0004459434
ここで、C0は第1の或いは最強の信号輻射に関連したチャネル係数であり、Ckは残りのチャネル係数の並びである。
【0031】
しかしながら、この比はフェーディングに関連したλの瞬間的な変化を考慮するために重みづけがされたり、平滑化がなされるべきである。この平滑化は以前の推定から累積された情報を用いて実行される。例えば、
【0032】
【数4】
Figure 0004459434
ここで、
【0033】
【数5】
Figure 0004459434
である。
【0034】
平滑化された値であるλ(m)は閾値と比較され、そのチャネルが発散性であるか或いは非発散性であるかを判断する。前の実施形態のように、この情報は適切な検出技術を選択するために用いられる。代表的な実行例が図6に図示されている。
【0035】
そこでは、到来する複雑なサンプルが、ブロック64でLタップチャネルモデルを仮定して同期がとられる。Lタップを仮定してチャネル推定がチャネル推定ユニット66によって実行されてチャネル係数を決定する。第1の或いは最強の輻射に関連したチャネル係数が二乗機能ブロック68に受け渡される。残りの係数は他の二乗機能ブロック、例えば、ブロック70と72に受け渡され、それらの出力は加算器74で和がとられる。C0とISIエネルギーとは夫々平滑化機能76と78とによって上述したように平滑化される。平滑化されたエネルギーの比は比較器80において閾値Tと比較され、比較器の出力がそのチャネルを発散性或いは非発散性もののとして特徴づける。
【0036】
別の実施形態が図7に図示されており、その図では類似の参照番号が類似の機器を表すのに用いられている。そこでは、ISIエネルギーの和をとることが、図6における二乗機能68のすぐあとではなく、むしろ、平滑化機能90の下流側の比較器92で実行される。これによって、どのくらいの発散がJの異なる値に関してλJを形成することによってイコライズされることが必要であるのかを決定することが可能になる。
【0037】
【数6】
Figure 0004459434
【0038】
さらに別の実施形態に従えば、ブロック64における同期期間、Lタップは仮定されない。その代わりに、反復法がとられ、そこでは最初の1つのチャネルタップが仮定され、図6或いは図7で図示された処理が実行される。仮定された数のチャネルタップに基づいて、結果として得られるチャネル統計が受け入れ可能なものであれば、その処理は終了するが、そうでなければ、別の反復処理が異なる数のチャネルタップを仮定して実行される。この技術は、図8のフローチャートによって図示されている。
【0039】
ここでは、ステップ100において、チャネルタップ変数Nが最初のパスに関して“1”にセットされる。次に、ステップ102では、1つのチャネルタップを仮定して受信信号への同期に基づき、平滑化されたエネルギー比(即ち、図8における“チャネル”統計として言及されている)が決定される。もし、そのチャネル統計が、ISI比に対して適切な信号を備えるように経験的に決定された閾値Tより大きければ、Nはこのチャネルをモデリングするのに正確な数のタップであり、処理はステップ106に進み、適切な検出方式が検出器26に対して選択される。例えば、一回目の反復動作の後、チャネル統計が閾値Tを越えているならば、そのチャネルは非発散性であり、差分検出方式が用いられる。
【0040】
これに対して、そのチャネル統計が閾値Tより小さいなら、処理の流れはステップ108に進む。そこでは、チャネルタップ変数Nがインクリメントされ、処理は、同期のために以前の反復動作より1つ付加的なチャネルタップをもつモデルを仮定して、繰り返される。しかしながら、チャネル推定は、最大数のタップに基づいて実行される。
【0041】
本発明を特定の実施形態に関して説明した。しかしながら、当業者には、本発明を上述した好適な実施形態とは別の具体的な形で実施することができることが明白であろう。好適な実施形態は単に説明のためだけのものであり、これによって本発明がどのようにも限定されるものであるとは考えるべきではない。本発明の範囲は、前述の説明ではなくむしろ、添付された請求の範囲によって与えられており、請求の範囲内にある全ての変形例や同等物はそこに含まれるものであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
本発明の特徴、目的、及び、利点は図面と関連して詳細に記述された説明を読むことにより理解できるが、その図面は次の通りである。
【図1】 本発明を適用するセルラ移動無線電話システムにおける10個のセルを図示したブロック図である。
【図2】 本発明のある1つの面に従った移動局の概要を示すブロック図である。
【図3】 図2で図示された検出器コントローラの第1の代表的な実施形態を示す図である。
【図4】 図2で図示された検出器コントローラの第2の代表的な実施形態を示す図である。
【図5】 図2で図示された検出器コントローラの第3の代表的な実施形態を示す図である。
【図6】 図2で図示された検出器コントローラの第4の代表的な実施形態を示す図である。
【図7】 図2で図示された検出器コントローラの第5の代表的な実施形態を示す図である。
【図8】 本発明の代表的な実施形態に従って適切な検出技術を選択する代表的な方法を図示したフローチャートである。

Claims (15)

  1. 無線信号を受信し、受信信号を生成する処理回路と、
    前記受信信号から推定された隣接するタップとの信号−雑音比或いは雑音電力の比が所定の閾値を超えるかどうかを各タップ毎に評価して、通信のために受容可能な性能レベルに基づいた検出のために必要とされるチャネルタップの数を出力する検出器コントローラ(24)と、
    前記検出器コントローラの出力に応答して、前記出力されたチャネルタップの数に基づいて選択された複数の検出方式の内の1つを用いてシンボルを検出する検出器(26)とを有することを特徴とする受信機(22)。
  2. 前記検出器は、前記出力されたチャネルタップの数が1であるときには差分検出方式を用い、前記出力されたチャネルタップの数が2以上であるときにはマルチタップ等化方式を用いることを特徴とする請求項1に記載の受信機(22)。
  3. 前記検出器は、前記出力されたチャネルタップの数が1であるときにはシングルタップコヒーレント方式を用い、前記出力されたチャネルタップの数が2以上であるときにはレイク(RAKE)受信機検出方式を用いることを特徴とする請求項1に記載の受信機(22)。
  4. 前記受信信号の信号電力を、各チャネルタップの二乗を総計することにより推定する信号電力推定器と、
    前記受信信号の雑音電力を、受信データ推定に基づいて推定する雑音電力推定器とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の受信機(22)。
  5. 前記検出器コントローラは、前記推定された信号電力と前記推定された雑音電力との比が所定の閾値を越えているかどうかを評価することを特徴とする請求項4に記載の受信機(22)。
  6. 前記検出器コントローラは、前記受信信号に同期して、前記チャネルタップの数が1であるとの仮定に基づいて、前記受信信号のチャネルを推定することを特徴とする請求項5に記載の受信機(22)。
  7. 前記検出器コントローラは、複数の雑音電力推定器を有することを特徴とする請求項1に記載の受信機(22)。
  8. 前記検出器コントローラは前記受信信号に同期して、最大数のチャネルタップを仮定して動作し、前記最大数のチャネルタップに対応した前記受信信号のチャネル推定を行うチャネル推定器を有し、
    前記チャネル推定器は前記チャネル推定を前記複数の雑音電力推定器に出力することを特徴とする請求項7に記載の受信機(22)。
  9. 前記複数の雑音電力推定器に対応して前記受信信号の信号電力を推定する複数の信号電力推定器をさらに有し、
    前記検出器コントローラは、前記複数の雑音電力推定器それぞれから出力される推定雑音電力と対応する前記複数の信号電力推定器の1つから出力される推定信号電力との比それぞれを閾値と比較し、該比較の結果に基づいて、前記チャネルタップの数を決定することを特徴とする請求項7に記載の受信機(22)。
  10. 前記受信信号を複数の経路に分岐する第1の分岐と、
    第1の分岐において分岐された前記受信信号に同期する複数の同期ユニットと、
    前記複数の同期ユニットそれぞれから出力される同期受信信号を複数の経路に分岐する複数の第2の分岐と、
    前記複数の第2の分岐それぞれにおいて分岐された同期受信信号を入力して前記受信信号のチャネル係数を推定する複数のチャネル推定ユニットと、
    前記複数の第2の分岐それぞれにおいて分岐された同期受信信号と前記複数のチャネル推定ユニットの内の対応する1つのチャネル推定ユニットからチャネル推定とを入力して前記受信信号の雑音電力を推定する複数の雑音電力推定ユニットと、
    前記複数の雑音電力推定ユニット各々の出力を受信し、該出力を比較する比較器とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の受信機(22)。
  11. 前記比較器は、前記複数の雑音電力推定ユニットそれぞれからの出力と該出力とは異なる他の出力との比を閾値と比較し、該比較結果に基づいて前記チャネルタップの数を決定することを特徴とする請求項10に記載の受信機(22)。
  12. 前記複数の雑音電力推定ユニットに対応して、前記受信信号の信号電力を推定する複数の信号電力推定ユニットをさらに有し、
    前記比較器は、前記複数の雑音電力推定ユニットの1つの出力と対応する前記複数の信号電力推定ユニットの1つの出力との比を、該比が得られたのとは異なる前記複数の雑音電力推定器1つの出力と対応する前記複数の信号電力推定器の1つの出力との比とを比較し、該比較の結果に基づいて、前記チャネルタップの数を決定することを特徴とする請求項10に記載の受信機。
  13. 無線信号を受信し、受信信号を生成する処理回路と、
    前記受信信号の主要輻射に関連したエネルギーと前記受信信号の主要輻射に関連したエネルギーが得られる基準のタップ以外の全てのタップから得られるエネルギーとの和との比、或いは、前記基準のタップから得られる前記受信信号の主要輻射に関連したエネルギーと前記基準のタップに近接するタップから得られるエネルギーとの和と前記基準のタップには近接しないタップ全てから得られるエネルギーの和との比が所定の閾値を超えるかどうかを前記近接するタップの数と前記近接しないタップの数とを変化させながら評価して、通信のために受容可能な性能レベルに基づいた検出のために必要とされるチャネルタップの数を出力する検出器コントローラ(24)と、
    前記検出器コントローラの出力に応答して、前記出力されたチャネルタップの数に基づいて選択された複数の検出方式の内の1つを用いてシンボルを検出する検出器(26)とを有することを特徴とする受信機(22)。
  14. 前記エネルギーは前記評価に先だって平滑化されることを特徴とする請求項13に記載の受信機(22)。
  15. 前記検出器コントローラは、前記平滑化されたエネルギーを評価し、該評価の結果に基づいて、前記チャネルタップの数を出力することを特徴とする請求項14に記載の受信機(22)。
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