JP4458382B2 - 識別情報管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパチンコ機、パチスロ機のような遊技機の動作を制御する制御基板を個々に識別可能な識別情報を管理する識別情報管理装置と、前記遊技機の搬入先において前記制御基板の検査に使用される携帯型検査装置と、を含む識別情報管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機、パチスロ機のような遊技機には、遊技機を制御するための遊技制御基板が設けられている。遊技制御基板には、遊技機を制御するための遊技制御プログラムが記憶された遊技制御用ROMが取り付けられている。しかし、製造工場から納入先への遊技機の輸送中、または、夜間等の遊技場において、この遊技制御用ROMが不正に交換されてしまい、このような不正改造の行われた遊技機により不当な利益を盗み取られるという犯罪行為が行われる可能性がある。
【0003】
このような不正行為を防止するために、この遊技制御用ROMに記憶されている遊技制御プログラムが正規のものであるか否かを判定する機能を遊技制御基板に設けることも行われていた。これは、電源投入時などにおいて、遊技制御用ROMに記憶されている遊技制御プログラムを読出してその読出された遊技制御プログラムが正しいものであるか否かをチェックし、正規のものでないと判定された場合には、通常の遊技動作を行なわないようにする機能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
遊技制御基板がこのような遊技制御プログラムの判定機能を有していたとしても、遊技制御基板自体を不正なものに交換されてしまうと、この機能は発揮できない。実際、遊技制御基板をそれを収納する遊技制御基板ボックスごと不正に交換される犯罪も発生している。遊技制御基板に設けた遊技制御プログラム判定機能ではこのような不正を発見できないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、遊技機の動作を制御する制御基板の不正交換等を発見することのできる識別情報管理システムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の識別情報管理システムは、遊技機の動作を制御する制御基板を個々に識別可能な識別情報を管理する識別情報管理装置と、前記遊技機の搬入先において前記制御基板の検査に使用される携帯型検査装置と、を含む識別情報管理システムであって、前記識別情報管理装置は、前記遊技機の製造から搬出までの過程において、前記遊技機の制御基板に取り付けられ前記識別情報を保持している保持手段から読取装置により読み取られた前記識別情報を入力する識別情報入力手段と、前記遊技機の前記制御基板以外の箇所に表示されており該遊技機に予め付与された各遊技機固有の管理番号を入力する管理番号入力手段と、該管理番号入力手段から入力された管理番号と、当該管理番号の遊技機の前記保持手段から読み取られ前記識別情報入力手段から入力された識別情報とを対応付けた管理データを記憶する管理装置側記憶手段と、該管理装置側記憶手段で記憶している管理データを前記携帯型検査装置に記憶させるために出力する出力手段と、を有し、前記携帯型検査装置は、前記出力手段から出力された管理データを記憶する検査装置側記憶手段と、前記遊技機の保持手段から前記識別情報を非接触で読み取る識別情報読取手段と、該識別情報読取手段により読み取った識別情報が前記検査装置側記憶手段で記憶されているか否かを判定する識別情報判定手段と、該識別情報判定手段により識別情報が記憶されていると判定されたことに基づいて当該識別情報に対応付けて前記検査装置側記憶手段で記憶している管理番号を特定可能な情報を表示する一方、前記識別情報判定手段により識別情報が記憶されていないと判定されたことに基づいてその旨を表示する表示手段と、を有することを特徴とする識別情報管理システムである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の検査対象である遊技機の例としてのパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1には、それに隣接してカードユニット35が設けられている。カードユニット35に設けられたカード利用可表示ランプ47は、カードユニット35が使用可能な状態であるか否かを、点灯または点滅により遊技者に知らせるためのものである。このカードユニット35は、遊技機設置島に複数台設置されているパチンコ機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらのパチンコ機1に接続されているのかが連結台方向表示器49により表示される。
【0016】
遊技者がカード残高の記録された共通カード(プリペイドカード)をカード挿入口50から挿入すると、その共通カードに記録されているカード残高が読み取られる。そして、遊技者が貸玉操作を行なうことにより、あらかじめ設定されている貸出単位額分がカード残高から減額されるとともに、その貸出単位額分のパチンコ玉がパチンコ機1の上皿87内に貸し出し供給される。
【0017】
カードユニット35には情報表示スイッチ48が設けられており、この情報表示スイッチ48を押圧操作することにより、例えばカード残高やエラーが発生した場合のエラーコードなどの情報をパチンコ機1に設けられた情報表示器(図示せず)に表示可能である。カードユニット錠51はカードユニット35前面を錠止するための錠であり、このカードユニット錠51に所定の鍵を挿入して解錠操作することにより、カードユニット35の前面側を開放できる。
【0018】
パチンコ機1の遊技盤3は、遊技面として形成されており、その表面に各種部品が配置されている。遊技盤3の中央部は、帯状の板金材で作られた区画レール2によって仕切られた円形状の遊技領域とされている。遊技領域の中央部には可変表示部4が設けられており、可変表示部4の中央部には画像表示装置5の表示画面が配置されている。画像表示装置5としては、CRT、液晶ディスプレイ等が利用できる。画像表示装置5の表示画面には、スロットマシン状の変動停止可能な特別図柄やその他の動画、静止画等の遊技に係る情報を表示する。画像表示装置5の下部には始動口9が配置されている。始動口9に玉が入る確率は、この始動口9の直上の複数本の入賞調整釘の微調整により変更することができる。始動口9に入ったパチンコ玉は、始動検出器(図示せず)により検出される。
【0019】
始動検出器が入賞したパチンコ玉を検出すると、景品玉としてのパチンコ玉をあらかじめ決められた規定数だけ払い出す。この払い出しと同時に、画像表示装置5には、スロットマシン状の回転体の図柄表示(特別図柄)が回転するかのような動画を表示する。回転体の回転が停止し、その特別図柄が特定の組み合わせに一致すると大当りとなる。ここで、「大当り」とは、画像表示装置5の表示があらかじめ決められた特定の組み合わせに一致し、可変入賞球装置10の開閉板61が開いて大入賞口となり、その大入賞口から多くのパチンコ玉が入り得る状態、すなわち大当り状態になることをいう。
【0020】
開いた開閉板61は、開いた後所定時間(例えば30秒)経過するか、または所定個数(例えば10個)のパチンコ玉が大入賞口から入るか、どちらかの条件が満たされた時点で閉じる。大当り状態では、LED(発光ダイオード)62が点滅状態となる。個数表示器63には大入賞口から入ったパチンコ玉の数が表示される。
【0021】
可変表示部4の両側方にワープ入口21が設けられている。ワープ入口21に玉が入る確率は、このワープ入口21の直上の複数本の入賞調整釘の微調整により変更される。ワープ入口21に入ったパチンコ玉は、始動口9の直上のワープ出口8から出てくる。このため、ワープ出口8から出たパチンコ玉は、始動口9に比較的入賞しやすい。
【0022】
可変表示部4の左側に設けられたワープ入口21には、普通図柄始動ゲート23が設けられている。この普通図柄始動ゲート23に入ったパチンコ玉は、通過玉検出器23aによって検出され、それにより普通図柄表示器17に表示される普通図柄が変動する。普通図柄が、特定の図柄に一致すると当りとなる。ここで、「当り」とは、普通図柄表示器17に表示される図柄があらかじめ定められたものになり、始動口9の可動片20が開き、パチンコ玉が始動口9に入賞玉として入る確率が高くなる状態を言う。
【0023】
また、画像表示装置5の下側には、始動記憶表示器6が設けられている。始動記憶表示器6は、始動口9に入賞し、かつまだ画像表示装置5の変動表示を始動していないパチンコ玉の数を表示するためのものである。始動記憶表示器6は、最高4個までの始動記憶数を表示することができる。さらに、普通図柄表示器17の両側には通過記憶表示器18が設けられている。通過記憶表示器18は、普通図柄始動ゲート23を通過し、かつまだ普通図柄表示器17の図柄変動を始動していないパチンコ玉の数を記憶し表示するためのものである。通過記憶表示器18は、最高4個までの図柄変動数を記憶、表示することができる。
【0024】
遊技領域には、固定入賞口7,11,15も設けられている。サイドランプ22は、パチンコ玉が固定入賞口7,11,15や始動口9等に入って入賞したときに点滅する飾りランプである。風車19は、パチンコ玉がこれに衝突したときに回転して、パチンコ玉の落下速度、落下方向に変化を与えるものである。アウト口16は、どの入賞口や始動口9にも入らなかったパチンコ玉がアウト玉として遊技領域から排出されるところである。
【0025】
パチンコ機1の下部には、ハンドル82が回動自在に設けられている。ハンドル82を回動させることにより、パチンコ玉を電動で遊技領域に向かって発射することができる。上皿87は、ハンドル82の操作で打ち出す玉を多数貯留しておくための容器である。上皿87には、入賞したとき払い出される賞球も入るように構成されている。
【0026】
パチンコ玉で上皿87が満杯になると、賞球は自動的に上皿87の下部に配置された下皿86に払い出される。また、上皿玉抜レバー84を横移動させることにより、上皿87のパチンコ玉を下皿86に移動させることができる。下皿86のパチンコ玉を抜き取るには、下皿玉抜レバー85を横移動させて、パチンコ玉を別途用意した容器(図示せず)に落下させる。また、前面枠錠83はパチンコ機1の前面側の扉状の前面枠を錠止するためのものである。開放検出スイッチ266は前面枠の開閉状態を検出するためのスイッチである。
【0027】
パチンコ機1上部に設けられたスピーカ81は、効果音、音楽、音声メッセージ等の音声信号をステレオ出力するものである。また、パチンコ機1には、装飾LED262、装飾蛍光灯263,264,265が設けられている。これらは、パチンコ機1の遊技状態に応じて点灯または点滅するものであり、大当りの発生や継続を遊技者に通知するとともに、遊技の雰囲気を盛り上げるためのものである。さらに、景品玉が不足したことを通知する玉切れLED260、入賞玉の発生に基づいて所定個数の景品玉が払出されたことを報知するための払出LED261が設けられている。
【0028】
図2は、パチンコ機1およびカードユニット35を裏面から見た図である。パチンコ機1は外枠52内に取り付け固定されている。パチンコ機1の裏面側には機構板53が取り付けられており、機構板53には種々の装置、回路基板等が設けられている。玉タンク54は、図示しないパチンコ玉供給装置から供給されたパチンコ玉や打込玉を貯留しておくためのものである。玉整列レール55、カーブ樋57および通路体58は、玉タンク54内のパチンコ玉を賞球払出装置59に供給するためのものである。
【0029】
賞球払出装置59は、入賞に応じて賞球としてのパチンコ玉を上皿87に払い出すためのものである。賞球払出装置59には玉タンク54からパチンコ玉が供給される。遊技制御基板ボックス87bには、遊技盤3を含むパチンコ機1の遊技動作を制御する遊技制御基板87a(図3参照)が収納されている。入賞玉処理装置72は、入賞玉検出スイッチ74および入賞玉排出ソレノイド73を備え、各入賞口から入賞したパチンコ玉の処理を行うものである。
【0030】
さらに、ユニット中継基板75を収容した中継基板ボックス76、電飾基板65を収容した電飾基板ボックス64、ターミナル基板67を収容したターミナル基板ボックス68が設けられている。ユニット中継基板75は、パチンコ機1とカードユニット35との配線を中継するものである。また、電飾基板65は、遊技制御基板87aからの指令またはデータに基づいてパチンコ機1の前面に設けられる電気的装飾部品(装飾LED262、装飾蛍光灯263〜265等)の動作を制御するものである。ターミナル基板67は、パチンコ機1に設けられる各種電気的装置に電源を供給するとともに、パチンコ機1内部での信号線の中継、パチンコ機1と外部との信号線の中継を行なうものである。
【0031】
賞球基板69は、賞球払出装置59を制御して賞球の払い出しの制御を行うものであり、賞球基板ボックス77内に収納されている。また、打球ユニット71は、遊技者がハンドル82(図1参照)を回動することによって、パチンコ玉を遊技盤3の遊技領域に発射するためのものであり、発射基板70によりこの打球ユニット71の動作を制御する。
【0032】
機構板53の中央には窓開口56が開設され、その窓開口56からは、遊技盤3の裏面に取り付けられた入賞玉集合カバー体66が貫通している。入賞玉集合カバー体66には、中継基板78と画像表示装置5とが設けられている。中継基板78には、遊技盤3上の各種電気部品が接続されるとともに、後述する遊技制御基板87aが接続されている。また、画像表示装置5内には、画像表示制御基板(図示せず)が設けられている。画像表示装置5は、画像表示制御基板の画像表示制御信号に基づいて表示画面に各種特別図柄、キャラクタ、その他の画像を表示する。中継基板78、遊技制御基板87aおよび画像表示装置5はケーブル90により互いに接続されている。各ケーブル90はコネクタ88により着脱可能に取り付けられている。
【0033】
遊技制御基板ボックス87b内の遊技制御基板87aには、後述のようにID発信器230(図3参照)が取り付けられるが、それ以外にも、電飾基板65に取り付けるID発信器245、賞球基板69に取り付けるID発信器246、外枠52下方のミドルプレートに取り付けるID発信器235のように種々の態様でID発信器を設けるようにしてもよい。
【0034】
図3は、遊技制御基板ボックス87bの拡大図である。遊技制御基板ボックス87bは、遊技制御基板87aを収容するボックス本体110と、遊技制御基板87aを収容した状態で蓋をする蓋体91とから構成されている。蓋体91とボックス本体110とは、蓋体91の表面に設けられた取付片部80a〜80cにより互いに組み付けられて固定されている。取付片部80a〜80cは、蓋体91を開放すると開放した痕跡を残すようになっており、遊技制御基板87aの不正交換等を目的とする蓋体91の不正開放を防止する機能を有する。
【0035】
蓋体91の表面の長手方向の両端側には、複数の取付片部80a〜80cが並設されている。この取付片部80a〜80cは、ボックス本体110と蓋体91とを非可逆的に固着するためのものである。取付片部80a〜80cは、側面において連結部94a〜94cにより蓋体91との間および相互間を連結されており、上面において連結部93a〜93cにより蓋体91との間を連結されている。各取付片部80a〜80c間には、スリット状の溝が形成されており、連結部93a〜93c、94a〜94cを切断すると、各取付片部80a〜80cは蓋体91から分離することができる。取付片部80a〜80cの上面には、それぞれ取付穴95a〜95cが設けられており、取付片部80cの隣接部の上面には、取付穴95dが設けられている。
【0036】
また、各連結部93a〜93c、94a〜94cには、それぞれ遊技制御基板ボックス87bの開放順序を作業員などに指示するための刻印「1〜3」が施されている。具体的には、取付片部80aに対応する連結部93a,94aには「1」の刻印が施され、取付片部80bに対応する連結部93b,94bには「2」の刻印が施され、取付片部80cに対応する連結部93c,94cには「3」の刻印が施されている。遊技制御基板87aの修理、交換等が必要な場合には、作業員はこれらの刻印にしたがって連結部93a〜93c、94a〜94cを切断し、遊技制御基板ボックス87bの蓋体91を開放する。
【0037】
最初にボックス本体110と蓋体91とは、取付穴95aにねじ込まれたワンウェイねじ140により固定されている。ワンウェイねじ140は、ねじ締め方向にしか回らない特殊なねじであり、一旦締めつけるとねじを取り外すことはできない。したがって、蓋体91を開放するには連結部93a,94aを切断して取付片部80aを蓋体91から分離するしかない。取付片部80aはそのままボックス本体110側に固定されて残る。次に蓋体91を固定するには、ボックス本体110内部に収納されているワンウェイねじ140を取り出し、取付片部80bの取付穴95bにねじ込む。このようにして蓋体91を3回までは開放することができ、最後は取付穴95dを使用して蓋体91を固定する。
【0038】
蓋体91の上面には、パチンコ機1の機種名を記した機種名シール97bと検査履歴シール98bが貼着されている。検査履歴シール98bには、遊技制御基板87aを検査、修理、交換等した際に書き込む「検査者」欄と「検査日」欄が設けられており、作業者が検査、修理、交換等のために蓋体91を開放した場合には各項目に記入する。このような構成とすることにより、蓋体91を容易には開放できず、また、無理に蓋体91を開放してもその痕跡が一目で識別できる。
【0039】
蓋体91の不正開放防止のために、蓋体91とボックス本体110との間は、ホログラムをプリントした封印シール104,105が貼着され封印されている。封印シール104,105は、剥がすと蓋体91およびボックス本体110にホログラムが部分的に残り、剥がしたことが一目で分かるようになっている。しかし、これらの不正開放防止手段によっても、ボックス本体110ごとそっくり不正交換されてしまうと、それを判別することはできない。そのような問題点を解決するために、本願発明においては、遊技制御基板87aそのものに識別情報を記憶、発信するID発信器230を取り付けるようにした。
【0040】
遊技制御基板ボックス87b内に収容されている遊技制御基板87aは、CPU、RAM、およびROMを備え、可変表示部4や可変入賞球装置10などの遊技装置の遊技動作を制御する。例えば、遊技制御基板87aは、画像表示装置5内の画像表示制御基板とケーブルにより接続されており、表示画面に表示させるべき画像を指定するための信号を画像表示制御基板へ送信する。遊技制御基板87aは、固定ねじ139によりボックス本体110に固定された長方形のプリント配線基板であり、蓋体91から露出する一側部には複数のコネクタ88が実装されている。
【0041】
遊技制御基板87aにはID発信器230が貼着等によって固定され取り付けられている。ID発信器230は、非接触型のICカード内に埋め込まれて使用されるICチップと同種のICチップで構成されている。ID発信器230内のメモリ(フラッシュメモリ)には、個別の遊技制御基板87aごとに異なり、それぞれの遊技制御基板87aを識別可能な識別情報(IDコード)が記憶されている。ID発信器230は、ID読取装置300(図4参照)またはID検査装置300a(図20参照)からの送信要求に応じて内部に記憶されている識別情報を送信する。この識別情報を確認することにより、遊技制御基板87aの不正交換の有無を容易に判別可能となる。
【0042】
本発明の遊技機検査システムは、識別情報管理装置と遊技機検査装置とを構成要素とするものである。図4は識別情報管理装置の構成要素である識別情報読取手段としてのID読取装置300の正面図であり、図5はID読取装置300の側面図である。ID読取装置300は、生産工場でのパチンコ機1の製造工程において、遊技制御基板87aに取り付けられたID発信器230の識別情報を読み取り、読み取った識別情報をコンピュータ等に送出し、識別情報の管理のためのデータベースを作成する等のために使用する。また、ID読取装置300単体でも識別情報を読み取って表示することができる。
【0043】
ID読取装置300の本体301の先端部分には、識別情報の発信要求信号の送信および識別情報の受信を行うデータ送受信部302が設けられている。本体301の後端部分は手で握ることができるような形状とされている。ID読取装置300は、作業者が片手で握って持ち運べる程度に小型軽量に構成されており、携帯性に優れている。
【0044】
表示LED304は、データ送受信部302による識別情報等のデータの送受信が成功したか否かを表示するものである。表示パネル303には、カタカナ、英字、数字の文字を10文字×2行表示することができる。表示パネル303に表示される文字情報により、識別情報の確認を行ったり、メニューから作業内容を選択したりする。また、表示パネル303には、バッテリの残容量を示す表示も行う。
【0045】
電源キー305は、ID読取装置300の電源をオン、オフするためのものである。下方向キー307および上方向キー308は、表示パネル303に表示されるカーソルを移動したり、メニューの表示ページを切り替えたりするためのものである。取消キー309は、処理を途中で中断したり、メニューの階層をさかのぼって戻るためのものである。決定キー306は、処理を実行したり、メニューを決定するためのものである。また、電源キー305を押すときに同時に決定キー306を押しておくと、ID読取装置300の種々のパラメータを設定する設定メニューが表示されて起動し、電源キー305を単独で押すと後述するパソコン読取モードまたは読取表示モードで起動する。
【0046】
本体301の裏面側には、バッテリカバー310が着脱可能に設けられており、バッテリカバー310を取り外すと乾電池、充電式電池等の交換が行える。また、本体301の図5と反対の側面にはブザー音を外部に出力するためのブザー孔(図示せず)と赤外線通信用の赤外線通信窓(図示せず)が設けられている。本体301の下面には、シリアル入出力回路325(図6参照)から外部機器に接続するためのコネクタ311が設けられている。
【0047】
図6は、ID読取装置300の回路構成を示すブロック図である。ID読取装置300内には、情報処理手段としてのCPU320が設けられている。CPU320は、バス321を介してフラッシュメモリ330、SRAM340等のメモリをアクセスし、また、それ以外の入出力回路等をアクセスして種々の情報処理を行うことができる。フラッシュメモリ330は不揮発性のROMであるが、記憶内容の電気的な書き換えをブロック単位に行うことができるものである。
【0048】
フラッシュメモリ330内には、CPU320が実行する電源投入時の初期化プログラムやBIOS等の基本的なプログラムおよびデータが記憶されている。これらのプログラムおよびデータは不揮発性のフラッシュメモリ330に記憶されているため、電源オフでも、さらには主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351がなくなっても記憶され続ける。また、フラッシュメモリ330内のプログラムおよびデータの変更が必要になれば電気的に記憶内容を書き換えることができる。
【0049】
SRAM340は、書き換え自在のスタティックRAMであるが、主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351によって記憶内容がバックアップされている。すなわち、ID読取装置300の電源がオフであってもSRAM340の記憶内容は保持され、SRAM340は不揮発性のメモリとされている。SRAM340内には、後述する種々のプログラムが記憶されており、また、操作者の操作資格を確認するための暗証番号を記憶する暗証番号記憶領域も設けられている。SRAM340内には、その他に、CPU320の作業用メモリ領域も設けられている。
【0050】
ただし、ID読取装置300を分解して内部解析を行う等の不正行為を防止するため、本体301が分解されると、主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351によるバックアップ用電源の供給回路が切断され、バックアップ用電源の供給が遮断されてSRAM340内のプログラムおよびデータは全て消去されるようになっている。このため、ID読取装置300を分解しプログラムやデータを解析して、識別情報を不当に入手するような不正行為を防止することができる。
【0051】
通信回路322およびアンテナ323は、ID発信器230に対して識別情報の発信を要求する識別情報発信要求信号を送信したり、ID発信器230から発信された識別情報を受信するためのものである。アンテナ323は、ID読取装置300のデータ送受信部302の内部に配置されている。ID発信器230との通信可能な距離は数cmであり、非接触で識別情報を読み取ることができる。赤外線通信回路324は、赤外線によって汎用の個人用コンピュータ(以下、パソコンという)等の外部機器と情報の交換を行うためのものである。
【0052】
シリアル入出力回路325は、シリアル信号によりパソコン等の外部機器と情報の交換を行うためのものである。シリアル入出力回路325は、例えばRS232C等の規格の通信回路であり、コネクタ311からケーブルを介してパソコン等に接続する。このシリアル入出力回路325を介して、パソコンからの識別情報読み取り指令を受信し、その指令に従ってID発信器230から識別情報を読み取り、読み取った識別情報をパソコン側に送信する。
【0053】
表示パネル303、表示LED304は前述の通りのものである。入力キー326は、前述の電源キー305、決定キー306、下方向キー307、上方向キー308および取消キー309からなるものである。カレンダ時計327は、現在の日付(年月日)および時刻をリアルタイムで保持する時計であり、ID読取装置300の電源がオフであっても、主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351によってバックアップされている。ブザー328は、ID読取装置300を操作する操作者に音によるメッセージを伝えるためのものである。
【0054】
主バッテリ350はアルカリ乾電池等の電源供給用のバッテリであり、ID読取装置300の全ての回路に電源電圧を供給するものである。バックアップ用バッテリ351は、主バッテリ350の交換時にSRAM340、カレンダ時計327の記憶内容が失われないように、それらをバックアップするためのものである。バックアップ用バッテリ351としては、ボタン型のリチウム電池等が使用できる。
【0055】
図7は、ID発信器230の回路構成を示すブロック図である。ID発信器230は、非接触型のICカード内に埋め込まれて使用されるものと同種のICチップで構成されている。ワンチップ・マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)400は、CPU401、フラッシュメモリ402、RAM403等をワンチップ内に実装したICである。不揮発性のフラッシュメモリ402には識別情報が記憶されており、無電源でも識別情報は保持されている。識別情報は、所定のビット長のユニークな(同じ情報が2つはない)非公開情報とし、パチンコホール、パチンコ機メーカ、第三者情報管理組織等によって識別情報データベースが作成され、セキュリティ管理されることが好ましい。
【0056】
RAM403は、CPU401の作業用のメモリである。通信回路405とアンテナ406は、ID読取装置300から送信された識別情報発信要求信号を受信したり、フラッシュメモリ402に記憶された識別情報を送信するためのものである。ID読取装置300から識別情報発信要求信号とともに送信される搬送波成分は、通信回路405で受信され電源回路404に送られる。電源回路404では、この搬送波成分を整流して直流電圧を得る。そして、この直流電圧を直流電源としてマイコン400および通信回路405に供給する。したがって、ID発信器230は、電池や外部電源を使用せずに、必要なときにはいつでも識別情報を発信することができる。なお、ここではID発信器230をマイコン400、電源回路404、通信回路405、アンテナ406で構成するものとしたが、アンテナ406以外の回路をワンチップICとして構成してもよい。
【0057】
図8は、ID読取装置300のSRAM340内に記憶されたプログラム内容を示す図である。起動プログラム361は、電源キー305が押されて電源がオンとされたときの起動処理を行うプログラムである。起動時に決定キー306が押されていると、表示パネル303に設定メニュー(図12参照)を表示する設定モードとなり、決定キー306が押されていなければ、ID発信器230の識別情報の読み取りを行うパソコン読取モードまたは読取表示モードとなる。
【0058】
決定キー306を押さずに電源キー305単独で起動した場合、起動時にシリアル入出力回路325の特定の信号線の信号(例えば、RS232CのER信号等)がオンならば、パソコン等の外部機器が接続されているのでパソコン読取モードに移行し、その信号がオフならばID読取装置300が単独で識別情報の読み取り、表示を行う読取表示モードに移行する。
【0059】
通信プログラム362は、通信回路322を制御して所定のプロトコルに従って通信を行うためのものである。通信プログラム362によって、ID発信器230に対して識別情報発信要求信号を送信し、さらに、ID発信器230からの識別情報送信信号を受信してデコードし識別情報を得る。外部通信制御プログラム363は、シリアル入出力回路325に接続されたパソコン等の外部機器からの識別情報読み取り指令を受け取り、その指令に従って通信回路322を制御してID発信器230から識別情報を読み取り、読み取った識別情報をパソコン側に送信するためのものである。
【0060】
識別情報読取表示プログラム364は、ID発信器230の識別情報を読み取り、その識別情報を表示パネル303に表示するためのプログラムである。設定プログラム365は、表示パネル303に設定メニュー(図12参照)を表示し、また、その設定メニューから操作者により選択された処理に分岐し、ID読取装置300の種々のパラメータを設定するためのプログラムである。
【0061】
その他の処理プログラム366には、表示パネル303の表示制御、表示LED304の点灯制御、ブザー328の発音制御、赤外線通信回路324の制御、バッテリの残量表示、ローバッテリ時の電源遮断、プログラムの自己診断等を行うプログラムが含まれる。これらのプログラムは主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351によってバックアップされたSRAM340に記憶されているため、電源オフでも記憶内容が消えることはない。
【0062】
図9は、パソコン読取モードにおける表示パネル303の表示を示す図である。電源キー305を単独で押して電源をオンとしたときには、最初に(1a)の初期画面が表示される。初期画面には、「センヨウ」の表示とカレンダ時計327に設定されている現在の時刻(月/日、時:分)が表示される。バッテリ残量表示352は、主バッテリ350の残容量を表示するものである。バッテリフルの状態ではバッテリ残量表示352内の3個のブロックが全て点灯し、主バッテリ350の出力電圧が低下するに従って1個ずつブロックが消える。
【0063】
この(1a)の初期画面の表示開始から、所定時間(例えば2秒)後にシリアル入出力回路325の特定の信号(例えば、RS232CのER信号)がオンであれば、(1b)のパソコン読取モードの表示に切り替わる。パソコン読取モードは、ID読取装置300のコネクタ311にパソコン等の外部機器を接続した状態(ER信号オン)で、ID読取装置300を起動した場合のモードである。また、このパソコン読取モードでは電源の供給を外部から行うようにしてもよい。
【0064】
パソコン読取モードでは、パソコン等の外部機器から識別情報読み取り指令を送出することにより、自動的にID発信器230の識別情報を読み取り可能な状態となり、ID読取装置300の決定キー306を押して読み取った識別情報は自動的にパソコン等の外部機器に送出される。すなわち、このパソコン読取モードにおいては、ID読取装置300はパソコン等に対する識別情報の入力装置として機能するものである。パソコン等からは、識別情報読み取り指令に続いて表示パネル303への表示データを送出する。この表示データが(1b)の2行の「XXX…」の部分にメッセージとして表示される。
【0065】
この表示画面で、ID読取装置300のデータ送受信部302をパチンコ機1の遊技制御基板87a等に取り付けられたID発信器230に接近させ、決定キー306を押すと、ID発信器230から識別情報を読み取る。読み取った識別情報はパソコン等に送出されるが、通信エラーが生じた場合は3回まで再送処理が行われる。3回再送してもまだ通信エラーが生じる場合は、(1c)の画面を表示して識別情報の読み取り作業を中断する。(1c)の画面の状態からは、パソコン側からER信号を所定時間(1秒)以上オフしてから再度オンとすることによって、(1b)の指令待ち状態に戻る。
【0066】
パソコン読取モードでは、パソコン側からの指令により、ID読取装置300のSRAM340に記憶されている暗証番号をパソコン側に送ることもできる。これは、パソコン側で操作者に暗証番号を入力させ、操作者がその作業を行う資格があるかどうかを判定するためである。このようにして、パソコン等の外部機器において簡単に識別情報を入力することができ、その識別情報をパチンコ機の製造番号等とともにデータベースに登録することにより、パチンコ機の不正改造等を判定するためのデータベースを簡単に構築できる。
【0067】
図10および図11は、読取表示モードにおける表示パネル303の表示を示すものである。電源キー305を単独で押して電源をオンとしたときには、最初に(2a)の初期画面が表示される。この初期画面の表示開始から、所定時間(例えば2秒)後にシリアル入出力回路325の特定の信号(例えば、RS232CのER信号)がオフであれば、読取表示モードに移行し、(2b)の暗証番号入力画面に切り替わる。読取表示モードは、パソコン等に接続せずに単独でID読取装置300を起動した場合のモードである。
【0068】
(2b)は、暗証番号の入力画面である。ID読取装置300における、この読取表示モードのように安全確保が必要な作業を行うには、暗証番号の入力が必要である。これにより、部外者が不正に識別情報を取得してしまうような不正行為等を防止することができる。カーソル354は最初、暗証番号の左から1桁目の位置にあり、上方向キー308および下方向キー307を操作することにより、1桁目の数字を増減することができる。決定キー306を押すと1桁目の数字を決定し、1桁目は「*」の表示に変わり、カーソルは2桁目に移動する。(2c)は、このようにして暗証番号の3桁目まで決定し、4桁目を入力中の画面である。暗証番号の入力中に取消キー309を押すと、現在入力中の桁は「0」に戻り、カーソル354は1つ左側の桁に移動する。1桁目で取消キー309を押すと、電源を切断する。
【0069】
暗証番号を4桁全て入力し、ID読取装置300に設定した暗証番号と一致すれば、図11(2d)のような識別情報の読み取り可の状態に移行する。暗証番号を入力してもID読取装置300に設定した暗証番号と一致しなければ、電源を切断する。(2d)の画面表示の状態で、ID読取装置300のデータ送受信部302をパチンコ機1のID発信器230に接近させ、決定キー306を押すと、ID発信器230から識別情報を読み込む。読み込み中は(2e)の表示となる。
【0070】
識別情報の読み込みが正常に行われれば、ブザー328が短く1回鳴るとともに、(2f)の画面に移行し、識別情報が表示パネル303の下の行の「NNN…」の部分に表示される。この画面から決定キー306を押すことにより、連続的に他のパチンコ機の識別情報を読み取ることができる。取消キー309を押すと、(2d)の画面に戻る。(2e)の画面から、識別情報の読み込みが異常終了した場合は、ブザー328が3回鳴るとともに、(2g)の画面に移行する。ここで、再度決定キー(R/Wキー)306を押すと、再びID発信器230からの識別情報読み込み動作を行う。取消キー309を押すと、(2d)の画面に戻る。
【0071】
図12は、表示パネル303に表示される設定メニューを示す図である。この設定メニューは、電源キー305と決定キー306とを同時に押して電源をオンとしたときに表示される。最初に(3a)のように、「セッテイ メニュー」の表示がされる。(3a)の表示は所定時間(例えば2秒)表示されると、(3b)の表示に切り替わる。
【0072】
(3b)〜(3d)は、ID読取装置300の設定内容を選択するための設定メニューである。(3b)の画面には「1.トケイ セッテイ」、「2.RS232C」の2つが表示されているが、下方向キー307、上方向キー308を操作することにより表示ページを切り替えることができる。上下表示353は、上下方向キー308,307が有効であることを示す表示である。カーソル354は上下方向キー308,307により上下に移動でき、カーソル354により所望の設定内容を選択し、決定キー306を押して決定する。
【0073】
(3b)画面で、カーソル354を「2」に移動させ、さらに下方向キー307を押すと表示ページが切り替わり、(3c)のようになる。さらに表示ページを切り替えると(3d)のようになる。(3b)〜(3d)の設定メニューにおいて、「1.トケイ セッテイ」はカレンダ時計327の時刻の設定を行うためのものであり、「2.RS232C」はシリアル入出力回路325の通信パラメータ(通信ボーレート、キャラクタのビット数、パリティの有無、ストップビット長等)の設定を行うためのものであり、「3.キキ セッテイ」はキー押下時の発生音の有無、ブザー音の音量等の設定を行うためのものであり、「4.アンショウNo」はID読取装置300の操作に必要な暗証番号を変更する作業を行うためのものである。
【0074】
(3c)の「4.アンショウNo」を選択すると、ID読取装置300の操作に必要な暗証番号を変更することができる。まず、古い暗証番号の入力が求められ、次に新しい暗証番号を確認のため2回入力して暗証番号の変更を行う。また、「5.END」を選択すると、ID読取装置300の電源を切断する。
【0075】
以上のように、ID読取装置300の表示パネル303に表示されるメニューやガイダンスに従って操作するだけで、簡単にパチンコ機1の識別情報を読み取って表示することができる。また、パソコン等の外部機器に接続して識別情報の読み取り入力装置として使用できる。
【0076】
次に、ID読取装置300と接続して識別情報を入力し、遊技機の識別情報を管理するための遊技機情報管理データを作成する識別情報管理装置について説明する。本発明の遊技機検査システムにおける識別情報管理装置は、パソコン100とそれに接続されたID読取装置300とからなる。図13は、パソコン100の回路構成を示すブロック図である。パソコン100は、通常のコンピュータに識別情報管理装置として機能するための、記録媒体に記録されたプログラムをインストールしたものである。記録媒体としては、FDやCD−ROM等が使用できる。
【0077】
パソコン100内には、情報処理手段としてのCPU101が設けられている。CPU101は、バス102を介してROM103、RAM120等のメモリをアクセスし、また、それ以外の入出力回路等をアクセスして種々の情報処理を行うことができる。
【0078】
CPU101は、ROM103に記憶されているBIOS等のシステムプログラムおよびデータと、RAM120にロードされたプログラムおよびデータに従って動作する。このようにRAM120にロードされるプログラムとしては、基本プログラムであるOS(オペレーティング・システム)や、アプリケーション・プログラムである識別情報登録プログラム121、読取制御プログラム122、検査情報出力プログラム123、表示手段106に対して文字や図形の表示を行う表示制御プログラム等がある。
【0079】
ここで、識別情報登録プログラム121は、パソコン100に接続されたID読取装置300を介して、各遊技制御基板に設けられたID発信器230の識別情報を読み取り、遊技機の納入先や各遊技制御基板に設定された管理番号に対応させてその識別情報を登録するためのプログラムである。管理番号は、製造番号等の各遊技制御基板の製造時等に設定付与される番号であり、刻印、シール等によって各遊技制御基板に添付表示されている。また、管理番号は遊技制御基板が取り付けられた遊技機にも表示されている。この管理番号によりただ一つの遊技制御基板が特定できるように、管理番号として重複のない連続番号等が付与される。
【0080】
読取制御プログラム122は、識別情報登録プログラム121から呼び出されるものであり、ID読取装置300に識別情報読み取り指令を送信して、遊技制御基板の識別情報を読み取るためのプログラムである。検査情報出力プログラム123は、ID読取装置300によって読み取った識別情報を登録した遊技機情報管理データ131の一部または全部を検査情報として記録媒体や通信回線に出力するためのプログラムである。
【0081】
また、CPU101には、バス102を介して補助記憶装置としての固定ディスク装置130が接続されている。固定ディスク装置130にはCPU101によって実行されるべきOSプログラムおよび種々のアプリケーション・プログラム等を記憶しておき、適宜、これらのプログラム等を固定ディスク装置130からRAM120にロードする。また、固定ディスク装置130には遊技機情報管理データ131が記憶されている。遊技機情報管理データ131は、識別情報を管理するためのデータベースの元となるデータである。
【0082】
CPU101にはバス102を介して入出力機器が接続されている。入出力機器としては、文字および図形を表示する表示手段106、操作者がデータを入力するための入力手段107がインターフェース回路を介してバス102に接続されている。表示手段106としてはCRT、液晶ディスプレイ等が使用でき、入力手段107としてはキーボード、マウス等が使用できる。また、データ入出力のための入出力手段として記録媒体入出力装置108が設けられている。これは、記録媒体に記録されたデータを読み込んで入力したり、作成した遊技機情報管理データ131を検査情報として記録媒体に記録したりするための装置である。遊技制御基板の管理番号はこの記録媒体入出力装置108から入力される。
【0083】
記録媒体としては、フレキシブルディスク(FD)、光磁気ディスク、CD−RW(商品名)などの磁気や光等による記録媒体の他、コンパクトフラッシュ(商品名)、スマートメディア(商品名)などのIC記録媒体が利用できる。特に、IC記録媒体は、記録媒体そのものが小型であり、入出力装置も小型であるため、ID読取装置300やID検査装置300aで直接読み取るようにすることも可能であり、本発明には好適である。
【0084】
パソコン100には、さらにID読取装置300を接続するためのシリアルインターフェース回路109が設けられている。シリアルインターフェース回路109は、シリアル信号によりID読取装置300と情報の交換を行うためのものである。シリアルインターフェース回路109は、例えばRS232C等の規格の通信回路であり、ケーブルによりID読取装置300のコネクタ311に接続する。このシリアルインターフェース回路109を介して、識別情報読み取り指令をID読取装置300に送信する。ID読取装置300は、その指令に従って遊技制御基板のID発信器230から識別情報を読み取り、読み取った識別情報をパソコン100に送信する。
【0085】
パソコン100には、さらに通信回路111が設けられている。パソコン100は、通信回路111により後述する情報管理部のサーバ用コンピュータ150と通信回線152を介して通信を行う。これによりパソコン100は、サーバ用コンピュータ150に遊技機情報管理データ131を送ったり、サーバ用コンピュータ150を介して営業拠点や納入先遊技店に検査情報を配信したりすることが可能である。
【0086】
図14は、固定ディスク装置130に記憶される遊技機情報管理データ131のデータ構造を示す図である。遊技機情報管理データ131は、例えば納入先の店舗との1回の取り引きごとにまとめられ、指示番号が付与されている。各データ群は、指示番号により指定され管理されている。例えば、指示番号「0001」のデータ群は、「東京都XX区」の「パーラーXX」に納入される3台の遊技制御基板のデータである。
【0087】
遊技機情報管理データ131は、複数のフィールドからなるデータであり、1つの指示番号データに対して、1つの地区データ(納入先店舗の所在地データ)および店舗データ(納入先店舗の店舗名データ)が記録されている。また、1つの指示番号に対して複数の管理番号データが対応し、1群の遊技制御基板のデータ群を構成している。管理番号は、前述のように製造番号等の各遊技制御基板の製造時等に設定付与される番号であり、刻印、シール等によって各遊技制御基板に添付表示されている。
【0088】
台番号は、納入先の遊技店において遊技機を管理するための番号であり、遊技店から送られて来る情報である。台番号が納入先の遊技店から送られて来ない場合(台番号未定の場合)は、台番号は「0000」とされる。台番号は、おおかた連続番号であるが、「4」や「9」等の遊技客から嫌われる傾向のある数字が付く番号はとばされる場合がある。いずれにしても、納入先の遊技店から指定された台番号がこの欄に入力される。
【0089】
識別情報は、遊技制御基板に取り付けられたID発信器230の内部に保持している識別情報を読み取って登録するものであり、最初は未入力となっている。機種名は、遊技機の機種を表す機種名データである。台数は、機種名ごとの納入台数を示すものである。基板発送日は、遊技制御基板を納入する年月日である。会社コードは、遊技制御基板の製造メーカを示すデータである。
【0090】
このような遊技機情報管理データ131は、管理番号や台番号のデータが記録媒体入出力装置108からパソコン100に入力され、パソコン100において識別情報を登録して再び記録媒体に保存することができる。また、遊技機情報管理データ131の入力および出力を記録媒体でなく通信回線を介して行うこともできる。なお、この遊技機情報管理データ131は、一例を示すものであり、適宜必要なフィールドを追加したり、不要なフィールドを削除してもよい。例えば、管理番号のデータを使用せずに管理番号の欄を省略したり、台番号のデータを使用せずに台番号の欄を省略してもよい。
【0091】
図15は、パソコン100における識別情報登録プログラム121の実行画面を示す図である。識別情報登録プログラム121を起動すると、まず図15の初期メニュー画面が表示手段106に表示される。ここではウィンドウ内に5つのボタンが表示されており、いずれかのボタンを入力手段107としてのマウスによりクリックしたり、キーボードの機能キーを押すことにより所望のメニューを実行することができる。
【0092】
「F1:管理番号データ入力」のメニューは、遊技機情報管理データ131として管理番号データを入力するためのものである。「F2:識別情報登録」のメニューは、遊技機情報管理データ131に識別情報を登録するためのものである。「F3:検査情報出力」のメニューは、識別情報を登録した遊技機情報管理データ131の一部または全部を検査情報として記録媒体に出力したり、検査情報を通信回線152を介して送信したりするためのものである。「F3:検査情報出力」のメニューが選択実行されると、検査情報出力プログラム123が呼び出され、出力先を選択してから検査情報の出力が行われる。また、出力に際しては検査情報を暗号化して出力することが可能である。
【0093】
「F7:環境設定」のメニューは、記録媒体入出力装置108のドライブ名を設定したり、シリアルインターフェース回路109のポート番号や通信条件等を設定したり、通信回路111の通信条件等を設定したりするためのものである。「F11:終了」のメニューは、識別情報登録プログラム121を終了するためのものである。
【0094】
図16は、管理番号データ読み込みの画面を示す図である。図15の画面において、「F1:管理番号データ入力」が表示されたボタンをマウスでクリックするか、F1キーを押すことにより、この管理番号データ読み込みの画面に移行する。この画面ではウィンドウ内に3つのボタンが表示されており、いずれかのボタンを入力手段107のマウスによりクリックしたり、キーボードの機能キーを押すことにより所望のメニューを実行することができる。
【0095】
「F1:FDから読み込み」のメニューは、管理番号データをFD(フレキシブルディスク)から読み込むためのものである。管理番号データとは、識別情報が未入力の遊技機情報管理データ131であり、遊技制御基板の生産工場の生産管理用コンピュータ等によって予め作成され、FDに記録されている。管理番号データが記録されたFDを記録媒体入出力装置108のFD装置に挿入し、このメニューを選択することによりデータがパソコン100の固定ディスク装置130に遊技機情報管理データ131として読み込まれる。
【0096】
「F2:過去データ読み込み」のメニューは、以前にFDから読み込んだ管理番号データを再び読み込むためのものである。FDから読み込んだ管理番号データは、読み込むと同時に固定ディスク装置130内の所定のディレクトリにバックアップデータとして読み込んだ日時とともに保存されている。読み込んだ日時を指定して、所望の過去データを再度読み込むことができる。「F12:メニューに戻る」のメニューは、図15に示す初期メニュー画面に戻るためのものである。
【0097】
図17は、識別情報登録の画面を示す図である。図15の画面から、「F2:識別情報登録」のメニューを選択すると、この識別情報登録の画面に移行する。ウィンドウ左上部の指示番号の入力欄に指示番号データを入力し、「F1:検索」ボタンをクリックするかF1キーを押すことにより、ウィンドウ中央部に指示番号に対応する遊技機情報管理データ131が一覧表示される。最初は遊技機情報管理データ131には識別情報は登録されておらず、この画面から識別情報を読み込んで登録を行う。指示番号の入力欄の右側には、地区データの内容および店舗データの内容が表示される。
【0098】
ウィンドウ右上部の「通信モード」の表示は、この画面での動作モードを表示するものである。パソコン100のシリアルインターフェース回路109にID読取装置300が正常に接続され、ID読取装置300の電源がオンの場合は、動作モードの表示は図17のように「通信モード」となる。通信モードでは、ID読取装置300とのデータの送受信が可能であり、ID読取装置300を介して遊技制御基板の識別情報を読み取って登録することができる。
【0099】
パソコン100のシリアルインターフェース回路109にID読取装置300が正常に接続されていなかったり、ID読取装置300の電源がオフの場合には、動作モードの表示は「参照モード」となる。参照モードでは、識別情報の読み取りおよび登録は行うことができないが、FDから読み込んだ管理番号データや過去データを参照したり、台番号を読み込むことはできる。参照モードから通信モードに移行するには、一旦、図15の初期メニュー画面に戻り、ID読取装置300を正常に接続して電源をオンとしてから、再度「F2:識別情報登録」のメニューを選択すればよい。
【0100】
ウィンドウ中央部の一覧表示には、管理番号をはじめとする遊技機情報管理データ131の各フィールドのデータが表示される。また、この一覧表示の中の1つの管理番号が選択可能であり、その選択行はマウスまたはキーボードの矢印キーにより移動させることができる。図17では、管理番号「009981N」の行が選択されている。ここでID読取装置300から識別情報を読み込むと、読み込んだデータをこの選択行の識別情報に登録することができる。
【0101】
ID読取装置300から識別情報を読み込むと、読み込んだデータが識別情報の欄に表示されて登録され、選択行は自動的に次の行(ここでは、管理番号「009982N」の行)に移動する。一旦登録した識別情報を修正する場合にも、修正する行を選択してID読取装置300から識別情報を読み込めばよい。識別情報は上書き修正される。
【0102】
ウィンドウ下部の「F1:検索」ボタンは、ウィンドウ左上部の指示番号の入力欄に入力した指示番号のデータ群を検索して一覧表示するためのものである。「F2:次指示番号」ボタンは、指示番号の入力欄に入力を開始するためのものである。
【0103】
「F3:台番号読込」のメニューは、台番号データを記録媒体から読み込むためのものである。台番号データは、遊技機納入先の遊技店から送られてきた台番号が順番に記録されたデータである。フレキシブルディスクやIC記録媒体に記録された台番号データを読み込んで、現在表示されている遊技機情報管理データ131の台番号の欄の先頭行から順番に入力することができる。なお、台番号のデータは、遊技制御基板の生産管理用コンピュータ等によって遊技機情報管理データ131に予め入力しておくようにしてもよい。
【0104】
「F8:識別情報削除」ボタンは、選択行の識別情報を削除するためのものである。誤って識別情報を登録した場合等に、このボタンをクリックすることにより選択行の識別情報のみを削除することができる。「F12:登録終了」ボタンは、この識別情報登録の画面を終了して、図15の初期メニュー画面に戻るためのものである。また、これらのボタンをマウスでクリックする代わりに、ボタンに表示された機能キーを押しても同じ動作を行う。
【0105】
図17の画面により識別情報を登録した遊技機情報管理データ131は、図15の初期メニューから「F3:検査情報出力」を選択することによって、通信回線152を介してサーバ用コンピュータ150に出力したり、記録媒体に保存することができる。遊技機情報管理データ131を情報管理部のサーバ用コンピュータ150に入力することにより、識別情報管理のためのデータベースを構築することができ、遊技機の識別情報を一元的に管理することができる。なお、遊技機情報管理データ131の入力および出力は、通信回線152を介して行ってもよいし、記録媒体を介して行ってもよい。
【0106】
図18は、本発明の遊技機検査システムの一部分を示す図である。識別情報管理装置としてのパソコン100およびID読取装置300は生産工場に置かれており、遊技制御基板87aの識別情報を読み取り、遊技機情報管理データ131に登録することができる。識別情報を登録した遊技機情報管理データ131は、通信回線152を介して情報管理部のサーバ用コンピュータ150に送信される。この遊技機情報管理データ131が遊技機の識別情報を検査するための検査情報として利用される。
【0107】
サーバ用コンピュータ150には、通信装置151を介して複数の通信回線152,153,154が接続されている。通信回線152としては、LAN用通信回線、専用回線、公衆回線等が利用でき、通信回線153,154としては、専用回線、公衆回線等が利用できる。サーバ用コンピュータ150は、通信回線152により生産工場のパソコン100と接続されている。サーバ用コンピュータ150内には生産工場のパソコン100から送られた遊技機情報管理データ131により、識別情報管理のためのデータベースが構築されている。なお、情報管理部は遊技機メーカ内に設置されており、遊技機メーカが識別情報を管理する。
【0108】
また、営業地区ごとに設置された遊技機メーカの営業拠点には営業用コンピュータ160が置かれており、営業用コンピュータ160は通信回線153によりサーバ用コンピュータ150に接続されている。さらに、営業用コンピュータ160にはプリンタ161が接続されている。各営業拠点において、遊技店に納入されるべき遊技制御基板に対応した遊技機情報管理データ131が、サーバ用コンピュータ150から営業用コンピュータ160に検査情報として配信され、営業用コンピュータ160内に保存される。
【0109】
営業拠点では、検査情報をプリンタ161により印字しておき、生産工場から送られてきた遊技機(遊技制御基板)の識別情報をID読取装置300によって読み取り、印字した検査情報と比較して識別情報に異常がないかどうかを確認する。その後、識別情報を確認済みの遊技制御基板を遊技店に送付する。このようにして、遊技制御基板の識別情報を流通経路の営業拠点において確認することができ、遊技制御基板を流通経路の途中においてすり替える等の不正行為を防止することができる。
【0110】
図19は、本発明の遊技機検査システムの遊技店側の部分を示す図である。各遊技店には、遊技情報等を管理するためのホールコンピュータ170が設置されている。ホールコンピュータ170は、通信回線154により情報管理部のサーバ用コンピュータ150に接続されている。各遊技店において納入されるべき遊技制御基板に対応した検査情報が、サーバ用コンピュータ150からホールコンピュータ170に配信され、ホールコンピュータ170内に保存される。
【0111】
遊技店では、検査情報の中の必要なデータをホールコンピュータ170からID検査装置300aに転送し、送られてきた遊技機(遊技制御基板)の識別情報をID検査装置300aによって読み取り、検査情報と照合して識別情報に異常がないかどうかを検査する。ID検査装置300aは、ID読取装置300とほぼ同様の構成の携帯可能な検査装置であり、ID検査装置300aのみを携帯して遊技機の識別番号の検査を行うことができる。このようにして、遊技制御基板の識別情報を納入先の遊技店において確認することができ、遊技制御基板を流通経路の途中においてすり替える等の不正行為を防止することができる。
【0112】
サーバ用コンピュータ150から各遊技店のホールコンピュータ170に配信する検査情報は、図14に示す遊技機情報管理データ131の全てのデータ欄を含むものでもよいが、識別情報の検査に必要な、管理番号、台番号、識別情報のデータ欄のみを配信するようにすることが好ましい。管理番号、台番号、識別情報のデータの中でも、必須のデータは識別情報であり、管理番号および台番号のどちらか一方または両方は省略することができる。
【0113】
各遊技店のホールコンピュータ170とサーバ用コンピュータ150とを通信回線154によって接続する代わりに、記録媒体155によって検査情報を配信するようにしてもよい。記録媒体155は、ホールコンピュータ170によって読み取り可能な媒体(例えば、FD等)、または、ID検査装置300aによって読み取り可能な媒体とすることができる。特に、記録媒体155をIC記録媒体として、ID検査装置300aに装着して検査情報を直接読み取り可能とすることが好ましい。
【0114】
なお、ここでは遊技機メーカが情報管理部と営業拠点とにより識別情報の管理を行うようにしたが、情報管理部を第三者機関に設置し、営業拠点の代わりに第三者機関の拠点を設置して、第三者機関により識別情報の管理を行うようにしてもよい。また、パソコン100とサーバ用コンピュータ150とを別のコンピュータとしているが、両者を同一のものとしてパソコン100に情報管理部の機能も組み込むようにしてもよい。
【0115】
また、営業拠点においては、遊技機情報管理データ131をプリンタ161により印字して、識別情報を確認するようにしているが、遊技店用のID検査装置300aを使用して遊技店と同様に識別情報の検査を行うようにしてもよい。この場合、検査情報は、営業用コンピュータ160とID検査装置300aとを接続してID検査装置300aに送出して記憶させるか、記録媒体155によりID検査装置300aに記憶させる。
【0116】
さらに、パソコン100からサーバ用コンピュータ150に送信する検査情報、および、サーバ用コンピュータ150から営業用コンピュータ160、ホールコンピュータ170、ID検査装置300aに通信または記録媒体の送付によって配信する検査情報は、暗号化した情報とすることが好ましい。検査情報を暗号化して配信することにより、その情報を第三者が入手しても復号化できず、識別情報が第三者に漏れることがない。検査情報を暗号化して配信する場合は、サーバ用コンピュータ150、営業用コンピュータ160、ホールコンピュータ170、ID検査装置300aに暗号化した情報を復号化する復号化手段を設ける。
【0117】
図20は、ID検査装置300aの側面図である。各遊技店においては、ID検査装置300aによって遊技機の識別情報を検査する。ID検査装置300aは、図4、図5、図6に示したID読取装置300とほとんど同様の構成であるが、側面に入出力スロット312を備えている。入出力スロット312にはIC記録媒体からなる記録媒体155が装着可能である。ID検査装置300aの内部には、記録媒体155を読み取るための入出力回路が設けられている。ID検査装置300aは、装着された記録媒体155から検査情報を読み取り、内部のメモリに記憶することが可能である。
【0118】
また、ID検査装置300aでは、SRAM340内に記憶されたプログラムがID読取装置300とは異なっている。SRAM340は、書き換え自在のスタティックRAMであるが、主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351によって記憶内容がバックアップされている。すなわち、ID検査装置300aの電源がオフであってもSRAM340の記憶内容は保持され続け、SRAM340は不揮発性のメモリとして機能する。
【0119】
ID検査装置300aのSRAM340内には、ID発信器230の個別の識別情報、および、ID発信器230が取り付けられたパチンコ機1の台番号等の情報が対応付けられて記憶される識別情報テーブル341の領域が設けられている。またSRAM340内には、操作者の操作資格を確認するための暗証番号を記憶する暗証番号記憶領域が設けられている。SRAM340内には、その他に、CPU320の作業用メモリ領域も設けられている。
【0120】
図21は、ID検査装置300aのSRAM340内に記憶されたプログラム内容を示す図である。起動プログラム371は、電源キー305が押されて電源がオンとされたときの起動処理を行うプログラムである。起動時に決定キー306が押されていると、表示パネル303に選択メニューを表示する処理選択モードとなり、決定キー306が押されていなければ、パチンコ機1の識別情報の検査を行う検査モードとなる。
【0121】
また、電源がオンとなったときに入出力スロット312に記録媒体155が装着されていると、後述する記録媒体読取プログラム376が呼び出されて、記録媒体155内の検査情報が必要に応じて復号化されて読み取られ、SRAM340内の識別情報テーブル341(図22参照)の空き領域に登録される。その後、電源オン時の決定キー306の状態に応じて処理選択モードまたは検査モードに移行する。
【0122】
通信プログラム372は、通信回路322を制御して所定のプロトコルに従って通信を行うためのものである。通信プログラム372によって、ID発信器230に対して識別情報発信要求信号を送信し、さらに、ID発信器230からの識別情報送信信号を受信してデコードし識別情報を得る。メニュー表示選択プログラム373は、表示パネル303に選択メニュー(図23参照)を表示し、また、その選択メニューから操作者により選択された処理に分岐するためのプログラムである。
【0123】
識別情報登録プログラム374は、最初にパチンコ機1の識別情報をSRAM340内の識別情報テーブル341(図22参照)に設定、登録するためのプログラムである。通信プログラム372によって得られた、パチンコ機1の識別情報をパチンコ機の台番号、登録時刻情報とともに識別情報テーブル341に記憶する。また、電源オン時に入出力スロット312に記録媒体155が装着されていると、記録媒体155内の検査情報が読み取られ、識別情報テーブル341に登録される。
【0124】
整合性判定プログラム375は、パチンコ機1の識別情報の検査を行う検査モードにおいて、識別情報の整合性を判定するためのものである。パチンコ機1の識別情報をID発信器230から受信し、その識別情報が識別情報テーブル341に登録されているか否かを検索する。登録されていればその識別情報に対応する台番号を表示し、操作者が実際のパチンコ機1の台番号と一致するか否かを一目で判定できるようにする。識別情報が登録されていなければその旨を表示する。
【0125】
記録媒体読取プログラム376は、入出力スロット312に装着された記録媒体155から検査情報を読み取って識別情報テーブル341に登録するためのプログラムである。前述のように、電源オン時に入出力スロット312に記録媒体155が装着されていると、自動的に検査情報を読み取って識別情報テーブル341に登録する。なお、記録媒体155内の検査情報として台番号のデータが記録されていない場合は、台番号は「0000」として識別情報テーブル341に登録される。また、時刻情報には検査情報を読み込んだ時刻が登録される。
【0126】
なお、通常の電源オンでは、検査情報は識別情報テーブル341の空き領域に登録される。読み込むべき検査情報が複数の記録媒体155に記録されている場合は、最初の記録媒体を読み込んだ後、ID検査装置300aの電源をいったんオフとしてから、次の記録媒体を入出力スロット312に装着して電源をオンとする。このような操作を繰り返すことにより、複数の記録媒体155の検査情報を順次空き領域に読み込むことができる。
【0127】
これに対して、識別情報テーブル341を全て消去して、識別情報テーブル341の最初から検査情報を読み込むためには、取消キー309を押しながら電源をオンとする。このような操作を行うと、以前に記憶していた検査情報を全て消去して、新たな検査情報を識別情報テーブル341の記憶領域開始部(先頭部)から記憶することができる。このように、電源オン時に取消キー309を押すか否かによって、検査情報を新規登録するか、それとも追加登録するかを選択することができる。
【0128】
その他の処理プログラム377には、選択メニューにおけるその他の処理を行うプログラムや、表示パネル303の表示制御、表示LED304の点灯制御、ブザー328の発音制御、赤外線通信回路324の制御、シリアル入出力回路325の制御等を行うプログラムが含まれる。これらのプログラムは主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351によってバックアップされたSRAM340に記憶されているため、電源オフでも記憶内容が消えることはない。
【0129】
ただし、ID検査装置300aを不当に分解して内部解析を行う等の行為を防止するため、本体301が分解されると、主バッテリ350およびバックアップ用バッテリ351によるバックアップ用電源の供給回路が切断され、バックアップ用電源の供給が遮断されてSRAM340内のプログラムおよびデータは全て消去されるようになっている。このため、プログラムや識別情報テーブル341を解析して、識別情報を不当に入手するような行為を防止することができる。
【0130】
図22は、SRAM340に記憶された識別情報テーブル341のデータ構造を示す図である。図22の識別情報テーブル341は、n個の識別情報1〜nが登録されている状態である。ID検査装置300aを登録されていないパチンコ機1の遊技制御基板ボックス87bに接近させ、遊技制御基板87aに貼着等によって固定されているID発信器230から識別情報を読み取る。遊技制御基板ボックス87bの蓋体91は閉鎖したままの状態で、識別情報を読み取ることが可能である。
【0131】
読み取った識別情報は識別情報テーブル341の識別情報フィールド342に登録する。そして、入力されたそのパチンコ機1の台番号を、識別情報に対応させて台番号フィールド343に登録する。台番号を入力しないと台番号は「0000」に設定される。時刻情報フィールド344には、識別情報を登録した日付および時刻が記録される。時刻情報はカレンダ時計327から読み取られて記録される。
【0132】
図23は、ID検査装置300aの表示パネル303に表示される選択メニューを示す図である。この選択メニューは、電源キー305と決定キー306とを同時に押して電源をオンとしたときに表示される。最初に(a)のように、「メニュー」の表示とカレンダ時計327に設定されている現在の時刻(月/日、時:分)が表示される。バッテリ残量表示352は、主バッテリ350の残容量を表示するものである。バッテリフルの状態ではバッテリ残量表示352内の3個のブロックが全て点灯し、主バッテリ350の出力電圧が低下するに従って1個ずつブロックが消える。(a)の表示は所定時間(例えば2秒)表示されると、(b)の表示に切り替わる。
【0133】
(b)は、ID検査装置300aの作業内容を選択するための選択メニューである。画面には「1.トウロク」、「2.カクニン」の2つが表示されているが、下方向キー307、上方向キー308を操作することにより表示ページを切り替えることができる。上下表示353は、上下方向キー308,307が有効であることを示す表示である。カーソル354は上下方向キー308,307により上下に移動でき、カーソル354により所望の作業内容を選択し、決定キー306を押して決定する。
【0134】
(b)画面で、カーソル354を「2」に移動させ、さらに下方向キー307を押すと表示ページが切り替わり、(c)のようになる。さらに表示ページを切り替えると(d)のようになる。(b)〜(d)の選択メニューにおいて、「1.トウロク」は新規にパチンコ機1の識別情報を登録する作業を行うためのものであり、「2.カクニン」は識別情報を登録済みのパチンコ機1を確認する作業を行うためのものであり、「3.サクシ゛ョ」は登録済みの識別情報を削除する作業を行うためのものであり、「4.アンショウNo」はID検査装置300aの操作に必要な暗証番号を変更する作業を行うためのものであり、「5.セッテイ」はID検査装置300aの各種機能の設定を行うためのものであり、「6.END」は登録済みのパチンコ機1の識別情報を検査する検査モードに移行するためのものである。
【0135】
図24および図25は、識別情報の登録作業の手順における表示パネル303の表示を示すものである。このような登録作業は、メーカからの検査情報よらず、遊技店が独自に検査を行う場合に必要である。図23(b)における選択メニュー中「1.トウロク」を選択し、決定キー306を押すと、図24(1a)の画面表示がなされ、識別情報の登録作業が可能となる。下の行には識別情報の登録済み件数が表示される。(1a)の画面を所定時間表示した後、(1b)の画面に移行する。
【0136】
(1b)は、暗証番号の入力画面である。ID検査装置300aにおける、この登録作業のように安全確保が必要な作業を行うには、暗証番号の入力が必要である。これにより、不正に識別情報を変更してしまうような不正行為等を防止することができる。カーソル354は最初、暗証番号の左から1桁目の位置にあり、上方向キー308および下方向キー307を操作することにより、1桁目の数字を増減することができる。決定キー306を押すと1桁目の数字を決定し、1桁目は「*」の表示に変わり、カーソルは2桁目に移動する。(1c)は、このようにして暗証番号の3桁目まで決定し、4桁目を入力中の画面である。暗証番号の入力中に取消キー309を押すと、現在入力中の桁は「0」に戻り、カーソル354は1つ左側の桁に移動する。1桁目で取消キー309を押すと、図23(b)の選択メニューの表示画面に戻る。
【0137】
暗証番号を4桁全て入力し、ID検査装置300aに設定した暗証番号と一致すれば、(1d)のような登録作業の画面に移行する。暗証番号を入力してもID検査装置300aに設定した暗証番号と一致しなければ、ブザー328が3回鳴るとともに、図23(b)の選択メニューの表示画面に戻る。(1d)の画面では、まず登録しようとするパチンコ機1の台番号を入力する。台番号は、パチンコホールで使用されているパチンコ機1の通し番号であり、パチンコ機1の近傍に台番号を表示した番号プレート等が取り付けられている。台番号により個々のパチンコ機1を重複することなく指定することができる。
【0138】
台番号の入力は、暗証番号の入力と同様に、左から1桁目から順番に、上方向キー308および下方向キー307によって選択し、決定キー306によって決定する。ただし、ここではすでに決定した数字もそのまま表示され、「*」に変わることはない。台番号の入力中に取消キー309を押すと、現在入力中の桁はそのままで、カーソル354は1つ左側の桁に移動する。1桁目で取消キー309を押すと、図23(b)の選択メニューの表示画面に戻る。
【0139】
台番号を4桁全て入力すると、(1e)の画面に移行する。(1e)の画面では、上方向キー308を押すことにより台番号を1ずつ増加させ、下方向キー307を押すことにより台番号を1ずつ減少させることができる。ただし、台番号の変更可能範囲は0001〜9999の範囲である。(1e)の画面表示の状態で、ID検査装置300aのデータ送受信部302をパチンコ機1のID発信器230に接近させ、決定キー306を押すと、ID発信器230から識別情報を読み込む。読み込み中は図25(1f)の表示となる。
【0140】
図24(1d)の画面で台番号を「0000」と入力した場合には、台番号なしの登録となり、識別情報と時刻情報の異なる複数のデータが台番号「0000」として登録される。これは台番号によりパチンコ機1を管理していないホールや、台番号のかわりに数字以外の台識別符号を使用しているホール等において有効である。
【0141】
図25(1f)は、ID発信器230から識別情報を読み込んでいる最中の表示画面である。識別情報の読み込みが正常に行われれば、ブザー328が短く1回鳴るとともに、(1g)の画面に移行し、識別情報、台番号、時刻情報が識別情報テーブル341の各フィールドに登録される。また、(1g)の画面の下の行には、台番号が自動的に1だけ増加して表示され、このまま次のパチンコ機1の登録を行うことができる。データ送受信部302を次のパチンコ機1のID発信器230に接近させ、決定キー306を押せばよい。また、台番号を自動的に1だけ増加させる場合に、一般的に嫌われる「4」、「9」を含む台番号を飛ばすようにすることもできる。一般的な遊技店では、「4」、「9」は台番号として用いない所が多く、その遊技店での利便性を向上させている。(1g)の画面でも、上方向キー308を押すことにより台番号を1ずつ増加させ、下方向キー307を押すことにより台番号を1ずつ減少させることができる。
【0142】
(1f)の画面から、識別情報の読み込みが異常終了した場合は、ブザー328が3回鳴るとともに、(1h)の画面に移行する。ここで、再度決定キー306を押すと、再びID発信器230からの識別情報読み込み動作を行う。取消キー309を押すと、図24(1d)の台番号の入力画面に戻る。(1f)の画面から識別情報を読み込んだ際、すでにその識別情報が登録されているがその台番号が異なる場合には、ブザー328が3回鳴るとともに、(1i)の画面が表示され、操作者に別の台番号ですでにその識別情報が登録されている旨を伝える。ここで決定キー306または取消キー309を押すと、(1j)の画面に移行し、古い台番号を現在入力した台番号に変更してよいかどうかを確認する。(1j)の画面で決定キー306を押すと、台番号を変更して登録し(1g)の画面に移行する。(1j)の画面で取消キー309を押すと、登録をキャンセルして図24(1e)の画面に移行する。
【0143】
図25(1f)の画面から識別情報を読み込んだ際、すでにその識別情報と台番号が登録されている場合、台番号が登録済みで識別情報が異なる場合、最大登録数を越えて登録しようとしている場合等にもブザー328が3回鳴るとともに、それぞれの確認画面に移行して操作者にエラー内容や操作を促すメッセージを表示する。
【0144】
図26は、登録済み識別情報の確認作業の手順における表示パネル303の表示を示すものである。図23(b)における選択メニュー中「2.カクニン」を選択し、決定キー306を押すと、図26(2a)の画面表示がなされ、識別情報の確認作業が可能となる。下の行には識別情報の登録済み件数が表示される。(2a)の画面を所定時間表示した後、(2b)の画面に移行する。
【0145】
(2b)の画面では、確認しようとするパチンコ機1の台番号を入力する。台番号の入力は、図24(1d)の台番号の入力と同様である。台番号の入力中に取消キー309を押すと、現在入力中の桁はそのままで、カーソル354は1つ左側の桁に移動する。1桁目で取消キー309を押すと、図23(b)の選択メニューの表示画面に戻る。
【0146】
(2b)の画面で台番号を4桁全て入力し、その台番号が識別情報テーブル341に登録されていれば、(2c)の画面に移行して台番号と登録された時刻情報を表示する。入力した台番号が識別情報テーブル341になければ、入力した台番号より大きな登録済みの台番号を表示する。ただし、大きな台番号が登録されていなかった場合には、最も小さな登録済みの台番号を表示する。(2c)の画面では、上方向キー308を押すことにより台番号を増加させ、下方向キー307を押すことにより台番号を減少させて登録済みの次の台番号の登録情報を表示させることができる。ただし、台番号を9999からさらに増加させると0001となり、台番号を0001からさらに減少させると9999となる。この画面で取消キー309を押すと、(2b)の台番号入力画面に戻る。
【0147】
(2b)の画面で台番号を入力したが、全ての登録済みのデータが台番号なしの場合(台番号が0000の場合)には、(2e)の画面を表示する。この画面で取消キー309を押すと、(2b)の台番号入力画面に戻る。(2b)の画面で台番号を「0000」と入力した場合には、(2d)の画面に移行し、パチンコ機1の識別情報を読み取って登録されているか否かを確認するモードとなる。台番号なしで登録されているデータを確認する場合にも同じ操作を行う。
【0148】
(2d)の画面表示の状態で、ID検査装置300aのデータ送受信部302をパチンコ機1のID発信器230に接近させ、決定キー306を押すと、ID発信器230から識別情報を読み込む。識別情報を読み込んでいる最中には、図25(1f)と同様の表示を行う。識別情報の読み込みが正常に行われ、その識別情報が登録されていれば、(2c)の画面表示を行い、識別情報の読み込みが失敗するか、または読み込んだ識別情報が登録されていなければ、(2e)の画面表示を行う。
【0149】
図23(c)の選択メニューから「3.サクシ゛ョ」を選択すると、登録済みの識別情報を削除する作業を行うことができる。まず、暗証番号の入力を求められ、次に削除すべき登録済みの台番号を入力して削除を行う。削除作業の手順は、図26の登録済み識別情報の確認作業と同様のものである。図23(c)の「4.アンショウNo」を選択すると、ID検査装置300aの操作に必要な暗証番号を変更することができる。まず、古い暗証番号の入力が求められ、次に新しい暗証番号を確認のため2回入力して暗証番号の変更を行う。
【0150】
図23(d)の選択メニューから「5.セッテイ」を選択すると、さらに設定メニューが表示され、ID検査装置300aの各種機能の設定を行うことができる。ここでは、カレンダ時計327の時刻の設定、シリアル入出力回路325の通信パラメータ(通信ボーレート、キャラクタのビット数、パリティの有無、ストップビット長等)の設定、キー押下時の発生音の有無、ブザー音の音量等の設定が行える。また、識別情報テーブル341の全体の消去を行うこともできる。図23(d)の「6.END」を選択すると、登録済みのパチンコ機1の識別情報を検査する検査モードに移行することができる。
【0151】
図27は、検査モードでの識別情報の検査作業における表示パネル303の表示を示すものである。検査モードには、図23(d)の選択メニューから「6.END」を選択しても移行できるが、ID検査装置300aの電源オフの状態から電源キー305を単独で押すことにより、ID検査装置300aは直接検査モードで起動する。検査モードの初期画面は、図27(6a)のように「チェック」の表示とカレンダ時計327に設定されている現在の時刻(月/日、時:分)が表示される。(6a)の画面表示は所定時間(例えば2秒)表示されると、(6b)の画面表示に切り替わる。
【0152】
(6b)の画面表示の状態で、ID検査装置300aのデータ送受信部302をパチンコ機1の遊技制御基板87aに固定されたID発信器230に接近させ、決定キー(R/Wキー)306を押すと、ID発信器230から識別情報を読み込む。識別情報を読み込んでいる最中には、図25(1f)と同様の表示を行う。識別情報の読み込みが正常に行われ、その識別情報が登録されていれば、ブザー328が短く1回鳴るとともに、表示LED304が緑色に点灯し、(6c)の画面表示を行う。識別情報の読み込みが失敗すると、ブザー328が3回鳴るとともに、表示LED304が赤色に点灯し、(6d)の画面に移行する。読み込んだ識別情報が登録されていなければ、ブザー328が3回鳴るとともに、表示LED304が赤色に点灯し、(6e)の画面表示を行う。
【0153】
(6c)の画面は識別情報の検査に異常がなかった場合の表示であり、画面の下の行に登録されている台番号が表示される。操作者は、表示されている台番号と実際の台番号とを比較して、両者が一致していれば正常であると判断できる。台番号が一致しなければ、そのパチンコ機の調査が必要である。(6c)の画面から、データ送受信部302を次のパチンコ機1のID発信器230に接近させ、決定キー306を押せば、次のパチンコ機の識別情報を読み込み、連続してパチンコ機の識別情報を検査することができる。(6c)の画面から取消キー309を押すと、(6b)の画面に戻る。
【0154】
(6d)の画面は識別情報の読み込みが失敗した場合の表示であり、ここで再度、データ送受信部302をパチンコ機1のID発信器230に接近させ、決定キー306を押せば、もう1度識別情報の読み込みを行う。それでも(6d)の表示がされるようであれば、ID発信器230の異常、すなわち、遊技制御基板87aが不正交換された可能性がある。(6d)の画面から取消キー309を押すと、(6b)の画面に戻る。
【0155】
(6e)の画面は読み込んだ識別情報が登録されていない場合の表示であり、ここで決定キー306または取消キー309を押せば、(6b)の画面に戻る。この場合は、図26で説明した登録済み識別情報の確認作業を行う。いま検査を行ったパチンコ機の台番号が登録されていれば、遊技制御基板87aが不正交換された可能性がある。いま検査を行ったパチンコ機の台番号が登録されていなければ、登録漏れであるからその台番号の登録作業を行う。
【0156】
図27によって、遊技店に設置済みの遊技機の検査を行う場合を説明したが、遊技機メーカから納入された遊技機の識別情報を納入直後に検査する場合も、同様にして行うことができる。この場合は、情報管理部のサーバ用コンピュータ150から各遊技店に通信回線154または記録媒体155を介して検査情報が配信されるため、図24、図25のような登録作業を行う必要はなくなる。遊技店では、納入された遊技機に関する検査情報をホールコンピュータ170からID検査装置300aに転送するか、記録媒体155をID検査装置300aに装着することにより、ID検査装置300aの識別情報テーブル341に検査情報を登録する。
【0157】
台番号のデータが予め遊技店から遊技機メーカに送られていれば、納入された遊技機には台番号を示すシール等が貼り付けられており、検査情報にも台番号と識別情報とが対応付けられて登録されている。台番号のデータが予め遊技店から遊技機メーカに送られていなければ、遊技機には台番号が表示されておらず、検査情報の台番号は全て「0000」として登録されている。このような検査情報がID検査装置300aに読み込まれ記憶されるので、図27で説明したのと同様にして、納入直後の遊技機の識別情報を検査することができる。
【0158】
検査情報に台番号が登録されていない場合(台番号が「0000」の場合)には、ID検査装置300aの電源投入後、同じ識別情報を2回以上読み取ると表示パネル303の上の行に「2カイメ」等の表示を行い、同じ識別情報を2回以上読み取ったことを表示する。すなわち、ID検査装置300aの1回の電源投入に対して、同じ識別情報を2回以上読み取った場合はその旨を表示する。これにより、複数の遊技機に同一の識別情報(不正に入手した正規の識別情報)を添付して、正規の遊技機に見せかけるような不正行為を判別することができる。
【0159】
以上のように、ID検査装置300aの表示パネル303に表示されるメニューやガイダンスに従って操作するだけで、簡単にパチンコ機1の識別情報の登録および識別情報の検査を行うことができる。また、遊技制御基板87aをそれを収納する遊技制御基板ボックス87bごと不正に交換されても、その不正交換を判別することができる。さらに、パソコン100にID読取装置300を接続して簡単に識別情報を入力することができ、パチンコ機の不正改造等を判定するためのデータベースを簡単に構築できる。このデータベースから検査情報を抽出して納入先に配信することにより、遊技制御基板87aをそれを収納する遊技制御基板ボックス87bごと不正に交換されても、その不正交換を判別することができる。
【0160】
なお、以上の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例に挙げて説明したが、パチンコ機以外にもパチスロ機等の任意の遊技機に適用することができる。また、ID検査装置300aは、電源オン時に取消キー309を押すか否かによって、検査情報を新規登録するかそれとも空き領域に追加登録するかを選択することができるようにしたが、これ以外にも、登録済み検査情報の範囲を指定して部分的に消去したり、範囲指定した部分に上書きして読み込み登録できるようにしてもよい。
【0161】
また、以上に開示された実施の形態は全ての点で単なる例示であり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の範囲は、以上の発明の実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の記載の範囲内およびその均等の範囲内での全ての変更が含まれる。
【0162】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
【0163】
請求項1の発明によれば、識別情報管理装置では、遊技機の製造から搬出までの過程において遊技機の保持手段から読み取った識別情報と、制御基板以外の箇所に表示されている管理番号とを管理データとして記憶して出力し、遊技機の搬入先において使用される携帯型検査装置では、該出力された管理データを記憶し、遊技機の保持手段から読み取った識別情報が前記管理データの中に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定されたことに基づいて当該識別情報に対応付けて記憶している管理番号を特定可能な情報を表示する一方、記憶されていないと判定されたことに基づいてその旨を表示するので、制御基板を交換するような不正行為を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による検査対象である遊技機の例としてのパチンコ機の正面図である。
【図2】図2は、パチンコ機およびカードユニットの背面図である。
【図3】図3は、遊技制御基板ボックスの拡大図である。
【図4】図4は、本発明において使用するID読取装置の正面図である。
【図5】図5は、ID読取装置の側面図である。
【図6】図6は、ID読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、ID発信器の回路構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、ID読取装置のSRAM内のプログラムを示す図である。
【図9】図9は、識別情報のパソコン読取モードにおける表示パネルの表示を示す図である。
【図10】図10は、識別情報の読取表示モードにおける表示を示すものである。
【図11】図11は、識別情報の読取表示モードにおける表示を示すものである。
【図12】図12は、識別情報の設定メニューの表示を示すものである。
【図13】図13は、識別情報管理装置の回路構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、遊技機情報管理データのデータ構造を示す図である。
【図15】図15は、識別情報登録プログラムの実行画面を示す図である。
【図16】図16は、管理番号データ読み込みの画面を示す図である。
【図17】図17は、識別情報登録の画面を示す図である。
【図18】図18は、本発明の遊技機検査システムの一部を示す図である。
【図19】図19は、本発明の遊技機検査システムの他の部分を示す図である。
【図20】図20は、ID検査装置の側面図である。
【図21】図21は、ID検査装置のSRAM内のプログラムを示す図である。
【図22】図22は、識別情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図23】図23は、表示パネルに表示される選択メニューを示す図である。
【図24】図24は、識別情報の登録作業における表示を示すものである。
【図25】図25は、識別情報の登録作業における表示を示すものである。
【図26】図26は、識別情報の確認作業における表示を示すものである。
【図27】図27は、識別情報の検査作業における表示を示すものである。
【符号の説明】
1…パチンコ機
2…区画レール
3…遊技盤
4…可変表示部
5…画像表示装置
6…始動記憶表示器
7…固定入賞口
8…ワープ出口
9…始動口
10…可変入賞球装置
16…アウト口
17…普通図柄表示器
18…通過記憶表示器
19…風車
20…可動片
21…ワープ入口
22…サイドランプ
23…普通図柄始動ゲート
35…カードユニット
47…カード利用可表示ランプ
48…情報表示スイッチ
49…連結台方向表示器
50…カード挿入口
51…カードユニット錠
52…外枠
53…機構板
54…玉タンク
55…玉整列レール
56…窓開口
57…カーブ樋
58…通路体
59…賞球払出装置
61…開閉板
87a…遊技制御基板
87b…遊技制御基板ボックス
100…パソコン
150…サーバ用コンピュータ
151…通信装置
152…通信回線
153…通信回線
154…通信回線
155…記録媒体
160…営業用コンピュータ
161…プリンタ
170…ホールコンピュータ
230…ID発信器
300…ID読取装置
300a…ID検査装置
301…本体
302…データ送受信部
303…表示パネル
304…表示LED
305…電源キー
306…決定キー
307…下方向キー
308…上方向キー
309…取消キー
310…バッテリカバー
311…コネクタ
312…入出力スロット
352…バッテリ残量表示
353…上下表示
354…カーソル
400…マイコン
Claims (1)
- 遊技機の動作を制御する制御基板を個々に識別可能な識別情報を管理する識別情報管理装置と、前記遊技機の搬入先において前記制御基板の検査に使用される携帯型検査装置と、を含む識別情報管理システムであって、
前記識別情報管理装置は、
前記遊技機の製造から搬出までの過程において、前記遊技機の制御基板に取り付けられ前記識別情報を保持している保持手段から読取装置により読み取られた前記識別情報を入力する識別情報入力手段と、
前記遊技機の前記制御基板以外の箇所に表示されており該遊技機に予め付与された各遊技機固有の管理番号を入力する管理番号入力手段と、
該管理番号入力手段から入力された管理番号と、当該管理番号の遊技機の前記保持手段から読み取られ前記識別情報入力手段から入力された識別情報とを対応付けた管理データを記憶する管理装置側記憶手段と、
該管理装置側記憶手段で記憶している管理データを前記携帯型検査装置に記憶させるために出力する出力手段と、を有し、
前記携帯型検査装置は、
前記出力手段から出力された管理データを記憶する検査装置側記憶手段と、
前記遊技機の保持手段から前記識別情報を非接触で読み取る識別情報読取手段と、
該識別情報読取手段により読み取った識別情報が前記検査装置側記憶手段で記憶されているか否かを判定する識別情報判定手段と、
該識別情報判定手段により識別情報が記憶されていると判定されたことに基づいて当該識別情報に対応付けて前記検査装置側記憶手段で記憶している管理番号を特定可能な情報を表示する一方、前記識別情報判定手段により識別情報が記憶されていないと判定されたことに基づいてその旨を表示する表示手段と、を有することを特徴とする識別情報管理システム。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-08-02 JP JP21880199A patent/JP4458382B2/ja not_active Expired - Lifetime
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