JP4456848B2 - 着色建築板の製造方法 - Google Patents

着色建築板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4456848B2
JP4456848B2 JP2003370469A JP2003370469A JP4456848B2 JP 4456848 B2 JP4456848 B2 JP 4456848B2 JP 2003370469 A JP2003370469 A JP 2003370469A JP 2003370469 A JP2003370469 A JP 2003370469A JP 4456848 B2 JP4456848 B2 JP 4456848B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
building board
coloring
mat
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003370469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005131936A (ja
Inventor
尚基 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiha Corp
Original Assignee
Nichiha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiha Corp filed Critical Nichiha Corp
Priority to JP2003370469A priority Critical patent/JP4456848B2/ja
Publication of JP2005131936A publication Critical patent/JP2005131936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4456848B2 publication Critical patent/JP4456848B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Description

本発明は木質セメント板からなる着色建築板の製造方法に関するものである。
〔発明の背景〕
例えば外壁材等に使用される建築板としては、木質補強材をセメント系材料に混合した原料混合物を板状に成形し養生硬化せしめた木質セメント板が多用されている。そして該建築板表面には通常凹凸模様が付されているが、その多くは縦横目地溝に囲まれた凸ブロックを縦横に配列したブロック調模様である。そして該ブロック調模様としては出来るだけ天然石ブロックを積上げた天然石調の外観を有することが望まれる。
〔従来の技術〕
従来、このような天然石調の外観を有する建築板としては、型面に岩石様の陰凹凸模様を有する型板上に骨材着色による第1の淡色仕上塗材スラリーを流し込み、型面の凹部には厚く凸部には薄くなるようにし、更にその上から骨材着色による第2の濃色仕上塗材スラリーを表面が平面になるように流し込み、養生硬化させ、このようにして成形された板を脱型することによって製造された建築板A(特許文献1参照)、型面に陰凹凸模様を有する成形型の型面に離型剤を付着せしめ、該離型剤の付着量を該陰凹凸模様の凸部では凹部より多くしておいてから該型面上に顔料を散布し、該顔料を凹凸の高い部分程多く付着せしめ、該型面上に付着していない顔料を吸い取りや吹飛ばし等によって除去した後に該成形型に板材原料を流し込んで養生硬化し、このようにして成形された板を脱型することによって製造された建築板B(特許文献2参照)、セメントスラリー抄造吸引脱水過程において、抄造マットの表面に顔料の分散水を散布して製板し、圧締養生硬化することによって製造される繊維補強セメント板C(特許文献3参照)、表面に凹凸表面を有する無機質素板の全体に着色用粉体を被せ、該着色用粉体を掻き取って凹部にのみ該着色用粉体を残すようにし、該素板上に水を供給した上で養生硬化することによって製造された無機質板D(特許文献4参照)等が提供されている。
建築板Aでは表面の淡色塗膜を通してその下の濃色塗膜が看取され、更に建築板表面の凹凸により淡色傾向部と濃色傾向部とを形成して陰影の深いものとなるとされており、また建築板Bでは表面の凹凸模様の低い部分から高い部分に行くにしたがって着色量が漸減して自然物の美感を呈するとされている。更に繊維補強セメントCにあっては、顔料分散水の散布量を変化させ基層のセメント層に対する浸透率を異らせれば、マーブル調やぼかし模様ともなり模様の変化性も得られるとされ、また無機質板Dにあっては、凹部のみが着色され、その他の部分は素板の色彩となり、凹凸が強調されたものとなるとされている。
更に従来から天然石調の外観を付与するために例えばブロック調模様にあっては、目地溝内を目地材色(一般には白またはグレー)として凸ブロック面の着色とは異なった着色を施すことが行われている。
特開平10−102723号公報(〔特許請求の範囲〕) 特許第2550260号公報(〔請求項1〕) 特開平11−348017号公報 特開2001−138315号公報
しかし高度に自然石調の外観を付与するには、凸ブロック表面の微細凹凸模様に微妙に濃淡、色彩が変化する着色を施したり、特に自然石表面に露出する鉱物粒にもとづく微細な粒状の色彩変化を施したりすることが必要であるが、上記従来技術ではこのような微妙な変化のある着色を付すことが困難である。
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、建築板(10)表面の凹凸模様PEに対応する陰凹凸模様NEを型面(2) に形成した型板(1) の表面に離型剤Rを塗布する工程1、その上から着色用粉体P1を全面的に散布する工程2、その上から水または水性液を散布して上記着色用粉体P1散布面に水滴Dを形成し、該水滴Dの転動によって該水滴D表面に型面(2) 上に散布された着色用粉体P1を付着せしめる工程3、更にその上から木質補強材とセメント系材料とを主体とした原料混合物を散布してマットMをフォーミングする工程4、該マットMを圧締養生硬化せしめる工程5からなる着色建築板(10)の製造方法を提供する。
該原料混合物には型面(2) に散布される着色用粉体P1とは異色の着色用粉体P2が内添されていることが望ましく、また該水または水性液の散布量は10〜50g/m2 の範囲に設定されることが望ましい。更に該建築板(10)の表面には縦横目地溝(11)と、該目地溝(11)に囲まれた凸ブロック(12)とからなるブロック調模様が形成されており、該凹凸模様PEは該凸ブロック(12)表面に形成されており、それに対応して該型板(1) の型面(2) には目地溝形成凸部(2A)と凸ブロック形成凹部(2B)とが形成され、該凹部(2B)底面に陰凹凸模様NEが形成されていることが望ましい。
該型面(2) の目地溝形成凸部(2A)頂面に付着している着色用粉体P1を拭い取った上で、該原料混合物を散布してマットMをフォーミングすることが望ましい。更に該着色用粉体P1,P2は、無機顔料と、水硬性材料と、無機充填材とからなることが望ましく、該着色用粉体P1,P2の無機顔料は二種以上の異色顔料の混合物であることが望ましい。
一般に該建築板(10)は表裏層が緻密構造を有し、芯層が粗構造を有する三層構造であり、前記原料混合物の散布は、まず着色用粉体P2を内添した表層用原料混合物を散布して表層マットをフォーミングし、次いで芯層用原料混合物を散布して芯層マットをフォーミングし、更に裏層用原料混合物を散布して裏層マットをフォーミングし、このようにして得られた三層マットMを圧締養生硬化せしめることで製造される。
〔作用〕
上記型板(1) の型面(2) の表面に離型剤Rを塗布し、その上から着色用粉体P1を全面的に散布、該粉体P1散布面に水または水性液を散布すると、離型剤Rの撥水性によって該粉体P1が表面に付着した水滴Dが型面(2) 上に散在した状態となる。この際更に、該水滴Dは型面(2) の陰凹凸模様NEの凹部NEA に溜まり易い。そして該着色用粉体P1は無機質を含み親水性であるから、該粉体P1は該水滴Dに集積され、結果として水滴D部分は粉体P1付着量が多くなる。
この状態の型面(2) 上へ原料混合物を散布し、マットMをフォーミングし、該マットMを圧締養生硬化せしめ、得られた板状成形物(建築板(10))を脱型すると、該板状成形物の表面には型面(2) に散布した着色用粉体P1が転写されることによって着色が施される。この際水滴DはマットMに吸着されるから、この部分に集積されている粉体P1はより効率よく転写される。
上記したように水滴D部分は着色用粉体P1の付着量が多くかつ転写効率が良く、それ以外の部分は水滴D部分に比べて該粉体P1の付着量が少なくなるので、このような状態にある粉体P1散布層が板状成形物の表面に転写された場合、水滴D相当部分は濃色に着色され、それ以外の部分は淡色に着色される。また該水滴Dは前記したように型面(2) の陰凹凸模様NEの凹部NEA に溜まり易いのでこれに対応して板状成形物の凹凸模様PEの凸部PEA 部分が濃色傾向に着色される。またその濃淡変化は水滴Dの大きさによっても異なり、該板状成形物表面には非常に微妙な、かつ水滴Dにもとづく粒状の濃淡変化が付され、建築板表面が自然石に酷似した状態となる。
該原料混合物には型面(2) に散布される着色用粉体P1とは異色の着色用粉体P2が内添されていると、板状成形物の表面の着色の濃淡あるいは有無によって基地色の透視具合が異なり、意匠的な面白味が向上する。
該水または水性液の散布量は10〜50g/m2 の範囲に設定され、この範囲の量では、水滴Dにもとづく色彩の濃淡のバランスが天然石の濃淡バランスに略等しくなる。
該建築板(10)の表面には縦横目地溝(11)と、該目地溝(11)に囲まれた凸ブロック(12)とからなるブロック調模様が形成されており、該凹凸模様PEは該凸ブロック(12)表面に形成されており、それに対応して該型板(1) の型面(2) には目地溝形成凸部(2A)と凸ブロック形成凹部(2B)とが形成され、該凹部(2B)底面に陰凹凸模様NEが形成されている場合には、該型面(2) の目地溝形成凸部(2A)の頂面に付着している着色用粉体P1を拭い取った上で、該原料混合物を散布してマットMをフォーミングすると、目地溝(11)内は略基地の着色となり、凸ブロック(12)と目地溝(11)とが明確に色分けされ、高度な天然石調外観の表面を有する凸ブロック(12)が目地溝(11)を介して積上げられた天然石ブロック壁様な外観となる。
該着色用粉体P1,P2は、無機顔料と、水硬性材料と、無機充填剤とからなると、該着色用粉体P1,P2の貯蔵中の団塊形成が無機充填剤によって防止され、かつ粉体P1の離型剤R中への分散および顔料露出が円滑に行われる。また板(10)の養生硬化と共に該粉体P1,P2中の水硬性材料も硬化するので、板(10)表面に堅牢な着色を施すことが出来る。更に無機充填剤の添加量によって着色の濃淡も調節出来る。
該着色用粉体P1,P2の無機顔料は二種以上の異色顔料の混合物であると、建築板(10)表面の色彩が微妙に変化し、意匠性が増す。
〔効果〕
本発明では、表面の凹凸模様に対応して微妙に変化する着色を建築板に施すことが出来、高度な天然石調外観を有する建築板が提供される。
以下に本発明を詳細に説明する。
〔セメント系材料〕
本発明に使用されるセメント系材料としては、ケイ酸カルシウムを主成分とした水硬性材料であり、例えばポルトランドセメント、あるいはポルトランドセメントに高炉スラグを混合した高炉セメント、フライアッシュを混合したフライアッシュセメント、火山灰や白土等のシリカ物質を混合したシリカセメント、アルミナセメント等がある。
〔ケイ酸含有材料〕
本発明では、上記セメント系材料の硬化反応を促進するために、ケイ酸含有材料を添加することが望ましい。上記ケイ酸含有材料としては、例えばシリカ粉、ケイ砂、ケイ石粉、水ガラス、シリカヒューム、シラスバルーン、パーライト、マイカ、ケイ藻土、ドロマイト等がある。
〔木質補強材〕
本発明に使用される木質補強材としては、例えば木片、木質繊維束、木粉を使用する。該木片としては、巾0.5〜2.0mm、長さ1〜20mm、アスペクト比(長さ/厚み)20〜30としたものが望ましく、該木質繊維束としては平均径0.1〜2.0mm、長さ2〜35mmの分枝および/または湾曲および/または折曲させたものが望ましい。該木粉としては、目開き0.1〜1.5mmの粒径のものを使用するのが好ましい。これら木片、木質繊維束および木粉は混合して使用してもよい。木粉のように細かい木質材料を使用した層は緻密なものとなるため、圧縮応力に対して高い強度を示す。該緻密層は木質セメント板の表裏層とするのが好ましく、それによって、該木質セメント板は表面平滑性に優れたものとなり、該木質セメント板の表面に凹凸模様を形成する際には、該凹凸模様はシャープに形成される。また木質繊維束は嵩高く成形体の軽量化に寄与し、クッション性があり表面に凹凸模様を付す際の成形性に優れる。
本発明では上記以外木質補強材として木質スクラップから再生したものを使用することが出来る。上記木質スクラップとしては、例えば木造建築物を解体する際に発生する古材、製材工程から発生する鋸屑や端材、合板製造工程から発生するベニヤレースの端材、針葉樹の間伐材、木質セメント板の端材やスクラップ等がある。
〔第三成分〕
上記セメント系材料と木質補強材以外、本発明にあっては、例えば更に竹繊維、麻繊維、バカス、モミガラ、稲わら等の繊維、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミン酸塩類、水ガラス等の硬化促進剤やロウ、ワックス、パラフィン、界面活性剤、シリコン等の防水剤や撥水剤、アスファルト、ピッチ、コールタール等の瀝青質、アクリル樹脂、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、石油樹脂等の合成樹脂、ロジン、エステルガム、ダンマルガム、コーパル等の天然樹脂または天然樹脂変性物等熱可塑性物質の木片表面被覆剤等が添加されてもよい。
〔着色用粉体〕
着色用粉体には無機系と有機系とがあるが、木質セメント板表面との親和性の点および長期にわたって色調の変化が生じにくゝ板表面の着色が退色しない点等からみて、無機系顔料が好ましい。該無機系顔料としては、チタン白、ベンガラ(酸化鉄)、コバルトブルー、クロムイエロー等が例示される。これら着色用粉体は二種以上混合されてもよい。
〔水硬性材料〕
該着色用粉体には水硬性材料が混合されることが好ましい。該水硬性材料としては、前記セメント系材料、石膏、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ等があり、これら水硬性材料は二種以上混合されてもよい。上記水硬性材料は上記着色用粉体に対して通常5〜15質量%添加される。
〔無機充填剤〕
更に本発明では該着色用粉体に無機充填剤を添加することが好ましい。該無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、アルミナ、タルク、クレー、アスベスト、ガラス繊維、カーボン繊維、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、ジルコニア粉等が例示される。該無機充填剤は二種以上混合されてもよい。上記無機充填剤はは上記着色用粉体に対して通常40〜60質量%添加される。
〔離型剤〕
本発明にあっては、型板上に上記原料の混合物が散布されマットがフォーミングされ、圧締硬化せしめられるが、圧締硬化後に板の離型を円滑に行うために型板型面に離型剤を塗布する。このような離型剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、鉱油系、高級脂肪酸金属塩系等の一般に使用される離型剤が使用されるが、シリコン系、フッ素系、鉱油系のような低粘度の離型剤を使用すると、型面凹部に離型剤が溜まり易く、このような離型剤溜まりには着色用粉体が蓄積し易く、更に該離型剤溜まりに蓄積した粉体からは顔料が露出する傾向があり、結果として該凹部に対応する板状成形物凸部は濃色に着色される傾向にある。
〔水、水性液〕
本発明では主として水が使用されるが、水に代えて水性液が使用されてもよい。該水性液としては、合成樹脂エマルジョンや水溶性樹脂水溶液、所定の色の染料水溶液等がある。通常該合成樹脂エマルジョンや水溶性樹脂水溶液は、樹脂分を10質量%以下に希釈された希釈液として用いられる。
〔原料混合物の調製〕
本発明にあっては通常原料混合物の配合割合は、セメント系材料30〜60質量%、ケイ酸含有材料30〜60質量%、木質補強材(木粉+木片)5〜25質量%、硫酸アルミニウム0.5〜5質量%、着色用粉体1〜3質量%とする。
〔建築板の製造方法〕
本発明では型板上に原料混合物を散布してマットをフォーミングし、水分存在下に圧締養生硬化する乾式法または半乾式法によって建築板を製造する。乾式法にあっては、原料混合物には水分を添加せず、圧締養生硬化時に該マットに水分を供給し、また半乾式法にあっては原料混合物中に水分を通常30〜45質量%程度添加する。
上記乾式法や半乾式法は建築板の連続大量生産には極めて好適な方法である。
本発明において、ブロック調模様を有する建築板を製造する場合には、図1に示すように型面(2) に目地溝形成凸部(2A)と凸ブロック形成凹部(2B)とを形成し、更に該凹部(2B)の底面に陰凹凸模様NEを形成した型板(1) を使用し、該型板(1) の型面(2) に離型剤Rを塗布する(工程1)。この場合該離型剤Rは図1に示すように型板(1) の型面(2) の陰凹凸模様NEの凹部NEA 側に流動し、そこに離型剤溜まりRAを形成する傾向がある。その上から着色用粉体P1を全面的に散布する(工程2)。該着色用粉体P1の散布は通常電動篩を使用して行う。散布量は任意でよく濃色に着色する場合には散布量を多くし、淡色に着色したい場合には散布量を少なくする。通常散布量は50g/m2 〜150g/m2 程度とする。
このように着色用粉体P1を型面(2) に散布した場合、該粉体P1は該離型剤Rの粘性によって該型面(2) に付着するが、図2に示すように離型剤溜まりRA にあっては、該粉体P1の付着量が多くなる傾向があり、粉体溜まりPA が形成される。該粉体溜まりPA 、即ち離型剤溜まりRA にあっては離型剤Rの溜まり量が多く、粉体P1はその中に良好に分散し、着色用粉体P1に含まれている顔料が露出してくる。
このようにして型板(1) の型面(2) 上に形成された着色用粉体P1の散布層面には、上から水あるいは上記水性液が散布される。該水または水性液の散布には、小孔を多数設けたノズル等を使用する。
上記粉体P1の散布面に散布された水あるいは水性液は、図3に示すように離型剤Rの撥水作用によって水滴Dとなる。該水滴Dの粒径は上記ノズルの小孔径の大きさによって調節することが出来る。そして該粉体散布面の粉体P1が前記したようにその親水性によって該水滴Dに集積される。その結果図4に示すように該水滴Dには粉体P1が多量に集積付着され、その他の部分のP1付着量は少なくなり、更に粉体溜まりPA にあっては粉体P1付着量が多くなる。
この状態の型板(1) 上に型面(2) に散布した着色用粉体P1とは異色の着色用粉体P2を混合した原料混合物を散布して図6に示すようにマットMをフォーミングする(工程4)。このようにしてフォーミングされたマットMを圧締養生硬化せしめる。
圧締養生硬化条件は、通常圧締圧10〜30kg/cm2 、温度50〜80℃、時間8〜30時間程度で行われ、加熱は通常水蒸気にて行われる。圧締は二つの型板(1) 間に上記複層マットを挟圧することによって行われる。
このようにして成形された板状成形物を型板(1) から脱型して建築板(10)が製造される。該建築板(10)は、図7に示すように表面に凹凸模様が付され、かつ着色用粉体P1による着色が施されているが、ブロック調模様にあっては凹部は縦横目地溝(11)であり、凸部は凸ブロック(12)であり、該凸ブロック(12)の表面には微細凹凸模様PEが付されている。
そして上記粉体溜まりPA の個所は板(10)表面の凹凸模様PEでは凸ブロック(12)面になり、更にその中でも顕著な粉体溜りPA の個所は凸ブロック(12)面の凹凸模様PEの凸部であるから凸ブロック(12)面は全面的に着色が施されるが、その中でも表面の凹凸模様PEの凸部には上記着色用粉体P1にもとづく強い着色が施され、更に水滴Dの個所D' も上記着色粉体P1にもとづく強い着色が施され、その他の部分は着色粉体P1の付着量が少なく淡い着色が施され、また目地溝(11)内には殆ど該着色用粉体P1にもとづく着色が施されず、基地色が顕著となる。そして着色の強弱は凹凸模様の凹凸の様式によって微妙に変化する。
本発明にあっては、建築板(10)の表裏層を緻密構造とし、芯層を粗構造とする三層構造としてもよい。このような三層構造の建築板(10)を製造するには、前記した配合の原料混合物を表裏層用原料混合物とするが、裏層用原料混合物には着色用粉体P2を内添しなくてもよい。芯層用原料混合物としては、セメント系材料30〜60質量%、ケイ酸含有材料30〜60質量%、木質補強材(木質繊維束+木片)5〜25質量%、ポリスチレン予備発泡ビーズ0.5〜5質量%、硫酸アルミニウム0.5〜5質量%とした配合のものを使用する。
そして型板(1) 上に上記表層原料混合物を散布して表層マットをフォーミングし、次いでその上から芯層用原料混合物を散布して芯層マットをフォーミングし、更にその上に裏層用原料混合物を散布して裏層マットをフォーミングし、得られた三層構造のマットMを同様にして圧締養生硬化せしめる。
上記三層構造の建築板(10)にあっては表面が緻密であり、着色用粉体P1が強固に付着する。そして芯層が粗構造であるから軽量になり、クッション性を有し上記したように表面が緻密であることゝ相俟って凹凸模様PEが鮮明に付される。
更に本発明にあっては、型板(1) 型面(2) に着色用粉体P1を散布した後、該型板(1) 型面(2) の目地溝形成凸部(2A)の上面の着色用粉体P1を掻き取ってもよい。上記着色用粉体P1を掻き取るには図5に示すようにゴム製のワイパー(3) やロール、あるいは掻き取り部分に布やゴムを取付けた木製または金属製のワイパーやロールを使用する。型板(1) 型面(2) に離型剤R、特に高級脂肪酸金属塩系離型剤Rを塗布しておくと、該凸部(2A)上面の着色用粉体P1を掻き取った場合でも該上面に該着色用粉体P1が若干残存する。
原料混合物の処方の一例を以下に示す。
ポルトランドセメント 45質量部
ケイ砂 30 〃
パーライト 10 〃
木片 5 〃
木粉 5 〃
硫酸アルミニウム 3 〃
*着色用粉体P2 2 〃
*着色用粉体P2;チタン白:ベンガラ=75:25質量比とした混合物に10質量% の消石灰またはセメント系材料を添加した混合物
型板(1) の型面(2) には離型剤Rが塗布され、更にその上から着色用粉体P1が散布される。該着色用粉体P1は上記原料混合物に内添される着色用粉体P2とは異色なものであり、下記の組成を有する。
散布用着色用粉体P1;ベンガラ:コバルトブルー=80:20質量比とした混合物45質量%、消石灰またはセメント系材料5質量%、炭酸カルシウム50質量%の混合物
更に該型面(2) の着色用粉体P1散布面上に水または水性液を散布し、該着色用粉体P1を水滴Dに集積付着させ、図4に示す型面(2) 状態で上記原料混合物を型板(1) 上に散布して、図6に示すようにマットMをフォーミングする。
本実施例では該原料混合物中に水分を40質量%程度添加した半乾式法によりマット(マット厚み40mm)Mを抄造し、該マットMを圧締養生し厚み12mmの木質セメント板を成形硬化せしめた。
上記マットMの圧締養生条件は、圧締圧30kg/cm2 、温度65℃、時間20時間程度で行い加熱は水蒸気にて行った。圧締は二つの型板(1) 間に上記マットMを挟圧することによって行った。
上記圧締養生過程で上記マットMは硬化すると共にその表面に型板(1) の型面(2) の陰凹凸模様NEによりそれに対応する凹凸模様PEが付され、更に該表面には型板(1) 型面(2) に散布されている着色用粉体P1が付着固定される。
このようにして製造された建築板(10)にあっては、凸ブロック(12)上面には散布された着色用粉体P1の顔料にもとづく着色が100%看取され、拡大顕微鏡で表面を観察したところ、1mm2 の面積内に全面的に上記顔料による着色が施されていることが確認された。そして該凸ブロック(12)表面の着色状況は、図7に示すように水滴個所D’や凹凸模様PEの凸部PEA が濃色傾向にあり、その他の部分は淡色傾向にある。
また凹部PEB にあっては、深くなるにしたがって着色は弱くなり、1mm2 の面積内には散布された顔料による着色と、基材色とが混在し、散布された着色用粉体P1の顔料にもとづく着色が略50%看取され、凹部最深部では該顔料にもとづく着色は略10%であつた。
本発明の建築板にあっては型面の水滴散在位置や表面の凹凸模様に対応して表面の着色の濃淡、色彩が微妙に変化しているので、高度な天然石調外観を有し極めて商品価値が高いものとなる。
図1〜図7は本発明の一実施例を示すものである。
型板部分側断面図(着色用粉体散布状態) 粉体溜まり形成状態説明図 水滴転動状態説明図 水滴への着色粉体付着説明図 建築板凸部の着色用粉体掻き取り説明図 マットの形成説明図 建築板の着色状態説明図
符号の説明
1 型板
2 型面
2A (型板)凸部
2B (型板)凹部
NE (型板)陰凹凸模様
NEA (型板)陰凹凸模様の凹部
NEB (型板)陰凹凸模様の凸部
R 離型剤
RA 離型剤溜まり
P1,P2 着色用粉体
PA 着色用粉体溜まり
10 建築板
11 (建築板)目地溝
12 (建築板)凸ブロック
PE (建築板)凹凸模様
PEA (建築板)凹凸模様の凸部
PEB (建築板)凹凸模様の凹部
D 水滴
M マット

Claims (8)

  1. 建築板表面の凹凸模様に対応する陰凹凸模様を型面に形成した型板の表面に離型剤を塗布する工程1、その上から着色用粉体を全面的に散布する工程2、その上から水または水性液を散布して上記着色用粉体散布面に水滴を形成し、該水滴の転動によって該水滴表面に型面上に散布された着色用粉体を付着せしめる工程3、更にその上から木質補強材とセメント系材料とを主体とした原料混合物を散布してマットをフォーミングする工程4、該マットを圧締養生硬化せしめる工程5からなることを特徴とする着色建築板の製造方法。
  2. 該原料混合物には型面に散布される着色用粉体とは異色の着色用粉体が内添されている請求項1に記載の着色建築板の製造方法。
  3. 該水または水性液の散布量は10〜50g/m2 の範囲に設定される請求項1または2に記載の着色建築板の製造方法。
  4. 該建築板の表面には縦横目地溝と、該目地溝に囲まれた凸ブロックとからなるブロック調模様が形成されており、該凹凸模様は該凸ブロック表面に形成されており、それに対応して該型板の型面には目地溝形成凸部と凸ブロック形成凹部とが形成され、該凹部底面に陰凹凸模様が形成されている請求項1〜3に記載の着色建築板の製造方法。
  5. 該型面の目地溝形成凸部頂面に付着している着色用粉体を拭い取った上で、該原料混合物を散布してマットをフォーミングする請求項4に記載の着色建築板の製造方法。
  6. 該着色用粉体は、無機顔料と、水硬性材料と、無機充填材とからなる請求項1〜5に記載の着色建築板の製造方法。
  7. 該着色用粉体の無機顔料は二種以上の異色顔料の混合物である請求項6に記載の着色建築板の製造方法。
  8. 該建築板は表裏層が緻密構造を有し、芯層が粗構造を有する三層構造であり、前記原料混合物の散布は、まず着色用粉体を内添した表層用原料混合物を散布して表層マットをフォーミングし、次いで芯層用原料混合物を散布して芯層マットをフォーミングし、更に裏層用原料混合物を散布して裏層マットをフォーミングし、このようにして得られた三層マットを圧締養生硬化せしめる請求項1〜7に記載の着色建築板の製造方法。
JP2003370469A 2003-10-30 2003-10-30 着色建築板の製造方法 Expired - Lifetime JP4456848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003370469A JP4456848B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 着色建築板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003370469A JP4456848B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 着色建築板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005131936A JP2005131936A (ja) 2005-05-26
JP4456848B2 true JP4456848B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=34647475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003370469A Expired - Lifetime JP4456848B2 (ja) 2003-10-30 2003-10-30 着色建築板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4456848B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005131936A (ja) 2005-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5927034A (en) Flexible cement textured building tile and tile manufacturing process
CA2529810C (en) Clay plaster
JP7407140B2 (ja) 掻き落とし壁面の模様付け方法
JP7490836B2 (ja) 面材
JP2012519787A (ja) 壁体の装飾用壁面タイル金型、及び該金型を使用して現場で壁体の装飾用壁面タイルを製造する方法
CN101016714A (zh) 多孔水泥混凝土面层上喷刷形成的彩色路面及施工方法
JP4877708B2 (ja) 模様形成方法
JP7438804B2 (ja) 面材
JP4456848B2 (ja) 着色建築板の製造方法
JP2005131935A (ja) 着色建築板の製造方法
JP2005131934A (ja) 着色建築板の製造方法
KR100914630B1 (ko) 나무 무늬 노출콘크리트 표면 연출공법
JP2007270605A (ja) 板状建材の施工方法
JP2005113431A (ja) 建築板および該建築板の製造方法
JP7438803B2 (ja) 面材
JP3342274B2 (ja) 表装材の製造方法
IT201800003011A1 (it) Manufatto prefabbricato in calcestruzzo vibrocompresso
JPH068554B2 (ja) 下地板の製造方法
JPS61293575A (ja) 下地板の製造方法
JPH08505577A (ja) 薄いセメント質表面塗装被覆
JP4104880B2 (ja) 無機質板及びその製造方法
JP3374516B2 (ja) 無機質セメント板の製造方法
JP4227374B2 (ja) セメント板の製造方法
JP2024062481A (ja) 面材
KR20230166852A (ko) 시멘트계 복합재, 그 제조 및 시공 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4456848

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140212

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term